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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-101723(P2017-101723A)
(43)【公開日】2017年6月8日
(54)【発明の名称】位置検出センサ
(51)【国際特許分類】
   F15B 15/28 20060101AFI20170512BHJP
【FI】
   F15B15/28 L
   F15B15/28 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-234539(P2015-234539)
(22)【出願日】2015年12月1日
(71)【出願人】
【識別番号】000102511
【氏名又は名称】SMC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077665
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 剛宏
(74)【代理人】
【識別番号】100116676
【弁理士】
【氏名又は名称】宮寺 利幸
(74)【代理人】
【識別番号】100149261
【弁理士】
【氏名又は名称】大内 秀治
(74)【代理人】
【識別番号】100136548
【弁理士】
【氏名又は名称】仲宗根 康晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136641
【弁理士】
【氏名又は名称】坂井 志郎
(72)【発明者】
【氏名】政所 二朗
【テーマコード(参考)】
3H081
【Fターム(参考)】
3H081AA03
3H081CC20
3H081CC23
3H081DD22
3H081GG05
3H081GG15
3H081GG23
(57)【要約】      (修正有)
【課題】広い作業スペースを必要とすることなくアクチュエータに対して容易且つ効率的に取り付けを行うことができる位置検出センサを提供する。
【解決手段】位置検出センサ10は、シリンダ装置(アクチュエータ)12のセンサ取付溝30に取り付けられる。センサ取付溝30は、溝底面側の幅広部32とシリンダ装置12の側面側の幅狭部34とを有する。位置検出センサ10は、幅狭部34の溝幅W2よりも大きな幅寸法を有する取付部46、48を有し、取付部46、48は、センサ取付溝30の幅方向に互いに隙間を開けて対向するように配設された可撓性を有する第1係止部84a及び第2係止部84bを有している。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクチュエータの側面に開口し前記アクチュエータの軸線方向に沿って延びるセンサ取付溝に取り付けられる位置検出センサであって、
前記センサ取付溝は、溝底面側の幅広部と前記アクチュエータの側面側の幅狭部とを有し、
前記アクチュエータの変位体の位置を検出するセンサ本体を収容するハウジング部と、
前記ハウジング部に設けられ、前記センサ取付溝の前記幅狭部の溝幅よりも大きな幅寸法を有する取付部と、を備え、
前記取付部は、前記センサ取付溝の幅方向に互いに隙間を開けて対向するように配設された可撓性を有する第1係止部及び第2係止部を有していることを特徴とする位置検出センサ。
【請求項2】
請求項1記載の位置検出センサにおいて、
前記隙間に配置されて前記第1係止部及び前記第2係止部を互いに離間する方向に押圧する固定具を備えていることを特徴とする位置検出センサ。
【請求項3】
請求項2記載の位置検出センサにおいて、
前記ハウジング部には、前記固定具を前記隙間に導くための貫通孔が形成されていることを特徴とする位置検出センサ。
【請求項4】
請求項3記載の位置検出センサにおいて、
前記第1係止部のうち前記第2係止部に対向する第1対向面と前記第2係止部のうち前記第1係止部に対向する第2対向面とのそれぞれには、前記固定具を保持する保持部が設けられていることを特徴とする位置検出センサ。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の位置検出センサにおいて、
