(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-1024(P2017-1024A)
(43)【公開日】2017年1月5日
(54)【発明の名称】水素含有排ガスの処理装置
(51)【国際特許分類】
B01D 53/86 20060101AFI20161209BHJP
F01N 3/20 20060101ALI20161209BHJP
B01J 35/04 20060101ALI20161209BHJP
【FI】
B01D53/86 200
F01N3/20 Z
B01J35/04 301K
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-110389(P2016-110389)
(22)【出願日】2016年6月1日
(31)【優先権主張番号】10-2015-0082469
(32)【優先日】2015年6月11日
(33)【優先権主張国】KR
(71)【出願人】
【識別番号】514048165
【氏名又は名称】テラセミコン コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】八田国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】パク,サン クォン
【テーマコード(参考)】
3G091
4D148
4G169
【Fターム(参考)】
3G091AA02
3G091AB02
3G091BA01
3G091BA13
3G091CA27
3G091GA06
3G091GB06W
4D148AA30
4D148AB01
4D148BA03Y
4D148BA25Y
4D148BA30Y
4D148BA32Y
4D148BA33Y
4D148BA35Y
4D148BB02
4D148CC23
4G169AA03
4G169BA13A
4G169BB02A
4G169BC16A
4G169BC31A
4G169BC58A
4G169BC70A
4G169BC71A
4G169BC73A
4G169BC74A
4G169BC75A
4G169CA02
4G169CA07
4G169CA11
4G169DA05
4G169EA18
4G169EB14X
(57)【要約】
【課題】水素含有排ガスの処理装置を提供する。
【解決手段】本発明による水素含有排ガスの処理装置200は、半導体の表面改質工程で発生する水素含有排ガスHGが流入される水素含有排ガス流入管110、及び酸素を含む空気Aが流入される酸素を含む空気流入管231が少なくとも一側に連結され、水素含有排ガスHGと触媒反応を起こす触媒を含む複数個の触媒担体部216、256を含む処理部210、250を含むことを特徴とする。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体の表面改質工程で発生する水素含有排ガスが流入される水素含有排ガス流入管、及び酸素を含む空気が流入される酸素を含む空気流入管が少なくとも一側に連結され、前記水素含有排ガスと触媒反応を起こす触媒を含む複数個の触媒担体部を含む処理部を含むことを特徴とする水素含有排ガスの処理装置。
【請求項2】
前記処理部は、
水平方向に沿って配される複数個の前記触媒担体部を含む第1処理部と、
前記第1処理部の上部に前記第1処理部と連通されるように配され、垂直方向に沿って配される少なくとも1つの前記触媒担体部を含む第2処理部と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の水素含有排ガスの処理装置。
【請求項3】
前記第1処理部は、上部の反応部と下部のガス流入部とに区画され、
前記反応部に前記触媒担体部が配され、
前記ガス流入部の一側に前記水素含有排ガス流入管及び前記酸素を含む空気流入管が連結されることを特徴とする請求項2に記載の水素含有排ガスの処理装置。
【請求項4】
前記触媒担体部の少なくとも一部に、白金(Pt)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、銅(Cu)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)のうち少なくとも何れか1つの触媒金属がコーティングされたことを特徴とする請求項1に記載の水素含有排ガスの処理装置。
【請求項5】
前記触媒担体部は、
多孔質金属またはセラミックに前記触媒金属がコーティングされた触媒フィルター部と、
