特開2017-102135(P2017-102135A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-102135(P2017-102135A)
(43)【公開日】2017年6月8日
(54)【発明の名称】ディスプレイ装置
(51)【国際特許分類】
   G03B 21/10 20060101AFI20170512BHJP
   G03B 21/62 20140101ALI20170512BHJP
   H04N 5/74 20060101ALI20170512BHJP
【FI】
   G03B21/10 Z
   G03B21/62
   H04N5/74 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-71180(P2014-71180)
(22)【出願日】2014年3月31日
(71)【出願人】
【識別番号】514082284
【氏名又は名称】山田 稔
(74)【代理人】
【識別番号】100105946
【弁理士】
【氏名又は名称】磯野 富彦
(72)【発明者】
【氏名】山田 稔
【テーマコード(参考)】
2H021
2K103
5C058
【Fターム(参考)】
2H021AA05
2H021AA08
2H021BA21
2K103AA17
2K103AA25
2K103AB07
2K103CA02
2K103CA28
2K103CA62
2K103CA75
5C058AA18
5C058BA35
5C058EA01
5C058EA13
5C058EA32
(57)【要約】

【課題】従来に比べて軽量なコンパクトタイプのディスプレイ装置を提供する。
【解決手段】骨格部分を形成するフレーム10と、フレーム10に支持されたドーム型のスクリーン20と、スクリーン20に投影させる光Lを射出するプロジェクター30と、プロジェクター30からの光Lを反射させてスクリーン20に投影させる反射部40と、を備えるディスプレイ装置100において、フレーム10は、軽量材料から形成された筒部11b等を有することを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨格部分を形成するフレームと、
前記フレームに支持されたドーム型のスクリーンと、
前記スクリーンに投影させる光を射出するプロジェクターと、
前記プロジェクターからの光を反射させて前記スクリーンに投影させる反射部と、
を備えるディスプレイ装置において、
前記フレームは、軽量材料から形成された筒部を有することを特徴とするディスプレイ装置。
【請求項2】
前記軽量材料は、紙であることを特徴とする請求項1記載のディスプレイ装置。
【請求項3】
前記軽量材料は、アルミニウム又はアルミニウム合金であることを特徴とする請求項1記載のディスプレイ装置。
【請求項4】
前記フレームは、板状の補強パネルを有することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のディスプレイ装置。
【請求項5】
前記フレームは、スクリーンを支持するスクリーン支持部を有し、
前記フレームは、前記スクリーン支持部の水平面に対する角度の調整を行う角度調整部を備えることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のディスプレイ装置。
【請求項6】
スピーカーと、
前記スピーカーの後部側に設けられた筒状体と、
を備えることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のディスプレイ装置。
【請求項7】
前記スクリーンに投影される光は、水平面に対して略30°の仰角で前記スクリーンに入射することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のディスプレイ装置。
【請求項8】
前記スクリーンは、ドーム型の天頂部がディスプレイ装置の正面側に向くように、水平面に対して傾斜した状態で前記フレームに支持され、水平面に対する前記スクリーンの傾斜角度は、略45°に設定されることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のディスプレイ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレイ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ドーム型スクリーンと、その内側に配置されたプロジェクターと、を備え、プロジェクターから射出された光をドーム型スクリーンに投影させて画像を表示させるディスプレイ装置が知られている。このようなディスプレイ装置では、表示される画像が半球面状となる。よって、一般的な平面型スクリーンに表示される画像に比べて立体感のある画像を提供することができ、このような優れた映像表示によって見る人に対して視覚を通じてインパクトを与えることができる。
【0003】
このようなディスプレイ装置としては、コンパクトに形成されたタイプのものが知られている(特許文献1参照)。このようなディスプレイ装置によれば、プラネタリウム専用に制作されたコンテンツを再生することも可能であるため、人通りの多い場所などに設置することにより、このようなコンテンツの画像を不特定多数の人々に観覧させる機会を増やすことができる。また、このようなディスプレイ装置が公共の場所や各種イベント会場等に設置されて人々に対する情報の提供や宣伝広告に用いられると、表示される画像が通行人の注意を惹くため、通行人がディスプレイ装置の前に立ち止まってスクリーンの画像表示を見ることが助長される。そのため、情報の提供等を効率よく行うことが可能となる。さらには、上記のようなディスプレイ装置の優れた映像表示を介して、表示する情報や広告について不特定多数の人々に強い印象を与えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−230404号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このようなディスプレイ装置が重量であると、所定の設置場所への搬入作業及び設置場所からの搬出作業が容易ではなく、かつ輸送コストも生じるため、このようなディスプレイ装置の利用を躊躇する要因となってしまう。そこで本発明では、上記した事情に鑑み、従来に比べて軽量なコンパクトタイプのディスプレイ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、骨格部分を形成するフレームと、フレームに支持されたドーム型のスクリーンと、スクリーンに投影させる光を射出するプロジェクターと、プロジェクターからの光を反射させてスクリーンに投影させる反射部と、を備えるディスプレイ装置において、フレームは、軽量材料から形成された筒部を有することを特徴とする。
