(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-99873(P2016-99873A)
(43)【公開日】2016年5月30日
(54)【発明の名称】電子コンテンツ管理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20160425BHJP
G06Q 10/00 20120101ALI20160425BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q10/00 120
G06Q50/10 180
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-237790(P2014-237790)
(22)【出願日】2014年11月25日
(71)【出願人】
【識別番号】514300395
【氏名又は名称】株式会社グロリアス
(74)【代理人】
【識別番号】110000073
【氏名又は名称】特許業務法人プロテック
(74)【代理人】
【識別番号】100167070
【弁理士】
【氏名又は名称】狹武 哲詩
(72)【発明者】
【氏名】黒岩 賢太郎
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA02
5L049CC11
5L049CC20
(57)【要約】
【課題】多数のタブレット型PCなどの携帯端末上で利用される電子コンテンツに関して、管理端末から一方的に情報を配信するのみならず、当該の携帯端末上での電子コンテンツの利用状況やその視聴者からの反応や要望を収集することで、携帯端末上での電子コンテンツの利便性を高めることができるシステムを提供する。
【解決手段】電子コンテンツを配信する管理者側において、(1)配信されて電子コンテンツの利用状況、(2)携帯端末上での動作ログ情報、(3)顧客からのフィードバック情報を取得し、これらの情報を総合的に分析することにより、詳細なプレゼンテーションの効果測定が可能となる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末上で再生可能な電子コンテンツを携帯端末に配信する電子コンテンツ管理システムであって、
電子コンテンツ及び携帯端末の識別情報を記憶する記憶手段と、
前記電子コンテンツを携帯端末に配信する配信管理手段と、
携帯端末上で前記電子コンテンツが再生されている時に携帯端末によって記録される動作ログを当該携帯端末から取得する動作ログ取得手段と、
携帯端末上で再生される前記電子コンテンツに対する視聴者の反応に関するフィードバック情報を当該携帯端末から取得するフィードバック情報収集手段と
を有する管理サーバと、
前記管理サーバから配信される電子コンテンツを再生する手段と、当該電子コンテンツを再生している時に動作ログを記録する手段と、当該電子コンテンツの視聴者からの反応に関するフィードバック情報の入力を受け付ける手段と、前記動作ログ、フィードバック情報並びに当該電子コンテンツの利用状況を前記管理サーバに送信する手段とを有する携帯端末と
から構成される電子コンテンツ管理システム。
【請求項2】
前記管理サーバが、
前記配信管理手段により取得される、配信した電子コンテンツの携帯端末におけるダウンロード状況及び利用状況に関する情報と、
前記動作ログ取得手段により取得される動作ログと、
前記フィードバック情報収集手段により取得されるフィードバック情報と
に基づいて、携帯端末上での電子コンテンツの再生による視聴者への効果を分析する効果分析手段をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の電子コンテンツ管理システム。
【請求項3】
前記管理サーバが、電子コンテンツに関する付加情報を予め記憶しており、
前記携帯端末が、配信された電子コンテンツに関する付加情報を前記管理サーバに要求すると
前記管理サーバの配信管理手段が、当該要求に応じて付加情報を前記携帯端末に送信することを特徴とする請求項1又は2に記載の電子コンテンツ管理システム。
【請求項4】
前記携帯端末が、前記管理サーバと通信不可能な状態においても、前記電子コンテンツの利用状況、前記動作ログ及び前記フィードバック情報を記録しており、前記管理サーバと通信可能となったときに、当該記録した情報を前記管理サーバに送信することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の電子コンテンツ管理システム。