前記第1係止部は、
前記ハウジング部から直線状に延出した第1延出部と、
前記第1延出部の先端部に設けられて前記第2係止部とは反対側に膨出した第1膨出部と、を有し、
前記第2係止部は、
前記ハウジング部から直線状に延出した第2延出部と、
前記第2延出部の先端部から前記第1係止部とは反対側に膨出した第2膨出部と、を有していることを特徴とする位置検出センサ。
【請求項6】
請求項5記載の位置検出センサにおいて、
前記第1膨出部及び前記第2膨出部は、横断面が円弧状の湾曲面を有していることを特徴とする位置検出センサ。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の位置検出センサにおいて、
前記ハウジング部は、一方向に延在し、
前記取付部は、2つ設けられ、
各前記取付部は、前記ハウジング部の長手方向の両端部にそれぞれ設けられていることを特徴とする位置検出センサ。
【請求項8】
請求項7記載の位置検出センサにおいて、
前記ハウジング部は、
ハウジング本体と、
2つの前記取付部の間に位置するように前記ハウジング本体に設けられて前記センサ本体が配置されたセンサ配置部と、を有し、
前記センサ配置部は、前記センサ本体が前記センサ取付溝内に位置するように前記アクチュエータの側面側から前記センサ取付溝内に挿入可能に形成されていることを特徴とする位置検出センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクチュエータの側面に開口し前記アクチュエータの軸線方向に沿って延びるセンサ取付溝に取り付けられる位置検出センサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば、アクチュエータを構成するシリンダ内のピストン位置を検出するため、ピストンにマグネットを装着し、当該マグネットの磁気を検出する磁気センサをアクチュエータの外側に配設し、圧力流体の供給作用下にピストンを往復動作させ、磁気センサが検出するマグネットの磁気によりピストン位置を確認している。
【0003】
この場合、磁気センサを収容するホルダに円柱状の取付部材を連結して位置検出センサを構成し、当該位置検出センサをシリンダの側面に軸方向全長にわたって開口する断面円形状のセンサ溝に取り付ける(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
この位置検出センサの取り付けに際しては、まず、連結ボルトによってホルダと取付部材とを連結した状態で当該取付部材をシリンダの軸方向端面からセンサ溝に挿入し、センサ溝に沿って所定の位置まで移動させる。その後、連結ボルトの締め付け量を調整し、センサ溝の開口部に形成された膨出部をホルダと取付部材とで挟持することにより、位置検出センサの取り付けが完了する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−51800号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の位置検出センサでは、シリンダに対する位置検出センサの取り付けは、連結ボルトによってホルダと取付部材が連結された状態で当該取付部材をシリンダの軸方向端部から所望の位置まで手作業で挿入することによって行われる。そのため、作業効率を向上させることが容易ではなく、しかもシリンダの軸方向端部近傍に広い作業スペースを必要とする等の制約がある。
【0007】
本発明は、このような課題を考慮してなされたものであり、アクチュエータの軸方向端部近傍に広い作業スペースを必要とすることなくアクチュエータに対して容易且つ効率的に取り付けを行うことができる位置検出センサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明に係る位置検出センサは、アクチュエータの側面に開口し前記アクチュエータの軸線方向に沿って延びるセンサ取付溝に取り付けられる位置検出センサであって、前記センサ取付溝は、溝底面側の幅広部と前記アクチュエータの側面側の幅狭部とを有し、前記アクチュエータの変位体の位置を検出するセンサ本体を収容するハウジング部と、前記ハウジング部に設けられ、前記センサ取付溝の前記幅狭部の溝幅よりも大きな幅寸法を有する取付部と、を備え、前記取付部は、前記センサ取付溝の幅方向に互いに隙間を開けて対向するように配設された可撓性を有する第1係止部及び第2係止部を有していることを特徴とする。