【0007】
また、筒部を形成する軽量材料は、紙、アルミニウム、又はアルミニウム合金であってもよい。また、フレームは、板状の補強パネルを有してもよい。また、フレームは、スクリーンを支持するスクリーン支持部を有し、スクリーン支持部の水平面に対する角度の調整を行う角度調整部を備えてもよい。
【0008】
また、ディスプレイ装置は、スピーカーと、スピーカーの後部側に設けられた筒状体と、を備えてもよい。また、スクリーンに投影される光は、水平面に対して略30°の仰角でスクリーンに入射させてもよい。また、スクリーンは、ドーム型の天頂部がディスプレイ装置の正面側に向くように、水平面に対して傾斜した状態でフレームに支持され、水平面に対するスクリーンの傾斜角度は、略45°に設定されてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明のディスプレイ装置によれば、優れた映像表示を発揮する機能を有するとともに、フレームは軽量材料から形成された筒部を有することにより、フレームの強度を確保しつつ軽量化を図り、ディスプレイ装置全体の軽量化を実現することができる。
【0010】
また、筒部を形成する軽量材料が紙のものでは、筒部の材料が安価であるため、ディスプレイ装置の製造コストを低減させ、軽量なディスプレイ装置を安価に提供することができる。また、筒部を形成する軽量材料が、アルミニウム又はアルミニウム合金のものでは、フレームの強度が確保され、フレームに補強部材等が不要となるため、フレーム、ひいてはディスプレイ装置を簡素な構成とし、ディスプレイ装置の組み立て及び設置を容易化することができる。また、フレームが板状の補強パネルを有するものでは、フレームの強度を向上させることができる。
【0011】
また、スピーカー、及びスピーカーの後部側に設けられた筒状体を備えるものでは、スクリーンに表示された映像とともに音を出力させることができ、映像及び音を有するコンテンツの再生が可能となる。また、筒状体の構成により、スピーカーからの音量及び音質を確保することができる。また、スクリーンに投影される光を、水平面に対して略30°の仰角でスクリーンに入射させるものでは、スクリーンに表示される画像を見やすくすることができる。また、スクリーンは、ドーム型の天頂部がディスプレイ装置の正面側に向くように、水平面に対して傾斜した状態でフレームに支持され、水平面に対するスクリーンの傾斜角度は、略45°に設定されるものでは、ディスプレイ装置の高さあるいは幅の寸法を大きくすることなく、正面側からのスクリーン全体の視認を容易化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第1実施形態に係るディスプレイ装置の一例を示し、(a)は正面図、(b)は(a)のA−A線に沿った断面図である。
図2図1のディスプレイ装置のフレームを示す分解斜視図である。
図3図1に示すディスプレイ装置の要部を示す斜視図である。
図4】第2実施形態に係るフレームの一例を示し、(a)は斜視図、(b)は、フレームを構成する筒部の断面である。
図5】第3実施形態に係るディスプレイ装置の一例の要部を示し、(a)は斜視図、(b)は正面図である。
図6】第4実施形態に係るディスプレイ装置の一例の要部を示す斜視図である。
図7】実施形態に係るディスプレイ装置のフレームの第1〜第3変形例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。また、以下の実施形態を説明するため、図面においては一部分を大きくまたは強調して記載するなど適宜縮尺を変更して表現している。
【0014】
以下の各図において、XYZ座標系を用いて図中の方向を説明する。このXYZ座標系においては、水平面をXZ平面とする。このXZ平面において、ディスプレイ装置の前後方向をX方向と表記し、X方向に直交する方向(左右方向)をZ方向と表記する。XZ平面に垂直な方向(ディスプレイ装置の高さ方向)はY方向と表記する。X方向、Y方向、及びZ方向のそれぞれは、図中の矢印の方向が+方向であり、矢印の方向とは反対の方向が−方向であるものとして説明する。
【0015】
<第1実施形態>
第1実施形態に係るディスプレイ装置の一例について、図面を参照して説明する。図1は、第1実施形態に係るディスプレイ装置100を示し、(a)は正面図、(b)は(a)のA−A線に沿った断面図である。また、図2は、図1のディスプレイ装置のフレームを示し、(a)は斜視図、(b)は要部断面図である。ディスプレイ装置100の寸法は、例えば、左右幅(Z方向の長さ)は700mm、前後幅(X方向の長さ)は1230mm、高さ(Y方向の長さ)は1240mmである。ディスプレイ装置100は、図1に示すように、フレーム10と、スクリーン20と、プロジェクター30と、反射部40と、スピーカー50と、を有している。
【0016】
フレーム10は、図1(b)に示すように、ディスプレイ装置100の骨格を形成する部材であり、後述するスクリーン20を支持する。フレーム10は、+Y側に配置される上側フレーム10aと、上側フレーム10aの下側(−Y側)に配置される下側フレーム10bとから構成される。上側フレーム10aと下側フレーム10bとは、互いに接続されている。
【0017】
