特開2017-100721(P2017-100721A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特開2017-100721移動する背もたれリンケージ枢動軸を備える航空機用座席
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-100721(P2017-100721A)
(43)【公開日】2017年6月8日
(54)【発明の名称】移動する背もたれリンケージ枢動軸を備える航空機用座席
(51)【国際特許分類】
   B64D 11/06 20060101AFI20170512BHJP
   A47C 1/032 20060101ALI20170512BHJP
   B60N 2/02 20060101ALI20170512BHJP
   B60N 2/34 20060101ALI20170512BHJP
   A47C 1/034 20060101ALN20170512BHJP
【FI】
   B64D11/06
   A47C1/032
   B60N2/02
   B60N2/34
   A47C1/034
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-10591(P2017-10591)
(22)【出願日】2017年1月24日
(62)【分割の表示】特願2016-507599(P2016-507599)の分割
【原出願日】2014年4月8日
(31)【優先権主張番号】61/809,572
(32)【優先日】2013年4月8日
(33)【優先権主張国】US
(71)【出願人】
【識別番号】500413696
【氏名又は名称】ビーイー・エアロスペース・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】B/E Aerospace, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】特許業務法人快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベロス マイケル
(72)【発明者】
【氏名】デ ラ ガルサ ハビエル バルデス
(72)【発明者】
【氏名】ウドリステ ダニエル
【テーマコード(参考)】
3B087
3B099
【Fターム(参考)】
3B087AA02
3B087BD03
3B087CB01
3B099AA00
3B099BA09
3B099BA11
3B099CA30
3B099CA36
3B099CB01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】航空機内の限られた空間を十分に利用するように構成された座席リクライニング機構を提供する。
【解決手段】乗客用座席は、リクライニングすることができ、背もたれ40に枢動可能に取り付けられたシートパン38と、座席がリクライニングするときシートパンの角度を制御する非直線状案内路60を画定するスプレッダ24と、座席をリクライニングするためにスプレッダに対して水平方向に移動するように配置された駆動リンク56と、を備える。スプレッダは、座席がリクライニングするとき背もたれの角度を制御する非直線状案内路を画定する背もたれリンケージ54を移動させる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リクライニングするように設計された航空機の乗客用座席であって、
背もたれに枢動可能に取り付けられたシートパンと、
前記航空機乗客用座席がリクライニングするとき前記シートパンの角度を制御するための第1非直線状案内路を画定する固定式スプレッダと、
前記航空機乗客用座席がリクライニングするとき前記固定式スプレッダに対して移動するように配置され、前記乗客用座席がリクライニングするとき前記背もたれの角度を制御するための第2非直線状案内路を画定する背もたれリンケージと、
前記航空機乗客用座席をリクライニングさせるために、前記固定式スプレッダに対して水平方向に移動するように配置された駆動リンクと、を備える、
前記航空機の乗客用座席。
【請求項2】
前記駆動リンクの第1端が前記シートパンの前方端に取り付けられており、
前記駆動リンクの第2端が前記背もたれリンケージの前記第2非直線状案内路に沿って移動し、
前記駆動リンクは、前記背もたれを水平にするために前記固定式スプレッダから離れて水平方向に動き、前記背もたれを鉛直にするために前記固定式スプレッダに向かって移動するように配置される、請求項1に記載の航空機の乗客用座席。
【請求項3】
背もたれに第1端で枢動可能に取り付けられ、前記背もたれリンケージに第2端で枢動可能に取り付けられた、背もたれリンクをさらに備え、
前記背もたれリンクは、前記背もたれがリクライニングするとき前記背もたれリンケージに向かう方向に、前記背もたれが直立位置に戻るとき前記背もたれリンケージから離れる方向に、枢動するように配置されている、請求項1に記載の航空機の乗客用座席。
【請求項4】
