【解決手段】複数の試験問題を記憶すると共に前記試験問題毎の属性情報を記憶する記憶手段と、前記試験問題の選択条件を受け付ける受付手段と、前記属性情報と前記選択条件とを照合し、照合結果に基づいて複数の前記試験問題の中から試験問題を選択し、該試験問題を出力する試験問題選択手段とを具備する。
コンピュータの外部あるいは内部に設けられた記憶装置に記憶される複数の試験問題の中から試験問題を選択するための選択条件が入力された場合、前記試験問題の属性情報と前記選択条件とを照合し、照合結果に基づいて複数の前記試験問題の中から試験問題を選択し、該試験問題を出力する試験問題出力処理を
コンピュータに実行させることを特徴とする試験作成プログラム。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
本実施形態に係る試験作成装置Sは、教育科目における学力を評価するための学力試験等を作成する、例えば、デスクトップ型またはノート型のパーソナルコンピュータであり、
図1に示すように、通信ネットワークNtを介してプリンタP及び複数の端末T1〜Tnに接続されている。
【0014】
また、試験作成装置Sは、
図2に示すように、操作部1、通信部2、表示部3及び補助記憶部4、主記憶部5及び演算処理部6を備えている。なお、操作部1は、本実施形態における選択条件受付手段である。また、補助記憶部4は、本実施形態における記憶手段である。また、演算処理部6は、本実施形態における試験問題選択手段を構成するものである。
【0015】
操作部1は、キーボード及びマウス等の入力デバイスである。
通信部2は、通信ネットワークNt接続され、端末T1〜Tnと信号を送受信する通信インタフェースである。
表示部3は、例えば、液晶カラーディスプレイであり、演算処理部6の制御指令に基づいて各種画像を表示する。
【0016】
補助記憶部4は、例えばフラッシュメモリまたはハードディスク等の補助記憶装置であり、演算処理部6によって実行される制御プログラム、例えば、試験作成プログラム4a等を記憶する。上記試験作成プログラム4aは、補助記憶部4に記憶される試験問題データの中から試験問題を選択するためのプログラムである。
【0017】
また、補助記憶部4は、複数の試験問題が登録されたデータベースである上述した試験問題データを記憶している。試験問題データは、
図3に示すように、試験問題、その解答、さらに試験問題毎の属性情報が分野毎に登録されたデータテーブルである。
【0018】
上記分野は、各試験問題が属する科目分野を示す情報であり、例えば、数学における「因数分解」、「2次方程式」、「証明」及び「確率」等の教育課程における各数学分野等を示す。また、上記分野は、試験問題が属する科目、つまり、単に「英語」、「数学」、「国語」、「歴史」及び「化学」等の各科目を区別するため情報であってもよい。
【0019】
また、上記属性情報には、例えば、
図3に示すように、「難易度」、「標準解答時間」、「配点率」及び「期間」が含まれている。
上記難易度は、各試験問題の難易度を示す情報であり、例えば、「1」〜「10」の10段階で各試験問題の難易度を示している。
また、上記標準解答時間は、各試験問題の標準的な解答時間を示す情報であり、例えば、各試験問題の標準的な解答時間である「1分」、「2分」、「5分」及び「10分」等の時間を示している。
【0020】
また、上記配点率は、総得点における各試験問題の得点の割合を示す情報であり、例えば、総得点における各試験問題の得点の割合として「1/1000」、「3/1000」及び「50/1000」等の値を示している。演算処理部6は、選択条件として設定される総得点と、各試験問題の配点率との乗算値を、各試験問題の配点とする。
また、上記期間は、各試験問題の通常の実施期間であり、例えば、「a(4〜6月)」、「b(7〜9月)」、「c(10〜12月)」及び「d(1〜3月)」の4つの期間を示している。
【0021】
主記憶部5は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)から構成されている主記憶装置である。主記憶部5は、演算処理部6の制御指令に基づいて、補助記憶部4に記憶されている試験作成プログラム4a等などの制御プログラムや、試験問題データに登録されている各種試験問題や各試験問題の属性情報を読み出し、記憶する。