【0009】
このような構成によれば、第1係止部及び第2係止部が互いに近接するように第1係止部及び第2係止部を撓ませた状態でアクチュエータの側面側からセンサ取付溝内に挿入した後で原状復帰させることにより、位置検出センサをアクチュエータに対して取り付けることができる。これにより、アクチュエータの軸方向端部近傍に広い作業スペースを必要とすることなくアクチュエータに対して位置検出センサを容易且つ効率的に取り付けることができる。
【0010】
上記の位置検出センサにおいて、前記隙間に配置されて前記第1係止部及び前記第2係止部を互いに離間する方向に押圧する固定具を備えていてもよい。
【0011】
このような構成によれば、固定具により第1係止部及び第2係止部を互いに離間する方向に押圧することにより、位置検出センサをアクチュエータに対してより確実且つ安定的に固定することができる。また、第1係止部及び第2係止部が互いに近接する方向に撓むことを固定具により抑えることができる。
【0012】
上記の位置検出センサにおいて、前記ハウジング部には、前記固定具を前記隙間に導くための貫通孔が形成されていてもよい。
【0013】
このような構成によれば、貫通孔を介して第1係止部及び第2係止部の間の隙間に固定具を容易に配置させることができる。
【0014】
上記の位置検出センサにおいて、前記第1係止部のうち前記第2係止部に対向する第1対向面と前記第2係止部のうち前記第1係止部に対向する第2対向面とのそれぞれには、前記固定具を保持する保持部が設けられていてもよい。
【0015】
このような構成によれば、固定具を第1係止部及び第2係止部の間に確実に保持することができる。
【0016】
上記の位置検出センサにおいて、前記第1係止部は、前記ハウジング部から直線状に延出した第1延出部と、前記第1延出部の先端部に設けられて前記第2係止部とは反対側に膨出した第1膨出部と、を有し、前記第2係止部は、前記ハウジング部から直線状に延出した第2延出部と、前記第2延出部の先端部から前記第1係止部とは反対側に膨出した第2膨出部と、を有していてもよい。
【0017】
このような構成によれば、第1膨出部及び第2膨出部によって取付部がセンサ取付溝から抜け出ることを好適に抑えることができる。
【0018】
上記の位置検出センサにおいて、前記第1膨出部及び前記第2膨出部は、横断面が円弧状の湾曲面を有していてもよい。
【0019】
このような構成によれば、湾曲面をセンサ取付溝の開口縁部に接触させた状態で取付部をセンサ取付溝に向けて押圧することにより、取付部をセンサ取付溝内に容易に挿入することができる。また、センサ取付溝内に配置されている取付部を引き抜くことによりセンサ取付溝から取付部を容易に取り外すことができる。
【0020】
上記の位置検出センサにおいて、前記ハウジング部は、一方向に延在し、前記取付部は、2つ設けられ、各前記取付部は、前記ハウジング部の長手方向の両端部にそれぞれ設けられていてもよい。
【0021】
このような構成によれば、位置検出センサをアクチュエータに対して一層確実且つ安定的に固定することができる。
【0022】
上記の位置検出センサにおいて、前記ハウジング部は、ハウジング本体と、2つの前記取付部の間に位置するように前記ハウジング本体に設けられて前記センサ本体が配置されたセンサ配置部と、を有し、前記センサ配置部は、前記センサ本体が前記センサ取付溝内に位置するように前記アクチュエータの側面側から前記センサ取付溝内に挿入可能に形成されていてもよい。
【0023】
