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特開2016-9290評価支援装置、評価支援方法、及びコンピュータプログラム、並びにそのプログラムを記録した記録媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-9290(P2016-9290A)
(43)【公開日】2016年1月18日
(54)【発明の名称】評価支援装置、評価支援方法、及びコンピュータプログラム、並びにそのプログラムを記録した記録媒体
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/06 20120101AFI20151215BHJP
   G06F 9/44 20060101ALN20151215BHJP
【FI】
   G06Q10/06 100
   G06F9/06 620J
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-128979(P2014-128979)
(22)【出願日】2014年6月24日
(71)【出願人】
【識別番号】502076305
【氏名又は名称】株式会社ビジネスコミュニケーション社
(74)【代理人】
【識別番号】100101878
【弁理士】
【氏名又は名称】木下 茂
(72)【発明者】
【氏名】山本 修一郎
【テーマコード(参考)】
5B376
5L049
【Fターム(参考)】
5B376BA01
5L049AA07
(57)【要約】
【課題】作業プロセスが作業標準と作業手順書とに準拠しているかを評価するとともに、作業プロセスに改善すべき事項がある場合には、その改善計画を効率的に企画する評価支援装置を提供する。
【解決手段】CPU2がプログラムPを実行することにより、確認項目抽出部11と、確認項目選択部12と、確認項目分析部13と、文書項目抽出部14と、根拠文書突合部15と、改善項目計画部16と、評価指標計数部17と、作業報告作成部18とが機能する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
演算処理を行うCPUと、前記CPUにより実行可能なプログラムが格納される記憶装置とが具備され、前記CPUが前記記憶装置に格納されたプログラムを実行することにより、開発システムに対する作業プロセスが作業標準に準拠しているかを評価する評価支援装置であって、
前記CPUが前記記憶装置に格納されたプログラムを実行することにより、
作業標準が文書で規定された作業ガイドラインから、推奨される作業項目を抽出し、推奨作業確認項目表を作成する確認項目抽出部と、
前記推奨作業確認項目表に登録された確認項目の中から、開発システムに対応する確認項目を抽出し、作業確認項目評価表を作成する確認項目選択部と、
前記作業ガイドラインと、作業で参照される作業手順書と、作業水準が定義された作業水準評価表と、前記作業手順書に基づいて実施された作業結果が記録報告された作業評価報告書類とを用い、前記作業確認項目評価表の確認項目に適合する根拠文書の存在を確認するとともに、確認項目の現在の作業水準を作業確認項目評価表に登録する確認項目分析部と、
前記作業手順書から作業の根拠となる文書項目を抽出し、作業文書一覧表に登録する文書項目抽出部と、
前記作業手順書において目標とする所定の作業水準を有する確認項目について、前記作業文書一覧表を参照し、根拠となる文書項目を前記作業確認項目評価表に登録する根拠文書突合部と、
前記根拠文書突合部の結果に基づき、現状の作業を改善するための改善項目を作業改善項目表に登録する改善項目計画部と、
前記作業確認項目評価表と前記作業改善項目表とを用い、現状と改善後の作業の評価結果から、所定の作業評価視点に基づき現状と改善後の評価値をそれぞれ算出する評価指標計数部とが機能することを特徴とする評価支援装置。
【請求項2】
さらに、前記評価値により数値化された評価結果が登録された作業評価視点結果表を作成するとともに、前記作業評価視点結果表から作業評価報告書を作成する作業報告作成部が機能することを特徴とする請求項1に記載された評価支援装置。
【請求項3】
