【課題】科学的根拠に基づく効果効能を有するサプリメントを、その摂取者、使用者のニーズに合わせて安価に供給することができるサプリメントの生産管理システムを提供する。
【解決手段】サプリメントの生産管理システムでは、素材が、有効性と安全性とが科学的根拠に基づいて確認された原材料であること、登録済みの依頼者より、発売者が、仕様要件に基づきサプリメント製造の見積り依頼を受けると、発売者が、特定生産者の二次端末30Aにアクセスすることにより、仕様要件に基づく生産見積りを依頼すること、依頼者の要求条件を最も満たす生産者が、生産管理サーバ13により、見積り回答が出された特定生産者の中から、選定される。
サプリメントの発売元である発売者の一次端末は、サプリメントの製造に必要な生産情報を、当該発売者の管理下で一元的に管理する生産管理サーバと、前記生産管理サーバの動作に必要なプログラム、及びデータを記憶する記憶手段を備えた制御部と、を有し、
サプリメントの製造を依頼する依頼者と、サプリメントの原材料である素材を供給する素材供給者と、前記素材供給者より調達された前記素材を用いてサプリメントを生産する生産者とがそれぞれ、通信回線により前記生産管理サーバと相互に接続可能なサーバ接続プログラムをインストールした二次端末を備え、前記二次端末が前記一次端末にアクセスすると、アクセスした者の前記二次端末にログイン画面を表示させる初期画面表示手段と、
前記生産者が前記ログイン画面より登録の手続きに入ると、前記生産者自身のプロフィールと共に、前記生産情報のうちの一つとして、サプリメントの生産設備の詳細である設備情報の登録を行う生産者登録画面が前記二次端末に表示され、前記生産者により前記生産者登録画面に入力され、前記一次端末に送信された生産者情報を、データベース化して前記記憶手段に保存する生産者情報登録手段と、
前記依頼者が前記ログイン画面より登録の手続きに入ると、前記依頼者自身のプロフィールの登録を行う依頼者登録画面が前記二次端末に表示され、前記依頼者により前記依頼者登録画面に入力され、前記一次端末に送信された依頼者情報を、データベース化して前記記憶手段に保存する依頼者情報登録手段と、
登録済みの前記依頼者が、前記生産管理サーバとのアクセスで、前記ログイン画面から先に必要な認証キーを前記ログイン画面に入力すると、前記依頼者が要求するサプリメントの仕様を入力する仕様要求画面が前記依頼者の前記二次端末に表示され、前記依頼者により前記仕様要求画面に入力され、前記一次端末に送信されたデータを、サプリメントの仕様要件として設定し、前記記憶手段に保存する仕様設定手段と、
登録済みの前記生産者の中から、サプリメントの前記仕様要件を満すことができる特定生産者を、1つ以上選択する特定生産者選択手段と、を前記生産管理サーバに備えていること、
前記素材が、有効性と安全性とが科学的根拠に基づいて確認された原材料であること、
登録済みの前記依頼者より、前記発売者が、前記仕様要件に基づきサプリメント製造の見積り依頼を受けると、前記発売者が、前記特定生産者の前記二次端末にアクセスすることにより、前記仕様要件に基づく生産見積りを依頼すること、前記生産管理サーバにより、前記依頼者の要求条件を最も満たす前記生産者が、見積り回答が出された前記特定生産者の中から、選定されること、
を特徴とするサプリメントの生産管理システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
(1)法規制により、一般食品の保健機能表示ができないことに起因した問題
薬事法は現在、保健機能表示について、保健機能をエビデンスに基づいて担保した保健機能食品のみを許可しているが、一般食品に該当するサプリメントの場合、そもそも所管官庁で保健機能を全く審査せず把握していないことを理由に、一般食品の購入者(摂取者)に向けた保健機能表示は、薬事法違反の対象となり、景品表示法により禁止されている。
【0009】
そのため、有効性と安全性が高い保健機能を有するサプリメントが近年、開発され、メーカー側が、そのサプリメントの保健機能について、厳格な評価を行って有意性があることを実質的に把握していても、一般食品の場合、法規制により保健機能表示ができず、保健機能に関する情報が摂取者に正確に提供できていない。この問題は、摂取者に不利益を被る以外に、メーカー側でも、企業の活躍を阻害しかねない不利益を含むものであり、現在、このような不利益を解消すべく法改正の実施に向けて、多大な期待が寄せられている状況下にある。近い状来、このような改正法が施行された場合、保健機能食品と同様、一般食品の場合でも、保健機能表示の許可にあたり、所管官庁が、エビデンスに基づく保健機能を審査して担保するものと考えられる。そのため、改正法の施行を見据え、一般食品に対し、有効性と安全性を示すエビデンスの必要性が、大いに生じてきている。
【0010】
特許文献1では、たとえ医師が、健康管理装置による体内情報分析レポートに基づいて、適切な処方箋を作成しても、当該(1)の問題で述べた法規制により、一般食品の保健機能が開示できないため、この処方箋により、特に市販の一般食品を含めて調合されたサプリメントの保健機能は、担保されない。
【0011】
(2)予防医学向けの一般食品には、エビデンスが必要となる問題
保健医療費削減の政策を受け、予防医学の関心が医療従事者の間で高まる中、摂取者の状態に応じて組成したオリジナルのサプリメントを供給する需要が近年、急速に拡大している。一方、現状の一般食品では、保健機能をエビデンスに基づいて担保する必要がないため、このことが今後、オリジナルサプリメントを処方、販売する上で、支障となっている。法改正により、医療従事者は今後、厚生労働省により効果効能が許認可された医薬品に代えて、サプリメントを処方、販売するとなれば、職務上、当然のことながら、所管官庁で把握し許認可された保健機能を有するお墨付きのサプリメントを求めるからである。
【0012】
(3)健康管理向けの一般食品には、エビデンスが必要となる問題
例えば、環太平洋戦略的経済連携協定(略称TPP:Trans-Pacific Partnership)等により、経済の自由化が今後、諸外国との間で現在よりも促進されると、数多くの種類のサプリメントが流通する市場の下では、販売者間で競争が激化する。そのため、健康食品販売者は、他者との差別化を図るべく、安価で付加価値の高いサプリメントを供給していく必要がある。その実現には、一般食品でも、エビデンスにより担保された栄養機能を有するサプリメントの製造が重要となり、健康食品市場も、このようなサプリメントを求めている。
【0013】
このように、上記(1)〜(3)の問題がある中で、依頼者が、エビデンスに基づく保健機能を有したサプリメントを製造したくても、その素材の供給者や生産者、サプリメントの発売者に対し、製品化に至るまでの種々の生産管理を、効率良く行う仕組みがなく、上記(1)〜(3)の問題に対処することができなかった。
【0014】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、科学的根拠に基づく効果効能を有するサプリメントを、その摂取者や使用者のニーズに合わせて安価に供給することができるサプリメントの生産管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明に係るサプリメントの生産管理システムは、上記目的を達成するため、以下の構成を有する。
