【解決手段】 広告効果測定システムは、サーバーと通信する第1通信部と、サーバーから送られてきた広告情報に含まれる広告コンテンツを出力する第1出力部と、周囲の端末と無線通信を行う第2通信部とを有する広告出力装置を備える。サーバーと通信する第3通信部と、周囲の端末と無線通信を行う第4通信部とを有する測定装置を備える。第2通信部で通信できた端末の識別情報と、通信した時間に関する情報と、通信した期間に第1出力部で出力された広告コンテンツとの関係を示す第1情報と、第4通信部で通信できた端末の識別情報と、通信した時間に関する情報と、入力装置を介して設定された広告識別情報であって第1出力部で出力される広告コンテンツに対応するものとの関係を示す第2情報とに基づいて、第1情報に含まれる端末と、第2情報に含まれる端末とで、識別情報が一致する端末を特定する。
前記広告出力装置と前記測定装置と前記サーバーの少なくとも一方は、前記第2情報に含まれる端末のうち、前記第2通信部と通信中の端末の数が、閾値以上である場合に、前記第2情報に含まれる前記広告識別情報に対応する広告コンテンツが前記第1出力部で出力される時間帯を早くするように前記タイムスケジュールを変更することを特徴とする請求項5に記載の広告効果測定システム。
前記演算における識別情報の一致判断では、前記識別情報を構成する文字列のうち、後ろの1文字若しくは2文字を除く部分が一致する場合に、前記第1情報に含まれる端末の識別情報と、前記第2情報に含まれる端末の識別情報が一致すると判断されることを特徴とする請求項1に記載の広告効果測定システム。
前記第2通信部のアンテナとして、第1出力部の出力面から出力方向に広がる一定領域が受信領域となるような指向性アンテナが用いられることを特徴とする請求項1に記載の広告効果測定システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、端末の位置情報を外部機器へ送信する動作など、端末側に広告効果を集計するための機能(ソフトウエア)を搭載させる必要がある。
【0005】
したがって本発明の目的は、端末側に特別な機能を搭載させずに、広告効果を測定することが出来るシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る広告効果測定システムは、サーバーと、サーバーと通信する第1通信部と、サーバーから送られてきた広告情報に含まれる広告コンテンツを出力する第1出力部と、周囲の端末と無線通信を行う第2通信部とを有する広告出力装置と、サーバーと通信する第3通信部と、周囲の端末と無線通信を行う第4通信部とを有する測定装置とを備え、第2通信部と第4通信部と端末の無線通信手段は、無線通信手段をオン状態にしている間、外部に自身の識別情報を発信するものであり、第2通信部で通信できた端末の識別情報と、通信した時間に関する情報と、通信した期間に第1出力部で出力された広告コンテンツに対応する広告識別情報との関係を示す第1情報と、第4通信部で通信できた端末の識別情報と、通信した時間に関する情報と、入力装置を介して設定された広告識別情報であって第1出力部で出力される広告コンテンツに対応するものとの関係を示す第2情報とに基づいて、サーバーと通信する演算装置と広告出力装置と測定装置とサーバーの少なくとも一方は、第1情報に含まれる端末と、第2情報に含まれる端末とで、識別情報が一致する端末であって広告識別情報の少なくとも一つが一致するものを特定する演算を行う。
【0007】
広告出力装置で広告効果測定対象物の広告コンテンツを出力する時に、広告出力装置の近くに居た人が保持する端末のうち、出力後(または出力前)に、測定装置の近くに来た人が保持する端末の数や割合を知ることが可能になり、広告を行ったことの効果を客観的な数値で示すことが可能になる。
【0008】
無線通信手段をオン状態にしている時に、自身が外部に発信している情報を、識別情報として用いるため、当該端末が、広告出力装置の第2通信部や測定装置の第4通信部と同じ無線通信手段を有していれば、当該端末との通信許可を得ずとも、また、当該端末に特別な機能やソフトウエアを搭載せずとも、当該端末の識別情報を取得することが可能になる。
【0009】
