(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-98655(P2016-98655A)
(43)【公開日】2016年5月30日
(54)【発明の名称】バンケル型ロータリーエンジンの燃焼方法
(51)【国際特許分類】
F02B 53/00 20060101AFI20160425BHJP
F02B 55/02 20060101ALI20160425BHJP
F02B 55/08 20060101ALI20160425BHJP
F02B 53/10 20060101ALI20160425BHJP
【FI】
F02B53/00 J
F02B55/02 D
F02B55/08 H
F02B53/10 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-233386(P2014-233386)
(22)【出願日】2014年11月18日
(71)【出願人】
【識別番号】514294131
【氏名又は名称】平下 和志
(74)【代理人】
【識別番号】100092680
【弁理士】
【氏名又は名称】入江 一郎
(72)【発明者】
【氏名】平 下 和 志
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ローターの回転阻害要因を防ぐバンケル型ロータリーエンジンを提供する。
【解決手段】ローター2によって、ローターハウジング1内を吸気室1A、燃焼室1B、排気室1Cに区画され、第1のローター周側面2Aと前記第1のローター周側面に対向する前記ローターハウジングの内壁面で囲まれた室が前記燃焼室、第2のローター周側面2Bと前記第2のローター周側面に対向する前記ローターハウジングの内壁面で囲まれた室が前記吸気室、第3のローター周側面2Cと前記第3のローター周側面に対向する前記ローターハウジングの内壁面で囲まれた室が前記排気室とするとき、前記第1のローター周側面と前記ローターハウジングの内壁面との間の間隙Sを介して、前記燃焼室を前記第1の凹所2A1が位置する燃焼ガス室と未燃焼ガス室1A2とに区画し、前記燃焼ガス室で燃焼させると共に、戻し通路Bにより前記未燃焼ガス室内の未燃焼ガスを前記吸気室に戻す。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ローターハウジングと、このローターハウジングの内壁面に第1、第2、第3の頂点を接触させながら回転するローターとを備えたバンケル型ロータリーエンジンの燃焼方法であって、
前記ローターは、前記第1、第2、第3の頂点の順に回転するものであり、
前記第1の頂点と前記第2の頂点を含む前記ローターの周側面は、第1のローター周側面であり、
この第1のローター周側面に前記第2の頂点よりは前記第1の頂点に近い側に第1の凹所が形成され、
前記第2の頂点と前記第3の頂点を含む前記ローターの周側面は、第2のローター周側面であり、
この第2のローター周側面に前記第3の頂点よりは前記第2の頂点に近い側に第2の凹所が形成され、
前記第3の頂点と前記第1の頂点を含む前記ローターの周側面は、第3のローター周側面であり、
この第3のローター周側面に前記第1の頂点よりは前記第3の頂点に近い側に第3の凹所が形成され、
前記ローターによって、前記ローターハウジング内を吸気室、燃焼室、排気室に区画され、
前記第1のローター周側面と前記第1のローター周側面に対向する前記ローターハウジングの内壁面の部位で囲まれた室が前記燃焼室、前記第2のローター周側面と前記第2のローター周側面に対向する前記ローターハウジングの内壁面の部位で囲まれた室が前記吸気室、前記第3のローター周側面と前記第3のローター周側面に対向する前記ローターハウジングの内壁面の部位で囲まれた室が前記排気室を形成するとき、前記第1のローター周側面と前記ローターハウジングの内壁面の部位との間に形成された間隙を介して、前記燃焼室を前記第1の凹所が位置する燃焼ガス室と未燃焼ガス室とに区画し、前記燃焼ガス室で燃焼させると共に、戻し通路により前記未燃焼ガス室内の未燃焼ガスを前記吸気室に戻す
ことを特徴とするバンケル型ロータリーエンジンの燃焼方法。
【請求項2】
ローターハウジングと、このローターハウジングの内壁面に第1、第2、第3の頂点を接触させながら回転するローターとを備えたバンケル型ロータリーエンジンの燃焼方法であって、
前記ローターは、前記第1、第2、第3の頂点の順に回転するものであり、
前記第1の頂点と前記第2の頂点を含む前記ローターの周側面は、第1のローター周側面であり、
この第1のローター周側面に前記第2の頂点よりは前記第1の頂点に近い側に第1の凹所が形成され、
前記第2の頂点と前記第3の頂点を含む前記ローターの周側面は、第2のローター周側面であり、
この第2のローター周側面に前記第3の頂点よりは前記第2の頂点に近い側に第2の凹所が形成され、