(1)サプリメントの発売元である発売者の一次端末は、サプリメントの製造に必要な生産情報を、当該発売者の管理下で一元的に管理する生産管理サーバと、前記生産管理サーバの動作に必要なプログラム、及びデータを記憶する記憶手段を備えた制御部と、を有し、サプリメントの製造を依頼する依頼者と、サプリメントの原材料である素材を供給する素材供給者と、前記素材供給者より調達された前記素材を用いてサプリメントを生産する生産者とがそれぞれ、通信回線により前記生産管理サーバと相互に接続可能なサーバ接続プログラムをインストールした二次端末を備え、前記二次端末が前記一次端末にアクセスすると、アクセスした者の前記二次端末にログイン画面を表示させる初期画面表示手段と、前記生産者が前記ログイン画面より登録の手続きに入ると、前記生産者自身のプロフィールと共に、前記生産情報のうちの一つとして、サプリメントの生産設備の詳細である設備情報の登録を行う生産者登録画面が前記二次端末に表示され、前記生産者により前記生産者登録画面に入力され、前記一次端末に送信された生産者情報を、データベース化して前記記憶手段に保存する生産者情報登録手段と、前記依頼者が前記ログイン画面より登録の手続きに入ると、前記依頼者自身のプロフィールの登録を行う依頼者登録画面が前記二次端末に表示され、前記依頼者により前記依頼者登録画面に入力され、前記一次端末に送信された依頼者情報を、データベース化して前記記憶手段に保存する依頼者情報登録手段と、登録済みの前記依頼者が、前記生産管理サーバとのアクセスで、前記ログイン画面から先に必要な認証キーを前記ログイン画面に入力すると、前記依頼者が要求するサプリメントの仕様を入力する仕様要求画面が前記依頼者の前記二次端末に表示され、前記依頼者により前記仕様要求画面に入力され、前記一次端末に送信されたデータを、サプリメントの仕様要件として設定し、前記記憶手段に保存する仕様設定手段と、登録済みの前記生産者の中から、サプリメントの前記仕様要件を満すことができる特定生産者を、1つ以上選択する特定生産者選択手段と、を前記生産管理サーバに備えていること、前記素材が、有効性と安全性とが科学的根拠に基づいて確認された原材料であること、登録済みの前記依頼者より、前記発売者が、前記仕様要件に基づきサプリメント製造の見積り依頼を受けると、前記発売者が、前記特定生産者の前記二次端末にアクセスすることにより、前記仕様要件に基づく生産見積りを依頼すること、前記生産管理サーバにより、前記依頼者の要求条件を最も満たす前記生産者が、見積り回答が出された前記特定生産者の中から、選定されること、を特徴とする。
(2)(1)に記載するサプリメントの生産管理システムにおいて、前記素材供給者が前記ログイン画面より登録の手続きに入ると、前記素材供給者自身のプロフィールと共に、前記生産情報のうちの一つとして、前記素材供給者が供給する前記素材の詳細である素材情報の登録を行う供給者登録画面が前記二次端末に表示され、前記素材供給者により前記供給者登録画面に入力され、前記一次端末に送信された供給者情報を、データベース化して前記記憶手段に保存する供給者情報登録手段と、登録済みの前記素材供給者の中から、サプリメントの前記仕様要件を満すことができる特定素材供給者を、1つ以上選択する特定調達先選択手段と、を前記生産管理サーバに備えていること、登録済みの前記依頼者より、前記発売者が、前記仕様要件に基づきサプリメント製造の見積り依頼を受けると、前記生産管理サーバより、前記依頼者の要求条件を最も満たす前記素材供給者が、前記特定素材供給者の中から、選定されること、を特徴とする。
(3)(2)に記載するサプリメントの生産管理システムにおいて、前記素材情報で、前記素材のコストが最も安価に登録された前記素材供給者を、前記特定素材供給者の中から選定し、前記一次端末の画面に表示する素材供給者選定手段を、前記生産管理サーバに備えていること、を特徴とする。
(4)(1)乃至(3)のいずれか1つに記載するサプリメントの生産管理システムにおいて、見積り回答した前記特定生産者の中で、生産コストが最も安価だった前記生産者を選定し、前記一次端末の画面に表示する生産者選定手段を、前記生産管理サーバに備えていること、を特徴とする。
(5)(2)乃至(4)のいずれか1つに記載するサプリメントの生産管理システムにおいて、前記素材に対する前記科学的根拠は、臨床試験を実施したことによるものであり、前記素材情報に開示されていること、を特徴とする。
(6)(1)乃至(5)のいずれか1つに記載するサプリメントの生産管理システムにおいて、サプリメントの前記仕様要件は、(a)医療従事者が処方する場合、処方先の診療科目
(b)サプリメントの摂取目的(c)用いる前記素材の名称(d)用いる前記素材の配分比(e)サプリメントの剤形(f)サプリメントの包装形態(g)サプリメントの製造数量(h)サプリメントの納入時期を含んでいること、を特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
上記構成を有する本発明のサプリメントの生産管理システムの作用・効果について説明する。本発明に係るサプリメントの生産管理システムにおいて、
(1)に記載するサプリメントの生産管理システムでは、依頼者の要望により、有効性と安全性とが担保されたオリジナル仕様のサプリメントが、低コストで製造し易くなる。特に、依頼者は、サプリメントの摂取者及び使用者のニーズに合わせたサプリメントを、効率良く製造し易くなる。また、薬事法等が法改正されて、エビデンスが存在する素材を用いたサプリメントを対象に、効果効能の表示が解禁された場合、本実施形態に係るサプリメントの生産管理システムによって製造されたサプリメントでは、効果効能表示ができる。そのため、サプリメントの摂取者及び使用者は、自身の知識、判断に委ねることなく、使用目的に合った商品を、効果効能表示を見て選択することができる。
【0017】
従って、本発明に係るサプリメントの生産管理システムによれば、科学的根拠に基づく効果効能を有するサプリメントを、その摂取者や使用者のニーズに合わせて安価に供給することができる、という優れた効果を奏する。
【0018】
また、(2)に記載するサプリメントの生産管理システムでは、有効性と安全性とが担保されたオリジナル仕様のサプリメントが、低コストで製造し易くなる。特に、依頼者は、サプリメントの摂取者及び使用者のニーズに合わせたサプリメントを製造し易くなる。依頼者が医療従事者で、予防医学向けのサプリメントを設計する場合、その設計経験が、依頼者に十分になくても、エビデンスが存在する素材を用いたサプリメントの設計を、容易に、より短い時間で行うことができる。また、素材情報により、素材の物性が明らかであり、依頼者にとって、サプリメントの設計を安心して行うことができ、発売者にとっても、サプリメントを安心して販売することができる。
【0019】
また、(3)に記載するサプリメントの生産管理システムでは、素材情報で、素材のコストが最も安価に登録された素材供給者を、特定素材供給者の中から選定し、一次端末の画面に表示する素材供給者選定手段を、生産管理サーバに備えていること、を特徴とする。また、(4)に記載するサプリメントの生産管理システムでは、見積り回答した特定生産者の中で、生産コストが最も安価だった生産者を選定し、一次端末の画面に表示する生産者選定手段を、生産管理サーバに備えていること、を特徴とする。
【0020】
これらの特徴により、有効性と安全性とを担保したサプリメントが、より低コストで摂取者や使用者に提供できる。特に、経済の自由化が今後、諸外国との間で現在よりも促進して、健康管理向けのサプリメントの市場競争が激化しても、健康食品販売者は、他者との差別化を図るべく、安価で付加価値の高いサプリメントを供給することができる。また、薬事法等が法改正されて、医師が今後、厚生労働省により効果効能が許認可された医薬品に代えて、予防医学向けのサプリメントを処方することができれば、本実施形態に係るサプリメントの生産管理システムによって製造されたサプリメントは、保健医療費削減の政策に大いに貢献することができる。
【0021】
また、(5)に記載するサプリメントの生産管理システムでは、素材に対する科学的根拠は、臨床試験を実施したことによるものであり、素材情報に開示されていること、を特徴とする。これにより、薬事法等が法改正されて、医師が今後、厚生労働省により効果効能が許認可された医薬品に代えて、予防医学向けのサプリメントを処方することができれば、本発明に係るサプリメントの生産管理システムによって製造されたサプリメントは、トクホや栄養機能食品と同じ扱いで、医療従事者から処方、販売されるサプリメントになり得る。
【0022】
