【解決手段】軸方向に延びる中心軸を中心とする筒状のガイド部を有するソレノイドと、ガイド部の径方向内側に位置し、軸方向に移動する可動子と、ソレノイドおよび可動子を収容し、孔部が設けられた磁性体製のカバーと、孔部に位置し、可動子の移動に伴って移動するピンと、カバーの外部に設けられ、可動子およびピンの移動とともに開閉される弁部と、を備え、可動子は、軸方向に異なる磁極を有する永久磁石と、軸方向に沿って永久磁石の両側に配置される一対のヨークと、を有し、ソレノイドは、内周面にガイド部が設けられた円筒部と、円筒部から径方向外側に延びる磁性体製の複数のティース部と、それぞれのティース部に設けられたボビン部と、ボビン部に巻き付けられたコイルと、を有し、ボビン部は、円筒部の外周面に沿って円弧状に湾曲するフランジ部を有する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る電磁弁について説明する。なお、本発明の範囲は、以下の実施の形態に限定されず、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等を異ならせる場合がある。
【0010】
また、図面においては、適宜3次元直交座標系としてXYZ座標系を示す。XYZ座標系において、Z軸方向は、
図1に示す中心軸Jの軸方向と平行な方向とする。Y軸方向は、Z軸方向と直交する方向の一つの方向、すなわち、
図1における左右方向とする。X軸方向は、Z軸方向とY軸方向との両方と直交する方向とする。
【0011】
また、以下の説明においては、Z軸方向の負の側(−Z側、軸方向一方側)を「下側」と呼び、Z軸方向の正の側(+Z側、軸方向他方側)を「上側」と呼ぶ。なお、上側および下側とは、単に説明のために用いられる名称であって、実際の位置関係や方向を限定しない。また、特に断りのない限り、中心軸Jに平行な方向(Z軸方向)を単に「軸方向」と呼び、中心軸Jを中心とする径方向を単に「径方向」と呼び、中心軸Jを中心とする周方向を単に「周方向」と呼ぶ。
【0012】
<第1実施形態>
図1、
図2は、第1実施形態の電磁弁1を示す断面図である。
図1は、弁部60が開いた状態を示している。
図2は、弁部60が閉じた状態を示している。
【0013】
本実施形態の電磁弁1は、
図1および
図2に示すように、カバー40と、ピンガイド部材33と、ソレノイド20と、可動子50と、弁部60と、ピン70と、を備える。電磁弁1は、ソレノイド20に電流が供給されることで、可動子50に磁力による推力が与えられ、可動子50を軸方向に移動させる。ピン70は、可動子50の移動に伴って移動する。弁部60は、可動子50およびピン70の移動とともに開閉される。以下、各部の構成について詳細に説明する。
【0014】
[カバー]
カバー40は、ソレノイド20および可動子50を収容する。カバー40は、磁性体製である。カバー40は、筒状部43と、下側プレート(プレート)41と、上側プレート(プレート)42と、を有する。
【0015】
筒状部43は、ソレノイド20の径方向外側から覆う筒状である。本実施形態において筒状部43は、例えば、中心軸Jと同心の円筒状である。
下側プレート41は、ソレノイド20の下側(−Z側)に位置する。下側プレート41は、筒状部43に取り付けられる。本実施形態において下側プレート41は、例えば、筒状部43の内側に嵌め合わされている。
【0016】
本実施形態において下側プレート41は、例えば、2枚のプレートで構成されている。すなわち、下側プレート41は、第1下側プレート41aと、第2下側プレート41bと、を有する。第2下側プレート41bは、第1下側プレート41aの上側(+Z側)に重ねられている。軸方向(Z軸方向)から視た第1下側プレート41aの形状、および第2下側プレート41bの形状は、例えば、円形状である。
【0017】
第1下側プレート41aには、第1下側プレート41aを軸方向(Z軸方向)に貫通する第1孔部41cが設けられている。第2下側プレート41bには、第2下側プレート41bを軸方向(Z軸方向)に貫通する第2孔部41dが設けられている。第1孔部41cと第2孔部41dとによって、下側プレート41を軸方向(Z軸方向)に貫通する孔部41eが構成されている。すなわち、カバー40には、孔部41eが設けられている。第1孔部41cおよび第2孔部41dは、例えば、中心軸Jと同心の円形状である。第2孔部41dの直径は、第1孔部41cの直径よりも小さい。
【0018】
上側プレート42は、ソレノイド20の上側(+Z側)に位置する。上側プレート42は、筒状部43に取り付けられる。本実施形態において上側プレート42は、例えば、筒状部43の内側に嵌め合わされている。軸方向(Z軸方向)から視た上側プレート42の形状は、例えば、円形状である。
【0019】
本実施形態によれば、カバー40は、ソレノイド20の軸方向端部にそれぞれ位置する一対のプレート(下側プレート41および上側プレート42)を有する。また、下側プレート41と上側プレート42と筒状部43とが別部材である。そのため、電磁弁1を組み立てる際に、カバー40の内側にソレノイド20および可動子50を収容しやすい。これにより、電磁弁1の組み立てを容易にできる。
