特開2016-93862(P2016-93862A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-93862(P2016-93862A)
(43)【公開日】2016年5月26日
(54)【発明の名称】針打機
(51)【国際特許分類】
   B25C 5/06 20060101AFI20160422BHJP
【FI】
   B25C5/06 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-230786(P2014-230786)
(22)【出願日】2014年11月13日
(71)【出願人】
【識別番号】303022891
【氏名又は名称】株式会社パイロットコーポレーション
(72)【発明者】
【氏名】村上 和広
【テーマコード(参考)】
3C068
【Fターム(参考)】
3C068AA07
3C068BB02
3C068GG05
(57)【要約】
【課題】壁面にコ字状の針を簡単に打ち込むことができる針打機を得ることを目的とした。
【解決手段】コ字状の針20を収容する収容体2と、収容体2に収容したコ字状の針20を前進させる駒部材3と、収容体2の底面2a略面一になるよう該収容体2の両側部2bより延設した一対の平面状の支持部4と、収容体2に重なりコ字状の針20を該収容体2に設けた打出孔2cより打ち出す押圧片5を設けた押圧体6とを有した針打機1とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コ字状の針を収容する収容体と、前記収容体に収容したコ字状の針を前進させる駒部材と、前記収容体の底面と略面一になるよう該収容体の両側部より延設した一対の平面状の支持部と、前記収容体に重なり前記コ字状の針を該収容体に設けた打出孔より打ち出す押圧片を設けた押圧体とを有した針打機。
【請求項2】
前記一対の支持部の前方に、該支持部の底面の反対側へ向かって傾斜させた舌片を形成した請求項1に記載の針打機。
【請求項3】
前記舌片を先窄み状に形成した請求項2に記載の針打機。
【請求項4】
前記舌片の先端部にスリットを形成した請求項3に記載の針打機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、壁面にコの字状の針を打ち込む針打機に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に住宅の内壁は石膏ボードや合板で構成されており、その壁面に対してポスターあるいはチラシ等を貼り付ける場合には、画鋲や粘着テープが用いられることが多い。しかしながら、画鋲では、ポスター等を剥がした際に残る孔が大きく、粘着テープでは、粘着テープの糊残りが問題視されている。
【0003】
そこで特許文献1に記載されているような、複数の紙を綴じるために使用するホチキスやステープラーと呼ばれる綴じ具が利用される場合がある。前記綴じ具の中には、図10に示す綴じ具100のように、コ字状の針を打ち出す押圧体106に対して針を内向きに折り曲げる台101が回動して、図11に示すように直線上になるものがあり、壁面に押し付けたポスターに対し、押圧体106側にある打出孔102cからコ字状の針を打ち出すことで、壁面にポスターを貼り付けることができるものがある。このような綴じ具を用いた場合には、コ字状の針の脚部が画鋲に比べて細いことから、壁面やポスターに残る孔が小さくなり、また糊残りの心配もないという利点がある一方で、垂直な壁面にポスターを押し付けた状態で、針の打出孔の位置を決めながら針を打つという作業が不安定になって、やり辛いという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−144648号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明では、壁面にコ字状の針を簡単に打ち込むことができる針打機を得ることを目的とした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、
「1.コ字状の針を収容する収容体と、前記収容体に収容したコ字状の針を前進させる駒部材と、前記収容体の底面と略面一になるよう該収容体の両側部より延設した一対の平面状の支持部と、前記収容体に重なり前記コ字状の針を該収容体に設けた打出孔より打ち出す押圧片を設けた押圧体とを有した針打機。
2.前記一対の支持部の前方に、該支持部の底面の反対側へ向かって傾斜させた舌片を形成した前記1項に記載の針打機。
3.前記舌片を先窄み状に形成した前記2項に記載の針打機。
4.前記舌片の先端部にスリットを形成した前記3項に記載の針打機。」である。