前記触媒フィルター部上に配され、垂直方向に中空が形成されたハニカム構造の金属またはセラミックに前記触媒金属がコーティングされた触媒反応部と、
を含むことを特徴とする請求項4に記載の水素含有排ガスの処理装置。
【請求項6】
前記ハニカム構造で単一ハニカムの直径は、4mmを超過しないことを特徴とする請求項5に記載の水素含有排ガスの処理装置。
【請求項7】
前記ガス流入部は、
前記水素含有排ガス及び前記酸素を含む空気が流入される導入部と、
前記導入部上に互いに間隔をおいて水平方向に配された複数個の混合板と、を含み、
前記混合板は、横及び縦方向に沿って複数個の混合口が形成されたことを特徴とする請求項3に記載の水素含有排ガスの処理装置。
【請求項8】
下部に位置した混合板の混合口は、上部に位置した混合板の混合口と交差するように形成されたことを特徴とする請求項7に記載の水素含有排ガスの処理装置。
【請求項9】
前記第1処理部の少なくとも一側に、前記第1処理部の内部で凝縮された水蒸気を排出する第1ウォータードレインポートが連結されたことを特徴とする請求項2に記載の水素含有排ガスの処理装置。
【請求項10】
前記第2処理部の上部と排出口との間に一部の前記水素含有排ガスを冷却するためのクーリングユニットがさらに設けられたことを特徴とする請求項2に記載の水素含有排ガスの処理装置。
【請求項11】
前記第2処理部の上部と排出口との間にパージガスが供給されるパージガス流入管がさらに設けられたことを特徴とする請求項2に記載の水素含有排ガスの処理装置。
【請求項12】
前記第2処理部の上部と排出口との間に凝縮された水蒸気を排出する第2ウォータードレインポートが連結されたことを特徴とする請求項2に記載の水素含有排ガスの処理装置。
【請求項13】
前記第2処理部の上部と排出口との間に空気が供給される空気流入管がさらに設けられたことを特徴とする請求項2に記載の水素含有排ガスの処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水素含有排ガスの処理装置に係り、より詳細には、半導体の表面改質工程で発生する水素含有排ガスを触媒反応を通じて処理することができる水素含有排ガスの処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体の製造工程で拡散酸化工程のような表面改質工程では、必要な薄膜を形成するために、水素、窒素、アンモニアなどを使う。そのうち、水素ガスは、約4%〜75%で発火するので、大気中に直ちに排出する場合に、爆発の原因にもなりうる。したがって、排ガスで水素の濃度を低めることが必須である。
【0003】
従来の水素含有排ガスを処理する方法としては、熱を用いた燃焼法、水を用いた湿式法などがある。燃焼法は、水素を1000℃以上の超高温で燃焼させることによって、水素を処理する方法であり、湿式法は、多量の水を噴霧して水素を一部溶解させて水素を処理する方法であり、湿式法よりは、燃焼法の方が処理効率において優れるので、主に使われる。
【0004】
図1は、従来の燃焼法を用いた水素含有排ガスの処理装置20を示す側面図である。
【0005】
図1を参照すれば、半導体処理装置10のガス排出部11が水素含有排ガスの処理装置20まで連結されて、水素含有排ガスHGがチャンバ内部に流入されうる。チャンバ内部には、燃焼のために瞬間的に高温の熱を発生させる発火部21がガス排出部11と隣接して形成されている。そして、水素含有排ガスHGの燃焼に必要な、酸素などの工程ガスOGが、外部の工程ガス供給装置から工程ガス供給管25を通じて供給されうる。水素処理工程を終えた後に、水蒸気などを含む排出ガスは、排出部26を通じて外部に排出されうる。
【0006】
前記のような、従来の水素含有排ガスの処理装置20は、高効率で水素を処理することができる長所はあるが、水素含有排ガスHGの濃度が高濃度から低濃度に変わる場合には、燃焼が起こらないか、不安定になって、水素含有排ガスHGの水素が処理されず、そのまま外部に放出されるという問題点があった。そして、燃焼を用いるために、装置内部での爆発の危険が常存し、常にチャンバ内部を高温に保持する必要があるために、工程コストが増え、ヒーターの保持、管理が容易ではないという問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前記のような従来技術の諸問題点を解決するために案出されたものであって、水素含有排ガスの濃度とは関係なく、水素処理工程が行われる水素含有排ガスの処理装置を提供することを目的とする。