【0022】
演算処理部6は、CPU(Central Processing Unit)から構成される演算処理装置である。演算処理部6は、主記憶部5に記憶される試験作成プログラム4a等などの制御プログラムに基づいて試験作成装置Sの全体動作を制御する。詳細については後述するが、演算処理部6は、各種の処理の一環として、補助記憶部4に記憶される試験問題データの中から試験問題を選択して、試験の作成を行う。
【0023】
プリンタPは、例えば、電子写真方式やインクジェット方式に基づいて記録紙に画像形成するものであり、試験作成装置Sと通信ネットワークNtを介して接続されている。プリンタPは、試験を記録髪に画像形成するために使用される画像形成装置である。
【0024】
端末T1〜Tnは、デスクトップ型やノート型のパーソナルコンピュータ、タブレット端末または携帯電話であり、試験作成装置Sと通信ネットワークNtを介して接続されている。端末T1〜Tnは、受験者によって試験の解答を入力するために使用される端末装置である。
【0025】
通信ネットワークNtは、ローカルエリアネットワーク及び公衆インターネットから構成され、試験作成装置Sと、プリンタP及び端末T1〜TnやプリンタPとを接続する。
【0026】
次に、このように構成された試験作成装置Sの動作について、詳しく説明する。
【0027】
例えば、試験作成装置Sを使用して試験を作成しようとするユーザは、まず、試験作成装置Sの操作部1を操作して、試験作成プログラム4aを試験作成装置Sに起動させるための操作指示を入力する。
【0028】
ここで、試験作成装置Sの演算処理部6は、以下の特徴的な処理を行う。最初に、演算処理部6は、試験作成プログラム4aを起動させるための操作指示が入力されると、主記憶部5に補助記憶部4から試験作成プログラム4aを読み出させて記憶させ、主記憶部5に記憶された試験作成プログラム4aを起動、つまり、試験作成プログラム4aを実行する。
【0029】
続いて、ユーザは、試験作成装置Sによって試験作成プログラム4aが起動されると、試験作成装置Sの操作部1を操作することによって、補助記憶部4に記憶される試験問題データから試験問題を選択するための選択条件と、選択された試験問題を出力するための出力設定とを入力する。
【0030】
演算処理部6は、上記選択条件が入力されると、試験作成プログラム4aに従って、上述した試験問題の属性情報と選択条件とを照合し、照合結果に基づいて複数の試験問題の中から試験問題を選択することによって試験を作成し、出力設定に従って該試験問題を出力、つまり、出力設定に従ってプリンタPに試験を記録紙に印字させる、あるいは端末T1〜Tnに試験データを出力する。また、演算処理部6は、選択した試験の解答を同時に出力するようにしてもよい。
【0031】
例えば、演算処理部6は、表示部3に、ユーザに選択条件を入力させるための選択条件入力画像(例えば、
図4(a)に示す画面)を表示させる。上記選択条件には、例えば、「試験時間」、「時間率」、「時間率誤差」、「総得点」、「難易度」及び「期間」が含まれる(
図4(a)参照)。
上記試験時間は、作成対象となる試験の試験時間を示すものである。
【0032】
また、上記時間率は、試験時間に対する選択された試験問題の標準解答時間の合計値の割合を示すものである。
また、上記時間率誤差は、試験時間に時間率を乗じた値と、標準解答時間の合計値との誤差の範囲を示すものである。
【0033】
また、上記総得点は、作成対象となる試験の総得点を示すものである。
上記難易度は、上述した試験問題の属性情報である難易度を指定するためのものである。
上記期間は、上述した試験問題の属性情報である期間を指定するためのものである。
【0034】
演算処理部6は、試験時間に時間率を乗じた値と、標準解答時間の合計値との誤差が時間率誤差との範囲に収まるように試験問題を選択する。
また、演算処理部6は、総得点と配点率との乗算値を各試験問題の配点とし、配点の合計値が総得点と一致するようにするように試験問題を選択する。
【0035】