また、(6)に記載するサプリメントの生産管理システムでは、サプリメントの前記仕様要件は、(a)医療従事者が処方する場合、処方先の診療科目(b)サプリメントの摂取目的(c)用いる前記素材の名称(d)用いる前記素材の配分比(e)サプリメントの剤形(f)サプリメントの包装形態(g)サプリメントの製造数量(h)サプリメントの納入時期を含んでいること、を特徴とする。これにより、依頼者が医療従事者で、予防医学向けのサプリメントを設計する場合、その設計が、より短い時間で行うことができるため、業務が忙しいとされる医師でも、サプリメントの処方を効率良く行うことができる。また、サプリメントの設計経験が、依頼者に十分になくても、エビデンスが存在する素材を用いたサプリメントを、容易に設計することができる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
(実施形態)
以下、本発明に係る生産管理システムについて、実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。本実施形態の生産管理システムでは、サプリメントの製造を依頼する依頼者(
図21では、会社名「健康生活倶楽部」)が、「トクホ」、及び「栄養機能食品」の食品以外で、いわゆる「一般食品」に該当するサプリメント(以降、単に「サプリメント」と称する。)を製造するのにあたり、その見積りを、サプリメントの発売元である発売者に依頼する。発売者は、依頼者からこの見積り依頼を受け、サプリメントの原材料である素材を供給する素材供給者と、素材供給者より調達された素材を用いてサプリメントを生産する生産者とを、それぞれ1つ以上選択し、選択された中から、依頼者の要求条件を満たす素材供給者と生産者とを選定する。
【0025】
依頼者は、上述した健康管理向けの一般食品の販売を行う販売者のほか、診察を介して処方を直接発売者に依頼する医師、医師の処方に基づき、処方を発売者に依頼する薬剤師等である。素材供給者は、素材の製造または加工、外部から素材を調達等、素材を取り扱うメーカーであり、取り扱う素材は、有効性と安全性とが科学的根拠に基づいて確認された原材料である。生産者は、素材供給者から調達した素材を加工して生産したサプリメントを、包装し、製品形態となるまで一連の工程を行う者であり、本実施形態は、相手先ブランド名製造(OEM:Original Equipment Manufacturer)を行うメーカーである。なお、素材供給者は、素材メーカー以外に、例えば、素材の流通過程の途中に存在する卸問屋等であって良い。
【0026】
サプリメントは、本実施形態の生産管理システムにより管理された素材を用いて製造される。前述したように、素材は、有効性と安全性とが科学的根拠に基づいて、確認され、認証された原材料である。この素材に対する科学的根拠は、少なくとも臨床試験を実施したことによるものであり、後述する素材供給者情報登録画面の素材情報1,2に開示されている。具体的には、素材は、有効性と安全性とを認証する手順として、素材供給者側(素材メーカー、委託先の医療機関等)において、非臨床試験の実施のほか、倫理審査委員会による審査・承認、臨床実験の実施、ホームページ等により外部に向けた閲覧公開と監査を経て、例えば、医師会のメンバーが参加する医療外郭団体等、第三者的立場にあるエビデンス認証機関に申請、審査される。審査された素材は、科学的根拠に基づく有効性と安全性とが担保されている証として、このエビデンス認証機関より、エビデンスクオリティ認証(EQA:Evidence Quality Attestation)(EQ認証)を受ける。
【0027】
EQ認証を受けるのに行う非臨床試験として、例えば、「安全性試験」、「in vitro試験」、「in vivo」等が挙げられる。「安全性試験」は、ヒトが安全の範囲内で摂取できる素材の量を、マウスやラットを用いて推定する生物学的試験研究であり、単回投与毒性試験、反復投与毒性試験、遺伝子毒性試験等の試験方法によって行われる。「in vitro試験」は、例えば、細胞毒性試験、復帰突然変異試験、染色異常試験、エンドトキシン試験等に挙げられる試験であり、試験管内で細胞培養を行うことにより、食品の安全性や効用、作用機序等を検討する試験である。
【0028】
EQ認証を受けるのに行う臨床試験は、薬として、国の所管官庁(厚生労働省)より認可に必要な治験であり、ヒトが摂取または使用した状態において、効能や安全性を調査する目的で、プラセボを用いた比較試験を含めて行われる。素材に対する有効性と安全性とが、EQ認証(エビデンス)で担保され、科学的根拠が明らかになっていると、このEQ認証を受けた素材を用いて製造されたサプリメントについても、有効性と安全性が担保される。
【0029】
図1は、実施形態に係る生産管理システムの構成を概略的に示す説明図であり、実際には、素材供給者と生産者はそれぞれ、1つ以上で、複数になる場合もあるが、図を見易くするため、素材供給者と生産者を、各1つのみ図示している。
【0030】
本実施形態の生産管理システムは、
図1に示すように、発売者に一次端末10を、生産者に二次端末30Aを、素材供給者に二次端末30Bを、依頼者に二次端末30Cを、それぞれ備えている。一次端末10は、CPU、ROM、及びRAM等、公知の構成のマイクロコンピュータである制御部11と、データを記憶する記憶手段12と、サプリメントの製造に必要な生産情報を、当該発売者の管理下で一元的に管理する生産管理サーバ13と、図示しないモニターとを有し、通信回線によりインターネットと接続可能に構成されている。制御部11では、生産管理サーバ13の動作に必要なプログラム、通信に必要なプログラム、その他のプログラムが、ROM等に記憶されている。
【0031】
二次端末30A,30B,30Cは、実質的に同じ機能を有したものであるため、以下、特に断りがない限り、二次端末30A,30B,30Cを二次端末30と総称する場合がある。二次端末30は、図示を省略しているが、CPU、ROM、及びRAM等、公知の構成のマイクロコンピュータである制御部と、データを記憶する記憶部と、モニターとを有し、通信回線によりインターネットと接続可能に構成されている。この制御部では、通信回線により生産管理サーバ13と相互に接続可能なサーバ接続プログラム31、通信に必要なプログラム、その他のプログラムが、ROM等に記憶されている。
【0032】
本実施形態の生産管理システムに構成された生産管理サーバについての説明図を、
図2に示す。生産管理サーバ13は、初期画面表示手段14、生産者情報登録手段15、依頼者情報登録手段16、仕様設定手段17、特定生産者選択手段18、生産者選定手段19、素材供給者情報登録手段20(本発明の供給者情報登録手段)、特定調達先選択手段21、及び素材供給者選定手段22を、備えている。一次端末10の制御部11は、初期画面表示手段14、依頼者情報登録手段16、仕様設定手段17、生産者情報登録手段15、特定生産者選択手段18、生産者選定手段19、素材供給者情報登録手段20、特定調達先選択手段21、及び素材供給者選定手段22において、それぞれ対応する制御プログラムや、このプログラムの実行に必要な機器に対し、CPUにロードすることにより、例えば、特定画面の表示や、送られてきたデータのデータベース化等、所定の動作を実行する。
【0033】
初期画面表示手段14は、依頼者、生産者、及び素材供給者に対し、登録の有無に拘わらず、一次端末10にアクセスした者の二次端末30の画面に、ログイン画面(
図20、
図14、及び
図11参照)を表示させる機能を有するプログラムと、このプログラムの実行に必要な機器とを含む。初期画面表示手段14では、未登録の者が、一次端末10にアクセスして二次端末30に表示されたログイン画面上で、「新規登録」ボタンを押すと、このログイン画面とは別サイト上で、認証キー(ID、パスワード)が、メールにより一次端末10から二次端末30に送られ、未登録の者に通知される。認証キーは、登録者による生産管理サーバ13へのアクセスで、ログイン画面に続く画面を表示させるのに、セキュリティー上、必要とするものである(
図20、
図14、及び
図11参照)。
【0034】
ログイン画面は、依頼者、生産者、及び素材供給者を、系統的に3者に分類し、該当する入力欄に認証キーを入力させるほか、発売者や、この発売者をサポートする発売管理者(
