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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-91484(P2016-91484A)
(43)【公開日】2016年5月23日
(54)【発明の名称】端末装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20160418BHJP
   G06F 3/0488 20130101ALI20160418BHJP
   G06Q 30/02 20120101ALI20160418BHJP
   G06F 21/62 20130101ALI20160418BHJP
【FI】
   G06F3/041 595
   G06F3/048 620
   G06Q30/02 140
   G06F21/62 309
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-228588(P2014-228588)
(22)【出願日】2014年11月11日
(71)【出願人】
【識別番号】513093922
【氏名又は名称】株式会社Leonis&Co.
(74)【代理人】
【識別番号】100166545
【弁理士】
【氏名又は名称】折坂 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】上西 培智
【テーマコード(参考)】
5E555
5L049
【Fターム(参考)】
5E555AA53
5E555BA04
5E555BB04
5E555BC16
5E555CA12
5E555CB13
5E555CB16
5E555EA25
5E555FA14
5L049BB07
(57)【要約】
【課題】マルチタッチ対応のタッチパネルにおける複数の位置での接触または押下の入力に際し、偽装入力が困難な端末装置を提供する。
【解決手段】同時に複数の位置で接触または押下されたときに個々の接触または押下の位置を検出可能に構成されたタッチパネルと、前記タッチパネルに対する接触または押下に応じた制御を行う制御部と、を備える端末装置において、前記タッチパネルが所定の相対的な位置関係を有する複数の位置での接触または押下を検出し、前記所定の相対的な位置関係を維持しながら接触または押下の位置が所定の移動をしたことを条件に、前記制御部が所定の制御を行う。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
同時に複数の位置で接触または押下されたときに個々の接触または押下の位置を検出可能に構成されたタッチパネルと、
前記タッチパネルが所定の相対的な位置関係を有する複数の位置での接触または押下を検出し、前記所定の相対的な位置関係を維持しながら接触または押下の位置が所定の移動をしたことを条件に所定の制御を行う制御部と、
を備える端末装置。
【請求項2】
前記所定の移動は回転移動を含むことを特徴とする請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
前記所定の移動は平行移動を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の端末装置。
【請求項4】
前記タッチパネルが、前記所定の相対的な位置関係を有する複数位置での接触または押下を最初に検出した後、所定の時間間隔で接触または押下の位置を複数回検出し、検出された複数位置がいずれの回においても前記所定の相対的な位置関係を有している場合に、前記制御部が所定の制御を行うことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の端末装置。
【請求項5】
前記タッチパネルが、前記所定の相対的な位置関係を有する複数位置での接触または押下を最初に検出した後、接触または押下の位置の移動が停止した時に検出した接触または押下の位置が前記所定の相対的な位置関係を有している場合に、前記制御部が所定の制御を行うことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の端末装置。
【請求項6】
情報を表示する表示手段を更に備え、
前記タッチパネルは前記表示手段に重ねて設けられ、
前記所定の制御は前記表示手段の表示に所定の変化を生じさせる制御である
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の端末装置。
【請求項7】
前記表示手段が表示する情報は、利用者に利益を享受させるべく前記タッチパネルへの接触または押下を促す情報であり、
前記情報が前記表示手段に表示されている状態で、前記タッチパネルが、所定の相対的な位置関係を有する複数の位置での接触または押下を検出し、前記所定の相対的な位置関係を維持しながら前記接触または押下の位置が所定の移動をしたことを条件に、前記制御部が、利用者が前記利益を享受したことを示す表示の変化を生じさせるよう前記表示手段を制御することを特徴とする請求項6に記載の端末装置。