前記第3の頂点と前記第1の頂点を含む前記ローターの周側面は、第3のローター周側面であり、
この第3のローター周側面に前記第1の頂点よりは前記第3の頂点に近い側に第3の凹所が形成され、
前記ローターによって、前記ローターハウジング内を吸気室、燃焼室、排気室に区画され、
前記第1のローター周側面と前記第1のローター周側面に対向する前記ローターハウジングの内壁面の部位で囲まれた室が前記燃焼室、前記第2のローター周側面と前記第2のローター周側面に対向する前記ローターハウジングの内壁面の部位で囲まれた室が前記吸気室、前記第3のローター周側面と前記第3のローター周側面に対向する前記ローターハウジングの内壁面の部位で囲まれた室が前記排気室を形成するとき、区画手段により、前記燃焼室を前記第1の凹所が位置する燃焼ガス室と未燃焼ガス室とに区画し、戻し通路により区画された前記未燃焼ガス室内の未燃焼ガスを前記吸気室に戻す
ことを特徴とするバンケル型ロータリーエンジンの燃焼方法。
【請求項3】
ローターハウジングと、このローターハウジングの内壁面に第1、第2、第3の頂点を接触させながら回転するローターとを備えたバンケル型ロータリーエンジンの燃焼方法であって、
前記ローターは、前記第1、第2、第3の頂点の順に回転するものであり、
前記第1の頂点と前記第2の頂点を含む前記ローターの周側面は、第1のローター周側面であり、
この第1のローター周側面に前記第2の頂点よりは前記第1の頂点に近い側に第1の凹所が形成され、
前記第2の頂点と前記第3の頂点を含む前記ローターの周側面は、第2のローター周側面であり、
この第2のローター周側面に前記第3の頂点よりは前記第2の頂点に近い側に第2の凹所が形成され、
前記第3の頂点と前記第1の頂点を含む前記ローターの周側面は、第3のローター周側面であり、
この第3のローター周側面に前記第1の頂点よりは前記第3の頂点に近い側に第3の凹所が形成され、
前記ローターによって、前記ローターハウジング内を吸気室、燃焼室、排気室に区画され、
前記第1のローター周側面と前記第1のローター周側面に対向する前記ローターハウジングの内壁面の部位で囲まれた室が前記燃焼室、前記第2のローター周側面と前記第2のローター周側面に対向する前記ローターハウジングの内壁面の部位で囲まれた室が前記吸気室、前記第3のローター周側面と前記第3のローター周側面に対向する前記ローターハウジングの内壁面の部位で囲まれた室が前記排気室を形成するとき、前記第1のローター周側面と前記ローターハウジングの内壁面の部位との間に形成された間隙を介して、前記燃焼室を前記第1の凹所が位置する燃焼ガス室と未燃焼ガス室とに区画し、前記燃焼ガス室で燃焼させると共に、戻し通路により前記未燃焼ガス室内の未燃焼ガスを前記吸気室の吸い込み側に戻す
ことを特徴とするバンケル型ロータリーエンジンの燃焼方法。
【請求項4】
ローターハウジングと、このローターハウジングの内壁面に第1、第2、第3の頂点を接触させながら回転するローターとを備えたバンケル型ロータリーエンジンの燃焼方法であって、
前記ローターは、前記第1、第2、第3の頂点の順に回転するものであり、
前記第1の頂点と前記第2の頂点を含む前記ローターの周側面は、第1のローター周側面であり、
この第1のローター周側面に前記第2の頂点よりは前記第1の頂点に近い側に第1の凹所が形成され、
前記第2の頂点と前記第3の頂点を含む前記ローターの周側面は、第2のローター周側面であり、
この第2のローター周側面に前記第3の頂点よりは前記第2の頂点に近い側に第2の凹所が形成され、
前記第3の頂点と前記第1の頂点を含む前記ローターの周側面は、第3のローター周側面であり、
この第3のローター周側面に前記第1の頂点よりは前記第3の頂点に近い側に第3の凹所が形成され、
前記ローターによって、前記ローターハウジング内を吸気室、燃焼室、排気室に区画され、
前記吸気室に空気のみ、前記燃焼室に燃料を供給する直噴にあって、
前記第1のローター周側面と前記第1のローター周側面に対向する前記ローターハウジングの内壁面の部位で囲まれた室が前記燃焼室、前記第2のローター周側面と前記第2のローター周側面に対向する前記ローターハウジングの内壁面の部位で囲まれた室が前記吸気室、前記第3のローター周側面と前記第3のローター周側面に対向する前記ローターハウジングの内壁面の部位で囲まれた室が前記排気室を形成するとき、前記第1のローター周側面と前記ローターハウジングの内壁面の部位との間に形成された間隙、又は、区画手段を介して、前記燃焼室を前記第1の凹所が位置する燃焼ガス室と空気室とに区画し、前記燃焼ガス室で燃焼させると共に、戻し通路により前記空気室内の空気を前記吸気室、又は、前記吸気室の吸い込み側に戻す
ことを特徴とするバンケル型ロータリーエンジンの燃焼方法。
【請求項5】
