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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-101851(P2017-101851A)
(43)【公開日】2017年6月8日
(54)【発明の名称】玩具銃
(51)【国際特許分類】
   F41B 11/723 20130101AFI20170512BHJP
   F41B 11/62 20130101ALI20170512BHJP
   F41B 11/51 20130101ALI20170512BHJP
   A63H 33/18 20060101ALI20170512BHJP
【FI】
   F41B11/723
   F41B11/62
   F41B11/51
   A63H33/18 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2015-233827(P2015-233827)
(22)【出願日】2015年11月30日
(71)【出願人】
【識別番号】390012140
【氏名又は名称】有限会社マルゼン
(74)【代理人】
【識別番号】100086184
【弁理士】
【氏名又は名称】安原 正義
(74)【代理人】
【識別番号】100102015
【弁理士】
【氏名又は名称】大澤 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100099690
【弁理士】
【氏名又は名称】鷺 健志
(72)【発明者】
【氏名】前田 徹雄
【テーマコード(参考)】
2C150
【Fターム(参考)】
2C150CA13
2C150DH01
2C150EB19
2C150EH06
2C150EH22
(57)【要約】
【課題】エアガン(空気銃)の発射機構に用いられるバルブボディにねじ切りを施すことなく、気密を保ちうるバルブボディを実現する。
【解決手段】
バルブボディ気室カバー左11およびバルブボディ気室カバー右12は、バルブボディ気室カバー110側部の一部を構成する側部11B、12Bと接合部B1、B2を有するとともに、側部11B、12Bに一体に設けられたバルブボディ気室カバーの底部113の一部を構成する底部11A、12Aを有する。
単位カバー11、12の分解状態でバルブボディ1を内部に収納してバルブボディ1外周に取り付けた上で、各単位カバー11、12の各接合部B1、B2を相互に結合してバルブボディ気室カバー110を組み立て、組み立てた状態では、底部113が閉じられた筒状となる、
を備える玩具銃。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に中空のバルブボディ気室を有し、底部は取外し可能に嵌められた蓋で塞がれた筒状からなるバルブボディと、
複数の単位カバーを結合してなり、バルブボディの外周に取り付けられ側部及び底部を有するバルブボディ気室カバーとを有し、
単位カバーは、バルブボディ気室カバー側部の一部を構成する側部と接合部を有するとともに、少なくとも単位カバーの一つは側部に一体に設けられたバルブボディ気室カバーの底部の一部又は全部を構成する底部を有し、
単位カバーの分解状態でバルブボディを内部に収納してバルブボディ外周に取り付けた上で、各単位カバーの各接合部を相互に結合してバルブボディ気室カバーを組み立て、組み立てた状態では、バルブボディ気室カバーは、底部が閉じられた筒状となる、
を備える玩具銃。
【請求項2】
単位カバーはそれぞれ一体の側部と底部とを備える請求項1記載の玩具銃。
【請求項3】
バルブボディを覆うバルブボディ気室カバーを左右から取り付ける請求項1又は請求項2又は請求項3のいずれかに記載の玩具銃。
【請求項4】
ネジでバルブボディ気室カバー相互を固定する請求項1又は請求項2又は請求項3のいずれかに記載の玩具銃。
【請求項5】
バルブボディ気室カバーは、パンクチャーフレームと一体である請求項1又は請求項2又は請求項3又は請求項4のいずれかに記載の玩具銃。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、玩具銃に係る。詳細には、エアガン(空気銃)、更に詳細には、エアガンの発射機構に用いられるバルブボディに係る。
【背景技術】
【0002】
エアガン(空気銃)の発射機構に用いられるバルブボディは、弾丸発射のためのエネルギー源となる高圧の圧縮ガスを高圧のまま収めるために、気密を保つ必要がある。そのため従来のエアガンは、一般には、内部に中空のバルブボディ気室(空間部分)を有するバルブボディは、後端部に「ねじ切り」した上で、蓋をねじ止めして取り付けている(米国特許第4,147,152号公報 参照)。
