【解決手段】待ち時間管理装置1は、携帯端末2からATMの利用予約を受け付ける受付部121と、携帯端末2の位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部122と、位置情報に基づいて携帯端末2のユーザがATMに到着する到着予定時刻を算出する到着予定時刻算出部123と、予約済の他ユーザのATMの取扱予定時間と、算出された到着予定時刻とに基づいてユーザの待ち時間を算出する待ち時間算出部125と、ユーザの待ち時間を携帯端末2に通知する通知部126とを備える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のシステムでは、携帯端末から待ち時間を問い合わせることができるので、ユーザがATMの利用を待っている場合には、ATMの設置場所に行くことなく待ち時間を確認することができる。しかしながら、ユーザがATMの設置場所に到着するまでの間に、待ち時間が変動する可能性がある。例えば、ユーザが問い合わせた際の待ち時間が長かったとしても、ATMの設置場所に到着した頃には待ち時間が短くなっている可能性がある。そこで、携帯端末のユーザに対して待ち時間を精度良く通知することが求められている。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、ATMの待ち時間を精度良く通知することができる待ち時間管理装置、待ち時間管理方法、及び待ち時間管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に係る待ち時間管理装置は、携帯端末から自動取引装置の利用予約を受け付ける受付部と、前記携帯端末の位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部と、前記位置情報に基づいて前記携帯端末のユーザが前記自動取引装置に到着する到着予定時刻を算出する到着予定時刻算出部と、予約済の他ユーザの前記自動取引装置の取扱予定時間と、算出された前記到着予定時刻とに基づいて前記ユーザの待ち時間を算出する待ち時間算出部と、前記ユーザの待ち時間を前記携帯端末に通知する通知部とを備える。
【0007】
前記受付部は、前記携帯端末から前記ユーザの前記自動取引装置への移動開始時刻を受け付け、前記到着予定時刻算出部は、前記移動開始時刻に基づいて前記到着予定時刻を算出してもよい。
前記受付部は、前記ユーザの前記自動取引装置への移動手段を受け付け、前記到着予定時刻算出部は、前記移動手段に基づいて前記到着予定時刻を算出してもよい。
【0008】
前記位置情報取得部は、所定の複数のタイミングで前記携帯端末から前記位置情報を取得し、前記到着予定時刻算出部は、前記位置情報取得部が前記位置情報を取得したことに応じて前記到着予定時刻を算出し、前記待ち時間算出部は、前記到着予定時刻が算出されたことに応じて前記ユーザの待ち時間を算出してもよい。
前記到着予定時刻算出部は、予約済の複数のユーザの到着予定時刻を算出し、前記待ち時間管理装置は、複数のユーザの前記到着予定時刻に基づいて前記複数のユーザの予約順を変更する変更部をさらに備えてもよい。
【0009】
前記受付部は、前記自動取引装置における処理の種別を受け付け、前記待ち時間算出部は、予約済の他ユーザの前記処理の種別に対応する前記取扱予定時間と、算出された前記ユーザの到着予定時刻とに基づいて当該ユーザの待ち時間を算出してもよい。
【0010】
前記待ち時間管理装置は、前記自動取引装置における複数の前記ユーザのそれぞれの実際の取扱時間を記憶する記憶部をさらに備え、前記待ち時間算出部は、前記記憶部に記憶されている前記取扱時間に基づく、予約済の他ユーザの前記取扱予定時間に基づいて、前記ユーザの待ち時間を算出してもよい。
【0011】
前記待ち時間算出部は、予約済の他ユーザの前記自動取引装置の実際の取扱時間に基づいて前記ユーザの待ち時間を更新してもよい。
前記待ち時間算出部は、前記自動取引装置と同じ場所に設置されている他の自動取引装置の利用状況に基づいて前記ユーザの待ち時間を更新してもよい。