【0020】
カバー40の側面には、コネクタ部80が取り付けられている。コネクタ部80には、上側(+Z側)に開口するコネクタ開口部81が設けられている。コネクタ部80は、接続端子82を有する。接続端子82の一端は、コネクタ開口部81の底面から突出している。図示は省略するが、接続端子82の他端は、ソレノイド20のコイル28と電気的に接続されている。コネクタ部80には、図示しない外部電源が接続される。外部電源は、接続端子82を介して、コイル28に電流を供給する。
【0021】
[ピンガイド部材]
ピンガイド部材33は、カバー40に支持された筒状の部材である。ピンガイド部材33は、非磁性体製である。ピンガイド部材33は、第1下側プレート41aの第1孔部41cに嵌め合わされている。ピンガイド部材33の上端は、第2下側プレート41bの下面に接触している。
【0022】
ピンガイド部材33は、例えば、軸方向(Z軸方向)の両端に開口し中心軸Jと同心の円筒状である。すなわち、本実施形態においてピンガイド部材33は、軸方向に延びている。ピンガイド部材33の内側には、ピン70が挿入されている。ピンガイド部材33は、ピン70を移動可能に保持する。本実施形態においてピンガイド部材33は軸方向に延びているため、ピン70は軸方向に移動する。
【0023】
[ピン]
ピン70は、孔部41eに位置する。ピン70は、ピンガイド部材33によって軸方向(Z軸方向)に移動可能に保持されている。ピン70は、例えば、軸方向(Z軸方向)に延びる円柱状である。ピン70の下端には、例えば、直径が小さくなる小径部が設けられている。ピン70の上端は、可動子50の下端と接触可能である。ピン70の下端は、弁体64と接触可能である。
【0024】
[弁部]
弁部60は、カバー40の外部に設けられている。弁部60は、カバー40の下側(−Z側)に取り付けられている。弁部60は、第1ノズル部材61と、第2ノズル部材62と、弁室部材63と、弁体64と、を有する。弁室部材63は、内部に弁室65を有する。弁体64は、弁室65に収容される。弁体64は、例えば、球体である。
【0025】
第1ノズル部材61は、弁室部材63の下側(−Z側)に取り付けられている。第1ノズル部材61には、第1ノズル部材61を軸方向に貫通するインポート61aが設けられている。インポート61aは、流体の流入口である。インポート61aの下端は、例えば、図示しないポンプに接続されている。インポート61aの上端は、弁室部材63の弁室65に連通可能である。
【0026】
第2ノズル部材62は、カバー40の下側プレート41の下面に固定されている。第2ノズル部材62には、アウトポート62a、62bと、ドレインポート62cと、が設けられている。アウトポート62a、62bは、流体の流出口である。アウトポート62a、62bは、例えば、下側(−Z側)に開口している。アウトポート62aは、弁室部材63の弁室65と連通する。ドレインポート62cは、例えば、第2ノズル部材62を径方向(Y軸方向)に貫通している。ドレインポート62cは、弁室65と連通可能である。ドレインポート62cは、大気に開放されている。ドレインポート62cには、ピン70が軸方向(Z軸方向)に貫通している。
【0027】
第2ノズル部材62には、上面からドレインポート62cまで軸方向(Z軸方向)に貫通する嵌合孔部62dが設けられている。嵌合孔部62dには、ピンガイド部材33が嵌め合わされている。
【0028】
弁室部材63は、第2ノズル部材62に取り付けられている。弁室部材63は、弁室65と、第1ノズル部材61と第2ノズル部材62との軸方向(Z軸方向)の間に位置する。弁室部材63には、アウトポート連通孔部63a、63bと、インポート連通孔部63cと、ドレインポート連通孔部63dと、が設けられている。ドレインポート連通孔部63dには、ピン70の先端が延びている。
【0029】
アウトポート連通孔部63a、63bは、弁室65とアウトポート62a、62bとを連結する。インポート連通孔部63cは、弁室65とインポート61aとを連結可能である。インポート連通孔部63cの上端には、下側弁座部63eが設けられている。ドレインポート連通孔部63dは、弁室65とドレインポート62cとを連結可能である。ドレインポート連通孔部63dの下端には、上側弁座部63fが設けられている。
【0030】
[可動子]
可動子50は、ピン70の上側に位置している。本実施形態において可動子50は、例えば、円柱状である。可動子50は、軸方向(Z軸方向)に移動する。可動子50は、連結部材53と、永久磁石54と、一対のヨーク(第1ヨーク51および第2ヨーク52)と、を有する。
【0031】
連結部材53は、永久磁石54と第1ヨーク51と第2ヨーク52とを連結する。本実施形態において連結部材53は、軸方向(Z軸方向)に延びる筒状である。連結部材53は、非磁性体製である。
【0032】