ローターハウジングと、このローターハウジングの内壁面に第1、第2、第3の頂点を接触させながら回転するローターとを備えたバンケル型ロータリーエンジンの燃焼方法であって、
前記ローターは、前記第1、第2、第3の頂点の順に回転するものであり、
前記第1の頂点と前記第2の頂点を含む前記ローターの周側面は、第1のローター周側面であり、
この第1のローター周側面に前記第2の頂点よりは前記第1の頂点に近い側に第1の凹所が形成され、
前記第2の頂点と前記第3の頂点を含む前記ローターの周側面は、第2のローター周側面であり、
この第2のローター周側面に前記第3の頂点よりは前記第2の頂点に近い側に第2の凹所が形成され、
前記第3の頂点と前記第1の頂点を含む前記ローターの周側面は、第3のローター周側面であり、
この第3のローター周側面に前記第1の頂点よりは前記第3の頂点に近い側に第3の凹所が形成され、
前記ローターによって、前記ローターハウジング内を吸気室、燃焼室、排気室に区画され、
前記吸気室に空気のみ、前記燃焼室に燃料を供給する直噴にあって、
前記第1のローター周側面と前記第1のローター周側面に対向する前記ローターハウジングの内壁面の部位で囲まれた室が前記燃焼室、前記第2のローター周側面と前記第2のローター周側面に対向する前記ローターハウジングの内壁面の部位で囲まれた室が前記吸気室、前記第3のローター周側面と前記第3のローター周側面に対向する前記ローターハウジングの内壁面の部位で囲まれた室が前記排気室を形成するとき、前記第1のローター周側面と前記ローターハウジングの内壁面の部位との間に形成された間隙、又は、区画手段を介して、前記燃焼室を前記第1の凹所が位置する燃焼ガス室と空気室とに区画し、前記燃焼ガス室で燃焼させると共に、前記空気室内の空気を外気に放出する
ことを特徴とするバンケル型ロータリーエンジンの燃焼方法。
【請求項6】
区画手段は、燃焼室に位置し、ローターハウジングの内壁面からローターに向かって突出し、ローター周側面に当接する突出部材か、又は、燃焼室に位置し、ローターハウジングの内壁面からローターに向かってバネで付勢された突出部材か、又は、第1のローター周側面からローターハウジングの内壁面に向かってバネで付勢された第1の突出部材と第2のローター周側面からローターハウジングの内壁面に向かってバネで付勢された第2の突出部材と第3のローター周側面からローターハウジングの内壁面に向かってバネで付勢された第3の突出部材とを有するものの何れかである
ことを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載のバンケル型ロータリーエンジンの燃焼方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バンケル型ロータリーエンジンの燃焼方法に係り、特に、ローターの回転を阻害する要因を防ぐようにしたバンケル型ロータリーエンジンの燃焼方法に関する。
【背景技術】
【0002】
バンケル型ロータリーエンジンの各ローターの周側面の略中央に凹所を設け、燃焼室の拡大を図ってローターを回転させている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述のバンケル型ロータリーエンジンの燃焼室の凹所内の燃焼ガスはローターを排気室側に向かうように回転を助長するが、ローターの周側面の凹所は、略中央に位置しているため、上記凹所を介して燃焼ガスの一部を吸気室に近い側の燃焼室に戻り、これがローターを吸気室側に向かうように作用し、ローターの回転を阻害する要因になるという問題点が生じた。
【0004】
本発明は、上記の問題点を考慮してなされたもので、ローターの回転を阻害する要因を防ぐようにしたバンケル型ロータリーエンジンの燃焼方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載のバンケル型ロータリーエンジンの燃焼方法は、ローターハウジングと、このローターハウジングの内壁面に第1、第2、第3の頂点を接触させながら回転するローターとを備えたバンケル型ロータリーエンジンの燃焼方法であって、前記ローターは、前記第1、第2、第3の頂点の順に回転するものであり、前記第1の頂点と前記第2の頂点を含む前記ローターの周側面は、第1のローター周側面であり、この第1のローター周側面に前記第2の頂点よりは前記第1の頂点に近い側に第1の凹所が形成され、前記第2の頂点と前記第3の頂点を含む前記ローターの周側面は、第2のローター周側面であり、この第2のローター周側面に前記第3の頂点よりは前記第2の頂点に近い側に第2の凹所が形成され、前記第3の頂点と前記第1の頂点を含む前記ローターの周側面は、第3のローター周側面であり、この第3のローター周側面に前記第1の頂点よりは前記第3の頂点に近い側に第3の凹所が形成され、前記ローターによって、前記ローターハウジング内を吸