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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-100805(P2017-100805A)
(43)【公開日】2017年6月8日
(54)【発明の名称】充填機用の充填装置
(51)【国際特許分類】
   B67C 3/02 20060101AFI20170512BHJP
   B65B 39/00 20060101ALI20170512BHJP
【FI】
   B67C3/02 Z
   B65B39/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-199729(P2016-199729)
(22)【出願日】2016年10月11日
(31)【優先権主張番号】15306936.4
(32)【優先日】2015年12月4日
(33)【優先権主張国】EP
(71)【出願人】
【識別番号】504102770
【氏名又は名称】シデル パルティシパション
【氏名又は名称原語表記】SIDEL PARTICIPATIONS
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フィリッポ・バンディニ
(72)【発明者】
【氏名】マッティア・チェンチ
【テーマコード(参考)】
3E055
3E079
【Fターム(参考)】
3E055AA01
3E055CB02
3E055DA05
3E055FA04
3E079AA01
3E079AA10
3E079AB01
3E079CC01
3E079CD21
3E079DD06
3E079DD21
3E079DE05
(57)【要約】      (修正有)
【課題】周知の充填装置に関連する不都合を容易かつ低コストなやり方で克服できるようにする充填機用の充填装置。
【解決手段】縦軸Bを有し、流動性製品のための中央流れ経路を画定し、底部軸方向出口開口18で終端する管状体11であって、経路は、狭窄断面領域23aに到るまで出口開口自体に向かった先細先端部23を備える、管状体と経路内で、シャッタ13が経路自体の先細断面部を封止的に閉鎖する下降閉鎖位置と、シャッタが先細断面部とともに、出口開口と連通している環状通路29を画定する上昇開放位置との間で移動可能なシャッタと、管状体の中に形成され、経路の片側に、および縦軸に対して経路自体よりも外周上に配置されている排気導管35と、を備える充填装置1であって、経路は、先細断面部のすぐ下に位置し、拡大断面部50も備える、充填装置。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流動性製品を容器(3)に充填するのに適した充填機(2)用の充填装置(1)であって、前記充填装置(1)は、
縦軸(B)を有し、流動性製品のための中央流れ経路(12)を画定し、充填すべき容器(3)に流動性製品を送達するように適合された軸方向出口開口(18)の下端(17)で終端する管状体(11)であって、前記経路(12)は、前記出口開口(18)からその上方に任意の軸方向距離の位置にあり、狭窄断面領域(23a)に到るまで出口開口(18)自体に向かって先細っている、先細先端部(23)を備える、管状体(11)と、
前記経路(12)内で、シャッタ(13)が経路(12)自体の先細断面部(23)を封止的に閉鎖して、出口開口(18)に向かう流動性製品の流れを妨げる、下降閉鎖位置と、シャッタ(13)が先細断面部(23)とともに、出口開口(18)と連通している環状通路(29)を画定する、上昇開放位置との間で移動可能な、シャッタ(13)と、
前記管状体(11)の中に形成され、前記経路(12)の片側に、および前記縦軸(B)に対して経路(12)自体よりも外周(C)上に配置されている、少なくとも1つの排気導管(35)と、
を備え、
前記経路(12)は、前記先細断面部(23)のすぐ下に位置し、前記狭窄断面領域(23a)よりも大きい直径を有し、前記排気導管(35)の底端開口も受ける膨張チャンバ(51)を画定する、拡大断面部(50)も備えることを特徴とする、充填装置。
【請求項2】
前記膨張チャンバ(51)が、前記縦軸(B)から、少なくとも前記排気導管(35)が位置する円周(C)まで延在する、請求項1に記載の充填装置。
【請求項3】
前記経路(12)の前記拡大断面部(50)の直径が、拡大断面部(50)自体の軸方向高さ全体に沿って一定である、請求項1または2に記載の充填装置。
【請求項4】