【請求項5】
前記管理サーバが、複数の携帯端末ユーザに対し各々の属性に応じて複数の電子コンテンツを適切な順序・タイミングで配信するため予め定められた配信ポリシーを記憶しており、
前記配信管理手段は、前記配信ポリシーに従って前記電子コンテンツを携帯端末に配信することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の電子コンテンツ管理システム。
【請求項6】
前記効果分析手段は、
前記配信ポリシーと、
前記電子コンテンツの携帯端末におけるダウンロード状況及び利用状況に関する情報と、
前記動作ログ取得手段により取得される動作ログと、
前記フィードバック情報収集手段により取得されるフィードバック情報と
に基づいて、
携帯端末ユーザごとの効果分析及び携帯端末ユーザ集団の効果分析を行うことを特徴とする請求項5に記載の電子コンテンツ管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子コンテンツ管理システムに関し、特に、多数のタブレット型PCなどの携帯端末上で利用される電子コンテンツの内容や利用状況を集中的に管理することができる電子コンテンツ管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
タブレット型PCやスマートフォンなどの携帯端末が広く普及したことにより、電子コンテンツの利用形態が多様化し、ユーザに様々な便益がもたらされている。タブレット型PCやスマートフォンの携帯性の良さと無線通信環境の普及により、これまで電子メールで送受信していた電子コンテンツを、タブレット型PCやスマートフォンに記憶させておき、これを持ち運びながら必要に応じて随時電子コンテンツを表示させるという新たな情報伝達の方法が広がっている。電子コンテンツを電子メールで送信しても相手がそれを受信して視聴したか否かを確かめることができないのに対して、タブレット型PCやスマートフォン上で電子メールを表示させて直接見せることで、相手に確実に視聴させることができることに加え、相手の反応を見たり質問に答えたりするといったコミュニケーションが可能である。
【0003】
このような携帯端末上の電子コンテンツの利用方法とコミュニケーションは、特にビジネスの現場において、営業活動やマーケティング、従業員教育、プレゼンテーションなどを行う際に有用性が見出されている。例えば、営業マンがタブレット型PC上で自社製品を紹介する電子コンテンツを顧客に視聴させながら製品の売込みをする場面が想定される。無線通信可能なタブレット型PCであれば、会社内の管理端末と通信しながら、必要に応じた情報を管理端末から都度取得して顧客に提示するといったインタラクティブな商談をすることも可能である。
【0004】
特許文献1には、営業員端末と通信可能に接続されたサーバを設置し、営業員端末から顧客が有する電化機器の情報をサーバに送信し、サーバから推薦する電化機器の情報を営業員端末に出力することで、営業員に対し電化機器の販売活動をサポートする営業販売促進方法が提案されている。
【0005】
また、従業員教育の場面においては、教育コンテンツを電子書籍や動画などの電子コンテンツの形式で従業員の持つ携帯端末に配信して視聴させる形態が考えられるが、この場合に各人の職種・役職・資質などに応じて配信内容や順序・タイミングを調整することで教育効果を最大化することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2013−168039号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に提案されているような従来の携帯端末を利用した営業販売促進方法では、携帯端末の通信機能により顧客へのリアルタイムな情報提供は可能であるが、一方で顧客の反応や要望を収集したり、営業マンが携帯端末を利用してどのような営業活動を行い、どれだけの成果が上がっているかという情報を把握したりするためには、従来の口頭・文書での報告ベースとなってしまい、携帯端末の利点がうまく生かされていないという状況であった。
【0008】