【0008】
また、本発明は、水素含有排ガスの水素処理の効率を最大化した水素含有排ガスの処理装置を提供することを目的とする。
【0009】
また、本発明は、装置の耐久性を向上させて、工程コストを減少させ、水素処理工程で危険の発生要素を減らすことができる水素含有排ガスの処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記の目的を果たすために、本発明の一実施形態による水素含有排ガスの処理装置は、半導体の表面改質工程で発生する水素含有排ガスが流入される水素含有排ガス流入管、及び酸素を含む空気が流入される酸素を含む空気流入管が少なくとも一側に連結され、前記水素含有排ガスと触媒反応を起こす触媒を含む複数個の触媒担体部を含む処理部を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
前記のように構成された本発明によれば、水素含有排ガスの濃度とは関係なく、水素処理工程が行われる。
【0012】
また、本発明は、水素含有排ガスの水素処理の効率を最大化することができる。
【0013】
また、本発明は、装置の耐久性を向上させて、工程コストを減少させ、水素処理工程で危険の発生要素を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】従来の燃焼法を用いた水素含有排ガスの処理装置を示す側面図である。
【
図2】本発明の一実施形態による水素含有排ガスの処理装置の全体構成を示す側面図である。
【
図3】本発明の一実施形態による第1処理部を示す側面図である。
【
図4】本発明の一実施形態による混合板を示す平面図である。
【
図5】本発明の一実施形態による反応部を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
後述する本発明についての詳細な説明は、本発明が実施される特定の実施形態を例示として図示する添付図面を参照する。これら実施形態は、当業者が本発明を十分に実施可能なように詳しく説明される。本発明の多様な実施形態は、互いに異なるが、相互排他的である必要はないということを理解しなければならない。例えば、これに記載されている特定の形状、構造、及び特性は、一実施形態に関連して、本発明の精神及び範囲を外れず、他の実施形態として具現可能である。また、それぞれの開示された実施形態内の個別構成要素の位置または配置は、本発明の精神及び範囲を外れず、変更されうるということを理解しなければならない。したがって、後述する詳細な説明は、限定的な意味として取ろうとするものではなく、本発明の範囲は、適切に説明されるならば、その請求項が主張するものと均等なあらゆる範囲と共に、添付の請求項によってのみ限定される。図面で類似した参照符号は、多様な側面にわたって同一または類似した機能を指称し、長さ及び面積、厚さなどとその形態は、便宜のために誇張されて表現されることもある。
【0016】
また、本明細書において、水素処理工程とは、水素含有排ガス内に含まれた水素ガスを水蒸気などの他の物質に変換して、水素ガスの濃度を減らす一連の工程をいずれも含むものと理解されうる。
【0017】
また、本明細書において、水素含有排ガスの処理装置は、半導体処理装置だけではなく、原子力発電の冷却炉から生成される水素処理、自動車マフラーの排ガス処理などの分野にも使えるということを明らかにする。
【0018】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態による水素含有排ガスの処理装置を詳しく説明する。
【0019】
図2は、本発明の一実施形態による水素含有排ガスの処理装置200の全体構成を示す側面図であり、
図3は、本発明の一実施形態による第1処理部210を示す側面図である。
【0020】
図2及び
図3を参照すれば、本実施形態による水素含有排ガスの処理装置200は、処理部210、250を含みうる。
【0021】
処理部210、250は、水素含有排ガスHGと触媒反応を起こす触媒を含む複数個の触媒担体部216、256を含みうる。処理部は、下部に位置する第1処理部210と上部に位置する第2処理部250とを含みうる。
【0022】
第1処理部210は、高濃度水素を含む水素含有排ガスHGが効率的に水素処理される空間を提供し、第2処理部250は、第1処理部210で相当部分水素処理された低濃度水素を含む水素含有排ガスHG1が効率的に水素処理される空間を提供することができる。