演算処理を行うCPUと、前記CPUにより実行可能なプログラムが格納される記憶装置とが具備された評価支援装置により実施され、前記CPUが前記記憶装置に格納されたプログラムを実行することにより、開発システムに対する作業プロセスが作業標準に準拠しているかを評価する評価支援方法であって、
前記CPUが前記記憶装置に格納されたプログラムを実行することにより、
作業標準が文書で規定された作業ガイドラインから、推奨される作業項目を抽出し、推奨作業確認項目表を作成するステップと、
前記推奨作業確認項目表に登録された確認項目の中から、開発システムに対応する確認項目を抽出し、作業確認項目評価表を作成するステップと、
前記作業ガイドラインと、作業で参照される作業手順書と、作業水準が定義された作業水準評価表と、前記作業手順書に基づいて実施された作業結果が記録報告された作業評価報告書類とを用い、前記作業確認項目評価表の確認項目に適合する根拠文書の存在を確認するとともに、確認項目の現在の作業水準を作業確認項目評価表に登録するステップと、
前記作業手順書から作業の根拠となる文書項目を抽出し、作業文書一覧表に登録するステップと、
前記作業手順書において目標とする所定の作業水準を有する確認項目について、前記作業文書一覧表を参照し、根拠となる文書項目を前記作業確認項目評価表に登録するステップと、
前記作業確認項目評価表に基づき、現状の作業を改善するための改善項目を作業改善項目表に登録するステップと、
前記作業確認項目評価表と前記作業改善項目表とを用い、現状と改善後の作業の評価結果から、所定の作業評価視点に基づき現状と改善後の評価値をそれぞれ評価値を算出するステップとが実行されることを特徴とする評価支援方法。
【請求項4】
さらに前記評価値により数値化された評価結果が登録された作業評価視点結果表を作成するとともに、前記作業評価視点結果表から作業評価報告書を作成するステップが実行されることを特徴とする評価支援方法。
【請求項5】
コンピュータにおいて演算処理を行うCPUにより実行され、開発システムに対する作業プロセスが作業標準に準拠しているかを評価するよう前記コンピュータを機能させるコンピュータプログラムであって、
前記CPUにより実行されることにより、
作業標準が文書で規定された作業ガイドラインから、推奨される作業項目を抽出し、推奨作業確認項目表を作成するステップと、
前記推奨作業確認項目表に登録された確認項目の中から、開発システムに対応する確認項目を抽出し、作業確認項目評価表を作成するステップと、
前記作業ガイドラインと、作業で参照される作業手順書と、作業水準が定義された作業水準評価表と、前記作業手順書に基づいて実施された作業結果が記録報告された作業評価報告書類とを用い、前記作業確認項目評価表の確認項目に適合する根拠文書の存在を確認するとともに、確認項目の現在の作業水準を作業確認項目評価表に登録するステップと、
前記作業手順書から作業の根拠となる文書項目を抽出し、作業文書一覧表に登録するステップと、
前記作業手順書において目標とする所定の作業水準を有する確認項目について、前記作業文書一覧表を参照し、根拠となる文書項目を前記作業確認項目評価表に登録するステップと、
前記作業確認項目評価表に基づき、現状の作業を改善するための改善項目を作業改善項目表に登録するステップと、
前記作業確認項目評価表と前記作業改善項目表とを用い、現状と改善後の作業の評価結果から、所定の作業評価視点に基づき現状と改善後の評価値をそれぞれ算出するステップとが前記コンピュータにより実行されることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項6】
さらに前記評価値により数値化された評価結果が登録された作業評価視点結果表を作成するとともに、前記作業評価視点結果表から作業評価報告書を作成するステップが前記コンピュータにより実行されることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項7】
前記請求項5または請求項6に記載のコンピュータプログラムを記録したことを特徴とする記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、評価支援装置、評価支援方法、及びコンピュータプログラム、並びにそのプログラムを記録した記録媒体に関し、特に、作業プロセスが作業標準に準拠していることを評価する評価支援装置、評価支援方法、及びコンピュータプログラム、並びにそのプログラムを記録した記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば情報通信技術に係るシステム開発においては、作業標準を文書で規定した作業ガイドラインに沿って作業を進めなければならない。さらに、開発システムに対応する、より詳細な事項が定められた作業手順書(作業原則、作業計画、作業目的、作業内容)に沿って作業が行われる必要がある。
