【解決手段】アダプタ20が備えるカセットサイズ検知センサ41,42は、検出波を水平方向に照射する判別センサ照射部としての発光部41a,42aと、当該判別センサ照射部から照射された検出波を検出する判別センサ検出部としての受光部41b,42bと、を有し、前記判別センサ照射部からカセット51,52の側面に向かって検出波を照射することで、カセット51,52のサイズを判別する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1,2に記載されているようなカセットの種類(サイズ)を識別(検出)する方法は、カセットの底面の形状・寸法、すなわちカセットの底面情報に基づくカセットの種類(サイズ)の判別方法である。
【0006】
しかしながら、例えば、半導体の製造工程で用いられているFFC(Film Flame Carrier)用カセット、およびフープリング(Hoop Ring)用カセットといったカセットは、半導体の製造機器メーカー、材料メーカーなどを構成員とする国際的な業界団体であるSEMI(Semiconductor Equipment and Materials International)により策定されたSEMI規格(Semiconductor Equipment and Materials International Standard)などで十分に規格化されていないため、カセットを生産する会社によって、カセットの底面の形状・寸法が異なっていたり、カセット底面の一部が底抜けになっていることがあり、カセットの底面情報からでは、カセットの種類(サイズ)を判別することができないことがある。
【0007】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、カセット(容器)の底面情報によらずとも容器のサイズを判別することができる構成を備えるアダプタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るアダプタは、ロードポートに設けられた載置台の上に載置され、被処理物のサイズにそれぞれ適合した、前記被処理物を収容する複数のサイズの容器が載置可能なアダプタであって、前記容器が載置される載置プレートの上面に設けられた容器位置決め部と、前記容器のサイズを判別するための複数の容器判別センサと、を備える。前記容器判別センサは、検出波を水平方向に照射する判別センサ照射部と、当該判別センサ照射部から照射された検出波を検出する判別センサ検出部と、を有し、前記判別センサ照射部から前記容器の側面に向かって検出波を照射する。
【0009】
この構成によると、容器の側面に向かって検出波を照射することで容器のサイズを判別できるので、容器の底面情報によらずとも容器のサイズを判別することができる。
【0010】
また本発明において、前記容器が載置されているか否かを検出するための容器着座センサをさらに備え、前記容器着座センサは、検出波を水平方向に照射する着座センサ照射部と、当該着座別センサ照射部から照射された検出波を検出する着座センサ検出部と、を有し、前記着座センサ照射部から前記容器の側面に向かって検出波を照射することが好ましい。
【0011】
この構成によると、容器がアダプタに載置していることを確認することができる。また、容器の側面に向かって検出波を照射しているので、容器の底面情報によらずとも容器がアダプタに載置していることを確認することができる。
【0012】
さらに本発明において、前記着座センサ照射部と前記着座センサ検出部とが、前記容器の側壁の下部部分を挟むように対向配置されていることが好ましい。
【0013】
この構成によると、容器がアダプタに載置していることをより正確に確認することができる。
【0014】
さらに本発明において、前記載置プレートは、上下方向に回動可能に構成されており、前記載置プレートが上方へ回動するように前記載置プレートを付勢する付勢手段が、前記載置プレートの下に配置されており、前記載置プレートは、前記容器が載置されていない場合は前記付勢手段の押上げ力によって水平方向に対して傾斜した状態となり、前記容器が載置されると、前記付勢手段の押上げ力に抗して下方へ回動して水平姿勢となることが好ましい。
【0015】
この構成によると、作業者がアダプタに容器を載置し易くなるので、作業効率が向上する。
【0016】
さらに本発明において、前記載置プレートの下に水平姿勢の固定プレートが配置されており、前記固定プレートの上面に前記容器判別センサが設けられていることが好ましい。
【0017】
この構成によると、容器判別センサのケーブルを配線し易い。
【0018】
また本発明は、ロードポートに関する発明でもある。本発明に係るロードポートは、前記したアダプタが載置される前記載置台を備えるロードポートであって、前記載置台には、前記アダプタが前記載置台の上に載置されているか否かを検出するためのアダプタ着座センサが設けられており、前記アダプタ着座センサからの信号と、前記容器判別センサからの信号とによって、前記被処理物の種類およびサイズを判別する判別部を備える。
【0019】
