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特開2016-9459情報提供システム、情報提供方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-9459(P2016-9459A)
(43)【公開日】2016年1月18日
(54)【発明の名称】情報提供システム、情報提供方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 17/30 20060101AFI20151215BHJP
   G06Q 30/02 20120101ALI20151215BHJP
【FI】
   G06F17/30 220C
   G06F17/30 170B
   G06F17/30 350C
   G06Q30/02 150
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-131693(P2014-131693)
(22)【出願日】2014年6月26日
(71)【出願人】
【識別番号】514162564
【氏名又は名称】株式会社リアライズ
(71)【出願人】
【識別番号】514163022
【氏名又は名称】株式会社エヌ・ディ・エヌ
(74)【代理人】
【識別番号】110000925
【氏名又は名称】特許業務法人信友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】砂田 浩志
(72)【発明者】
【氏名】中野 聡
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB08
(57)【要約】
【課題】ユーザが撮影した画像などを使って簡単に商品やサービスについての情報を取得できるようにする。
【解決手段】アプリケーションを起動したユーザ端末から伝送された画像を受信したとき、その画像に類似した画像を、アプリケーションで決められた特定のドメインの情報から検索する。そして、その検索で得られた画像で示された商品情報又はサービス情報の候補についての情報を、ユーザ端末に提示する。ユーザ端末では、提示された商品情報又はサービス情報の候補から、必要な情報を取り出して、その情報で示された商品の購入又はサービスの提供を受ける。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ端末で起動されたアプリケーションからの指示に基づいて、商品又はサービスについての情報を提供する情報提供システムであり、
前記アプリケーションを起動したユーザ端末と所定のネットワークを経由して通信を行う通信部と、
前記通信部で前記ユーザ端末から伝送された画像を受信したとき、画像検索を行う画像検索サイトにアクセスし、その画像検索サイトで、前記アプリケーションで決められた特定のドメインを検索対象に指定して、前記画像に類似した画像の検索を実行させて、その検索結果を取得する検索部と、
前記検索部で検索された画像に付加された商品情報又はサービス情報の候補についての情報を、前記通信部を介して前記ユーザ端末に提示する情報提示部と、を備える
情報提供システム。
【請求項2】
前記画像検索サイトは、インターネット上で画像検索のサービスを行う汎用の検索サイトであり、前記検索部は、その汎用の検索サイトに対して、検索対象を特定のドメインとする指定を行う
請求項1に記載の情報提供システム。
【請求項3】
前記アプリケーションで決められた特定のドメインは、前記ユーザ端末からの指示で決められた特定のドメインである
請求項1に記載の情報提供システム。
【請求項4】
前記情報提示部は、前記アプリケーションを起動したユーザ端末の認証処理に基づいてユーザを認識し、その認識したユーザごとの過去の前記検索部での検索の履歴、又は認識したユーザについて登録された情報に基づいて、候補となる商品情報又はサービス情報を抽出して、前記ユーザ端末に提示する
請求項1に記載の情報提供システム。
【請求項5】
前記検索部が検索する特定のドメインは、建築施工例に関する画像を記憶したサイトのドメインであり、それぞれの画像にはメタ情報として建築施工の設計又は施行を行った設計業者又は施工業者に関する情報を持ち、
前記情報提示部は、ユーザ端末から伝送された画像に基づいて検索された設計業者又は施工業者の候補を前記ユーザ端末に提示する
請求項1に記載の情報提供システム。
【請求項6】
ユーザ端末で起動されたアプリケーションからの指示に基づいて、商品又はサービスについての情報を提供する情報提供システムであり、
前記アプリケーションを起動したユーザ端末と所定のネットワークを経由して通信を行う通信部と、
