特開2016-95050(P2016-95050A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-95050(P2016-95050A)
(43)【公開日】2016年5月26日
(54)【発明の名称】調理器用トッププレート
(51)【国際特許分類】
   F24C 15/10 20060101AFI20160422BHJP
   H05B 6/12 20060101ALI20160422BHJP
【FI】
   F24C15/10 B
   H05B6/12 305
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-229959(P2014-229959)
(22)【出願日】2014年11月12日
(71)【出願人】
【識別番号】000232243
【氏名又は名称】日本電気硝子株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】593046429
【氏名又は名称】日電硝子加工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001232
【氏名又は名称】特許業務法人 宮▲崎▼・目次特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】金澤 利昭
(72)【発明者】
【氏名】横山 尚平
【テーマコード(参考)】
3K151
【Fターム(参考)】
3K151BA62
(57)【要約】
【課題】塗膜内部に煮汁等が染み込むことを防止でき、しかも、意匠性に優れており、かつ調理器具の滑りを抑制することを可能とする調理器用トッププレートを提供する。
【解決手段】調理器具が載せられる調理面11と、調理面11と反対側に位置する裏面12とを有するガラス基板10と、調理面11に設けられるパターン模様の第1の塗膜20とを備え、第1の塗膜20が、ガラスのみからなることを特徴とする、調理器用トッププレート1。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
調理器具が載せられる調理面と、前記調理面と反対側に位置する裏面とを有するガラス基板と、
前記調理面に設けられるパターン模様の第1の塗膜とを備え、
前記第1の塗膜が、ガラスのみからなる、調理器用トッププレート。
【請求項2】
前記パターン模様が、ドット、格子、またはライン状の模様である、請求項1に記載の調理器用トッププレート。
【請求項3】
前記ガラス基板が透明であり、
前記ガラス基板の裏面に設けられる第2の塗膜をさらに備える、請求項1または2に記載の調理器用トッププレート。
【請求項4】
前記ガラス基板が、濃色結晶化ガラス板である、請求項1または2に記載の調理器用トッププレート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調理器用トッププレートに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、電磁調理器、ラジアントヒーター調理器、ガス調理器などの調理器のトッププレートとして、低膨張結晶化ガラス板が用いられている。また、調理器具の滑り防止や、調理器具の擦れによるガラス板への傷防止を目的として、調理面側のガラス板表面には塗膜が設けられている。
【0003】
例えば、下記の特許文献1〜3には、低膨張結晶化ガラス基板からなるプレートの調理面に、印刷層や装飾層などの塗膜が設けられた調理器用トッププレートが開示されている。特許文献1〜3では、上記塗膜は、ガラス及び無機顔料により形成されるとされている。また、特許文献1では、上記塗膜は、トッププレートの調理面の全部又は一部に形成されることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−168548号公報
【特許文献2】特開2007−005318号公報
【特許文献3】特開2014−037926号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1〜3に開示されている塗膜は、塗膜の緻密性が低いため、煮汁等が吹きこぼれた場合、塗膜内部に煮汁等が染み込み、塗膜が汚れるという問題があった。また、調理器具が擦れる際の抵抗が大きくなりやすく、塗膜に擦傷が生じたり、塗膜が剥離することがあり、トッププレートの意匠性が損なわれるとともに、十分に調理器具の滑りを抑制できなくなるという問題があった。
【0006】
本発明の目的は、塗膜内部に煮汁等が染み込むことを防止でき、しかも、意匠性に優れており、かつ調理器具の滑りを抑制することを可能とする、調理器用トッププレートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る調理器用トッププレートは、調理器具が載せられる調理面と、上記調理面と反対側に位置する裏面とを有するガラス基板と、上記調理面に設けられるパターン模様の第1の塗膜とを備え、上記第1の塗膜が、ガラスのみからなることを特徴としている。