この構成によると、種類およびサイズが異なる被処理物を1つのロードポートで処理することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、カセット(容器)の底面情報によらずとも容器のサイズを判別することができる構成を備えるアダプタを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。
【0023】
(ロードポートを含む装置全体の構成)
図1に示す装置は、半導体の製造に用いられる装置であって、複数のロードポート1(本実施形態では3つ)と、搬送室2と、処理装置3とで構成される。ロードポート1は、ウエハ(Wafer)などの被処理物を、搬送室2の中の空間(搬送空間S)に出し入れするために、当該被処理物を収容する容器(例えば、カセット51,52,53(
図7,8,13参照))が載置される装置である。なお、ウエハは、ウエハのみが(ウエハが直接)容器に収容される場合もあるし(
図13に示すカセット53の場合)、FFC(Film Flame Carrier)やフープリング(Hoop Ring)の上面(または下面)に貼ったテープに貼られた状態で容器に収容される場合もある(
図7,8に示すカセット51,52はFFCの場合である)。以下で単に「FFC」と言う場合は、FFC(Film Flame Carrier)の上面(または下面)に貼ったテープにウエハが貼られた状態のFFCのことを指す。
【0024】
搬送室2の中には搬送ロボット22が配置されており、この搬送ロボット22によって、ロードポート1と処理装置3との間で被処理物の受け渡しが行われる。搬送ロボット22は、ロードポート1に載置された容器の中から被処理物を取り出し、搬送空間Sを経由して被処理物を処理装置3に供給する。なお、搬送空間Sは、搬送室2を構成する外壁である隔壁21でその側方を区画される空間である。
【0025】
ロードポート1は、制御装置4によってその動作が制御される。なお、制御装置4は、ロードポート1だけでなく搬送ロボット22などの搬送室2内の機器も制御するものである場合もある。
図1における制御装置4の図示は、ロードポート1が制御装置4で制御されるということを示すための図示であり、制御装置4の配置位置を示すものではない。ロードポート1の中に制御装置4が組み込まれている場合もあるし、搬送ロボット22などの制御も含む制御装置が搬送室2の中に配置される場合もある。
【0026】
なお、搬送室2(搬送空間S)から見てロードポート1が接続される側の向きを前方、その反対方向を後方と定義し、さらに、前後方向および鉛直方向に直交する方向を側方と定義し、それを
図1中に示した。
図2以降の図中に示す前方、後方、側方は、
図1中に示す前方、後方、側方と一致する。
【0027】
(ロードポートの構成)
主として
図2〜
図10を参照しつつ、ロードポート1の構成を説明する。
図2に示すように、ロードポート1は、搬送空間Sを区画する隔壁21の一部を構成する板形状のベース10を有する。ベース10は立設配置され、このベース10には、被処理物を搬送空間Sに出し入れするための開口としてのベース開口部10aが設けられている。搬送空間Sをクリーンな状態に保つため、通常時、ベース開口部10aはドア12で閉じられている。
【0028】
ベース10の搬送空間Sの側とは反対側、すなわちベース10の前方には、複数の被処理物を収容する容器が載置される載置台11が設けられる。
【0029】
図2、
図3に示すように、載置台11の上面には、複数の位置決めピン11a、および複数のアダプタ着座センサ11b〜11eが設けられている。位置決めピン11aは、載置台11の上の所定の位置にカセット(容器)を載置するためのピンであり、本実施形態では、配置が三角形となるように3つ設けられている。アダプタ着座センサ11b〜11eは、載置台11の上にアダプタが載置されているか否かを検出するためのセンサであり、本実施形態では、後方側の両側方端部に1つずつ、前方側の中央寄りに2つ、合わせて計4つ設けられている。アダプタ着座センサ11b〜11eは、公知の機械スイッチであり、載置台11の上面から上方へ突出する先端部が、アダプタの底面で押されて沈み込むことでオンするようになっている。アダプタ着座センサ11b〜11eからのオンオフ信号は、制御装置4(制御装置4内の判別部4a)に送られる。
【0030】
被処理物を収容する容器の一例を
図7,8に示している。
図7,8に示すカセット51,52は、それぞれ、複数のFFCを収容する容器であり、
図7に示すカセット51は、径が150mmのFFCを収容する150mmFFC用カセットである。
図8に示すカセット52は、径が200mmのFFCを収容する200mmFFC用カセットである。
図7,8にはそれぞれ1つのFFCしか示していないが、カセット51,52には、それぞれ、複数のFFCが、上下方向に一定の間隔をあけて水平姿勢でカセット51,52の中に収容される。カセット51,52は、載置台11の上に載置された状態における後方(搬送空間Sの側)、および前方(その反対側)に、それぞれ、開口部51a,52a、開口部51b,52bを有する。
【0031】
<アダプタ>(FFC用)
