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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-101724(P2017-101724A)
(43)【公開日】2017年6月8日
(54)【発明の名称】位置検出センサ
(51)【国際特許分類】
   F15B 15/28 20060101AFI20170512BHJP
【FI】
   F15B15/28 L
   F15B15/28 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-234540(P2015-234540)
(22)【出願日】2015年12月1日
(71)【出願人】
【識別番号】000102511
【氏名又は名称】SMC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077665
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 剛宏
(74)【代理人】
【識別番号】100116676
【弁理士】
【氏名又は名称】宮寺 利幸
(74)【代理人】
【識別番号】100149261
【弁理士】
【氏名又は名称】大内 秀治
(74)【代理人】
【識別番号】100136548
【弁理士】
【氏名又は名称】仲宗根 康晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136641
【弁理士】
【氏名又は名称】坂井 志郎
(72)【発明者】
【氏名】政所 二朗
【テーマコード(参考)】
3H081
【Fターム(参考)】
3H081AA03
3H081CC20
3H081CC23
3H081DD22
3H081GG05
3H081GG15
3H081GG23
(57)【要約】      (修正有)
【課題】アクチュエータに対して容易且つ効率的に取り付けを行うことができる位置検出センサを提供することを目的とする。
【解決手段】位置検出センサ10は、シリンダ装置(アクチュエータ)12に形成されて幅広部32と幅狭部34とを有するセンサ取付溝30に取り付けられる。取付部材46、48は、幅広部32に位置して幅狭部34の溝幅よりも大きな幅寸法を有する取付部本体82と、取付部本体82から延出して幅狭部34に位置する延出部84とを有する。連結ボルト50、52によりハウジング部42及び取付部材46、48が連結されることによって、ハウジング部42と取付部材46、48との間にシリンダ装置12の一部が保持される。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクチュエータの側面に開口し前記アクチュエータの少なくとも一方の端面まで軸線方向に沿って延びるセンサ取付溝に取り付けられる位置検出センサであって、
前記センサ取付溝は、溝底面側の幅広部と前記アクチュエータの側面側の幅狭部とを有し、
前記アクチュエータの変位体の位置を検出するセンサ本体を収容するハウジング部と、
前記センサ取付溝に挿入可能な取付部材と、
前記ハウジング部及び前記取付部材を連結する連結部材と、を備え、
前記取付部材は、
前記幅広部に位置して前記幅狭部の溝幅よりも大きな幅寸法を有する取付部本体と、
前記取付部本体から延出して前記幅狭部に位置する延出部と、を有し、
前記連結部材により前記ハウジング部及び前記取付部材が連結されることによって、前記ハウジング部と前記取付部材との間に前記アクチュエータの一部が保持されることを特徴とする位置検出センサ。
【請求項2】
請求項1記載の位置検出センサにおいて、
前記連結部材は、ボルトであって、
前記ハウジング部には、前記連結部材が挿通する貫通孔が形成され、
前記延出部には、前記連結部材が螺合するねじ孔が形成されていることを特徴とする位置検出センサ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の位置検出センサにおいて、
前記幅広部及び前記取付部本体のそれぞれは、横断面が円形状に形成されていることを特徴とする位置検出センサ。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の位置検出センサにおいて、
前記ハウジング部は、一方向に延在し、
