【解決手段】本発明の一形態に係る継手は、温調装置用の継手であって、流体が通過可能な第1流路を構成するとともに、その周壁部を貫通する挿入孔を有する第1管と、流体が通過可能な第2流路を構成するとともに、その周壁部を貫通する挿入孔を有する第2管と、前記第2管の前記挿入孔を通って前記第2流路を貫通して前記第2流路と交差する方向に延び、前記第1流路から分岐する流路を構成する、前記第2管より小径の第1分岐管と、前記第1管部の前記挿入孔を通って前記第1流路を貫通して前記第1流路と交差する方向に延び、前記第2流路から分岐する流路を形成する、前記第1管より小径の第1分岐管と、を備えることを特徴とする。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態にかかる床暖房装置1及び床暖房装置用の継手14について、
図1乃至
図4を参照して説明する。
図1は第1実施形態にかかる温調装置の一例としての床暖房装置1の構成を示す平面図である。
図2は、床暖房装置1の継手の構成を示す平面図であり、
図3はその側面図である。
図4は、同継手の製造工程を示す説明図であり、供給部21と回収部22を分解した状態を示す平面図である。
【0009】
なお、本実施形態においては4系統の放熱管13を有する構造を例示する。
【0010】
図1に示すように、床暖房装置1は、給水装置11と、例えば床パネルなどの温調の対象領域に配されるマット部材である温水マット12と、温水マット12に形成された溝に配設される管部材である複数の放熱管13と、各放熱管13を給水装置11とを接続する継手14と、を備える。
【0011】
給水装置11は、熱媒としての水を加熱する熱源器11aを備える。熱源器11aは、ホース15を介して継ぎ手14の供給管21及び回収管22の接続端子27に接続される供給口11d及び回収口11eをそれぞれ備える。給水装置11は、ホース15及び継手14を介して温水マット12の放熱管13に接続され、放熱管13に例えば熱媒としての温水を送り、また放熱管13から放熱後の熱媒を回収する。
【0012】
温水マット12は、例えばビーズ法ポリスチレン(EPS)などの発泡性樹脂材料から、所定形状、例えば本実施形態においては所定厚さを有する矩形状に構成されている。温水マット12の厚さは例えば床パネルの厚さなどの寸法制約によって設計されるが、本実施形態においては例えば8〜12mmの厚さを有している。温水マット12の上面には、所定深さを有し、放熱管13が敷設される複数の溝が回路状に形成されている。
【0013】
放熱管13は、例えば温水などの熱媒が流通するホース部材である。放熱管13の両端部には継手14の接続構造部が挿入され、液密に封止される。
【0014】
継手14は、例えば供給側の流路を構成する第1部としての供給部21と、回収側の流路を構成する第2部としての回収部22と、を備える。
【0015】
供給部21及び回収部22は、金属材料からなり、第1方向に沿う供給側及び回収側のメイン流路31をそれぞれ構成するメイン管23と、メイン管23の周壁である外側の側壁の所定位置から突出して延びる複数の第2分岐管24と、メイン管23の内側の側壁の所定位置から突出して延びて向かい合う他方のメイン管23の挿入孔23bに挿入される複数の第1分岐管25と、をそれぞれ備えている。供給側のメイン管23のメイン流路31は第1流路であり、回収側のメイン管23のメイン流路31が第2流路である。
【0016】
供給部21と回収部22とは、第1方向に沿う2本のメイン管23が並列して配置され、複数の第2分岐管24がその外側に向かって延びるとともに、一方の第1分岐管25が内側に向かってのび、他方のメイン管23の挿入穴23bを通って第2方向に貫通し、他方のメイン管23の外方に至って延びる、網目状に構成される。なお、供給部21と回収部22は、分岐孔23aと挿入孔23bの位置が互い違いにずれ、第2分岐管24と第1分岐管25の位置が互い違いにずれる点で異なっているが、基本的な構成は同様となる。したがって、共通の部材を用いて構成することが可能である。
【0017】
供給部21及び回収部22の一対のメイン管23は、長手方向が第1方向に沿う管状の部材であって、その外面は対向する2組の長方形の側面を有する直方体状に構成されている。メイン管23には、第1方向に沿って延びるとともに断面が円形状の貫通孔であるメイン流路31が形成されている。