【0023】
水素含有排ガスHGは、半導体処理装置100内で半導体の表面改質工程などで発生し、半導体処理装置100のガス排出部(図面符号図示せず)を通じて排出されうる。そして、水素含有排ガスHGは、ガス排出部と一端が連結され、第1処理部210の一側に他端が連結された水素含有排ガス流入管110を通じて第1処理部210の内部に流入されうる。
【0024】
また、第1処理部210の内部で水素含有排ガスHGとの反応性、水素濃度制御などのために、他の工程ガスをさらに流入させうるが、本発明では、酸素を含む空気A[以下、酸素を含む空気A]を流入させうる。酸素を含む空気Aは、外部の酸素を含む空気供給部230から第1処理部210の一側に連結された酸素を含む空気流入管231を通じて第1処理部210の内部に供給されうる。
【0025】
第1処理部210は、下部に位置し、水素含有排ガスHGと酸素を含む空気Aとが流入され、混合されるガス流入部211及び上部に位置し、複数個の触媒担体部216が配される反応部215に区画されうる。水素含有排ガス流入管110と酸素を含む空気流入管231が、ガス流入口211の一側に連結されなければならないということはいうまでもない。
【0026】
図4は、本発明の一実施形態による混合板213を示す平面図である。
【0027】
図2ないし
図4を参照すれば、ガス流入部211は、導入部212と複数個の混合板(213:213a、213b)とを含みうる。
【0028】
導入部212は、水素含有排ガス流入管110と酸素を含む空気流入管231とから流入された水素含有排ガスHG及び酸素を含む空気Aが流入されて、空間を提供することができる。導入部212で、1次的に水素含有排ガスHG及び酸素を含む空気Aが混合されうる。
【0029】
複数個の混合板(213:213、213b)は、導入部212上で垂直方向に互いに間隔をおいて水平方向に配置される。混合板213には、横及び縦方向に沿って複数個の混合口214a、214bが形成されうる。混合板213は、2つ(213a、213b)であると示されているが、それ以上でも良く、混合口214a、41bの個数も適切に調節される。
【0030】
導入部212で、1次的に混合された水素含有排ガスHG及び酸素を含む空気Aは、混合板213の混合口214a、214bを通過しながら上昇移動する過程で、2次的にさらに混合がよく起こりうる。これにより、均一に混合されたガスが、反応部215に移動することができる。
【0031】
特に、水素含有排ガスHG及び酸素を含む空気Aがさらに混合がよく起こるように、流路を長く形成する必要がある。このために、それぞれの混合板213a、213bに横及び縦方向に沿って形成された複数個の混合口214a、214bは、交差するように形成されることが望ましい。
図4の(a)と
図4の(b)には、下部に位置した混合板213aの混合口214aは、上部に位置した混合板213bの混合口214bと交差しないように形成された構成が示されている。すなわち、同じ垂直軸上の空間を占有しないように混合口214a、214bが形成されることによって、流路を長く形成することができるという利点がある。
【0032】
反応部215は、ガス流入部211[または、混合板213]の上部に位置し、複数個の触媒担体部216を含みうる。触媒担体部216は、水素含有排ガスHGに含まれた水素ガスと触媒反応を起こしうる触媒を含む。水素含有排ガスHG内の水素と酸素を含む空気A内の酸素は、触媒担体部216の触媒と接触して、ラジカル(radical)化され、該ラジカル化された水素と酸素とが反応して、水蒸気[または、水]が生成される触媒反応を起こしうる。これにより、水素が処理(除去)される。
【0033】
触媒反応は、約500℃で行われ、触媒反応過程中に生成された水蒸気の一部は凝縮されうる。凝縮された水蒸気w[または、水w]は、第1処理部210の一側に連結された第1ウォータードレインポート240を通じて外部に排出されうる。
【0034】
触媒担体部216は、それ自体で触媒金属でも、一部に触媒金属をコーティングしたものでもあり得る。一方、触媒として使われる物質のほとんどが高価であるという点を勘案すれば、触媒担体部216は、低価の金属またはセラミックの表面に触媒金属をコーティングしたことが望ましい。触媒担体部216の少なくとも一部にコーティングされる触媒金属として、白金(Pt)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)などの白金系金属と、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、銅(Cu)などを使うことができる。
