特開2016-98170(P2016-98170A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-98170(P2016-98170A)
(43)【公開日】2016年5月30日
(54)【発明の名称】ガラス板の折割方法
(51)【国際特許分類】
   C03B 33/033 20060101AFI20160425BHJP
   B28D 5/00 20060101ALI20160425BHJP
【FI】
   C03B33/033
   B28D5/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2016-27996(P2016-27996)
(22)【出願日】2016年2月17日
(62)【分割の表示】特願2014-235114(P2014-235114)の分割
【原出願日】2014年11月19日
(71)【出願人】
【識別番号】000174220
【氏名又は名称】坂東機工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098095
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 武志
(72)【発明者】
【氏名】坂東 和明
【テーマコード(参考)】
3C069
4G015
【Fターム(参考)】
3C069AA02
3C069BA00
3C069CA11
3C069EA04
4G015FA04
4G015FB01
4G015FC11
4G015FC14
(57)【要約】
【課題】巾狭の耳部においても、簡単、確実に耳部のみに押圧を加えられ、耳部を折割・分離できる折割方法を提供すること。
【解決手段】支持されたガラス板を部分押圧する押圧ローラが移動し、切線とガラス板エッヂの間の耳部を押圧して、耳部を折割分離するガラス板の折割方法において、耳部の折割予定ポイントにおいて押圧ローラの向きを切り線の法線方向に合せて押圧し、法線方向に押圧移動させるようにした。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持された切線形成のガラス板を部分押圧する押圧ローラが移動し、切線とガラス板エッヂの間の耳部を押圧して、上記耳部を分離するガラス板の折割方法において、上記押圧ローラを耳部の折割予定ポイントにおいて、切線からガラス板エッヂに向って耳部を横断する方向に合せ、横断方向に押圧移動させるようにしたガラス板の折割方法。
【請求項2】
支持された切線形成のガラス板を部分押圧する押圧ローラが移動し、切線とガラス板エッヂの間の耳部を押圧して、上記耳部を分離するガラス板の折割方法において、上記押圧ローラを耳部の折割予定ポイントにおいて、切線の法線方向に合せて耳部を押圧し、上記法線方向に移動させるようにしたガラス板の折割方法。
【請求項3】
支持された切線形成のガラス板を部分押圧する押圧体が移動し、切線とガラス板エッヂの間の耳部を押圧して、上記耳部を分離するガラス板の折割方法において、上記横長の押圧体を耳部の折割予定ポイントにおいて、切線からガラス板エッヂに向って耳部を横断する方向に合せて押圧するようにしたガラス板の折割方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車窓ガラス等の切断生産工程における、切線形成後のガラス板の折割方法に関する。
【0002】
即ち、本発明は、ガラス板にカッタホイールにより、切線を形成し、切線とガラス板エッヂとの間、即ち、耳部を折割分離するガラス板の折割方法に係る。
【0003】
また、本発明は、特に、素板ガラスの寸法いっぱいに切線を形成し、この切線とガラス板エッヂとの間、即ち、狭い耳部を折割分離するに適するガラス板の折割方法に係る。
【背景技術】
【0004】
特許文献1に示すように、下部押圧ローラを備えた折割ヘッドを切線に沿って移動し、その押圧ローラを角度制御して切線に沿って向けながら角部を押圧転動移動をさせて角部を折割分割を行う方法である。
【0005】
また、特許文献2に示すように、突き打ちするプレス装置を備えた折割ヘッドを切線の四囲を回りながら必要箇所ごとにおいて、耳部にプレス打ちを加えて折割分離を行う方法である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平3−164441号公報
【特許文献2】特許第2890137号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
自動車窓ガラスの加工生産は、生産単価を低く抑えるため素板ガラスの寸法を小さくし、素板ガラスの寸法いっぱいに切線を形成し、耳部の巾を出来るだけ狭くし、廃棄カレットの損量をしている。
【0008】
このように耳幅が狭くなると、上記の従来の折割方法においては、その押圧ローラ及び突き打プレスを耳部のみに押圧、プレスを加えることは困難である。そこで、本発明は、上記のように巾狭の耳部においても、簡単、確実に耳部のみに押圧を加えられ、耳部を折割・分離できる折割方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、支持されたガラス板を部分押圧する押圧ローラが移動し、切線とガラス板エッヂの間の耳部を押圧して、耳部を折割分離するガラス板の折割方法において、耳部の折割予定ポイントにおいて押圧ローラの向きを切り線の法線方向に合せて押圧し、法線方向に押圧移動させるようにしたガラス板の折割方法である。