また、従業員教育の場面においては、各人の職種・役職・資質などに応じて配信内容や順序・タイミングを調整するのは効果的であるが、各人が実際にどのコンテンツに対してどのような利用の仕方をしたのかを把握することができず、組織全体としてどの程度教育効果が上がっているのかを測定する手段は存在しなかった。
【0009】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、多数のタブレット型PCなどの携帯端末上で利用される電子コンテンツに関して、管理端末から一方的に情報を配信するのみならず、当該の携帯端末上での電子コンテンツの利用状況やその視聴者からの反応や要望を収集することで、携帯端末上での電子コンテンツの利便性を高めるとともに、管理者側で電子コンテンツ利用の詳細な効果分析を行うことができるシステムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記解決課題に鑑みて鋭意研究の結果、本発明者は、電子コンテンツを配信する管理者側において、(1)配信された電子コンテンツの利用状況、(2)携帯端末上での動作ログ情報、(3)顧客からのフィードバック情報を取得し、これらの情報を総合的に分析することにより、詳細なプレゼンテーションの効果測定が可能となることに想到し、本発明を成すに至った。
【0011】
すなわち、本発明は、携帯端末上で再生可能な電子コンテンツを携帯端末に配信する電子コンテンツ管理システムであって、
電子コンテンツ及び携帯端末の識別情報を記憶する記憶手段と、前記電子コンテンツを携帯端末に配信する配信管理手段と、携帯端末上で前記電子コンテンツが再生されている時に携帯端末によって記録される動作ログを当該携帯端末から取得する動作ログ取得手段と、携帯端末上で再生される前記電子コンテンツに対する視聴者の反応に関するフィードバック情報を当該携帯端末から取得するフィードバック情報収集手段とを有する管理サーバと、
前記管理サーバから配信される電子コンテンツを再生する手段と、当該電子コンテンツを再生している時に動作ログを記録する手段と、当該電子コンテンツの視聴者からの反応に関するフィードバック情報の入力を受け付ける手段と、前記動作ログ、フィードバック情報並びに当該電子コンテンツの利用状況を前記管理サーバに送信する手段とを有する携帯端末とから構成される電子コンテンツ管理システムを提供するものである。
【0012】
本発明の電子コンテンツ管理システムにおいて、前記管理サーバが、前記配信管理手段により取得される、配信した電子コンテンツの携帯端末におけるダウンロード状況及び利用状況に関する情報と、前記動作ログ取得手段により取得される動作ログと、前記フィードバック情報収集手段により取得されるフィードバック情報とに基づいて、携帯端末上での電子コンテンツの再生による視聴者への効果を分析する効果分析手段をさらに有することを特徴とする。
これにより、携帯端末上で電子コンテンツを用いてどのようにプレゼンテーションをし、視聴者からどのような反応があったのかを、詳細に分析することができる。この分析結果から、電子コンテンツの有効性や改善点、携帯端末操作者(プレゼンター)の動作の検証、視聴者の興味の傾向などが明らかとなる。また、携帯端末操作者(プレゼンター)の働きぶりや行動目標の達成度合いも評価することができる。
【0013】
本発明の電子コンテンツ管理システムにおいて、前記管理サーバが、電子コンテンツに関する付加情報を予め記憶しており、前記携帯端末が、配信された電子コンテンツに関する付加情報を前記管理サーバに要求すると前記管理サーバの配信管理手段が、当該要求に応じて付加情報を前記携帯端末に送信することを特徴とする。
例えば、電子コンテンツにより紹介される製品の仕様、価格、納期、取引条件などに関する詳しい情報が必要になった時に即時取得することができるので、視聴者への十分な情報提供が確保され、プレゼンテーションの効果が向上される。
【0014】
本発明の電子コンテンツ管理システムにおいて、前記携帯端末が、前記管理サーバと通信不可能な状態においても、前記電子コンテンツの利用状況、前記動作ログ及び前記フィードバック情報を記録しており、前記管理サーバと通信可能となったときに、当該記録した情報を前記管理サーバに送信することを特徴とする。
これにより、無線電波の遮断等により通信が不可能な状況でも、携帯端末上で電子コンテンツを利用するとともに、動作ログやフィードバック情報を蓄積して後にシステム上で利用することが可能となる。
【0015】