前記経路(12)が、前記拡大断面部(50)を前記出口開口(18)に接続し、前記拡大断面部(50)よりも小さい直径を有する、縮小断面末端部(55)をさらに備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の充填装置。
【請求項5】
前記経路(12)の前記縮小断面部(55)の直径は前記出口開口(18)に向かって縮小する、請求項4に記載の充填装置。
【請求項6】
大気圧よりも高い圧力で充填すべき容器(3)を加圧するための少なくとも1つの加圧導管(40)をさらに備え、前記加圧導管(40)は、前記管状体(11)の中に形成されており、前記排気導管(35)とは別になっており、前記経路(12)の片側に、そして前記縦軸(B)に対して経路(12)自体よりも外周(C)上に配置されており、前記拡大断面部(50)はまた、前記加圧導管(40)の底端開口も受ける、請求項1から5のいずれか一項に記載の充填装置。
【請求項7】
前記排気および加圧導管(35、40)の両方が、前記経路(12)および前記縦軸(B)の周りの同じ円周(C)上に配置されている、請求項6に記載の充填装置。
【請求項8】
充填の終わりに充填済み容器(3)を減圧するための少なくとも1つの減圧導管(45)をさらに備え、前記減圧導管(45)は、前記管状体(11)の中に形成されており、前記排気導管(35)および前記加圧導管(40)とは別になっており、前記経路(12)の片側に、そして前記縦軸(B)に対して経路(12)自体よりも外周(C)上に配置されており、前記拡大断面部(50)はまた、前記減圧導管(45)の底端開口も受ける、請求項6または7に記載の充填装置。
【請求項9】
前記排気、加圧、および減圧導管(35、40、45)が、前記経路(12)および前記縦軸(B)の周りの同じ円周(C)上に配置されている、請求項8に記載の充填装置。
【請求項10】
前記容器(3)を受容および保持するように、ならびに前記管状体(11)の前記下端(17)に向かっておよびそこから離れる方へ容器(3)を移動させるように構成された、支持手段(10)をさらに備える、請求項1から9のいずれか一項に記載の充填装置。
【請求項11】
前記シャッタ(13)によって担持された第一磁気手段(30)と、前記管状体(11)の外側に配置され、前記第一磁気手段(30)と磁気的に結合され、前記上昇開放位置と前記下降閉鎖位置との間で前記縦軸(B)に沿って磁力によって第一磁気手段(30)およびシャッタ(13)を選択的に移動させるように作動する、第二磁気手段(31)と、をさらに備える、請求項1から10のいずれか一項に記載の充填装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流動性製品、具体的には非発泡または発泡水、ソフトドリンク、飲料など、無炭酸または炭酸入り流動性製品を、具体的にはプラスチック材料で作られた容器に充填するのに適した、充填機用の充填装置に関する。
【0002】
加えて、本発明は、無菌または超清浄状態で動作するのに適した充填装置に関する。
【背景技術】
【0003】
この分野で使用される一般的な周知の充填機は実質的に、垂直軸の周りを回転するカルーセルコンベヤと、流動性製品を収容してカルーセルコンベヤによって中央に担持される製品タンクと、製品タンクに対して径方向外側の位置でカルーセルコンベヤによって支持され、それぞれの流体回路または管路を通じて製品タンクに接続され、円形搬送路に沿ってカルーセルコンベヤによって搬送される、複数の充填装置と、を備える。
【0004】
具体的には、カルーセルコンベヤは、入力スターホイールから一連の空の容器を受け取り、充填済み容器を出力スターホイールに放出する。
【0005】
各充填装置は基本的に、それぞれの容器を受け取って垂直位置に保持するように適合された支持装置と、カルーセルコンベヤに課せられた回転運動に従うことによって円形搬送路に沿って充填装置が移動する際に任意の量の流動性製品を容器内に供給するための充填弁と、を備える。
【0006】
周知の充填弁の一例は、欧州特許出願公開第1411023号明細書に開示されており、基本的に:
カルーセルコンベヤの周縁部に固定され、充填すべきそれぞれの容器に流動性製品を供給するための中央流れ経路を画定する、垂直管状体と、
管状体と摺動的に係合し、それぞれの容器に向かう流動性製品の流れを許容または防止するために流れ経路内で移動可能な、シャッタと、
管状体の経路内でシャッタを移動させるためのアクチュエータ手段と、
を備える。
【0007】
具体的には、管状体は、カルーセルコンベヤ軸と平行な縦軸を呈し、使用中に充填すべき容器の上端口を接続するように適合された軸方向出口開口とともに下端で終端している。
【0008】