気室、燃焼室、排気室に区画され、前記第1のローター周側面と前記第1のローター周側面に対向する前記ローターハウジングの内壁面の部位で囲まれた室が前記燃焼室、前記第2のローター周側面と前記第2のローター周側面に対向する前記ローターハウジングの内壁面の部位で囲まれた室が前記吸気室、前記第3のローター周側面と前記第3のローター周側面に対向する前記ローターハウジングの内壁面の部位で囲まれた室が前記排気室を形成するとき、前記第1のローター周側面と前記ローターハウジングの内壁面の部位との間に形成された間隙を介して、前記燃焼室を前記第1の凹所が位置する燃焼ガス室と未燃焼ガス室とに区画し、前記燃焼ガス室で燃焼させると共に、戻し通路により前記未燃焼ガス室内の未燃焼ガスを前記吸気室に戻すものである。
【0006】
また、請求項2記載のバンケル型ロータリーエンジンの燃焼方法は、ローターハウジングと、このローターハウジングの内壁面に第1、第2、第3の頂点を接触させながら回転するローターとを備えたバンケル型ロータリーエンジンの燃焼方法であって、前記ローターは、前記第1、第2、第3の頂点の順に回転するものであり、前記第1の頂点と前記第2の頂点を含む前記ローターの周側面は、第1のローター周側面であり、この第1のローター周側面に前記第2の頂点よりは前記第1の頂点に近い側に第1の凹所が形成され、前記第2の頂点と前記第3の頂点を含む前記ローターの周側面は、第2のローター周側面であり、この第2のローター周側面に前記第3の頂点よりは前記第2の頂点に近い側に第2の凹所が形成され、前記第3の頂点と前記第1の頂点を含む前記ローターの周側面は、第3のローター周側面であり、この第3のローター周側面に前記第1の頂点よりは前記第3の頂点に近い側に第3の凹所が形成され、前記ローターによって、前記ローターハウジング内を吸気室、燃焼室、排気室に区画され、前記第1のローター周側面と前記第1のローター周側面に対向する前記ローターハウジングの内壁面の部位で囲まれた室が前記燃焼室、前記第2のローター周側面と前記第2のローター周側面に対向する前記ローターハウジングの内壁面の部位で囲まれた室が前記吸気室、前記第3のローター周側面と前記第3のローター周側面に対向する前記ローターハウジングの内壁面の部位で囲まれた室が前記排気室を形成するとき、区画手段により、前記燃焼室を前記第1の凹所が位置する燃焼ガス室と未燃焼ガス室とに区画し、戻し通路により区画された前記未燃焼ガス室内の未燃焼ガスを前記吸気室に戻すものである。
【0007】
また、請求項3記載のバンケル型ロータリーエンジンの燃焼方法は、ローターハウジングと、このローターハウジングの内壁面に第1、第2、第3の頂点を接触させながら回転するローターとを備えたバンケル型ロータリーエンジンの燃焼方法であって、前記ローターは、前記第1、第2、第3の頂点の順に回転するものであり、前記第1の頂点と前記第2の頂点を含む前記ローターの周側面は、第1のローター周側面であり、この第1のローター周側面に前記第2の頂点よりは前記第1の頂点に近い側に第1の凹所が形成され、前記第2の頂点と前記第3の頂点を含む前記ローターの周側面は、第2のローター周側面であり、この第2のローター周側面に前記第3の頂点よりは前記第2の頂点に近い側に第2の凹所が形成され、前記第3の頂点と前記第1の頂点を含む前記ローターの周側面は、第3のローター周側面であり、この第3のローター周側面に前記第1の頂点よりは前記第3の頂点に近い側に第3の凹所が形成され、前記ローターによって、前記ローターハウジング内を吸気室、燃焼室、排気室に区画され、前記第1のローター周側面と前記第1のローター周側面に対向する前記ローターハウジングの内壁面の部位で囲まれた室が前記燃焼室、前記第2のローター周側面と前記第2のローター周側面に対向する前記ローターハウジングの内壁面の部位で囲まれた室が前記吸気室、前記第3のローター周側面と前記第3のローター周側面に対向する前記ローターハウジングの内壁面の部位で囲まれた室が前記排気室を形成するとき、前記第1のローター周側面と前記ローターハウジングの内壁面の部位との間に形成された間隙を介して、前記燃焼室を前記第1の凹所が位置する燃焼ガス室と未燃焼ガス室とに区画し、前記燃焼ガス室で燃焼させると共に、戻し通路により前記未燃焼ガス室内の未燃焼ガスを前記吸気室の吸い込み側に戻すものである。
【0008】