本発明の電子コンテンツ管理システムにおいて、前記管理サーバが、複数の携帯端末ユーザに対し各々の属性に応じて複数の電子コンテンツを適切な順序・タイミングで配信するため予め定められた配信ポリシーを記憶しており、前記配信管理手段は、前記配信ポリシーに従って前記電子コンテンツを携帯端末に配信することを特徴とする。
このように、ユーザの属性に応じてきめ細かなピンポイントの情報配信を行うことにより、視聴の効果を格段に向上させることができる。
【0016】
本発明の電子コンテンツ管理システムにおいて、前記効果分析手段は、前記配信ポリシーと、前記電子コンテンツの携帯端末におけるダウンロード状況及び利用状況に関する情報と、前記動作ログ取得手段により取得される動作ログと、前記フィードバック情報収集手段により取得されるフィードバック情報とに基づいて、携帯端末ユーザごとの効果分析及び携帯端末ユーザ集団の効果分析を行うことを特徴とする。
この上記のように教育コンテンツを電子書籍や動画などの電子コンテンツの形式で各人の携帯端末に配信して視聴させるとともに、その利用状況、進捗状況、習熟度などの情報を管理者が取得することにより、組織全体としての従業員教育の実施状況やナレッジ蓄積状況をリアルタイムで把握することが可能となる。
【発明の効果】
【0017】
以上、説明したように、本発明によれば、多数のタブレット型PCなどの携帯端末上で利用される電子コンテンツに関して、管理端末から一方的に情報を配信するのみならず、当該の携帯端末上での電子コンテンツの利用状況やその視聴者からの反応や要望を収集することで、携帯端末上での電子コンテンツの利便性を高めるとともに、管理者側で電子コンテンツ利用の詳細な効果分析を行うことができる電子コンテンツ管理システムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の電子コンテンツ管理システムの一実施形態について、概略構成を示す模式図である。
【
図2】本発明の電子コンテンツ管理システムにおける管理サーバが有する機能を概念的に示した図である。
【
図3】本発明の電子コンテンツ管理システムを利用する際の各構成機器の動作の流れを概略的に示すフロー図である。
【
図4】本発明の電子コンテンツ管理システムを利用する際の各構成機器の動作の流れを概略的に示すフロー図である。
【
図5】本発明の電子コンテンツ管理システムにおいて、管理サーバの効果分析手段によるプレゼンテーションの効果分析結果の表示画面例を示す図である。
【
図6】本発明の電子コンテンツ管理システムにおいて、管理サーバの効果分析手段により、電子コンテンツのカテゴリー別に利用状況を詳細に表示した画面例を示す図である。
【
図7】本発明の電子コンテンツ管理システムにおいて、電子コンテンツの編集操作を行うための画面例を示す図である。
【
図8】本発明の電子コンテンツ管理システムにおいて、ユーザ別に管理を行うための画面例を示す図である。
【
図9】本発明の電子コンテンツ管理システムにおいて、電子コンテンツごとの詳細情報を表示する画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の電子コンテンツ管理システムを実施するための最良の形態を詳細に説明する。
図1〜
図9は、本発明の実施の形態を例示する図であり、これらの図において、同一の符号を付した部分は同一物を表わし、基本的な構成及び動作は同様であるものとする。
【0020】
システム構成
図1は、本発明の電子コンテンツ管理システムの一実施形態について、概略構成を示す模式図である。
図1において、本発明の電子コンテンツ管理システムは、管理サーバと、管理サーバに通信可能に接続された管理端末と、管理サーバと無線等で通信可能な携帯端末(スマートフォン端末、ノートPC端末、タブレットPC端末を例示しているが、これらに限定されない)とから構成される。
【0021】
管理サーバは、電子コンテンツを記憶し、電子コンテンツの各携帯端末への配信を管理するほか、各携帯端末と適宜通信を行ない、各携帯端末の動作状況を管理する。
管理端末は、管理サーバ上に記憶された電子コンテンツの編集等を行い、配信の設定を行い、各携帯端末の動作状況の閲覧をし、各携帯端末と通信する機能を有している。その他、管理端末は、管理サーバ上のあらゆるデータ及びプログラムを管理する機能を有する。
携帯端末は、管理サーバから配信される電子コンテンツを記憶し、再生する機能を有する。また、所定の情報の入力を受け付け、管理サーバと通信して入力された情報を送信し、管理サーバから発信される情報を受信する機能を有する。
