特開2017-101535(P2017-101535A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特開2017101535-外装材の仮支持部材 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-101535(P2017-101535A)
(43)【公開日】2017年6月8日
(54)【発明の名称】外装材の仮支持部材
(51)【国際特許分類】
   E04F 21/18 20060101AFI20170512BHJP
   E04B 1/64 20060101ALI20170512BHJP
【FI】
   E04F21/18 D
   E04B1/64 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2016-193628(P2016-193628)
(22)【出願日】2016年9月30日
(31)【優先権主張番号】特願2015-227316(P2015-227316)
(32)【優先日】2015年11月20日
(33)【優先権主張国】JP
(71)【出願人】
【識別番号】392034746
【氏名又は名称】吉川化成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100102211
【弁理士】
【氏名又は名称】森 治
(72)【発明者】
【氏名】溝田 豊彦
【テーマコード(参考)】
2E001
【Fターム(参考)】
2E001EA01
2E001FA21
2E001HB01
2E001HD11
(57)【要約】
【課題】外装材を簡易かつ精度良く取り付けることができるようにするための外装材の仮支持部材を提供すること。
【解決手段】コンクリート基礎1と土台2の間に配設されるパッキン部材3に形成された穴部31又はパッキン部材3間に形成される空間に挿入され、コンクリート基礎1と土台2の間の位置で仮固定される挿入片61と、この挿入片61から延設して一体に設けられ、取付前の外装材5を外装材5の下端面が載置されることによって仮支持する支持部62とを備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンクリート基礎と土台の間に配設されるパッキン部材に形成された穴部又はパッキン部材間に形成される空間に挿入され、コンクリート基礎と土台の間の位置で仮固定される挿入片と、該挿入片から延設して一体に設けられ、取付前の外装材を該外装材の下端面が載置されることによって仮支持する支持部とを備えてなることを特徴とする外装材の仮支持部材。
【請求項2】
前記挿入片の基端部の上下面が平行に形成されてなり、かつ、先端側の高さ寸法が、基端部よりも小さく形成されてなることを特徴とする請求項1に記載の外装材の仮支持部材。
【請求項3】
前記支持部の端部から横方向に延設して一体に操作部を設けてなることを特徴とする請求項1又は2に記載の外装材の仮支持部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外装材の仮支持部材に関し、特に、コンクリート基礎と土台の間に配設されるパッキン部材と組み合わせて用いられる外装材の仮支持部材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、木造住宅を建築する場合、コンクリート基礎を作り、その上に木製の土台を固定し、木製土台の上に柱を立て、柱の上に梁を載せ、土台、柱及び梁に外装材を取り付けるようにしていた。
【0003】
一方、床下空間の換気性を向上させたり、木製の土台の腐食を防止するため等の目的で、図5に示すように、コンクリート基礎1と木製の土台2の間に、所謂「基礎パッキン」と呼ばれる無機材料と合成樹脂材料との複合材料や金属材料からなる厚板形状の部材からなるパッキン部材3を配設することが提案され、実用化されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−218428号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記パッキン部材3を用いる場合を含め、木造住宅を建築する際に、外装材5を土台2や柱4に取り付けるに当たっては、取付が完了するまで外装材5を建築作業者が所定の取付位置に保持する必要があり、手数を要するとともに、取付精度の点でも問題があった。
【0006】