図2に示すように、上側フレーム10aは、Z方向に平行に配置された2本の筒部11aと、Y方向に平行に配置された4本の筒部11bと、4個の3方分岐構造の継手部12aと、筒部11bと筒部11iとを同軸上で接続させる4個のソケット状の継手部12bと、2枚の補強パネル13a、13bと、を有し、全体として略立方体状の骨格を形成する。継手部12bは、それぞれ筒部11bの−Y側の端部に設けられている。
【0018】
下側フレーム10bは、Z方向に平行かつ短管状の6本の筒部11cと、X方向に平行かつ補強パネル13c、13dに隣接して配置される8本の筒部11dと、X方向に平行かつ補強パネル13c、13dから離間して配置される4本の筒部11eと、Y方向に平行な6本の筒部11fと、Z方向に平行な3本の筒部11gと、Z方向に平行かつ筒部11cより長くかつ筒部11gよりも短く形成された3本の筒部11hと、6個の3方分岐構造の継手部12cと、4個のT字状の継手部12dと、2個の十字状の継手部12eと、4個の4分岐構造の継手部12fと、2個の5分岐構造の継手部12gと、2枚の補強パネル13c、13dとを有し、全体としてX方向が長い略直方体状の骨格を形成する。また、4本の筒部11iは、下側フレーム10bの+Y側において補強パネル13c、13dの+Y側端部よりも+Y側に一部が突出して配置され、上側フレーム10aの継手部12bに嵌め込み可能な位置及び形状に形成される。
【0019】
下側フレーム10bの−Y側に配置された筒部11c、11e、11h及び継手部12d、12eの上側には、例えば矩形かつ板状の設置台60が配置されており、これらの筒部11c等及び継手部12d等は、設置台60を下方から支持する支持部14を構成する。支持部14は、筒部11c等及び継手部12d等は格子状に形成されることにより、設置台60を下方から支持可能な強度が確保されている。また、下側フレーム10bは、上側フレーム10aと組み合わされた後に、スクリーン30を支持可能な強度が確保可能に形成される。
【0020】
筒部11a等は、直線状に延びる円管状の部材であり、ディスプレイ装置100において、X方向、Y方向、又はZ方向に対して平行に配置される。筒部11a等は、紙製である。紙材料としては、例えば古紙やクラフトパルプが用いられる。筒部11a等としては、例えば、円筒軸に薄い紙を平巻きあるいは螺旋状巻きされた長い紙製円筒形パイプが所定の長さに切断されたものが使用される。なお、筒部11a等の材料は、紙に代えて、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレスなどの軽量金属や樹脂などの他の軽量材料であってもよい。
【0021】
筒部11a等の長さ以外の寸法は、例えば、外径20mm〜40mm、肉厚1mm〜2mmであり、それぞれ同一に設定されている。このように筒部11a等の外径が20mm以上かつ肉厚が1mm以上であることにより、ディスプレイ装置100の骨格の強度及び後述するスクリーン20を保持可能な強度の確保が容易となる。また、外径40mm以下かつ肉厚2mm以下であることにより、フレーム10を軽量かつ小型に形成することができる。また、筒部11a等のそれぞれは、長さ以外の寸法が同一であるので、筒部11aの調達コストの低減及びフレーム10の組立や分解の容易化を図ることができる。
【0022】
なお、筒部11a等の形状としては、円管形状に限定されず、楕円管形状、長円管形状、あるいは角管形状など、種々の管形状であってよい。また、筒部11a等の外径及び肉厚についても、上記の数値に限定されず、適宜変更が可能である。また、筒部11a等の一部又は全部は、長さ以外の寸法あるいは形状が異なってもよい。また、筒部11a等の一部は、異なる材料から形成されてもよい。また、筒部11a等は、直線状に代えて曲線状あるいは曲線状を含む形状であってもよい。また、筒部11a等は、X方向、Y方向、又はZ方向に対して傾斜して配置されてもよい。また、筒部11a等は、内側が中空状であるが、筒部11a等の材料よりも軽量な材料が内側に充填されてもよい。この場合、中空状の場合に比べて外力に対する筒部11a等の強度を向上させることができる。また、筒部11a等の外部表面は、コーティング材などで被覆してもよい。この場合、筒部11a等の表面に生じるキズを低減させることができる。なお、以上の筒部11a等に関する事項は、後述する筒部211等について適用されてもよい。
【0023】
継手部12a等は、筒部11a等同士を接続するための部材である。継手部12a等は、筒部11a等の長手方向の端部と連結される。継手部12a等は、筒部11a等の端部が嵌め込まれる挿入口を有している。継手部12a等としては、例えば、塩化ビニルなどのプラスチック製の配管用継手部材が用いられるが、筒部11a等と同一の紙製部材が用いられてもよい。この場合、フレーム10はより一層軽量化及び低コスト化が可能となるため、より一層ディスプレイ装置100の軽量化及び低コスト化を実現することができる。なお、継手部12a等の構成及び数量は、上記したものに限定されず、接続される筒部11a等の形状や数量に合わせて適宜変更が可能である。後述する継手部212a等についても同様である。
【0024】
補強パネル13a、13b、13c、13dは、板状の部材である。補強パネル13a、13bは、上側フレーム10aにおいてXY平面に平行かつ対称に配置される。補強パネル13a、13bは、上側フレーム10aの+Z側及び−Z側の側壁を構成するとともに、上側フレーム10aにおける骨格の一部としての機能を有する。補強パネル13a、13bの内側面にはそれぞれ継手部12a、12bが例えば接着により固定されており、継手部12a、12bは補強パネル13a、13bにより支持される。そのため、上側フレーム10aは、筒部11a等及び継手部12a等のみから形成される場合と比較して構造的強度が向上している。
【0025】
補強パネル13c、13dは、下側フレーム10bにおいてXY平面に平行かつ対称に配置される。補強パネル13c、13dは、それぞれ下側フレーム10bの+Z側及び−Z側の側壁を構成するとともに、下側フレーム10bにおける骨格の一部としての機能を有する。補強パネル13c等の内側面にはそれぞれ継手部12c、12f、12gが例えば接着により固定されており、継手部12c、12f、12gは補強パネル13c、13bにより支持される。そのため、下側フレーム10bは、筒部11b等及び継手部12c等のみから形成される場合と比較して構造的強度が向上している。以上説明した補強パネル13a等の構成は、フレーム10の他の部分において採用されてもよく、例えば後述する支持部14に補強パネル13a等の構成を適用してもよい。