【0003】
高圧のバルブボディ気室を得る為には、ねじ切りねじ止めが有効なためである。バルブボディ気室が、エアガン発射後に後方とか他方に飛んでいかないだけの強度、剛性を持たせることができる。また、分解組み換えがし易い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第4,147,152号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1(米国特許第4,147,152号公報)記載発明では、図11などに図示されるように、end plug member52は、bore40の後端にねじ切りねじ止めされる。
しかし、ねじ切りは、一定以上の精度が必要であり、そのコストは小さくない。しかも、ねじ切り加工の際に発生する切り屑は、ガス漏れの原因となる。すなわち、圧縮ガスをバルブボディ内に充填して弾丸を発射すると、放出バルブの移動の際に切り屑がバルブボディ気室内を舞い、放出バルブとバルブパッキンとの間に挟まることで放出バルブが完全に閉じきらない状態となってしまい、ガスが外部に流出することがある。これを防ぐため、ねじ切り加工後にバルブボディを洗浄することも通常行われるが、微細な切り屑は洗浄によっても取り切れず、ガス漏れを完全になくすことは困難である。
更に、ねじ切り作業にはコストがかかり、製品が高価なものとなる課題を有する。
【0006】
本発明の目的は、エアガン(空気銃)の発射機構に用いられるバルブボディにねじ切りを施すことなく、気密を保ちうるバルブボディを実現するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の玩具銃は、
内部に中空のバルブボディ気室を有し、底部は取外し可能に嵌められた蓋で塞がれた筒状からなるバルブボディと、
複数の単位カバーを結合してなり、バルブボディの外周に取り付けられ側部及び底部を有するバルブボディ気室カバーとを有し、
単位カバーは、バルブボディ気室カバー側部の一部を構成する側部と接合部を有するとともに、少なくとも単位カバーの一つは側部に一体に設けられたバルブボディ気室カバーの底部の一部又は全部を構成する底部を有し、
単位カバーの分解状態でバルブボディを内部に収納してバルブボディ外周に取り付けた上で、各単位カバーの各接合部を相互に結合してバルブボディ気室カバーを組み立て、組み立てた状態では、バルブボディ気室カバーは、底部が閉じられた筒状となる、
を備える。
【0008】
あるいは、更に、本発明の玩具銃は、
単位カバーはそれぞれ一体の側部と底部とを備える。
【0009】
あるいは、更に、本発明の玩具銃は、
バルブボディを覆うバルブボディ気室カバーを左右から取り付ける、
を備える。
【0010】
あるいは、更に、
ネジでバルブボディ気室カバー相互を固定する。
【0011】
あるいは、更に、本発明の玩具銃は、
バルブボディ気室カバーは、パンクチャーフレームと一体である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、バルブボディにねじ切りせずに蓋をした上で、発射機構に用いられるバルブボディは、弾丸発射のためのエネルギー源となる高圧の圧縮ガスを高圧のまま収めるために、気密を保つことができる。
ねじ切り加工や洗浄等の工程が不要となり、製造コスト削減や製造時間短縮に資する。
切り屑が発生しないため、ガス漏れのおそれを小さくでき、不良率を低下させることと
なる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】この発明の実施の形態に係る第1実施例に係る玩具銃の分解斜視図である。
図2】この発明の実施の形態に係る第1実施例に係る玩具銃の一部拡大断面図である。
図3】この発明の実施の形態に係る第1実施例に係る玩具銃の一部拡大正面図である。
図4】この発明の実施の形態に係る第1実施例に係る玩具銃の一部拡大斜視図である。
図5】この発明の実施の形態に係る第1実施例に係る玩具銃の一部拡大断面図である。
図6】この発明の実施の形態に係る第2実施例に係る玩具銃の分解斜視図である。
図7】この発明の実施の形態に係る第2実施例に係る玩具銃の斜視図である。
図8】この発明の実施の形態に係る第2実施例に係る玩具銃の使用状態の正面図である。
図9】この発明の実施の形態に係る第2実施例に係る玩具銃の使用状態の正面図である。