管状体の経路は、出口開口からその上方に任意の軸方向距離の位置にあり、最小径断面に到るまでその出口開口に向かって先細っている、先細断面部を備える。この地点から出口開口に近い位置まで、経路は、先細断面部の最小径に等しい一定の直径を有する軸方向底端部を備える。
【0009】
シャッタは管状体の経路内で、シャッタが経路自体の先細断面部を封止的に閉鎖して、軸方向底端部および出口開口に向かう流動性製品の流れを妨げる、下降閉鎖位置と、シャッタが先細断面部とともに、軸方向底端部および出口開口と連通する環状通路を画定する、上昇開放位置との間で、移動可能である。
【0010】
充填弁は、管状体の中に形成され、充填弁の縦軸に対して中央経路よりも外周上に配置されている、3つの導管をさらに備え、
1つは流動性製品によるその充填の間に容器内に存在するガスを排出するための排気導管であり、
1つは炭酸入り製品向けの、充填の終わりに容器を減圧するための減圧導管であり、
1つは経路の軸方向底端部に存在する流動性製品を容器の中に強制的に落とし込むための空気導管である。
【0011】
炭酸入り流動性製品の場合、排気導管はまた、容器自体の実際の充填の開始に先立ち、大気圧よりも高い所望の圧力値で容器を加圧するためにも使用される。
【0012】
欧州特許出願公開第1411023号明細書に開示される充填装置は、以下の不都合を有する。
【0013】
第一に、経路の先細断面部を出口開口に接続する制限通路(軸方向底端部)は、容器に送達される製品の乱流を増加させて渦を形成する傾向があり、望ましくない泡を形成する可能性がある。
【0014】
また、このような制限通路が存在するため、経路の軸方向底端部に残留している可能性のある製品を容器の中に落とし込むために、追加の空気導管および追加の空気回路を提供する必要がある。
【0015】
最後に、充填中に容器内に存在するガスを排出するため、および容器自体を加圧するために、同じ導管を使用することにより、1回の充填動作の終わりにこのような導管の底部に残留した可能性のある泡などが、続く加圧ステップの間に次の容器内に送達されるかも知れない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】欧州特許出願公開第1411023号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
したがって、本発明の目的は、周知のタイプの充填装置に関連する不都合を容易かつ低コストなやり方で克服できるようにする、充填機用の充填装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明によれば、請求項1で請求される充填装置が提供される。
【0019】
以下、本発明のより良い理解のため、単なる非限定例を用いて、以下の添付図面を参照して、好適な実施形態が開示される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】容器の充填動作の開始する前に、明確さのため一部の部品が取り除かれた、本発明による充填装置の部分断面斜視図である。
図2】明確さのため一部の部品が取り除かれた、図1の充填装置の拡大部分断面正面図である。
図3図2の充填装置の主要部分の拡大部分断面正面図である。
図4図3と同一であり、容器の充填動作の間の充填装置の主要部分を示す図である。
図5図3と同一であり、容器の充填動作の終わりの充填装置の主要部分を示す図である。
図6図2の線VI−VIに沿った拡大断面図である。
図7図2の線VII−VIIに沿った拡大断面図である。
図8図2の線VIII−VIIIに沿った拡大断面図である。
図9図2の線IX−IXに沿った拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
添付図面の番号1は、本発明による充填装置全体を示しており、これは、流動性製品、具体的には無炭酸または炭酸入り飲料などの流動性食品を、具体的にはプラスチック材料で作られた容器3に充填するための、無菌または超清浄状態(それ自体周知であり図示されない)の充填機2(図1および図2に部分的にのみ示される)に組み込まれるように適合されている。
【0022】
充填機2には、一般的に滅菌された空の容器3が供給され、無菌状態で流動性製品をこれに充填する。この目的のため、充填機2は一般的に、流動性製品を収容する製品タンク(それ自体周知であり図示されない)と、垂直軸の周りを回転し、カルーセルコンベヤ4自体の回転の間にそれぞれの容器3を充填するための複数の充填装置1(添付図には1つのみが示される)を、突起するようにその周縁部で支承する、カルーセルコンベヤ4(図1および図2に部分的にのみ示される)と、を備える。
【0023】