また、演算処理部6は、選択条件として入力された難易度によって指定された試験問題を選択する。
また、演算処理部6は、選択条件として入力された期間によって指定された試験問題を選択する。なお、演算処理部6は、選択条件として期間が入力されていない場合には、全ての試験問題を選択対象とする。
【0036】
また、演算処理部6は、表示部3に、ユーザに出力設定を入力させるための出力設定入力画像(例えば、
図4(b)に示す画面)を表示させる。上記出力設定には、例えば、「選択日時」、「日時設定」及び「出力方法」が含まれる(
図4(b)参照)。
【0037】
上記選択日時は、選択条件入力後すぐに試験問題を選択して出力するための「決定後即」と、上記日時設定に設定された日時に試験問題を選択して出力するための「日時設定」と2つの設定値からなり、ユーザに2つの設定値のいずれかを選択させるためのものである。
【0038】
また、上記日時設定は、上記選択日時において「日時設定」が選択された場合に有効となり、試験問題の選択を行う日時をユーザに設定させるためのものである。
また、上記出力方法は、プリンタPに試験を記録紙に印字させる、あるいは端末T1〜Tnに試験データを出力するかをユーザに選択させるためのものである。
演算処理部6は、上述した出力設定に従って該試験問題を出力、つまり、出力設定に従ってプリンタPに試験を記録紙に印字させる、あるいは端末T1〜Tnに試験データを出力する。
【0039】
また、本実施形態において、演算処理部6は、表示部3に、
図4(a)に示す選択条件入力画面に加えて、
図5に示す選択条件詳細入力画面を表示させ、さらに、選択条件を受け付けるようにしてもよい。ここで、選択条件詳細入力画面では、選択条件として、例えば、
図5に示すように、「難易度」、「試験時間」、「配点」、「期間」及び「選択」を受け付ける。
【0040】
上記難易度は、各分野別の試験問題の属性情報である難易度を指定するためのものである。
また上記試験時間は、各分野別の試験時間を示すものである。
また、上記配点は、各分野別の配点を示すものである。
また、上記期間は、各分野別の試験問題の属性情報である期間を指定するためのものである。なお、演算処理部6は、選択条件入力画面に期間が入力されなかった場合、選択条件詳細入力画面に入力された期間に基づいて試験問題を選択するようにしてよい。なお、選択条件詳細入力画面に、期間が入力されていない場合には、全ての問題が選択対象となる。
また、上記選択は、各分野の試験問題を選択するか否かを指定するものである。
【0041】
ここで、演算処理部6は、選択条件詳細入力画面に入力された試験時間の合計値や、配点の合計値が、選択条件入力画面に入力された試験時間や総得点と異なる場合には、表示部3に警告画面を表示するようにしてもよい。
【0042】
また、端末T1〜Tnは、試験データが試験作成装置Sから配信されると、予め配布された受験者のIDが入力された場合に、試験データに基づく試験の実施を、受験者に許可する。
【0043】
また、端末T1〜Tnでは、試験データが配信されて、試験が開始されると、受験者によって入力された解答データを、試験作成装置Sに送信する。この際、端末T1〜Tnは、例えば、試験終了後に、一括して試験作成装置Sに解答データを送信するようにしてもよいし、また、試験中に逐次、試験作成装置Sに解答データを送信するようにしてもよい。
【0044】
例えば、端末T1〜Tnは、試験終了後に、一括して試験作成装置Sに解答データを送信することによって、試験中の負荷が低減されるので、受験者にスムーズな操作性を提供することができる。また、端末T1〜Tnは、試験中に逐次試験作成装置Sに解答データを送信することによって、ダウンした場合に生じる解答データの消滅を抑制することができる。
【0045】
また、端末T1〜Tnは、試験作成装置Sから配信された試験データに基づいて、科目が数学である場合には、電卓機能を停止したり、また科目が国語である場合には、漢字変換機能を停止したり、また電子ペンによる入力を許可したりしてもよい。
また、試験作成装置Sからに配信された試験データには、科目が英語である場合には、リスニング用の音声データが含まれていてもよい。
【0046】