前記取付部材及び前記連結部材は、2つずつ設けられ、
各前記取付部材は、前記ハウジング部の長手方向の両端部にそれぞれ前記連結部材によって連結されることを特徴とする位置検出センサ。
【請求項5】
請求項4記載の位置検出センサにおいて、
前記ハウジング部は、
ハウジング本体と、
2つの前記取付部材の間に位置するように前記ハウジング本体に設けられて前記センサ本体が配置されたセンサ配置部と、を有し、
前記センサ配置部は、前記センサ本体が前記センサ取付溝内に位置するように前記アクチュエータの側面側から前記センサ取付溝内に挿入可能に形成されていることを特徴とする位置検出センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクチュエータの側面に開口し前記アクチュエータの少なくとも一方の端面まで軸線方向に沿って延びるセンサ取付溝に取り付けられる位置検出センサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば、アクチュエータを構成するシリンダ内のピストン位置を検出するため、ピストンにマグネットを装着し、当該マグネットの磁気を検出する磁気センサをアクチュエータの外側に配設し、圧力流体の供給作用下にピストンを往復動作させ、磁気センサが検出するマグネットの磁気によりピストン位置を確認している。
【0003】
この場合、磁気センサを収容するホルダに円柱状の取付部材を連結して位置検出センサを構成し、当該位置検出センサをシリンダの側面に軸方向全長にわたって開口する断面円形状のセンサ溝に取り付ける(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
この位置検出センサの取り付けに際しては、まず、連結ボルトによってホルダと取付部材とを連結した状態で当該取付部材をシリンダの軸方向端面からセンサ溝に挿入し、センサ溝に沿って所定の位置まで移動させる。その後、連結ボルトの締め付け量を調整し、センサ溝の開口部に形成された膨出部をホルダと取付部材とで挟持することにより、位置検出センサの取り付けが完了する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−51800号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の位置検出センサでは、シリンダに対する位置検出センサの取り付けは、連結ボルトによってホルダと取付部材とが連結された状態で当該取付部材をシリンダの軸方向端部から所望の位置まで手作業で挿入することによって行われる。そのため、作業効率を向上させることが容易ではなく、しかもシリンダの軸方向端部近傍に広い作業スペースを必要とする等の制約がある。
【0007】
本発明は、このような課題を考慮してなされたものであり、アクチュエータの軸方向端部近傍の作業スペースが比較的狭小な場合であっても、アクチュエータに対して容易且つ効率的に取り付けを行うことができる位置検出センサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明に係る位置検出センサは、アクチュエータの側面に開口し前記アクチュエータの少なくとも一方の端面まで軸線方向に沿って延びるセンサ取付溝に取り付けられる位置検出センサであって、前記センサ取付溝は、溝底面側の幅広部と前記アクチュエータの側面側の幅狭部とを有し、前記アクチュエータの変位体の位置を検出するセンサ本体を収容するハウジング部と、前記センサ取付溝に挿入可能な取付部材と、前記ハウジング部及び前記取付部材を連結する連結部材と、を備え、前記取付部材は、前記幅広部に位置して前記幅狭部の溝幅よりも大きな幅寸法を有する取付部本体と、前記取付部本体から延出して前記幅狭部に位置する延出部と、を有し、前記連結部材により前記ハウジング部及び前記取付部材が連結されることによって、前記ハウジング部と前記取付部材との間に前記アクチュエータの一部が保持されることを特徴とする。
【0009】