このような構成によれば、センサ本体をセンサ取付溝内に位置させることができるので、センサ本体と変位体との距離を比較的近くすることができる。これにより、位置検出センサの検出精度を向上させることができる。また、2つの取付部の間にセンサ配置部が位置するため、センサ配置部(センサ本体)をアクチュエータに対してより確実且つ安定的に固定することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、第1係止部及び第2係止部が互いに近接するように第1係止部及び第2係止部を撓ませた状態でアクチュエータの側面側からセンサ取付溝内に挿入して原状復帰させることができるので、広い作業スペースを必要とすることなくアクチュエータに対して位置検出センサを容易且つ効率的に取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の一実施形態に係る位置検出センサをシリンダ装置に取り付けた状態を示す斜視図である。
図2図1の位置検出センサの斜視図である。
図3図3A図2の位置検出センサの側面図であり、図3B図2の位置検出センサの背面図である。
図4】シリンダ装置に対する位置検出センサの取付手順の第1説明図である。
図5図5Aは前記取付手順の第2説明図であり、図5Bは前記取付手順の第3説明図である。
図6】前記取付手順の第4説明図である。
図7】変形例に係る取付部を備えた位置検出センサの一部省略横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明に係る位置検出センサについて位置検出センサが取り付けられるシリンダ装置との関係で好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照しながら説明する。
【0027】
まず、シリンダ装置(アクチュエータ)12の基本的な構成について説明する。図1に示すように、シリンダ装置12は、筒状に形成された金属製のシリンダチューブ14と、シリンダチューブ14の軸線方向の開口部を閉塞する一対のエンドプレート16とを備えている。
【0028】
シリンダチューブ14の内孔には、圧力流体の供給作用下にシリンダチューブ14の軸線方向に沿って変位する図示しないピストン(変位体)が配設され、前記ピストンには図示しないピストンロッドが連結されている。前記ピストンの外周面には、図示しない環状のマグネットが装着されている。
【0029】
シリンダチューブ14は、四角形状の外形を有しており、その側面には、圧力流体を供給・排出するための一対のポート26、28が形成されている。シリンダチューブ14の各側面には、位置検出センサ10が取り付けられるセンサ取付溝30が2つずつ形成されている。
【0030】
各センサ取付溝30は、シリンダチューブ14の側面に開口し、シリンダチューブ14の軸線方向に沿って全長に亘って延在している。換言すれば、各センサ取付溝30は、シリンダチューブ14の両端面に開口している。
【0031】
図4に示すように、各センサ取付溝30は、溝底面側に位置する幅広部32と、シリンダチューブ14の側面側に位置する幅狭部34とを有している。幅広部32は、円弧状の湾曲面36によって横断面が円形状に形成されている。幅狭部34は、湾曲面36に連なる対向する一対の平面38、40によって横断面が矩形状に形成されている。
【0032】
次に、位置検出センサ10の構成について説明する。図1に示すように、位置検出センサ10は、シリンダ装置12のセンサ取付溝30に取り付けられて用いられる。図2図3Bに示すように、位置検出センサ10は、長尺なハウジング部42と、ハウジング部42に収容されたセンサ本体44と、ハウジング部42に設けられてセンサ取付溝30に挿入される2つの取付部46、48と、2つの固定ねじ(固定具)50、52とを備えている。
【0033】
ハウジング部42及び2つの取付部46、48は、樹脂材料によって一体的に成形されている。ハウジング部42は、略直方体形状に形成されたハウジング本体54と、ハウジング本体54に設けられたセンサ配置部56とを有している。ハウジング本体54は、一方向に延在している。
【0034】
位置検出センサ10をセンサ取付溝30に取り付けた際にシリンダチューブ14とは反対側に指向するハウジング本体54の外表面には、第1操作部58、第1表示部60、第2操作部62、及び第2表示部64が設けられている。第1操作部58及び第1表示部60は、ハウジング本体54の一端側に位置し、第2操作部62及び第2表示部64は、ハウジング本体54の他端側に位置している。
【0035】