さらに、試験作成装置Sにおいて、演算処理部6は、端末T1〜Tnから解答データを受信すると、解答データの採点や、各受験者IDの偏差値、さらに各受験者IDの分野毎の偏差値を算出するようにしてよい。なお、試験作成装置Sの代わりに、他の装置が端末T1〜Tnから解答データを受信するようにして、該装置が、解答データの採点や、各受験者IDの偏差値、さらに各受験者IDの分野毎の偏差値を算出するようにしてもよい。
【0047】
このような本実施形態によれば、演算処理部6が、試験問題の属性情報と選択条件とを照合し、照合結果に基づいて複数の試験問題の中から試験問題を選択し、該試験問題を出力する、つまり、即試験問題を選択して出力することができるので、保管の手間を省き、試験データの漏洩を抑制することができる。
【0048】
このような本実施形態によれば、複数の試験問題を記憶すると共に前記試験問題毎の属性情報を記憶する補助記憶部4と、試験問題の選択条件を受け付ける操作部1と、属性情報と選択条件とを照合し、照合結果に基づいて複数の試験問題の中から試験問題を選択し、該試験問題を出力する演算処理部6とを具備することによって、ユーザ(試験作成者)が選択条件を入力するだけで即座に試験を作成することができるので、保管の手間を省き、試験の漏洩を抑制することができる
【0049】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されることなく、例えば以下のような変形が考えられる。
【0050】
(1)上記実施形態において、試験作成装置Sは、補助記憶部4に試験作成プログラム4aが最初から記憶されているものであってもよいし、また、各種記憶媒体(例えば、CD等)に記憶される試験作成プログラム4aあるいは、外部から試験作成プログラム4aをダウンロードし、補助記憶部4に試験作成プログラム4aをインストールするようにしてもよい。
【0051】
(2)例えば、決められた試験会場に端末T1〜Tnが設置され、試験会場に設けられたWiFi等の無線LANを用いて端末T1〜Tnが通信を行う場合には、以下のような処理を実行するようにしてもよい。
【0052】
まず、端末T1〜Tnは、受験者によって入力デバイスが操作されて、試験会場に設けられた無線LANへの接続が選択され、試験会場の無線LANのパスワードが入力されて接続が確立した場合には、試験会場のパスワードを発行し、該パスワードを表示デバイス等を用いて報知する。
【0053】
その後、端末T1〜Tnは、受験者によって入力デバイスが試験データを表示デバイスに表示するための操作が行われると、パスワード入力画面を表示デバイスに表示させ、発行した試験会場のパスワードがパスワード入力画面に入力されると、次に、受験者のIDを受け付けるID入力画面を表示し、受験者のIDがID入力画面に入力されると、受験者による試験の実施を受け付けるようにしてもよい。
【0054】
また、決められた試験会場に設置された端末T1〜Tnを用いて実施された試験の解答データについては、試験作成装置Sでデータ分析を行うようにしてもよい。つまり、試験作成装置Sにおいて、演算処理部6は、試験会場に設置されていない端末T1〜Tnを用いて実施された試験に対する解答データではなく、試験会場に設置された端末T1〜Tnを用いて実施された試験に対する解答データのみを用いて、例えば、各試験問題の解答率等のデータ分析を行うようにしてもよい。なお、試験作成装置Sの代わりに、他の装置が端末T1〜Tnから解答データを受信する場合には、該装置が、試験作成装置Sに代わって、上記データ分析を行うようにしてもよい。
【0055】
(3)上記試験作成装置Sは、通信ネットワークNtを介して複数の端末T1〜Tnに直接試験データを提供したが、本発明はこれに限定されない。例えば、試験作成装置Sによって作成された試験データを、試験企画団体によって管理されるサーバ装置に提供し、該サーバ装置から、複数の端末T1〜Tnに試験データを提供するようにしてもよい。
【0056】
(4)上記試験作成装置Sは、補助記憶部4に複数の試験問題が登録されたデータベースである試験問題データを記憶しているが、本発明はこれに限定されない。例えば、試験問題データの容量が大きい場合には、補助記憶部4の代わりに、サーバ装置に試験問題データを記憶させるようにしてもよい。