好ましくは、演算装置は、演算結果を出力する第2出力部を有し、第2出力部は、演算結果として、第1情報に含まれる端末のうち、第2情報に含まれる広告識別情報に対応する広告コンテンツが第1出力部で出力された時間帯に第2通信部と通信し、広告コンテンツが表示された後に、第4通信部と通信した端末に関する情報を出力する。
【0010】
また、好ましくは、演算装置は、演算結果を出力する第2出力部を有し、第2出力部は、演算結果として、第1情報に含まれる端末のうち、第2情報に含まれる広告識別情報に対応する広告コンテンツが第1出力部で出力された時間帯に第2通信部と通信し、広告コンテンツが表示される前に、第4通信部と通信した端末に関する情報と、第1情報に含まれる端末のうち、第2情報に含まれる広告識別情報に対応する広告コンテンツが第1出力部で出力された時間帯に第2通信部と通信し、広告コンテンツが表示された後に、第4通信部と通信した端末に関する情報を出力する。
【0011】
広告出力前と後の演算結果と並べて表示すれば、さらに広告出力効果を客観的に示すことが可能になる。
【0012】
また、好ましくは、測定装置と通信可能なPOSレジスターをさらに備え、第2情報に含まれる端末の識別情報は、POSレジスターから所定の情報が出力された時に、第4通信部と通信出来た端末の識別情報である。
【0013】
広告情報は、第1出力部で出力させる広告コンテンツのタイムスケジュールを含み、広告出力装置と測定装置とサーバーの少なくとも一方は、第1情報と第2情報に基づいて、タイムスケジュールを変更する。
【0014】
広告出力装置の近辺の端末(を保持する使用者)の多くが、近辺を通ったことがある場所に設置された測定装置(興味を示す可能性がある広告効果対象物の近傍に設置された測定装置)に対応する広告識別情報の広告コンテンツを広告出力装置に出力させることが可能になる。
【0015】
さらに好ましくは、広告出力装置と測定装置とサーバーの少なくとも一方は、第2情報に含まれる端末のうち、第2通信部と通信中の端末の数が、閾値以上である場合に、第2情報に含まれる広告識別情報に対応する広告コンテンツが第1出力部で出力される時間帯を早くするようにタイムスケジュールを変更する。
【0016】
また、好ましくは、演算における識別情報の一致判断では、識別情報を構成する文字列のうち、後ろの1文字若しくは2文字を除く部分が一致する場合に、第1情報に含まれる端末の識別情報と、第2情報に含まれる端末の識別情報が一致すると判断される。
【0017】
広告出力装置における第2通信部の無線通信手段と、測定装置における第4通信部の無線通信手段が異なるものである場合でも、識別情報の一致判断が可能になる。
【0018】
また、好ましくは、第2通信部のアンテナとして、第1出力部の出力面から出力方向に広がる一定領域が受信領域となるような指向性アンテナが用いられる。
【0019】
また、好ましくは、第2通信部は、第1出力部の出力面と対向する位置に配置され、第2通信部における第1出力部と対向する面の背面は遮蔽せず、前記第2通信部における背面以外は電波遮蔽部材で覆われる。
【0020】
これにより、第1出力部の近くにいるものの、第1出力部の映像出力を見たり音声出力を聞いたりしていない可能性が高い者が保有する端末との通信を行わず、第1出力部の映像出力を見たり音声出力を聞いたりした可能性が高い者が保有する端末との通信に限定させ、広告出力効果の精度を高めることが可能になる。
【発明の効果】
【0021】
以上のように本発明によれば、端末側に特別な機能を搭載させずに、広告効果を測定することが出来るシステムを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本実施形態について、図を用いて説明する。本実施形態における広告効果測定システム1は、広告出力装置10、測定装置30、サーバー50、広告効果出力装置70を備える(
図1、
図2参照)。
【0024】
広告出力装置10は、第1通信部11a、第2通信部11b、第1出力部13、第1制御部15を有する。
【0025】
第1通信部11aは、サーバー50と通信を行い、サーバー50から送られてきた広告情報を受信したり、携帯通信端末など第2通信部11bと通信出来た端末に関する情報(第1情報)をサーバー50に送信したりする。
【0026】