【0026】
これらの補強パネル13a等の材質は、例えばプラスチックやアクリルなどの樹脂が用いられるが、これに限定されない。また、補強パネル13a等の形状についても上記形状に限定されない。例えば、補強パネル13a等は、継手部12a等が固定されていない表面の領域の一部あるいは全部が抜かれた形状であってもよい。この場合、上部フレーム10aあるいは下部フレーム10bの構造的強度の低下を抑制しつつ、補強パネル13a等を軽量化することができる。また、補強パネル13a等のフレーム10において配置される位置は、上記した位置に限定されず、例えばフレーム10の前方(+X側)あるいは後方(−X側)の位置にYZ平面に平行に配置されてもよい。また、補強パネル13a等の表面には、補強パネル13a等の強度を向上させるために、表面から突出した構成のリブが設けられてもよい。
【0027】
フレーム10は、上記した形状及び構成に限定されず、筒部11a等を有しかつディスプレイ装置100の骨格を形成するものであれば、種々の形状及び構成であってよい。例えば、フレーム10は、筒部11a等、継手部12a等、及び補強パネル13a等の一部又は全部が、一体的に形成された部材であってもよい。また、フレーム10において、継手部12a等及び補強パネル13a等の一部あるいは全部は設けられなくてもよい。また、フレーム10を構成する複数の筒部11a等のうち一部の構成は、筒部11a等の材料と異なる材料から形成された筒状部材としてもよく、筒部11a等に代えて棒状部材としてもよい。また、フレーム10は、フレームを筺体とした場合の筺体の一部の構成を含んでもよい。上記したフレーム10の形状及び構成に関する事項は、以下の実施形態のフレーム210等においても同様に適用が可能である。
【0028】
スクリーン20は、プロジェクター30から射出され、反射部40により反射された光Lを投影して静止画や動画を表示させる。スクリーン20は、例えば略半球状のドーム型を有する形状に形成される。スクリーン20は、投影面21と光透過部22とを有している。投影面21は、スクリーン20の内側面に形成され、反射部40からの光Lを投影させる。光透過部22は、例えば透明の部材から形成され、投影面21の画像を透過させて外部に表示可能となっている。スクリーン20の直径は、例えば500mmに設定される。また、投影面21の曲率は任意に設定可能である。
【0029】
スクリーン20は、天頂部20aがディスプレイ装置100の正面側(+X側)に向くように、水平面(XZ平面)に対して傾斜した状態でフレーム10に支持される。スクリーン20の水平面に対する傾斜角度θ1は、略45°に設定される。なお、以下の実施形態についても同様である。このように略45°の角度θ1でスクリーン20が傾斜して配置されることにより、X方向(前後方向)及びY方向(高さ方向)にスクリーン20の天頂部が突出して、ディスプレイ装置100の前後方向の幅あるいは高さの寸法が大きくなることを抑制しつつ、ディスプレイ装置100の正面側(+X側)から見た場合のスクリーン20の視認可能となる範囲を拡げることができる。そのため、特に、スクリーン20の背面側(−X側)に画像が表示される場合であっても、正面側からの視認が容易となる。スクリーン20は、軽量に形成されるため、例えば、プラスチックなどの樹脂製であるが、他の材料から形成されてもよい。
【0030】
スクリーン20は上記した構成に限定されず、例えば、スクリーン20の水平面に対する傾斜角度θ1は、反射部40により反射された光Lが投影可能であれば、任意に設定可能である。また、フレーム10の上側(+Y側)においてXZ平面に平行に配置されてもよい。すなわち、天頂部20aが+Y側にくるように配置されてもよく、この場合、ディスプレイ装置の側面側(+Z側及び−Z側)及び後部側(−X側)からでも投影面21が視認可能となり、かつ見る角度により視認される画像が異なるので、一画像の表示で、同時に多くの人が異なる画像を楽しめる効果を有する。また、スクリーン20は、XY平面あるいはZY平面に平行に配置されてもよい。なお、上記したスクリーン20に関する事項については、以下の実施形態についても同様である。
【0031】
プロジェクター30は、スクリーン20の投影面21に投影する光Lを反射部40に向けて射出する。プロジェクター30は、光Lを射出する射出部31を備える。プロジェクター30は、射出された光Lが反射部40で反射しかつ反射した光Lが投影面21に投影されるように設定されている。プロジェクター30は、設置台60の表面(+Y側の面)の正面側(+X側)の領域に設置される。プロジェクター30としては、公知の種々のものが採用可能であるが、軽量かつコンパクトであることが望ましい。プロジェクター30としては、例えばCASIO計算機株式会社製のXJ−M255が用いられ、輝度3000ルーメンの射出光Lが得られる。なお、プロジェクター30は、設置された状態で、射出部31の位置あるいは光Lの射出方向を調整するための公知の調整機構を備えてもよい。
【0032】
反射部40は、プロジェクター30から射出された光Lを反射する。反射部40は、反射した光Lが水平面に対して所定の仰角θ2でスクリーン20に進入するように角度が設定され、かつ光Lが投影面21に投影されるように配置される。仰角θ2は、略30°に設定される。この構成によれば、反射した光Lを配置後のスクリーン20においてより前面側(+X側)に投影させることができ、画像の中心の位置をより前面側に設定し、前面側から画像を見やすくすることができる。なお、仰角θ2は、略30°に限定されず、対象者の身長などに応じて仰角θ2の設定を変更することができる。仰角θ2は、例えば略45°に設定されてもよい。仰角θ2が略45°に設定される場合、光Lは、スクリーン20に対して直交する方向から投影される。反射部40は、プロジェクター30の光Lの射出部31に対向する位置に設置され、設置台60の表面(+Y側の面)の後部側(−X側)の領域に配置されている。また、反射部40は、設置された状態で水平面及びYZ平面に対する角度の調整が可能となっている。