【0007】
本発明の針打機に用いるコ字状の針に限定ないが、ホチキスやステープラーと呼ばれる綴じ具で身近に使用されている10号(JIS規格)が使用できるようにすることで、替針の入手が容易となり、また針が細い線材で形成されていることから、ポスターや壁面に残る孔を小さくすることができる。
収容体は、コ字状の針の大きさに基づき設定し、押圧体は収容体の大きさに合わせて設定すればよい。
支持部は、収容体の底面と面一にして段差を無くすことで、壁面やポスターの表面上での摺動性および安定性が高くなる。
また、支持部の前後方向の長さを収容体の前後方向の長さと同等にし、その巾を押圧体を押圧する指以外の指で支持部に接して針打機を壁面に当接できる巾に設定することで操作性がよくなる。収容体および支持部の長さ寸法と支持部の巾寸法を小さくすれば軽量化が図れると共に、垂直な壁面における取り回しがよくなる。
駒部材は、収容体内にコイルスプリングを配し、その弾発力で並列に複数連結された針を収容体の前方に形成した打出孔へ向かって前進させる構造とすることが好ましい。
【0008】
一対の支持部の前方に設ける舌片は、上方へ向かって15度から45度の範囲で傾斜させることが好ましく、舌片の底面を壁面に対して面接触させた状態にしてコ字状の針を打ち込んだ場合には、コ字状の針の脚部が壁面に傾斜した状態で刺さり、針が壁面から抜け難い状態とすることが可能となる。また、支持部の前方の舌片が傾斜させることで、壁面に存在する段差や壁面からポスター面に乗り上げるときの段差を、針打機が、滑らかに乗り越えることができるようになる。
さらに舌片を前方へ向かって細くなる先窄み状に形成することにより、壁面から露出したコ字状の針の本体部の下に舌片を差し込んで、壁面からコ字状の針の脚部を引き抜くことができるものとなる。
さらに舌片の先端部に前後方向へ延びるスリットを形成することにより、画鋲の脚部をスリットで挟み込んで、壁面から脚部を引き抜くことができるものとなる。尚、前記スリットは一対の支持部の前方に形成された舌片の一方または両方に形成してもよい。
尚、収容体の底面や支持部の底面にゴムやエラストマー等のシート状の滑止部材を設けることで、針を打つ際に針打機がずれ難いものとなる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の針打機は、壁面にコ字状の針を簡単に打ち込むことができるものとなった。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施例の針打機の斜視図である。
図2図1の針打機を底面側から見た斜視図である。
図3図1の針打機の押圧体を開いた状態を示す斜視図である。
図4図1の針打機の使用状態を示す斜視図である。
図5図1の針打機にてポスターを壁面に貼り付ける状態を示す図である。
図6図1の針打機にてポスターを壁面に貼り付ける他の状態を示す図である。
図7図1の針打機にて壁面およびポスターの表面上を摺動させる状態を示す図である。
図8図1の針打機にてコ字状の針を引き抜く状態を示す斜視図である。
図9図1の針打機にて画鋲を引き抜く状態を示す斜視図である。
図10】従来の綴じ具を示す斜視図である。
図11】従来の綴じ具の台を開いた状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明における針打機について説明を行う。尚、説明を分かり易くするために、針を収容させる収容体に設けた打出孔がある側を前方と表現し、その反対側を後方と表現する。
【0012】
以下、図1から図3を用いて本実施例の針打機について説明を行う。図1は本実施例の針打機の斜視図である。図2図1の針打機を底面側から見た斜視図である。図3図1の針打機の押圧体を開いた状態を示す斜視図である。
針打機1は、コ字状の針20を収容する収容体2と、収容体2に収容したコ字状の針20を前進させる駒部材3と、収容体2の底面2aと面一になるよう該収容体2の両側部2bより延設した一対の平面状の支持部4と、収容体2に重なりコ字状の針20を該収容体2に設けた打出孔2cより打ち出す押圧片5を配した押圧体6とを有している。
また、図2に示すように、本実施例の針打機1は、収容体2の底面2aと支持部4の底面4aとは一体で平滑な面になっており、支持部4の前方には、上方へ向かって底面70a,70bが20度で傾斜する先窄み状の舌片7a,7bを形成してある。尚、舌片7bの先端部には前後に延びるスリット7cを形成してある。
【0013】