第1通信部11aを介した広告出力装置10とサーバー50との通信は、無線によるものであってもよいし、有線によるものであってもよい。
【0027】
広告情報は、第1出力部13で出力させる広告コンテンツと、当該広告コンテンツを第1出力部13で出力させるタイムスケジュール(日時と当該日時に出力させる広告コンテンツに対応する広告識別情報との関係を示す表、
図3参照)を含む。
【0028】
本実施形態では、2014年1月2日の9時59分から、1分間、広告識別情報:11の広告コンテンツを第1出力部13に出力させ、2014年1月2日の10時00分から、2分間、広告識別情報:12の広告コンテンツを第1出力部13に出力させ、2014年1月2日の10時02分から、1分間、広告識別情報:13の広告コンテンツを第1出力部13に出力させ、2014年1月2日の10時03分から、1分間、広告識別情報:14の広告コンテンツを第1出力部13に出力させ、2014年1月2日の10時04分から、1分間、広告識別情報:15の広告コンテンツを第1出力部13に出力させ、2014年1月2日の10時05分から、2分間、広告識別情報:12の広告コンテンツを第1出力部13に出力させ、2014年1月2日の10時07分から、1分間、広告識別情報:13の広告コンテンツを第1出力部13に出力させるものとして説明する。
【0029】
第2通信部11bは、広告出力装置10から近距離無線通信を行い、広告出力装置10の周囲の端末と通信を行い、当該端末の識別情報(識別子)を取得する。
なお、第2通信部11bと端末との通信は、当該端末の識別情報の取得と、通信可能な時間を測定するためのものであり、当該端末側からの接続許可通知など、他のデータの送受信を行う必要はない。
【0030】
第2通信部11bや第2通信部11bと無線通信を行う端末の無線通信手段は、当該無線通信手段をオン状態にしている間、外部に自身の識別情報を発信するもので、IEEE802.15.1(Bluetooth(登録商標))や、IEEE802.11(無線LAN)など、が考えられる。
1つの通信装置(例えば、IEEE802.11)で、第1通信部11aと第2通信部11bを兼ねる形態であってもよい。
【0031】
第2通信部11bを介して通信出来た端末に関する情報(第1情報)は、端末番号、通信開始時刻、通信終了時刻、端末の識別情報、及び通信期間中の広告識別情報を有する(
図4参照)。
【0032】
端末番号は、第1情報の管理用に割り振りされた番号で、たとえば、本実施形態では、第2通信部11bを介して通信出来た順に、(1)、(2)、(3)・・・と、割り振りされる。
【0033】
通信期間中の広告識別情報は、端末が第2通信部11bを介して広告出力装置10と通信可能な状態である期間中(通信期間中)に、第1出力部13を介して出力された広告コンテンツに対応する識別番号である。
【0034】
端末を保持する者が広告出力装置10の近辺に滞在する時間が長い、すなわち、端末と第2通信部11bとの通信期間が長い場合には、その間に、複数の広告コンテンツが第1出力部13から出力される可能性がある。
【0035】
この場合には、第1情報として、複数の広告識別情報が付与される。
【0036】
例えば、本実施形態では、端末番号:(1)の端末は、2014年1月2日の10時00分から10時06分までの間、第2通信部11bを介して広告出力装置10と通信可能な状態であり、2014年1月2日の10時00分から10時06分までの間に、4つの広告コンテンツ(広告識別情報:12、13、14、15に対応する広告コンテンツ)が第1出力部13から出力されたので、端末番号:(1)の端末に対応する広告識別情報は、12と13と14と15と設定される。
【0037】
なお、第1情報に含める通信期間中の広告識別情報は、端末が第2通信部11bと通信可能な状態である期間だけに限定させる形態だけでなく、通信のタイムラグなどを考慮し、通信開始時刻の前の数分間に第1出力部13で出力された広告コンテンツに対応する広告識別情報や、通信終了時刻の後の数分間に第1出力部13で出力された広告コンテンツに対応する広告識別情報も、当該通信期間中の広告識別情報に含める形態であってもよい。
【0038】
第1出力部13は、広告情報に含まれるタイムスケジュールに従って、サーバー50から送られてきた広告コンテンツを画像または音声で出力する。