図1から図5に示される例において、各容器3は縦軸Aを有してカルーセルコンベヤ4によって垂直位置で前進させられるボトルによって、画定される。具体的には、各容器3は、軸Aに対して略直角な底壁5により下方で境界をつけられており、軸Aと同軸であって流動性製品用の出入り口を画定する、上部ネック6を有する;ネック6は好ましくは、スクリューキャップ(それ自体周知であり図示されない)によって閉鎖できるように設計されたネジ溝表面7を備えている。
【0024】
添付図面を参照すると、各充填装置1は、流動性製品の供給を制御するように適合された充填弁8と、充填弁8の下で、容器3は充填弁から流動性製品を受けるために充填弁8と接触してそのネック6を配置させる垂直位置で、1つの容器3を支持するように適合された、支持手段10と、を備える。
【0025】
弁8は基本的に:
カルーセルコンベヤ4の周縁部に固定され、それぞれの容器3に流動性製品を供給するための中央流れ経路12を画定する、垂直管状体11と、
管状体11と摺動的に係合し、それぞれの容器3に向かう流動性製品の流れを許容または防止するために経路12内で移動可能な、シャッタ13と、
完全に管状体11の外側に配置され、経路12内でシャッタ13を移動させるためにシャッタ13と磁気的に結合された、アクチュエータ手段14と、
を備える。
【0026】
具体的には、管状体11は、カルーセルコンベヤ4の回転軸と平行な縦軸Bを有し、その上端15では製品タンクから流動性製品を受けるための軸方向入口開口16で、その下端17ではそれぞれの容器3に流動性製品を供給するための出口開口18で、終端している。
【0027】
より具体的には、上端15の軸方向入口開口16は、管状体11から製品タンクまで延在する製品導管19に直接接続されている。
【0028】
管状体11の下端17は、容器3自体の出入り口を出口開口18と直接接続させるように、充填すべき容器3の上部ネック6と使用中に接触するように適合されている。より詳細には、下端17は、それぞれの容器3の上部ネック6のための当接部を画定し、充填中にこれを封止的に閉鎖するように適合された、環状ガスケット20を備え、このようにして、容器3の内部は、流動性製品の充填中に封止状態に保たれる。
【0029】
図1から図5にはっきりと見られるように、支持手段10は、充填弁8の軸Bと同軸なその軸Aを有する懸架位置で、関連する容器3を受容および保持するように構成されている。具体的には、支持手段10は、充填弁8の下に配置されてネック6によって関連する容器3を保持するように構成された把持部材21と、把持部材21、ひいてはそれぞれの容器3を管状体11の下端17の環状ガスケット20に向かっておよびそこから離れる方へ移動させるためのアクチュエータ手段22と、を備える。
【0030】
特に図3から図5を参照すると、経路12は、出口開口18の近傍に、出口開口18自体からその上方に任意の軸方向距離の位置にあり、狭窄断面領域23aに到るまで出口開口18に向かって先細っている、先細断面部23を備える。より具体的には、先細断面部23は管状体11の円錐台形内表面によって画定されており、これは管状体11自体の上部円筒形内表面25から先細っている。狭窄断面領域23aは、先細断面部23の最小径領域を呈している。
【0031】
図1から図5および図9を参照すると、シャッタ13は管状体11の経路12の中に同軸に実装されており、管状体11自体の中を摺動する略円筒形の主要部27と、主要部27から突起して経路12の先細断面部23と流体密封的に協働するように構成されている、先頭形の閉鎖ヘッド28と、を備える。
【0032】
具体的には、閉鎖ヘッド28は円錐形表面で終端しており、これは先細断面部23を画定する管状体11の内側の円錐台形内表面を補完し、それぞれの容器3と充填弁8の流体接続を封止的に閉鎖するためにこのような表面と使用中に協働するよう構成されている。この目的のため、閉鎖ヘッド28の円錐形表面には、経路12の先細断面部23を画定する管状体11の表面と使用中に直接接触する、環状ガスケット28aが設けられている。
【0033】
シャッタ13は経路12内で、シャッタ13が経路12自体の先細断面部23を封止的に閉鎖して、出口開口18に向かう流動性製品の流れを妨ぐ、下降閉鎖位置(図1図2図3、および図5)と、シャッタ13が先細断面部23とともに出口開口18と連通する環状通路29を画定する、上昇開放位置(図4)との間で、移動可能である。
【0034】
特に図2を参照すると、シャッタ13の主要部27は、アクチュエータ手段14の少なくとも1つの永久磁石ユニット31と磁気的に結合された、少なくとも1つの永久磁石ユニット30を備える。
【0035】