前記通信部で前記ユーザ端末から伝送された画像を受信したとき、画像検索を行う画像検索サイトにアクセスし、その画像検索サイトで、前記画像に類似した画像の検索を実行させて、その検索結果を取得する検索部と、
前記検索部で検索された画像に付加された商品情報又はサービス情報の候補についての情報を、前記通信部を介して前記ユーザ端末に提示する情報提示部と、を備える
情報提供システム。
【請求項7】
ユーザ端末で起動されたアプリケーションの実行により前記ユーザ端末から伝送された画像を受信したとき、画像検索を行う画像検索サイトにアクセスし、その画像検索サイトで、前記アプリケーションで決められた特定のドメインを検索対象に指定して、前記画像に類似した画像の検索を実行させて、その検索結果を取得する検索処理と、
前記検索処理で検索された画像に付加された商品情報又はサービス情報の候補についての情報を、前記ユーザ端末に提示する情報提示処理と、を含む
情報提供方法。
【請求項8】
ユーザ端末で起動されたアプリケーションからの実行により前記ユーザ端末から伝送された画像を受信したとき、画像検索を行う画像検索サイトにアクセスし、その画像検索サイトで、前記アプリケーションで決められた特定のドメインを検索対象に指定して、前記画像に類似した画像の検索を実行させて、その検索結果を取得する検索手順と、
前記検索手順で検索された画像に付加された商品情報又はサービス情報の候補についての情報を、前記ユーザ端末に提示する情報提示手順と、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザ端末に対して商品やサービスなどの情報を提供する情報提供システム及び情報提供方法、並びにその情報提供方法を実行するプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットを使用した技術の向上に伴って、ユーザが商品やサービスを検索することが日常的に行われている。例えば、ユーザは、特定の商品について、その商品を販売している店舗やサイトが知りたい場合、ユーザは商品の名称や商品番号などを入力し、その商品を扱っている店舗やサイトを検索する。また、商品名が分からない場合には、ユーザは、最初に画像検索を行って、商品名などの詳細を検索した後、その検索で得られた情報に基づいて商品を購入することが行われている。
【0003】
図9は、従来から行われている、ウェブサイトを使用してユーザが商品の購入を行う流れの例を示すフローチャートである。この例は、画像検索を行って、商品名などの詳細を検索した後、その検索で得られた情報に基づいて商品を購入する例である。
まず、ユーザは、スマートフォンやパーソナルコンピュータ装置などのインターネットに接続可能な端末(以下、このような端末を「ユーザ端末」と称する。)で、ウェブにアクセスするためのウェブブラウザを立ち上げる(ステップS11)。そして、ユーザ端末は、検索対象のURLのアドレスの指定があるか否かを判断する(ステップS12)。ここで、検索対象のURLの指定を行う場合、ユーザは、ユーザ端末で検索対象のURLを選択する(ステップS14)。また、検索対象のURLを指定しない場合には、例えばユーザが、ユーザ端末内に保存された画像から、特定の画像を指定する(ステップS13)。
【0004】
そして、ユーザ端末は、検索対象となる画像が決定されたか否かを判断する(ステップS15)。ここで、検索対象となる画像が決定されていない場合にはステップS12からの処理に戻る。そして、検索対象となる画像が決定された場合には、ユーザ端末は、検索対象となるウェブサイトのドメインを限定する操作があるかを否か判断し(ステップS16)、ドメインを限定する操作がある場合には、ドメインを指定する検索式を入力する(ステップS17)。
【0005】
そして、ユーザ端末は、指定されたドメイン(ステップS17で指示があった場合)又は予め設定されたドメイン(ステップS17の指示がない場合)での検索を実行し、その検索結果を表示する。ユーザは、その検索結果から希望と合致する画像を選択する(ステップS18)。この選択を行うことで、ユーザ端末は、例えば選択された画像が表示されたウェブページ全体を表示し、ユーザは、そのウェブページに記載された商品名などのテキストの記録を行う(ステップS19)。
【0006】
さらに、ユーザは、希望する商品を扱っていると思われる通販サイト等にアクセスし、必要によりログインし(ステップS20)、ステップS19で記録した商品名などのテキストを使用して商品の検索を行う(ステップS21)。この検索結果がユーザ端末に表示されると、ユーザは希望する商品が表示されたか否かを判断し(ステップS22)、希望する商品がない場合には、ステップS12の処理に戻る。
そして、ステップS22でユーザが希望する商品が表示された場合には、ユーザは該当する商品を購入する操作を行う(ステップS23)。