【0033】
反射部40は、平板状の鏡であり、透明なガラスから形成された板状のガラス部41と、ガラス部41の裏面に金属が蒸着されて形成された反射面42とを有する。プロジェクター30から射出された光Lは、反射面42により反射される。反射部40は、−Y側の端部が設置台60の表面に当接し、下方から支持される。また、反射部40の裏面には、軸方向に伸縮自在に形成された棒状の伸縮部材43が接続されており、これにより反射部40は支持されるとともに、伸縮部材43の伸縮に伴って反射部40の角度が変化する(図1(b)の矢印参照)。
【0034】
なお、反射部40は、上記した構成に限定されず、例えば、平板状に代えて曲面状に形成された凸面鏡であってもよい。この場合、プロジェクター30から反射部40に入射する光Lは、反射部40の曲率に応じて絞られた状態となっている。また、反射部40が鏡の場合、反射面42に対して入射及び出射する光Lは、ガラス部41を通過する際に屈折が生じるが、これを防止するために、反射部40は、表面(プロジェクター30側の面)に反射面を備えた金属板や、表面(プロジェクター30側の面)に反射面42として金属膜が成膜された板状部材としてもよい。また、この場合の板状部材は、樹脂から形成されてもよく、反射部40は、鏡が採用された場合に比べて軽量かつ安価で形成可能となる。なお、上記した反射部40の構成については、以下の実施形態の反射部440についても同様である。また、反射部40の角度調整機構としては、上記した伸縮部材43以外に、例えばアクチュエータを用いて角度の制御をさせてもよく、公知の種々の角度調整機構を採用することが可能である。
【0035】
なお、ディスプレイ装置100において、上記した、スクリーン20、プロジェクター30、及び反射部40の、互いの位置関係や配置場所については、上記構成に限定されず、適宜変更が可能である。
【0036】
スピーカー50は、ディスプレイ装置100において前面(+X側の面)の左右に1対が設けられている。スピーカー50は、設置台60に設置されたスピーカーユニット51に保持されている。図3は、図1に示すスピーカー50及び筒状体70を示す斜視図である。図3に示すように、スピーカー50の後部側(−X側)には、筒状体70が接続される。筒状体70の外形寸法は、例えばスピーカー50の外形寸法とほぼ等しく形成されている。このような筒状体70を備える構成では、スピーカー50から音を出力する際に筒状体70が振動し、音が増幅して放出される。そのため、ディスプレイ装置100から放出される音量及び音質を確保することができる。
【0037】
スピーカー50としては、例えば、外径10cmのコーン形フルレンジのタイプであるFOSTEX社製のP1000Kが採用されてもよい。また、筒状体70としては、例えば、紙製の円管状部材が用いられる。また、筒状体70の外径寸法は、スピーカー50の外径寸法とほぼ同一に形成されている。
【0038】
なお、スピーカー50及び筒状体70は、軽量かつ小型であることが望ましいが、上記構成に限定されない。スピーカー50は、公知の種々のものが採用可能である。また、2つのスピーカー50、50は、それぞれ異なる構成であってもよく、スピーカー50は、ディスプレイ装置100において、1つあるいは3つ以上が設けられてもよい。また、スピーカー50の配置についても任意に設定可能である。また、筒状体70は、楕円管形状、長円管形状、あるいは角管形状など、種々の管形状であってよく、例えば金属製や樹脂製などであってもよい。また、筒状体70は、フレーム10の−X側まで延びるように形成されかつ配置されてもよい。この場合、上記した筒状体70の効果を一層高めることができる。また、スピーカー50及び筒状体70の一方あるいは双方は、ディスプレイ装置において、設けられなくてもよい。
【0039】
図1に戻り、スピーカー50は、それぞれ配線80を介してアンプ81に接続される。このアンプ81は、設置台60に設置される。アンプ81としては、例えば、カードサイズのパーソナルアンプであるFOSTEX社製のAP05が採用されてもよい。なお、配線80及びアンプ81は、ディスプレイ装置がスピーカー50を備えない構成の場合には不要となる。また、配線80は、有線に代えて無線としてもよい。このような配線80及びアンプ81の構成は、以下の実施形態300等についても同様である。
【0040】
ディスプレイ装置100は、カバー90を備える。カバー90は、フレーム10の前後側面(+X側、−X側、+Z側及び−Z側の面)、上面(+Y側の面)、及びスクリーン20における略半球部分を除いた部分を覆うように設けられる。カバー90には、開口部91が設けられており、スクリーン20は開口部91を介してフレーム10から突出する。また、スピーカー50をフレーム10から突出させるための2つの開口部92が設けられている。カバー90の材質は、特に限定はないが、軽量であることが望ましく、紙製や、薄い樹脂製、布製などが好ましい。また、カバー90を閉じる際には、マグネットや面ファスナーなどが用いられてもよい。なお、このようなカバー90の一部あるいは全部は設けられなくてもよい。
【0041】
ディスプレイ装置100は、図示しないが、プロジェクター30及びアンプ81に有線又は無線により通信接続可能なコントローラーを備える。このコントローラーは、演算装置を備え、例えばSDカードなどの情報記憶媒体に格納されているコンテンツなどのプログラムデータに基づいて演算処理を行い、プロジェクター30及びアンプ81の動作を制御する。コントローラーは、フレーム10の内側に設置されてもよいし、外側に設置されてもよい。なお、コントローラーは、プログラムデータを記憶するメモリなどの記憶装置を備えてもよい。以下の実施形態に係るディスプレイ装置においても同様である。このようなコントローラーとしては、例えば、ジャパンマテリアル株式会社製のBrightSign(商標)HD120や、アップル社製のMac mini(登録商標)が採用されてもよい。
【0042】