【0008】
本発明において、パターン模様とは、膜が形成された部分と、膜が形成されていない部分を有するパターン模様である。このようなパターン模様として、例えば、ドット、格子、幾何学、まだら、不規則またはライン状の模様が挙げられる。
【0009】
本発明に係る調理器用トッププレートは、上記ガラス基板が透明であってもよい。その場合は、上記ガラス基板の裏面に設けられる第2の塗膜をさらに備えていることが好ましい。
【0010】
本発明に係る調理器用トッププレートは、上記ガラス基板が濃色結晶化ガラス板であってもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、塗膜内部に煮汁等が染み込むことを防止でき、意匠性に優れており、かつ調理器具の滑りを抑制することを可能とする調理器用トッププレートを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態に係る調理器用トッププレートを示す模式的断面図である。
図2】本発明の一実施形態に係る調理器用トッププレートにおいて、調理面と垂直な方向から見たときの第1の塗膜を示す模式的平面図である。
図3】実施例1で得られた調理器用トッププレートの第1の塗膜の平滑性の評価結果を示す図である。
図4】比較例1で得られた調理器用トッププレートの第1の塗膜の平滑性の評価結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、好ましい実施形態について説明する。但し、以下の実施形態は単なる例示であり、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。また、各図面において、実質的に同一の機能を有する部材は同一の符号で参照する場合がある。
【0014】
図1は、本発明の一実施形態に係る調理器用トッププレートを示す模式的断面図である。調理器用トッププレート1は、ガラス基板10を備えている。ガラス基板10は、調理面11と裏面12とを有している。調理面11は、鍋やフライパンなどの調理器具が載せられる側の面である。他方、裏面12は、調理器の内部側の面である。
【0015】
調理器用トッププレート1では、加熱及び冷却が繰り返しなされる。このため、ガラス基板10は、優れた耐熱性及び低い熱膨張係数を有するものであることが好ましい。具体的には、ガラス基板10の軟化点が、700℃以上であることが好ましく、750℃以上であることがより好ましい。また、ガラス基板10の30℃〜750℃における平均線熱膨張係数は、−10×10−7/℃〜+30×10−7/℃の範囲内であることが好ましく、−10×10−7/℃〜+20×10−7/℃の範囲内であることがより好ましい。このため、ガラス基板10は、ガラス転移温度が高く、かつ低い熱膨張係数のガラス、結晶化ガラス、または強化ガラスであることが好ましい。
【0016】
本実施形態においては、ガラス基板10は、低膨張結晶化ガラスにより構成されている。このような低膨張結晶化ガラスの具体例としては、例えば、日本電気硝子株式会社製結晶化ガラスN−0等が挙げられる。なお、本実施形態においては、ガラス基板10として、可視波長域の光を透過させる透明のガラスを用いているが、後述するように可視波長域の光透過率が低い低膨張結晶化ガラスであってもよく、例えば、日本電気硝子株式会社製結晶化ガラスGC−190、N−11等が挙げられる。
【0017】
ガラス基板10の調理面11の上には、第1の塗膜20が設けられている。第1の塗膜20は、不連続部分を有するパターン模様の印刷層である。第1の塗膜20は、模様により意匠性を付与するための模様層である。第1の塗膜20を設けることにより、調理面11にキズが入るのを防止することができ、しかも調理器具の滑りを抑制することができる。
【0018】
図2は、本発明の一実施形態に係る調理器用トッププレートにおいて、調理面と垂直な方向から見たときの第1の塗膜20を示す模式的平面図である。図2に示すように、本実施形態においては、ドット状の模様が、第1の塗膜20として設けられている。もっとも、本発明においては、パターン模様として、ドット状以外の他の模様を用いてもよい。ドット状以外のパターン模様としては、例えば、格子、幾何学、まだら、不規則またはライン状の模様を用いることができる。
【0019】
第1の塗膜20のパターン模様の大きさは、調理面11側から見たときの第1の塗膜20の形状が、略円形である場合、直径が0.5〜5mmの範囲内であることが好ましい。第1の塗膜20の形状が、矩形状である場合、一辺の長さが0.2〜4mmの範囲内であることが好ましい。また、第1の塗膜20の形状が、格子またはライン状である場合、格子を構成するライン及びライン状模様におけるラインの幅が0.2〜5.0mmの範囲内であることが好ましい。その他の形状のものについては、これらと同様の効果が得られるような適宜の大きさにすればよい。
【0020】