【0007】
このように従来は、商品名や商品コードなどのテキスト情報を検索で得た後、得られたテキスト情報を使って、商品販売サイトでさらに具体的な商品の検索を行って、商品が販売されたウェブページに到達できるようにしていた。
特許文献1には、インターネット上で商品を販売する手法の一例について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2013−77108号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
インターネット上で商品などの検索を行う場合、ユーザは、商品名や商品コードなどのテキストを入力する必要がある。図9のフローチャートに示すように、何らかの画像を使って検索を行う場合であっても、その画像検索で、画像で示された物体の商品名などを検索した後、その検索で得られた商品名などのテキストをユーザが入力する必要がある。
このようにテキストで商品名などを指示するのは、ユーザにとっては煩わしい操作であり、好ましい操作とは言えない。また、検索で商品名が分かればよいが、適切な商品名などが検索できない場合には、目的とする商品が購入できるサイトまでたどり着くことができないことになる。
【0010】
また、商品やサービスによっては、画像から商品名やサービス名の検索ができないケースもある。例えばユーザが、特定の家屋などの建築物や、部屋のインテリアが気に入ったとしても、その建築物や部屋を撮影した画像から、その建築物や部屋を設計することが可能なデザイナーを検索で探し出すことは困難である。
【0011】
本発明の情報提供システム、情報提供方法及びプログラムは、ユーザが撮影した画像などを使って簡単に商品やサービスについての情報を取得できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の情報提供システムは、通信部と、検索部と、情報提示部とを備える。
通信部は、アプリケーションを起動したユーザ端末と所定のネットワークを経由して通信を行う。
検索部は、通信部でユーザ端末から伝送された画像を受信したとき、特定の画像検索サイトにアクセスして、受信した画像に類似した画像を、アプリケーションで決められた特定のドメインの情報から検索する。
情報提示部は、検索された画像に付加された商品情報又はサービス情報の候補についての情報を、通信部を介してユーザ端末に提示する。
【0013】
また、本発明の情報提供方法は、以下の処理を含む。
・アプリケーションを起動したユーザ端末から伝送された画像を受信したとき、その画像に類似した画像を、アプリケーションで決められた特定のドメインの情報から検索する検索処理、
・検索処理で検索された画像に付加された商品情報又はサービス情報の候補についての情報を、ユーザ端末に提示する情報提示処理。
【0014】
また、本発明のプログラムは、上記情報提供方法の各処理を実行する手順をコンピュータに実行させるものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によると、ユーザ端末で特定のアプリケーションを起動した上で、ユーザ端末で撮影した画像や、保存された画像を送るだけで、特定のドメインの情報から、候補となる商品情報又はサービス情報を取得することができるようになる。したがって、ユーザは、アプリケーションを起動して画像を送るだけで、そのアプリケーションに対応したドメインの情報から、必要な商品情報又はサービス情報を取得できるようになり、従来の商品名などのテキスト入力が必要なものに比べて、非常に簡単に商品の購入やサービスの依頼を行うことができる。また、アプリケーションを実行するサーバ側では、画像検索を行う汎用のサーバに対して、ドメインを指定して画像検索を実行させれば良く、結果的にアプリケーションを実行するサーバが画像検索機能を持つ必要がなく、アプリケーションで指示された画像検索に基づいて、特定のドメインの情報から商品やサービスを案内するまでの処理が、少ない負担で実現できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施の形態例によるシステム全体の概要の例を示す図である。
図2】本発明の一実施の形態例による各部の構成例を示すブロック図である。
図3】本発明の一実施の形態例によるユーザ端末での処理例を示すフローチャートである。
図4】本発明の一実施の形態例によるサービス提供サーバでの処理例を示すフローチャートである。
図5】本発明の一実施の形態例によるユーザ端末での表示の遷移例を示す図である。
図6】本発明の一実施の形態の変形例(例1)によるサービス提供サーバでの処理例を示すフローチャートである。