前記待ち時間算出部は、予約済の他ユーザが前記他の自動取引装置を利用したことに応じて前記ユーザの待ち時間を更新してもよい。
【0012】
前記到着予定時刻算出部は、前記位置情報に基づいて前記携帯端末の位置から所定範囲内の複数の前記自動取引装置のそれぞれに到着する到着予定時刻を算出し、前記待ち時間算出部は、複数の前記自動取引装置のそれぞれにおける前記ユーザの待ち時間を算出し、前記通知部は、複数の前記自動取引装置のそれぞれにおける前記ユーザの待ち時間を前記携帯端末に通知し、前記受付部は、複数の前記自動取引装置のうち、前記ユーザが利用する一の前記自動取引装置の選択を受け付けてもよい。
【0013】
本発明の第2の態様に係る待ち時間管理システムは、携帯端末と、自動取引装置の待ち時間を管理する待ち時間管理装置とを備える待ち時間管理システムであって、前記待ち時間管理装置は、前記携帯端末から前記自動取引装置の利用予約を受け付ける受付部と、前記携帯端末の位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部と、前記位置情報に基づいて前記携帯端末のユーザが前記自動取引装置に到着する到着予定時刻を算出する到着予定時刻算出部と、予約済の他ユーザの前記自動取引装置の取扱予定時間と、算出された前記到着予定時刻とに基づいて前記ユーザの待ち時間を算出する待ち時間算出部と、前記ユーザの待ち時間を示す情報を前記携帯端末に送信する送信部と、を有し、前記携帯端末は、前記待ち時間を示す情報を受信すると、前記携帯端末のユーザに前記待ち時間を通知する通知部を有する。
【0014】
本発明の第3の態様に係る待ち時間管理方法は、コンピュータにより実行される、携帯端末から自動取引装置の利用予約を受け付けるステップと、前記携帯端末の位置を示す位置情報を取得するステップと、前記位置情報に基づいて前記携帯端末のユーザが前記自動取引装置に到着する到着予定時刻を算出するステップと、予約済の他ユーザの前記自動取引装置の取扱予定時間と、算出された前記到着予定時刻とに基づいて前記ユーザの待ち時間を算出するステップと、前記ユーザの待ち時間を前記携帯端末に通知するステップと、を備える。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ATMの待ち時間を精度良く通知することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<第1の実施形態>
[待ち時間管理システムSの構成]
図1は、第1の実施形態に係る待ち時間管理システムSの概要を示す図である。待ち時間管理システムSは、待ち時間管理装置1と、携帯端末2とを備える。
【0018】
待ち時間管理装置1は、インターネット等の通信ネットワークを介して、携帯端末2のユーザにATM(自動取引装置)の利用開始までの待ち時間を通知するサーバである。なお、
図1では、1台の携帯端末2のみ示されているが、待ち時間管理装置1は、複数の携帯端末2に対して待ち時間を通知する。
【0019】
待ち時間管理装置1は、携帯端末2から、ユーザがATMへの移動を開始する時刻、移動手段、ATMにおける処理の種別を受け付けることにより、ATMの利用予約を受け付ける(
図1の(1))。待ち時間管理装置1は、携帯端末2から、携帯端末2の位置を示す位置情報を取得する(
図1の(2))。待ち時間管理装置1は、携帯端末2から位置情報を取得すると、ユーザのATMの設置場所への到着予定時刻を算出する(
図1の(3))。
【0020】
待ち時間管理装置1は、複数のユーザのATMの到着予定時刻及び取扱予定時間等を示す利用予約状況を示す情報を予約情報記憶部111に記憶している。待ち時間管理装置1は、算出した到着予定時刻と、複数のユーザの利用予約状況とに基づいて、携帯端末2のユーザがATMの設置場所に到着したときの、ATMの利用開始までの待ち時間を算出する(
図1(4))。
【0021】
待ち時間管理装置1は、算出した待ち時間を携帯端末2に通知する(