【0018】
メイン管23の一方の端部には、管状の接続端子27が設けられている。接続端子27は、所定の径を有する流路を構成し、メイン流路31と給水装置11の流路とを連通させるとともに、給水装置11の端部に嵌合可能な接続構造を有している。例えば本実施形態においてはその先端部の外面にテーパ状の段差を複数有する、いわゆるたけのこ状に構成されている。なお、メイン流路31の一方の端部は流路径が縮小するテーパ状の絞り部が形成されている。
【0019】
メイン管23の他方の端部には、メイン流路31を液密に塞ぐ栓体39が装着されている。
【0020】
各メイン管23の外側の側壁と、内側、すなわち他方のメイン管23に対向する側の側壁には、所定箇所、例えば本実施形態においては長手方向においてそれぞれ等間隔で、第2分岐管24が接続される分岐孔23aと、対向する他方のメイン管23から延びる第1分岐管25が挿入される挿入孔23bとが、それぞれ複数、交互に形成されている。分岐孔23a及び挿入孔23bは、一対の側壁を横方向に貫通して形成される。
【0021】
複数の分岐孔23a及び挿入孔23bは、いずれもその中心がメイン管23の厚さ方向における中心位置に配置され、長手方向に並列して配置されている。
【0022】
第2分岐管24は、第2方向に延びる管状の部材であって、分岐孔23aに連続するサブ流路32を構成するサブ流路32が形成されている。サブ流路32は、メイン流路31よりも小径に構成されている。
【0023】
第2分岐管24は、溶接等によってメイン管23の外側壁に形成された2か所の分岐孔23aに、それぞれ接続され、側壁に液密に固定される。
【0024】
第2分岐管24は、内部にサブ流路32を構成するとともに、放熱管13の端部に嵌合可能な接続構造部33を有している。例えば本実施形態において接続構造部33は、外面にテーパ状の段差を複数有する、いわゆるたけのこ状に構成されている。
【0025】
第1分岐管25は、第2方向に延びる管状の部材であって、分岐孔23aに連続するサブ流路32を形成する。サブ流路32は、メイン流路31よりも小径に構成されている。
【0026】
第1分岐管25は、メイン流路31よりも小径に構成されている。したがって、メイン流路31を横切るように第1分岐管25が挿入された状態で、メイン流路31内の第1分岐管25の周りに形成される領域を通って流体が流通可能に構成されている。
【0027】
第1分岐管25は、一方のメイン管23から、他方のメイン管23を貫通して外側に延びている。第1分岐管25は、第2分岐管24よりも長く構成され、その先端部分は第2分岐管24と同様に構成されている。すなわち、第1分岐管25は、一方のメイン管23から他方のメイン管23内を通って延びる管体部25aと第2分岐管24と同様の管状の接続構造部33とを連続して一体に有している。第1分岐管25はメイン管ン23の挿入穴23bに係合する段差部をその管体部25aの外面の所定位置に有しており、これによって、後述する組付け時の位置決めが可能になっている。例えば本実施形態において接続構造部33は、外面にテーパ状の段差を複数有する、いわゆるたけのこ状に構成されている。
【0028】
第2分岐管24及び第1分岐管25の先端の接続構造部33が放熱管13の供給口及び回収口にそれぞれ挿入され、放熱管13の外周にリング状の締結部材40が装着されることで、供給部21及び回収部22の内部に、それぞれ、サブ流路32とメイン流路31とが連通し、第1方向に沿うメイン流路31と、メイン流路31から、第2方向に分岐して延びる複数のサブ流路32と、が形成される。
【0029】
さらに、メイン流路31内に、それよりも小径の第1分岐管25が通ることで、一方のサブ流路32が他方のメイン流路31を横切って交差して配置される。メイン流路31及びサブ流路32の流路中心位置はいずれも厚さ方向において同高さに配される。
【0030】
本実施形態にかかる継手14の製造工程について
図4を参照して説明する。
【0031】
まず、所定の管状に構成された管状の部材の側壁の所定位置に分岐孔23a及び挿入孔23bを形成し、一対のメイン管23を形成する。各メイン管23には、第2方向に貫通する様に一対の側壁に分岐孔23a及び挿入孔23bが複数形成される。