図7】本発明の一実施の形態の変形例(例2)によるサービス提供サーバでの処理例を示すフローチャートである。
図8】本発明の一実施の形態例を、デザイナーの候補を選ぶ処理に適用した場合の例を示すシーケンス図である。
図9】従来の商品購入処理の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施の形態例(以下、「本例」と称する。)を、添付図面を参照して説明する。
[システム全体の概要]
図1は、本例のシステム全体の概要を示す図である。
本例においては、ユーザがユーザ端末10a又は10bを使用して、サービス提供サーバ30にアクセスして、そのサービス提供サーバ30から情報を得る。図1では、ユーザ端末10aはスマートフォン(又はタブレット端末)であり、ユーザ端末10bはパーソナルコンピュータ装置である。図1に示すユーザ端末10a,10bは一例であり、インターネットにアクセス可能な端末であれば、どのような形態の端末を使用してもよい。以下の説明では、これらのユーザ端末10a,10bを総称してユーザ端末10と称する。
ユーザ端末10には、本例のシステムで提供されるサービスを実行するアプリケーション(プログラム)が実装されている。このアプリケーションは、例えばインターネット上でショッピングモールやショッピングサイトを開設している業者が作成して、ユーザ端末10に配布する。
【0018】
ユーザ端末10は、無線電話網などのネットワーク90を使用して、インターネット経由でサービス提供サーバ30にアクセスする。このサービス提供サーバ30は、アプリケーションによりアクセスすることが決まっているサーバである。ユーザ端末10は、サービス提供サーバ30に、アプリケーション上での操作に従って画像データを伝送する。この伝送する画像データは、ユーザの操作で選択された画像データであり、例えばユーザ端末10に内蔵されたカメラ部が撮影した画像データや、ユーザ端末10が保存した画像データから選ばれたものとする。
ここでは、ユーザ端末10は、椅子を撮影した画像P1をサービス提供サーバ30に伝送する(図1に矢印S1で示す伝送処理)。
【0019】
サービス提供サーバ30は、ユーザ端末10から画像データを受信すると、その画像データについての検索を行う。検索は、サービス提供サーバ30が蓄積した画像から行ってもよいが、ここではインターネット上でサービスを行う画像検索サイトである汎用の検索サイト側サーバ40を使用する。すなわち、例えば椅子の画像P1を受信したサービス提供サーバ30は、インターネットを経由して、検索サイト側サーバ40にアクセスし、その検索サイト側サーバ40の記憶データを使用して、画像P1の検索を行う。このときには、サービス提供サーバ30は、検索サイト側サーバ40に対して、検索対象画像である椅子の画像P1を送ると共に、検索範囲をアプリケーション(ユーザ端末10が実行中のアプリケーション)で予め決められた特定のドメインに指定する(図1に矢印S2で示す伝送処理)。例えば、このとき実行中のアプリケーションが、特定のショッピングモールを開設した業者が配布したアプリケーションであるとき、検索先のドメインを、その業者のインターネット上のショッピングモールのドメインに指定する。
【0020】
このドメインが指定された上での画像検索の指示があると、検索サイト側サーバ40は、指定された画像に類似した画像を、指定されたドメイン内のウェブページから検索する。ここでは、例えば画像P1に類似した多数の椅子の画像P11〜P19が、検索サイト側サーバ40からサービス提供サーバ30に伝送される(図1に矢印S3で示す伝送処理)。このとき、サービス提供サーバ30は、それぞれの画像P11〜P19に付加された様々な情報(メタ情報)についても検索サイト側サーバ40から取得する。このメタ情報には、テキスト情報が含まれる。
【0021】
そして、サービス提供サーバ30は、画像P11〜P19に付加されたメタ情報などに基づいて、それぞれの画像P11〜P19が、ユーザ端末10に提供する候補に適しているか否かを判断し、ユーザ端末10に提供する候補に適した画像を取り出して、ユーザ端末10に伝送する(図1に矢印S4で示す伝送処理)。例えば、サービス提供サーバ30は、検索で得られた候補画像の一覧の情報Aをユーザ端末10に伝送する。
【0022】
ユーザ端末10は、サービス提供サーバ30から提示された候補画像の一覧の情報Aを表示する。ユーザは、この表示された情報を見て、最初に画像P1で指定した椅子と同じもの、又はその椅子に近いものが表示された画像を取り出す。ここでユーザ端末10に伝送される候補画像は、いずれもアプリケーションで指定された特定のドメイン(つまり特定のショッピングモールのドメイン)のウェブページから検索された情報であるため、商品を販売するウェブページの画像である可能性が高い。ユーザは、このようにしてユーザ端末10に表示された画像などの情報から、最初に伝送した画像P1で示された椅子と同一又は類似のものを、インターネットショッピングで購入することができる。