また、一般に、作業経過状況は、作業記録表、課題管理表等といった記録簿に記録する必要があり、その厳密な管理も要求される。
【0003】
ところで、前記開発システムに対応する作業手順書は、顧客とベンダがシステムの仕様を検討し、合意した内容を記述したものであり、記述漏れや曖昧な記述があると、顧客の理解とベンダの理解との間に乖離が生じ、見積もり誤りや、後工程での再作業又は追作業の発生要因となるといった課題がある。
このような課題に対し、特許文献1に開示された評価支援装置にあっては、例えばシステム開発を進める上で必要となる作業手順書(要件定義書)の内容を評価し、スコアを算出して、作業手順書の内容を客観的に評価することを可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−154662号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記特許文献1に開示された評価支援装置によれば、完成度の高い作業手順書を得ることができる。
しかしながら、特許文献1に開示された評価支援装置にあっては、成果物である文書の記述項目や品質特性に基づく評価を行うものであり、システム開発における作業プロセスの根拠(根拠となる文書が存在するか等)や実施結果の妥当性を評価できるものではなかった。
即ち、作業が作業ガイドラインと作業手順書とに準拠して行われているかを評価するとともに、作業プロセスに改善すべき事項がある場合に、その改善計画を効率的に企画することのできる技術が必要とされていた。
【0006】
本発明は、前記した点に着目してなされたものであり、作業プロセスが作業標準と作業手順書とに準拠しているかを評価するとともに、作業プロセスに改善すべき事項がある場合には、その改善計画を効率的に企画することのできる評価支援装置、評価支援方法、及びコンピュータプログラム、並びにそのプログラムを記録した記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記した課題を解決するために、本発明に係る評価支援装置は、演算処理を行うCPUと、前記CPUにより実行可能なプログラムが格納される記憶装置とが具備され、前記CPUが前記記憶装置に格納されたプログラムを実行することにより、開発システムに対する作業プロセスが作業標準に準拠しているかを評価する評価支援装置であって、前記CPUが前記記憶装置に格納されたプログラムを実行することにより、作業標準が文書で規定された作業ガイドラインから、推奨される作業項目を抽出し、推奨作業確認項目表を作成する確認項目抽出部と、前記推奨作業確認項目表に登録された確認項目の中から、開発システムに対応する確認項目を抽出し、作業確認項目評価表を作成する確認項目選択部と、前記作業ガイドラインと、作業で参照される作業手順書と、作業水準が定義された作業水準評価表と、前記作業手順書に基づいて実施された作業結果が記録報告された作業評価報告書類とを用い、前記作業確認項目評価表の確認項目に適合する根拠文書の存在を確認するとともに、確認項目の現在の作業水準を作業確認項目評価表に登録する確認項目分析部と、前記作業手順書から作業の根拠となる文書項目を抽出し、作業文書一覧表に登録する文書項目抽出部と、前記作業手順書において目標とする所定の作業水準を有する確認項目について、前記作業文書一覧表を参照し、根拠となる文書項目を前記作業確認項目評価表に登録する根拠文書突合部と、前記根拠文書突合部の結果に基づき、現状の作業を改善するための改善項目を作業改善項目表に登録する改善項目計画部と、前記作業確認項目評価表と前記作業改善項目表とを用い、現状と改善後の作業の評価結果から、所定の作業評価視点に基づき現状と改善後の評価値をそれぞれ算出する評価指標計数部とが機能することに特徴を有する。
