【解決手段】入力装置10は、電子機器12の本体筐体14の上面に設けられており、タッチ操作を受け付けるタッチパッド22と、タッチパッド22を揺動可能に支持する弾性変位可能な支持部材32と、支持部材32を揺動中心軸Oとするタッチパッド22の揺動方向での一端側及び他端側の裏面側にそれぞれ設けられて該タッチパッド22の押下操作を検出する検出スイッチ34とを備える。この入力装置10は、電子機器12の本体筐体14に設けられたポインティングスティック20と連係可能な入力手段である。
請求項1〜8のいずれか1項に記載の入力装置と、キーボード装置と、前記入力装置及び前記キーボード装置の入力操作に基づく表示を行うディスプレイ装置とを備えることを特徴とする電子機器。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記特許文献2に開示されたシーソー構造のタッチパッドでは、タッチパッドの中心部分に軸部材が挿通されている。このため、軸部材付近、具体的にはタッチパッドの前後方向での中心付近を押下操作することができず操作性が低い。特に、タッチパッドを押下操作した状態で指先をタッチ操作させながら移動させてドラッグ操作をする場合、押下操作できない軸部材付近で指先がタッチパッドから離れてしまうという問題もある。
【0007】
本発明は、上記従来技術の課題を考慮してなされたものであり、タッチパッドでの操作性を向上させることができる入力装置及び該入力装置を備える電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る入力装置は、タッチ操作を受け付けるタッチパッドと、前記タッチパッドを揺動可能に支持する弾性変位可能な支持部材と、前記支持部材を揺動中心軸とする前記タッチパッドの揺動方向での一端側及び他端側の裏面側にそれぞれ設けられて該タッチパッドの押下操作を検出する検出スイッチとを備えることを特徴とする。
【0009】
このような構成によれば、タッチ操作を受け付けるタッチパッドに対し、支持部材を揺動中心軸として揺動させて押下操作して検出スイッチをオンすることができる。さらに、揺動中心軸となる支持部材が弾性変位可能であるため、この揺動中心軸付近を押圧した場合にもタッチパッドを押下操作して検出スイッチをオンすることができるため、タッチパッドの操作性を向上させることができる。
【0010】
前記揺動中心軸の軸方向での一端側及び他端側にそれぞれ設けられ、前記タッチパッドの押下方向と逆方向への変位を規制する軸側変位規制部材を備えてもよい。そうすると、前記揺動中心軸の軸方向での一端側でタッチパッドが押下操作された場合であっても、反対側の他端側は軸側変位規制部材によって拘束されて変位が規制されるため、タッチパッドの他端側が浮き上がり、搭載された電子機器の本体筐体から脱落することが防止される。
【0011】
前記タッチパッドの揺動方向での一端側及び他端側にそれぞれ設けられ、前記タッチパッドの押下方向と逆方向への変位を規制するスイッチ側変位規制部材を備えてもよい。そうすると、タッチパッドの揺動方向での一端側が押下操作された場合であっても、反対側の他端側はスイッチ側変位規制部材によって拘束されて変位が規制されるため、タッチパッドの他端側が浮き上がり、搭載された電子機器の本体筐体から脱落することが防止される。
【0012】
前記タッチパッドの裏面と対向配置され、該タッチパッドの裏面との間に前記支持部材及び前記検出スイッチを有するベースプレートを備え、前記タッチパッドは、前記ベースプレートの上部で前記支持部材によって揺動可能に支持されるハウジングプレートと、該ハウジングプレートの上部に積層されて前記タッチ操作を検出する基板プレートと、該基板プレートの上部に積層されて前記タッチ操作を受けるカバープレートとを有する構成であってもよい。
【0013】
この場合、前記ベースプレートは、少なくとも前記検出スイッチと重なる部分に、他の部位の肉厚よりも薄肉化された薄肉部を有してもよい。すなわち、当該入力装置では、タッチパッドを押下操作する際には支持部材を圧縮変形させ、さらに検出スイッチを押圧する必要があり、ある程度の押圧力が必要となる。そこで、ベースプレートの検出スイッチと重なる部分を含む範囲に薄肉部を設けることにより、この薄肉部でハウジングプレートが多少撓み易くなるため、検出スイッチを比較的軽い押圧力でオンすることができ、操作性が向上する。
【0014】
前記支持部材は、前記ベースプレートと前記ハウジングプレートとの間に介在する板ばね部材であってもよい。
【0015】
この場合、前記支持部材は、前記ベースプレートの一部を切り起こして形成されていてもよい。
【0016】
前記支持部材は、前記ベースプレートと前記ハウジングプレートとの間に介在するスポンジ状部材であってもよい。
【0017】