前記駆動リンクが前記固定式スプレッダに対して水平方向に移動するとき、前記背もたれリンケージの第2端が自由に上下に枢動するように、前記背もたれリンケージの第1端は前記固定式スプレッダに枢動可能に取り付けられている、請求項1に記載の航空機の乗客用座席。
【請求項5】
前記駆動リンクの水平方向の移動のためにシートパンの下方に配置されたリニアアクチュエータをさらに備える、請求項1に記載の航空機の乗客用座席。
【請求項6】
前記第1及び前記第2非直線状案内路が、前記航空機乗客用座席がリクライニングおよび直立位置に向かって移動するとき、前記シートパンと前記背もたれ間の角度の関係を制御するように形成されている、請求項1に記載の航空機の乗客用座席。
【請求項7】
前記シートパンと前記背もたれが、前記航空機乗客用座席がリクライニングするとき、固定式スプレッダに対して前方に移動する、請求項1に記載の航空機の乗客用座席。
【請求項8】
前記シートパンと前記背もたれの枢動軸と間隔を空け固定されて配置された第1ローラーが、前記シートパンの移動を制御するために前記固定式スプレッダの前記第1非直線状案内路に沿って動き、
前記駆動リンクに固定された第2ローラーが、前記駆動リンクが前記固定式スプレッダに対して水平方向に移動するとき、背もたれリンケージを動かすために前記背もたれリンケージの前記第2非直線状案内路に沿って移動する、請求項1に記載の航空機の乗客用座席。
【請求項9】
前方梁管と、中心梁管と、後方梁管とを介して相互接続される、左右に間隔が空けられて配置される固定スプレッダと、
前記前方梁管と、前記中心梁管と、前記後方梁管のうち1つ以上を介して接続された脚部と、をさらに備える、請求項1に記載の航空機の乗客用座席。
【請求項10】
前記駆動リンクが前記固定式スプレッダに対して水平方向に移動するとき、前記背もたれリンケージが前記固定式スプレッダに対して枢動する、請求項1に記載の航空機の乗客用座席。
【請求項11】
前記第1非直線状案内路が、前記航空機乗客用座席がリクライニングするとき前記シートパンの角度を制御するために形成されており、
前記第2非直線状案内路が、前記航空機乗客用座席がリクライニングするとき前記背もたれの角度を制御するために形成されている、請求項1に記載の航空機の乗客用座席。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全体として、リクライニング機能を有する航空機の乗客用座席に関し、より具体的には、座席をリクライニングするとき、背もたれとシートパンの関係を超えて、より良く制御やカスタマイズをすることを提供するための、移動する背もたれリンケージの枢動軸を有する航空機の乗客用座席に関する。
【背景技術】
【0002】
航空機の乗客用座席は、典型的には快適性を高めるため、フライト中にリクライニングすることができるように構成される。乗客のスウィートに見られる座席のようなプレミアムそして高級な座席は、眠るために水平状態までリクライニングするように構成されていることがある。よりエコノミーな座席は、典型的には、座席の後ろの空間の制限のためリクライニングできる度合いが制限されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記リクライニングシートにおいて、背もたれとシートパンは、典型的には、その枢動軸が固定されている態様で、枢動可能に取り付けられている。そのような配置においては、一方の座席面の動きは、好都合に他方面の動きを駆動するために使用されうるが、水平方向に枢動軸が固定されていると、特に、プライバシー用の固定式パーテーションが座席の後ろに配置されており、かつ枢動軸とパーテーション間の距離が短い座席においては、不都合にも背もたれのリクライニングの度合いが制限されてしまう。さらに、このように制限された空間の中で、背もたれとシートパンが枢動可能に取付けられることは、リクライニング動作中、有る一定の座席角度の達成することが制限される。したがって、要求されることは、限られた空間を十分に利用するように構成された座席リクライニング機構である。加えて、複雑性、コスト、そして追加的アクチュエータの重量なしで、固定式枢動座席においては達成できない座席の角度を達成するように構成された座席リクライニング機構もまた要求される。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1実施例において、ここで提供されるのは、背もたれに枢動可能に取り付けられたシートパンと、シートパンの移動を案内するために配置された第1非直線状案内路を画定する固定式スプレッダと、固定式スプレッダに対して移動するように配置された背もたれリンケージと、座席をリクライニングするために固定式スプレッダに対して水平方向に移動するように配置された駆動リンクと、を備え、リクライニングするように構成されている航空機の乗客用座席である。
【0005】
別の態様において、駆動リンクの第1端は、シートパンの前方端に取り付けられていてもよい。また、駆動リンクの第2端は、背もたれリンケージの第2非直線状案内路に沿って動いてもよい。
【0006】