【0023】
[ユーザ端末とサーバの構成例]
図2は、ユーザ端末10とサービス提供サーバ30と検索サイト側サーバ40の構成の概要を示す図である。ユーザ端末10とサービス提供サーバ30と検索サイト側サーバ40は、ネットワーク90を介して相互にデータ伝送が可能である。なお、図2に示す構成は、それぞれの機器の最低限の構成を示す図であり、各機器10,30,40は、これ以外の構成を備えてもよい。
【0024】
ユーザ端末10は、制御部11と表示部12と操作入力部13とメモリ14と通信部15とを備える。
ユーザ端末10が例えばスマートフォンである場合、操作入力部13はタッチパネルを備え、表示部12に表示された画像上のユーザによるタッチ操作で、各種操作の入力を行うことができる。通信部15は、インターネットなどアクセスするための無線又は有線の通信経路に接続が可能で、制御部11の指示に従って無線又は有線による通信が行われる。メモリ14には、本例のサービスを実行するアプリケーション(プログラム)が記憶され、制御部11がそのアプリケーションを読み出して実行することで、表示部12にアプリケーションの実行状況が表示される。
【0025】
サービス提供サーバ30は、制御部31とデータ記憶部32と通信部33とを備える。データ記憶部32には、本例のシステムで実現するサービスについての必要なデータが記憶される。例えば、サービス提供サーバ30にアクセス可能なユーザについての情報が記憶される。また、データ記憶部32には、それぞれのユーザの検索履歴や情報の提供履歴などが記憶される。制御部31は、これらのデータ記憶部32に記憶されたデータを利用して、ユーザ端末10から送信された画像データについての検索処理を実行する。すなわち、制御部31は、画像データの検索部として機能する。そして、制御部31は、検索結果をユーザ端末10に送信する。この検索を実行する際には、サービス提供サーバ30は、必要により外部の検索サイト側サーバ40にアクセスして、その検索サイト側サーバ40から得られた検索結果を利用する。通信部33は、制御部31の制御下で、ユーザ端末10や検索サイト側サーバ40と通信を行う。
【0026】
サービス提供サーバ30の制御部31は、検索結果をユーザ端末10に送信する際に、制御部31などでの検索で得られた画像に付加されたメタ情報に基づいて、その画像で示された商品情報又はサービス情報を判断する情報判断処理を行う。また、制御部31は、その判断した商品情報又はサービス情報を、ユーザ端末10に送り、商品情報又はサービス情報をユーザに提示する。したがって、制御部31は、情報提示部として機能する。
【0027】
検索サイト側サーバ40は、制御部41とデータ記憶部42と通信部43とを備える。データ記憶部42には、情報の検索に必要なデータが記憶される。そして、通信部43が受信したデータによる検索が、制御部41の制御下で実行される。ここで、データ記憶部42には、画像データが記憶されており、制御部41はこれらの画像データを入力画像によって検索することができる。検索サイト側サーバ40での画像による検索とは、画像の形状や色などの類似度を使った検索である。なお、ここでの検索サイト側サーバ40は、インターネット上で誰でもアクセスできるように設置された汎用のサーバであり、本例のシステム専用のサーバではない。
【0028】
[ユーザ端末での処理例]
図3のフローチャートは、ユーザ端末10での処理例を示す。
まずユーザ端末10は、ユーザの操作により、制御部11が本例のシステムで提供されるサービスを実行するアプリケーションを立ち上げる。そして、制御部11は、ユーザ端末10が内蔵したカメラが撮影した画像を検索対象画像とするか、あるいはユーザ端末10に保存された画像を検索対象画像とするかの判断を、ユーザ操作に基づいて行う(ステップS31)。ここで、カメラが撮影した画像を検索対象画像とする場合には、制御部11は内蔵されたカメラで撮影した画像を取り込む(ステップS32)。また、ユーザ端末10に保存された画像を検索対象画像とする場合には、制御部11はメモリ14に記憶された画像を取り出す(ステップS33)。
【0029】
そして、制御部11は、ステップS32で撮影された画像、又はステップS33で取り出された画像を表示部12に表示し、ユーザによる検索対象の確定操作があるか否かを判断する(ステップS34)。ここで、検索対象の確定操作がない場合には、制御部11は、ステップS31の判断に戻る。