本発明に係る電子機器は、上記構成の入力装置と、キーボード装置と、前記入力装置及び前記キーボード装置の入力操作に基づく表示を行うディスプレイ装置とを備えることを特徴とする。
【0018】
この場合、前記入力装置と連係するポインティングスイッチを備えると、揺動による押下操作が可能なタッチパッドを有する入力装置をポインティングスティック使用時の操作ボタンとして利用できるため、操作性が高い。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、タッチ操作を受け付けるタッチパッドを揺動させて押下操作することができると共に全面を押下操作することもできるため、タッチパッドの操作性を向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明に係る入力装置について、この入力装置を備える電子機器との関係で好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
【0022】
図1は、本発明の一実施形態に係る入力装置10を備えた電子機器12の斜視図である。本実施形態では、入力装置10をノート型PCである電子機器12に搭載した構成を例示するが、入力装置10はデスクトップ型PC等に接続される単体のキーボード装置等に搭載されてもよい。
【0023】
以下では、入力装置10について
図1に示す電子機器12での使用形態を基準とし、手前側を前側(前方)、奥側を後側(後方)と呼び、本体筐体14の厚み方向を上下方向、幅方向を左右方向と呼んで説明する。
【0024】
図1に示すように、電子機器12は、キーボード装置16を有する本体筐体14と、液晶ディスプレイ等の表示部18aを有するディスプレイ装置18とを備える。ディスプレイ装置18は、左右一対のヒンジ19により本体筐体14に対して開閉可能に連結されている。
【0025】
本体筐体14の内部には、図示しない基板、演算処理装置、ハードディスク装置、メモリ等の各種電子部品が収納されている。本体筐体14の上面には、キーボード装置16が設けられている。キーボード装置16の略中央にはポインティングスティック20が設けられ、キーボード装置16の中央前方には入力装置10が設けられている。
【0026】
ポインティングスティック20は表示部18aに表示されるカーソル(ポインタ)を操作するためのものであり、マウスの代わりとして操作する入力手段である。
【0027】
本実施形態に係る入力装置10は、指先等の接近又は接触によるタッチ操作を受け付けるタッチパッド22を備え、タッチパッド22に対する押下操作も受け付けるクリック式のタッチパッド(クリックパッド)である。
【0028】
図2に示すように、タッチパッド22の表面であるタッチ面には、疑似ボタン領域24,25,26,27,28が設定されている。擬似ボタン領域24〜28は、タッチ面上でのそれぞれの領域が座標で定義されたものであり、視認できるものではない。疑似ボタン領域24〜28のいずれかに指先を接触させた状態でタッチパッド22を押下操作すると、その疑似ボタン領域24〜28に対応した処理や表示が行われる。
【0029】
例えば、タッチパッド22の後側に並んだ3つの疑似ボタン領域24〜26は、ポインティングスティック20によるカーソル操作と連係して機能するものであり、それぞれ従来のマウスでの左ボタン、中央ボタン、右ボタンに対応する。また、例えば、タッチパッド22の前側に並んだ2つの疑似ボタン領域27,28は、タッチパッド22によるカーソル操作と連係して機能するものであり、それぞれ従来のマウスでの左ボタン、右ボタンに対応する。
【0030】
次に、入力装置10の具体的な構成を説明する。
【0031】
図3は、本実施形態に係る入力装置10の構成図であり、
図3(A)は、左側面図、
図3(B)は、平面図、
図3(C)は、
図3(B)中のIIIC−IIIC線に沿う断面図である。
【0032】
図3(A)〜
図3(C)に示すように、入力装置10は、タッチパッド22と、ベースプレート30と、左右一対の支持部材32,32と、前後一対の検出スイッチ34,34とを備える。
【0033】
本実施形態に係る入力装置10は、タッチパッド22へのタッチ操作と、タッチパッド22の全面を押し下げる押下操作と、タッチパッド22の前後方向で中心又は略中心に設定された揺動中心軸Oを基準とし、タッチパッド22を前端側又は後端側に押し下げてシーソー動作させる押下操作とが可能である。
【0034】
タッチパッド22は、ベースプレート30の上部で支持部材32によって揺動可能に支持されるハウジングプレート36と、ハウジングプレート36の上面に積層され、当該タッチパッド22へのタッチ操作を検出する基板プレート38と、基板プレート38の上部に積層され、タッチ操作を実際に受け付けるタッチ面となるカバープレート40とを有する3層構造である(