また、請求項4記載のバンケル型ロータリーエンジンの燃焼方法は、ローターハウジングと、このローターハウジングの内壁面に第1、第2、第3の頂点を接触させながら回転するローターとを備えたバンケル型ロータリーエンジンの燃焼方法であって、前記ローターは、前記第1、第2、第3の頂点の順に回転するものであり、前記第1の頂点と前記第2の頂点を含む前記ローターの周側面は、第1のローター周側面であり、この第1のローター周側面に前記第2の頂点よりは前記第1の頂点に近い側に第1の凹所が形成され、前記第2の頂点と前記第3の頂点を含む前記ローターの周側面は、第2のローター周側面であり、この第2のローター周側面に前記第3の頂点よりは前記第2の頂点に近い側に第2の凹所が形成され、前記第3の頂点と前記第1の頂点を含む前記ローターの周側面は、第3のローター周側面であり、この第3のローター周側面に前記第1の頂点よりは前記第3の頂点に近い側に第3の凹所が形成され、前記ローターによって、前記ローターハウジング内を吸気室、燃焼室、排気室に区画され、前記吸気室に空気のみ、前記燃焼室に燃料を供給する直噴にあって、前記第1のローター周側面と前記第1のローター周側面に対向する前記ローターハウジングの内壁面の部位で囲まれた室が前記燃焼室、前記第2のローター周側面と前記第2のローター周側面に対向する前記ローターハウジングの内壁面の部位で囲まれた室が前記吸気室、前記第3のローター周側面と前記第3のローター周側面に対向する前記ローターハウジングの内壁面の部位で囲まれた室が前記排気室を形成するとき、前記第1のローター周側面と前記ローターハウジングの内壁面の部位との間に形成された間隙、又は、区画手段を介して、前記燃焼室を前記第1の凹所が位置する燃焼ガス室と空気室とに区画し、前記燃焼ガス室で燃焼させると共に、戻し通路により前記空気室内の空気を前記吸気室、又は、前記吸気室の吸い込み側に戻すものである。
【0009】
また、請求項5記載のバンケル型ロータリーエンジンの燃焼方法は、ローターハウジングと、このローターハウジングの内壁面に第1、第2、第3の頂点を接触させながら回転するローターとを備えたバンケル型ロータリーエンジンの燃焼方法であって、前記ローターは、前記第1、第2、第3の頂点の順に回転するものであり、前記第1の頂点と前記第2の頂点を含む前記ローターの周側面は、第1のローター周側面であり、この第1のローター周側面に前記第2の頂点よりは前記第1の頂点に近い側に第1の凹所が形成され、前記第2の頂点と前記第3の頂点を含む前記ローターの周側面は、第2のローター周側面であり、この第2のローター周側面に前記第3の頂点よりは前記第2の頂点に近い側に第2の凹所が形成され、前記第3の頂点と前記第1の頂点を含む前記ローターの周側面は、第3のローター周側面であり、この第3のローター周側面に前記第1の頂点よりは前記第3の頂点に近い側に第3の凹所が形成され、前記ローターによって、前記ローターハウジング内を吸気室、燃焼室、排気室に区画され、前記吸気室に空気のみ、前記燃焼室に燃料を供給する直噴にあって、前記第1のローター周側面と前記第1のローター周側面に対向する前記ローターハウジングの内壁面の部位で囲まれた室が前記燃焼室、前記第2のローター周側面と前記第2のローター周側面に対向する前記ローターハウジングの内壁面の部位で囲まれた室が前記吸気室、前記第3のローター周側面と前記第3のローター周側面に対向する前記ローターハウジングの内壁面の部位で囲まれた室が前記排気室を形成するとき、前記第1のローター周側面と前記ローターハウジングの内壁面の部位との間に形成された間隙、又は、区画手段を介して、前記燃焼室を前記第1の凹所が位置する燃焼ガス室と空気室とに区画し、前記燃焼ガス室で燃焼させると共に、前記空気室内の空気を外気に放出するものである。
【0010】
また、請求項6記載のバンケル型ロータリーエンジンの燃焼方法は、請求項2〜5のいずれかに記載のバンケル型ロータリーエンジンの燃焼方法において、区画手段は、燃焼室に位置し、ローターハウジングの内壁面からローターに向かって突出し、ローター周側面に当接する突出部材か、又は、燃焼室に位置し、ローターハウジングの内壁面からローターに向かってバネで付勢された突出部材か、又は、第1のローター周側面からローターハウジングの内壁面に向かってバネで付勢された第1の突出部材と第2のローター周側面からローターハウジングの内壁面に向かってバネで付勢された第2の突出部材と第3のローター周側面からローターハウジングの内壁面に向かってバネで付勢された第3の突出部材とを有するものの何れかである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1記載のバンケル型ロータリーエンジンの燃焼方法によれば、第1のローター周側面と前記第1のローター周側面に対向するローターハウジングの内壁面の部位で囲まれた室が燃焼室、第2のローター周側面と前記第2のローター周側面に対向する前記ローターハウジングの内壁面の部位で囲まれた室が吸気室、第3のローター周側面と前記第3のローター周側面に対向するローターハウジングの内壁面の部位で囲まれた室が排気室を形成するとき、第1のローター周側面とローターハウジングの内壁面の部位との間に形成された間隙を介して、燃焼室を燃焼ガス室と未燃焼ガス室とに区画し、燃焼ガス室で燃焼させると共に、戻し通路により未燃焼ガス室内の未燃焼ガスを前記吸気室に戻すため、燃焼室の燃焼ガスの一部は、燃焼室に位置した第1の凹所(又は第2の凹所、又は第3の凹所)でも燃焼し、その燃焼力をローターを回動方向により作動させ、しかも、戻し通路により燃焼室の未燃焼ガスの一部を吸気室に導くようにして、ローターの回転を阻害する要因を防ぐようにして、効率を向上させることができる。