図1の(5))。このように、待ち時間管理装置1は、ユーザが利用予約を行った位置からATMの設置場所までの移動時間を考慮して、ATMの設置場所に到着した時点における待ち時間を算出するので、ATMを利用するまでのユーザの待ち時間を精度良く通知することができる。
以下、待ち時間管理装置1の詳細について説明する。
【0022】
[待ち時間管理装置1の構成]
図2は、第1の実施形態に係る待ち時間管理装置1の構成を示す図である。待ち時間管理装置1は、記憶部11と、制御部12とを備える。
記憶部11は、各種情報を記憶する記憶媒体であり、例えば、メモリやハードディスク等から構成される。記憶部11は、予約情報記憶部111を備える。
【0023】
図3は、第1の実施形態に係る予約情報記憶部111に記憶されている情報の一例を示す図である。予約情報記憶部111は、ATMの設置場所と、携帯端末2のユーザを識別するユーザIDと、ユーザの予約順と、ATMの設置場所へのユーザの移動手段と、ユーザの状態と、ATMの設置場所へのユーザの到着予定時刻と、ユーザがATMで行う処理の種別と、処理の種別に対応する取扱予定時間と、実際の取扱開始時間とを関連付けて記憶する。予約情報記憶部111に記憶されている情報は、制御部12によって更新される。なお、ユーザIDは、ユーザを識別できる情報であればよく、例えば、ユーザの口座番号であってもよい。
【0024】
制御部12は、例えばCPU等の演算処理デバイスにより構成される。制御部12は、記憶部11や、外付けのメモリやハードディスク等の記憶媒体等に格納されたプログラムを実行することにより、待ち時間管理装置1の機能を制御する。制御部12は、受付部121と、位置情報取得部122と、到着予定時刻算出部123と、記憶制御部124と、待ち時間算出部125と、通知部126とを備える。
【0025】
受付部121は、携帯端末2からATMの利用予約を受け付ける。具体的には、携帯端末2には、ATMの利用予約を行うための専用アプリケーションがインストールされており、当該専用アプリケーションが実行されると、携帯端末2の表示部に予約受付画面が表示される。予約受付画面には、例えば、ATMの設置場所の選択を受け付ける場所選択欄と、当該場所への移動開始時刻の入力を受け付ける時刻受付欄と、ATMの設置場所への移動手段の選択を受け付ける移動手段選択欄と、ユーザがATMで行う処理の種別の選択を受け付ける種別受付欄とが設けられている。ここで、ユーザは、複数の処理の種別を選択できるようにしてもよい。
【0026】
ユーザが、予約受付画面において、ATMの設置場所の選択、移動開始時刻の入力、移動手段の選択、及び処理の種別の選択を行うと、携帯端末2は、選択又は入力された情報を含む利用予約情報を待ち時間管理装置1に送信する。具体的には、利用予約情報には、携帯端末2のユーザのユーザID、ATMの設置場所を識別する識別情報、移動開始時刻、移動手段、及び処理の種別を示す情報が含まれている。
【0027】
受付部121は、携帯端末2から利用予約情報を受信することにより、ATMの利用予約を受け付ける。なお、携帯端末2から予約可能なATMは、予約専用のATMや、予約を受け付けている間において予約したユーザに限定して利用可能となるATMであるものとする。このようにすることで、予約していないユーザが当該ATMを利用することがないので、待ち時間管理装置1は、予約したユーザの待ち時間を精度良く算出することができる。
【0028】
位置情報取得部122は、携帯端末2の位置を示す位置情報を取得する。
具体的には、携帯端末2は、利用予約情報を待ち時間管理装置1に送信する際に、自身の位置を示す位置情報を、GPS(Global Positioning System)等を利用して取得する。携帯端末2は、ユーザID及び位置情報を待ち時間管理装置1に送信する。位置情報取得部122は、携帯端末2から送信されたユーザID及び位置情報を受信する。
【0029】
到着予定時刻算出部123は、位置情報取得部122が取得した位置情報に基づいて携帯端末2のユーザがATMに到着する到着予定時刻を算出する。具体的には、到着予定時刻算出部123は、位置情報取得部122が取得した位置情報と、ATMの設置場所を示す位置情報と、利用予約情報に含まれている移動開始時刻を示す情報と、移動手段を示す情報とに基づいて、携帯端末2のユーザがATMに到着する到着予定時刻を算出する。