【0022】
図2は、
図1に示す管理サーバが有する機能を概念的に示した図である。
図2において、管理サーバは、その記憶領域において、電子コンテンツ、携帯端末情報、プレゼンター情報、顧客情報、プレゼンテーション実施情報、フィードバック情報を記憶している。また、電子コンテンツ管理手段、登録情報管理手段、配信管理手段、フィードバック情報収集手段、動作ログ取得手段、効果分析手段を有している。これら各手段はアプリケーションソフトウェアとして管理サーバに実装される。また、管理サーバは、有線及び無線の通信手段を有している。
【0023】
電子コンテンツは、電子データとして生成され、携帯端末その他のコンピュータ上で所定のソフトウェアを介して再生される、画像、動画、音声、テキスト等から構成されるコンテンツである。例えば、商品説明や会社案内のための電子パンフレットや、企画説明のためのプレゼンテーション資料や、動画像・テキスト等からなる教育用コンテンツや、娯楽で視聴するためのコンテンツなどである。
【0024】
携帯端末情報は、電子コンテンツの配信対象となる携帯端末を識別するための情報(端末ID、機種、機能等)である。プレゼンター情報は、携帯端末を利用して第三者に電子コンテンツを視聴させる行為(以下、「プレゼンテーション」という)を行う人員(以下、「プレゼンター」という)に関する情報である。複数の携帯端末を用いる場合、携帯端末情報とプレゼンター情報とから、どのプレゼンターがどの携帯端末を用いてプレゼンテーションをしているのかを把握することが可能となる。顧客情報は、プレゼンターがプレゼンテーションを提供する対象の第三者(便宜上「顧客」と表現する)に関する情報である。顧客情報は保持していなくてもよい。
【0025】
プレゼンテーション実施情報は、どの携帯端末にどの電子コンテンツを配信して、どのようにプレゼンテーションが実施されたかに関する情報である。どのようにプレゼンテーションが実施されたかの情報は、動作ログ情報(後述)として携帯端末から取得される。
フィードバック情報は、プレゼンテーションに対して顧客から受領される反応や、意見、要望、アンケート結果などに関する情報であり、携帯端末から取得される。
【0026】
電子コンテンツ管理手段は、管理端末からの要求に応じて、管理サーバが記憶する電子コンテンツの登録、編集、削除などを行う。登録情報管理手段は、管理端末からの要求に応じて、管理サーバが記憶する携帯端末情報、プレゼンター情報、顧客情報の登録、編集、削除などを行う。配信管理手段は、管理端末からの要求に応じて、電子コンテンツを各携帯端末に配信し、配信履歴をプレゼンテーション実施情報として記憶する。また、配信管理手段は、配信先の携帯端末での電子コンテンツの利用状況を取得し、プレゼンテーション実施情報として記憶する。
【0027】
フィードバック情報収集手段は、携帯端末から、プレゼンテーションに対して顧客から得られる反応や、意見、要望、アンケート結果などに関する情報を取得し、フィードバック情報として記憶する。動作ログ取得手段は、携帯端末から動作ログ情報(後述)を取得し、プレゼンテーション実施情報として記憶する。
【0028】
本発明の電子コンテンツ管理システムにおいて用いる携帯端末は、スマートフォン端末、ノートPC端末、タブレットPC端末その他、電子コンテンツを再生する機能と通信機能を有するあらゆる種類のコンピュータである。携帯端末は、電子コンテンツの再生、顧客からのフィードバック情報の入力の受け付け、管理サーバとの情報交換を行うほか、電子コンテンツの再生動作に関しての詳細な動作ログを蓄積し、適時、管理サーバに送信する機能を有する。蓄積される動作ログは、例えば、電子コンテンツの再生日時、再生時間、視聴ページ履歴、ページごとの滞在時間、ページごとの顧客アクション、ページ内のクリック(タップ)箇所・回数などである。
【0029】
効果分析手段は、携帯端末情報、プレゼンター情報、顧客情報、プレゼンテーション実施情報、フィードバック情報に基づいて、顧客へのプレゼンテーションの実施結果と効果について分析を行う。特に、プレゼンテーション実施情報に含まれる(1)電子コンテンツの利用状況、(2)動作ログ情報、(3)フィードバック情報を総合的に分析することにより、詳細なプレゼンテーションの効果測定が可能となる。
【0030】
システム利用の流れ