【0012】
また、請求項2記載のバンケル型ロータリーエンジンの燃焼方法によれば、第1のローター周側面と前記第1のローター周側面に対向するローターハウジングの内壁面の部位で囲まれた室が燃焼室、第2のローター周側面と前記第2のローター周側面に対向する前記ローターハウジングの内壁面の部位で囲まれた室が吸気室、第3のローター周側面と前記第3のローター周側面に対向するローターハウジングの内壁面の部位で囲まれた室が排気室を形成するとき、区画手段により、燃焼室を燃焼ガス室と未燃焼ガス室とに区画し、戻し通路により区画された未燃焼ガス室内の未燃焼ガスを吸気室に戻すため、燃焼室の燃焼ガスの一部は、燃焼室に位置した第1の凹所(又は第2の凹所、又は第3の凹所)でも燃焼し、その燃焼力をローターを回動方向により作動させ、しかも、戻し通路により燃焼室の未燃焼ガスの一部を吸気室に導くようにして、ローターの回転を阻害する要因を防ぐようにして、効率を向上させることができる。
【0013】
また、請求項3記載のバンケル型ロータリーエンジンの燃焼方法によれば、第1のローター周側面と前記第1のローター周側面に対向するローターハウジングの内壁面の部位で囲まれた室が燃焼室、第2のローター周側面と前記第2のローター周側面に対向する前記ローターハウジングの内壁面の部位で囲まれた室が吸気室、第3のローター周側面と前記第3のローター周側面に対向するローターハウジングの内壁面の部位で囲まれた室が排気室を形成するとき、区画手段により、燃焼室を燃焼ガス室と未燃焼ガス室とに区画し、戻し通路により区画された未燃焼ガス室内の未燃焼ガスを吸気室に戻すため、燃焼室の燃焼ガスの一部は、燃焼室に位置した第1の凹所(又は第2の凹所、又は第3の凹所)でも燃焼し、その燃焼力をローターを回動方向により作動させ、しかも、戻し通路により前記未燃焼ガス室内の未燃焼ガスを前記吸気室の吸い込み側に戻すようにして、ローターの回転を阻害する要因を防ぐようにして、効率を向上させることができる。
【0014】
また、請求項4記載のバンケル型ロータリーエンジンの燃焼方法によれば、第1のローター周側面と前記第1のローター周側面に対向するローターハウジングの内壁面の部位で囲まれた室が燃焼室、第2のローター周側面と前記第2のローター周側面に対向する前記ローターハウジングの内壁面の部位で囲まれた室が吸気室、第3のローター周側面と前記第3のローター周側面に対向するローターハウジングの内壁面の部位で囲まれた室が排気室を形成するとき、隙間又は区画手段により、燃焼室を燃焼ガス室と空気室とに区画し、戻し通路により区画された空気室内の空気を吸気室に戻すため、燃焼室の燃焼ガスの一部は、燃焼室に位置した第1の凹所(又は第2の凹所、又は第3の凹所)でも燃焼し、その燃焼力をローターを回動方向により作動させ、しかも、空気室内の空気を吸気室吸気室、又は、吸気室の吸い込み側に戻すようにして、ローターの回転を阻害する要因を防ぐようにして、効率を向上させることができる。
【0015】
また、請求項5記載のバンケル型ロータリーエンジンの燃焼方法によれば、第1のローター周側面と前記第1のローター周側面に対向するローターハウジングの内壁面の部位で囲まれた室が燃焼室、第2のローター周側面と前記第2のローター周側面に対向する前記ローターハウジングの内壁面の部位で囲まれた室が吸気室、第3のローター周側面と前記第3のローター周側面に対向するローターハウジングの内壁面の部位で囲まれた室が排気室を形成するとき、隙間又は区画手段により、燃焼室を燃焼ガス室と空気室とに区画し、外気通路により区画された空気室内の空気を外気に放出するため、燃焼室の燃焼ガスの一部は、燃焼室に位置した第1の凹所(又は第2の凹所、又は第3の凹所)でも燃焼し、その燃焼力をローターを回動方向により作動させ、しかも、空気室内の空気を外気に放出るようにして、ローターの回転を阻害する要因を防ぐようにして、効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、本発明の一実施例のバンケル型ロータリーエンジンのローター構造を示した概略的側断面図である。
【
図2】
図2は、
図1と異なる他の実施例のバンケル型ロータリーエンジンのローター構造を示した概略的側断面図である。
【
図3】
図3は、
図2と異なる他の実施例のバンケル型ロータリーエンジンのローター構造を示した概略的側断面図である。
【
図4】
図4(a)は、
図3のバンケル型ロータリーエンジンと異なる実施例のローター構造を示した概略的側断面図であり、