図10】この発明の実施の形態に係る第2実施例に係る玩具銃の使用状態の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
この発明の実施の一形態に係る実施例を、この発明の実施例を図示する図面に基づいて
説明する。
この発明の玩具銃Aに係る第1実施例をあらわす、図1乃至図5に従って説明する。玩具銃Aはこの実施例では、エアにより作動するエアガンからなる。
第1実施例は、単位カバーであるバルブボディ気室カバー11、12が、第2実施例においては一体となっているパンクチャーフレーム111、121と別体となっているタイプである。
【0015】
1は、バルブボディである。バルブボディ1は、玩具銃Aの銃口C側のチェンバー27後方に設けられる。バルブボディ1は、内部に中空のバルブボディ気室(空間部分)1Aを有している。バルブボディ気室1A内には、圧縮ガスを密閉して、機密状態で収納可能である。ここで、機密状態とは、エアガンのバルブボディ気室1Aに導入されたエアの圧力に対して機密状態を維持できる程度の機密状態を保持できることをいう。
【0016】
図1乃至図5等に図示される3は、放出バルブである。放出バルブ3は、円筒体からなり、バルブボディ気室1A内に、玩具銃Aの銃前後方向へ移動可能に設けられる。
放出バルブ3は、図4図5に図示されるように、その内部にバルブ貫通孔31を有し、外周にフランジ部32を有する。33は、貫通口開口部である。貫通口開口部33は、放出バルブ3の側部に設けられ、放出バルブ3外部と貫通口31とを連通させる。そのため、放出バルブ3は、貫通口開口部33からガスを貫通口31内に導入させ、銃口C側の先端開口部34からガスを放出する。放出バルブ3は、その外周面に放出バルブ3を銃口C方向へ付勢するバルブスプリング4を設けている。フランジ部32は、図示されるように放出バルブ3の他の外径より径大である。そのため、放出バルブ3がバルブスプリング4により銃口C側へ付勢された状態では、バルブボディ気室1Aの前側に設けられたバルブパッキン2に当接し、バルブボディ気室1A内の気密を保っている。
【0017】
バルブボディ1の銃後端側には、気室蓋6が嵌められる。気室蓋6の銃口C側には、気室パッキン5が設けられ、気密の保持を助ける。従来は、バルブボディ1の銃後端側にねじ切り加工をした上で、同じくねじ切り加工を施された気室蓋を締めこんでいたが、本件実施例では、ねじ切り加工は不要となっている。
【0018】
8は、ピアスである。ピアス8は、先端がとがっている。バルブボディ1は、密閉されたガスカートリッジであるガスボンベ16内の圧縮ガスの供給を受けるため、ガスボンベ16の封を破るために先端がとがっているピアス8を、下方に設けている。7はピアスパッキンであり、10はピアス蓋である。それぞれ、ピアスパッキン7やピアス蓋10を設けて、ガスカートリッジであるガスボンベ16内の圧縮ガスが外部に漏出するのを防いでいる。従来技術では、ここもねじ切り加工が施された上で、ピアス等が設けられていたが、本実施例では、ピアス蓋10が開口部に嵌められ、ねじ切り加工が不要となっている。
【0019】
図1に図示されるように、11はバルブボディ気室カバー左、12はバルブボディ気室カバー右である。バルブボディ気室カバー左11、バルブボディ気室カバー右12がそれぞれ単位カバーであり、これらで、バルブボディ気室カバー110を構成する。
バルブボディ気室カバー左11およびバルブボディ気室カバー右12は、それぞれ一体に設けられた側部11B、12Bと底部11A、12Aとを有する。B1、B2は、バルブボディ気室カバー左11およびバルブボディ気室カバー右12の各接合部である。単位カバーは、バルブボディ気室カバー側部110の一部を構成する側部11B、12Bと接合部B1、B2を有するとともに、少なくともその一つは側部11B、12Bに一体に設けられたバルブボディ気室カバー110の底部113の一部又は全部を構成する底部11A、12Aを有する。底部は一方の単位カバーにのみその側部に一体に設けてもよい。
【0020】
すなわち、バルブボディ気室カバー左11およびバルブボディ気室カバー右12とは、底部11A、12Bを有する筒状を長手方向に接合部B1、接合部B2で二分割した半筒状からなる。
この実施例では、単位カバーは、2個からなるが、3個、4個等複数からなってもよい。
バルブボディ気室カバー左11およびバルブボディ気室カバー右12と、を接合部B1、B2で結合して組み立てた状態では、底部113が閉じられた筒状となる。相互に気密状態に固定するバルブボディ気室カバー左11およびバルブボディ気室カバー右12は、長手方向に接合部B1、B2を設けているので、長手方向に複数個のカバーに分解可能である。