【0030】
より具体的には、到着予定時刻算出部123は、位置情報取得部122が取得した位置情報と、ユーザが利用を予約したATMの設置場所を示す位置情報と、ユーザの移動手段とに基づいて、ATMの設置場所へのユーザの移動時間を算出する。そして、到着予定時刻算出部123は、予約受付画面において受け付けたユーザの移動開始時刻と、算出したユーザの移動時間とに基づいて、ユーザがATMに到着する到着予定時刻を算出する。
なお、到着予定時刻算出部123は、ユーザの移動開始時刻にさらに基づいて、ユーザの移動時間を算出してもよい。このようにすることで、公共の移動手段に対して予め定められている時刻表等に基づいて、ユーザの移動開始時刻を基準とした正確な移動時間を算出することができる。
【0031】
また、到着予定時刻算出部123は、目的地へのルート検索を行うサービスを提供する外部サーバに、携帯端末2の位置情報、ATMの設置場所を示す位置情報、ユーザの移動開始時刻を示す情報、及び移動手段を示す情報を送信し、外部サーバに到着予定時刻を算出させてもよい。そして、到着予定時刻算出部123は、外部サーバから到着予定時刻を取得してもよい。
【0032】
記憶制御部124は、到着予定時刻算出部123がユーザの到着予定時刻を算出すると、既に予約情報記憶部111に記憶されている他ユーザの予約数に基づいて予約順を算出する。また、記憶制御部124は、利用予約の受付時に受付部121が受信した利用予約情報に含まれている処理の種別を示す情報に基づいて、ATMにおける取扱予定時間を算出する。ここで、取扱予定時間は、複数の処理の種別のそれぞれに対して予め定められており、処理の種別と、取扱予定時間とを関連付けた情報が記憶部11に記憶されているものとする。
【0033】
続いて、記憶制御部124は、利用予約情報に含まれているATMの設置場所を識別する識別情報と、ユーザIDと、予約順と、移動手段と、予約待ちであることを示す状態と、到着予定時刻と、処理の種別と、取扱予定時間とを関連付けて予約情報記憶部111に記憶させる。
【0034】
また、記憶制御部124は、予約待ちのユーザがATMの利用を開始したことに応じて、当該ATMから、当該ユーザのユーザIDを含み、当該ユーザが利用を開始したことを示す利用開始情報を受信する。記憶制御部124は、利用開始情報を受信すると、利用開始情報に含まれているユーザIDに関連付けられて予約情報記憶部111に記憶されている到着予定時刻を消去するとともに、取扱開始時間を、利用開始情報を受信した時刻に更新する。これにより、予約情報記憶部111に記憶されている情報が更新される。
【0035】
待ち時間算出部125は、予約済の他ユーザのATMの取扱予定時間と、算出された到着予定時刻とに基づいて、利用予約を行ったユーザの待ち時間を算出する。具体的には、待ち時間算出部125は、予約情報記憶部111を参照して、ATMを現在利用している他ユーザ(利用中ユーザ)と、待ち時間を算出する対象のユーザよりも予約順が早い他ユーザ(待ちユーザ)とを特定する。
【0036】
そして、待ち時間算出部125は、利用中ユーザの取扱開始時間及び取扱予定時間と、現在時刻とに基づいて、当該利用中ユーザがATMの取扱を終了するまでの残り時間を算出する。待ち時間算出部125は、算出した残り時間と、待ちユーザに関連付けられているATMの取扱予定時間とに基づいて、ユーザのATMの利用開始時刻を算出する。待ち時間算出部125は、当該利用開始時刻から、到着予定時刻算出部123が算出した到着予定時刻を減算することで、ユーザの待ち時間を算出する。
【0037】
図4は、待ち時間の算出方法を説明するための図である。例えば、11:35においてユーザXが利用予約を行った場合について説明する。この場合において、ユーザの移動開始時刻が11:40(利用予約から5分後)、到着予定時刻算出部123が算出したATMの設置場所への移動時間が6分、ATMの設置場所へのユーザXの到着予定時刻が11:46であるものとする。