そして、ステップS34で検索対象の確定操作があると判断したとき、制御部11は、検索対象の画像を、アプリケーションで決められた特定のサービス提供サーバ30に送信する(ステップS35)。その後、制御部11は、検索結果を受信したか否かを判断し(ステップS36)、検索結果を受信するまで待機する。
【0030】
ステップS36で検索結果を受信したとき、制御部11は、受信した検索結果に基づいて候補商品(又は候補サービス)を表示部12に表示する(ステップS37)。その後、制御部11は、ユーザが表示した商品の購入(又はサービスの申し込み)を確定する操作があるか否かを判断し(ステップS38)、確定する操作があった場合には、購入手続の操作をユーザに実行させ(ステップS40)、ユーザ端末10での処理を終了する。
【0031】
また、ステップS38で商品の購入(又はサービスの申し込み)を確定する操作がない場合、制御部11は、別の検索結果があるか否かを判断し(ステップS39)、別の検索結果がある場合には、ステップS37の処理に戻り、別の検索結果による候補商品(又は候補サービス)を表示部12に表示する。また、ステップS39で別の検索結果がない場合には、制御部11は、ステップS31の判断処理に戻り、別の画像の検索を実行する。
【0032】
[サービス提供サーバでの処理例]
図4は、サービス提供サーバ30での処理例を示すフローチャートである。
サービス提供サーバ30の制御部31は、アプリケーションを起動したユーザ端末10からの画像の送信があるか否かを判断する(ステップS51)。ここで、画像の送信がない場合には、送信があるまで待機する。そして、ユーザ端末10からの画像の送信があると判断したとき、制御部31は、ユーザ端末10で起動中のアプリケーションの種類を判断する(ステップS52)。そして、制御部31は、判断したアプリケーションの種類に応じて、画像データの検索を指示する設定ファイルの振り分け処理を行う(ステップS53)。この設定ファイルの振り分け結果を参照して、制御部31は、ユーザ端末10で起動中のアプリケーションの種類に応じた検索対象のドメインを指定する(ステップS54)。
【0033】
そして、制御部31は、予め決められた特定の汎用サーバ(検索サイト側サーバ40)に、検索対象の画像データを送信する(ステップS55)。このときには、ステップS54で指定したドメインの情報についても送信する。検索サイト側サーバ40は、この指定されたドメインを検索範囲として、送信された画像データによる画像検索を実行し、その検索結果をサービス提供サーバ30に返送する。なお、ドメイン以外の検索条件を、サービス提供サーバ30がサーバ40に指定してもよい。例えば、ドメインを指定すると共に、さらにそのドメインのウェブページ内の詳細な検索範囲を検索条件で指定してもよい。
制御部31は、検索結果を検索サイト側サーバ40から受信すると(ステップS56)、検索結果の画像に付加された商品(又はサービス)に関するメタ情報に含まれる文字や数字の情報を判断する(ステップS57)。制御部31は、このメタ情報の判断で、検索結果として得られた情報から、ユーザに提供するのに適切でないと思われる情報がある場合には、その情報をユーザに提供する候補から除外する。
【0034】
次に、制御部31は、検索結果の画像などによる、商品の購入(又はサービスの申し込み)を案内する情報を、ステップS51で受信した画像データの送信元のユーザ端末10に対して送信する(ステップS58)。その後、制御部31は、ユーザの検索履歴による学習を行い、学習結果をデータ記憶部32に記憶する(ステップS59)。この学習結果は、次回以降に同じユーザが画像による検索を行う場合に使用される。例えば、ステップS57で判断したメタ情報を使って、ユーザに提供するのに適切でないと思われる情報を除外する際の、判断材料に学習結果を利用する。
そして、ステップS59の学習結果の記憶を行った後、制御部31は、ステップS51の判断に戻る。
【0035】
[ユーザ端末での表示の遷移例]
図5は、ユーザ端末10での検索時の表示の遷移例を示す図である。
まず、ユーザ端末10で本例のシステムで提供されるサービスを実行するアプリケーションプログラムを立ち上げたとき、図5Aに示すように、表示画面12aに、「写真を撮る」ボタン121と、「写真を選択する」ボタン122とが表示される。
【0036】
ここで、ユーザが「写真を撮る」ボタン121をタッチして選択したときには、図5Bの上側に示すように、表示画面12bがカメラの撮影画像になる。この撮影画像を表示した状態では、ユーザがシャッタボタン123をタッチすると、ユーザ端末10によって撮影が実行され、画像が取り込まれる。
【0037】
また、ユーザが図5Aの「写真を選択する」ボタン122をタッチして選択したときには、図5Bの下側に示すように、表示画面12cが、保存画像の一覧表示となる。すなわち、ユーザ端末10は、メモリ14に記憶された画像124を並べて表示し、その中からユーザ操作でいずれか1枚の画像を選択する。