図3(A)及び
図3(C)参照)。
【0035】
基板プレート38は、平面視矩形状の基板であり、カバープレート40へのタッチ操作を検出するセンサである。基板プレート38は、図示しない配線によって本体筐体14内の基板に接続されている。カバープレート40は、平面視矩形状のガラス板や樹脂板である。
【0036】
ハウジングプレート36は、平面視矩形状の樹脂板であり、その後端に下方へと傾斜した傾斜面36aを有する(
図3(A)参照)。ハウジングプレート36の内面(下面)には、左右一対のピン42,42と、前後一対のフック44,44とが設けられている。
【0037】
各ピン42は、ハウジングプレート36の前後方向での中心又は略中心の左右端部にそれぞれ設けられ、それぞれ外方に向かって水平方向に突出した円柱部材である(
図3(B)及び
図3(C)参照)。
【0038】
各フック44は、ハウジングプレート36の左右方向での中心又は略中心の前後端側にそれぞれ設けられ、それぞれ左右一対の爪部44a,44bを有する。爪部44a,44bは、検出スイッチ34を跨ぐように設けられている(
図3(B)及び
図3(C)参照)。これら爪部44a,44bは、ハウジングプレート36の下面から下方に突出した後、それぞれ外方に向かって水平方向に突出した板片部材である。
【0039】
ハウジングプレート36の左右方向での中央には、前後方向に延在した帯状の薄肉部36bが設けられている(
図3(B)及び
図3(C)参照)。薄肉部36bは、ハウジングプレート36の他の部位よりも肉厚を薄型化して低剛性化した部分であり、各検出スイッチ34と重なる範囲に設けられている。
【0040】
ハウジングプレート36の前端及び後端には、それぞれ左右方向に延在する金属棒体46が挿入されている。金属棒体46は、角部が押下操作された際のタッチパッド22の撓みを抑制し、検出スイッチ34の確実な押圧を可能とするための補強部材であり、例えばステンレス等の金属製の棒材が用いられる。
【0041】
各支持部材32は、
図3(A)に示す側面視で略V字状に形成された板ばね部材である。支持部材32は、帯状に形成されたステンレス等の金属板の両端及び中央を屈曲形成して弾性を持たせた構成であり、ベースプレート30の上部でタッチパッド22(ハウジングプレート36)を揺動可能に且つ弾性変位可能に支持する。
【0042】
支持部材32は、両端の取付部32a,32aがハウジングプレート36の下面に固定された状態で中央の谷部32bがベースプレート30の上面に着地している。各支持部材32は、谷部32bが揺動中心軸Oに重なる位置で前後方向に延在している。各支持部材32は、タッチパッド22の左右両端側において各ピン42の内方且つ検出スイッチ34の外方となる位置にそれぞれ配置されることで、タッチパッド22をバランスよく安定して支持している。支持部材32は、タッチパッド22の中心に1個のみ設けてもよく、3個以上を揺動中心軸Oに沿って並べてもよい。
【0043】
検出スイッチ34は、ハウジングプレート36の下面に設けられ、下に向かって膨らんだスイッチであり、金属製のドーム構造を有する。各検出スイッチ34は、タッチパッド22の揺動中心軸Oを中心とした前後方向への揺動動作時に確実にオンオフ可能なように、揺動中心軸Oを挟んでそれぞれが前後端に寄った位置に配置されている。各検出スイッチ34と対向するベースプレート30の上面には、突起48が設けられている。本実施形態の場合、突起48の頂点と検出スイッチ34との間には、タッチパッド22に外力が付与されていない状態で隙間が形成されるようになっている。
【0044】
従って、支持部材32の支持作用下にタッチパッド22の前端部若しくは後端部が押下されて揺動し、又はタッチパッド22の全面が押下された場合に、検出スイッチ34はベースプレート30の突起48によって押圧されてオンされ、所定の検出信号を発信する。
【0045】
ベースプレート30は、平面視矩形状の金属板であり、ステンレス等によって形成されている。ベースプレート30の内面(上面)には、左右一対の係止孔50,50と、前後一対の係止片52,52とが設けられている。
【0046】
各係止孔50は、ベースプレート30の前後方向での中心又は略中心の左右端部からそれぞれ上方に突出形成されたアーチ部54に形成された上下方向の長孔である。係止孔50の下端は、ベースプレート30の切欠部30aと一体化している(
図3(C)参照)。係止孔50には、ハウジングプレート36のピン42が上下変位可能に挿入され、その上縁によってピン42の上動方向の変位が規制される(
図3(A)及び
図3(B)参照)。
【0047】
各係止片52は、ベースプレート30の左右方向での中心又は略中心の前後端側にそれぞれ設けられ、それぞれ左右一対の係止爪部52a,52bを有する。各係止爪部52a,52bは、ハウジングプレート36側のフック44の爪部44a,44bを係止可能であり、フック44の上動方向の変位を規制する(