別の態様において、駆動リンクは、背もたれを水平にするために固定式スプレッダから離れる方向に水平方向に移動するように配置されてもよい。また、駆動リンクは、背もたれを鉛直にするために固定式スプレッダに向かって移動するように配置されてもよい。
【0007】
別の態様において、航空機の座席は、背もたれの第1端に枢動可能に取り付けられ、そして背もたれリンケージの第2端に枢動可能に取り付けられた背もたれリンクを備えていてもよい。また、背もたれリンクは、航空機の乗客用座席をリクライニングするときに背もたれリンケージに向かう方向に、そして背もたれが上方に戻るときに背もたれリンケージから離れる方向に枢動可能に配置されている。
【0008】
別の態様において、駆動リンクが固定式スプレッダに対して水平方向に移動するとき、背もたれリンケージの第2端は、上下に自由に枢動できるように、背もたれリンケージの第1端は、固定式スプレッダに枢動可能に取り付けられていてもよい。
【0009】
別の態様において、航空機の座席は、駆動リンクを水平方向に移動させるためにシートパンの下方に配置されたリニアアクチュエータを備えていてもよい。
【0010】
別の態様において、シートパンと背もたれ間の角度は、背もたれが水平方向に移動するにつれて増加してもよい。
【0011】
別の態様において、シートパンと背もたれは、航空機の乗客用座席がリクライニングするにつれて、固定式スプレッダに対して前方に移動してもよい。
【0012】
別の態様において、座席は、シートパンの移動を制御するため、固定式スプレッダの第1非直線状案内路に沿って移動するシートパンと背もたれの枢動に対して固定されて配置された第1ローラーを備えていてもよい。また、座席は、駆動リンクが固定式スプレッダに対して水平方向に移動するときに背もたれリンケージを動かすために、背もたれリンケージの第2非直線状案内路に沿って移動する駆動リンクに固定された第2ローラーを備えていてもよい。
【0013】
別の態様において、座席は、前方梁管と中心梁管と後方梁管を横断して相互接続された左右に間隔が空けられて配置される固定式スプレッダを備えている。また、座席は、前方梁管と中心梁管と後方梁管のうち1つもしくはそれ以上を横断して接続された左右に間隔が空いた脚部を備えている。
【0014】
別の態様において、駆動リンクが固定式スプレッダに対して水平方向に移動するとき、背もたれリンケージは固定式スプレッダに対して枢動してもよい。
【0015】
別の態様において、第1非直線状案内路は、航空機の乗客用座席がリクライニングするときシートパンの角度を制御するために形成されていてもよい。また、第2非直線状案内路は、航空機の乗客用座席がリクライニングするとき背もたれの角度を制御するために形成されていてもよい。
【0016】
本発明の他の実施例について、ここで、提供されるのは、リクライニングするように構成されている航空機の乗客用座席である。そして、航空機の乗客用座席は、背もたれに枢動可能に取り付けられたシートパンと、航空機の乗客用座席がリクライニングするときシートパンの角度を制御する非直線状案内路を画定しかつ航空機の乗客用座席がリクライニングするとき背もたれの角度を制御する非直線状案内路を画定する背もたれリンケージを移動させるスプレッダと、スプレッダの非直線状案内路に沿ってシートパンを動かすために配置され、かつ背もたれリンケージの非直線状案内路に沿って背もたれを動かすために配置された駆動リンクとを備えている。
【0017】
別の態様において、スプレッダは、固定されていてもよく、背もたれリンケージは、スプレッダに枢動可能に取り付けられていてもよく、駆動リンクは、背もたれを水平にするために固定式スプレッダから離れて水平方向に移動するように、そして背もたれを鉛直にするために固定式スプレッダに向かって移動するように配置されていてもよい。
【0018】
別の態様において、座席は、背もたれに対して第1端が枢動可能に取り付けられ、そして背もたれリンケージに対して第2端が枢動可能に取り付けられた背もたれリンクを備えていてもよい。背もたれリンクは、航空機の乗客用座席がリクライニングするとき背もたれリンケージの方向に、そして背もたれが直立位置に戻るときは背もたれリンケージから離れる方向に枢動するように配置される。
【0019】
別の態様において、座席は、駆動リンクの水平方向の移動のために、シートパンの下方に配置されたアクチュエータを備えていてもよい。
【0020】
航空機の座席は、上記特徴や態様のうち、1つもしくはそれ以上あるいはいくつかを組み合わせたものを備えていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本発明の特徴、態様、利点は、図を参照しながら以下に示す本発明の詳細な説明を読むことで理解される。
【0022】
図1】直立着座位置における実施例における本発明の航空機の座席の側面図である。
【0023】
図2】中間リクライニング着座位置における本実施例の座席の側面図である。
【0024】
図3】他の中間リクライニング着座位置における本実施例の座席の側面図である。
【0025】
図4】ほぼ水平にリクライニングされた背もたれを示した本実施例の座席の側面図である。