第1操作部58及び第2操作部62のそれぞれは、検出したいピストンの位置を設定するためのものであって、ユーザが押圧操作可能なボタン(スイッチ)として構成されている。第1表示部60及び第2表示部64のそれぞれは、例えば、LEDとして構成されている。
【0036】
ハウジング本体54の前記外表面には、長手方向に対向する2つの角部が切り欠かれることによって形成された2つの凹部66、68が形成されている。各凹部66、68の底面には、ハウジング本体54の厚み方向に沿って延在した貫通孔70、72が形成されている。各貫通孔70、72の内面には、固定ねじ50、52が螺合する雌ねじが形成されている(図4参照)。ハウジング本体54の片方の端面には、センサ本体44に電気的に接続したリード線76が設けられている。
【0037】
ハウジング本体54の底面のうち凹部66の裏側には取付部46が突出形成され、ハウジング本体54の底面のうち凹部68の裏側には取付部48が突出形成されている。また、ハウジング本体54の底面のうち取付部46と取付部48の間には、センサ配置部56が突出形成されている。
【0038】
センサ配置部56は、ハウジング本体54の一端部に位置する取付部46の近傍からハウジング本体54の他端部に位置する取付部48の近傍まで連続して長手方向に沿って延在している。
【0039】
センサ配置部56の幅寸法W1は、センサ取付溝30の幅狭部34の溝幅W2よりも若干小さく設定され、センサ配置部56の突出長L1は、センサ取付溝30の溝深さL2と同じ又は当該溝深さL2よりも若干短く設定されている(図3B及び図4参照)。センサ配置部56の側面とハウジング本体54の側面とは面一になっている。
【0040】
センサ本体44は、ピストンに装着されたマグネットの磁気を検出する磁気検出部78と、信号処理系の回路が組み込まれた制御部80とを有している(図2図3B参照)。磁気検出部78は、センサ配置部56の先端側に収容されており、図示しない複数の磁気センサを有している。磁気検出部78は、シリンダチューブ14の内孔を往復動作するピストンの変位状態を一端から他端に亘ってリニアに検出するために、ピストンのストローク長よりも若干長く形成されている。
【0041】
制御部80は、第1操作部58と第2操作部62が操作された時の磁気検出部78の出力信号を記憶する。制御部80は、磁気検出部78の出力信号に基づいて第1操作部58の操作によって設定された第1設定位置(例えば、シリンダチューブ14の一端側の停止位置)にピストンが位置したか否かを判定する。制御部80は、第1設定位置にピストンが位置したと判定した場合に第1表示部60を点灯させ、第1設定位置にピストンが位置していないと判定した場合に第1表示部60を消灯させる。
【0042】
制御部80は、磁気検出部78の出力信号に基づいて第2操作部62の操作によって設定された第2設定位置(例えば、シリンダチューブ14の他端側の停止位置)にピストンが位置したか否かを判定する。制御部80は、第2設定位置にピストンが位置したと判定した場合に第2表示部64を点灯させ、第2設定位置にピストンが位置していないと判定した場合に第2表示部64を消灯させる。
【0043】
図2図4に示すように、取付部46は、ハウジング本体54の幅方向(センサ取付溝30の幅方向)に互いに隙間Sを開けて対向するようにハウジング本体54に設けられた可撓性を有する第1係止部84aと第2係止部84bとを有している。
【0044】
第1係止部84aは、ハウジング本体54の底面から直線状に延出した第1延出部86aと、第1延出部86aの先端部に設けられて第2係止部84bとは反対側に膨出した第1膨出部88aとを備えている。
【0045】
第1係止部84aは、ハウジング本体54の底面から第1膨出部88aの先端まで延在して第2係止部84bに対向する平坦な第1内面(第1対向面)90a(図3B参照)と、第2係止部84bとは反対側を指向する平坦な第1外面92aと、第1外面92aの先端から第2係止部84bとは反対側に円弧状に延出して第1内面90aの先端に終端する第1湾曲面94aとを含む。第1湾曲面94aは、センサ取付溝30の幅広部32の湾曲面36に対応した形状を有している。
【0046】