【0039】
広告出力装置10の制御部(第1制御部15)は、第1通信部11aや第2通信部11bや第1出力部13を制御し、広告情報に含まれるタイムスケジュールと、第2通信部11bを介して通信出来た端末ごとの通信開始時刻と通信終了時刻に関する情報と、当該通信開始時刻から通信終了時刻までの間(通信期間中)に第1出力部13を介して出力された広告コンテンツに対応する広告識別情報とに基づいて、第1情報(
図4参照)を生成し、第1通信部11aを介して、サーバー50に送信する。
【0040】
第1情報の更新や、第1情報のサーバー50への送信は、第1時間t1(例えば、t1=1時間)ごとに行われる。
【0041】
本実施形態では、広告出力装置10の第1制御部15が、第1情報を生成して、サーバー50に送信する形態を説明するが、第1制御部15が、第1情報の一部(第2通信部11bを介して通信出来た端末ごとの通信開始時刻と通信終了時刻に関する情報)をサーバー50に送信し、サーバー50の第3制御部55が、第1情報を生成する形態であってもよい。
【0042】
測定装置30は、第3通信部31a、第4通信部31b、第2制御部35を有し、広告出力装置10の第1出力部13を介して出力される広告の効果測定対象物(商品や店やサービスなど)が設置されたり提供されたりする場所に配置される。
【0043】
第3通信部31aは、サーバー50と通信を行い、携帯通信端末など第4通信部31bと通信出来た端末に関する情報(第2情報)をサーバー50に送信する。
【0044】
第3通信部31aを介した測定装置30とサーバー50との通信は、無線によるものであってもよいし、有線によるものであってもよい。
【0045】
第4通信部31bは、測定装置30から近距離無線通信を行い、測定装置30の周囲の端末と通信を行い、当該端末の識別情報(識別子)を取得する。
なお、第4通信部31bと端末との通信は、当該端末の識別情報の取得と、通信可能な時間を測定するためのものであり、当該端末側からの接続許可通知など、他のデータの送受信を行う必要はない。
【0046】
第4通信部31bや第4通信部31bと無線通信を行う端末の無線通信手段は、当該無線通信手段をオン状態にしている間、外部に自身の識別情報を発信するもので、IEEE802.15.1(Bluetooth(登録商標))や、IEEE802.11(無線LAN)が考えられ、少なくとも第2通信部11bで使用される無線通信手段を1つ以上有するのが望ましい。
1つの通信装置(例えば、IEEE802.11)で、第3通信部31aと第4通信部31bを兼ねる形態であってもよい。
【0047】
第4通信部31bを介して通信出来た端末に関する情報(第2情報)は、端末番号、通信開始時刻、通信終了時刻、端末の識別情報、及び測定装置30の設置条件に関連した広告識別情報を有する。
【0048】
端末番号は、第2情報の管理用に割り振りされた番号で、たとえば、本実施形態では、第4通信部31bを介して通信出来た順に、(A)、(B)、(C)・・・と、割り振りされる。
【0049】
測定装置30の設置条件に関連した広告識別情報は、測定装置30の近傍に配置された広告効果測定対象物(商品や店やサービス)に対応した広告であって、第1出力部13を介して出力されるものに対応する識別情報で、広告効果出力装置70の入力部77などを介して、使用者により予め設定される。
【0050】
広告効果測定対象物が変わらない限りは、第2情報に含まれる広告識別情報は、総ての端末について同じ値を示す。
【0051】
本実施形態では、測定装置30が、広告識別情報:12に対応する広告コンテンツに関連する商品または店またはサービスを提供する場所に配置された例を示す。
【0052】
測定装置30の制御部(第2制御部35)は、第3通信部31aや第4通信部31bを制御し、第4通信部31bを介して通信出来た端末ごとの通信開始時刻と通信終了時刻に関する情報と、測定装置30の設置条件に関連した広告識別情報とに基づいて、第2情報(
図5参照)を生成し、第3通信部31aを介して、サーバー50に送信する。
【0053】
第2情報のサーバー50への送信は、第1時間t1(例えば、t1=1時間)ごとに行われる。
【0054】