【0032】
次に、各メイン管23において、組付け時に外側となる側壁の2カ所の分岐孔23aに、それぞれ第2分岐管24の基端部を挿入して溶接により液密に固定する。また、各メイン管23の、組付け時に内側となる側の側壁の2カ所の挿入孔23bから、第1分岐管25を挿入し、外側の側壁の挿入孔23bを通って外方へ延出させ、溶接により液密に固定する。このとき、第1分岐管25の外面の段差部がメイン管23の側壁の外面に位置決めされる。
【0033】
さらに、各メイン管23の一端の開口には栓体39を装着して溶接により液密に固定する。以上の様に構成された2つのパーツを、互いに対向配置し、一方のメイン管23に挿入された第1分岐管25の基端部分を他方のメイン管23の内側の側壁の分岐孔23aに挿入し、溶接により液密に固定することで、組付けが完成する。
【0034】
本実施形態にかかる継手及び温調装置によれば、回収部22の挿入孔23bに供給部21の第1分岐管25を挿入し、各孔の縁を溶接で塞ぐことで、容易かつ低コストにて、継手14を製造することが可能である。すなわち、第1流路であるメイン流路31を構成するメイン管23を貫通して、第2流路であるメイン流路31から分岐する第1分岐管25を通すように網目状に組付けることによって、汎用性の高い部品の組み合わせにより交差する複数の分岐流路を実現できる。したがって、例えば切削加工等により複雑な流路を形成したブロック状のボディを用いる場合に比べ、製造が容易であり、材料も削減できるため、製造コストを低減できる。
【0035】
また、分岐孔23aや挿入孔23bの位置や管状部材の長さの設定を変えることで、放熱管13の配管経路や給水装置11側の設計に応じた多種の形状を実現できるため設計性・汎用性が高い。
【0036】
さらに、放熱管13側あるいは給水装置11側の接続端子27の構造や各種設定条件に応じて接続構造の部材を組み替えることで多様な形状を実現できる。
【0037】
また、一方のメイン流路31に他方のサブ流路32を構成する第1分岐管25をクロスして挿入する構成としたことで、複数の流路の厚さ方向の位置を揃えることが可能であり、継手14の薄型化が可能となる。また、複数の流路31,32の厚さ方向の位置を異ならせる必要がないため、温水マット12の厚みに対して、溝部の深さを小さく設定できるため、溝部の底部の厚さを確保しやすいため、温水マット12の強度を確保できる。
【0038】
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態にかかる床暖房装置1及び床暖房装置1用の継手14Aについて、
図5を参照して説明する。なお、本実施形態において、分岐孔23a、挿入孔23b、及び分岐管24,25の数において上述した第1実施形態に係る継手14と異なるがその他の点は上記継手14と同様に構成されているため、共通する符号を付し、重複する説明を省略する。
【0039】
例えば
図5に示すように、本発明の第2実施形態にかかる継手14Aは、2系統の放熱配管構成に用いられる継手14Aであって、供給部21及び回収部22において、メイン流路31から、内外計2本のサブ流路32が分岐して形成される構成である。
【0040】
具体的には、供給部21及び回収部22において、メイン流路31の流路途中の1か所から内側及び外側に第2分岐管24及び第1分岐管25が接続されている。また、各メイン管23の流路途中の1か所において、内側及び外側の側壁には、他の部材の第1分岐管25が挿入される挿入孔23bが形成されている。
【0041】
この他の構成は第1実施形態に係る継手14と同様である。本実施形態においても、上記第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0042】
[第3実施形態]
以下、本発明の第3実施形態にかかる床暖房装置1用の継手14Bについて、
図6を参照して説明する。なお、本実施形態にかかる継手14Bは、第2実施形態にかかる継手14Aの構成に、追加部材である分岐パーツ38を備える点において、上述した第2実施形態に係る継手14Aと異なるが、その他の構成は上記継手14Aと同様に構成されているため、共通する符号を付し、重複する説明を省略する。
【0043】
例えば