第2係止部84bは、ハウジング本体54の底面から直線状に延出した第2延出部86bと、第2延出部86bの先端部に設けられて第1係止部84aとは反対側に膨出した第2膨出部88bとを備えている。
【0047】
第2係止部84bは、ハウジング本体54の底面から第2膨出部88bの先端まで延在して第1係止部84aに対向する平坦な第2内面(第2対向面)90b(図3B参照)と、第1係止部84aとは反対側を指向する平坦な第2外面92bと、第2外面92bの先端から第1係止部84aとは反対側に円弧状に延出して第2内面90bの先端に終端する第2湾曲面94bとを含む。第2湾曲面94bは、センサ取付溝30の幅広部32の湾曲面36に対応した形状を有している。
【0048】
第1係止部84a及び第2係止部84bを撓ませていない状態(基準状態)において、第1内面90aと第2内面90bとの距離(隙間Sの間隔)D1は、第1膨出部88a及び第2膨出部88bが互いに近接する方向に撓むことによって幅狭部34を挿通することが可能な程度の大きさに設定されている。
【0049】
基準状態において、第1外面92aと第2外面92bとの距離D2は、幅狭部34の溝幅W2と略同一に設定されている。基準状態において、第1湾曲面94aのうち最も膨出している部位と第2湾曲面94bのうち最も膨出している部位との距離(最大距離)D3は、幅狭部34の溝幅W2よりも大きく設定されている。つまり、取付部46は、センサ取付溝30の幅狭部34の溝幅W2よりも大きな幅寸法を有している。
【0050】
第1内面90aには、固定ねじ50が螺合する雌ねじ部96aが第1内面90aの全長に亘って形成され、第2内面90bには、固定ねじ50が螺合する雌ねじ部96bが第2内面90bの全長に亘って形成されている。雌ねじ部(保持部)96a、96bは、貫通孔70の雌ねじに連続している。取付部48は、上述した取付部46と同様の構成を有しているので、取付部48の詳細な説明を省略する。
【0051】
本実施形態に係る位置検出センサ10は、基本的には以上のように構成されるものであって、次に、位置検出センサ10の作用効果について説明する。なお、初期状態において、固定ねじ50はハウジング本体54の貫通孔70に螺合し、固定ねじ52はハウジング本体54の貫通孔72に螺合している。
【0052】
まず、図4に示すように、任意の1つのセンサ取付溝30におけるシリンダチューブ14の側面の開口部に各取付部46、48が対向するように位置検出センサ10を配置する。
【0053】
続いて、各取付部46、48の第1湾曲面94a及び第2湾曲面94bをセンサ取付溝30の開口縁部に接触させた状態で位置検出センサ10をセンサ取付溝30の幅広部32側(溝底面側)に押圧する。そうすると、第1係止部84a及び第2係止部84bは、センサ取付溝30の開口縁部によって互いに近接する方向に押されて撓み、センサ取付溝30の幅狭部34内に挿入される(図5A参照)。
【0054】
このとき、第1湾曲面94aは幅狭部34の平面38に接触すると共に第2湾曲面94bは幅狭部34の平面40に接触する。そして、各取付部46、48を幅広部32側にさらに押圧すると、第1膨出部88a及び第2膨出部88bが幅狭部34を通過する。そうすると、平面38から第1係止部84aに作用していた力と平面40から第2係止部84bに作用していた力とが解放され、第1係止部84a及び第2係止部84bが復元力(弾性力)によって互いに離間する方向に原状復帰する(図5B参照)。
【0055】
すなわち、第1膨出部88a及び第2膨出部88bがセンサ取付溝30の幅広部32内に位置すると共に第1延出部86a及び第2延出部86bがセンサ取付溝30の幅狭部34内に位置することとなる。換言すれば、各取付部46、48のセンサ取付溝30内への挿入が完了する。
【0056】
このとき、第1湾曲面94aと第2湾曲面94bとの最大距離D3は、幅狭部34の溝幅W2よりも大きい。そのため、例えば、センサ取付溝30の鉛直下方から位置検出センサ10を取り付ける場合やユーザの手等が位置検出センサ10に当たった場合等に、各取付部46、48がセンサ取付溝30から抜け出ることを抑制することができる。
【0057】