尚、さらに、前記評価値により数値化された評価結果が登録された作業評価視点結果表を作成するとともに、前記作業評価視点結果表から作業評価報告書を作成する作業報告作成部が機能することが望ましい。
【0008】
このような構成によれば、確認が必要な作業項目について、現状の作業水準と達成すべき作業水準とを突き合わせ、数値化した評価結果が得られるため、作業者は改善が必要な作業項目と、その改善事項を容易に知ることができる。
即ち、作業が作業ガイドラインと作業手順書とに準拠して行われているかを評価することができ、作業プロセスに改善すべき事項がある場合に、その改善計画を効率的に企画することができる。
【0009】
また、前記した課題を解決するために本発明に係る評価支援方法は、演算処理を行うCPUと、前記CPUにより実行可能なプログラムが格納される記憶装置とが具備された評価支援装置により実施され、前記CPUが前記記憶装置に格納されたプログラムを実行することにより、開発システムに対する作業プロセスが作業標準に準拠しているかを評価する評価支援方法であって、前記CPUが前記記憶装置に格納されたプログラムを実行することにより、作業標準が文書で規定された作業ガイドラインから、推奨される作業項目を抽出し、推奨作業確認項目表を作成するステップと、前記推奨作業確認項目表に登録された確認項目の中から、開発システムに対応する確認項目を抽出し、作業確認項目評価表を作成するステップと、前記作業ガイドラインと、作業で参照される作業手順書と、作業水準が定義された作業水準評価表と、前記作業手順書に基づいて実施された作業結果が記録報告された作業評価報告書類とを用い、前記作業確認項目評価表の確認項目に適合する根拠文書の存在を確認するとともに、確認項目の現在の作業水準を作業確認項目評価表に登録するステップと、前記作業手順書から作業の根拠となる文書項目を抽出し、作業文書一覧表に登録するステップと、前記作業手順書において目標とする所定の作業水準を有する確認項目について、前記作業文書一覧表を参照し、根拠となる文書項目を前記作業確認項目評価表に登録するステップと、前記作業確認項目評価表に基づき、現状の作業を改善するための改善項目を作業改善項目表に登録するステップと、前記作業確認項目評価表と前記作業改善項目表とを用い、現状と改善後の作業の評価結果から、所定の作業評価視点に基づき現状と改善後の評価値をそれぞれ評価値を算出するステップとが実行されることに特徴を有する。
尚、さらに前記評価値により数値化された評価結果が登録された作業評価視点結果表を作成するとともに、前記作業評価視点結果表から作業評価報告書を作成するステップが実行されることが望ましい。
【0010】
このような方法によれば、確認が必要な作業項目について、現状の作業水準と達成すべき作業水準とを突き合わせ、数値化した評価結果を得ることができるため、作業者は改善が必要な作業項目と、その改善事項を容易に知ることができる。
即ち、作業が作業ガイドラインと作業手順書とに準拠して行われているかを評価することができ、作業プロセスに改善すべき事項がある場合に、その改善計画を効率的に企画することができる。
【0011】
また、前記した課題を解決するために、本発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータにおいて演算処理を行うCPUにより実行され、開発システムに対する作業プロセスが作業標準に準拠しているかを評価するよう前記コンピュータを機能させるコンピュータプログラムであって、前記CPUにより実行されることにより、作業標準が文書で規定された作業ガイドラインから、推奨される作業項目を抽出し、推奨作業確認項目表を作成するステップと、前記推奨作業確認項目表に登録された確認項目の中から、開発システムに対応する確認項目を抽出し、作業確認項目評価表を作成するステップと、前記作業ガイドラインと、作業で参照される作業手順書と、作業水準が定義された作業水準評価表と、前記作業手順書に基づいて実施された作業結果が記録報告された作業評価報告書類とを用い、前記作業確認項目評価表の確認項目に適合する根拠文書の存在を確認するとともに、確認項目の現在の作業水準を作業確認項目評価表に登録するステップと、前記作業手順書から作業の根拠となる文書項目を抽出し、作業文書一覧表に登録するステップと、前記作業手順書において目標とする所定の作業水準を有する確認項目について、前記作業文書一覧表を参照し、根拠となる文書項目を前記作業確認項目評価表に登録するステップと、前記作業確認項目評価表に基づき、現状の作業を改善するための改善項目を作業改善項目表に登録するステップと、前記作業確認項目評価表と前記作業改善項目表とを用い、現状と改善後の作業の評価結果から、所定の作業評価視点に基づき現状と改善後の評価値をそれぞれ算出するステップとが前記コンピュータにより実行されることに特徴を有する。