永久磁石54は、例えば、円環状である。永久磁石54は、連結部材53の径方向外側の外側面53aに固定されている。永久磁石54は、例えば、連結部材53の径方向外側に嵌め合わされることで固定されている。永久磁石54は、軸方向(Z軸方向)に異なる磁極(N極およびS極)を有する。
【0033】
第1ヨーク51は、永久磁石54の下側(−Z側)に位置する。第2ヨーク52は、永久磁石54の上側(+Z側)に位置する。すなわち、一対のヨーク51、52は、軸方向(Z軸方向)に沿って永久磁石54の両側に配置されている。第1ヨーク51と第2ヨーク52とは、それぞれ永久磁石54と接触している。本実施形態において第1ヨーク51と第2ヨーク52とは、別部材である。
【0034】
第1ヨーク51は、上面に下側(−Z側)に窪む第1凹部51aを有する。第2ヨーク52は、下面に上側(+Z側)に窪む第2凹部52aを有する。第1凹部51aの内側面および第2凹部52aの内側面は、連結部材53の径方向外側の外側面53aに固定されている。本実施形態において第1凹部51aには、連結部材53の下端部が嵌め合わされている。本実施形態において第2凹部52aには、連結部材53の上端部が嵌め合わされている。
【0035】
可動子50には、可動子50を軸方向(Z軸方向)に貫通する貫通孔50aが設けられている。すなわち、貫通孔50aは、永久磁石54とヨーク51、52とを軸方向に貫通する。貫通孔50aは、例えば、軸方向に直線状に延びている。貫通孔50aの断面形状は、例えば、中心軸Jと同心の円形状である。貫通孔50aは、第1ヨーク51に設けられた孔部と、連結部材53の内側の部分と、第2ヨーク52に設けられた孔部と、で構成されている。
【0036】
[ソレノイド]
次に本実施形態のソレノイド20について説明する。
図3は、
図1におけるIII−III断面図である。また、
図4は、本実施形態のソレノイド20の斜視図である。なお、
図4においては、ガイドブッシュ30を省略する。
【0037】
図3に示すように、ソレノイド20は、インシュレータ22と、コア23と、複数(3つ)のコイル28と、ガイドブッシュ(ガイド部)30(
図1および
図2参照)と、を有する。また、
図1および
図2に示すようにソレノイド20は、筒状部43の径方向内側に位置している。
【0038】
ガイドブッシュ30は、
図1および
図2に示すように、軸方向(Z軸方向)に延びる中心軸Jを中心とする筒状である。ガイドブッシュ30は、例えば、円筒状である。ガイドブッシュ30の径方向内側には、可動子50が位置している。ガイドブッシュ30は、非磁性体製である。本実施形態においてガイドブッシュ30は、下側ガイドブッシュ31と、上側ガイドブッシュ32と、を含む。下側ガイドブッシュ31と上側ガイドブッシュ32とは、筒状のインシュレータ22の内側に嵌め合わされている。ガイドブッシュ30の径方向内側には、可動子50が位置する。
【0039】
コア23は、
図3に示すように、可動子50の径方向外側に位置する。また、本実施形態においてコア23は、リング部29と、複数(3つ)のティース部27と、を有する。リング部29およびティース部27は、磁性体製である。
【0040】
リング部29は、中心軸Jと同心の円環状である。リング部29は、インシュレータ22の内側に位置する。リング部29は、可動子50の径方向外側を囲む環状である。リング部29のリング部内側面29bは、可動子50と対向する。
【0041】
ティース部27は、リング部29から径方向外側に突出する。すなわち、ティース部27の径方向内側の端部同士が、リング部29により周方向に繋がっている。本実施形態において、コア23は、3つのティース部27を有する。ティース部27には、インシュレータ22のボビン部25を介してコイル28が巻き回される。
本実施形態のティース部27は、略四角柱形状である。しかしながら、ティース部27の形状は、特に限定されず、円柱状であっても、多角形状であっても、その他の形状であってもよい。
【0042】
ティース部27の径方向外側の端部27aは、インシュレータ22のボビン部25の径方向外側に突出している。ティース部27の径方向外側の端部は、カバー40の筒状部43の径方向内側の面である筒状部内側面(内側面)43aに接触し、固定されている。これにより、ティース部27からカバー40に連なる磁気回路を構成することができ、磁界の拡散を抑制してソレノイドの吸引力を高めることができる。
また、本実施形態においてティース部27は、3つ以上設けられている。また、それぞれのティース部27は、周方向に等間隔に設けられている。そのため、カバー40に対して、コア23を安定して固定できる。
【0043】
本実施形態において、リング部29とティース部27とは、単一の部材からなる。コア23の製造方法として、板状の磁性体部材をプレスで打ち抜く方法を採用できる。