図4(b)は、
図4(a)の一部を拡大して示す概略的拡大一部側断面図である。
【
図5】
図5(a)は、
図4(a)のバンケル型ロータリーエンジンと異なる実施例のローター構造を示した概略的側断面図であり、
図5(b)は、
図5(a)の一部を拡大して示す概略的拡大一部側断面図である。
【
図6】
図6(a)は、
図6(a)のバンケル型ロータリーエンジンと異なる実施例のローター構造を示した概略的側断面図であり、
図6(b)は、
図6(a)の一部を拡大して示す概略的拡大一部側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の一実施例のバンケル型ロータリーエンジンの燃焼方法を図面を参照して説明する。
図1に示すRはバンケル型ロータリエンジンで、バンケル型ロータリエンジンRは、ローターハウジング1と、このローターハウジング1のトロコイド曲線に形成された内壁面に第1、第2、第3の頂点(アペックス)21、22、23を接触させながら回転するローター2とを備えたものである。なお、ローターハウジング1の両端には、図示しないサイドハウジングが設けられている。
ローター2に設けられたインターナルギヤ24と図示しないサイドハウジングの外歯車が噛み合うと共に、ローター2は、図示しないサイドハウジングを貫通するエキセントリックシャフト3に対して、遊星回転運動をするように支持され、ローター2の回転をエキセントリックシャフト3に伝達するようになっている。
【0018】
上記したローター2は、第1の頂点21、第2の頂点22、第3の頂点23の順に回転するものであり、第1の頂点21と第2の頂点22を含むローター2の周側面は、第1のローター周側面2Aであり、この第1のローター周側面2Aに第2の頂点22よりは第1の頂点21に近い側に第1の凹所2A1が形成されている。
また、第2の頂点22と第3の頂点23を含むローター2の周側面は、第2のローター周側面2Bであり、この第2のローター周側面2Bに第3の頂点23よりは第2の頂点22に近い側に第2の凹所2B1が形成されている。
また、第3の頂点23と第1の頂点21を含むローター2の周側面は、第3のローター周側面2Cであり、この第3のローター周側面2Cに第1の頂点21よりは第3の頂点23に近い側に第3の凹所2C1が形成されている。
【0019】
また、
図1に示すように、ローター2によって、ローターハウジング1内を吸気室1B、燃焼室1A(燃焼室1Aは、
図1の1A1+1A2である。)、排気室1Cに区画される。そして、第1のローター周側面2Aと第1のローター周側面2Aに対向するローターハウジング1の内壁面の部位で囲まれた室が燃焼室1A、第2のローター周側面2Bと第2のローター周側面2Bに対向するローターハウジング1の内壁面の部位で囲まれた室が吸気室1B、第3のローター周側面2Cと第3のローター周側面2Cに対向するローターハウジング1の内壁面の部位で囲まれた室が排気室1Cを形成するとき、第1のローター周側面2Aとローターハウジング1の内壁面の部位との間に形成された間隙Sを介して、燃焼室1Aを第1の凹所2A1が位置する燃焼ガス室1A1と未燃焼ガス室1A2とに区画し、燃焼ガス室1A1で燃焼させると共に、戻し通路Bにより未燃焼ガス室1A2内の未燃焼ガスを吸気室1Aに戻すようにしている。
戻し通路Bにより未燃焼ガス室1A2内の未燃焼ガスを吸気室1Aに戻すようにしたが、場合により、図示しない戻し通路により未燃焼ガス室1A2内の未燃焼ガスを吸気室1Bではなく、吸気室1Bの吸い込み側(図示せず)に戻すようにしても同様な効果を有する。
【0020】
なお、
図1に示す25は燃料と空気の混合物をローターハウジング1内に取り入れる吸気ポート、26は燃焼室1A内の燃焼ガスをローターハウジング1外へ排気する排気ポート、27は点火プラグ(例えば、沿面プラグ)である。
また、上述の吸気ポート25は、燃料と空気の混合物を取り入れるようにしたが、
図2に示す直噴エンジンの場合には、第1のローター周側面2Aとローターハウジング1の内壁面の部位との間に形成された間隙Sを介して、燃焼室1Aを第1の凹所2A1が位置する燃焼ガス室1A1と空気室1A2’とに区画し、吸気ポート25は空気のみを取り入れ、燃料供給通路Qを介して燃焼室1Aの燃焼ガス室1A1に燃料を供給するようにする。
また、吸気室1Bに空気のみ、燃料供給通路Qを介して燃焼室1A1に燃料を供給する
図3に示す直噴の場合、第1のローター周側面2Aとローターハウジング1の内壁面の部位との間に形成された間隙Sを介して、燃焼室1Aを第1の凹所2A1が位置する燃焼ガス室1A1と空気室1A2’とに区画し、バネにより付勢された弁Pにより、未燃焼ガス室1A2内の空気が所定圧に達したとき、未燃焼ガス室1A2内の空気は外気放出通路Hにより外気に放出するようにしている。
また、戻し通路Bは、