【0026】
図5】水平状のベッドを形成するために十分にリクライニングされた状態を示した本実施例の座席の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の例示的な実施形態を示す添付の図面を参照して、本発明をより完全に説明する。しかしながら、本発明は、多くの異なる形式で具現されてもよく、よって、本明細書に記載される典型的な実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではない。これらの例示的な実施形態は、本開示が徹底的かつ完全なものとなり、かつ発明の範囲を十分に伝え、かつ一般的な当業者の一人が本発明を行い、使用しかつ実施できるように提供される。様々な図面を通じて、類似の参照数字は類似の要素を指す。
【0028】
ここで、図面を参照すると、背もたれのリクライニングおよび移動機構が備わった航空機の乗客用座席が、全体として参照番号20で示される。座席20は、全体として、様々な座席位置を通して、座席を支持する固定式座席ベースフレーム22を含む。固定式座席ベースフレーム22は、全体として、横断梁チューブを介して相互接続される、左右に間隔が空けられたスプレッダ24を含む。図示されるように、横断梁チューブは、スプレッダ24の長さ方向に沿って水平方向に同一平面上に間隔を空けて配置された前方梁26と中心梁28と後方梁30とを含む。左右の脚部32は、座席を支持するためスプレッダ24に取り付けられている。通常のレール用締結具、例えば、アンチラトル(anti−rattle)レール用締結具34が、脚部32を床36に固定するために使用されてもよい。動きを明確にするため全ての図において座席の一方の側面だけが図示されているが、座席は、座席が移動する範囲にわたって座席を四角形におよび平行に維持するために、様々な部品の左右両側のバージョンを含む。
【0029】
座席20は、背もたれ40に対して枢動可能に取り付けられたシートパン38をさらに含み、座席20は、アクチュエータにより駆動されるレッグレスト42を任意に含んでいてもよい。シートパン38、背もたれ40、任意のレッグレスト42は、座席が直立位置とフルフラット(lie−flat)座席位置間を移動するのに応じて、座面部が一緒に動くように、配置され相互接続される。座席のリクライニングは、好ましくはレッグレストの傾斜をつけながらの展開がシートパンの動きとは独立しながら、シートパンの移動により駆動されるとよい。座席20は、固定式シェルあるいはパーテーション44によって囲われていてもよいし、左右のひじかけ46をさらに備えていてもよい。
【0030】
左右のスプレッダ24は、水平方向および鉛直方向に固定されており、それぞれがシートパンの移動を案内するために配置された非直線状案内路48を画定する。図示するように、案内路48は、実質上スプレッダ24の長さ分伸びる実質弓形状の形を有している。案内路48の両端は、案内路の最も高い縦方向の頂点となっており(すなわち、案内路は上方に開放している)、前方端は後方端よりも鉛直方向にわずかに高い位置にある。この配置において、シートパン38の後方端は、心地よく座るための(cradling)座席位置を提供する中間リクライニング位置で最も低くなる。案内路48は、シートパン38及び背もたれ40の枢動軸52から固定された状態で間隔を空けられたローラー50を案内する。ローラー50が案内路48の後方端から前方端に進むにつれて、シートパンの後方端が高い位置から出発し、下降していき、そして鉛直方向に上昇するように、シートパン38は駆動リンクの接着点を軸に枢動する。案内路48の形状、長さ、曲率は、シートパンの移動とシートパンの角度を制御できるようにカスタマイズしてもよい。
【0031】
背もたれ40は、背もたれリンケージ54と背もたれリンク56とを含むリンケージによって支持される。背もたれリンケージ54は、背もたれの移動を案内するように、固定式スプレッダ24に対して移動するように配置される。背もたれリンク56は、その第1端が背もたれ40に枢動可能に取り付けられており、その第2端が背もたれリンケージ54に枢動可能に取り付けられている。背もたれリンク56は、背もたれがリクライニングするにつれ背もたれリンケージ54の方向に枢動し、背もたれが直立位置に戻るにつれて背もたれリンケージ54から離れる方向に枢動するように配置される。背もたれリンケージ54の第1端は、駆動リンク58が固定式スプレッダ24に対して水平方向に移動するにつれ背もたれリンケージの第2端が自由に上下に枢動できるように、固定式スプレッダ24に枢動可能に取り付けられる。
【0032】
背もたれリンケージ54もまた、背もたれ40の移動を案内し背もたれ40の角度を制御するための非直線状案内路60を画定する。非直線状案内路60もまた、全体として弓形状であるが、下方に開放している。背もたれ40が前方へリクライニングするとき、駆動リンク58に固定されたローラー62は、案内路60に沿って案内路の後方端から前方端に向かって動き、それによってリクライニングする背もたれの角度を制御する。2つの案内路48、60のそれぞれの形状と経路の長さは、座席が動く範囲において、シートパン38および背もたれ40の角度とシートパン38および背もたれ40の関係を制御するためにカスタマイズできる。好ましい実施例において、座席は、多数と言えるほどの座席位置を達成するためにその移動する範囲において無段階に調整可能である。