ここで、カセット51,52は、カセット51,52に共通のFFC用アダプタ20を介して載置台11の上に載せられる。すなわち、FFC用アダプタ20は、複数のサイズのカセットが載置可能なアダプタである。
【0032】
FFC用アダプタ20は、3つの位置決めピン用孔49a、および1つのアダプタ着座センサ用孔49bがあけられた(
図6参照)本体プレート49と、本体プレート49の上方に配置された載置プレート47とを有し、本体プレート49と載置プレート47とは側板48で連結されている。カセット51,52が載置される載置プレート47の上面には、容器位置決め部としての、150mmFFCカセット用ガイド44、200mmFFCカセット用ガイド45、およびFFCカセット用共通ガイド46が設けられている。
【0033】
なお、150mmFFCカセット用ガイド44、200mmカセット用ガイド45、およびFFCカセット用共通ガイド46それぞれの上面には、これらを載置プレート47にネジ固定するための溝が形成されている。この溝は、縦長形状になっているため、載置プレート47に対してこれらガイドを固定する際、溝に沿って固定位置を調整可能になっている。このため、寸法が異なるカセットでも、これらガイドの位置を調整することで、載置プレートと47に載置可能になっている。
【0034】
150mmFFCカセット用ガイド44のうちの150mmFFCカセット用ガイド44aは、載置プレート47上でのカセット51の側方向(幅方向)の位置を決めるための部材であり、150mmFFCカセット用ガイド44bは、載置プレート47上でのカセット51の前後方向の位置を決めるための部材である。200mmFFCカセット用ガイド45のうちの200mmFFCカセット用ガイド45aは、載置プレート47上でのカセット52の側方向(幅方向)の位置を決めるための部材であり、200mmFFCカセット用ガイド45bは、載置プレート47上でのカセット52の前後方向の位置を決めるための部材である。
【0035】
また、載置プレート47の上面には、カセット51,52のサイズを判別するための容器判別センサとしての、カセットサイズ検知センサ41,42が設けられている。カセットサイズ検知センサ41,42は、光学式のセンサであり、それぞれ、発光部41a,42a(判別センサ照射部)、および受光部41b,42b(判別センサ検出部)を備えている。発光部41a,42aおよび受光部41b,42bは、載置された状態における大きい方のカセット52よりも外方に配置される。なお、光学式のセンサは、レーザー光式のセンサを含む。
【0036】
発光部41a,42aは、光(検出波)をカセット51,52の側面に向かって水平方向に照射する。カセット51,52の側面で光が遮光されると、受光部41b,42bには照射された光が到達しないので、これにより、カセットサイズ検知センサ41,42はオンとなる。一方、カセット51,52が存在しないと、照射された光は受光部41b,42bに到達し、受光部41b,42bで検出されるので、これによりカセットサイズ検知センサ41,42はオフとなる。
【0037】
カセットサイズ検知センサ41の発光部41aは、載置プレート47の右端部に設けられ、カセットサイズ検知センサ42の発光部42aは、載置プレート47の左端部に設けられている。このように、載置プレート47上の2つのカセットサイズ検知センサ41,42の発光方向(照射方向)を反対とすることで光の干渉を防止することができる。
【0038】
カセットサイズ検知センサ41,42は、カセット51,52のうちのどちらのカセットがFFC用アダプタ20の上に載置されているかを検知するためのセンサであり、内側のカセットサイズ検知センサ41がオンしているが(遮光状態)、外側のカセットサイズ検知センサ42がオンしていない場合(投光状態)は、FFC用アダプタ20の上に載置されているのは小さい方のカセット51ということになる(
図7)。これに対して、カセットサイズ検知センサ41,42の両方がオンしている場合は、FFC用アダプタ20の上に載置されているのは大きい方のカセット52ということになる(
図8)。なお、当然ではあるが、カセットサイズ検知センサ41,42の両方がオンしていない場合は、FFC用アダプタ20の上にカセットが載置されていないということである。
【0039】
カセットのサイズと、FFCのサイズとは一対一の関係にあるため(カセット51,52は、150mmFFC、200mmFFCのサイズにそれぞれ適合しているため)、カセットのサイズが検知されることは、FFCのサイズが検知されることでもある。すなわち、カセットサイズ検知センサ41,42により、FFCのサイズが検知される(判別される)。
【0040】
また、載置プレート47の上面には、カセット51,52が載置されているか否かを検出するための容器着座センサとしての、カセット着座センサ43が設けられている。カセット着座センサ43は、カセットサイズ検知センサ41,42と同様に、光学式のセンサであり、発光部43a(着座センサ照射部)、および受光部43b(着座センサ検出部)を備えている。
【0041】
発光部43aおよび受光部43bは、載置された状態におけるカセット51,52の側壁51c,52c(