コア23がリング部29を有しない場合には、複数のティース部27は、それぞれ別部材として設けられる。そのため、ティース部27同士の相対位置を精度よく位置決めすることが困難である。ティース部27同士の相対位置がずれると、可動子50に加えられる磁力が周方向において不均一となる。これに対して、本実施形態によれば、コア23がリング部29を有し、複数のティース部27を連結する。これにより、各ティース部27同士の相対位置を精度よく位置決めすることが容易である。その結果、コア23によって可動子50に加えられる磁力を周方向において均一化しやすく、可動子50の直進性を高めることができる。可動子50の直進性を高めることで、可動子50を直線移動可能に支持するガイドブッシュ30の耐久年数を高めることができる。
【0044】
インシュレータ22は、円筒部21と複数(3つ)のボビン部25とを有する。すなわち、ソレノイド20は、円筒部21とボビン部25とを有する。インシュレータ22は、たとえば樹脂製である。インシュレータ22は、コア23を内包してインサート成型されている。インシュレータ22は、コア23を支持する。
【0045】
円筒部21は、可動子50の径方向外側を囲む円筒形状を有する。
図1および
図2に示すように、円筒部21の内周面21aには、一対のガイドブッシュ30が設けられている。また、円筒部21の内周面21aからは、コア23のリング部29が露出している。ガイドブッシュ30のうち、下側ガイドブッシュ31は、露出するリング部29の下側に位置し、上側ガイドブッシュ32は、リング部29の上側に位置する。円筒部21からは、径方向外側に向かって複数のティース部27が延びる。
【0046】
ボビン部25は、複数(3つ)のティース部27にそれぞれ設けられている。ボビン部25は、ティース包囲部25aと、フランジ部25bと、を有する。
【0047】
フランジ部25bは、円筒部21の径方向外側に位置し、軸方向から見て円弧状に湾曲する板状の部材である。フランジ部25bは、円筒部21の外周面21bに沿って円弧状に湾曲して周方向に延びている。フランジ部25bと外周面21bとの間には、径方向の一定の距離の隙間が設けられている。また、フランジ部25bは、カバー40の筒状部内側面43aに沿っている。フランジ部25bと筒状部内側面43aとの間には、径方向の一定の距離の隙間が設けられている。
【0048】
フランジ部25bには、ティース部27が貫通している。フランジ部25bの外側面25cからは、ティース部27の径方向外側の端部27aが露出している。これにより、フランジ部25bは、ティース部27の端部27aが、カバー40と接触することを阻害しない。
【0049】
フランジ部25bは、
図4に示すように、一対の周方向端面25dと、一対の軸方向端面25eとを有する。周方向端面25dは、隣接するフランジ部25bと対向する面である。また、軸方向端面25eは、軸方向を向く面である。周方向端面25dと軸方向端面25eとは、丸みを帯びた滑らかな曲面で連続している。すなわち、フランジ部25bは、ティース部27が延びる方向から見て、角がなく丸みを帯びた形状である。これにより、フランジ部25bと円筒部21との間にコイル28を巻き付ける巻き線作業を行う際に、周方向端面25dと軸方向端面25eとの間で、コイル線が引っかかり難くなる。したがって、巻き線作業の容易性を高めることができる。
【0050】
ティース包囲部25aは、円筒部21の外周面21bとフランジ部25bとの間に位置し、ティース部27の軸方向端面および周方向端面を覆う。ティース包囲部25aは、ティース部27とコイル28とが接触することを防ぎ絶縁を保つ。なお、ティース包囲部25aは、ティース部27とコイル28との接触を防ぐものであれば、ティース部27を完全に包囲していなくても良い。
【0051】
コイル28は、
図1および
図2に示すように、ティース部27に設けられたボビン部25に巻き付けられている。コイル28は、コア23のティース部27を励磁する。コイル28は、円筒部21とフランジ部25bとの間に位置する。コイル28は、インシュレータ22の円筒部21に沿って巻き付けられている。
【0052】
複数のコイル28は、円筒部21の外周面21bに沿って周方向に等間隔に配置されている。また、本実施形態において、コイル28は、ソレノイド20に3つ以上設けられている。このため、ティース部27を通過する磁気回路によって可動子50に加えられる磁力を、周方向において均一化しやすい。これにより、可動子50の直進性を高めて、電磁弁1の効率を高めることができる。加えて、可動子50の直進性を高めることで、可動子50を直線移動可能に支持するガイドブッシュ30の耐久年数を高めることができる。
【0053】
なお、本実施形態のソレノイド20において、フランジ部25bをインシュレータ22と別部材としてもよい。この場合には、予め多重巻きして接着剤等で固めたコイル28を、ティース部27に差し込んでコイル28をティース部27に装着することができる。さらに、コイル28が装着されたティース部27にフランジ部25bを取り付けることで、ボビン部25を構成できる。
【0054】
本実施形態の電磁弁1は、可動子50と、円筒部21の内周面21aおよび外周面21bと、フランジ部25bと、カバー40の筒状部43と、軸方向から見て、同心円状に配置されている。