図3(C)参照)。これら爪部52a,52bは、ベースプレート30の上面から上方に突出した後、それぞれ内方に向かって水平方向に突出した板片部材である。また、ハウジングプレート36の下面には、係止片52を挿入可能な凹部36cが設けられている。この凹部36cにより、タッチパッド22が押下操作された際にハウジングプレート36の下面が係止片52に底付きすることが回避されている(
図5参照)。
【0048】
ベースプレート30において各係止片52と各支持部材32との間に挟まれる位置には、断面台形状の凸部30bが形成されている。凸部30bはベースプレート30の剛性を高めるものである。凸部30bと対向するハウジングプレート36の下面には、凸部30bを挿入可能な凹部36dが形成されている。これら凸部30b及び凹部36dは、タッチパッド22が押下操作された際に係合し、押下した状態のタッチパッド22の位置ずれを防止することもできる(
図5参照)。
【0049】
ベースプレート30において各突起48の外方となる位置には、クッション材56が設けられている。クッション材56は、例えばゴム製のドーム構造を有する弾性体である。クッション材56のばね定数は、支持部材32のばね定数よりも小さく、柔らかいばねとなっている。クッション材56は、ベースプレート30の上面とハウジングプレート36の下面との間に介在し、検出スイッチ34に近接配置されている。クッション材56を設けることにより、検出スイッチ34の周辺部分でタッチパッド22が不安定になることを防止でき、例えばタッチ操作時に誤って検出スイッチ34が押下操作されてしまうことが防止される。
【0050】
次に、入力装置10の動作の一例を説明する。
【0051】
先ず、入力装置10では、例えば、タッチパッド22の後端側が押下操作された際には、タッチパッド22が揺動中心軸Oを基準として後端部が沈み込むように揺動する。
【0052】
具体的には、タッチパッド22の後端側が押下されると、
図4に示すように、揺動中心軸O上にある各支持部材32の谷部32bを揺動支点(揺動中心軸O)としてタッチパッド22の後端側が沈み込む方向に揺動する。この際、図示はしないが、押下された後端側では、フック44が係止片52に案内されつつ下動し、クッション材56が圧縮される。これにより、後側の検出スイッチ34が突起48に当接してオンされるため、所定の検出信号が発信される。すなわち、タッチパッド22は、支持部材32を揺動支点(揺動中心軸O)として円滑に揺動するため、押下操作時の操作性が高い。なお、クッション材56は支持部材32よりもばね定数が小さいため、小さな押圧力で十分に圧縮可能であり、押下操作を妨げることがない。また、クッション材56が設けられていることにより、オン操作される検出スイッチ34周辺ががたつきを生じることが防止されている。
【0053】
このような押下操作後に指を離すと、タッチパッド22はクッション材56及び支持部材32の復元力によって元の水平姿勢に戻る。この際、フック44と係止片52との係止作用及び案内作用によりタッチパッド22が所定位置へと安定して復帰する。このため、検出スイッチ34と突起48との間には再び所望の隙間が形成され、タッチパッド22ががたつきを生じることもない。
【0054】
次に、入力装置10では、例えば、タッチパッド22の前後方向で中心付近が押下操作された際には、タッチパッド22の全面が沈み込む。
【0055】
具体的には、タッチパッド22の前後方向で中心付近が押下されると各支持部材32が弾性変形し、
図5に示すようにタッチパッド22の全面が沈み込む。これにより、各検出スイッチ34が突起48に当接してオンされるため、所定の検出信号が発信される。すなわち、入力装置10では、上記のようなシーソー構造による押下操作を可能としつつ、揺動中心軸Oとなる支持部材32を弾性変位可能に構成しているため、この支持部材32を押圧して圧縮することで、タッチパッド22の全面に対する押下操作が可能となっており、高い操作性を有する。
【0056】
このような押下操作後に指を離すと、タッチパッド22は支持部材32の復元力によって元の水平姿勢に戻る。この際、ピン42と係止孔52との係止作用及び案内作用により所定位置に安定して復帰する。このため、検出スイッチ34と突起48との間には再び所望の隙間が形成され、タッチパッド22ががたつきを生じることもない。
【0057】
図6(A)〜
図6(C)に示すように、入力装置10は、支持部材32に代えて、ベースプレート30の一部を切り起こして形成した支持部材62を備えた入力装置60として構成してもよい。支持部材62は、揺動中心軸Oに重なる位置でベースプレート30を板片状に切り起こした板ばね部材であり、支持部材32と同様な機能を有する。この支持部材62は、支持部材32のような別部品を必要としないため、部品点数を削減でき、軽量化も可能となる。