図3〜
図4は、本発明の電子コンテンツ管理システムを利用する際の各構成機器の動作の流れを概略的に示すフロー図である。
[1]管理サーバへの情報登録
【0031】
図3において、本システムの管理者は、管理端末において携帯端末情報を作成し、管理サーバに送信する。管理サーバの登録情報管理手段は受信した携帯端末情報を登録する。携帯端末情報は、端末ID、機種、搭載機能、使用者、使用エリア、使用目的等の情報を含む。
同様に、管理端末においてプレゼンター情報を作成し、管理サーバに送信する。管理サーバの登録情報管理手段は受信したプレゼンター情報を登録する。プレゼンター情報は、プレゼンターID、プレゼンター氏名、所属部署、担当商品、担当顧客等の情報を含む。
同様に、管理端末において顧客情報を作成し、管理サーバに送信する。管理サーバの登録情報管理手段は受信した顧客情報を登録する。顧客情報は、顧客ID、氏名、住所、属性、購買履歴、興味のある商品等の情報を含む。但し、本システムでは、顧客情報の作成、登録は必ずしも必要ではない。
【0032】
また、本システムの管理者は、管理端末において電子コンテンツを作成し、管理サーバに送信する。管理サーバの電子コンテンツ管理手段は受信した電子コンテンツを登録する。
尚、携帯端末情報、プレゼンター情報、顧客情報、電子コンテンツは、必ずしも管理端末において作成する必要はなく、管理端末において外部から取得したデータを管理サーバに送信するようにしてもよいし、携帯端末から送信するようにしてもよい。
管理端末や携帯端末から管理サーバにアクセスして、管理サーバの登録情報管理手段又は電子コンテンツ管理手段により、携帯端末情報、プレゼンター情報、顧客情報、電子コンテンツの登録情報を任意に編集することも可能となっている。
【0033】
[2]管理サーバから携帯端末への電子コンテンツ配信
図4において、管理サーバの配信管理手段は、管理端末からの指示又は予めセットされたプログラムに従い、携帯端末に所定の電子コンテンツを配信する。この際、配信管理手段は、プレゼンテーション実施情報として当該電子コンテンツの配信に関するレコードを生成する。以後の配信した電子コンテンツについて携帯端末から得られる情報(例えば、配信した電子コンテンツがダウンロードされたか否か等)はすべてこのレコードに記録される。携帯端末は、管理サーバから電子コンテンツをダウンロードし端末内に保存する。
【0034】
携帯端末を保有するプレゼンターは、顧客と対面して携帯端末上で所定の再生プログラムを利用して電子コンテンツを再生して、これを顧客に視聴させる。このとき、携帯端末は動作ログを取得して保存する。また、プレゼンターは、電子コンテンツの再生中又は再生後に、顧客からの反応(興味を示しているかどうか等)、意見、質問、要望などを携帯端末に入力する。あるいは、携帯端末上にアンケートフォームを表示し顧客の回答を入力する。これらはフィードバック情報として保存される。
電子コンテンツの再生中や商談中に付加情報が必要となった場合、携帯端末から管理サーバにアクセスし、付加情報を取得することができる。例えば、製品の仕様、価格、納期、取引条件などに関する詳しい情報を必要になった時に即時取得することができる。
【0035】
携帯端末は、保存したフィードバック情報及び動作ログを管理サーバに随時送信する。管理サーバのフィードバック情報収集手段及び動作ログ取得手段は、受信したフィードバック情報及び動作ログをそれぞれフィードバック情報及びプレゼンテーション実施情報として記憶する。ここで、携帯端末は、無線電波の遮断等により通信が不可能な状態であっても、常時動作ログを取得し保存している。蓄積された動作ログは、携帯端末が再び通信可能となった時点で管理サーバに送信することができる。
【0036】
このようにして、管理サーバから携帯端末に配信される電子コンテンツによるプレゼンテーションの実施に関して、以下の情報が取得されることになる。
(1)電子コンテンツの利用状況
管理サーバから配信した電子コンテンツが携帯端末にダウンロードされたか否か。また、携帯端末上で再生された回数、頻度等。管理サーバのプレゼンテーション実施情報に含まれる。
(2)動作ログ情報
携帯端末上で電子コンテンツを再生する際にどのような動作が行われたか。例えば、電子コンテンツの再生日時、再生時間、視聴ページ履歴、ページごとの滞在時間、ページごとの顧客アクション、ページ内のクリック(タップ)箇所・回数など。管理サーバのプレゼンテーション実施情報に含まれる