【0010】
また、支持されたガラス板を部分押圧する押圧ローラ移動し、上記切線とガラス板エッヂの間の耳部を押圧して、上記耳部を折割分離するガラス板の折割方法において、上記押圧ローラを、耳部の折割予定ポイントにおいて、切線からガラス板エッヂに向って、耳部を横断する方向に合せ、横断方向に押圧移動させるようにしたガラス板の折割方法である。
【0011】
また、支持された切線形成のガラス板を部分押圧する押圧体が移動し、切線とガラス板エッヂの間の耳部を押圧して、上記耳部分離するガラス板の折割方法において、上記横長の押圧体を耳部の折割予定ポイントにおいて、切線からガラス板エッヂに向って耳部を横断する方向に合せて押圧するようにしたガラス板の折割方法である。
【発明の効果】
【0012】
外周が円形の押圧ローラの向きを耳部において切線の法線方向またはガラス板エッヂに向った横断方向に合せるため、押圧ローラとガラス板の接触線が切線に平行またはそれに近い姿勢のため、押圧ローラは耳部のみを押圧する。
【0013】
従って巾狭の耳部においても確実に折割できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、素板ガラス及び切線に対しての折割ヘッドの当て方向姿勢を示す平面図である。
図2図2は、図1に示す折割ヘッドの当て方向姿勢の拡大図である。
図3図3は、一例として挙げた折割装置の断面図である。
図4図4は、図3に示す折割装置における折割方法の説明図である。
図5図5は、図3に示す折割装置における折割方法の説明図である。
図6図6は、本折割ヘッドにおける押圧ロールの断面図である。
図7図7は、本折割ヘッドにおける押圧ロールの断面図である。
図8図8は、切線形成のスクライブヘッドに折割ヘッドを並設したガラス切断装置の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明のガラス板の折割方法の実施例を図3に示す折割装置1A及び図8に示す切断装置1Bにおいて、説明する。
【実施例1】
【0016】
折割装置1Aにおいての折割方法が図1図2及び図3から図5に示されている。
【0017】
図3に示すように、折割装置1Aは、上面にガラス板2を平面状に固定支持する支持台装置7と、この支持台装置7の上方において、支持台装置7に平行し、NC制御されて移動する折割ヘッド5及び5とを備える。
【0018】
折割装置1Aは、上面に切線3が形成され、耳部4を有するガラス板2を、上記支持台装置7の上面に支持した状態で、折割ヘッド5及び5をガラス板2の耳部4の折割必要箇所毎へNC制御移動させ、折割分離を順次行ってゆく装置である。
【0019】
支持台装置3は、上面にガラス板2が載置される可撓性ある無端ベルト6と、この無端ベルト6の下に設けられた支持手段8とを備える。
【0020】
支持手段8は、上記無端ベルト6を介してガラス板2を支持する。そして、支持手段8は、ガラス板2の中央域10を支持する固定の中央支持台9と、この中央支持台9の左右の外側域11及び11のそれぞれにおいて、NC制御されて移動し、ガラス板2の部分支持を行う部分支持台12及び12とからなる。
【0021】
尚、上記中央支持台9は支持手段8の中央に位置し、支柱体23を介し枠台14から立設されている。
【0022】
それぞれの上記部分支持台12及び12は、それぞれの上記外側域11及び11において設けられた移動手段13及び13に支持され、水平移動される。移動手段13及び13は、枠台14に、X軸方向に沿って取付けされたX軸移動手段15とこのX軸移動手段15のX移動体16に取付けされたY軸移動手段17とからなり、上記部分支持台12及び12はY軸移動手段17のY移動体18に取付け支持されている。
【0023】
上記部分支持台12及び12は、上記中央支持台9と同一の高さでガラス板2を部分支持する部分支持面部19とこの部分支持面部19より1〜2mm低い段差面部21とを備える。尚、上記部分支持面部19は、ガラス板2の切線3及び切線3の内域22を支持し、段差面部21は耳部4の直下に位置させ、押圧ローラ20による押圧力によってガラス板の折り曲がり逃げが出来るようにしてある。
【0024】
一方、折割ヘッド5及び5のそれぞれは、上記支持台装置7の上方において、かつ中央域10を挟んで左右の空間26及び26のそれぞれに設けられた移動手段27及び27に保持されている。
【0025】
上記移動手段27及び27のそれぞれは装置本体の架台28に、X軸方向に沿って架設されたX軸移動手段29とこのX軸移動手段29のX移動体30に取付けされたY軸移動手段31とからなり、上記折割ヘッド5及び5はY軸移動手段31のY移動体32に取付けされている。折割ヘッド5及び5は、上記Y移動体32に取付けされたブラケット33と、このブラケット33に上下方向に沿って取付けされた軸受装置34と、この軸受装置34に回転自在に組込み保持され、回転軸線35がガラス板2延いては前記支持台装置に直交した回転軸36と、この回転軸36の下端に取付けされたエアシリンダ装置37のピストンロッド38の下端に、かつ上記回転軸36の回転軸線35上に合せて取付けされた押圧ローラ20と、上記回転軸36をプリーベルトなどの伝動手段42を介して角度制御回動させる角度制御装置39とからなる。