また、第1湾曲面94a及び第2湾曲面94bのそれぞれが湾曲面36に接触し、第1外面92aが平面38に接触し、第2外面92bが平面40に接触する。つまり、位置検出センサ10は、シリンダチューブ14に対して仮固定されている。そのため、位置検出センサ10がシリンダチューブ14に対して位置ずれすることを抑えることができる。
【0058】
ただし、この状態で第1湾曲面94a、第2湾曲面94b、第1外面92a、及び第2外面92bの少なくともいずれか1つは、センサ取付溝30を構成する壁面(湾曲面36及び各平面38、40)に対して接触していなくてもよい。
【0059】
続いて、図示しない工具(ドライバー等)を用いて、固定ねじ50を進行させて取付部46の雌ねじ部96a、96bに螺合させ、固定ねじ52を進行させて取付部48の雌ねじ部96a、96bに螺合させる(図6参照)。そうすると、固定ねじ50、52によって第1係止部84a及び第2係止部84bが互いに離間する方向に押圧される。
【0060】
すなわち、第1湾曲面94a及び第2湾曲面94bが湾曲面36に押し付けられ、第1外面92aが平面38に押し付けられ、第2外面92bが平面40に押し付けられる。そのため、位置検出センサ10がシリンダチューブ14に対して強固に固定される。すなわち、位置検出センサ10のシリンダ装置12への取り付けが完了する。
【0061】
位置検出センサ10がシリンダ装置12に取り付けられた状態で、センサ配置部56の先端面は、センサ取付溝30の湾曲面36に接触している。具体的には、磁気検出部78がセンサ取付溝30内に位置している。これにより、磁気検出部78とピストン(マグネット)との距離を比較的近くすることができるので、位置検出センサ10の検出精度を向上させることができる。
【0062】
位置検出センサ10をセンサ取付溝30から取り外すときは、位置検出センサ10をセンサ取付溝30に取り付けたときと逆の手順をとればよい。
【0063】
すなわち、まず、前記工具を用いて、固定ねじ50を後退させて貫通孔70内に位置させ、固定ねじ52を後退させて貫通孔72内に位置させる。続いて、各取付部46、48がセンサ取付溝30から抜け出るように位置検出センサ10を引っ張る。そうすると、第1係止部84a及び第2係止部84bが各平面38、40と湾曲面36との境界部によって、互いに近接する方向に押されて撓み、第1膨出部88a及び第2膨出部88bが幅狭部34内に挿入される。
【0064】
その後、位置検出センサ10をさらに引っ張ると、第1膨出部88a及び第2膨出部88bが幅狭部34を通過する。そして、平面38から第1係止部84aに作用していた力と平面40から第2係止部84bに作用していた力とが解放され、第1係止部84a及び第2係止部84bが復元力によって互いに離間する方向に原状復帰する。これにより、位置検出センサ10がセンサ取付溝30から取り外される。
【0065】
本実施形態によれば、第1係止部84a及び第2係止部84bが互いに近接するように第1係止部84a及び第2係止部84bを撓ませた状態でシリンダチューブ14の側面側からセンサ取付溝30内に挿入した後で原状復帰させることにより、位置検出センサ10をシリンダ装置12に対して取り付けることができる。これにより、シリンダチューブ14の軸方向端部近傍に広い作業スペースを必要とすることなくシリンダ装置12に対して位置検出センサ10を容易且つ効率的に取り付けることができる。
【0066】
また、第1係止部84a及び第2係止部84bの間の隙間Sに固定ねじ50、52を配置させることにより第1係止部84a及び第2係止部84bを互いに離間する方向に押圧している。そのため、位置検出センサ10をシリンダ装置12に対して確実且つ安定的に固定することができる。さらに、第1係止部84a及び第2係止部84bが互いに近接する方向に撓むことを固定ねじ50、52により抑えることができる。
【0067】
本実施形態によれば、固定ねじ50、52を第1係止部84a及び第2係止部84bの隙間Sに導くための貫通孔70、72をハウジング部42に形成しているので、当該隙間Sに固定ねじ50、52を容易に配置させることができる。
【0068】
また、第1内面90a及び第2内面90bのそれぞれに固定ねじ50、52が螺合する雌ねじ部96a、96bを形成しているので、固定ねじ50、52を第1係止部84a及び第2係止部84bの間に確実に保持することができる。