可動子50と、円筒部21の内周面21aと、が同心円状に配置されていることで、可動子50が内周面21aに沿って移動することができ、可動子50のスムーズな動作が可能となる。
可動子50と、円筒部21の外周面21bと、フランジ部25bと、が同心円状に配置されていることで、外周面21bとフランジ部25bとの間に位置するコイル28を、可動子50を囲むように円弧状に配置できる。これにより、コイル28により可動子50の周方向に対して均一な磁界を生じさせ、可動子50の動作の直進性を高めることができる。
フランジ部25bと、カバー40の筒状部43とが、同心円状に配置されていることで、フランジ部25bと筒状部43との径方向の隙間を小さくすることができる。これにより、電磁弁1の径方向の寸法を小さくでき、小型化した電磁弁1を構成できる。
【0055】
以下、本実施形態の電磁弁1の動作について説明する。まず、電磁弁1に発生する磁気回路について説明する。
【0056】
例えば、永久磁石54の磁極のうち上側(+Z側)に配置される磁極をN極とし、永久磁石54の磁極のうち下側(−Z側)に配置される磁極をS極とした場合、永久磁石54の磁束は、永久磁石54の上面から第2ヨーク52内に放出される。第2ヨーク52内に放出された磁束は、上側プレート42、筒状部43、下側プレート41、および第1ヨーク51をこの順に介して、永久磁石54に下面から戻る。
【0057】
これにより、磁気回路が構成され、磁性体で構成される第1ヨーク51、第2ヨーク52、およびカバー40が励磁される。励磁された第1ヨーク51と下側プレート41との間には、互いに引き合う磁力が生じる。励磁された第2ヨーク52と上側プレート42との間には、互いに引き合う磁力が生じる。
【0058】
上記の磁気回路に加えて、
図1に示す状態では、第2ヨーク52内に放出された磁束が、上側プレート42、筒状部43、およびコア23をこの順に介して、永久磁石54に戻る磁気回路が構成される。そのため、
図1に示す状態では、第2ヨーク52と上側プレート42との間の磁力は、第1ヨーク51と下側プレート41との間の磁力よりも大きい。これにより、コイル28に電流が供給されていない状態であっても、
図1の状態、すなわち、弁部60が開いた状態を保持できる。
【0059】
一方、
図2に示す状態では、第2ヨーク52内に放出された磁束が、コア23、筒状部43、下側プレート41、および第1ヨーク51をこの順に介して、永久磁石54に戻る磁気回路が構成される。そのため、
図2に示す状態では、第1ヨーク51と下側プレート41との間の磁力は、第2ヨーク52と上側プレート42との間の磁力よりも大きい。これにより、コイル28に電流が供給されていない状態であっても、
図2の状態、すなわち、弁部60が閉じた状態を保持できる。
【0060】
そのため、本実施形態によれば、弁部60が開いた状態および弁部60が閉じた状態を維持するためにコイル28に電流を供給する必要がなく、電磁弁1の消費電力を低減できる。
【0061】
次に、本実施形態における弁部60の開閉動作について説明する。
図1に示す弁部60が開いた状態においては、可動子50の上面、すなわち、第2ヨーク52の上面は、上側プレート42と接触する。第1ヨーク51の下面とピン70の上面とは、軸方向(Z軸方向)に離れている。
【0062】
弁部60が開いた状態においては、インポート61aに流入する流体の圧力によって、弁体64とピン70とが上側(+Z側)に押し上げられた状態となる。これにより、インポート61aとアウトポート62a、62bとが、インポート連通孔部63c、弁室65、およびアウトポート連通孔部63a、63bを介して連通する。したがって、インポート61aから弁部60に流入した流体は、アウトポート62a、62bから弁部60の外部に流出する。インポート61aに流入した流体によって押し上げられた弁体64は、上側弁座部63fに嵌まり、ドレインポート連通孔部63dを閉塞している。
【0063】
弁部60が開いた状態において、コイル28に電流が流されると、コイル28から磁束が生じる。コイル28から生じる磁束は、例えば、コイル28の内側を径方向内側から径方向外側に向かう。すなわち、コイル28から生じる磁束は、例えば、ティース部27内を径方向内側から径方向外側に進む。ティース部27内を進む磁束は、ティース部27と筒状部43とが接触する部分から、筒状部43の上側(+Z側)と下側(−Z側)とに分かれて進む。筒状部43を上側に進む磁束は、上側プレート42および第2ヨーク52を介して、ティース部27に戻る。筒状部43を下側に進む磁束は、下側プレート41および第1ヨーク51を介して、ティース部27に戻る。このように、コイル28に電流が流されることで、コイル28の磁気回路が構成される。
【0064】
コイル28の磁気回路においては、磁束が上側プレート42と第2ヨーク52とを上側(+Z側)から下側(−Z側)に向かって流れる。すなわち、コイル28の磁気回路による上側プレート42内および第2ヨーク52内の磁束の流れは、上述した永久磁石54の磁気回路による上側プレート42内および第2ヨーク52内の磁束の流れと逆向きである。そのため、上側プレート42内および第2ヨーク52内においては、コイル28の磁気回路による磁束と永久磁石54の磁気回路による磁束とが互いに弱め合う。これにより、第2ヨーク52と上側プレート42との間の磁力が小さくなる。