(3)フィードバック情報
携帯端末に入力された、電子コンテンツに対する顧客からの反応(興味を示しているかどうか等)、意見、質問、要望など。アンケートフォームへの回答入力。管理サーバにフィードバック情報として保持される。
【0037】
本システムの管理者は、管理端末から管理サーバにアクセスし、効果分析手段を用いて、プレゼンテーションの効果分析を行うことができる。管理サーバの効果分析手段は、プレゼンテーション実施情報に含まれる(1)電子コンテンツの利用状況、(2)動作ログ情報と、(3)フィードバック情報とから、プレゼンターが電子コンテンツを用いてどのようにプレゼンテーションをし、顧客からどのような反応があったのかを、詳細に分析することができる。この分析結果から、電子コンテンツの有効性や改善点、プレゼンターの動作の検証、顧客の興味の傾向などが明らかとなる。また、プレゼンターの働きぶりや行動目標の達成度合いも評価することができる。
【実施例1】
【0038】
図5は、管理サーバの効果分析手段によるプレゼンテーションの効果分析結果の表示画面例を示す図である。
図5に示すように、組織単位で電子コンテンツの利用状況を表示することができ、この情報に基づき詳細な効果測定をすることが可能である。この画面からさらに遷移して、電子コンテンツの動作ログ情報や、視聴者からのフィードバック情報を示す画面を表示してもよい。
【0039】
図6は、電子コンテンツのカテゴリー別に利用状況を詳細に表示した画面例を示す図である。
図7は、電子コンテンツの編集操作を行うための画面例を示す図である。
図8は、本システムのユーザ別に管理を行うための画面例を示す図である。
図9は、電子コンテンツごとの詳細情報を表示する画面例を示す図である。
この画面からさらに遷移して、電子コンテンツの動作ログ情報や、視聴者からのフィードバック情報を示す画面を表示してもよい。
【0040】
システムの応用例
本発明の電子コンテンツ管理システムは、次のような場面に応用することができる。
[1] 営業活動支援ツール
企業の提供する商品・サービスの紹介の電子コンテンツを作成し、営業部員が携帯端末を利用して顧客相手に商品・サービスの売り込みを行う。顧客に商品・サービスの紹介を確実に視聴させることができ、その反応を直接得ることができる。また、顧客の反応と営業部員の売り込みの仕方から、プレゼンテーション効果の分析を行い、電子コンテンツの改良や営業手法の改善をすることができる。企業は、各営業部員の働きを把握するとともに、顧客のニーズを取得することも可能である。
【0041】
[2] 接客販売支援ツール
店舗において販売する商品又は提供するサービスの紹介の電子コンテンツを作成し、店舗の販売員が携帯端末を利用して来店した顧客相手に商品・サービスの売り込みを行う。あるいは、携帯端末を店舗に置いて顧客が自由に操作できるようにする。販売員がどのような売り込み方をしたか、あるいは顧客がどのように電子コンテンツを視聴したかという情報から、プレゼンテーション効果の分析を行い、マーケティングデータを得ることができ、あわせて販売員の販売手法を改善することができる。
【0042】
[3] 教育支援ツール
モバイルラーニングシステムに利用する教育用の電子コンテンツを作成し、生徒に配布して、自発的に学習を行わせる。携帯端末上の動作ログを取得することにより、きちんと学習できているかをコンテンツ提供側が詳細に把握することができ、学習効果の向上が図られる。また、生徒からの質問、要望などのフィードバック情報が随時送信され、これに即時に対応できるため、インタラクティブな教育支援が可能である。
【0043】
[4] ナレッジ活用ツール
企業等の組織内におけるナレッジを教育するための電子コンテンツを各個人に配信し、その習熟及び活用を促す(PUSH型配信)とともに、管理者側は個人ごと及び組織全体(又は部署単位)でのナレッジの習熟度、浸透具合、教育効果などの計測を行うことができる。複数の電子コンテンツ各個人の属性や能力に応じて適切な順序・タイミングで配信する(配信ポリシー)ことで、個人ごとに決め細やかな教育・指導を行うことができ、教育効果が格段に向上される。電子コンテンツを構成するためのナレッジを集約したナレッジデータベースを外部から利用する形態でもよいし、本システム内にナレッジデータベースを含む構成としてもよい。
【0044】