第1の塗膜20は、ガラスのみからなる。本発明において、「ガラスのみからなる」とは、実質的にガラスのみからなることを意味している。すなわち、第1の塗膜20が、無機顔料を実質的に含まないことを意味している。従って、第1の塗膜20には、本発明の効果が発揮される限りにおいて、無機顔料以外の他の成分が含まれていてもよい。また、本発明の効果が発揮される限りにおいて、ごく微量の無機顔料が含まれていてもよい。
【0021】
このように、本実施形態においては、ガラス粉末により第1の塗膜20が形成されており、無機顔料を含まないため、第1の塗膜20は無色透明である。そのため、第1の塗膜20に擦傷が生じた場合においても、擦傷が目立たず、意匠性が損なわれ難い。従って、調理器用トッププレート1は、意匠性に優れている。
【0022】
また、ガラス粉末のみにより形成される場合、無機顔料が添加されている場合と比べて、第1の塗膜20が緻密な膜となる。そのため、調理器用トッププレート1においては、煮汁等の染み込みによる汚れが生じ難い。
【0023】
さらに、第1の塗膜20の表面は、無機顔料が添加されている場合と比べて、平滑となるため、調理器具が擦れる際に抵抗が大きくなりすぎるのを抑制でき、塗膜の剥離を防止できる。
【0024】
煮汁等による汚れをより一層効果的に低減させる観点から、第1の塗膜20の算術平均粗さ(Ra)は、1.0μm以下であることが好ましく、0.4μm以下であることがより好ましい。また、第1の塗膜20の厚みは、10μm以下であることが好ましく、6μm以下であることがより好ましい。
【0025】
また、調理器具の滑り防止をより一層効果的に抑制する観点から、第1の塗膜20の算術平均粗さ(Ra)は、0.07μm以上であることが好ましく、0.1μm以上であることがより好ましい。また、第1の塗膜20の厚みは、1μm以上であることが好ましく、1.5μm以上であることがより好ましい。
【0026】
また、第1の塗膜20は、ガラスのみにより構成されているため、ガラス基板10との密着性に優れている。そのため、鍋などの調理器具の擦れにより、第1の塗膜20が剥離し難い。従って、ガラスのみからなる第1の塗膜20を設けることにより、意匠性を損なうことなく、調理器具の滑りを効果的に抑制することが可能となる。
【0027】
第1の塗膜20を構成するガラスとしては、特に限定されないが、例えば、ホウケイ酸塩系ガラス、アルカリ金属成分及びアルカリ土類金属成分のうちの少なくとも一方を含む珪酸塩系ガラス、又は亜鉛及びアルミニウムを含むリン酸塩系ガラス等が挙げられる。
【0028】
第1の塗膜20は、例えば、ガラス粉末、ビークル(バインダー、溶剤等からなる溶媒)等を含むペーストを、スクリーン印刷法やインクジェット法などの種々の印刷法により印刷して形成することができる。より詳細には、印刷されたペースト層を、焼成することにより、第1の塗膜20が形成される。焼成温度は、特に限定されるものではないが、600℃以上であることが好ましく、700℃以上であることがより好ましい。また、焼成温度は、900℃以下であることが好ましく、850℃以下であることがより好ましい。
【0029】
本発明においては、調理面11に対し垂直な方向から見たときの第1の塗膜20の面積が、調理面全体の0.5〜70%の範囲であることが好ましく、1〜60%の範囲であることがさらに好ましく、1.5〜50%の範囲であることが特に好ましい。第1の塗膜20の面積が小さすぎると、調理器具の滑りを十分に抑制できない場合がある。第1の塗膜20の面積が大きすぎると、ガラスの質感が損なわれやすくなることがある。
【0030】
ガラス基板10の裏面12の上には、第2の塗膜30が設けられている。第2の塗膜30は、表示部が形成される部分以外の全面に隙間無く塗られる遮光膜である。従って、第2の塗膜30を設けることにより、調理器の内部側にある加熱装置などの内部装置を隠すことができる。
【0031】
第2の塗膜30は、ガラス成分及び顔料を含むことが好ましい。第2の塗膜30におけるガラス成分の含有量は、20〜99質量%であることが好ましく、30〜95質量%であることがより好ましい。好ましく用いられるガラス成分としては、例えば、ホウケイ酸塩系ガラス、アルカリ金属成分及びアルカリ土類金属成分のうちの少なくとも一方を含む珪酸塩系ガラス、亜鉛及びアルミニウムを含むリン酸塩系ガラス等が挙げられる。
【0032】
第2の塗膜30における顔料の含有量は、1〜80質量%であることが好ましく、5〜70質量%であることがより好ましい。顔料としては、好ましくは、無機顔料が用いられる。無機顔料としては、TiO、ZrO又はZrSiOの白色顔料、Co−Al−Zn系、Co−Al−Si系又はCo−Al−Ti系の青色顔料、Co−Al−Cr系、Co−Ni−Ti−Zn系の緑色顔料、Ti−Sb−Cr系又はTi−Ni系の黄色顔料、Co−Si系の赤色顔料、Ti−Fe−Zn系、Fe−Zn系、Fe−Ni−Cr系又はZn−Fe−Cr−Al系の茶色顔料、Cu−Cr系、Cu−Cr−Fe系又はCu−Cr−Mn系の黒色顔料などを用いることができる。
【0033】