このような構成によれば、連結部材によってハウジング部と取付部材とが連結されていない状態でアクチュエータの軸線方向の端面からセンサ取付溝内に当該取付部材を挿入し、センサ取付溝に沿って所定の位置まで移動させることができる。このとき、取付部本体が幅広部に位置すると共に延出部が幅狭部に位置するため、センサ取付溝内で取付部材がアクチュエータの軸線と平行な軸線回りに回転することを抑えることができる。その後、連結部材を用いてハウジング部と取付部材とを連結することによって、アクチュエータの一部をハウジング部と取付部材との間に保持することができる。これにより、アクチュエータの軸方向端部近傍の作業スペースが比較的狭小な場合であっても、アクチュエータに対して容易且つ効率的に位置検出センサを取り付けることができる。
【0010】
上記の位置検出センサにおいて、前記連結部材は、ボルトであって、前記ハウジング部には、前記連結部材が挿通する貫通孔が形成され、前記延出部には、前記連結部材が螺合するねじ孔が形成されていてもよい。
【0011】
このような構成によれば、ボルトである連結部材をハウジング部の貫通孔に挿通させて延出部のねじ孔に螺合させることによって、ハウジング部と取付部材との間にアクチュエータの一部を容易に保持することができる。
【0012】
上記の位置検出センサにおいて、前記幅広部及び前記取付部本体のそれぞれは、横断面が円形状に形成されていてもよい。
【0013】
このような構成であっても、センサ取付溝内で取付部材がアクチュエータの軸線と平行な軸線回りに回転することを抑えることができる。
【0014】
上記の位置検出センサにおいて、前記ハウジング部は、一方向に延在し、前記取付部材及び前記連結部材は、2つずつ設けられ、各前記取付部材は、前記ハウジング部の長手方向の両端部にそれぞれ前記連結部材によって連結されてもよい。
【0015】
このような構成によれば、ハウジング部の片方の端部がアクチュエータに対して浮き上がることを抑制することができる。これにより、位置検出センサをアクチュエータに対して確実且つ安定的に固定することができる。
【0016】
上記の位置検出センサにおいて、前記ハウジング部は、ハウジング本体と、2つの前記取付部材の間に位置するように前記ハウジング本体に設けられて前記センサ本体が配置されたセンサ配置部と、を有し、前記センサ配置部は、前記センサ本体が前記センサ取付溝内に位置するように前記アクチュエータの側面側から前記センサ取付溝内に挿入可能に形成されていてもよい。
【0017】
このような構成によれば、センサ本体をセンサ取付溝内に位置させることができるので、センサ本体と変位体との距離を比較的近くすることができる。これにより、位置検出センサの検出精度を向上させることができる。また、2つの取付部材の間にセンサ配置部が位置するため、センサ配置部(センサ本体)をアクチュエータに対してより確実且つ安定的に固定することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、取付部本体が幅広部に位置すると共に延出部が幅狭部に位置するように取付部材をアクチュエータの軸線方向の端面からセンサ取付溝に挿入することができる。これにより、アクチュエータの軸方向端部近傍の作業スペースが比較的狭小な場合であっても、アクチュエータに対して容易且つ効率的に位置検出センサを取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施形態に係る位置検出センサをシリンダ装置に取り付けた状態を示す斜視図である。
図2図1の位置検出センサの斜視図である。
図3図3A図2の位置検出センサの側面図であり、図3B図2の位置検出センサの背面図である。
図4図4Aは取付部材の拡大横断面図であり、図4Bはシリンダチューブの一部拡大横断面図である。
図5図5Aはシリンダ装置に対する位置検出センサの取付手順の第1説明図であり、図5Bは前記取付手順の第2説明図である。
図6図6Aは前記取付手順の第3説明図であり、図6Bは前記取付手順の第4説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係る位置検出センサについて位置検出センサが取り付けられるシリンダ装置との関係で好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照しながら説明する。
【0021】
まず、シリンダ装置(アクチュエータ)12の基本的な構成について説明する。図1に示すように、シリンダ装置12は、筒状に形成された金属製のシリンダチューブ14と、シリンダチューブ14の軸線方向の開口部を閉塞する一対のエンドプレート16とを備えている。
【0022】