【請求項8】
コンピュータを請求項1から7のいずれか1項に記載の端末装置として機能させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マルチタッチ対応のタッチパネルにより検出した複数の位置での接触または押下に対し、その相対的な位置関係が所定の条件を満たしているか否かに応じて画面表示の制御を行う端末装置およびプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、端末装置、とりわけスマートフォンをはじめとする携帯端末においては、画面を指等で接触または押下(以下「接触等」という。)することにより端末の操作や端末への情報入力を行うことが可能なタッチパネル方式を採用するものが広く普及している。
【0003】
そのような中、タッチパネルが有する機能を利用してさまざまなサービスが考案されている。そのひとつとして、特許文献1に示されるマルチタッチ対応タッチパネル用の電子印章システムが挙げられる。これは、非導電部材の表面に取り付けられた複数の導電部材の相対的な位置関係を印章と観念し、この複数の導電部材を静電容量型のマルチタッチ対応のタッチパネルに接触させて、当該タッチパネルを備える端末装置に当該印章を電子的に認識させるものである。また、その応用的サービスとして非特許文献1の電子チケットサービスが提供されている。これは、専用の電子チケットアプリケーションの起動により電子チケットが表示された端末装置において、場内への入場時に前記のような印章を備えるスタンプをタッチパネルに接触させることにより使用済の表示に遷移させた上で入場を認めるという、紙のチケットと同様な機能を実現するものである。このサービスにより、スタンプをタッチパネルに接触させるという簡易な作業で紙のチケットで手間を要していたチケットのもぎり作業が代替されるため、入場手続きの円滑化を図ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−256246号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】“業界初!スマートフォンにスタンプを押す電子チケットサービス開始!”、[online]、平成26年5月20日、株式会社Leonis & Co. 、[平成26年10月29日検索]、インターネット(URL: http://leonisand.co/stamp_ticket_pre/)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
背景技術の電子チケットサービスは、例えばポイントサービスやスタンプラリーに応用することができる。具体的には、来店やチェックポイント到達ごとにタッチパネルにスタンプを接触等させることでポイント等を累積させていくという形態での応用が考えられる。このようなサービスにおいては、その累積状況に応じて利用者が何らかの利益を享受するのが一般的である。
【0007】
スタンプを接触等させるという入力行為により利用者が何らかの利益を享受するサービスの場合、偽装入力によってそのような利益を不当に得ようとする行為が横行する危険がある。そのため、サービス提供にあたってはその対策が必要となる。
【0008】
しかし、背景技術の電子印章や電子チケットサービスにおける入力方法は、単に所定の相対的な位置関係で配置された導電部材をタッチパネルに接触させるものにすぎないため、所定の相対的な位置関係がわかっていれば、複数本の指やスタンプの複製物等をタッチパネルに接触させることで容易に偽装入力ができてしまうという応用上の課題があった。
【0009】
本発明はこのような課題を解消すべく、複数の導電物質等の所定の相対的な位置関係がわかっていても偽装入力が困難な端末装置およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の形態に係る端末装置は、同時に複数の位置で接触等されたときに個々の接触等の位置を検出可能に構成されたタッチパネルと、タッチパネルが所定の相対的な位置関係を有する複数の位置での接触等を検出し、所定の相対的な位置関係を維持しながら接触等の位置が所定の移動をしたことを条件に制御部が所定の制御を行う。
【0011】
所定の移動は、例えば回転移動や平行移動を含むようにすることが考えられる。
【0012】
また、タッチパネルが、所定の相対的な位置関係を有する複数位置での接触等を最初に検出した後、所定の時間間隔で接触等の位置を複数回検出し、検出された複数位置がいずれの回においても所定の相対的な位置関係を有している場合に、制御部が、所定の制御を行うこととしてもよい。
【0013】
また、タッチパネルが、所定の相対的な位置関係を有する複数位置での接触等を最初に検出した後、接触等の位置の移動が停止した時に検出した接触等の位置が所定の相対的な位置関係を有している場合に、制御部が、所定の制御を行うこととしてもよい。
【0014】