図20等では、会社名「メディカルフュージョン」)からのインフォメーションや、依頼者、生産者、素材供給者等を広告主とする広告を、バーナーで表示する構成となっている。インフォメーションでは、自社他社を問わない製品等の製造実績や、有効性と安全性とについて、科学的根拠による認証を得た素材等の紹介がなされる。バーナー広告では、広告主の業務の宣伝や、本実施形態の生産管理システムの採用により得られた素材や製品(サプリメント)の優位性等を、宣伝する内容が表示される。
【0035】
<生産者情報登録>
図3は、実施形態に係る生産管理システムで、生産者情報登録までの過程を示すフローチャート図である。
図12は、生産者情報登録画面のプロフィール欄を、
図13は、設備情報登録画面の設備情報欄を、それぞれ示す図である。登録しようとする1つ以上の生産者は、生産者毎にそれぞれ生産者情報登録を行う。生産者情報登録は、
図1中、「プロセス1」に対応する。
【0036】
はじめに、生産者の二次端末30Aが一次端末10にアクセスする。これにより、参照する
図11に示すように、初期画面表示手段14により、ログイン画面が二次端末30Aに表示される(S1)。生産者の二次端末30Aが一次端末10に初めてアクセスする場合には、生産者は、ログイン画面上の「新規登録」ボタンを押し、一次端末10から送られてくる認証キーを取得する。
【0037】
次に、生産者が、取得した自身の認証キーを、ログイン画面上の入力欄に入力し、「OEMを登録」にチェックマークを入れて、キーボード上のエンターキーを押すと、生産者情報登録手段15が起動する。生産者情報登録手段15は、
図12及び
図13に示すように、生産者情報登録画面(本発明の生産者登録画面)が二次端末30Aに表示され、生産者により生産者情報登録画面に入力され、一次端末10に送信されたデータを、データベース化して記憶手段12に保存する機能を有するプログラムと、このプログラムの実行に必要な機器とを含む。生産者情報登録画面は、生産者自身の「プロフィール」と共に、生産管理サーバ13で一元的に管理するサプリメントの生産情報のうちの一つとして、サプリメントの生産設備の詳細である「設備情報」の登録を行う画面である。
【0038】
S2では、生産者情報登録手段15の起動により、最初に生産者情報登録画面の「プロフィール」欄(
図12の図示)が、生産者の二次端末30Aのモニターに表示されると、生産者が、「会社名」、「業種」、「担当者」、「連絡先」等の必要事項を入力する。生産者は、当該生産管理システムの利用規約や個人情報保護等の取扱いに同意した上で、これら必要事項のデータを、通信回線により、二次端末30Aから一次端末10に送信する(S3)。
【0039】
一次端末10が、二次端末30Aから送信された上記必要事項のデータを確認したら、生産管理サーバ13が、二次端末30Aのモニターに、生産者情報登録画面の「設備情報」欄(
図13の図示)を表示する指令を出す。この「設備情報」欄は、生産者の工場内にある生産設備や試験施設について、依頼者からの要求事項に対応できるか否かを判断するのに活用される情報を提供するものである。生産者は、「設備情報」欄で、該当する事項のチェックボックスにチェックマークを入力して「登録」ボタンを押すと、これら入力データが一次端末10に送信されて、生産管理サーバ13に登録される(S4)。かくして、これら入力事項のデータが、一次端末10に受信すると、生産者情報登録手段15により、系統的に分類した生産者のカテゴリー内でデータベース化され、記憶手段12に保存される。
【0040】
<素材供給者情報登録>
素材供給者情報登録手段20について説明する。
図4は、実施形態に係る生産管理システムで、素材供給者情報登録までの過程を示すフローチャート図である。
図15は、素材供給者情報登録画面のプロフィール欄を示す図であり、その画面に続く「素材情報1」欄を
図16に、この「素材情報1」に続く「素材情報2」欄を
図17に、この「素材情報2」欄に続く「適用情報」欄を
図18に、それぞれ示す。登録しようとする1つ以上の素材供給者は、素材供給者毎にそれぞれ素材供給者情報登録を行う。素材供給者情報登録は、
図1中、「プロセス1」に対応する。
【0041】
はじめに、素材供給者の二次端末30Bが一次端末10にアクセスする。これにより、参照する
図14に示すように、初期画面表示手段14により、ログイン画面が二次端末30Bに表示される(S11)。素材供給者の二次端末30Bが一次端末10に初めてアクセスする場合には、素材供給者は、ログイン画面上の「新規登録」ボタンを押し、一次端末10から送られてくる認証キーを取得する。
【0042】
次に、素材供給者が、取得した自身の認証キーを、ログイン画面上の入力欄に入力し、「原材料を登録」にチェックマークを入れて、キーボード上のエンターキーを押すと、素材供給者情報登録手段20が起動する。素材供給者情報登録手段20は、
図15〜
図18に示すように、素材供給者情報登録画面(本発明の供給者登録画面)が二次端末30Bに表示され、素材供給者により素材供給者情報登録画面に入力され、一次端末10に送信されたデータを、データベース化して記憶手段12に保存する機能を有するプログラムと、このプログラムの実行に必要な機器とを含む。素材供給者情報登録画面は、素材供給者自身の「プロフィール」と共に、生産管理サーバ13で一元的に管理するサプリメントの生産情報のうちの一つとして、素材供給者が供給する素材の詳細である「素材情報」の登録を行う画面である。
【0043】
S12では、素材供給者情報登録手段20の起動により、最初に素材供給者情報登録画面の「プロフィール」欄(
図15の図示)が、素材供給者の二次端末30Bのモニターに表示されると、素材供給者が、「会社名」、「業種」、「担当者」、「連絡先」等の必要事項を入力する。素材供給者は、当該生産管理システムの利用規約や個人情報保護等の取扱いに同意した上で、これら必要事項のデータを、通信回線により、二次端末30Bから一次端末10に送信する(S13)。
【0044】
一次端末10が、二次端末30Bから送信された上記必要事項のデータを確認したら、生産管理サーバ13が、二次端末30Bのモニターに、素材供給者情報登録画面の「素材情報1」欄(
図16の図示)を表示する指令を出す。この「素材情報1」欄は、素材供給者が取り扱う全種の素材について、物性を確認したエビデンス(EQ認証等の科学的根拠)、単価、適応可能な製品形状等の素材情報を、素材1種類毎に登録する画面である。素材供給者が、1種類の素材につき、「素材情報1」欄に必要事項を入力し、「保存」ボタンを押して、二次端末30Bの記憶部に一時的に保存した後、「次へ」ボタンを押すと、素材供給者情報登録画面の「素材情報2」欄(
図17の図示)が、二次端末30Bのモニターに表示される。
【0045】
この「素材情報2」欄は、素材において、有効性と安全性とを確認するに至った科学的根拠について、具体的にどのような手法で検証を行ったかを開示したほか、この検証に基づいた当該素材の効果効能を表示した画面である。素材供給者が、1種類の素材につき、「素材情報2」欄に必要事項を入力し、「保存」ボタンを押して、二次端末30Bの記憶部に一時的に保存した後、「次へ」ボタンを押すと、素材供給者情報登録画面の「適用情報欄」(
図18の図示)が、二次端末30Bのモニターに表示される。
【0046】
「適用情報」欄は、登録する素材がどのような診療科目、使用目的に適用できるのかを、登録により、発売者や依頼者向けに提供する画面である。素材供給者は、「適用情報」欄で、該当する事項のチェックボックスにチェックマークを入力し、「保存」ボタンを押して、二次端末30Bの記憶部に一時的に保存した後、「登録」ボタンを押すと、「素材情報1」欄と「素材情報2」欄で入力されたデータが、一次端末10に送信されて、生産管理サーバ13に登録される(S4)。かくして、これら入力データが、一次端末10で受信すると、素材供給者情報登録手段20によって、系統的に分類した素材供給者のカテゴリー内でデータベース化され、記憶手段12に保存される。
【0047】