【0033】
駆動リンク58は、座席を直立位置とフルフラット座席位置間で駆動させるために、固定式スプレッダ24に対して水平方向に移動するように配置される。駆動リンク58の前方端は、シートパン38の前方端に取り付けられており、駆動リンクの後方端(すなわち第2端)は、案内路60に沿って移動するように配置されたローラー62を含む。駆動リンク58が水平方向前方に(すなわち、固定式スプレッダ24から離れる方向に)移動するにつれて、駆動リンクはシートパン38を水平方向前方に引き、ローラー50がシートパンの角度を制御する案内路48に沿って移動する。同時に、背もたれ40は、シートパン38との間の枢動連結のため前方にシートパン38と共に移動するとともに、背もたれリンケージ54が移動するにつれて、背もたれ40の角度は制御される。駆動リンク58は、シートパン38の下に配置され座席ベースフレームに固定されたリニアアクチュエータ64を使用して水平方向に移動させてもよい。特定の実施例において、リニアアクチュエータ64は、当業者に知られている直線運動をもたらすためのねじ式アクチュエータであってもよい。駆動リンク58は、水平方向に固定式スプレッダ24から離れる方向に移動し、水平方向へシートパン38を「引き(pull)」、固定式スプレッダ24に向かう方向に移動し、直立方向へシートパン38を「押す(push)」。
【0034】
図1を参照すると、座席20は、タキシング、離陸、着陸するとき(いわゆるTTOL)のための直立座席位置にある状態が示される。直立座席位置において、シートパンと背もたれ間の角度の関係は、水平状態からシートパン38までがおよそ2度であってもよいし、鉛直状態から背もたれ40までがおよそ7.5度であってもよく、シートパン38は乗客の座り心地がよくなる(cradle)よう後方に傾斜している。
【0035】
図2を参照すると、座席20がリクライニングするにつれ、シートパンと背もたれ間の角度との関係は、シートパン38が水平状態からおよそ15度、背もたれ40が鉛直状態からおよそ32度の位置にそれぞれ変化してもよい。
【0036】
図3を参照すると、座席がリクライニングを継続するにつれ、シートパンと背もたれ間の角度との関係は、シートパン38が水平状態からおよそ13度、背もたれ40が鉛直状態からおよそ56度の位置にそれぞれ変化してもよい。
【0037】
図4を参照すると、座席が水平状態に近くなったとき、シートパンと背もたれ間の角度との関係は、シートパン38が水平状態からおよそ0度、背もたれ40が鉛直状態からおよそ77度の位置にそれぞれ変化してもよい。
【0038】
図5を参照すると、座席が水平の就寝位置のとき、シートパンと背もたれ間の角度との関係は、シートパン38が前方に傾斜した状態で、シートパン38が水平方向から0度に近い例えば2度、背もたれ40が鉛直方向からおよそ88度の位置にそれぞれ変化してもよい。他の、中間リクライニング座席位置において、シートパンと背もたれ間の角度との関係は、案内路48、60の経路の形状および配置によって制御され決定される。例として、他の中間リクライニング座席位置において、シートパンと背もたれ間の角度との関係は、背もたれ40がリクライニングを継続するにつれシートパンの角度を安定させる、第1案内路48に沿ったより直線状移動をした結果として、それぞれ12.5度および25度であってもよいし、それぞれ17.5度および40度であってもよいし、それぞれ17.5度および47度であってもよい。
【0039】
案内路48、60の形状は、座席がリクライニングするとき、シートパンと背もたれの角度を制御するようにカスタマイズできる。例えば、図示するように、固定式スプレッダ24の案内路48により、シートパンの後方端を上げたり下げたりすることによって座席がリクライニングするとき、シートパン38の角度が変化する。案内路およびそれらの端の鉛直方向の位置は、座席がリクライニングするとき、シートパン38と背もたれ40の角度を制御するようにカスタマイズできる。様々なリンケージの枢動するように取り付ける位置および形状を変更することによって、シートパンと背もたれの角度の制御は、さらに制御できる。本発明より前は、座席の後方を押すことによってシートパンと背もたれを同時に上昇させることは、多数のアクチュエータを用いなければ達成可能でなかった。
【0040】
本明細書では、例示によって発明の実施例を提供しているにすぎない。他の実施例では、類似した構成を実行および/または、類似した結果を達成してもよいことが想定される。任意の、そして均等に値する実施例や例が、本発明の範囲内である。
図1
図2
図3
図4
図5
【外国語明細書】
2017100721000001.pdf
2017100721000002.pdf
2017100721000003.pdf
2017100721000004.pdf