本発明の第2の形態に係る端末装置は、第1の形態の応用形態であり、情報を表示する表示手段を更に備え、タッチパネルは表示手段に重ねて設けられ、制御部は表示手段の表示に所定の変化を生じさせる制御を行う。
【0015】
このとき、表示手段は利用者に利益を享受させるべくタッチパネルへの接触等を促す情報を表示することとし、情報が表示手段に表示されている状態で、タッチパネルが、所定の相対的な位置関係を有する複数の位置での接触等を検出し、所定の相対的な位置関係を維持しながら接触等の位置が所定の移動をしたことを条件に、制御部が、利用者が利益を享受したことを示す表示の変化を生じさせるよう表示手段を制御することとしてもよい。
【0016】
本発明の第3の形態に係るプログラムは、携帯端末等のコンピュータを第1または第2の形態に係る端末装置として機能させる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、利用者による端末装置への入力に際し、単に所定の相対的な位置関係で配置された導電部材をタッチパネルに接触させるだけでなく、その相対的な位置関係を維持した状態での所定の移動が必要となる。これにより、複数本の指による入力は相対的な位置関係の維持が難しく、また、所定の相対的な位置関係で配置された導電部材を備えるスタンプを使用したとしても所定の移動を行わなければならないため、所定の移動の内容を知らない限り入力ができない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】第1実施例の端末装置の構成を示す図である。
図2】スタンプの構成例を示す図である。
図3図2のスタンプによるタッチパネルへの接触の位置関係を示す図である。
図4】回転移動のイメージを示す図である。
図5】平行移動のイメージを示す図である。
図6】接触等の位置を所定の時間間隔で複数回検出するイメージを示す図である。
図7】第2及び第3実施例の端末装置の構成を示す図である。
図8】電子ポイントカードの表示例を示す図である。
図9】ポイントが加算されたことを示す表示の例を示す図である。
図10】電子スタンプカードの表示例を示す図である。
図11】チェックポイントをクリアしたことを示す表示の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[第1実施例]
図1は、本発明の端末装置10の構成を示す図である。端末装置10は、タッチパネル11と制御部12とを備える。
【0020】
タッチパネル11は、同時に複数の位置で接触等されたときに個々の接触等の位置を検出可能に構成されたマルチタッチ対応のものを使用する。タッチパネルの方式は複数あるが、マルチタッチに対応できるように構成されたものであれば方式は問わない。タッチパネル上の位置の検出は、例えば静電容量方式の場合は当該位置への指や金属等の導電物による接触に基づき行い、抵抗膜方式の場合は当該位置の指や突起物等による押下に基づき行う。本明細書における接触等という表現はこのような方式に応じた検出形態を意味するものである。
【0021】
制御部12は、タッチパネル11が検出した所定の相対的な位置関係を有する複数の位置での接触等が、当該所定の相対的な位置関係を維持しながら所定の移動をしたことを条件として所定の制御を行う。
【0022】
タッチパネル上の複数の位置での接触等につき、その相対的な位置関係を維持しながら移動をさせることを容易にするため、例えば図2に示すようなスタンプ20を利用することが考えられる。図2(a)は側面図、(b)は底面図である。スタンプ20は、本体22の底面22aにタッチパネルに接触等させるための複数の接触等用部材21を配置したものであり、本体22の上部には本体22を把持するための持ち手23を備える。タッチパネル上の位置の検出のために導電物の接触が必要な場合には、接触等用部材21に導電部材を用いるとともに、検出エラーを防ぐため本体22に非導電部材を用いるのが望ましい。一方、タッチパネル上の位置の検出のためにタッチパネルの押下が必要な場合には、接触等用部材21と本体22の導電性は問題にならないが、接触等用部材21の高さhはタッチパネルが位置の検出に必要な押下の深さ以上のものを用いる。図2(b)は接触等用部材21を5つ取り付けた例を示したものであるが、接触等用部材21の個数や配置により、相互に異なる多数の配置パターンの印章を生成することができる。
【0023】
スタンプ20の底面22aにおいて図2(b)に示すように配置された接触等用部材21をタッチパネル11に接触等させた場合、タッチパネル11では例えば図3に示すように接触等された各位置を検出する。もっとも、スタンプ20以外を用いても、スタンプ20の接触等用部材21の配置と同様な配置で複数本の指等を接触等させることで、タッチパネル11に同様な各位置を検出させる偽装入力を行うことが可能である。
【0024】