【0035】
本発明は、第1処理部210[または、反応部215]で触媒担体部216が水平方向に沿って配されることを特徴とする。
【0036】
第1処理部210は、後述する第2処理部250よりも水平面積を大きく設計することが望ましい。第1処理部210が、第2処理部250よりも水平面積を広く有させ、第1処理部210[または、反応部215]内に触媒担体部216を水平方向に沿って配置することによって、ガス流入部211から上昇移動した水素含有排ガスHG及び酸素を含む空気Aが広くかつ均一に分散された状態で複数の触媒担体部216と接触して、水素処理が行われる。これにより、第1処理部210で高濃度水素を含む水素含有排ガスHGが効率的に水素処理される。第1処理部210内で水素含有排ガスHG内の水素の約95%が処理されうる。
【0037】
図5は、本発明の一実施形態による反応部215を示す平面図である。
【0038】
図3及び
図5を参照すれば、触媒担体部216は、反応部215内のほとんどの空間を占有して配置される。それぞれの触媒担体部216は、触媒フィルター部217と触媒反応部218とを含みうる。
【0039】
触媒フィルター部217は、触媒反応部218の支持体の役割を果たすと共に、触媒担体部216と当接する水素含有排ガスHGが触媒反応を起こしうる広い表面積を提供することができる。広い表面積を提供するために、触媒フィルター部217は、多孔質金属またはセラミックに触媒金属がコーティングされた形態であり得る。触媒フィルター部217の厚さは、触媒反応部218よりも薄く形成されることが望ましい。
【0040】
触媒反応部218は、触媒フィルター部217上に配されて、より円滑に触媒反応を起こしうる空間を提供することができる。触媒反応部218は、垂直方向に中空が形成されたハニカム(honeycomb)[または、正六角柱]構造を有する金属またはセラミックに触媒金属がコーティングされた形態であり得る。触媒フィルター部217を通過した水素含有排ガスHG及び酸素を含む空気Aは、ハニカム構造の垂直方向に形成された中空を通過し、上昇移動する過程で内側壁にコーティングされた触媒金属と接しながら、触媒反応を起こしうる。そして、触媒反応部218は、最も広い表面積を提供するハニカム構造を有するので、触媒反応の効率が極大化されるという利点がある。
【0041】
より触媒反応を円滑に起こすように、ハニカム構造の直径は、4mmを超過しないことが望ましい。但し、直径が、必ずしもこれに限定されず、処理しなければならない水素含有排ガスHGの量、濃度、目標処理濃度などを考慮して適切に調節することができる。また、ハニカム構造だけではなく、接触面積を増やす目的の範囲内では、他の構造も採用可能である。
【0042】
触媒フィルター部217と触媒反応部218は、使用限界に到逹すれば、反応部215の一部を分解するか、保持/管理のためのメンテナンスドア(図示せず)を通じて容易に取り替えることができる。
【0043】
本発明は、第1処理部210の上部に第2処理部250が連通されるように配されることを特徴とする。そして、第2処理部250は、垂直方向に配される少なくとも1つの触媒担体部(256:256a、256b)を含むことを特徴とする。
【0044】
図2及び
図3を再び参照すれば、第1処理部210を通過した水素含有排ガスHGは、水素ガスの相当部分が触媒反応で水素処理される。約95%の水素ガスが水素処理され、残りの約5%の水素ガスを含む水素含有排ガスHG1は、上部に移動し続けて、第2処理部250に進入することができる。
【0045】
第2処理部250は、第1処理部210よりは低濃度水素ガスを含む水素含有排ガスHG1を処理するので、第1処理部210のように、必ずしも広い水平面積を有する必要はない。言い換えれば、高濃度水素ガスを含む水素含有排ガスHGを処理する第1処理部210は、大量の水素処理のために、複数個の触媒担体部216を水平方向に沿って配置しなければならないが、低濃度水素ガスを含む水素含有排ガスHG1を処理する第2処理部250は、少量の水素を集中処理して水素処理工程を完了するように、垂直方向に沿って少なくとも1つの触媒担体部(256:256a、256b)を配置することができる。