【0065】
一方、コイル28の磁気回路においては、磁束が下側プレート41と第1ヨーク51とを下側(−Z側)から上側(+Z側)に向かって流れる。すなわち、コイル28の磁気回路による下側プレート41内および第1ヨーク51内の磁束の流れは、上述した永久磁石54の磁気回路による下側プレート41内および第1ヨーク51内の磁束の流れと同じ向きである。そのため、下側プレート41内および第1ヨーク51内においては、コイル28の磁気回路による磁束と永久磁石54の磁気回路による磁束とが互いに強め合う。これにより、第1ヨーク51と下側プレート41との間の磁力が大きくなる。
【0066】
その結果、第2ヨーク52と上側プレート42との間の磁力が、第1ヨーク51と下側プレート41との間の磁力よりも小さくなる。したがって、可動子50は、下側プレート41に引き寄せられ、ガイドブッシュ30内を下側(−Z側)に移動する。可動子50が下側に移動すると、可動子50の下面がピン70の上側の端部に接触する。これにより、可動子50が下側に移動するとともに、ピン70が下側に押し下げられる。
【0067】
図2に示すように、ピン70が下側(−Z側)に押し下げられると、ピン70の下端が弁体64を下側に押し下げる。これにより、弁体64は、下側弁座部63eに嵌まり、インポート連通孔部63cを閉塞する。その結果、インポート61aとアウトポート62a、62bとの間の流体の流れが遮断され、弁部60が閉じた状態となる。
【0068】
弁部60が閉じた状態においては、ドレインポート連通孔部63dが開放される。そのため、アウトポート62a、62bとドレインポート62cとが連通する。アウトポート62a、62b内に残留していた圧力が大きい流体は、ドレインポート62cに流れる。ドレインポート62cは、大気に開放されているため、ドレインポート62c内に流れた流体の圧力は低下する。
【0069】
このようにして、弁部60を開いた状態から閉じた状態にすることができる。ここで、弁部60が
図2に示す閉じた状態に移行した後は、上述したように、コイル28に供給される電流を止めても、弁部60の状態は
図2の状態に保持される。なお、この場合において、第1ヨーク51と下側プレート41との間の磁力は、第2ヨーク52と上側プレート42との間の磁力と弁体64およびピン70を介して可動子50に伝わる流体の押し上げ力とを足し合わせた力よりも大きい。
【0070】
弁部60が閉じた状態から再び開いた状態にする場合には、コイル28に供給する電流の向きを、開いた状態から閉じた状態にする場合と逆にする。これにより、コイル28の磁気回路が、開いた状態から閉じた状態にする場合とは逆向きに構成されるため、第1ヨーク51内および下側プレート41内において磁束が弱め合い、第2ヨーク52内および上側プレート42内において磁束が強め合う。その結果、第2ヨーク52と上側プレート42との間の磁力が、第1ヨーク51と下側プレート41との間の磁力よりも大きくなり、可動子50が上側プレート42に引き寄せられる。
【0071】
可動子50が上側(+Z側)に移動にすると、インポート61aに流入する流体の圧力によって、弁体64とピン70とが上側に押し上げられる。これにより、インポート61aとアウトポート62a、62bとが、インポート連通孔部63c、弁室65、およびアウトポート連通孔部63a、63bを介して連通し、弁部60が再び開かれる。弁部60が
図1に示す開いた状態に移行した後は、上述したように、コイル28に供給される電流を止めても、弁部60の状態は
図1の状態に保持される。
【0072】
以上のようにして、ピン70が可動子50の移動に伴って移動し、弁部60が開閉される。すなわち、弁部60は、可動子50およびピン70の移動に伴って開閉される。
【0073】
本実施形態によれば、磁性体製のカバー40に収容された可動子50が、永久磁石54と、軸方向に沿って永久磁石54の両側に配置される一対のヨーク51、52と、を有する。永久磁石54は、軸方向に沿って配置された2つの磁極を有する。そのため、上述したようにして、永久磁石54による磁気回路とコイル28による磁気回路とによって、可動子50を軸方向に移動させることが可能である。また、弁部60が開いた状態と閉じた状態とで異なる磁気回路が構成されるため、コイル28に電流が供給されていない状態であっても、弁部60の開閉状態を保持する自己保持型の電磁弁1を提供できる。
【0074】
したがって、本実施形態によれば、コイルバネを用いることなく、可動子50を移動させることができ、かつ、コイル28への通電が遮断された状態であっても弁部60の開閉状態を保持できる。したがって、電磁弁1は、コイルバネの噛み込み又は乗り上げに起因する弁保持力の不安定化の虞がない。すなわち、電磁弁1は、安定して弁の開閉を行うことができる。また、コイルバネを用いないことで部品点数を減らして、低コスト化な電磁弁1を提供できる。