本発明は、上記従来の外装材を土台や柱に取り付ける際の問題点に鑑み、外装材を簡易かつ精度良く取り付けることができるようにするための外装材の仮支持部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の外装材の仮支持部材は、コンクリート基礎と土台の間に配設されるパッキン部材に形成された穴部又はパッキン部材間に形成される空間に挿入され、コンクリート基礎と土台の間の位置で仮固定される挿入片と、該挿入片から延設して一体に設けられ、取付前の外装材を該外装材の下端面が載置されることによって仮支持する支持部とを備えてなることを特徴とする。
【0008】
この場合において、前記挿入片の基端部の上下面が平行に形成されてなり、かつ、先端側の高さ寸法が、基端部よりも小さく形成されてなるようにすることができる。
【0009】
また、前記支持部の端部から横方向に延設して一体に操作部を設けてなるようにすることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の外装材の仮支持部材によれば、コンクリート基礎と土台の間に配設されるパッキン部材に形成された穴部又はパッキン部材間に形成される空間に挿入され、コンクリート基礎と土台の間の位置で仮固定される挿入片と、該挿入片から延設して一体に設けられ、取付前の外装材を該外装材の下端面が載置されることによって仮支持する支持部とを備えてなる仮支持部材を、コンクリート基礎と土台の間に配設されるパッキン部材と組み合わせて用いることにより、外装材を取り付けるに当たって、取付が完了するまで外装材を仮支持部材によって所定の取付位置に仮支持することができ、外装材を簡易かつ精度良く取り付けることができる。
【0011】
また、前記挿入片の基端部の上下面が平行に形成されてなり、かつ、先端側の高さ寸法が、基端部よりも小さく形成されてなるようにすることにより、仮支持部材のパッキン部材に形成された穴部又はパッキン部材間に形成される空間への挿入及び仮支持部材の穴部又は空間からの離脱を簡易に行うことができるとともに、仮支持部材のコンクリート基礎と土台の間への仮固定を強固に行うことができる。
【0012】
また、前記支持部の端部から横方向に延設して一体に操作部を設けてなるようにすることにより、仮支持部材の穴部又は空間からの離脱を簡易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の外装材の仮支持部材の一実施例を示し、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は背面図、(d)は右側面図、(e)は縦断面図、(f)は底面図、(g)は支持部の断面図である。
図2】同斜視図である。
図3】本発明の外装材の仮支持部材の使用方法を示す説明図である。
図4】同要部の説明図である。
図5】従来のパッキン部材を配設した木造住宅の構造を示す説明図である。
図6】本発明の外装材の仮支持部材の使用方法を示す要部の説明図で、(a)は、外装材の仮支持部材の装着方法を示す斜視図、(b)は外装材の仮支持部材を示す斜視図、(c)は同底面側から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の外装材の仮支持部材の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
【0015】
図1図4に、本発明の外装材の仮支持部材の一実施例を示す。
この外装材5の仮支持部材6は、コンクリート基礎1と土台2の間に配設されるパッキン部材3と組み合わせて用いられるもので、コンクリート基礎1と土台2の間に配設されるパッキン部材3に形成された穴部31(又はパッキン部材3間に形成される空間)に挿入され、コンクリート基礎1と土台2の間の位置で仮固定される挿入片61と、この挿入片61から延設して一体に設けられ、取付前の外装材5を外装材5の下端面が載置されることによって仮支持する支持部62とを備えるようにしている。
【0016】
この仮支持部材6は、ポリスチレン等のスチレン系樹脂、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ナイロン等のポリアミド樹脂等の合成樹脂による成型品のほか、アルミニウム、亜鉛等の金属によるダイキャスト成型品を用いることができる。
【0017】
この場合において、仮支持部材6は、挿入片61の基端部61aの上下面が平行に形成され、かつ、先端側の高さ寸法が、基端部61aよりも小さく形成されるように、好ましくは、先端側の高さ寸法が、漸次減少するように形成されるようにし、より好ましくは、面取り61bを施すようにすることができる。
ここで、上下面を平行に形成するようにした挿入片61の基端部61aの高さ寸法は、コンクリート基礎1と土台2の間に配設されるパッキン部材3に形成された穴部31の高さ寸法又はパッキン部材3の高さ寸法と、略同じ寸法に設定するようにする。