しかし、このように所定の相対的な位置関係で単にタッチパネル11に接触等させるにとどまらず、その接触等の位置を移動させ、その移動が端末装置10においてあらかじめ設定された所定の移動と合致した場合に限り正しく検出がされたとするという条件を設けることで、偽装入力を難しくできる。これは、例えば複数本の指により偽装入力をしようとした場合、移動させることによって接触等の状態が各指によって変化し、所定の相対的な位置関係の維持が難しくなるためである。また、スタンプ20が無断で複製されてしまった場合には、複数の接触等用部材21を所定の相対的な位置関係を維持しつつタッチパネル上で移動させることができてしまうが、その移動が所定の移動である必要があるため、それを知る者でない限り偽装入力をすることができない。
【0025】
所定の移動は、具体的には例えば回転移動や平行移動が考えられる。図4および図5図3の5ヶ所の接触等の位置を移動させた例である。図4(a)は図3に示す最初の接触等状態であり、図4(b)はこれを5ヶ所のほぼ真ん中を中心に時計回りに45度回転させた例を示したものである。また、図5は、図5(a)は図3に示す最初の接触等状態であり、図5(b)はこれを平行移動させた例を示したものである。このように所定の移動を設定することで、このような移動が必要であることを知らない者による偽装入力を防止することができる。特に、指等によって接触等の位置関係を維持しながら回転移動を試みる場合、回転中心からの距離の差によって各接触位置の移動距離が異なり、これによって位置関係の維持が困難になるので所定の移動を回転移動とすることで偽装入力を効果的に防ぐことができる。また、所定の移動を平行移動の長さの範囲(例えば3〜5cm等)、回転角度の範囲(例えば30〜60度等)、または移動・回転の時間や速度・角速度等の範囲で限定することで偽装入力がより困難になる。また、回転移動や平行移動を正負方向に多段設定したり、回転移動と平行移動とを組み合わせて、回転移動の後で平行移動をさせる、またはその逆というように設定したりすることで、更に偽装入力が困難になる。回転移動の多段設定の場合、例えば当初の接触等の状態が0度であるとしてそこから360度の回転角を例えば12度ずつ30等分し、0〜12度の回転範囲を1区、12〜24度の回転範囲を2区というように30区まで設定して、所定の移動を例えば15区→3区→10区→25区の順で4段の回転移動をさせるというように設定する。このようにダイヤル式金庫のように回転移動を多段設定することで、所定の移動の内容を知らない者による偽装入力はほぼ不可能となる。
【0026】
所定の相対的な位置関係の所定の移動中における検出点数は多ければ多いほど移動途中での接触等の状態の変化を的確にとらえることができるが、その分端末装置10での情報処理量や記憶容量が増加するという問題が生じる。そこで、例えばタッチパネル11が所定の相対的な位置関係を有する複数位置での接触等を最初に検出した後、所定の時間間隔で接触等の位置を複数回検出し、検出された複数位置がいずれの回においても所定の相対的な位置関係を維持している場合に制御部12が所定の制御を行う。ここで、所定の時間間隔は必ずしも等間隔に設定しなくてもよいし、その時々でランダムに設定してもよい。図6は最初の検出タイミングをa、そのs秒後の検出タイミングをb、更にそのt秒後の検出タイミングをcとし、接触等の箇所数を5、各箇所の位置を1〜5として表現したものである。このとき、最初の検出タイミングでのa1〜a5の相対的位置関係がb1〜b5、c1〜c5でそれぞれ維持されているか否かを制御部13が判断し、維持されている場合に表示手段11の表示に所定の変化を生じさせる。sとtの大小関係は任意であり、また固定的でなくてもよい。なお、ここでは所定の時間間隔での検出を例に挙げたが、時間間隔の代わりに移動距離間隔や回転角度間隔としてもよい。
【0027】
また、タッチパネル11が所定の相対的な位置関係を有する複数位置での接触等を最初に検出した後、接触等の位置の移動が停止した時に検出した接触等の位置が所定の相対的な位置関係を有している場合に、制御部12が所定の制御を行うこととしてもよい。この場合、一旦停止して検出した後に再度移動させ再度の停止時に再度検出を行い、その各タイミングで所定の相対的位置関係が維持されている場合に表示に所定の制御を行うこととしてもよい。
【0028】
また、接触等の位置が所定の相対的な位置関係を維持しながら所定の移動をしたという条件を満たした場合であっても、更に何らかの条件を満たした場合に限り所定の制御を行うこととしてもよい。例えば、端末装置に実装された近接センサ、環境光センサ、加速度センサ、音センサ、3軸ジャイロ、GPS(Global Positioning System)、Bluetooth(登録商標)、方位磁石などによる検知状態を条件とする。具体的には、近接センサの場合はセンサ部分を指で塞ぐなどした時、環境光センサの場合は所定の明るさの環境下にある時、加速度センサの場合はシェイク操作等を行うなどした後、音センサの場合は所定の音を検知している時などが挙げられる。また、3軸ジャイロの場合は例えば水平である時、GPSの場合は特定の位置で操作した時、Bluetoothの場合は特定の信号を受信している時、方位磁石の場合は磁石が反応した時などが挙げられる。
【0029】