図2には、第2処理部250に2つの触媒担体部256a、256bを配置したものが示されているが、工程環境によって、1つまたは3つ以上でも良い。
【0046】
第2処理部250の触媒担体部256も、第1処理部210の触媒担体部216と同様に、触媒フィルター部(257:257a、257b)及び触媒反応部(258:258a、258b)を含みうる。触媒フィルター部257と触媒反応部258との構成及び機能は、第1処理部210の触媒フィルター部217及び触媒反応部218と同一なので、具体的な説明は省略する。
【0047】
水素含有排ガスHG1は、第2処理部250の垂直方向に沿って配された触媒担体部256を通過し、上昇移動する過程で触媒金属と接しながら、触媒反応を起こし、第2処理部250を抜け出した水素含有排ガスHG2は、燃焼範囲の以下(4%以下)、望ましくは、0.1%以下の水素ガスのみを含みうる。
【0048】
図2をさらに参照すれば、第2処理部250の上部と排出口260との間には、パージガス流入管270がさらに設けられることもある。パージガス流入管270は、外部のパージガス供給部(図示せず)からパージガスPを供給されて、第2処理部250の上部に供給することによって、第2処理部250を抜け出した水素含有排ガスHG2をさらに希釈させると共に、排出口260への移動力を加えることができる。
【0049】
第2処理部250の上部と排出口260との間には、水素含有排ガスHG2を冷却するためのクーリングユニット280がさらに設けられることもある。クーリングユニット280は、第2処理部250の上部と排出口260との間の配管を取り囲む冷却管またはコールドトラップ(cold trap)などを制限なしに使うことができる。
【0050】
水素含有排ガスHG2が排出口260の方向に移動しながら、一部の水蒸気が自然的に凝縮されるか、クーリングユニット280によって凝縮されうる。凝縮された水蒸気w[または、水w]は、第2処理部250の上部と排出口260との間に連結された第2ウォータードレインポート290を通じて外部に排出されうる。
【0051】
第2処理部250の上部と排出口260との間には、空気流入管275がさらに設けられることもある。空気流入管275は、水素含有排ガスHG2を排出口260を通じて外部に排出する前、空気(room air)を流入させることによって、濃度をさらに希釈させた水素含有排ガスHG3を排出口260に排出可能にする。
【0052】
前記のように、本発明は、第1処理部210と第2処理部250とで連続して水素処理を行うので、水素含有排ガスHGの濃度とは関係なく、工程が行われ、触媒反応を用いるために、水素処理工程で危険の発生要素を減らすことができる効果がある。そして、本発明は、水平方向に沿って触媒担体部216を配置した第1処理部210で多量の水素を処理し、垂直方向に沿って触媒担体部256を配置した第2処理部250で水素を集中処理するので、水素含有排ガスの水素処理の効率を最大化することができる効果がある。
【0053】
そして、本発明は、燃焼なしに触媒反応を通じて水素を処理することができるので、装置の耐久性を向上させ、触媒担体部216、256のみを取り替えて保持管理が可能なので、全体工程コストを減少させることができる効果がある。
【0054】
本発明は、前述したように、望ましい実施形態を挙げて図示して説明したが、前記実施形態に限定されず、本発明の精神を外れない範囲内で当業者によって多様な変形と変更とが可能である。そのような変形例及び変更例は、本発明と添付の特許請求の範囲の範囲内に属するものと認めなければならない。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は、水素含有排ガスの処理装置関連の分野に適用可能である。
【符号の説明】
【0056】
10、100:半導体処理装置
110:水素含有排ガス流入管
20、200:水素含有排ガスの処理装置
210:第1処理部
211:ガス流入部
212:導入部
213:混合板
214:混合口
215:反応部
216、256:触媒担体部
217、257:触媒フィルター部
218、258:触媒反応部
230:CDA供給部
231:酸素を含む空気流入管
240:第1ウォータードレインポート
250:第2処理部
260:排出口
270:パージガス流入管
280:クーリングユニット
290:第2ウォータードレインポート
A:酸素を含む空気
HG、HG1、HG2、HG3:水素含有排ガス
P:パージガス
RA:空気
W:凝縮された水蒸気、水