ところで、素材供給者または生産者が、「原材料メーカー」と「OEMメーカー」とを重複して登録したい場合もある。そのため、素材供給者情報登録画面の「プロフィール」欄では、「業種」は、「原材料メーカー」、「OEMメーカー」、「どちらも該当する」と系統的に3つに分類されており、このような場合には、
図19に示すように、「どちらも該当する」が選択される。「どちらも該当する」を選択した者の登録情報は、生産者情報登録手段15及び供給者情報登録手段20により、系統的に分類した生産者と素材供給者との双方のカテゴリー内でデータベース化されて保存される。
【0048】
<依頼者情報登録>
依頼者情報登録手段16について説明する。
図5は、実施形態に係る生産管理システムで、依頼者情報登録までの過程を示すフローチャート図である。
図20は、依頼者が生産管理サーバにアクセスするログイン画面を示す図であり、登録済みの依頼者が認証キーを入力した状態を示す。
図21は、依頼者情報登録画面を示す図である。登録しようとする依頼者自らが、依頼者情報登録を行う。依頼者情報登録は、
図1中、「プロセス2」に対応する。
【0049】
はじめに、依頼者の二次端末30Cが一次端末10にアクセスする。これにより、参照する
図20に示すように、初期画面表示手段14により、ログイン画面が二次端末30Cに表示される(S21)。依頼者の二次端末30Cが一次端末10に初めてアクセスする場合には、依頼者は、ログイン画面上の「新規登録」ボタンを押し、一次端末10から送られてくる認証キーを取得する。
【0050】
次に、依頼者が、取得した自身の認証キーを、ログイン画面上の入力欄に入力して、キーボード上のエンターキーを押すと、依頼者情報登録手段16が起動する。依頼者情報登録手段16は、
図21に示すように、依頼者登録画面が二次端末30Cに表示され、依頼者により依頼者登録画面に入力され、一次端末10に送信された依頼者登録データを、データベース化して記憶手段12に保存する機能を有するプログラムと、このプログラムの実行に必要な機器とを含む。依頼者登録画面は、依頼者自身の「プロフィール」の登録を行う画面である。
【0051】
S22では、依頼者情報登録手段16の起動により、依頼者登録画面(
図21に図示)が、依頼者の二次端末30Cのモニターに表示されると、依頼者が、「会社名」、「業種」、「担当者」、「連絡先」等の必要事項を入力する。依頼者登録画面の「業種」欄では、依頼者の所属先が、大別して、「医療施設」、「通信販売販社」、「ドラッグストア」、「その他」の4つに分類されている。「医療施設」に該当する依頼者には、医療機関において、サプリメントを処方する医師、または医師の処方に基づいて依頼する医療従事者が挙げられる。「ドラッグストア」に該当する依頼者には、ドラッグストアや薬局において、医師の処方に基づいて依頼する薬剤師等が挙げられる。「通信販売販社」に該当する依頼者には、一般食品である健康管理向けのサプリメントを、通信販売や店頭販売を行うサプリメント販売会社等が挙げられる。
【0052】
次いで、依頼者は、当該生産管理システムの利用規約や個人情報保護等の取扱いに同意した上で、これら必要事項のデータを、通信回線により、二次端末30Cから一次端末10に送信する(S23)。これにより、一次端末10が、二次端末30Cから送信された上記必要事項のデータを確認したら、これら必要事項のデータは、依頼者登録データとして、依頼者情報登録手段16により、生産管理サーバ13に登録される(S24)。かくして、この依頼者登録データが、依頼者情報登録手段16によって、系統的に分類した依頼者のカテゴリー内でデータベース化され、記憶手段12に保存される。
【0053】
<サプリメントの仕様要件の設定>
仕様設定手段17について説明する。
図6は、実施形態に係る生産管理システムで、サプリメントの仕様要件を設定するまでの過程を示すフローチャート図である。
図22〜
図26は、仕様要求画面(1)から仕様要求画面(5)までを示す図である。
図27は、仕様要件確認画面を示す図である。依頼者が、発売者にサプリメント製造の見積りをすると、サプリメントの仕様要件が設定される。サプリメントの仕様要件の設定は、
図1中、「プロセス3」に対応する。
【0054】
仕様設定手段17は、登録済みの依頼者が生産管理サーバ13とのアクセスに必要な認証キーをログイン画面に入力すると、依頼者が要求するサプリメントの仕様を入力する仕様要求画面が依頼者の二次端末30Cのモニターに表示され、依頼者により仕様要求画面に入力され、一次端末に送信されたデータを、サプリメントの仕様要件として設定し、記憶手段12に保存する機能を有するプログラムと、このプログラムの実行に必要な機器とを含む。このサプリメントの仕様要件には、
(a)医療従事者が処方する場合、処方先の診療科目
(b)サプリメントの摂取目的
(c)用いる前記素材の名称
(d)用いる前記素材の配分比
(e)サプリメントの剤形
(f)サプリメントの包装形態
(g)サプリメントの製造数量
(h)サプリメントの納入時期
等が含まれている。
【0055】
具体的に説明する。S31では、依頼者情報登録を完了している依頼者が、
図20に示すように、生産管理サーバ13とのアクセスに必要な自身の認証キーを二次端末30Cのログイン画面に入力する。これにより、仕様設定手段17が起動して、依頼者が要求するサプリメントの仕様を入力する5つの仕様要求画面のうち、仕様要求画面(1)(
図22に図示)が依頼者の二次端末30Cに表示される(S32)。
【0056】
S33では、仕様要求画面(1)に、必要事項が入力されたか否かを確認する。依頼者が、必要事項を入力し、依頼者の二次端末30Cの記憶部に一時的に保存できていれば、S34(Yes)に進み、保存が完了できていなければ、S32(No)に戻り、必要事項の保存が完了するまで操作を続ける。
【0057】
すなわち、仕様要求画面(1)は、サプリメントの仕様要件のうち、「(a)医療従事者が処方する場合、処方先の診療科目」、「(b)サプリメントの摂取目的」を構成するのに必要な事項を入力する画面である。仕様要求画面(1)では、チェックマークの入力にあたり、選択肢が、「診療科目で選択」と「目的から選択」とに大別されており、依頼者の要求が、予防医学向けのサプリメントなのか、健康管理向けのサプリメントなのかによって、「診療科目で選択」と「目的から選択」のどちらかが選択される。勿論、双方が選択されても良い。本実施形態では、依頼者は、一例として、皮膚の保湿効果を有するサプリメントを要求するものであるため、
図22に図示する仕様要求画面(1)では、依頼者は、必要事項として、「診療科目で選択」の中から、「皮膚科」を選択し、「保存」ボタンを押して、二次端末30Cの記憶部に一時的に保存する。次いで、「次へ」ボタンを押すと、仕様要求画面(2)(
図23の図示)が、二次端末30Cのモニターに表示される(S34)。
【0058】
S35は、仕様要求画面(2)に、必要事項が入力されたか否かを確認する。依頼者が、必要事項を入力し、依頼者の二次端末30Cの記憶部に一時的に保存できていれば、S36(Yes)に進み、保存が完了できていなければ、S34(No)に戻り、必要事項の保存が完了するまで操作を続ける。
【0059】
すなわち、仕様要求画面(2)では、サプリメントの仕様要件のうち、「(c)用いる前記素材の名称」と「(d)用いる前記素材の配分比」を構成するのに必要な事項を入力する画面である。仕様要求画面(2)では、表内にリストアップされた素材の中から、要求する仕様に該当する素材を、そのチェックボックスにチェックマークを入力して選択する。また、選択した素材が複数種であれば、その配合比を、その入力欄に入力する。本実施形態では、依頼者は、先の一例で、皮膚の保湿効果を有するサプリメントを要求するものであるため、
図23に図示する仕様要求画面(2)では、依頼者は、必要事項として、「原材料名」(素材名)の中から、「ECM−E」と「ビタミンC」を選択する。
図23に示すように、「ECM−E」と「ビタミンC」を選択すると、「ECM−E」と「ビタミンC」とに対し、素材の詳細な解説が画面内にポップアップ表示され、依頼者は、選択した素材に対し、素材供給者により予め登録された素材情報、すなわち物性を確認したエビデンス(EQ認証等の科学的根拠)、単価、適応可能な製品形状、素材が有する効果効能等の素材情報を詳しく知ることができる。加えて、素材情報では、実施済みの臨床試験や、栄養機能商品の範疇で効果効能が開示されている。