尚、さらに前記評価値により数値化された評価結果が登録された作業評価視点結果表を作成するとともに、前記作業評価視点結果表から作業評価報告書を作成するステップが前記コンピュータにより実行されることを特徴とするコンピュータプログラム。
に特徴を有する。
【0012】
このようなコンピュータプログラムを実行することにより、確認が必要な作業項目について、現状の作業水準と達成すべき作業水準とを突き合わせ、数値化した評価結果を得ることができるため、作業者は改善が必要な作業項目と、その改善事項を容易に知ることができる。
即ち、作業が作業ガイドラインと作業手順書とに準拠して行われているかを評価することができ、作業プロセスに改善すべき事項がある場合に、その改善計画を効率的に企画することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、作業プロセスが作業標準と作業手順書とに準拠しているかを評価するとともに、作業プロセスに改善すべき事項がある場合には、その改善計画を効率的に企画することのできる評価支援装置、評価支援方法、及びコンピュータプログラム、並びにそのプログラムを記録した記録媒体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本発明に係る評価支援装置の構成を模式的に示すブロック図である。
図2図2は、図1の評価支援装置の機能ブロック図である。
図3図3は、本発明に係る評価支援方法の処理の流れを示すフローである。
図4図4は、推奨確認項目抽出部による処理の流れを示すフローである。
図5図5は、推奨作業確認項目表の例である。
図6図6は、作業確認項目評表の例である。
図7図7は、作業水準評価表の例である。
図8図8は、現状水準欄に作業水準が記録された作業確認項目評価表である。
図9図9は、作業文書一覧表の例である。
図10図10は、作業改善項目表の例である。
図11図11は、作業評価視点定義表の例である。
図12図12は、作業評価視点結果表の例である。
図13図13は、作業評価報告書に含まれるレーダチャートの例である。
図14図14は、本発明に係る評価支援装置の応用例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る評価支援装置、評価支援方法、及びコンピュータプログラム、並びにそのプログラムを記録した記録媒体の実施の形態について説明する。図1は、本発明に係る評価支援装置の構成を模式的に示すブロック図である。図2は、図1の評価支援装置の機能ブロック図である。
尚、本実施の形態において、本発明に係る評価支援装置は、開発システムの作業プロセスが作業標準に準拠しているかを評価するとともに、作業プロセスに改善すべき事項がある場合には、その改善計画を効率的に企画するものである。
【0016】
図1に示すように評価支援装置1は、コンピュータ装置により構成され、コンピュータプログラム(以下、プログラムと呼ぶ)Pの実行を行う演算部であるCPU2と、本発明に係る評価支援方法を実施するためのプログラムPが記録された記憶装置(記録媒体)3と、CPU2がプログラムPを実行し、データを一時的に置くためのRAM(ランダムアクセスメモリ)4とを備えている。尚、記憶装置3としては、SSD(ソリッドステートドライブ)やHDD(ハードディスクドライブ)、或いは着脱が容易なUSBメモリー等、プログラムやデータを記録可能な媒体であればいずれでもよい。
さらに、評価支援装置1は、データを入力する、或いはコマンドを入力するためのキーボード等を含む入力部5と、評価結果を表示するためのディスプレイやプリンタ等を含む出力部6とを備えている。
【0017】
図示するように入力部5には、作業標準が文書で規定された作業ガイドライン30と、開発システムに対応した手順が記載された作業手順書31、さらに作業記録や課題管理を表とした作業評価報告書類32とが電子データとして予め入力されるようになっている。尚、評価支援装置1の実行の際に、例えば口頭でやり取りされる情報、頭の中だけで記憶されている情報など、文書化されていない作業状況情報33を追加して入力してもよい。