本実施形態では、測定装置30の第2制御部35が、第2情報を生成して、サーバー50に送信する形態を説明するが、第2制御部35が、第2情報の一部(第4通信部31bを介して通信出来た端末ごとの通信開始時刻と通信終了時刻に関する情報)をサーバー50に送信し、サーバー50の第3制御部55が、第2情報を生成する形態であってもよい。
【0055】
第2通信部11bの通信距離(到達距離)d2や、第4通信部31bの通信距離(到達距離)d4は、所定の値に調整されるのが望ましく、少なくとも、第2通信部11bの通信距離と第4通信部31bの通信距離の和が、広告出力装置10と測定装置30の距離よりも短くなるように、第2通信部11bと第4通信部31bの電波強度が設定される。
【0056】
サーバー50は、第5通信部51、第3制御部55、記録部57を有する。
【0057】
第5通信部51は、広告出力装置10の第1通信部11aや、測定装置30の第3通信部31aと通信し、第5通信部51を介して、サーバー50は、広告出力装置10へ広告情報を送信し、広告効果出力装置70へ第3情報を送信し、広告出力装置10から第1情報を受信し、測定装置30から第2情報を受信し、広告効果出力装置70から入力情報を受信する。
【0058】
サーバー50の制御部(第3制御部55)は、第5通信部51や記録部57を制御し、第1情報と第2情報とを比較し、識別情報が一致する端末であって広告識別情報の少なくとも一つが一致するものを特定する演算を行う。
【0059】
具体的には、第3制御部55は、第1情報に含まれる端末(第2通信部11bを介して通信出来た端末)の中から、第2情報に含まれる端末(第4通信部31bを介して通信出来た端末)の識別情報が一致し広告識別情報の少なくとも一つが一致するものであり、且つ所定の測定期間t2に第4通信部31bと通信を行ったものを特定する。
【0060】
測定期間t2は、後述する広告効果出力装置70の入力部77を介して設定される。
【0061】
図4に例示される第1情報に含まれる端末(端末番号(1)〜(6))における端末番号(1)と、
図5に例示される第2情報に含まれる端末(端末番号(A)〜(F))における端末番号(A)とは、端末の識別情報:(5C:59:48:DE:F7:2D)が一致し、端末番号(A)の広告識別情報12は、端末番号(1)の広告識別番号の1つに含まれるものである。
【0062】
図4に例示される第1情報に含まれる端末(端末番号(1)〜(6))における端末番号(3)と、
図5に例示される第2情報に含まれる端末(端末番号(A)〜(F))における端末番号(C)とは、端末の識別情報が(00:88:65:05:12:D1)一致し、端末番号(C)の広告識別情報12は、端末番号(3)の広告識別番号の1つに含まれるものである。
【0063】
図4に例示される第1情報に含まれる端末(端末番号(1)〜(6))における端末番号(5)と、
図5に例示される第2情報に含まれる端末(端末番号(A)〜(F))における端末番号(F)とは、端末の識別情報(B4:F0:AB:CC:2B:F3)が一致するが、端末番号(F)の広告識別情報12は、端末番号(5)の広告識別番号に含まれない。
【0064】
図4に例示される第1情報に含まれる端末(端末番号(1)〜(6))における端末番号(2)(4)(6)と端末の識別情報が一致するものは、
図5に例示される第2情報に含まれる端末(端末番号(A)〜(F))には無い。
【0065】
従って、
図4と
図5に示される例では、第1情報と第2情報とで端末の識別情報が一致し広告識別情報の少なくとも一つが一致する端末は、2台(端末番号(1)(3))であると判断される。
【0066】
第3制御部55は、演算結果に基づいて、広告測定効果に関する情報(第3情報)を生成し、第5通信部51を介して、広告効果出力装置70で閲覧可能な状態にする。
【0067】
すなわち、第1情報と第2情報とを比較し、識別情報が一致し広告識別情報の少なくとも一つが一致する端末を特定する演算の結果として、第1情報に含まれる端末のうち、第2情報に含まれる広告識別情報に対応する広告コンテンツが第1出力部13で出力された時間帯に第2通信部11bと通信し、所定の測定期間t2に、第4通信部31bと通信した端末に関する情報(第3情報)が生成される。
【0068】