【0075】
加えて、本実施形態の電磁弁1は、コイルバネが設けられない分、電磁弁1全体を小型化できる。さらに、コイルバネが設けられないことで、永久磁石54によって可動子50に加える磁力を小さくできる。これにより、永久磁石54を小型化でき、その結果として電磁弁1全体をより小型化できる。このように、本実施形態によれば、小型化できる構造を有する電磁弁1が得られる。
【0076】
また、本実施形態のソレノイド20は、円筒部21の外周面21bが軸方向からみて円形状であり、フランジ部25bは、外周面21bに沿って円弧状に湾曲している。これにより、フランジ部25bとカバー40の筒状部43との間の隙間を小さくすることができる。隙間を小さくすることで、カバー40の内部空間を有効に使い、径方向に小型化した電磁弁1を提供できる。
【0077】
<他の実施形態>
次に、上述した実施形態の電磁弁1に採用可能な比較形態のソレノイド120と、第2実施形態のソレノイド220について説明する。
本発明者らは、本実施形態の電磁弁1に採用するソレノイドとして、まず
図7、
図8に示す比較形態のソレノイド120を開発した。次いで、本発明者らは、ソレノイド120に鋭意検討を加え、
図5、
図6に示す第2実施形態のソレノイド220を開発した。本発明者らは、さらなる高性能化をめざし、
図3および
図4に示す上述した第1実施形態のソレノイド20の開発に至った。
図1、
図2に示す電磁弁1の断面図は、ソレノイド120、220を採用した場合であっても概略同様である。
【0078】
<比較形態>
比較形態のソレノイド120について説明する。
図7は、ソレノイド120を採用した場合の電磁弁1の断面図であり、上述した実施形態の
図3に対応する。また、
図8は、ソレノイド120の斜視図である。なお、
図4においては、ガイドブッシュ30を省略する。ソレノイド120は、上述のソレノイド20と比較して、主にインシュレータ122の形状が異なる。
【0079】
ソレノイド120は、インシュレータ122と、コア123と、複数(3つ)のコイル28と、ガイドブッシュ(ガイド部)30(
図1参照)と、を有する。
【0080】
コア123は、上述の実施形態のコア23と同様の構造を有し、リング部129と、複数(3つ)のティース部127と、を有する。リング部129およびティース部127は、磁性体製である。ティース部127には、インシュレータ122のボビン部125を介し、コイル28が巻き付けられている。
【0081】
インシュレータ122は、筒部121と、複数のボビン部125とを有する。すなわち、ソレノイド120は、筒部121とボビン部125とを有する。筒部121は、上述のソレノイド20における円筒部21に対応する部位である。
【0082】
筒部121は、可動子50の径方向外側を囲む筒形状を有する。筒部121は、内周面121aと外周面121bとを有する。筒部121の内周面121aは、軸方向から円形状を有している。筒部121の内周面121aには、一対のガイドブッシュ30が設けられている。筒部121の外周面121bは、軸方向からみて、正三角形の形状を有している。外周面121bは、正多角形(正三角形)の各辺を構成する複数(3つ)の側面121cを含む。3つの側面121cからは、それぞれ径方向外側に向かってティース部127が延びる。
【0083】
ボビン部125は、複数(3つ)のティース部127にそれぞれ設けられている。ボビン部125は、ティース包囲部125aと、フランジ部125bと、を有する。
【0084】
フランジ部125bは、筒部121の側面121cと一定の距離の隙間を介し側面121cに沿って設けられている。フランジ部125bは、側面121cと平行に延びる平板形状を有している。
ティース包囲部125aは、筒部121の外周面121bとフランジ部125bとの間に位置し、ティース部127の軸方向端面および周方向端面を覆う。
【0085】
実施形態の電磁弁1は、比較形態のソレノイド120を採用した場合であっても、上述した実施形態のソレノイド20を採用した場合と同様にコイルバネを用いることなく、可動子50を動作させることができる。
しかしながら、
図7にしめすように、比較形態のソレノイド120は、フランジ部125bを収容するためのカバー40の筒状部43が大きくなり、電磁弁1の径方向寸法が増大するという問題があった。そこで、本発明者らは、比較形態のソレノイド120を改良して、第2実施形態のソレノイド220を開発するに至った。
【0086】
<第2実施形態>
第2実施形態のソレノイド220について説明する。
図5は、ソレノイド220を採用した場合の電磁弁1の断面図であり、上述した実施形態の
図3に対応する。また、
図6は、ソレノイド220の斜視図である。なお、
図4においては、ガイドブッシュ30を省略する。ソレノイド220は、上述した実施形態のソレノイド20および比較形態のソレノイド120と比較して、主にインシュレータ222の形状が異なる。
【0087】
ソレノイド220は、インシュレータ222と、コア223と、複数(3つ)のコイル28と、ガイドブッシュ(ガイド部)30(