以上、本発明の電子コンテンツ管理システムについて、具体的な実施の形態を示して説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。当業者であれば、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、上記各実施形態における管理サーバ、携帯端末、管理端末の構成及び機能に様々な変更・改良を加えることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明の電子コンテンツ管理システムは、
図1〜
図9に示すように、コンピュータのCPU、メモリ、補助記憶装置、ディスプレイ、入力デバイス等を含むハードウェア資源上に構築されたOS、アプリケーションソフトウェア、データベース、ネットワークシステム等によって実現されるものであり、電子コンテンツの配信管理という情報処理が上記のハードウェア資源を用いて具体的に実現されるものであるから、自然法則を利用した技術的思想に該当するものであり、産業上利用できる発明に該当するものである。
【手続補正書】
【提出日】2016年1月26日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末上で再生可能な電子書籍又は動画を含む電子コンテンツを携帯端末に配信する電子コンテンツ管理システムであって、
前記電子コンテンツ及び前記携帯端末の識別情報を記憶する記憶手段と、
前記電子コンテンツを前記携帯端末に配信する配信管理手段と、
前記携帯端末上で前記電子コンテンツが再生されている時に通信の可否にかかわらずに前記携帯端末によって記録される前記電子コンテンツの利用状況を通信可能時に当該携帯端末から取得する利用状況取得手段と、
前記携帯端末上で前記電子コンテンツが再生されている時に通信の可否にかかわらずに携帯端末によって記録される動作ログを通信可能時に当該携帯端末から取得する動作ログ取得手段と、
前記携帯端末上で再生される前記電子コンテンツに対する視聴者の反応に関し、通信の可否にかかわらずに前記携帯端末によって記録されるフィードバック情報を通信可能時に当該携帯端末から取得するフィードバック情報収集手段と、
前記配信管理手段により取得される、配信した電子コンテンツの携帯端末におけるダウンロード状況及び前記利用状況取得手段により取得される利用状況に関する情報と、
前記動作ログ取得手段により取得される動作ログと、
前記フィードバック情報収集手段により取得されるフィードバック情報と
に基づいて、携帯端末上での電子コンテンツの再生による視聴者への効果を分析する効果分析手段
を有する管理サーバと、
前記管理サーバから配信される前記電子コンテンツを保存する手段と、
前記電子コンテンツを再生する手段と、
当該電子コンテンツを再生している時に前記管理サーバとの通信可否にかかわらず前記電子コンテンツの利用状況及び動作ログを記録する手段と、
当該電子コンテンツの視聴者からの反応に関するフィードバック情報の入力を前記管理サーバとの通信可否にかかわらず受け付ける手段と、
前記動作ログ、フィードバック情報並びに当該電子コンテンツの利用状況を通信可能時に前記管理サーバに送信する手段と
を有する携帯端末と
から構成される電子コンテンツ管理システム。
【請求項2】
前記管理サーバが、電子コンテンツに関する付加情報を予め記憶しており、
前記携帯端末が、配信された電子コンテンツに関する付加情報を前記管理サーバに要求すると
前記管理サーバの配信管理手段が、当該要求に応じて付加情報を前記携帯端末に送信することを特徴とする請求項1に記載の電子コンテンツ管理システム。
【請求項3】
前記管理サーバが、複数の携帯端末ユーザに対し各々の属性に応じて複数の電子コンテンツを適切な順序・タイミングで配信するため予め定められた配信ポリシーを記憶しており、
前記配信管理手段は、前記配信ポリシーに従って前記電子コンテンツを携帯端末に配信することを特徴とする請求項1又は2に記載の電子コンテンツ管理システム。
【請求項4】
前記効果分析手段は、
前記配信ポリシーと、
前記電子コンテンツの携帯端末におけるダウンロード状況及び利用状況に関する情報と、
前記動作ログ取得手段により取得される動作ログと、
前記フィードバック情報収集手段により取得されるフィードバック情報と
に基づいて、
携帯端末ユーザごとの効果分析及び携帯端末ユーザ集団の効果分析を行うことを特徴とする請求項3に記載の電子コンテンツ管理システム。