接触等の位置が所定の相対的な位置関係を維持しながら所定の移動をしたという条件の充足によって制御部12が行う所定の制御は、いかなる制御であっても構わない。その条件を知る者に限り制御を実行させることができるため、単なる偽装入力の防止に限らず、利用者が端末装置10に各種情報処理を実行させる権限を有するか否かの認証目的に利用することができる。すなわち、利用者によって当該条件を充足する入力操作がされた場合に限り認証が成功したとして制御部12に所定の制御を実行させ、それ以外の場合は所定の制御を実行させないよう端末装置10を構成することができる。このような構成は例えば、端末装置のロックの解除や特定アプリケーションの利用の認証に利用することができる。また、電子データの送受にあたり、当該条件を知っている受信者に限り認証を成功させデータを閲覧することができるという電子データに鍵をかけるしくみとしても利用することができる。
【0030】
以上の構成により、指や無断複製スタンプ等により偽装入力や偽装認証をしようしても、複数の接触等につき所定の相対的な位置関係を維持できない、または所定の移動ができないことにより、偽装入力や偽装認証を防ぐことができる。
[第2実施例:表示手段との連動]
【0031】
図7は、本発明の端末装置30の構成を示す図である。端末装置30は、端末装置10の構成に加え、表示手段31を備える。
【0032】
表示手段31には、一般的には液晶ディスプレイの使用が考えられるが、タッチパネル11を重ねて設けることができるものであれば、その他の種類の表示手段であっても構わない。表示手段31は、制御部12による制御が行われるのに先立ち、制御によりなされる表示の変化の前提となる任意の情報を表示していることとする。
【0033】
制御部12は、タッチパネル11が検出した所定の相対的な位置関係を有する複数の位置での接触等が、当該所定の相対的な位置関係を維持しながら所定の移動をしたことを条件として表示手段31の表示に所定の変化を生じさせる制御を行う。
条件の充足を契機に表示手段の表示に変化を生じさせるという制御により、例えばその画面表示に変化したことが利用者の利益の享受につながる場合や端末装置による以後の情報処理の前提となる場合に、その利益の享受や情報処理の実行をその条件を知る者でなければ実現できないことから、条件を知らない者が利益を不正に享受したり情報処理を不正に実行したりすることを防ぐことができる。
[第3実施例:ポイントサービス等への具体的応用例]
【0034】
第2実施例で挙げた、表示手段の表示に所定の変化を生じさせることが利用者の利益の享受につながる場合の具体例として、電子的に提供されるポイントサービスやスタンプラリー等の画面表示が挙げられる。
【0035】
ポイントサービスを例にとると、図8に示すような電子ポイントカードが表示手段31により背後に表示されたタッチパネル11に、所定の相対的な位置関係を有する複数の接触等用部材21が設けられた図2に示すようなスタンプ20等を接触等させた上で所定の移動がされたという条件が充足された場合に限り、制御部12が、図9に示すようにポイントが付与されたことを示す表示の変化を生じさせるよう表示手段31を制御する。
【0036】
また、スタンプラリーを例にとると、図10に示すような電子スタンプカードが表示手段31により背後に表示されたタッチパネル11に、所定の相対的な位置関係を有する複数の接触等用部材21が設けられた図2に示すようなスタンプ20等を接触等させた上で所定の移動がされたという条件が充足された場合に限り、制御部12が、図11に示すようにチェックポイントをクリアしたことを示す表示の変化を生じさせるよう表示手段31を制御する。
【0037】
このように端末装置を構成することで、所定の相対的な位置関係を有する複数の位置での接触等がその位置関係を維持しながら所定の移動をしたという条件を知らない利用者は偽装入力を行うことができない。そしてその結果、ポイントの付与やチェックポイントのクリアを内容とする表示の変化を生じさせることができないため、このような利用者が不正に利益を享受することを防ぐことができる。
【0038】
各実施例の端末装置における各機能・処理は、必要に応じ併合・分割しても構わない。また、本発明において表現されている技術的思想の範囲内で適宜変更が可能であり、その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0039】
携帯端末等のコンピュータを本発明の端末装置の各手段および各部として機能させる場合、各手段および各部での処理内容はプログラムによって記述される。そのプログラムは、例えば、ハードディスク装置に格納されており、実行時には、必要なプログラムやデータがRAM(Random Access Memory)に読み込まれて、そのプログラムがCPUにより実行されることにより、コンピュータ上で各処理内容が実現される。
【符号の説明】
【0040】
10、30 端末装置
11 タッチパネル
12 制御部
31 表示手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11