【0021】
バルブボディ1は、バルブボディ気室カバー左11およびバルブボディ気室カバー右12とで両側から挟まれ、それぞれの接合端部である接合部B1、接合部B2を接合させた上で、ネジ13によって相互を固定される。この固定によって、圧入された気室蓋6がガス圧を受けてもバルブボディ1から離反することを防ぐ。
バルブボディ気室カバー左11、バルブボディ気室カバー右12は、後端部にねじ切り部を有さない。
【0022】
第2実施例をあらわす図6図7について説明する。第2実施例は、バルブボディ気室カバー11、12とパンクチャーフレーム111、121とが一体となっているタイプである。
パンクチャーフレームは、バルブボディ1に放出バルブ3その他上記の部品を収めた気室ユニットA、パンクチャーフレーム左11、パンクチャーフレーム右12、およびパンクチャーネジ14等から成り、エネルギー源となる圧縮ガスを収めたガスボンベ16を格納する容器である。
【0023】
気室ユニットであるバルブボディ1、気室蓋6等は、パンクチャーフレーム左111およびパンクチャーフレーム右121とで両側から挟まれ、ネジ13によって固定される。パンクチャーフレーム左111およびパンクチャーフレーム右121の下方にはパンクチャーネジ14が配されており、パンクチャーフレーム左111およびパンクチャーフレーム右121とで両側から挟まれて固定される。パンクチャーフレーム左111およびパンクチャーフレーム右121は、各々バルブボディ気室カバー左11およびバルブボディ気室カバー右12を兼ねるものである。
【0024】
図8乃至図9にしたがって、第2実施例の弾丸の発射までの作動について説明する。
銃本体21は、主にパンクチャーフレーム(パンクチャーフレーム左111およびパンクチャーフレーム右121)、インナーバレル23、バレルハウジング25、トリガー28、ヒットピン29、マガジン30等から構成される。
インナーバレル23にはバレルスプリング24が設けられ、インナーバレル23は銃後端側へ付勢される。バレルハウジング25にはバレルラッチ26が設けられる。
【0025】
トリガー28は、トリガー軸を中心に回動可能に設けられる。トリガー28の上方先端は、バレルラッチ26に係合する。バレルラッチ26は、バレルラッチ軸を中心に回動可能に設けられる。
ヒットピン29は、インナーバレル23の後端に設けられる。ヒットピン29の銃口C側には、マガジン30より落下した弾丸Wが収まるチェンバー27が設けられる。
マガジン30は、この実施形態ではインナーバレル23の上方に設けられるが、弾丸Wを供給できさえするなら、マガジン30の場所はどこでも差支えない。マガジン30内の弾丸Wは、マガジンフォロワー40により、一発発射する毎にチェンバー27へ移動する。
【0026】
図9に図示されるように、使用者がトリガー28を引くと、トリガー28の上方先端がバレルラッチ26と係合しながらインナーバレル23を前方へ押圧する。インナーバレル23の前進によって、弾丸Wがマガジン30から1個、落下して装弾される。
次いで、図10に図示されるように、トリガー28とバレルラッチ26との係合が解けると、バレルスプリング24の付勢によってインナーバレル23が勢いよく後退する。インナーバレル23の後端は、放出バルブ3の前方(銃口C側)に設けられるヒットピン29を直撃する。ヒットピン29が、銃後端側に移動して放出バルブ3に衝突すると、放出バルブ3が後退する。これによって、放出バルブ3に設けられた開口部がバルブボディ気室内に曝され、圧縮ガスが流入し、気密が解ける。圧縮ガスが放出バルブ3内の貫通孔を通ってチェンバー27にある弾丸Wを強く押圧し、弾丸Wはインナーバレル23内の空洞を通って銃本体21の外部へ発射される。
【0027】
本実施例はブローバックしないタイプの玩具銃Aからなるが、原理的には、ブローバックタイプの玩具銃Aにも応用可能である。
【符号の説明】
【0028】
A 玩具銃
1 バルブボディ
1A バルブボディ気室
6 蓋
11 バルブボディ気室カバー左(単位カバー)
12 バルブボディ気室カバー右(単位カバー)
11A 底部(単位カバー)
12A 底部(単位カバー)
11B 側部(単位カバー)
12B 側部(単位カバー)
B1 接合部(単位カバー)
B2 接合部(単位カバー)
110 バルブボディ気室カバー
113 底部(バルブボディ気室カバー)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10