なお、本実施例の仮支持部材6においては、上下面を平行に形成する挿入片61の基端部61aを、2段形状に形成することによって、パッキン部材3に形成された穴部31の高さ寸法及び/又はパッキン部材3の高さ寸法の異なる2つの寸法に対応することができるようにしている。
これにより、仮支持部材6のコンクリート基礎1と土台2の間に配設されるパッキン部材3に形成された穴部31又はパッキン部材3間に形成される空間への挿入及び仮支持部材6の同穴部31又は空間からの離脱を簡易に行うことができるとともに、仮支持部材6のコンクリート基礎1と土台2の間への仮固定を強固に行うことができる。
【0018】
また、仮支持部材6は、支持部62の端部から横方向に延設して一体に操作部63を設けるようにすることができる。
これにより、操作部63を適宜の工具を用いて容易に操作することができ、仮支持部材6のコンクリート基礎1と土台2の間に配設されるパッキン部材3に形成された穴部31又はパッキン部材3間に形成される空間からの離脱を簡易に行うことができる。
【0019】
また、仮支持部材6は、操作部63の上面に、仮支持部材6の上下方向の方向性、具体的には、支持部62の平坦側を示す表示部64(具体的には、「上」の表示。)を設けるようにすることができる。
これにより、仮支持部材6の使用時に、上下方向を誤って使用することを防止することができる。
【0020】
この外装材5の仮支持部材6は、コンクリート基礎1と土台2の間に配設されるパッキン部材3と組み合わせて用いることにより、外装材5を土台2や柱4に取り付けるに当たって、取付が完了するまで外装材5を仮支持部材6の支持部62によって所定の取付位置に仮支持することができ、これによって、外装材5を簡易かつ精度良く取り付けることができる。
【0021】
ところで、この実施例において、仮支持部材6を装着するパッキン部材3は、コンクリート基礎1と土台2の間に配設されたパッキン部材3を通して通気が行われるように、パッキン部材3の幅方向に貫通する多数の通気孔が形成されたものを使用し、通気孔を仮支持部材6の挿入片61が挿入される穴部31として利用するようにしたが、通気孔が形成されていない、コンクリート基礎1と土台2の間が気密状態に維持されるようにするパッキン部材の場合にも、仮支持部材6を装着するようにすることができる。
【0022】
具体的には、例えば、図6に示すように、パッキン部材3の仮支持部材6の空間を挟んで長手方向に並設するようにした荷重支持片32を構成する長手方向に延びる内側縦片32aと、この内側縦片32aの上端及び下端から延設した上側水平片32b及び下側水平片32cとによって、コンクリート基礎1と土台2の間が気密状態に維持されるようにしたパッキン部材3において、パッキン部材3の長手方向に延びる外側縦片32dに、仮支持部材6の挿入片61が挿入される穴部31(当該穴部31は、内側縦片32aを貫通しない。)を形成するようにし、この穴部31に仮支持部材6の挿入片61が挿入することで、仮支持部材6をパッキン部材3に装着するようにすることができる。
【0023】
ここで、仮支持部材6は、特に限定されるものではないが、挿入片61を中央が長い3つ叉形状に形成し、仮支持部材6は、これに対応した3つの穴からなる穴部31を形成するようにしている。
【0024】
また、穴部31を形成する仮支持部材6の位置は、仮支持部材6の空間を挟んで長手方向に並設するようにした荷重支持片32を接続する接続片33の位置に合わせることで、穴部31を形成することによるパッキン部材3の強度の低下を低減するようにしている。
【0025】
このようにすることで、コンクリート基礎1と土台2の間が気密状態に維持されるようにするパッキン部材3の場合でも、通気孔が形成されたパッキン部材3と同様に、仮支持部材6を装着することができる。
【0026】
以上、本発明の外装材の仮支持部材について、その実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に記載した構成に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明の外装材の仮支持部材は、外装材を簡易かつ精度良く取り付けることができるものであることから、木造住宅を建築する場合等で、コンクリート基礎と土台の間に配設されるパッキン部材と組み合わせて、外装材を取り付ける用途に好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0028】
1 コンクリート基礎
2 土台
3 パッキン部材
4 柱
5 外装材
6 仮支持部材
61 挿入片
62 支持部
63 操作部
64 表示部
図1
図2
図3
図4
図5
図6