図1参照)と、を有する。
【0088】
コア223は、上述の実施形態のコア23と同様の構造を有し、リング部229と、複数(3つ)のティース部227と、を有する。リング部229およびティース部227は、磁性体製である。ティース部227には、インシュレータ222のボビン部225を介し、コイル28が巻き付けられている。
【0089】
インシュレータ222は、筒部221と、複数のボビン部225とを有する。すなわち、ソレノイド220は、筒部221とボビン部225とを有する。筒部221は、上述した実施形態のソレノイド20における円筒部21に対応する部位である。
【0090】
筒部221は、可動子50の径方向外側を囲む筒形状を有する。筒部221は、内周面221aと外周面221bとを有する。筒部221の内周面221aは、軸方向から円形状を有している。筒部221の内周面221aには、一対のガイドブッシュ30が設けられている。筒部221の外周面221bは、軸方向からみて、六角形の形状を有している。外周面221bは、3つの第1側面221cと、第1側面221c同士の周方向の間に位置する第2側面221dとを含む。第1側面221cと第2側面221dとは、周方向に交互に並ぶ。
【0091】
本実施形態において隣り合う第1側面221cは、軸方向からみて互いのなす角が60°となる。隣り合う第1側面221cがなす角は、ティース部227の数(n個)に応じた正多角形(正n角形)の内角と等しい。
第1側面221cは、ティース部227が延びる方向と直交する。3つの第1側面221cからは、それぞれ径方向外側に向かってティース部227が延びる。
【0092】
第2側面221dは、第1側面221c同士がなす角を面取りする面である。第2側面221dは、筒部221の最大直径を小さくする。本実施形態の第2側面221dは、平坦面である。第2側面221dは、湾曲面であっても良い。
図5に第2側面として、湾曲した面を採用した場合の湾曲側面(第2側面)221eを2点鎖線で示す。湾曲側面221eは、隣り合う第1側面221cを滑らかに接続する。すなわち、隣り合う第1側面221c同士は、湾曲側面221eを介して滑らかに連続する。第2側面として湾曲側面221eを採用した場合であっても、筒部221の最大直径を小さくすることができる。
【0093】
ボビン部225は、複数(3つ)のティース部227にそれぞれ設けられている。ボビン部225は、ティース包囲部225aと、フランジ部225bと、を有する。ボビン部225には、コイル28が巻き付けられている。
【0094】
フランジ部225bは、第1側面221cと一定の距離の隙間を介し、第1側面221cに沿って設けられている。フランジ部225bは、第1側面221cと平行に延びる平板形状を有している。フランジ部225bは、ティース部227が延びる方向から見て、角がなく丸みを帯びた形状を有していてもよい。
ティース包囲部225aは、筒部221の外周面221bとフランジ部225bとの間に位置し、ティース部227の軸方向端面および周方向端面を覆う。
【0095】
電磁弁1は、第2実施形態のソレノイド220を採用した場合であっても、実施形態のソレノイド20を採用した場合と同様の効果を奏することができる。すなわち、コイルバネを用いることなく、可動子50を移動させることができ、かつ、コイル28への通電が遮断された状態であっても弁部60の開閉状態を保持する自己保持型の電磁弁1を提供できる。
【0096】
また、第2実施形態のソレノイド220は、比較形態のソレノイド120と比較して、径方向の最大寸法を小さくすることができる。これにより、ソレノイド220と、カバー40の筒状部43との隙間を小さくして、電磁弁1の径方向寸法を小さくできる。これにより、径方向に小型化した電磁弁1を提供できる。なお、電磁弁1のさらなる小径化が求められた場合には、上述した実施形態のソレノイド20の採用がより有効である。
【0097】
第2実施形態のソレノイド220は、平坦な面(第1側面221cとフランジ部225b)同士の間にコイルを巻き付ける構造を有する。このため、第2実施形態のソレノイド220は、実施形態のソレノイド20と比較して、コイル28の巻き付け作業が容易である。すなわち、第2実施形態のソレノイド220は、比較形態のソレノイド120に対し一定の小型化を実現し、実施形態のソレノイド20と比較して高い生産性を実現する。
【0098】
以上に、様々な実施形態を説明したが、各形態における各構成およびそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換およびその他の変更が可能である。
【0099】
例えば上述し各形態においては、複数のティース部の数は、特に限定されず、2つであってもよいし、4つ以上であってもよい。また、ティース部は、リング部と別部材であってもよい。
また、インシュレータを構成する、円筒部(又は筒部)とボビン部とは、別部材であってもよい。さらにボビン部を構成するティース包囲部と、フランジ部とは、別部材であっても良い。