広告測定効果に関する情報は、広告識別情報と、広告効果測定対象物に対応する広告コンテンツを第1出力部13で出力した時間帯や時間(広告出力期間)と、当該広告コンテンツを出力中で第2通信部11bを介して通信出来た端末の数(広告出力装置10と通信した端末数)と、測定装置30における測定期間t2と、当該測定期間t2内で第4通信部31bを介して通信出来た端末の数(測定装置30と通信した端末数)と、第1情報と第2情報とで識別情報が一致した端末の数を有する(
図6参照)。
【0069】
なお、端末の識別情報の一致判断は、上述したように、識別情報のすべての文字(記号や数字)が一致しているか否かで判断する形態であってもよいが、一部の文字が不一致であっても残りの文字が一致していれば、識別情報が一致すると判断する形態であってもよい。
【0070】
たとえば、識別情報が、12文字の文字列で構成されている場合に、当該12文字のうち、前11文字が一致していれば、最後の1文字が不一致であっても、識別情報が一致すると判断する形態が考えられる。
【0071】
端末が2以上の無線通信手段を有する場合、当該端末における一方の無線通信手段の識別情報と、他方の無線通信手段の識別情報とは、最後の1文字(または2文字)だけが異なり、前の11文字(または10文字)が同じである可能性が高い。
【0072】
このため、識別情報を構成する文字列の多くが一致している場合に、識別情報が一致していると判断することにより、広告出力装置10における第2通信部11bの無線通信手段と、測定装置30における第4通信部31bの無線通信手段が異なるものである場合でも、識別情報の一致判断が可能になる。
【0073】
記録部57は、第1情報、第2情報、第3情報を記録する。
【0074】
本実施形態では、サーバー50の第3制御部55が、第3情報を生成して、広告効果出力装置70で閲覧可能な状態にする形態を説明するが、広告出力装置10と測定装置30と広告効果出力装置70のいずれかがサーバー50から第1情報と第2情報を受け取って、第3情報を生成する(識別情報の一致などを判断する)形態であってもよい。
【0075】
広告効果出力装置(演算装置)70は、パーソナルコンピュータなどであり、第6通信部71、第2出力部73、第4制御部75、入力部77を有する。
【0076】
第6通信部71は、サーバー50と通信を行い、入力部77を介した入力情報をサーバー50へ送信し、サーバー50で生成された第3情報を受信する。
【0077】
第2出力部73は、サーバー50で生成された第3情報や、入力部77を介して入力情報を入力するための情報を画像または音声で出力する。
【0078】
広告効果出力装置70の制御部(第4制御部75)は、第6通信部71や第2出力部73や入力部77を制御する。
【0079】
入力部77は、キーボードなどで構成され、広告コンテンツをサーバー50へアップロードするための指示、タイムスケジュールの設定、測定装置30の設置条件に関連した広告識別情報の設定、測定期間t2の設定、第3情報をサーバー50からダウンロードさせるための指示を含む入力情報を入力するために使用される。
【0080】
なお、キーボードなどで構成され、広告コンテンツをサーバー50へアップロードするための指示、タイムスケジュールの設定、測定装置30の設置条件に関連した広告識別情報の設定、測定期間t2の設定のための入力装置は、広告効果出力装置70とは別のクライアントであってもよい。
【0081】
本実施形態では、広告出力装置10で広告効果測定対象物の広告コンテンツを出力する時に、広告出力装置10の近くに居た人が保持する端末のうち、出力後(または出力前)に、測定装置30の近くに来た人が保持する端末の数や割合を知ることが可能になり、広告を行ったことの効果を客観的な数値で示すことが可能になる。
【0082】
無線通信手段をオン状態にしている時に、自身が外部に発信している情報を、識別情報として用いるため、当該端末が、広告出力装置10の第2通信部11bや測定装置30の第4通信部31bと同じ無線通信手段を有していれば、当該端末との通信許可を得ずとも、また、当該端末に特別な機能やソフトウエアを搭載せずとも、当該端末の識別情報を取得することが可能になる。
【0083】
例えば、特定の駅前広場に、広告出力装置10を設置し、当該駅前広場から離れた場所にある店舗に測定装置30を設置し、当該店舗に関連する広告コンテンツを第1出力部13に出力させた場合に、出力後に、当該店舗の来客のうち、当該広告コンテンツを出力中に広告出力装置10の近くいた人の数や割合を知ることが出来る。