【0038】
また、11:35における他ユーザの予約状況が
図3に示す状態であったとすると、ユーザAが11:33にATMの取扱を開始してからユーザFがATMの取扱を終了するまでに20分を要するので、ユーザXよりも前に予約した全てのユーザがATMの取扱を終了する時刻、すなわち、ユーザXの利用開始時刻は、11:53となる。したがって、待ち時間算出部125は、利用開始時刻(11:53)から到着予定時刻(11:46)を減算することで、ユーザXの待ち時間を7分と算出する。
【0039】
通知部126は、待ち時間算出部125が算出したユーザの待ち時間を示す情報を携帯端末2に送信することにより、ユーザの待ち時間を携帯端末2に通知する。
携帯端末2は、ユーザの待ち時間を受信すると、端末側通知部として機能し、自身の表示部に待ち時間を示す情報を表示させる。例えば、携帯端末2は、待ち時間を表示したり、ユーザの利用開始時刻を表示したりする。このようにすることで、携帯端末2のユーザは、ATMの設置場所に自身が到着したときの待ち時間を確認することができる。
【0040】
[フローチャート]
続いて、待ち時間管理装置1の処理について、フローチャートを用いて説明する。
図5は、第1の実施形態に係る待ち時間管理装置1の処理の流れを示すフローチャートである。
まず、受付部121は、携帯端末2からATMの利用予約情報を受信することにより利用予約を受け付ける(S1)。利用予約情報には、ユーザID、ATMの設置場所、移動開始時刻、移動手段、及び処理の種別を示す情報が含まれている。
【0041】
続いて、位置情報取得部122は、携帯端末2から、当該携帯端末2の位置を示す位置情報を取得する(S2)。
続いて、到着予定時刻算出部123は、利用予約情報に含まれている移動開始時刻及び移動手段を示す情報と、携帯端末2の位置情報と、ATMの設置場所に対応する位置情報とに基づいて、ATMの設置場所に携帯端末2のユーザが到着する到着予定時刻を算出する(S3)。
【0042】
続いて、記憶制御部124は、携帯端末2のユーザの予約順を特定する(S4)。そして、記憶制御部124は、利用予約情報に含まれている情報と、特定した予約順とに基づいて、携帯端末2のユーザの予約を示す情報を予約情報記憶部111に記憶させる(S5)。
【0043】
続いて、待ち時間算出部125は、予約済の他ユーザのATMの取扱予定時間と、算出された到着予定時刻とに基づいて携帯端末2のユーザの待ち時間を算出する(S6)。
続いて、通知部126は、算出された待ち時間を携帯端末2に通知する(S7)。
なお、本フローチャートでは、待ち時間管理装置1は、S5の処理の後に、S6の処理を実行したが、これに限らず、S6の処理の後にS5の処理を実行してもよい。
【0044】
[第1の実施形態における効果]
以上のとおり、第1の実施形態に係る待ち時間管理装置1は、ATMの利用予約を受け付けた携帯端末2のユーザがATMに到着する到着予定時刻を算出し、予約済の他ユーザのATMの取扱予定時間と、算出された到着予定時刻とに基づいてユーザの待ち時間を算出する。このようにすることで、待ち時間管理装置1は、ATMの設置場所までのユーザの移動時間を考慮して待ち時間を算出するので、ATMの設置場所にユーザが到着した時点における待ち時間を精度良く通知することができる。
【0045】
<第2の実施形態>
続いて第2の実施形態について説明する。第1の実施形態において、待ち時間管理装置1は、ユーザから利用予約を受け付けたことに応じて待ち時間を算出した。しかしながら、利用予約を行った後にユーザの予定が変更になったり、交通状況が変化したりすることで、ユーザのATMの設置場所への到着予定時刻が遅れることがある。このような場合、当該ユーザの後に予約した他ユーザが先にATMの取扱を開始したほうがよいことがある。
【0046】