【0069】
さらに、第1延出部86aの先端部に設けられた第1膨出部88aが第2係止部84bとは反対側に膨出すると共に第2延出部86bの先端部に設けられた第2膨出部88bが第1係止部84aとは反対側に膨出している。そのため、各取付部46、48がセンサ取付溝30から抜け出ることを好適に抑えることができる。
【0070】
本実施形態によれば、第1膨出部88aに第1湾曲面94aを形成すると共に第2膨出部88bに第2湾曲面94bを形成している。そのため、第1湾曲面94a及び第2湾曲面94bをセンサ取付溝30の開口縁部に接触させた状態で取付部46、48をセンサ取付溝30に向けて押圧することにより、取付部46、48をセンサ取付溝30内に容易に挿入することができる。また、センサ取付溝30内に配置されている取付部46、48を引き抜くことによりセンサ取付溝30から取付部46、48を容易に取り外すことができる。
【0071】
さらに、ハウジング本体54の長手方向の両端部にそれぞれ取付部46、48を設けているので、位置検出センサ10をシリンダ装置12に対して一層確実且つ安定的に固定することができる。
【0072】
本実施形態では、2つの取付部46、48の間にセンサ配置部56が位置するため、センサ配置部56(磁気検出部78)のシリンダチューブ14に対する位置ずれを好適に抑えることができる。
【0073】
本実施形態に係る位置検出センサ10は、取付部46、48に代えて図7に示す変形例に係る取付部100、102を有していてもよい。取付部100の第1係止部104aを構成する第1膨出部106aは、第1テーパ面108a、第1平面110a、及び第2テーパ面112aを有している。
【0074】
第1テーパ面108aは、第1外面92aから先端側に向かって第2係止部104bとは反対側に傾斜している。第1平面110aは、第1テーパ面108aから貫通孔70の延在方向に沿って先端側に延在している。第2テーパ面112aは、第1平面110aから先端側に向かって第2係止部104b側に傾斜している。
【0075】
取付部100の第2膨出部106bは、第3テーパ面108b、第2平面110b、及び第4テーパ面112bを有している。第3テーパ面108bは、第2外面92bから先端側に向かって第1係止部104aとは反対側に傾斜している。第2平面110bは、第3テーパ面108bから貫通孔70の延在方向に沿って先端側に延在している。第4テーパ面112bは、第2平面110bから先端側に向かって第1係止部104a側に傾斜している。
【0076】
取付部102は、取付部100と同様に構成されているため、取付部102の詳細な説明を省略する。なお、センサ取付溝114の幅広部116は、横断面が四角形状に形成されている。このような構成であっても上述した作用効果と同様の作用効果を奏する。
【0077】
本発明に係る位置検出センサは、上述の実施形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。例えば、本実施形態ではアクチュエータとして圧力流体を用いるシリンダ装置を例示しているが、シリンダ装置に限らず、電動アクチュエータにも用いることができる。また、リニアガイドにも応用することも可能である。
【符号の説明】
【0078】
10…位置検出センサ 12…シリンダ装置(アクチュエータ)
30、114…センサ取付溝 32、116…幅広部
34…幅狭部 42…ハウジング部
44…センサ本体 46、48、100、102…取付部
50、52…固定ねじ(固定具) 54…ハウジング本体
56…センサ配置部 70、72…貫通孔
84a、104a…第1係止部 84b、104b…第2係止部
86a…第1延出部 86b…第2延出部
88a、106a…第1膨出部 88b、106b…第2膨出部
90a…第1内面(第1対向面) 90b…第2内面(第2対向面)
92a…第1外面 92b…第2外面
94a…第1湾曲面 94b…第2湾曲面
96a、96b…雌ねじ部(保持部) S…隙間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7