図6に示すように、本実施形態にかかる継手14Bは、4系統の放熱配管構成に用いられる継手である。供給部21及び回収部22は大部分において上記継手14Aと同様に構成され、メイン流路31から、内外それぞれに1本ずつサブ流路32が形成される構成である。
すなわち、供給部21及び回収部22において、メイン管23のメイン流路23aの途中の1か所において、内側及び外側の側壁からそれぞれ延びる第2分岐管24及び第1分岐管25が設けられている。また、各部材の流路途中の1か所において、内側及び外側の側壁には、他のメイン管23に連続する第1分岐管25が挿入される挿入孔23bが形成されている。
【0044】
メイン管23の一端側の開口には、分岐パーツ38が接続されている。分岐パーツ38は、例えば所定の厚さ及び第2方向の寸法を有する直方体状の外形を有している。分岐パーツ38は、供給部21のメイン流路31に連通するとともに第1方向に貫通する供給用の第3供給流路38aと、回収部22のメイン流路31に連通するとともに第1方向に貫通する回収用の第3回収流路38bと、第3供給流路38a及び第3回収流路38bからそれぞれ分岐して第2方向に沿って延びる一対の第3分岐流路38cと、が形成されている。
【0045】
なお、分岐パーツ38においては、供給用の第3供給流路38aと回収用の第3回収流路38bとが互いに厚さ方向において異なる位置に形成されている。すなわち、分岐パーツ38は、複数の分岐流路が交差して上下に形成されている。
【0046】
また、分岐パーツ38の側壁において、第2方向に延びる第3供給流路38a第3回収流路38bと第1方向に延びる一対の第3分岐流路38cの、端部の開口には、それぞれ第2分岐管24が液密に接続されている。第2分岐管24は、上記第1実施形態と同様に構成され、所謂たけのこ形状に構成された接続構造部33を有する管状の部材である。
この他の構成は第1実施形態及び第2実施形態に係る継手14、14Aと同様である。本実施形態においても、上記第1及び第2実施形態と同様の効果を奏する。
【0047】
[第4実施形態]
以下、本発明の第4実施形態にかかる床暖房装置1及び床暖房装置1用の継手14Cについて、
図7を参照して説明する。なお、本実施形態にかかる継手14Cは、継手14Aを第1方向に二つ連結した構成であり、各部の構成は継手14Aと同様に構成されているため、共通する符号を付し、重複する説明を省略する。
【0048】
例えば
図7に示すように、継手14Cは、4系統の放熱配管構成に用いられる継手14Cであり、一対の供給部21及び一対の回収部22を備えている。すなわち、供給部21と回収部22で構成される管路ユニットを2つ連結して備えている。
【0049】
各供給部21及び回収部22は、メイン管23のメイン流路31の流路途中の1か所の内側及び外側の側壁からそれぞれ突出して延びる第2分岐管24及び第1分岐管25が設けられている。また、各部材のメイン管23の流路途中の1か所の内側及び外側の側壁には、他の部材の第1分岐管25が挿入される挿入孔23bが形成されている。
【0050】
各メイン管23の一端には、それぞれリンク部41が設けられている。リンク部41は、他方のメイン管23の開口に挿入可能な径を有し、挿入時に開口を液密に密封するためのOリング42と、このOリング42を装着するためのリング溝43と、リング溝43の近傍に形成されたフランジ部44と、がその外周面に形成されている。リンク部41においてフランジ部44同士が連結して溶接されることで、各メイン管23の端部同士が接続され、複数の管路ユニットが連結される。
本実施形態においても、上記第1実施形態と同様の効果を奏する。供給部21と回収部22で構成されるユニットを任意の数だけ連結することで、種々の放熱管13の回路の構造に対応して流路の数を調整することが可能である。
【0051】
[第5実施形態]
以下、本発明の第5実施形態にかかる床暖房装置1用の継手14Dについて、
図8を参照して説明する。なお、本実施形態にかかる継手14Dは、上述した第2実施形態に係る継手14Aにおいて、第2分岐管24及び第1分岐管25の接続構造部33を着脱可能な構成としたものであり、その他の構成は上記継手14Aと同様に構成されているため、共通する符号を付し、重複する説明を省略する。
【0052】
例えば