【0058】
図7(A)及び
図7(B)に示すように、入力装置10は、支持部材32に代えて、ベースプレート30の上面にスポンジ状の支持部材72を備えた入力装置70として構成してもよい。支持部材72は、揺動中心軸Oに重なる位置でハウジングプレート36の下面に設けられた弾性を有するスポンジ状部材であり、支持部材32,62と同様な機能を有する。
【0059】
以上のように、本実施形態に係る入力装置10(60,70)は、タッチ操作を受け付けるタッチパッド22と、タッチパッド22を揺動可能に支持する弾性変位可能な支持部材32(62,72)と、支持部材32(62,72)を揺動中心軸Oとするタッチパッド22の揺動方向での一端側及び他端側の裏面側にそれぞれ設けられて該タッチパッド22の押下操作を検出する検出スイッチ34とを備える。
【0060】
従って、入力装置10(60,70)では、タッチ操作を受け付けるタッチパッド22に対し、支持部材32(62,72)を揺動中心軸Oとして揺動させて押下操作して検出スイッチ34をオンすることができる。さらに、揺動中心軸Oとなる支持部材32(62,72)が弾性変位可能であるため、この揺動中心軸O付近を押圧した場合にもタッチパッド22を押下操作して検出スイッチ34をオンすることができる。従って、タッチパッド22の操作性が向上する。
【0061】
この際、タッチパッド22の中心付近を押下操作する場合には、全ての支持部材32(62,72)を圧縮し、さらに2つの検出スイッチ34を押圧する必要がある。つまり、タッチパッド22の中心付近の押下操作にはある程度の押圧力を必要とする構成としているため、中心付近へのタッチ操作時に意図せずにタッチパッド22が押下操作されてしまうことを回避でき、操作性が一層高いものとなっている。なお、本実施形態では、ハウジングプレート36における左右方向での中心部分に薄肉部36bを設けている。このため、薄肉部36bの範囲を押下操作する際には、ハウジングプレート36が多少撓み易くなるため、検出スイッチ34を比較的軽い押圧力でオンすることができ、上記したタッチ操作時の誤操作防止構造との間でのバランスが図られている。
【0062】
入力装置10(60,70)では、揺動中心軸Oの軸方向での一端側及び他端側にそれぞれ設けられ、タッチパッド22の押下方向と逆方向への変位を規制する軸側変位規制部材となるピン42及び係止孔50を備える。このため、例えば、タッチパッド22の左端部が押下操作された場合であっても、反対側の右端部はピン42と係止孔52との係止作用によってタッチパッド22の跳ね上がりが抑制される。これにより、タッチパッド22が本体筐体14の上面から浮き上がり或いは脱落することが防止される。
【0063】
なお、ピン42と係止孔50の構成は適宜変更可能である。例えば、
図8に示す例では、ピン42に代えてベースプレート30から上方に突出し、上端に頭部80aを有する突起状部材80を設け、係止孔50に代えてハウジングプレート36から下方に突出した一対のアーム82,82の内側に突起状部材80の頭部80aが係合される係止凹部82aを設けた構成となっている。また、
図9に示す例では、ピン42に代えてベースプレート30から上方に突出したベース84から水平方向にピン86を突出するように設け、係止孔50に代えてハウジングプレート36から下方に突出したアーチ部88の内側にピン86が挿入される係止孔90を設けた構成となっている。
【0064】
入力装置10(60,70)では、タッチパッド22の揺動方向での一端側及び他端側にそれぞれ設けられ、タッチパッド22の押下方向と逆方向への変位を規制するスイッチ側変位規制部となるフック44及び係止片52を備える。このため、例えば、タッチパッド22の後端部が押下操作された場合であっても、反対側の前端部はフック44と係止片52との係止作用によってタッチパッド22の跳ね上がりが抑制される。これにより、タッチパッド22が本体筐体14の上面から浮き上がり或いは脱落することが防止される。
【0065】
また、電子機器12では、揺動による押下操作が可能なタッチパッド22を有する入力装置10(60,70)をポインティングスティック20を使用する際の操作ボタン(例えば、疑似ボタン領域24〜26)として利用できるため、操作性が高い。
【0066】
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で自由に変更できることは勿論である。
【0067】
例えば、上記実施形態では、タッチパッド22を揺動支持し且つ弾性変位可能な支持部材として、板ばね部材である支持部材32,62とスポンジ状部材である支持部材72を例示したが、支持部材は他の構造であっても勿論よい。