【0084】
広告出力装置10の近くに居たからといって、当該広告コンテンツの出力を見たとは限らないし、当該広告コンテンツを見たことだけが理由で来店したとは限らないが、当該広告コンテンツを広告出力装置10で出力させたことによる来店効果を推定する材料に利用することが出来る。
【0085】
また、測定期間t2を2以上設定し、それぞれについて第3情報を出力することで、広告出力装置10による広告コンテンツの出力による効果を更に客観的に示すことが可能になる。
【0086】
例えば、広告出力装置10で広告コンテンツを出力する前の期間を測定期間t2の1つに設定した場合には、広告出力装置10による広告コンテンツの出力に関係なく、広告出力装置10の近辺と測定装置30の近辺の両方に居た人が保持する端末を特定することが出来る。
【0087】
広告出力装置10で広告コンテンツを出力した後の期間を測定期間t2の1つに設定した場合には、広告出力装置10による広告コンテンツの出力に起因して、広告出力装置10の近辺と測定装置30の近辺の両方に居た可能性がある人が保持する端末を特定することが出来る。
【0088】
このため、
図7に示すように、広告出力前と後の演算結果と並べて表示すれば、1つの測定期間t2に対応した第3情報だけを表示する形態(
図6参照)よりも、広告出力効果を客観的に示すことが可能になる。
【0089】
図7では、例として、広告出力装置10で広告コンテンツを出力する前の測定期間t2(測定期間(1)と表示)に、測定装置30と通信した端末が8台で、そのうち、識別情報が、広告出力装置10と通信した端末のものと一致した端末が0台で、広告出力装置10で広告コンテンツを出力した後の測定期間t2(測定期間(2)と表示)に、測定装置30と通信した端末が6台で、そのうち、識別情報が、広告出力装置10と通信した端末のものと一致した端末が3台である状態を示す。
【0090】
なお、広告出力装置10や測定装置30は、複数台設ける形態であってもよい。
複数の広告出力装置10が設けられた場合には、広告出力装置10ごとに第1情報を得ることが出来、複数の測定装置30であって、それぞれが異なる広告識別情報を設定したものである場合には、サーバー50は、測定装置30ごとに第2情報を得ることが出来る。
【0091】
また、測定装置30を店舗のキャッシュレジスター(金銭登録機)の近傍に配置し、来店者のうち商品やサービスの購入者が保持する端末に関する情報だけを第2情報とする形態であってもよい。
【0092】
例えば、POSシステム(point of sales system)のレジスター(以下、「POSレジスター90」とする)の近傍に測定装置30を配置する形態が考えられる(
図8参照)。
【0093】
第4通信部31bの通信距離(到達距離)をPOSレジスター90から1m程度の近距離に設定した場合には、第2情報として特定される端末(第4通信部31bと通信出来た端末)の殆どは、POSレジスター90を介して商品やサービスの購入手続を行ったものが保持する端末に限定出来る。
【0094】
さらに、POSレジスター90と測定装置30の第3通信部31a若しくは第4通信部31bとが通信可能な状態にし、POSレジスター90を介して、特定の商品や特定のサービスなど、広告の効果測定対象物についての購入手続が行われたことを示す情報(購入手続情報、所定の情報)を、POSレジスター90から測定装置30へ送信し、当該購入手続情報を受信してから第3時間t3(例えば5秒)だけの間に、第4通信部31bと通信出来た端末に関する情報を第2情報とする形態であってもよい。
【0095】
この場合には、第2情報として特定される端末(第4通信部31bと通信出来た端末)の殆どは、特定の商品若しくは特定のサービスの購買者が保持する端末に限定出来る。
【0096】
なお、POSレジスター90と、測定装置30の間の通信は、第3通信部31aや第4通信部31bを介して行われる形態であってもよいし、他の通信手段を介して行われる形態であってもよい。
【0097】