より具体的には、永久磁石ユニット30は、軸方向に対面する同一の磁極を有して互いに隣り合って配置された、少なくとも2つの永久磁石30aを備える。永久磁石30aは、シャッタ13の主要部27の中に都合よく組み込まれている。
【0036】
全く同じように、永久磁石ユニット31は、軸方向に対面する同一の磁極を有して互いに隣り合って配置され、シャッタ13の永久磁石30aに対して異なる磁極を径方向に互いに対面させて配向された、少なくとも2つの永久磁石31aを備える。具体的には、永久磁石ユニット31はまた、永久磁石31aを内部に収容する円筒形のケーシング31bも備える。
【0037】
アクチュエータ手段14は、周知のやり方で、管状体11の外表面33上に摺動的に同軸で結合され、永久磁石ユニット31が設けられた、磁気可動部材32と、軸Bに沿って可動部材32および、磁力を通じて、シャッタ13を変位させる、駆動リニアアクチュエータ(それ自体周知であり図示されない)と、を備える。
【0038】
添付図面を参照すると、管状体11はまた、
排気回路36およびオン/オフ弁37を通じて、カルーセルコンベヤ4の中に形成されて切り替え可能に外部大気と周知のやり方で連通する環状チャンバ38(それ自体周知であり、部分的にのみ図示される)に接続されている、排気導管35と、
加圧回路41およびオン/オフ弁42を通じて、カルーセルコンベヤ4の中に形成されて、二酸化炭素などの加圧流体で満たされた環状チャンバ43(それ自体周知であり、部分的にのみ図示される)に接続されている、加圧導管40と、
減圧回路46およびオン/オフ弁47を通じて、環状排出チャンバ48(それ自体周知であり、部分的にのみ図示される)に接続されている、減圧導管45と、
を画定する。
【0039】
具体的には、排気導管35は、充填が封止状態で実行されるとき、充填中に容器3の内部に存在する、通常は空気および/またはCOなどのガスを排気するために、使用される。
【0040】
加圧導管40は、大気圧よりも高い圧力で充填すべき容器3を加圧するために、使用される;この導管は一般的に、炭酸入り液体を充填すべき容器3に使用される。
【0041】
減圧導管45は、充填の終わりに充填済み容器3を減圧するために使用される;この導管でさえ一般的に、圧力下で炭酸入り液体が充填された容器3に使用される。
【0042】
導管35、40、および45はすべて管状体11の中に形成されており、すべてが互いに別になっている。
【0043】
これら導管35、40、45の各々は、経路12の片側に、および軸Aに対して経路12よりも外周上に、配置されている。より具体的に、および図9にはっきりと見られるように、これら導管35、40、45のすべては、軸Bに対して経路12よりも共通外周C上に配置されている。
【0044】
本発明の重要な態様によれば、管状体11の経路12はまた、先細断面部23のすぐ下に位置し、軸Bに対して狭窄断面領域23aよりも大きい直径を有し、それぞれの導管35、40、45の底端開口も受ける膨張チャンバ51を画定する、拡大断面部50(図3から図5および図9)も備える。
【0045】
実際、すべての導管35、40、45は、それぞれの底端開口を通じて経路12の膨張チャンバ51の中につながっている。
【0046】
特に図9に示されるように、すべての導管35、40、45は、経路12および軸Bの周りの円周C上に配置されている。
【0047】
添付図面に示される具体例において、膨張チャンバ51は軸Bから円周Cまで延在し、ここに導管35、40、45が位置している。
【0048】
経路12の拡大断面部50の直径は、拡大断面部50自体の軸方向高さ全体に沿って好ましくは一定である。
【0049】
経路12は、拡大断面部50を出口開口18に接続し、拡大断面部50自体よりも小さい直径を有する、縮小断面末端部55をさらに備える。具体的には、経路12の縮小断面部55の直径は、出口開口18に向かって縮小する。
【0050】
ここで1つの容器3を参照して、流動性製品を充填されるためにこのような容器3が充填機2に供給される瞬間において、充填機1の動作を説明する。
【0051】
具体的には、容器3は、そのネック6において把持部材21によって垂直位置に、すなわちその軸Aを充填弁8の軸Bと同軸にしてそのネック6をその底壁5(図2および図3)よりも高い位置にして、保持される。容器3はまた、それぞれの下部支持プレート(図示せず)によってその底壁5において支持されてもよい。
【0052】
この状態において、充填弁8のシャッタ13は、充填弁8の管状体11の経路12の中で下降閉鎖位置に設定される。同じようにして、排気回路36、加圧回路40、および減圧回路46のすべての弁37、42、47は、閉鎖状態に設定される。