図8に示すように、本実施形態にかかる継手14Dは、2系統の放熱配管構成に用いられる継手14Dである。供給部21及び回収部22は大部分において上記継手14Aと同様に構成され、メイン流路31から、内外それぞれに1本ずつサブ流路32が形成される構成である。すなわち、供給部21及び回収部22において、メイン流路31の流路途中の1か所において、内側及び外側の側壁からそれぞれ延びる第2分岐管24、第1分岐管25が設けられている。また、各部材の流路途中の1か所において、内側及び外側の側壁には、他のメイン管23に繋がる第1分岐管25が挿入される挿入孔23bが形成されている。
【0053】
本実施形態において、分岐孔23a及び挿入穴23bには、保持部61が設けられている。保持部61は例えば第2分岐管24及び第1分岐管25の接続構造部33が取り付け可能に構成された保持構造である。
【0054】
第1分岐管25は、管体部25aと接続構造部33とが別体で構成されている。また、本実施形態において、第2分岐管24及び第1分岐管25の接続構造部33の基端部33aには、保持部61に挿入された際に保持部61の内面に密着するシール部材62が設けられている。保持部61の外面には、接続構造部33の基端部33aを保持部61に固定する締結具64が装着されている。
【0055】
本実施形態は、各メイン管23の外側の側壁の分岐孔23a及び挿入孔23bには、各分岐孔接続構造部33の代わりに保持部61が溶接される。そして複数の保持部61に、個別に構成された接続構造部33がそれぞれ挿入され着脱可能に接続される。
この他の構成は第1実施形態及び第2実施形態に係る継手14Aと同様である。本実施形態においても、上記第1実施形態と同様の効果を奏する。さらに、接続構造部33を着脱可能としたことで、放熱管13側の構成に応じて異なる径や異なる構造の接続構造を適用することができるため、汎用性が高い。
【0056】
[第6実施形態]
以下、本発明の第6実施形態にかかる床暖房装置1用の継手14Eについて、
図9乃至
図11を参照して説明する。
図9は、第6実施形態に係る床暖房装置1の継手の構成を示す平面図であり、
図10は同継手の構成を示す側面図、
図11は
図9のA―Aラインにおける断面図であり、
図12は同継手の製造工程を示す説明図である。
【0057】
なお、本実施形態にかかる継手14Eは、樹脂製であって、各部材の接続部位を密封するシール構造部51,52,53や抜け留め構造57を設けた点において、上記第2実施形態に係る継手14Aと異なるが、その他の構成は上記継手14Aと同様に構成されているため、共通する符号を付し、重複する説明を省略する。
【0058】
図9乃至
図12に示すように、本実施形態にかかる継手14Eは、2系統の放熱管13の構成に用いられる継手14Eである。供給部21及び回収部22は大部分において上記継手14Aと同様に構成され、メイン流路31から、内外それぞれに1本ずつサブ流路32が形成される構成である。
【0059】
すなわち、供給部21及び回収部22において、メイン流路31の流路途中の1か所において、内側及び外側の側壁からそれぞれ延びる第2分岐管24及び第1分岐管25が設けられている。
【0060】
また、各メイン管23の流路途中の1か所において、内側及び外側の側壁には、他方のメイン管23の第1分岐管25が貫通する挿入孔23bが形成されている。
【0061】
なお、本実施形態において、
図10及び11に示すように、各メイン管23のメイン流路31の挿入孔23bの断面形状が、円形ではなく、幅寸法と長さ寸法が異なる長孔形状に構成されている。すなわち、メイン流路31の幅寸法は、メイン流路31を横切る第1分岐管25が挿入可能であって第1分岐管25に装着されるOリング55と同等かそれより僅かに小さく構成され、シール構造部51のシール壁を形成することが可能に構成されている。また、メイン流路31の長手方向の寸法は、第1分岐管25よりも大きく、メイン管23内を横切る第1分岐管25の両側に流路が確保される寸法に構成されている。このような構成によってメイン管23の流通を可能としながら、分岐管25が挿入通された際のサブ流路32への流通が可能となる。
【0062】
本実施形態において各メイン管23の一端の開口縁の内面には、栓体39の外周部との間を密封するシール構造部51が設けられている。また、第1分岐管25の外周面には、他の部材の挿入孔23bの内面との間を密封するシール構造部52が設けられている。