【0060】
選択した素材の配合比は、依頼者の要求に基づいて任意に設定でき、本実施形態では、「ECM−E」が1,400mg、70%で、「ビタミンC」が600mg、30%の割合で設定されている。例えば、ECM−E:推奨摂取量1,400mgの単価が10,000円/kg、ビタミンC:推奨摂取量600mgの単価が5,000円/kg等である場合、サーバ接続プログラム31による自動演算処理により、選択した素材の単価が算出される。すなわち、10,000円/kg×70/100+5,000円/kg×30/100=8,500円/kgが、「ECM−E」と「ビタミンC」とを合わせた単価となり、その単価が、画面内に表示される。
【0061】
選択した素材の配合比まで入力し終えて、選択した素材の単価が表示されたら、「保存」ボタンを押して、二次端末30Aの記憶部に一時的に保存する。次いで、「次へ」ボタンを押すと、仕様要求画面(3)(
図24の図示)が、二次端末30Aのモニターに表示される(S36)。
【0062】
S37は、仕様要求画面(3)に、必要事項が入力されたか否かを確認する。依頼者が、必要事項を入力し、依頼者の二次端末30Cの記憶部に一時的に保存できていれば、S38(Yes)に進み、保存が完了できていなければ、S36(No)に戻り、必要事項の保存が完了するまで操作を続ける。
【0063】
すなわち、仕様要求画面(3)では、サプリメントの仕様要件のうち、「(e)サプリメントの剤形」、及び「(f)サプリメントの包装形態」のほか、生産者候補を構成するのに必要な事項を入力する画面である。仕様要求画面(3)では、画面内にリストアップされた剤形の中から、要求する仕様に該当する形態を、そのチェックボックスにチェックマークを入力して選択する。また、画面内にリストアップされた包装形状の中から、要求する仕様に該当する形態を、そのチェックボックスにチェックマークを入力して選択する。また、画面内にリストアップされたOEMメーカーの中から、要求する仕様に該当するメーカーの候補を、そのチェックボックスにチェックマークを入力して選択する。
【0064】
具体的には、本実施形態では、依頼者は、先の一例で、皮膚の保湿効果を有するハードカプセル状のサプリメントをプラボトルに入れる要求であるため、
図24に図示する仕様要求画面(3)では、依頼者は、剤形の選択で、ハードカプセルのチェックボックスにチェックマークを入力し、包装形態の選択で、プラボトルのチェックボックスにチェックマークを入力する。生産管理サーバ13に「生産者情報登録」を行ったOEMメーカー(生産者)(
図9参照)が画面内にリストアップされ、要求する仕様を満たす可能性がある生産者候補を、そのチェックボックスにチェックマークを入力して選択する。選択した生産者、例えば、
図24に図示する仕様要求画面(3)では、「アダプトゲン製薬」をクリックすると、別の画面に、その者のホームページが表示され、企業情報が依頼者に提供される。
【0065】
剤形、包装形態、及び生産者候補の入力を終えたら、「保存」ボタンを押して、二次端末30Aの記憶部に一時的に保存する。次いで、「次へ」ボタンを押すと、仕様要求画面(4)(
図25の図示)が、二次端末30Aのモニターに表示される(S38)。
【0066】
S39は、仕様要求画面(4)に、必要事項が入力されたか否かを確認する。依頼者が、必要事項を入力し、依頼者の二次端末30Cの記憶部に一時的に保存できていれば、S40(Yes)に進み、保存が完了できていなければ、S38(No)に戻り、必要事項の保存が完了するまで操作を続ける。
【0067】
すなわち、仕様要求画面(4)では、サプリメントの仕様要件のうち、「(g)サプリメントの製造数量」、及び「(h)サプリメントの納入時期」の必須項目のほか、「依頼者のコメント欄」を構成するのに必要な事項を入力する画面である。仕様要求画面(4)では、サプリメントの製造数量を、3つの選択肢を用いて選択する。また、希望する大まかな納入時期を、選択肢のチェックボックスの中から、選択し、該当するチェックボックスにチェックマークを入力する。さらに、包装のデザインについての希望を、該当するチェックボックスにチェックマークを入力する。
【0068】
本実施形態では、依頼者は、先の一例で、皮膚の保湿効果を有するサプリメントの製造数量を、「500個」、「1000個」、「3000個」を選択し、その納入時期を、「今すぐ」とし、包装のデザインでは、「ビンやボトルのラベルデザイン」を選択している。また、依頼者のコメント欄には、依頼者は、サプリメントの試作期間について、問い合わせをしている。依頼者は、少なくとも上記必須項目の入力を終えたら、「保存」ボタンを押して、二次端末30Aの記憶部に一時的に保存する。次いで、「次へ」ボタンを押すと、仕様要求画面(5)(
図26の図示)が、二次端末30Aのモニターに表示される(S40)。
【0069】
S41は、仕様要求画面(5)に、必要事項が入力されたか否かを確認する。依頼者が、必要事項を入力し、依頼者の二次端末30Cの記憶部に一時的に保存できていれば、S42(Yes)に進み、保存が完了できていなければ、S40(No)に戻り、必要事項の保存が完了するまで操作を続ける。
【0070】
すなわち、仕様要求画面(5)は、製造するサプリメントの販売促進のサポートを、発売者または、この発売者をサポートする発売管理者に依頼する画面であり、依頼者は、4つのサポートサービスから、希望のサービスのチェックボックスにチェックマークを入力する。本実施形態では、依頼者は、「りぶらぼへの掲載を検討」を選択している。雑誌「りぶらぼ」は、発売管理者の編集・発行される雑誌であり、予防医学と健康管理の観点で、サプリメントに関するあらゆる情報を掲載し、医療機関、保健所等の自治体、ドラッグストアや薬局、健康食品販売者等に向けて、サプリメントの情報提供と宣伝を行う専門雑誌である。依頼者が、「りぶらぼへの掲載を検討」を採択すると、製造されたサプリメントが広く周知になる利点がある。
【0071】
サポートサービス欄にチェックマークを入力したら、依頼者は、「保存」ボタンを押して、二次端末30Aの記憶部に一時的に保存する。次いで、「次へ」ボタンを押すと、仕様要求確認画面(
図27の図示)が、二次端末30Aのモニターに表示される(S42)。
【0072】
S43は、仕様要求確認画面(5)で、画面に表示されたサプリメントの仕様要件の内容が、依頼者が要求するサプリメントの仕様と一致し、内容に間違いがないかを確認する。依頼者が、間違いないと判断すれば、S44(Yes)に進み、内容に間違いがあると判断すれば、S42(No)に戻り、間違い箇所の訂正を行い、間違い箇所の解消を図る。
【0073】
具体的には、本実施形態では、依頼者が、仕様要求確認画面(5)の内容が正しいと判断したら、「保存」ボタンを押して、二次端末30Cの記憶部に一時的に保存する。次いで、「見積依頼」ボタンを押す。これにより、サプリメントの仕様要件が、依頼者の二次端末30Cから発売者の生産管理サーバ13に送信される(S44)。生産管理サーバ13で受信したサプリメントの仕様要件は、生産管理サーバ13に見積り依頼を受けたとして、記憶手段12に記憶される。かくして、登録済みの依頼者より、発売者が、生産管理サーバ13で受信したサプリメントの仕様要件に基づいて、サプリメント製造の見積り依頼を受ける(S45)。
【0074】
<生産者に見積依頼>
次に、サプリメントの仕様要件に基づいた製造の見積りを、発売者から生産者に行う一連の流れについて、説明する。生産者への見積依頼は、
図1中、「プロセス4」に対応する。
図7は、実施形態に係る生産管理システムで、生産者を決定するまでの過程を示すフローチャート図である。
図9は、実施形態に係る生産管理システムに登録された素材供給者、及び生産者のリストを示す図である。
図10は、実施形態に係る生産管理システムで選択された特定素材供給者、及び特定生産者を(a)に、選定された素材供給者、及び特定生産者を(b)に示した図である。