前記作業手順書31には、作業原則、作業計画、作業目的、作業内容が記載されている。また、前記作業評価報告書類32は、作業記録表と課題管理表とからなる。
一方、出力部6からは、出力データとして、評価報告書40が出力されるようになっている。前記評価報告書40は、現状作業評価、改善作業計画、改善作業評価、作業横断評価からなる。
【0018】
また、図1に示す評価支援装置1において、前記入力データが入力され、入力部5から作業者の操作によりプログラムPが実行されると、図2に示す複数の機能項目が順次実行される。具体的には、順番に、推奨確認項目抽出部11、確認項目選択部12、確認項目分析部13、文書項目抽出部14、根拠文書突合部15、改善項目計画部16、評価指標計数部17、作業報告作成部18が実行される。
【0019】
また、評価支援装置1において、前記機能項目が順次実行されることにより、記録媒体3に予め記録されている所定のテーブルフォーマットにデータが記録され、推奨作業確認項目表21、作業確認項目評価表22、作業文書一覧表24、作業改善項目表25、作業評価視点結果表27が適宜作成され、最終的に出力部6を経由して評価報告書40が出力されるようになっている。尚、記録媒体3には、その他、作業水準が定義された作業水準評価表23、作業評価視点定義表26、作業評価報告書式28が予め記録されている。
【0020】
続いて、前記複数の機能項目が実行されることによる一連の処理について、具体例を挙げて詳しく説明する。
先ず、推奨確認項目抽出部11は、入力された作業ガイドライン30のテキストデータを分析して、作業状態を確認すべき複数の項目(確認項目と呼ぶ)を抽出してリスト化し、推奨作業確認項目表21を作成する(図3のステップS1)。
【0021】
尚、この推奨確認項目抽出部11による項目の抽出処理は、例えば、図4のフローに沿って行われる。即ち、作業ガイドライン30には、文章形式で基準的な作業活動について記述されており、推奨確認項目抽出部11は、その文章に基づいて活動構造を分析する(図4のステップSp1)。
この活動構造の分析においては、活動を構成する上位の複合活動と下位の要素活動のうち、先ず複合活動の階層構造が明らかにされた後、要素活動が明らかにされ、それにより活動全体の階層的な構造が明らかとなされる。
【0022】
前記のように活動全体の階層的な構造が明らかになると、下位の要素活動に関する記述の抽出が行われる(図4のステップSp2)。
そして、抽出された要素活動の記述に基づいて、要素活動における状態が分析され、要素活動が開始されてから完了するまでの状態が明らかにされる(図4のステップSp3)。
【0023】
次に、要素確認状態に対する確認項目の作成を行う(図4のステップSp4)。ここでは、要素活動の各状態に到達するための条件を、要素活動の完了基準としての確認項目として作成する。
そして、活動全体に対する確認項目の作成を行う(図4のステップSp5)。即ち、要素活動ごとに作成した確認項目を活動構造に基づいて統合する。
【0024】
このようにして、例えば図5に一部を示すような推奨作業確認項目表21が作成される。この推奨作業確認項目表21に示されるように、活動構造は、例えば最上位のサービス活動と、その下位活動の段階活動と、その下位活動の要素活動とがあり、さらに各要素活動に対して複数の推奨確認項目が設定されている。
尚、図5に示す例では、例えば、サービス活動として、継続的サービス改善が抽出され、その下位の段階活動として、改善戦略識別や測定対象定義といった活動が抽出されている。また、例えば改善戦略識別の下位には、活動開始前や戦略識別といった要素活動が定義されている。また、活動開始前における推奨確認項目として、「全体的なビジョンが定義されている」等が設定され、例えば戦略識別における推奨確認項目として、「事業とITの戦略計画が定義されている」、「見直したビジョンと最終目標をアセスメントしている」等が設定されている。
【0025】