【0063】
各シール構造部51、52,53は、開口を液密に密封するためのOリング55と、このOリング55を装着するためのリング溝56と、を備えている。
【0064】
また、各部材間の挿入箇所には、抜け留め構造57が設けられている。抜け留め構造57は例えば各分岐管24,25の基端部分の外周面に装着される弾性変形可能なリング部材59と、リング59を固定するフランジ部58と、を備える。
【0065】
この他の構成は第1実施形態及び第2実施形態に係る継手14Aと同様である。本実施形態においても、上記第1実施形態と同様の効果を奏する。
さらに、樹脂性とし、各孔部を脱可能としたことで、放熱管13側の構成に応じて異なる径や異なる構造の接続構造部33を適用することができるため、汎用性が高い。
【0066】
[第7実施形態]
以下、本発明の第7実施形態にかかる床暖房装置用の継手14Fについて、
図13及び
図14を参照して説明する。なお、本実施形態にかかる継手14Fは、継手14Eを第1方向に2つ連結して分岐管数を増加した構成である。各部の構成は継手14Eと同様に構成されているため、共通する符号を付し、重複する説明を省略する。
【0067】
例えば
図13に示すように、継手14Fは、4系統の放熱配管構成に用いられる継手であり、継手14Eの図中上方に、さらに継手14Eと同じ樹脂製であって、各部材の接続部位を密封するシール構造部51,52,53や抜け留め構造57が設けられ、かつホースとの接続端子27を備えていない部材を連結して構成される。すなわち、継手14Fは、一対の供給部21及び一対の回収部22を備え、供給部21と回収部22で構成される管路ユニットを2つ連結して備えている。
【0068】
各供給部21及び回収部22は、メイン管23のメイン流路31の流路途中の1か所の内側及び外側の側壁からそれぞれ突出して延びる第2分岐管24及び第1分岐管25が設けられている。また、各部材のメイン管23の流路途中の1か所の内側及び外側の側壁には、他の部材の第1分岐管25が挿入される挿入孔23bが形成されている。
【0069】
各メイン管23の一端には、それぞれリンク部41が設けられている。リンク部41は、他方のメイン管23の開口に挿入可能な径を有し、挿入時に開口を液密に密封するためのOリング42と、このOリング42を装着するためのリング溝43と、リング溝43の近傍に形成されたフランジ部44と、がその外周面に形成されている。リンク部41において連続して配されたフランジ部44の外面にリング状の締結部材45が装着され、一対のメイン管23同士が連結されることで、複数の管路ユニットが連結される。
【0070】
この場合にも上記各実施形態と同様の効果を奏する。さらに、供給部21と回収部22で構成されるユニットを任意の数だけ連結することが可能であり、種々の放熱管13の回路の構造に対応して流路の数を調整することが可能である。
【0071】
なお、本発明は上記各実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。
【0072】
例えば放熱管13の配管経路の数や位置、あるいは給水装置11側の接続位置に応じて、部材の組み合わせを変更することが可能である。
例えば上記実施形態として2つの管路ユニットを連結する例を示したが、連結するユニット数は3以上の任意の数とすることも可能である。この場合、種々の放熱管13の回路の構造に対応して流路の数を調整することが可能である。
【0073】
例えば、継手14、14A-14Fは床面に配置する例を示したが、これに限られるものではなく、立てた姿勢とすることで壁面に設置することも可能である。
【0074】
また、分岐管の方向や数も適宜変更可能である。例えば、全ての分岐管を、同方向に導出する構成としてもよい。例えば放熱管13を床から壁面にまで屈曲して延出し、分岐管24,25の方向を下向きに揃えることで、継手を壁面に設置するのにより適した形状となる。
【0075】
この他、上記実施形態に例示された各構成要素を削除してもよく、各構成要素の形状、構造、材質等を変更してもよい。上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。