第2の実施形態の待ち時間管理装置1は、所定の複数のタイミングで携帯端末2から位置情報を取得してリアルタイムでユーザの到着予定時刻を算出する点、及び到着予定時刻に基づいて予約順を変更する点で第1の実施形態と異なる。以下、第2実施形態に係る待ち時間管理装置1の具体的な処理について説明する。なお、第1の実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0047】
図6は、第2の実施形態に係る待ち時間管理装置1の構成を示す図である。
図6に示すように、待ち時間管理装置1は、変更部127をさらに備える。
第2の実施形態において、位置情報取得部122は、ATMの利用予約を受け付けた複数のユーザのそれぞれの携帯端末2から、所定の複数のタイミングで位置情報を取得する。例えば、位置情報取得部122は、複数の携帯端末2のそれぞれから所定時間おき(例えば、1分おき)に位置情報及びユーザIDを取得する。
【0048】
到着予定時刻算出部123は、位置情報取得部122が位置情報及びユーザIDを取得したことに応じて、当該位置情報が示す位置が、ATMの設置場所と一致しているか否かを判定することにより、ユーザがATMの設置場所に到着したか否かを判定する。到着予定時刻算出部123は、ユーザがATMの設置場所に到着したと判定すると、記憶制御部124に、予約情報記憶部111に記憶されている状態を、ユーザが到着していることを示す「予約待ち(到着)」に変更させる。
【0049】
また、到着予定時刻算出部123は、ユーザがATMの設置場所に到着していないと判定すると、リアルタイムで当該ユーザIDに対応するユーザの到着予定時刻を算出する。記憶制御部124は、予約情報記憶部111を参照し、当該ユーザIDに対応する到着予定時刻を更新する。
待ち時間算出部125は、位置情報取得部122が取得したユーザIDに対応するユーザの到着予定時刻が算出されたことに応じて、当該ユーザの待ち時間を算出する。
【0050】
変更部127は、複数のユーザの到着予定時刻に基づいて、複数のユーザの予約順を変更する。例えば、待ち時間算出部125が算出したユーザの待ち時間が0以下である場合、ユーザがATMの利用開始時刻に到着できないことを示している。この場合、変更部127は、当該ユーザの予約順と、当該ユーザの次に予約した他ユーザの予約順とを入れ替えることにより、ユーザの予約順を変更する。
【0051】
また、変更部127は、ATMの設置場所に先に到着したユーザの予約順を、当該場所に到着していない他ユーザの予約順よりも繰り上げるようにしてもよい。ここで、予約順が変更されたユーザの待ち時間が変わることから、待ち時間算出部125は、予約順を変更した複数のユーザの待ち時間を再度算出してもよい。そして、通知部126は、待ち時間が変更されたことを示す情報と、待ち時間を示す情報とを、待ち時間が変更された複数のユーザの携帯端末2に通知してもよい。
【0052】
また、第2の実施形態において、記憶制御部124は、ATMを現在利用しているユーザがATMの取扱を終了したことを示す情報を示す利用終了情報を受信する。記憶制御部124が、利用終了情報を受信すると、待ち時間算出部125は、当該ユーザのATMの実際の取扱時間を算出する。そして、待ち時間算出部125は、当該取扱時間に基づいて、予約待ちのユーザの待ち時間を算出して更新する。
通知部126は、待ち時間算出部125がユーザの待ち時間を算出したことに応じて、当該待ち時間を携帯端末2に通知する。
【0053】
[第2の実施形態における効果]
以上のとおり、第2の実施形態に係る待ち時間管理装置1は、所定の複数のタイミングで携帯端末2から位置情報を取得し、リアルタイムで到着予定時刻を算出するので、ユーザの移動状況に基づいて待ち時間を更新することができる。
また、待ち時間管理装置1は、複数のユーザの到着予定時刻に基づいて複数のユーザの予約順を変更するので、複数ユーザの利用予約を最適化することができる。
また、待ち時間算出部125は、当該ユーザのATMの実際の取扱時間に基づいて、予約待ちのユーザの待ち時間を算出して更新するので、予約待ちのユーザに、実際の取扱時間に基づいて待ち時間を通知することができる。
【0054】
<第3の実施形態>