図1に示すように、ローターハウジング1内に設けられているが、本願発明にあっては、これに限らず、例えば、図示しないが、サイドハウジング内に設けても良いし、また、図示しないが、吸気室1Bと燃焼室1Aとを接続するパイプ等で形成するようにしても良い。
【0021】
従って、バンケル型ロータリーエンジンの燃焼方法によれば、第1のローター周側面2Aと第1のローター周側面2Aに対向するローターハウジング1の内壁面の部位で囲まれた室が燃焼室1A(燃焼室1Aは、
図1の1A1+1A2である。)、第2のローター周側面2Bと第2のローター周側面2Bに対向するローターハウジング1の内壁面の部位で囲まれた室が吸気室1B、第3のローター周側面2Cと第3のローター周側面2Cに対向するローターハウジング1の内壁面の部位で囲まれた室が排気室1Cを形成するとき(
図1参照)、第1のローター周側面2Aとローターハウジング1の内壁面の部位との間に形成された間隙Sを介して、燃焼室1Aを第1の凹所2A1が位置する燃焼ガス室1B1と未燃焼ガス室1B2とに区画し、燃焼ガス室1B1で燃焼させると共に、戻し通路Bにより未燃焼ガス室1B2内の未燃焼ガスを吸気室1Aに戻すようにしているため、燃焼室1Aの燃焼ガスの一部は、燃焼室1Aに位置した第1の凹所2A1でも燃焼し、その燃焼力をローター2を回動方向により作動させ、しかも、戻し通路Bにより燃焼室1Aの未燃焼ガスの一部を吸気室1Bに導くようにして、ローター2の回転を阻害する要因を防ぐようにして、効率を向上させることができる。
なお、図示しない戻し通路により未燃焼ガス室1A2内の未燃焼ガスを吸気室1Bではなく、吸気室1Bの吸い込み側(図示せず)に戻すようにしても上記と同様な効果を有する。
また、
図2及び
図3に示すように、吸気室1Bに空気のみ、燃焼室1A1に燃料供給通路Qを介して燃料を供給する直噴の場合、空気室1A2’内の空気は戻し通路B(
図2)又は、外気放出通路H(
図3)により外気に放出するようにしても、上記と同様な効果を有する。
また、第2の凹所2B1が燃焼室1Aに位置したときは、上述の第1の凹所2A1と同様、第2の凹所2B1でも燃焼し、その燃焼力をローター2を回動方向により作動させ、しかも、戻し通路Bにより燃焼室1Aの未燃焼ガスの一部を吸気室1Bに導くようにして、ローター2の回動方向への負荷を軽減させることができ、また、第3の凹所2C1が燃焼室1Aに位置したときは、上述の第1の凹所2A1と同様、第3の凹所2C1でも燃焼し、その燃焼力をローター2を回動方向により作動させ、しかも、戻し通路Bにより燃焼室1Aの未燃焼ガスの一部を吸気室1Bに導くようにして、ローター2の回動方向への負荷を軽減させることができる。
【0022】
なお、上述の実施例では、間隙Sを介して、燃焼室1Bを第1の凹所2A1が位置する燃焼ガス室1B1と未燃焼ガス室1B2とに区画したが、本願発明にあっては、これに限らず、例えば、
図4乃至
図6記載の区画手段Kによって区画するようにしても良い。
即ち、区画手段Kは、
図4(a)(b)に示すように、燃焼室1Aに位置し、ローターハウジング1の内壁面からローター2に向かって突出し、ローター周側面(2A、2B、2C)に当接する突出部材K1である。
また、区画手段Kは、
図5(a)(b)に示すように、燃焼室1Aに位置し、ローターハウジング1の内壁面からローター2に向かってバネ10で付勢された突出部材K2である。
また、区画手段Kは、
図6(a)(b)に示すように、第1のローター周側面2Aからローターハウジング1の内壁面に向かってバネ20で付勢された第1の突出部材K3と第2のローター周側面2Bからローターハウジング1の内壁面に向かってバネ30で付勢された第2の突出部材K4と第3のローター周側面2Cからローターハウジング1の内壁面に向かってバネ40で付勢された第3の突出部材K5とを有するものである。
なお、
図4(a)(b)、
図5(a)(b)及び
図6(a)(b)に示す区画手段K(K1、K2、K3、K4、K5)は、
図2及び
図3に示した吸気室1Bに空気のみ、燃焼室1A1に燃料供給通路Qを介して燃料を供給する直噴の場合にも同様に適用できるものである。
即ち、
図2、
図3の隙間Sの位置に区画手段K(K1、K2)を設けたり、区画手段K(K3、K4、K5)にあっては、
図2、
図3のローター2にそれぞれ第1の突出部材K3、第2の突出部材K4、第3の突出部材K5を設けることにより適用することができる。
【符号の説明】
【0023】
R バンケル型ロータリーエンジン
1 ローターハウジング
1A 吸気室
1B 燃焼室
1C 排気室
2 ローター
2A 第1のローター周側面
2A1 第1の凹所
2B 第2のローター周側面
2B1 第2の凹所
2C 第3のローター周側面
2C1 第3の凹所
21 第1の頂点
22 第2の頂点
23 第3の頂点
28 戻し通路