【0053】
送達される流動性製品が炭酸入り液体である場合、実行すべき第一のステップは、容器3を管状体11に流体密封的に結合することである。これは、容器3のネック6を管状体11の下端17のガスケット20と接触させるために把持部材21を充填弁8に向かって持ち上げるように、アクチュエータ手段22を作動することによって実現可能である。
【0054】
この時点で、容器3は加圧ステップを受ける。この目的のため、加圧回路40の弁41は開放し、容器3の中の圧力が所望の圧力値に到達する瞬間までこの状態で保持されるが、所望の圧力値は送達される製品の具体的タイプに依存し、最大6バールであってもよい;この所望の圧力値は、製品タンク内の製品の圧力に対応しており、充填動作を開始するために求められる条件を定義する。その後、弁41が閉鎖される。
【0055】
次にシャッタ13は、環状通路29を通じて容器3に向かう流動性製品の流れを許容する、その上昇開放位置(図4)まで移動させられる。この移動は、磁気可動部材32を制御するリニアアクチュエータを作動することによって実現され;シャッタ13と磁気可動部材32との間の磁気結合の効果により、この部材の並進運動は、管状体11の経路12の中のシャッタ13の対応する軸方向並進運動を決定する。
【0056】
同時に、容器3の中に存在するガスが流動性製品の充填の間に排出されるように、排気回路36の弁37が開放される。
【0057】
このステップは、製品が容器3内の所望の高さに到達したときに終了する。
【0058】
経路12の狭窄断面領域23aのすぐ下の膨張チャンバ51の存在のおかげで、充填中にボトルから出て行くガスは、乱流および渦の形成が減衰されるように、充填動作中に膨張することができる;これにより、泡の形成を低減しながら容器3を高速で充填することができる。
【0059】
充填の終わりに、シャッタ13はその初期の下降閉鎖位置(図5)まで移動し、排気回路36の弁37は閉鎖される。
【0060】
次のステップは容器3の減圧であるが、これは弁47を開放し、そうして容器3自体を減圧回路46と接続することによって、実現される。
【0061】
容器3に送達される流動性製品が無炭酸液体である場合、加圧および減圧ステップは実行されない。加えて、実際の充填は、容器3を管状体11のガスケット20と接触させずに行われてもよい。
【0062】
本発明による充填装置1の利点は、上述の説明より明らかとなる。
【0063】
具体的には、経路12の先細断面部23のすぐ下の拡大断面部50の存在のおかげで、充填中にボトルから出て行くガスは、乱流および渦の形成が極めて限定されるように、充填動作中に膨張することができる;これにより、泡の形成を低減しながら容器3を高速で充填することができる。
【0064】
また、その充填中に容器3の中に存在するガスを排出するため、および充填前に容器3を加圧するために別の導管35、40を使用することにより、充填の終わりに排気導管35の底部末端部分に存在する可能性のある製品の残留物がその後の加圧ステップの間に次の容器3の中に落ちる危険性を回避する。そして仮にこのような残留物が排気導管35の末端部分に存在したとしても、これは充填中にボトルから出て行くガスの中の少量の泡によって引き起こされる可能性があるが、このような残留物または泡は、拡大断面部50の中に落ち、その下のボトルの中には落ちない。
【0065】
しかしながら明らかに、添付請求項において定義される保護範囲から逸脱することなく、本明細書に記載されるような充填装置1に変更がなされてもよい。
【符号の説明】
【0066】
1 充填装置
2 充填機
3 容器
4 カルーセルコンベヤ
5 底壁
6 ネック
7 ネジ溝表面
8 充填弁
10 支持手段
11 管状体
12 経路
13 シャッタ
14、22 アクチュエータ手段
15 上端
16 入口開口
17 下端
18 出口開口
20 ガスケット
21 把持部材
23 先細断面部
23a 狭窄断面領域
25 上部円筒形内表面
27 主要部
28 閉鎖ヘッド
28a 環状ガスケット
29 環状通路
30、31 永久磁石ユニット
30a、31a 永久磁石
31b 円筒形のケーシング
32 磁気可動部材
33 外表面
35 排気導管
36 排気回路
37、42、47 オン/オフ弁
38、43 環状チャンバ
40 加圧導管
41 加圧回路
45 減圧導管
46 減圧回路
48 環状排出チャンバ
50 拡大断面部
51 膨張チャンバ
55 縮小断面部
A、B 縦軸
C 外周
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【外国語明細書】
2017100805000001.pdf