シリンダチューブ14の内孔には、圧力流体の供給作用下にシリンダチューブ14の軸線方向に沿って変位する図示しないピストン(変位体)が配設され、前記ピストンには図示しないピストンロッドが連結されている。前記ピストンの外周面には、図示しない環状のマグネットが装着されている。
【0023】
シリンダチューブ14は、四角形状の外形を有しており、その側面には、圧力流体を供給・排出するための一対のポート26、28が形成されている。シリンダチューブ14の各側面には、位置検出センサ10が取り付けられるセンサ取付溝30が2つずつ形成されている。
【0024】
各センサ取付溝30は、シリンダチューブ14の側面に開口し、シリンダチューブ14の軸線方向に沿って全長に亘って延在している。換言すれば、各センサ取付溝30は、シリンダチューブ14の両端面に開口している。
【0025】
図4Bに示すように、各センサ取付溝30は、溝底面側に位置する幅広部32と、シリンダチューブ14の側面側に位置する幅狭部34とを有している。幅広部32は、円弧状の湾曲面36によって横断面が円形状に形成されている。幅狭部34は、湾曲面36に連なる対向する一対の平面38、40によって横断面が矩形状に形成されている。
【0026】
次に、位置検出センサ10の構成について説明する。図1に示すように、位置検出センサ10は、シリンダ装置12のセンサ取付溝30に取り付けられて用いられる。図2図3Bに示すように、位置検出センサ10は、長尺なハウジング部42と、ハウジング部42に収容されたセンサ本体44と、センサ取付溝30に挿入される2つの取付部材46、48と、2つの連結ボルト(連結部材)50、52とを備えている。
【0027】
ハウジング部42は、樹脂材料によって一体的に成形されており、略直方体形状に形成されたハウジング本体54と、ハウジング本体54に設けられたセンサ配置部56とを有している。ハウジング本体54は、一方向に延在している。
【0028】
位置検出センサ10をセンサ取付溝30に取り付けた際にシリンダチューブ14とは反対側に指向するハウジング本体54の外表面には、第1操作部58、第1表示部60、第2操作部62、及び第2表示部64が設けられている。第1操作部58及び第1表示部60は、ハウジング本体54の一端側に位置し、第2操作部62及び第2表示部64は、ハウジング本体54の他端側に位置している。
【0029】
第1操作部58及び第2操作部62のそれぞれは、検出したいピストンの位置を設定するためのものであって、ユーザが押圧操作可能なボタン(スイッチ)として構成されている。第1表示部60及び第2表示部64のそれぞれは、例えば、LEDとして構成されている。
【0030】
ハウジング本体54の前記外表面には、長手方向に対向する2つの角部が切り欠かれることによって形成された2つの凹部66、68が形成されている。各凹部66、68の底面には、ハウジング本体54の厚み方向に沿って延在した貫通孔70、72が形成されている。貫通孔70には、ハウジング本体54と取付部材46とを連結する連結ボルト50が挿通され、貫通孔72には、ハウジング本体54と取付部材48とを連結する連結ボルト52が挿通される。ハウジング本体54の片方の端面には、センサ本体44に電気的に接続したリード線74が設けられている。
【0031】
ハウジング本体54の底面には、ハウジング本体54の一端部に連結される取付部材46とハウジング本体54の他端部に連結される取付部材48との間に位置するようにセンサ配置部56が突出形成されている。センサ配置部56は、ハウジング本体54の長手方向に沿って延在している。
【0032】
センサ配置部56の幅寸法W1は、センサ取付溝30の幅狭部34の溝幅W2よりも若干小さく設定され、センサ配置部56の突出長L1は、センサ取付溝30の溝深さL2と同じ又は当該溝深さL2よりも若干短く設定されている(図3A図3B、及び図4B参照)。センサ配置部56の側面とハウジング本体54の側面とは面一になっている。
【0033】
センサ本体44は、ピストンに装着されたマグネットの磁気を検出する磁気検出部76と、信号処理系の回路が組み込まれた制御部78とを有している(図2図3B参照)。磁気検出部76は、センサ配置部56の先端側に収容されており、図示しない複数の磁気センサを有している。磁気検出部76は、シリンダチューブ14の内孔を往復動作するピストンの変位状態を一端から他端に亘ってリニアに検出するために、ピストンのストローク長よりも若干長く形成されている。