【0026】
上記エアシリンダ装置37の上記ピストンロッド38は回転レス構造となり、エアシリンダ装置37に対して押圧ローラ20はエア圧の切り換えにより直線しての上下動をし、ガラス板2に対して押圧接触、また上方へ引き離しされる。
【0027】
角度制御装置39により、回転軸36、エアシリンダ装置37及び押圧ローラ20は一体となって、ガラス板2面に直交した上記回転軸線35の回りに角度制御回動される。また、上記角度制御装置39はNC制御モータ40、減速機41からなり、減速機41において上記ブラケット33に取付けされている。
【0028】
上記押圧ローラ20はウレタン樹脂により成形され、図6図7に示すように、直接Eは10mmから30mm、厚みFは10mm以上である。
【0029】
更に回転しないローラでもよい。横長の円柱形でもよい。
【0030】
また、本ガラス板の折割装置1Aは、支持台装置7の中央域10の上方を貫いてガラス板の搬送装置45が架設されている。
【0031】
搬送装置45は、この折割装置1Aの支持台装置7上への切線形成のガラス板2の搬入と、支持台装置7から折割済みガラス板2の搬出を行う。
【0032】
搬送装置45は、折割装置1Aを貫いて直動する移動体46とこの移動体46に取付けされガラス板2の吸着持上げ、吸着搬送及び降下してガラス板2の吸着解放を行う上下動装置47とこの上下動装置47の下端にガラス板2の吸着をまた吸着解放する吸盤48とを備える。
【0033】
上記吸盤48は図3に示すように本折割装置1Aの折割動作中において、ガラス板2を支持台装置7延いては、無端ベルト6を介して中央支持台8にガラス板2が動かないように押圧固定状態とする。
【0034】
さて、本折割装置1Aにおける動作及び折割方法を説明する。
【0035】
上記搬送装置45の吸盤48により搬入されたガラス板2を中央域10において、支持台装置7に押圧する。同時して、部分支持台12と折割ヘッド5が移動して、耳部4の折割予定ポイントへ移動し、ガラス板2及び無端ベルト6を挟んで対面する。
【0036】
ガラス板2の切線3の下には部分支持台12の部分支持面部19が位置してガラス板2を支え、ガラス板2の耳部4の下には段差面部21が位置して耳部4の下に耳部4の曲げ下がりを許す逃げ部が形成される。
【0037】
一方、耳部4の上には折割ヘッド5の押圧ローラ20が位置する。と同時に押圧ローラ20は回転軸線35の回りに角度制御され、押圧ローラ20の向きが切線3の法線方向C−Cまたは耳部4をガラス板エッヂ23に向かって横断する横断方向に合される。
【0038】
押圧ローラ20は向き(転動移動方向)が上記法線方向または横断方向に合された姿勢で降下し、ガラス板2の耳部4を押圧し、法線方向または横断方向に移動する。
【0039】
このとき、押圧ローラ20は外周が円形であり、またローラ支持の軸線が切線3に平行またはそれに近い姿勢であるため、押圧ローラ20の下端の接触面が耳部4のみを押圧する。そして、法線方向または横断方向に移動するため耳部4に曲げ荷重が十分に作用し、耳部4下の逃げ部と合いまった耳部4の折割分離が精確に行われる。
【0040】
尚、前記部分支持台12及び12の移動及び折割ヘッド5及び5の移動はNC制御された直交したXY平面座標系の移動である。
【実施例2】
【0041】
図8には、折割装置付のガラス板切断装置1Bが示されている。
【0042】
本ガラス板切断装置1Bは、平面支持されたガラス板2の上をガラス板2の上をガラス板2面に平行して、直交座標系移動を行う共通の加工ヘッド64を備え、この共通の加工ヘッド65に切断ヘッド62と折割ヘッド63が並設されている。
【0043】
記憶されたNC加工情報に基づいて加工ヘッド65の1回目の直交座標系移動において切断ヘッド62を動作させて、ガラス板2に切線3を形成し、次に2回目の直交座標系移動において、折割ヘッド63を動作させて、切線3の外側の耳部4の折割を行う。
【0044】
図中64はカッタホイールである。
【0045】
折割ヘッド63は、押圧ローラ50とスプラインシャフト52とスプラインシャフト52を角度制御する角度制御装置51と押圧ローラ50を上下動させるエアシリンダ装置53を備える。
【0046】
支持台59の両側にX軸移動手段62及び62を備え、このX軸移動手段62及び62にY軸移動手段60が架設され、このY軸移動手段60の移動体61に加工ヘッド64が取付されている。
【0047】
一方、ガラス板2は厚み1mm〜2mmの型板56を介して支持台59の上面のシート55に平面支持される。
【0048】
型板56は切線3と略々同形状同寸法に形成されており、ガラス板2のエッヂと切線3との間の耳部4の下に空間58を形成して、折割時の耳部4の逃げを許すようになっている。
【0049】
折割ヘッド63による耳部4の折割動作は実施例1と同じである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8