こうして推奨確認項目抽出部11により推奨確認項目の抽出がなされると、確認項目選択部12は、推奨作業確認項目表21に登録された項目の中から、開発システムに対応する実際の作業に沿った内容の項目を抽出し、図6に示すような作業確認項目評価表22を作成する(図3のステップS2)。尚、このコンピュータによる抽出処理は、例えば、複数の特定のワードに対する一致率に基づいて行われる。
図6に示すように、作業確認項目評価表22には、各推奨確認項目に対応して現状のステータス(作業水準)を登録する欄、その根拠となる文書を登録する欄、改善計画の欄、改善策の欄等が設けられる。
【0026】
次いで、確認項目分析部13は、作業ガイドライン30と、実際の作業で参照されている作業手順書31(作業原則、作業計画、作業目的、作業内容)と、作業水準が定義された作業水準評価表23と、作業手順書31に基づいて実施された作業結果が記録報告された作業評価報告書類32(作業記録表、課題管理表)と、さらに入力データのうち文書化されていない情報である作業状況情報33があればそれを用い、作業確認項目評価表22の確認項目に適合する根拠文書の存在を確認するとともに、対象システムの現状の作業水準を各確認項目について確認し、作業確認項目評価表22に登録する(図3のステップS3)。
前記作業水準評価表23は、例えば図7に示すように作業水準(なし、口頭、メモ、部内文書、全体文書、継続的改善)に対して点数が定義された表である。具体的には、なし、口頭、メモ、部内文書、全体文書、継続的改善の順に作業水準の点数が高くなり、作業水準が部内文書、全体文書、継続的改善の項目は特に確認が必要な項目である。
この確認項目分析部13により、図8に示すように現状(現状の作業水準)の欄に作業水準が記録された作業確認項目評価表22が作成されることになる。
【0027】
また、文書項目抽出部14は、入力部5から入力された、実際の作業で参照されている作業手順書31(作業原則、作業計画、作業目的、作業内容)に基づき、作業の根拠となる作業文書名(例えばサービス改善計画書)、及び項目(目次名)を抽出して作業文書一覧表24に格納する(図3のステップS4)。これにより図9に示すような作業文書一覧表24が作成される。
また、根拠文書突合部15は、作業手順書31において目標とする作業水準が部内文書、全体文書、継続的改善になっている重要な確認項目について、作業文書一覧表24を参照し、根拠となる文書目次名を作業確認項目評価表22の根拠文書欄に記録する(図5のステップS5)。ここでの結果により、現状の作業水準が目標水準よりも低い確認項目(改善すべき項目)が明確となる。
【0028】
次いで、改善項目計画部16は、前記根拠文書突合部15の結果に基づき、現状の作業を改善すべき改善項目を図10に示す作業改善項目表25に登録する(図3のステップS6)。この作業改善項目表25には、対象システムについて、サービス活動ごとに作成され、活動段階、活動状態、確認項目、改善水準、作成文書などの項目が設けられている。尚、作成文書とは、改善水準(達成すべき作業水準)となるための改善に必要となる作成すべき文書目次名である。また、改善水準と作成文書とは、作業確認項目評価表22にも記録される。
【0029】
また、評価指標計数部17は、現状と改善後の作業水準が記録された前記作業確認項目評価表22と、作業改善項目表25と、図11に示すように作業評価視点が定義されている作業評価視点定義表26とを用い、各サービス活動について、現状と改善後の作業の評価結果から作業評価視点に基づき、評価値を算出する(図3のステップS7)。
この評価値の算出においては、例えば、サービス活動の段階ごとに求められる。具体的には、サービス活動「継続的サービス改善」の段階「改善の戦略を識別する」の場合、複数の確認項目(例えば、「全体的なビジョンが定義されている」など)のそれぞれについて評価値が算出され、それらの合計点がサービス活動段階「改善の戦略を識別する」の評価値となる。例えば、確認項目「全体的なビジョンが定義されている」の現状水準(作業状況)が「口頭」であった場合、算出式Fを例えば、F(確認項目、作業状況)=水準(作業状況)÷2と規定すれば、図7の表23から、F=1÷2=0.5となる。即ち、確認項目「全体的なビジョンが定義されている」の現状の評価値は0.5である。
このようにして、他の確認項目についても現状の点数が求められ、全ての確認項目の合計点がサービス活動段階「改善の戦略を識別する」の評価値となる(図12の作業評価視点結果表27の例では7点)。