【0034】
制御部78は、第1操作部58と第2操作部62が操作された時の磁気検出部76の出力信号を記憶する。制御部78は、磁気検出部76の出力信号に基づいて第1操作部58の操作によって設定された第1設定位置(例えば、シリンダチューブ14の一端側の停止位置)にピストンが位置したか否かを判定する。制御部78は、第1設定位置にピストンが位置したと判定した場合に第1表示部60を点灯させ、第1設定位置にピストンが位置していないと判定した場合に第1表示部60を消灯させる。
【0035】
制御部78は、磁気検出部76の出力信号に基づいて第2操作部62の操作によって設定された第2設定位置(例えば、シリンダチューブ14の他端側の停止位置)にピストンが位置したか否かを判定する。制御部78は、第2設定位置にピストンが位置したと判定した場合に第2表示部64を点灯させ、第2設定位置にピストンが位置していないと判定した場合に第2表示部64を消灯させる。
【0036】
図2図4Aに示すように、取付部材46は、取付部材46の変形を防止するために金属材料で構成されている。ただし、取付部材46は、樹脂材料で構成しても構わない。取付部材46は、横断面が円形状に形成された取付部本体82と、取付部本体82から直線状に延出した延出部84とを有している。
【0037】
取付部本体82は、センサ取付溝30の幅広部32に挿入可能に構成されている。取付部本体82の外表面の曲率は、幅広部32の湾曲面36の曲率と略同一に設定されている。ただし、取付部本体82の外表面の曲率は、幅広部32の湾曲面36の曲率よりも大きく設定されていてもよい。
【0038】
図4A及び図4Bに示すように、取付部本体82の最大幅(直径)W3は、センサ取付溝30の幅狭部34の溝幅W2よりも大きく設定されている。取付部本体82の全長(ハウジング本体54の延在方向に沿った長さ)は、取付部本体82の最大幅W3よりも大きい。
【0039】
延出部84は、取付部本体82の全長に亘って設けられている。延出部84の幅寸法W4は、センサ取付溝30の幅狭部34の溝幅W2と略同一又は幅狭部34の溝幅W2よりも若干小さく設定されている。延出部84の延出長L3は、幅狭部34の溝深さL4よりも小さく設定されている。延出部84の先端面には、連結ボルト50が螺合するねじ孔86が形成されている。ねじ孔86は、取付部本体82の外表面まで貫通している。取付部材48は、上述した取付部材46と同様の構成を有しているので、取付部材48の詳細な説明を省略する。
【0040】
本実施形態に係る位置検出センサ10は、基本的には以上のように構成されるものであって、次に、位置検出センサ10の作用効果について説明する。
【0041】
まず、図4Aに示すように、シリンダチューブ14の軸線方向の端面から任意の1つのセンサ取付溝30内に2つの取付部材46、48を挿入し、これら取付部材46、48をセンサ取付溝30に沿って所定の位置まで移動させる。
【0042】
このとき、取付部本体82は幅広部32に位置すると共に延出部84は幅狭部34に位置する。具体的には、取付部本体82の外表面が幅広部32の湾曲面36に接触すると共に延出部84の各側面が幅狭部34の各平面38、40に接触している。
【0043】
これにより、各取付部材46、48は、シリンダチューブ14の軸線と平行な軸線回りに回転することが抑制される。よって、延出部84の先端面に開口するねじ孔86の開口部がセンサ取付溝30を構成する壁面(湾曲面36及び各平面38、40)に指向してしまうことはない。換言すれば、ねじ孔86の開口部をシリンダチューブ14の側面のセンサ取付溝30の開口部に確実に指向させることができる。
【0044】
ただし、延出部84の各側面が幅狭部34の各平面38、40に接触可能であれば、延出部84の各側面と幅狭部34の各平面38、40との間には隙間が形成されていてもよい。この場合であっても、各取付部材46、48の回転を抑制することができる。
【0045】
続いて、各貫通孔70、72と各取付部材46、48のねじ孔86との位置を合せた状態で、取付部材46と取付部材48との間にセンサ配置部56が位置するようにセンサ配置部56をシリンダチューブ14の側面側からセンサ取付溝30内に挿入する(図5B及び図6A参照)。
【0046】