続いて第3の実施形態について説明する。第1の実施形態において、待ち時間管理装置1は、ユーザから受け付けたATMにおける処理の種別に予め関連付けられている取扱予定時間に基づいて待ち時間を算出した。しかしながら、同じ処理の種別であっても、複数のユーザのそれぞれで、取扱時間が異なることがある。例えば、操作に不慣れなユーザは、操作に慣れているユーザに比べてATMの取扱時間が増加する傾向にある。また、一のユーザが、家族等の複数名義の口座を用いてATMの取扱を行うことがあり、この場合には、同じ処理の種別であっても、取扱時間が増加する。そこで、第3の実施形態の待ち時間管理装置1は、ユーザのATMの過去の取扱時間に基づいて、当該ユーザの待ち時間を算出する。以下、第3の実施形態に係る待ち時間管理装置1の詳細について説明する。
【0055】
第3の実施形態において、記憶制御部124は、ユーザがATMを利用している場合に、当該ユーザの実際のATMの取扱時間を測定する。例えば、ATMにユーザが近接していることを検出する近接センサを当該ATMの足元に設けておき、記憶制御部124は、当該近接センサの検出状況を監視することにより、一のユーザの取扱時間を特定する。例えば、ATMが複数の口座の取扱を行った場合であっても、近接センサが連続して一のユーザが近接していることを検出し続けている場合には、記憶制御部124は、一のユーザが複数名義の口座の取扱を行っていると判定する。
【0056】
記憶制御部124は、ユーザのATMの実際の取扱時間と、当該ユーザがATMで行った処理の種別と、当該ユーザのユーザIDとを関連付けて記憶部11に記憶させる。なお、記憶制御部124は、ユーザIDと、処理の種別とに関連付けて、ユーザのATMの取扱時間の平均値を記憶部11に記憶させてもよい。
【0057】
また、受付部121が携帯端末2からATMの利用予約を受け付け、到着予定時刻算出部123がユーザの到着予定時刻を算出すると、記憶制御部124は、利用予約を受け付けた際に携帯端末2から受信する利用予約情報に含まれるユーザIDと処理の種別とに関連付けられて記憶部11に記憶されているATMの取扱時間を、当該ユーザIDに対応する取扱予定時間として特定する。
【0058】
続いて、記憶制御部124は、利用予約情報に含まれるATMの設置場所を示す情報と、ユーザIDと、予約順と、移動手段と、予約待ちであることを示す状態と、到着予定時刻と、処理の種別と、取扱予定時間とを関連付けて予約情報記憶部111に記憶させる。これにより、予約情報記憶部111に記憶される複数のユーザのそれぞれの取扱予定時間は、当該ユーザのATMの実際の取扱時間に基づくものとなる。
待ち時間算出部125は、予約情報記憶部111に記憶されている実際の取扱時間に基づく取扱予定時間に基づいて、ユーザの待ち時間を算出する。
【0059】
[第3の実施形態における効果]
以上のとおり、第3の実施形態に係る待ち時間管理装置1は、実際の取扱時間に基づく取扱予定時間に基づいて、ユーザの待ち時間を算出するので、一ユーザが複数ユーザ分の処理を行った場合についても考慮して、待ち時間を精度良く算出することができる。
【0060】
<第4の実施形態>
続いて第4の実施形態について説明する。第1の実施形態において、携帯端末2から予約可能なATMは、予約専用のATMであるものとし、待ち時間管理装置1は、予約専用ATMの利用を予約したユーザの待ち時間を算出した。しかしながら、当該ATMの設置場所には、予約専用以外のATMが設置されており、利用予約を行ったユーザが実際にATMの設置場所に到着したときに、待ち状態が少ない他のATMを利用することが考えられる。そこで、第4の実施形態の待ち時間管理装置1は、他のATMの利用状況に基づいて、ユーザの待ち時間を更新する。以下、第4の実施形態に係る待ち時間管理装置1の詳細について説明する。
【0061】