また、評価指標計数部17は、現状水準の評価値と同様の算出方法により、改善後の作業水準についても評価値を算出する。尚、この評価値を算出する方法(作業状況を数値化する方法)については、前記した方法に限定されるものではなく、事前に取り決めた所定の算出式に基づいて評価値を求めるものであればよい。
【0030】
そして、作業報告作成部18は、図12に示すように数値化した評価結果をサービス活動の段階ごとに作業評価視点結果表27に登録するとともに、その内容から作業評価報告書式28に従って評価報告書40を作成し、出力部6から出力する(図3のステップS8)。
尚、評価報告書40の内容としては、現状作業評価、改善作業計画、改善作業評価などであり、例えば現状作業評価、及び改善作業計画は、図13に示すようなレーダチャートで表される。
これら図13の評価結果に示されるように、作業者は、どの作業項目をどの作業水準まで改善すべきかが一目でわかるようになっている。
【0031】
以上のように本発明に係る実施の形態によれば、コンピュータにより構成される評価支援装置1は、確認が必要な作業項目について、現状の作業水準と達成すべき作業水準とを突き合わせ、数値化した評価結果を報告書として出力するため、作業者は改善が必要な作業項目と、その改善事項を容易に知ることができる。
即ち、作業が作業ガイドラインと作業手順書とに準拠して行われているかを評価することができ、作業プロセスに改善すべき事項がある場合に、その改善計画を効率的に企画することができる。
【0032】
尚、前記実施の形態において示した活動名、確認項目名、水準、文書名などは、一例であって、本発明はそれに限定されるものでなく、開発システムに対する作業プロセスが作業標準や作業手順書に準拠しているかを評価する目的に広く適用することができる。
【0033】
また、前記実施の形態においては、特にコンピュータ間のネットワークを利用せずに、評価支援装置1をスタンドアローンのコンピュータ装置として、作業者が評価支援装置1に対し直接的にデータ入力し、出力データを得るものとしたが、本発明にあっては、その形態に限定されるものではない。
例えば、図14に示すように、評価支援装置1に対しインターネット60を介してPCやスマートフォン等の端末50からアクセス可能な環境を構築してもよい。具体的な利用形態としては、例えばクラウド上におかれた評価支援装置1に対し、予め作業ガイドライン30や作業手順書31のデータをPC(端末50)からインターネット60を介して入力しておき、必要に応じてスマートフォン(端末50)から作業評価報告書類32の現状データを入力し、スマートフォン(端末50)に評価報告書40のデータを表示させて作業評価を確認することができる。
尚、前記スマートフォン等(端末50)から入力するデータとしては、前記作業評価報告書類32の他、例えば口頭でやり取りされる情報、頭の中だけで記憶されている情報など、文書化されていない作業状況情報33であってもよい。また、スマートフォン等(端末50)からの入力に際し、例えば入力画面にチェック項目を提示し、該当項目にチェックする構成としてもよく、それにより入力作業を容易なものとすることができる。また、PCやスマートフォン(端末50)に出力された出力データとして評価報告書40をプリントアウトすることも可能である。
また、図14の構成とすれば、評価支援装置1側において利用者のIDを管理することにより、複数の利用者がインターネット60を介して評価支援装置1を利用することができる。
【符号の説明】
【0034】
1 評価支援装置
2 CPU
3 記憶装置(記録媒体)
4 RAM
5 入力部
6 出力部
11 推奨確認項目抽出部
12 確認項目選択部
13 確認項目分析部
14 文書項目抽出部
15 根拠文書突合部
16 改善項目計画部
17 評価指標計数部
18 作業報告作成部
21 推奨作業確認項目表
22 作業確認項目評価表
23 作業水準評価表
24 作業文書一覧表
25 作業改善項目表
26 作業評価視点定義表
27 作業評価視点結果表
28 作業評価報告書式
30 作業ガイドライン(作業標準)
31 作業手順書
32 作業評価報告書類
33 作業状況情報13
40 評価報告書
50 端末
60 インターネット
P コンピュータプログラム
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