【0075】
生産管理サーバ13が、サプリメントの仕様要件を受信することにより、依頼者からサプリメントの見積り依頼を受けると、生産者に生産コストの見積りを行うのに、発売者は、特定生産者選択手段18を起動する。特定生産者選択手段18は、登録済みの生産者の中から、サプリメントの仕様要件を満すことができる特定生産者を、1つ以上選択する機能を有するプログラムと、このプログラムの実行に必要な機器とを含む。
【0076】
図9に示すように、生産管理サーバ13には、生産者情報登録手段15により、系統的に分類した生産者のカテゴリー内でデータベース化され、記憶手段12に保存されている。特定生産者選択手段18は、記憶手段12に保存された複数の生産者(
図9では、「アダプトゲン製薬」、「A製薬」、「B薬品」、「C薬品」)の中から、先に設定されたサプリメントの仕様要件を満たすことができる「生産者情報登録」を登録した生産者を検索し、選択された1つ以上の特定生産者(
図10(a)では、「アダプトゲン製薬」、「B薬品」)を選択する(S51)。すなわち、特定生産者選択手段18は、依頼者がサプリメントの仕様要件を設定するときに、仕様要求画面(3)の画面内にリストアップされた複数の生産者(OEMメーカー)の中から、特定生産者を選択する。
【0077】
次いで、発売者の一次端末10が、特定生産者の二次端末30Aにアクセスすることにより、生産管理サーバ13において、予め設定されたサプリメントの仕様要件に基づき、サプリメントの生産見積りを依頼する(S52)。具体的には、本実施形態の場合、見積り依頼先は、「アダプトゲン製薬」と「B薬品」の双方の二次端末30Aである。その後、見積り回答が、見積り依頼を受けた特定生産者の二次端末30Aから、生産管理サーバ13に送信される(S53)。
【0078】
S54では、依頼者の要求を満たす品質、納期等が確保された上で、見積り回答を行った特定生産者から出された生産見積り内容が、安価で妥当な金額となっているか否かを、依頼者と発売者によって判断する。依頼者等が、この生産見積コストに妥当であると判断すれば、S55(Yes)に進み、この生産見積コストに納得できない場合や、その特定生産者に再度見積り依頼をする事由があると判断するときには、S52(No)に戻り、再見積りをその特定生産者に依頼をする。具体的には、生産管理サーバ13に届いた特定生産者の生産見積り内容が、発売者によって、依頼者の二次端末30Cに送信され、生産見積り内容が妥当であるかは、発売者と依頼者との協議により、判断される。
【0079】
次に、S55では、見積り回答を行った特定生産者の中で、生産コストが最も安価な生産者を選定する必要が場合には、発売者は、生産管理サーバ13の生産者選定手段19の起動を行う。生産者選定手段19は、見積り回答した特定生産者の中で、生産コストが最も安価だった生産者を選定し、一次端末10のモニターに表示する機能を有するプログラムと、このプログラムの実行に必要な機器とを含む。
【0080】
具体的には、
図10(a)に示すように、特定生産者「アダプトゲン製薬」と「B薬品」が、制御上、生産管理サーバ13内でリストアップされており、生産者選定手段19により、「アダプトゲン製薬」から出された生産見積コストと、「B薬品」から出された生産見積コストとを比較し、差が生じるときには、金額が最も低い特定生産者が選定される。差がないときには、双方の特定生産者が選定される。かくして、生産管理サーバ13より、依頼者の要求条件を最も満たす生産者(
図10(b)では、一例とする「B薬品」)が、見積り回答が出された特定生産者の中から選定され、選定された生産者が、依頼者の了解により、サプリメントの生産委託を行うOEMメーカーと決定される(S56)。このことが、
図1中、「プロセス7、6」に対応する。
【0081】
なお、S54において、発売者と依頼者との協議で、S55の実行を不要とする場合には、生産者選定手段19の起動を省略する。この場合、発売者と依頼者との協議により、見積り回答を行った特定生産者の中から、サプリメントの生産委託を行うOEMメーカーと決定しても良い。
【0082】
<素材供給者に見積依頼>
次に、サプリメントの仕様要件に基づいた素材の見積りを、発売者から素材供給者に行う一連の流れについて、説明する。素材供給者への見積依頼は、
図1中、「プロセス4」に対応する。
図8は、実施形態に係る生産管理システムで、素材供給者を決定するまでの過程を示すフローチャート図である。
【0083】
生産管理サーバ13が、サプリメントの仕様要件を受信することにより、依頼者からサプリメントの見積り依頼を受けると、素材供給者に素材コストの見積りを行うのに、発売者は、特定調達先選択手段21を起動する。特定調達先選択手段21は、登録済みの素材供給者の中から、サプリメントの仕様要件を満すことができる特定素材供給者を、1つ以上選択する機能を有するプログラムと、このプログラムの実行に必要な機器とを含む。
【0084】
図9に示すように、生産管理サーバ13には、素材供給者情報登録手段20により、系統的に分類した素材供給者のカテゴリー内でデータベース化され、記憶手段12に保存されている。特定調達先選択手段21は、記憶手段12に保存された複数の素材供給者(
図9では、「アダプトゲン製薬」、「A製薬」、「D社」、「E社」)の中から、先に設定されたサプリメントの仕様要件を満たすことができる「素材供給者情報登録」を登録した素材供給者を検索し、選択された1つ以上の特定素材供給者(
図10(a)では、「アダプトゲン製薬」、「A製薬」)を選択する(S61)。すなわち、特定調達先選択手段21は、依頼者により設定されたサプリメントの仕様要件の中で、選択された素材に対し、その取扱いを素材供給者でしているかどうか、科学的根拠に基づく物性であると登録されているかどうか等の観点で、系統的に分類した素材供給者のカテゴリーの中から、特定素材供給者を選択する。
【0085】
次いで、発売者が、生産管理サーバ13において、特定素材供給者により登録された素材供給者情報を基にして、設定されたサプリメントの仕様要件に沿う素材コストのシミュレーションを実施することにより、見積りを行う。具体的なシミュレーションの方法は、
図23に示す仕様要求画面(2)に表示されるように、配合する素材の全体的な単価を、特定素材供給者ごとに算出する(S62)。このことが、
図1中、「プロセス5」に対応する。
【0086】
次に、S63では、特定素材供給者の中で、素材に掛かるコストが最も安価な素材供給者を選定する必要が場合には、発売者は、生産管理サーバ13の素材供給者選定手段22の起動を行う。素材供給者選定手段22は、特定素材供給者の中で、シミュレーションにより算出した素材のコストが最も安価だった素材供給者を選定し、一次端末10のモニターに表示する機能を有するプログラムと、このプログラムの実行に必要な機器とを含む。
【0087】
具体的には、
図10(a)に示すように、特定素材供給者「アダプトゲン製薬」と「A製薬」が、制御上、生産管理サーバ13内でリストアップされており、シミュレーションにより、「アダプトゲン製薬」で算出される素材コストと、「A製薬」で算出される素材コストとを、素材供給者選定手段22が比較し、差が生じるときには、金額が最も低い特定素材供給者が選定される。差がないときには、双方の特定素材供給者が選定される。かくして、生産管理サーバ13より、依頼者の要求条件を最も満たす素材供給者(
図10(b)では、一例とする「アダプトゲン製薬」)が、特定素材供給者の中から選定され、選定された素材供給者が、依頼者の了解により、サプリメントの素材の供給を行う者と決定される(S64)。
【0088】