第2の塗膜30は、例えば、ガラス粉末、顔料粉末、ビークル等を含むペーストを、スクリーン印刷法やインクジェット法などの種々の印刷法により印刷して形成することができる。より詳細には、印刷されたペースト層を、焼成することにより、第2の塗膜30が形成される。焼成温度は、特に限定されるものではないが、600℃以上であることが好ましく、700℃以上であることがより好ましい。また、焼成温度は、900℃以下であることが好ましく、850℃以下であることがより好ましい。
【0034】
本発明においては、第2の塗膜、すなわち遮光膜として、スパッタリング法などにより形成される金属膜が設けられていてもよい。
【0035】
なお、本発明において、第2の塗膜、すなわち遮光膜は設けなくともよい。その場合、ガラス基板としては、Vを含有させたLiO−Al−SiO系濃色結晶化ガラス板やβ-スポジュメンを析出させたLiO−Al−SiO系結晶化ガラス板を用いることが好ましい。それによって、遮光膜を設けなくとも、調理器の内部側にある内部装置等を隠すことができる。
【0036】
本発明に係る調理器用トッププレートは、上記のように、第1の塗膜がガラスにより構成されているため、意匠性に優れており、鍋等の調理器具の滑りを抑制することができる。従って、ガス調理器、IH調理器又はラジアントヒーターを有する調理器などに好適に用いることができる。ガス調理器の場合には、調理器具を載せる五徳等がトッププレートの上に配置される場合がある。本発明では、このような五徳等とトッププレートとの摩擦により生じる擦り傷や塗膜の剥離なども抑制することができる。
【0037】
以下、本発明の具体的な実施例を挙げることにより、本発明を明らかにする。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0038】
(実施例1)
−SiO系ガラスフリット、及びビークルの質量比(ガラスフリット:ビークル)が57:43となるように均一に混合することにより調整したペーストを、スクリーン印刷法を用いて、ガラス基板の調理面上に印刷し、その後、830℃で焼成することにより、ガラス基板の調理面にドット状の模様の第1の塗膜が形成された調理器用トッププレートを作製した。なお、第1の塗膜の厚みは3.5μmであった。
【0039】
(比較例1)
白色顔料であるTiO顔料、B−SiO系ガラスフリット、及びビークルの質量比(TiO顔料:ガラスフリット:ビークル)が、17:40:43となるように均一に混合することにより調製したペーストを、スクリーン印刷法を用いて、ガラス基板の調理面上に印刷し、その後、830℃で焼成することにより、ガラス基板の調理面にドット状の模様の第1の塗膜が形成された調理器用トッププレートを作製した。なお、第1の塗膜の厚みは3.5μmであった。
【0040】
(評価)
緻密性の評価;
実施例1及び比較例1で得られた調理器用トッププレートの第1の塗膜の緻密性について、塗膜表面に赤色の水性インクを塗布し、5分間放置し、その後、布で拭き取り、塗膜への染み込みの有無を目視で観察することにより評価した。
【0041】
実施例1のガラスのみにより形成された塗膜は、染み込みがなかったのに対し、比較例1のガラス及び無機顔料により形成された塗膜は、染み込みが観察され、実施例1のガラスのみにより形成された塗膜は緻密な膜であることが確認できた。
【0042】
平滑性の評価;
実施例1及び比較例1で得られた調理器用トッププレートの第1の塗膜の平滑性について、触針式表面粗さ計(ミツトヨ社製、製品名:SJ−400)を用いて評価した。
【0043】
図3は、実施例1で得られた調理器用トッププレートの第1の塗膜の平滑性の評価結果を示す図であり、図4は、比較例1で得られた調理器用トッププレートの第1の塗膜の平滑性の評価結果を示す図である。なお、図3及び図4において、縦軸は第1の塗膜の厚み方向に沿う変位(μm)を示し、横軸は、第1の塗膜の面方向に沿う変位(μm)を示すものとする。
【0044】
図3及び図4より、実施例1のガラスのみにより形成された第1の塗膜は、比較例1のガラス及び無機顔料により形成された第1の塗膜と比較して、表面が平滑であることが確認できた。
【0045】
密着性及び傷の目立ちやすさの評価;
実施例1及び比較例1で得られた調理器用トッププレートの第1の塗膜について、耐摩耗試験を行った。耐摩耗試験は、1.3kgの重りに220番のサンドペーパーを貼り付け、第1の塗膜の表面上を1000往復させることにより行った。耐摩耗試験後の第1の塗膜の剥離の有無及び第1の塗膜表面の白濁の有無について、目視で観察することにより、第1の塗膜とガラス基板との密着性及び付着した傷の目立ちやすさの評価を行った。
【0046】
実施例1のガラスのみにより形成された塗膜は、剥離や塗膜表面の白濁はなく、密着性に優れ、付着した傷も目立ちにくかった。これに対し、比較例1のガラス及び無機顔料により形成された塗膜は、剥離や塗膜表面に白濁が観察され、実施例1のガラスのみにより形成された塗膜に比べ、密着性が低く、また、塗膜に付着した傷が目立ちやすいものであった。
【符号の説明】
【0047】
1…調理器用トッププレート
10…ガラス基板
11…調理面
12…裏面
20…第1の塗膜
30…第2の塗膜
図1
図2
図3
図4