また、設置後のディスプレイ装置100は、人との接触等による外部からの衝撃により設置位置から容易に動いてしまうことを防止するために、ディスプレイ装置100の下部を設置面に固定してもよい。このような固定には、例えば吸盤や面ファスナーなどが用いられてもよい。例えば、ディスプレイ装置100の下部には、設置面が平滑面の場合、設置面に吸着可能な吸盤が設けられてもよく、設置面の表面が絨毯の場合、多数のフック状の起毛を有し面ファスナーを構成するフック面が設けられてもよい。一方、ディスプレイ装置100の移動を容易にするために、例えばフレーム10の下部の4つの角部を含む部分に、キャスターが設けられてもよい。また、このキャスターには、キャスターの回転部分の回転を停止させるストッパーが設けられてもよい。
【0043】
以上説明したディスプレイ装置100の構成によれば、ドーム型のスクリーン20において優れた映像表示を発揮する機能を有するとともに、棒状部材に比べて軽量の筒状に形成され、かつ軽量材料である紙から形成された筒部11a等を有することにより、フレーム10の強度を維持しつつフレーム10の軽量化を図り、ディスプレイ装置100全体の軽量化を実現することができる。また、筒部11a等の材料が安価であるため、ディスプレイ装置100の製造コストを低減させ、軽量なディスプレイ装置100を安価で提供することができる。また、フレーム10は、補強パネル13a等を備える構成であるので、フレームが筒部11a等及び継手部12a等のみから形成される場合に比べて、フレーム10の構造的強度を向上させることができる。よって、ディスプレイ装置100の強度を容易に確保することができる。
【0044】
次に、ディスプレイ装置100の画像表示の動作の一例について説明する。先ず、プログラムデータに基づいたコントローラーからの指令に従って、プロジェクター30の射出部31から反射部40に向けて光Lが射出される。次いで、光Lは、反射部40に入射しかつ反射される。反射面42に入射及び反射される光は、例えば光軸に直交する断面が円形状の光である。反射面42に反射された光Lは、水平面(XZ平面)に対して上方に傾斜しており、この傾斜角度θ2は略30°に設定される。そのため、ディスプレイ装置100の正面に立った人がスクリーン20の斜め上方から画像全体を容易に視認可能となっている。反射面42に反射された光Lは、スクリーン20に投影されて、略半球面状の画像が表示される。
【0045】
続いて、ディスプレイ装置100の組立方法の一例について説明する。先ず、上部フレーム10aが組み立てられる。図2に示すように、補強パネル13a、13bのそれぞれは、予め筒部11b及び継手部12a、12bと一体的に組み立てられており、筒部11aの両端部をそれぞれ継手部12aに挿入して上部フレーム10aが完成する。次いで、下部フレーム10bが組み立てられる。補強パネル13b、13cのそれぞれは、予め筒部11d、11f及び継手部12c、12g、12fと一体的に組み立てられている。また、支持部14についても、同様に筒部11c、11e、11h及び継手部12d、12eにより予め一体的に組み立てられている。支持部14の筒部11cが継手部12c、12fの挿入口に嵌め込まれて下部フレーム10bが完成する。
【0046】
続いて、支持部14に設置台60が載置され固定される。続いて、設置台60にスピーカーユニット51、プロジェクター30、及びアンプ81が設置され、それぞれ配線接続される。
【0047】
続いて、筒部11iが継手部12bに嵌め込まれ、上側フレーム10aと下側フレーム10bが互いに接続されてフレーム10が完成する。
【0048】
続いて、カバー90をフレーム10の上方から被せた状態で、スクリーン20及び反射部40を設置し、さらに反射部40の角度を調整する。最後にカバー90を閉じて、ディスプレイ装置100が完成する。このように、各構成部材を上記の手順で組立てるだけで、容易かつ確実にディスプレイ装置100を完成させることができる。そのため、ディスプレイ装置100を設置する場合に、完成品を設置場所に搬入してもよいが、個々の構成部材ごとに分けて搬入し、設置場所で組み立てることも可能となる。このように設置場所で組み立てる場合、ディスプレイ装置100の搬入コストを低減できる。一方、分解する場合には、上記した組立の手順とは逆の手順で行えばよい。よって、ディスプレイ装置100を構成部材ごとに分解して、外形を小さくしてから搬出することができる。
【0049】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態に係るディスプレイ装置の一例について説明する。図4は、本実施形態に係るフレームの一例を示し、(a)は斜視図、(b)は、フレームを構成する筒部の断面である。以下に説明する第2実施形態に係るディスプレイ装置は、フレームの構成を除き、第1実施形態に係るディスプレイ装置100と同一または同等に構成される。よって、以下の第2実施形態の説明では、本実施形態に係るフレーム210について説明し、他の構成に係る部分については、同一の符号を付して説明を省略または簡略化する。なお、本実施形態に係るディスプレイ装置の組立手順は、上記したディスプレイ装置100とほぼ同様である。
【0050】
フレーム210は、図4(a)に示すように、28本の筒部211、10個の3方分岐構造の継手部212aと、4個の4分岐構造の継手部212bと、2個の5分岐構造の継手部212cと、を有している。
【0051】
筒部211は、直線状に延びる円管状の部材であり、ディスプレイ装置において、X方向、Y方向、又はZ方向に対して平行に配置される。筒部211は、アルミニウム製である。なお、筒部211の材料は、アルミニウムに代えて、アルミニウム合金やステンレスなどの他の軽量金属や樹脂などの軽量材料であってもよい。
【0052】
筒部211の寸法は、例えば、外径Bが20〜40mm、肉厚Cが1〜2mmであり、かつ長さがそれぞれ同一に設定されている。このように筒部211の外径Bが20mm以上かつ肉厚Cが1mm以上であることにより、ディスプレイ装置の骨格としての強度及びスクリーン20を保持可能な強度の確保が容易となる。また、外径Bが40mm以下かつ肉厚Cが2mm以下であることにより、フレーム210を軽量かつ小型に形成することができる。また、それぞれの筒部211の各寸法が同一であるので、材料調達コストの低減及びフレーム210の組立の容易化を図ることができる。