【0038】
この図5Bに示す表示画面12b又は12c上での画像の選択があると、図5Cに示すように、表示画面12dに、選択された画像125と、画像の検索を指示する「この写真と似た写真を検索」ボタン126が表示される。ユーザが「この写真と似た写真を検索」ボタン126をタッチすることで、選択された画像のデータがサービス提供サーバ30側に伝送される。
【0039】
図5Dは、検索結果の表示例を示す図である。
この場合には、表示画面12eとして、ユーザが選択した画像127が縮小画像として表示されると共に、サービス提供サーバ30から伝送された画像の一覧128が表示される。
そして、ユーザは、サービス提供サーバ30から伝送された画像の一覧128の中で、好みの画像をタッチ操作などで選択することで、その選択された画像で示された物体を販売するサイトが表示される。また、画像で示されるものがサービスである場合には、そのサービスを提供するサイトが表示される。
【0040】
この図5の例から分かるように、本例のシステムによると、ユーザはユーザ端末10を使用して特定のアプリケーションを起動させた後、そのアプリケーションによる画面での指示に基づいて、画像の撮影又は保存済みの画像からの選択を行うだけで、その画像で示された物体が販売されるサイトや、画像で示されたサービスを提供するサイトが表示されるようになる。すなわち、従来は図9のフローチャートで説明したように、商品名や商品番号などの文字や数字などのテキストを入力する必要があったが、本例のシステムの場合には、画像を送るだけで、その画像で示された物体が販売されるサイトなどが表示されるようになり、非常に簡単な操作で、ユーザが望む商品やサービスについての情報が得られるようになる。
また、アプリケーションを作成した業者にとっては、そのアプリケーションで決められたドメインのウェブページから検索を行うため、特定のショッピングモールやショッピングサイトを使った商品の購入(又はサービスの申し込み)が期待できるようになる。
また、本例のシステムの場合には、画像検索そのものはインターネット上で検索サービスを行う汎用のサーバ40で実行させるため、アプリケーションを実行するサービス提供サーバ30が画像検索機能を持つ必要がなく、それだけ簡単にシステムを構築できるようになる。
さらに、汎用のサーバ40を使用して画像検索を行う際に、ドメインなどの検索条件を指定する作業は、通常は非常に面倒な作業であり、一般のユーザが画像検索時に検索条件を指定することは殆ど行われていないが、本例の場合にはサービス提供サーバ30がアプリケーションで決められた条件に従って自動的にドメインなどを指定するため、ユーザが面倒な検索条件の指定のための操作を全く行うことなく、適切な画像検索ができるようになる。
【0041】
[ドメインをユーザ端末側で指示できるようにした場合の例]
図4のフローチャートでは、アプリケーションごとに、画像検索を行う際のドメインを特定のドメインに指定する例を示した。これに対して、ユーザ端末10を使ったユーザ操作で、画像検索を行うドメインを指定できるようにしてもよい。すなわち、アプリケーションを起動したユーザ端末10は、アプリケーションの実行状況を設定する画面などで、ドメインの設定や変更ができるようにする。
【0042】
図6は、この場合のサービス提供サーバ30での処理例を示すフローチャートである。この図6のフローチャートに示す処理の場合には、ステップS53の次に実行されるステップS61が、図4に示すステップS54と異なる処理を行うものである。ステップS61では、制御部31は、ユーザ端末10から要求されたドメインを、検索対象に決める。そして、このステップS61で検索対象が決まった後、制御部31は、ステップS55の処理に移り、予め決められた特定の汎用サーバ(検索サイト側サーバ40)に、検索対象の画像データを送信する。図6のフローチャートのその他の処理は、図4に示す各ステップと同じである。
【0043】
この図6のフローチャートに示すように、ユーザ端末10からドメインを指定できることで、このアプリケーションの実行で画像を検索できる範囲が、ユーザに好みのドメインのウェブページになる。この場合には、例えばアプリケーションとして、予め候補のドメインを複数用意しておき、ユーザ端末10で、その候補の複数のドメインの中から、特定の1つ又は複数のドメインを指定させるようにしてもよい。
【0044】
[ドメインを指定しない場合の例]
また、検索サイト側サーバ40が検索する際には、サービス提供サーバ30側が、検索範囲を決めるドメインを指定しないようにしてもよい。