以上、詳細に説明したように本実施の形態に係るサプリメントの生産管理システムは、サプリメントの発売元である発売者の一次端末10は、サプリメントの製造に必要な生産情報を、当該発売者の管理下で一元的に管理する生産管理サーバ13と、生産管理サーバ13の動作に必要なプログラム、及びデータを記憶する記憶手段12を備えた制御部11と、を有し、サプリメントの製造を依頼する依頼者と、サプリメントの原材料である素材を供給する素材供給者と、素材供給者より調達された素材を用いてサプリメントを生産する生産者とがそれぞれ、通信回線により生産管理サーバ13と相互に接続可能なサーバ接続プログラム31をインストールした二次端末30A,30B,30C(30)を備え、二次端末30が一次端末10にアクセスすると、アクセスした者の二次端末30にログイン画面を表示させる初期画面表示手段14と、生産者がログイン画面より登録の手続きに入ると、生産者自身のプロフィールと共に、生産情報のうちの一つとして、サプリメントの生産設備の詳細である設備情報の登録を行う生産者登録画面が二次端末30Aに表示され、生産者により生産者登録画面に入力され、一次端末10に送信された生産者情報を、データベース化して記憶手段12に保存する生産者情報登録手段と、依頼者がログイン画面より登録の手続きに入ると、依頼者自身のプロフィールの登録を行う依頼者登録画面が二次端末30Cに表示され、依頼者により依頼者登録画面に入力され、一次端末10に送信された依頼者情報を、データベース化して記憶手段12に保存する依頼者情報登録手段16と、登録済みの依頼者が、生産管理サーバ13とのアクセスで、ログイン画面から先に必要な認証キーをログイン画面に入力すると、依頼者が要求するサプリメントの仕様を入力する仕様要求画面が依頼者の二次端末30Cに表示され、依頼者により仕様要求画面に入力され、一次端末10に送信されたデータを、サプリメントの仕様要件として設定し、記憶手段に保存する仕様設定手段17と、登録済みの生産者の中から、サプリメントの仕様要件を満すことができる特定生産者を、1つ以上選択する特定生産者選択手段18と、を生産管理サーバ13に備えていること、素材が、有効性と安全性とが科学的根拠に基づいて確認された原材料であること、登録済みの依頼者より、発売者が、仕様要件に基づきサプリメント製造の見積り依頼を受けると、発売者が、特定生産者の二次端末30Aにアクセスすることにより、仕様要件に基づく生産見積りを依頼すること、生産管理サーバ13により、依頼者の要求条件を最も満たす生産者が、見積り回答が出された特定生産者の中から、選定されること、を特徴とする。
【0089】
この特徴によると、依頼者の要望により、有効性と安全性とが担保されたオリジナル仕様のサプリメントが、低コストで製造し易くなる。特に、依頼者は、サプリメントの摂取者及び使用者のニーズに合わせたサプリメントを、効率良く製造し易くなる。また、薬事法等が法改正されて、エビデンスが存在する素材を用いたサプリメントを対象に、効果効能の表示が解禁された場合、本実施形態に係るサプリメントの生産管理システムによって製造されたサプリメントでは、効果効能表示ができる。そのため、サプリメントの摂取者及び使用者は、自身の知識、判断に委ねることなく、使用目的に合った商品を、効果効能表示を見て選択することができる。
【0090】
従って、本実施形態に係るサプリメントの生産管理システムによれば、科学的根拠に基づく効果効能を有するサプリメントを、その摂取者や使用者のニーズに合わせて安価に供給することができる、という優れた効果を奏する。
【0091】
また、本実施形態に係るサプリメントの生産管理システムは、素材供給者がログイン画面より登録の手続きに入ると、素材供給者自身のプロフィールと共に、生産情報のうちの一つとして、素材供給者が供給する素材の詳細である素材情報の登録を行う供給者登録画面が二次端末30Bに表示され、素材供給者により供給者登録画面に入力され、一次端末に送信された供給者情報を、データベース化して記憶手段12に保存する供給者情報登録手段20と、登録済みの素材供給者の中から、サプリメントの仕様要件を満すことができる特定素材供給者を、1つ以上選択する特定調達先選択手段21と、を生産管理サーバ13に備えていること、登録済みの依頼者より、発売者が、仕様要件に基づきサプリメント製造の見積り依頼を受けると、生産管理サーバ13より、依頼者の要求条件を最も満たす素材供給者が、特定素材供給者の中から、選定されること、を特徴とする。
【0092】
この特徴により、有効性と安全性とが担保されたオリジナル仕様のサプリメントが、低コストで製造し易くなる。特に、依頼者は、サプリメントの摂取者及び使用者のニーズに合わせたサプリメントを製造し易くなる。依頼者が医療従事者で、予防医学向けのサプリメントを設計する場合、その設計経験が、依頼者に十分になくても、エビデンスが存在する素材を用いたサプリメントの設計を、容易に、より短い時間で行うことができる。また、素材情報により、素材の物性が明らかであり、依頼者にとって、サプリメントの設計を安心して行うことができ、発売者にとっても、サプリメントを安心して販売することができる。
【0093】
また、本実施形態に係るサプリメントの生産管理システムは、素材情報で、素材のコストが最も安価に登録された素材供給者を、特定素材供給者の中から選定し、一次端末10の画面に表示する素材供給者選定手段22を、生産管理サーバ13に備えていること、を特徴とする。また、本実施形態に係るサプリメントの生産管理システムは、見積り回答した特定生産者の中で、生産コストが最も安価だった生産者を選定し、一次端末10の画面に表示する生産者選定手段19を、生産管理サーバ13に備えていること、を特徴とする。
【0094】
これらの特徴により、有効性と安全性とを担保したサプリメントが、より低コストで摂取者や使用者に提供できる。特に、経済の自由化が今後、諸外国との間で現在よりも促進して、健康管理向けのサプリメントの市場競争が激化しても、健康食品販売者は、他者との差別化を図るべく、安価で付加価値の高いサプリメントを供給することができる。また、薬事法等が法改正されて、医師が今後、厚生労働省により効果効能が許認可された医薬品に代えて、予防医学向けのサプリメントを処方することができれば、本実施形態に係るサプリメントの生産管理システムによって製造されたサプリメントは、保健医療費削減の政策に大いに貢献することができる。
【0095】
また、本実施形態に係るサプリメントの生産管理システムは、素材に対する科学的根拠は、臨床試験を実施したことによるものであり、素材情報に開示されていること、を特徴とする。
【0096】
この特徴により、薬事法等が法改正されて、医師が今後、厚生労働省により効果効能が許認可された医薬品に代えて、予防医学向けのサプリメントを処方することができれば、本実施形態に係るサプリメントの生産管理システムによって製造されたサプリメントは、トクホや栄養機能食品と同じ扱いで、医療従事者から処方、販売されるサプリメントになり得る。
【0097】
また、本実施形態に係るサプリメントの生産管理システムでは、サプリメントの仕様要件は、(a)医療従事者が処方する場合、処方先の診療科目(b)サプリメントの摂取目的(c)用いる前記素材の名称(d)用いる前記素材の配分比(e)サプリメントの剤形(f)サプリメントの包装形態(g)サプリメントの製造数量(h)サプリメントの納入時期を含んでいること、を特徴とする。
【0098】
この特徴により、依頼者が医療従事者で、予防医学向けのサプリメントを設計する場合、その設計が、より短い時間で行うことができるため、業務が忙しいとされる医師でも、サプリメントの処方を効率良く行うことができる。また、サプリメントの設計経験が、依頼者に十分になくても、エビデンスが存在する素材を用いたサプリメントを、容易に設計することができる。
【0099】
以上において、本発明を実施形態に即して説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できる。
(1)例えば、実施形態では、サプリメントを、いわゆる「一般食品」に該当する健康食品としたが、本発明に係る生産管理システムで製造するサプリメントは、「特定保健用食品(通称「トクホ」)」や「栄養機能食品」を対象としても良い。また、サプリメントの製造に用いる素材が、科学的根拠(エビデンス)に基づいて、有効性と安全性が担保されたものでれば、サプリメントは、予防医学向けや健康管理向けの一般食品でも良い。
(2)実施形態で開示した画面や、フローチャート図は、単なる例示に過ぎず、限定されるものではなく、適宜変更可能である。