【0053】
以上のように、本実施形態に係るディスプレイ装置の構成によれば、ドーム型のスクリーン20において優れた映像表示を発揮する機能を有するとともに、棒状部材に比べて軽量の筒状に形成され、かつ軽量素材であるアルミニウム製の筒部211を有することにより、フレーム210の軽量化を図り、ディスプレイ装置全体の軽量化を実現することができる。また、筒部211はアルミニウム製のため、紙製の場合に比べてフレーム210の強度が確保されるので、フレーム210には補強パネルなどの補強部材を設ける必要がない。そのため、フレーム、ひいてはディスプレイ装置をシンプルな構成とし、ディスプレイ装置の組み立て及び設置の容易化、並びにディスプレイ装置のコンパクト化を実現することができる。なお、本実施形態のフレーム210には、補強部材が設けられてもよく、このような補強部材として、上記した補強パネル13a等の構成が用いられてもよい。この場合、フレーム210の強度をより一層向上させることができる。
【0054】
<第3実施形態>
続いて、第3実施形態に係るディスプレイ装置の一例について、図5を参照しながら説明する。図5は、本実施形態に係るディスプレイ装置の一例の要部を示し、(a)は斜視図、(b)は正面図である。以下の説明において、第1実施形態と同一または同等の構成部分については同一符号を付けて説明を省略または簡略化する。
【0055】
ディスプレイ装置300は、図5に示すように、フレーム310と、スクリーン20と、プロジェクター30と、反射部40と、スピーカー350と、を有している。ただし、設置台60及びスピーカーユニットは設けられていない。
【0056】
フレーム310は、ディスプレイ装置300の骨格を形成する部材である。フレーム310は、下部フレーム310aと、側部フレーム310bと、上部フレーム310c(スクリーン支持部)とを有している。下部フレーム310aは、水平面(XZ平面)に対して平行に配置され、例えば屋内の床上に配置される。側部フレーム310bは、下部フレーム310aと上部フレーム310cとを接続している。上部フレーム310cは、スクリーン20を支持する部材であり、角度θ11で水平面に対して傾斜している。角度θ11は、略45°に設定されるが、これ以外の角度に設定されてもよい。上部フレーム310cは、側部フレーム310bとの接続部分を通るZ軸に平行な軸Eを中心に、下部フレーム310a及び側部フレーム310bに対して相対的に回転可能に形成される。また、角度θ11は、調整が可能となっている。これにより、上部フレーム310cを折りたたむことが可能となっている。このようなフレーム310には、布製などのカバーが被せられてもよい。
【0057】
フレーム310は、9本の筒部311、311a、6個のL字型の継手部312a、及び2個の3方分岐構造の継手部312b、312cを有している。筒部311、311aは、上記した筒部211と同様の形状に形成され、かつ紙製あるいはアルミニウム製である。なお、筒部311、311aは、アルミニウム合金やステンレスなどの他の軽量金属や樹脂などの軽量材料であってもよい。継手部312b、312cは、L字状部材とソケット状部材とがネジを介して互いに接続された構成となっており、3方向の軸のうちの1つの軸が、互いにL字状に接続された他の2方向の軸に対して相対的に回転可能となっている(図5(b)参照)。また、継手部312b、312cは、回転角度の角度調整が可能な角度調整部を構成する。角度調整部312b、312cは、それぞれフレーム310の−Z側及び+Z側に配置されており、それぞれ−Z側及び+Z側の側部には上記ネジを回転させるためのつまみ314が設けられている。角度調整部312b、312cにより角度調整する場合、上記ネジを緩める方向につまみ314を回転させ、ネジが緩んだ状態となったら所定の角度に調整し、その角度を維持した状態で上記ネジを締める方向につまみ314を回転させて、所定の角度に固定することで完了する。なお、角度調整は、つまみを回転させる構成に代えて例えば六角レンチなどを用いて調整される機構としてもよい。
【0058】
スクリーン20は、軸Eを通る筒部311aに設けられた2個のフック391及び上部フレーム310cにより支持される。スクリーン20は、角度θ11で水平面に対して傾斜して配置される。フック391は、それぞれZ方向から見てS字状の形状となっているが、このようなフック391の形状は一例であって、スクリーン20を下方から支持可能な任意の形状が適用される。また、筒部311aにおけるフック391の設置数や設置位置についても、スクリーン20を支持可能であれば任意である。プロジェクター30及び反射部40は、フレーム310の内側に設置され、例えば屋内の床上に直接設置される。なお、伸縮部材43は、矩形の板状のミラー台344の表面に設置される。スクリーン20の水平面に対する角度θ11は、角度調整部312b、312cにより容易に調整可能である。
【0059】
スピーカー350は、フレーム310の外側に設置され、配線380を介してアンプ381に接続される。なお、スクリーン20の支持にはフック391が用いられるが、これに限定されず、上部フレーム310c上に搭載可能な手段であれば任意である。なお、スピーカー350は、フレーム310の内側に設置されてもよく、上記したスピーカー50の構成としてもよい。また、スピーカー350に筒状体70が接続されてもよい。
【0060】
このようなディスプレイ装置300の構成によれば、部品点数が少なく簡素な構成で形成可能となる。また、角度調整部312b、312cにより、不使用時には、上部フレーム310cを側部フレーム310bに対してX方向に重なるように折りたたんで、ディスプレイ装置300をコンパクトな形状にすることが可能となり、使用時には、上部フレーム310cを元の位置まで回転させるだけでフレーム310を使用可能な状態に容易に組み立てることが可能となる。よって、このようなディスプレイ装置300の搬送、組立、及び収納の容易化を実現できる。
【0061】