たとえば、POSレジスター90が、特定の商品や特定のサービスなど、広告の効果測定対象物についての購入手続が行われたことを示す情報として、光や音を出力し、測定装置30に設けられたセンサーが当該光や音を検知し、検知してから第3時間t3の間に、第4通信部31bと通信出来た端末に関する情報を第2情報とする形態が考えられる。
【0098】
なお、広告情報に含まれるタイムスケジュールは、広告効果出力装置70を介して、使用者により、予め設定される形態であってもよいが、第1情報と第2情報に基づいて、タイムスケジュールを調整する形態であってもよい。
【0099】
具体的には、サーバー50の第3制御部55は、測定装置30で得られた第2情報に含まれる端末(第4通信部31bと通信出来た端末)であって、広告出力装置10で通信中の端末の中で、識別情報が一致する端末、すなわち、第2情報に含まれる端末のうち、第2通信部11bと通信中の端末を特定する。
【0100】
特定出来た端末の数が、入力部77などを介して設定された閾値以上である場合には、サーバー50の第3制御部55は、測定装置30に対応する広告識別情報(測定装置30の設置条件に関連した広告識別情報)の広告コンテンツを優先的に第1出力部13に出力させるように広告情報に含まれるタイムスケジュールを書き換え、かかる広告情報を広告出力装置10に送信する。
【0101】
たとえば、サーバー50の第3制御部55は、広告情報に含まれるタイムスケジュールについて、測定装置30に対応する広告識別情報の広告コンテンツを出力させる時間帯を書き換え前よりも早い時間帯に入れ替えする。
【0102】
広告出力装置10の第1制御部15は、書き換えられたタイムスケジュールに従って、第1出力部13に、サーバー50から送られてきた広告コンテンツを出力させる。
【0103】
これにより、広告出力装置10の近辺の端末(を保持する使用者)の多くが、近辺を通ったことがある場所に設置された測定装置30(興味を示す可能性がある広告効果対象物の近傍に設置された測定装置30)に対応する広告識別情報の広告コンテンツを広告出力装置10の第1出力部13に出力させることが可能になる。
【0104】
なお、第2通信部11bは、特定の領域からの電波だけを受信しやすく、他の方向からの電波を受信しにくくなるように指向性を持たせた状態で、広告出力装置10に設けられるのが望ましい。
【0105】
たとえば、第2通信部11bのアンテナとして、第1出力部13の出力面(映像出力面若しくは音声出力面)から出力方向(映像若しくは音声が出力される方向)に広がる一定領域が受信領域となり、第1出力部13の出力面の裏面など、当該一定領域外は第1出力部13の近くでも受信領域から外れるような指向性アンテナが用いられる形態が考えられる(
図9参照)。
【0106】
当該一定領域にある端末(第1出力部13の映像出力を見たり音声出力を聞いたりしている可能性が高い者が保有する端末)とは通信が行われやすいが、当該一定領域外にある端末とは通信が行われにくい状態になる。
【0107】
また、たとえば、第2通信部11bは、第1出力部13の出力面(映像出力面若しくは音声出力面)と対向する位置に配置され、第2通信部11bにおける第1出力部13と対向する面の背面は遮蔽せず、第2通信部11bの他の面は電波遮蔽部材12で覆われる形態が考えられる(
図10参照)。
【0108】
電波遮蔽部材12は、磁性体、金属、コンクリートなどが考えられる。
【0109】
電波遮蔽部材12で覆われた部分を介して、端末と第2通信部11bとは通信が行われにくい状態になるため、遮蔽しなかった面と対向する位置にある端末(第1出力部13の映像出力を見たり音声出力を聞いたりしている可能性が高い者が保有する端末)とは通信が行われやすいが、遮蔽しなかった面と対向しない位置にある端末とは通信が行われにくい状態になる。
【0110】
これにより、第1出力部13の近くにいるものの、第1出力部13の映像出力を見たり音声出力を聞いたりしていない可能性が高い者が保有する端末との通信を行わず、第1出力部13の映像出力を見たり音声出力を聞いたりした可能性が高い者が保有する端末との通信に限定させ、広告出力効果の精度を高めることが可能になる。
前記第2通信部のアンテナとして、第1出力部の出力面から出力方向に広がる一定領域が受信領域となるような指向性アンテナが用いられることを特徴とする請求項1に記載の広告効果測定システム。