また、図3に示すように、押圧体6に配した押圧片5は、一体で固定片8を曲成しており、固定片8を押圧体6の内面に形成した係止段部6aに係着させ、固定片8に形成した爪部8aにコイルスプリング9の一端9aを掛止させると共に、コイルスプリング9の他端9bを駒部材3に形成した爪部3aに掛止させることで、コイルスプリング9の収縮力で駒部材3が前進するようにしてある。尚、駒部材3の両側面より突設させた突起部3bを収容体2の側壁2dに形成した前後に延びる溝部2eへ係止させることで、収容体2の内部で駒部材3が前後方向へ摺動するようにしてある。また、駒部材3の前方両側には突出壁3cを突設しており、突出壁3cで並列に複数連ねた針群21を前進させ、針群21の先頭にあるコ字状の針20の本体部20aを押圧体6の押圧片5で押圧することにより、打出孔2cより打ち出せるようにしてある。
【0014】
本実施例の針打機1は、押圧体6の後部6cと収容体2の後部2fとを連結した支軸10を支点に、図3に示すように収容体2に対して押圧体6を回動させて開放し、収容体2に針群21を収容させることができる。また、押圧体6を閉じる際には、押圧体6の内面に設けた凸部6bが収容体2の外面に設けた凸部2gを乗り越えて係止され、固定片8から延設した二つの弾性片8bが収容体2の両側壁2dを弾発することで、収容体2に収容したコ字状の針20の本体部20aと押圧体6に設けた押圧片5の先端縁5aとの間に一定の距離が得られるようにしてある。
【0015】
次に、図4から図7を用いて本実施例の針打機で針を打つ際の説明を行う。図4図1の針打機の使用状態を示す斜視図である。図5図1の針打機にてポスターを壁面に貼り付ける状態を示す図である。図6図1の針打機にてポスターを壁面に貼り付ける他の状態を示す図である。図7図1の針打機にて壁面およびポスターの表面上を摺動させる状態を示す図である。図4に示すように、本実施例の針打機1では、三本の指で一対の支持部4および押圧体6を保持することができ、図5に示すように、ポスター30の表面30aに対し平滑な収容体2の底面2aおよび支持部4の底面4aを当接させ、押圧体6を押圧することで、壁面40にコ字状の針20の脚部20bを垂直に刺すことができた。
【0016】
図6図1の針打機にてポスターを壁面に貼り付ける他の状態を示す図である。図6に示すように、ポスター30の表面30aに対し支持部4の前方に形成した先窄み状の舌片7a(7b)の底面70a(70b)を当接させ、押圧体6を壁面40方向に向かって押圧することで、壁面40にコ字状の針20の脚部20bを20度傾斜させて刺すことができた。
【0017】
図7図1の針打機にて壁面およびポスター表面上を摺動させる状態を示す図である。図に示す通り、本実施例の針打機1は、支持部5の前方に、上方へ向かって底面70a,70bに20度の傾斜角度D(図5参照)を付けた先窄み状の舌片7a,7bを形成してあることから、ポスター30を壁面40に貼り付ける際に、壁面40の表面40aに対して平滑な収容体2の底面2aおよび支持部4の底面4aを当接させた状態で滑らせて、傾斜した先窄み状の舌片7a,7bにてポスター30の縁30bを滑らかに乗り越えることができた。
【0018】
図8図1の針打機にてコ字状の針を引き抜く状態を示す斜視図である。本実施例の支持部4の前方に形成した舌片7aは、前方へ向かって細くなる先窄み状に形成してあることから、壁面40から露出したコ字状の針20の本体部20aの下に舌片7aを差し込んで、壁面40から脚部20bを引き抜くことができた。
【0019】
図9図1の針打機にて画鋲を引き抜く状態を示す斜視図である。本実施例の支持部4の前方に形成した舌片7bは、その先端部に前後方向へ延びるスリット7cを形成に形成してあることから、壁面40から露出した画鋲50の本体部50aの下に舌片7bを差し込むと共に、画鋲50の脚部50bをスリット7cにて挟み込んで、壁面40から脚部50bを引き抜くことができた。
【符号の説明】
【0020】
1…針打機、
2…収容体、2a…底面、2b…側部、2c…打出孔、
2d…側壁、2e…溝部、2f…後部、2g…凸部、
3…駒部材、3a…爪部、3b…突起部、3c…突出壁、
4…支持部、4a…底面、
5…押圧片、5a…先端縁、
6…押圧体、6a…係止段部、6b…凸部、6c…後部、
7a…先窄み状の舌片、7b…先窄み状の舌片、7c…スリット、
70a…底面、70b…底面、
8…固定片、8a…爪部、8b…弾性片、
9…コイルスプリング、9a…一端、9b…他端、
10…支軸、
20…コ字状の針、20a…本体部、20b…脚部、
21…針群、
30…ポスター、30a…表面、30b…縁、
40…壁面、40a…表面、
50…画鋲、50a…本体部、50b…脚部。
図1
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図3
図4
図5
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