その後、図示しない工具(ドライバー等)を用いて、連結ボルト50を凹部66側から貫通孔70を通して取付部材46のねじ孔86に螺合させ、連結ボルト52を凹部68側から貫通孔72を通して取付部材48のねじ孔86に螺合させる(図6B参照)。そうすると、各取付部材46、48にはハウジング本体54に向かう方向の締付力F1が作用すると共にハウジング本体54には各取付部材46、48に向か方向の締付力F2が作用する。
【0047】
すなわち、締付力F1によって取付部本体82の外表面が幅広部32の湾曲面36に対してハウジング本体54側に押し付けられると共に、締付力F2によってハウジング本体54の底面がシリンダチューブ14の側面に対して押し付けられる。その結果、シリンダチューブ14の一部(幅狭部34の平面38、40を有する部位)が取付部本体82とハウジング本体54との間に保持(挟持)される。これにより、位置検出センサ10のシリンダ装置12への取り付けが完了する。
【0048】
この状態で、センサ配置部56の先端面はセンサ取付溝30の湾曲面36に接触している。具体的には、磁気検出部76がセンサ取付溝30内に位置している。これにより、磁気検出部76とピストン(マグネット)との距離を比較的近くすることができるので、位置検出センサ10の検出精度を向上させることができる。
【0049】
本実施形態によれば、連結ボルト50、52によってハウジング部42と取付部材46、48が連結されていない状態でシリンダチューブ14の軸線方向の端面からセンサ取付溝30内に取付部材46、48を挿入し、センサ取付溝30に沿って所定の位置まで移動させている。このとき、取付部本体82が幅広部32に位置すると共に延出部84が幅狭部34に位置するため、センサ取付溝30内で取付部材46、48がシリンダチューブ14の軸線と平行な軸線回りに回転することを抑えることができる。
【0050】
その後、各連結ボルト50、52を用いて各取付部材46、48とハウジング部42とを連結することによって、シリンダチューブ14の一部をハウジング本体54と取付部材46、48との間に保持することができる。これにより、シリンダチューブ14の軸線方向端部近傍の作業スペースが比較的狭小な場合であっても、シリンダ装置12に対して容易且つ効率的に位置検出センサ10を取り付けることができる。
【0051】
本実施形態によれば、連結ボルト50、52を貫通孔70、72に挿通させて取付部材46、48の延出部84のねじ孔86に螺合させているので、取付部本体82とハウジング本体54との間にシリンダチューブ14の一部を容易に保持することができる。
【0052】
また、本実施形態では、ハウジング本体54の両端部のそれぞれに取付部材46、48を取り付けているため、ハウジング本体54の片方の端部がシリンダチューブ14の側面から浮き上がることを抑制することができる。これにより、位置検出センサ10をシリンダチューブ14に対して確実且つ安定的に固定することができる。
【0053】
本実施形態では、2つの取付部材46、48の間にセンサ配置部56が位置するため、センサ配置部56(磁気検出部76)をシリンダ装置12に対してより確実且つ安定的に固定することができる。
【0054】
本実施形態に係る位置検出センサ10は、上述した構成に限定されない。取付部本体82及び幅広部32のそれぞれは、横断面が四角形状に形成されていてもよい。このような構成であっても上述した作用効果と同様の作用効果を奏する。
【0055】
本発明に係る位置検出センサは、上述の実施形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。例えば、本実施形態ではアクチュエータとして圧力流体を用いるシリンダ装置を例示しているが、シリンダ装置に限らず、電動アクチュエータにも用いることができる。また、リニアガイドにも応用することも可能である。
【符号の説明】
【0056】
10…位置検出センサ 12…シリンダ装置(アクチュエータ)
14…シリンダチューブ 30…センサ取付溝
32…幅広部 34…幅狭部
42…ハウジング部 44…センサ本体
46、48…取付部材 50、52…連結ボルト(連結部材)
54…ハウジング本体 56…センサ配置部
70、72…貫通孔 76…磁気検出部
82…取付部本体 84…延出部
86…ねじ孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6