第4の実施形態において、待ち時間算出部125は、ATMと同じ場所に設置されている他のATMの利用状況に基づいてユーザの待ち時間を更新する。例えば、ユーザが近接していることを検出する近接センサを他のATMの足元に設けておき、待ち時間算出部125は、当該近接センサの検出状況を監視することにより、他のATMの利用状況を特定する。待ち時間算出部125は、近接センサの検出状況に基づいて、他のATMにおいてユーザを検出していない時間が所定時間以上である場合には、他のATMの利用率が低く、利用予約を行った一部のユーザが他のATMを利用すると判定する。
【0062】
待ち時間算出部125は、一部のユーザが他のATMを利用すると判定すると、例えば、待ち時間算出部125は、予約情報記憶部111に記憶されている当該一部のユーザの情報を消去したり、キャンセルを示す情報を記憶させたりすることで、当該一部のユーザがATMの利用予約をキャンセルしたものとする。そして、待ち時間算出部125は、ATMの利用予約を行っている他ユーザの待ち時間を更新する。
【0063】
なお、待ち時間算出部125は、予約済の他ユーザが、他のATMを実際に利用したことを検出してもよい。そして、待ち時間算出部125は、他ユーザが、他のATMを実際に利用したことを検出したことに応じて、当該他のユーザがATMの利用予約をキャンセルしたものとして、ATMの利用予約を行っている他ユーザの待ち時間を更新してもよい。
【0064】
[第4の実施形態における効果]
以上のとおり、第4の実施形態に係る待ち時間管理装置1は、ATMと同じ場所に設置されている他のATMの利用状況に基づいてユーザの待ち時間を更新する。このようにすることで、待ち時間管理装置1は、利用予約を行ったユーザが待ち状態が少ない他のATMを利用することも考慮して待ち時間を更新することができる。
【0065】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
例えば、上記の実施形態においては、待ち時間管理装置1を一台のサーバで構成する例について説明したが、待ち時間管理装置1の機能を複数のサーバに分散させて実行してもよい。
【0066】
また、上記の実施形態においては、待ち時間管理装置1は、ユーザが利用する予定のATMの場所と、当該ATMにおける処理の種別を受け付けることにより、ATMの利用予約を受け付けたことに応じて、携帯端末2のユーザがATMの設置場所に到着したときの、ATMの利用開始までの待ち時間を算出したが、これに限らない。例えば、待ち時間管理装置1は、携帯端末2のユーザからATMの予約リクエストを受け付けたことに応じて、携帯端末2の位置に近い複数のATMのうち、待ち時間が短いATMを示す情報を携帯端末2に通知してもよい。また、当該複数のATMの設置場所を示す情報と、待ち時間とを通知し、通知されたATMの中から選択を受け付けるようにしてもよい。なお、携帯端末2への通知には、地図情報を含めてもよい。
【0067】
この場合において、受付部121は、ATMの利用予約を受け付ける際に、ATMにおける処理の種別のみを受け付ける。続いて、位置情報取得部122は、携帯端末2の位置情報を取得し、到着予定時刻算出部123は、当該位置情報が示す携帯端末2の位置から所定範囲内に設置されている複数のATMを特定する。続いて、到着予定時刻算出部123は、当該位置情報に基づいて携帯端末2のユーザが特定した複数のATMのそれぞれに到着する到着予定時刻を算出し、待ち時間算出部125は、当該到着予定時刻と、他ユーザの当該ATMの取扱予定時間とに基づいて、特定した複数のATMのそれぞれに対するユーザの待ち時間を算出する。続いて、通知部126は、特定した複数のATMのうち、待ち時間が所定時間よりも短い複数のATMの場所等を示す情報を携帯端末2に通知する。ここで、通知部126は、特定した複数のATMの設置場所を示す情報と、待ち時間とを関連付けたATM情報を通知してもよい。また、通知部126は、ユーザの現在の位置と、特定した複数のATMの設置場所と、それぞれのATMの待ち時間とを表示した地図を示す地図情報を通知してもよい。続いて、受付部121は、通知した複数のATMのうち、ユーザが利用する一のATMの選択を受け付ける。このようにすることで、携帯端末2のユーザは、自身の位置や、待ち時間等を考慮してATMを予約することができる。