なお、本実施形態のフレーム310には、補強部材が設けられてもよく、このような補強部材として上記した補強パネル13a等の構成が採用されてもよい。この場合、補強パネルは、例えば各フレーム310a、310b、310cに対して平行に配置されてもよく、各フレーム310a、310b、310cの強度をより一層向上させることができる。上記の点については、後述するフレーム410においても適用が可能である。
【0062】
<第4実施形態>
続いて、第4実施形態に係るディスプレイ装置の一例について、図面を参照しながら説明する。図6は、本実施形態に係るディスプレイ装置の一例の要部を示す斜視図である。実施形態に係るディスプレイ装置は、図6に示すように、フレーム410と、反射部440とを有している。フレーム410及び反射部440以外の構成については、上記したディスプレイ装置300と同様である。よって、以下の説明において、第3実施形態と同一または同等の構成部分については同一符号を付けて説明を省略または簡略化する。
【0063】
フレーム410は、下部フレーム410aと、反射部支持用フレーム410dとを備える。下部フレーム410aは、水平面に平行に配置され、側部フレーム310bの−Y側に接続されている。また、反射部支持用フレーム410dは、角度調整機構を備えた継手部412b、412cを介して、下部フレーム410aの−X側に接続されている。筒部411、411aは、軸方向の長さが筒部311に比べてやや短く形成されるが、長さ以外の構成は筒部311とほぼ同様である。継手部412b、412cの構成は、それぞれ上記した角度調整部312b、312cとほぼ同様であるが、異なる構成であってもよい。これにより、反射部支持用フレーム410dは、継手部412b、412cを通りかつZ方向に平行な軸F周りに回転可能となっている。また、反射部支持用フレーム410dの水平面に対する角度は、継手部412b、412cにより調整が可能となっている。また、反射部支持用フレーム410dは、軸Eに沿って筒部411aが設けられており、筒部411aには反射部440を支持するためのフック491が2つ設けられている。フック491の構成は、上記したフック391と同一であるが、異なる構成であってもよい。
【0064】
反射部440は、伸縮部材43が設けられない点を除き、上記した反射部40とほぼ同様の構成である。反射部440は、フック491により−Y側の端部が支持されるとともに、反射部支持用フレーム410dにより裏面側から支持される。反射部440は、ガラス部41と反射面42とを有する。反射部440としては、例えば板状の鏡が採用される。反射部440は、反射部支持用フレーム410dが軸F周りに回転し回転角度が調整される。これにより、反射部440の水平面に対する角度が所定の角度に調整される。反射部440の水平面に対する角度の調整は、継手部412b、412cにより容易に行うことができる。
【0065】
本実施形態に係るディスプレイ装置の構成によれば、上記したディスプレイ装置300の効果に加えて、反射部支持用フレーム410dを軸F周りに回転させることにより、反射部支持用フレーム410dを下部フレーム410aの上部側(+Y側)に折りたたむことが可能となる。そのため、不使用時に、ディスプレイ装置をコンパクトな形状に構成することが可能となる。また、使用時に、反射部支持用フレーム410dを元の位置まで回転させるだけで、容易にフレーム410を使用可能な状態に組み立てることができる。よって、このようなディスプレイ装置の持ち運び、組立、及び収納が容易となる。
【0066】
<変形例>
続いて、上記した実施形態に係るディスプレイ装置のフレーム10等の第1〜第3変形例を示す。図7の(a)〜(c)は、それぞれ上記した実施形態に係るディスプレイ装置のフレームの第1〜第3変形例を示す。
【0067】
第1変形例510は、継手部513を備える。継手部513は、図7の(a)に示すように、軸の変形が可能な蛇腹形状部513aを有するフレキシブル管であり、例えば金属製である。角度調整部312b、312c及び継手部412b、412cの一部または全部は、このような継手部513に置き換えてもよい。
【0068】
第2変形例610は、継手部613を備える。継手部613は、図7の(b)に示すように、筒部11a等が挿入される2つの挿入部614とネジ部615とを有しており、挿入部614のそれぞれは、ネジ部615を軸に相対的に回転可能となっている。
【0069】
第3変形例710は、筒部711を有する。筒部711は、図7の(c)に示すように、それぞれの外径寸法が異なりかつ伸縮自在に組み合わされた複数の筒状部材711a、711b、711cを有している。筒状部材711b、711cのそれぞれの所定の位置には、筒状部材711b、711cを径方向に貫通した貫通孔713b、713cが設けられ、さらに貫通孔713b、713cの内周面には雌ネジ714b、714cが形成されている。筒状部材711b、711cの雌ネジ714b、714cには、雌ネジ714b、714cと互いに螺合する雄ネジ715b、715cが設けられている。このような構成により、筒部711は、軸方向の長さの調整が可能となっており、ディスプレイ装置の設置スペースに応じて筒部711の長さを適宜調節することができる。
【0070】
以上、本発明の実施形態及び変形例について説明したが、本発明は、上述した説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。また、上記した実施形態及び変形例の構成の一部は、省略されてもよく、他の実施形態及び変形例の構成の一部と置き換えてもよい。
【符号の説明】
【0071】
L…光
θ1…傾斜角度
θ2…仰角
10、210、310…フレーム
11a、11b、11c、11d、11e、11f、11g、11h、11i、211、311、311a、711…筒部
13a、13b、13c、13d…補強パネル
20…スクリーン
20a…天頂部
30…プロジェクター
40…反射部
50…スピーカー
70…筒状体
100、300…ディスプレイ装置
310c…上部フレーム(スクリーン支持部)
312b、312c…角度調整部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7