図7のフローチャートは、この場合の処理例を示す。この図7のフローチャートに示す処理の場合、制御部31は、ステップS53で設定ファイルの振り分けを行った後、ドメインの指定をすることなくステップS55の処理に移り、予め決められた特定の汎用サーバ(検索サイト側サーバ40)に、検索対象の画像データを送信するものである。
このようにドメインを指定することなく、検索サイト側サーバ40で画像検索を行うことで、様々なウェブページを検索範囲として、送信した画像に類似した画像が検索できるようになる。
【0045】
なお、図4で説明したアプリケーションでドメインが決まっている場合と、図6で説明したユーザ端末10からドメインを指定する場合と、図7で説明したドメインを指定しない場合は、ユーザ端末10側でのユーザ操作で選択できるようにしてもよい。
【0046】
[デザイナーの候補を選ぶ処理に適用した例]
次に、本例のシステムで、サービスの提供者を選ぶ処理の適用した例について説明する。
図8は、建築物などを設計(又は施工)するデザイナー(又は業者)の候補を選ぶ処理に適用した場合の流れを示す図である。まず、サービス提供サーバ30側では、予め複数のデザイナーが登録される(ステップS101)。このとき、それぞれのデザイナー毎に、そのデザイナーが過去に設計又は施工した建築物の施工例の全体や各部の画像を登録しておく。すなわち、それぞれの画像が、メタ情報として、デザイナーや施工業者の情報を持つ。また、デザイナーが直接設計や施工したものでない場合でも、そのデザイナーが気に入っている景色やインテリアなどを、デザイナーや業者ごとに登録してもよい。
【0047】
ユーザは、日常の生活の中で気に入った建築物やインテリアなどを見つけた際に、ユーザ端末10を使用して、その建築物やインテリアなどを撮影する(ステップS102)。そして、ユーザ端末10が、特定のアプリケーションを起動して、そのアプリケーションの実行画面の指示に従って、撮影画像をサービス提供サーバ30に送信する(ステップS103)。なお、撮影画像の代わりに、ユーザ端末が保存した何らかの画像をサービス提供サーバ30に送信してもよい。この保存した画像としては、ユーザが撮影した画像の他に、例えばインターネット上のいずれかのサイトで見つけた画像など、どのような画像でもよい。また、ユーザ端末10からサービス提供サーバ30に送信する画像としては、複数枚としてもよい。
【0048】
ユーザ端末10から画像が伝送されたサービス提供サーバ30は、検索サイト側サーバ40にアクセスして、ユーザ端末10から送信された画像に類似した画像が登録されたデザイナーの検索を行う(ステップS104)。このときには、検索サイト側サーバ40が検索を行う範囲が、ユーザ端末10で起動されたアプリケーションで指定されたドメインのウェブページとする。
この検索でデザイナーの候補が見つかった場合、サービス提供サーバ30は、ユーザ端末10に対して候補デザイナーの情報を送信する(ステップS105)。
そして、ユーザ端末10では、受信した候補デザイナーの一覧情報が、表示部12に表示される(ステップS106)。
【0049】
このようにユーザが気に入った建築物やインテリアなどの画像を撮影して、サービス提供サーバ30に送ることで、ユーザが気に入ったものと設計する傾向が似ているデザイナーや業者を選び出すことができる。従来、家屋の設計や部屋のリフォームを行う際に、ユーザが依頼する設計業者又は施工業者を選ぶ際には、ユーザにとって基準になるものが存在しなかったが、本例のシステムによると、ユーザの好みと傾向が近いデザイナーなどを検索することができ、ユーザにとって非常に有益な情報が得られるようになる。
【0050】
[変形例]
なお、上述した実施の形態例では、サービス提供サーバ30は、本例のシステムとしての処理を行う専用のサーバとして構築した例を示した。これに対して、例えばインターネットに接続可能な既存のサーバに、図4のフローチャートで説明した画像検索による情報提供処理を実行するプログラムを実装して、既存のサーバがサービス提供サーバ30として機能するようにしてもよい。
また、サービス提供サーバ30を構成するそれぞれの機能ごとに個別のサーバで構成してもよい。例えば、ユーザ端末10と通信を行いユーザの個人情報などを管理するサーバと、外部の検索サイト側サーバ40と通信を行って検索結果を取得して管理するサーバとを個別のサーバとしてもよい。
【符号の説明】
【0051】
10,10a,10b…ユーザ端末、11…制御部、12…表示部、13…操作入力部、14…メモリ、15…通信部、30…サービス提供サーバ、31…制御部、32…データ記憶部、33…通信部、40…検索サイト側サーバ、41…制御部、42…データ記憶部、43…通信部、90…ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9