図7,8参照)の下部部分を、これら発光部43aと受光部43bとで間に挟むように対向配置される。また、本実施形態では、載置プレート47の対角にそれぞれ1組ずつ計2つのカセット着座センサ43が設けられている。なお、カセット着座センサ43は1つであってもよい。
【0042】
載置プレート47の上に、カセット51またはカセット52が載置されると、カセット着座センサ43がオンすることで(遮光状態)、載置プレート47の上にカセットが載置していることを確認できる。
【0043】
発光部43aは、光(検出波)をカセット51,52の側面に向かって水平方向に照射する。カセット51,52の側面で光が遮光されると、受光部43bには照射された光が到達しないので、これにより、カセット着座センサ43はオンとなる。一方、カセット51,52が存在しないと、照射された光は受光部43bに到達し、受光部43bで検出されるので、これによりカセット着座センサ43はオフとなる。
【0044】
なお、本実施形態では、カセットサイズ検知センサ41,42とカセット着座センサ43を、同一部品で構成しており、この場合、センサ取付に要する時間やセンサ調達コストが下がる。
【0045】
FFC用アダプタ20の本体プレート49に設けられたコネクタ20aには、カセット着座センサ43、およびカセットサイズ検知センサ41,42がケーブル等で接続されており、これらセンサからの信号は、コネクタ20a部分を経由して制御装置4(制御装置4内の判別部4a)に送られる。すなわち、カセットが載置されているか否か、およびFFCのサイズ情報は、FFC用アダプタ20から制御装置4内の判別部4aへ送られる。なお、アダプタ(FFC用アダプタ20)に信号送受信部を組込み、アダプタと制御装置4との間で信号を通信してもよい。
【0046】
上記により、ロードポート1の載置台11の上に載置されているFFC用カセットのサイズ、ひいては、FFCのサイズが制御装置4(制御装置4内の判別部4a)にて判別される。
【0047】
制御装置4は、カセット51のサイズに応じたマッピングパラメータ、すなわち、FFCのサイズに応じたマッピングパラメータを自動選定する。
【0048】
なお、前記したマッピングパラメータは、予め設定されたマッピング開始位置、マッピング終了位置、マッピング速度、センサ出力の判別方法・判別基準(FFC,HoopRing,ウエハで、厚みやスロットピッチが違うので、センサで被処理物が所定枚数あるかどうかを判断する基準が変わる)など、マッピングの動作に関わる情報を意味する。これらのマッピングパラメータは、予め制御装置4に記憶しておいてもよいし、外部から有線または無線で受信してもよい。また、マッピングパラメータとして、ウエハサイズ別でそれぞれ、FFC用のマッピングパラメータと、HoopRing用のマッピングパラメータと、ウエハ用のマッピングパラメータとを、準備しておくと、マッピングパラメータの自動選択が容易になる。
【0049】
また、制御装置4が搬送ロボット22の制御も行なう場合、搬送ロボット22についても、制御装置4は、カセット51のサイズに応じたロボットパラメータを自動選択する。なお、前記したロボットパラメータは、予め設定された搬送ロボット22のアクセス速度、アクセス高さ、アクセス位置、アクセス経路、被処理物の保持方法・手順(FFC、HoopRing、ウエハで、寸法や厚みやスロットピッチが違うので、同じ動作で全ての被処理物を搬送できない。)など、搬送ロボット22の動作に関わる情報を意味する。また、ロボットパラメータとして、ウエハサイズ別でそれぞれ、FFC用のロボットパラメータと、HoopRing用のロボットパラメータと、ウエハ用のロボットパラメータとを、準備しておくと、ロボットパラメータの自動選択が容易になる。さらに、FFC、HoopRing、カセットの種類によってこれらを保持する保持部の種類が異なる場合があるので、ロボットパラメータに、保持部の種類に関する情報も関連付けておくと良い。
【0050】
このように、制御装置4は、判別部によって判別されたカセットの種類およびサイズが特定された場合、マッピングパラメータやロボットパラメータなど装置の動作モードを自動で切替えることができる。なお、ロードポートや搬送ロボットが複数台ある場合に、その中の一つのみの動作モードを変更することもできる。
【0051】
また、本体プレート49に配置するコネクタ20aなどの部材は、本体プレート49の上面に配置することが好ましい。このように構成することで、本体プレート49の上面にコネクタ20aなどの部材を取り付けし易くなる。また、載置プレート47に配置するカセット着座センサ43、カセットサイズ検知センサ41,42、カセット用ガイド44〜46の部材も、本体プレート49の上面に配置することが好ましい。このように構成することで、同様に部品の取付けが容易になる。
【0052】
本実施形態のように、載置プレート47上面および本体プレート49の上面にそれぞれ部品を取付けておくと、アダプタを下記の手順で組み立てることができる。
【0053】
まず、載置プレート47の上面、本体プレート49の上面に部品を取付ける。次に、載置プレート47と本体プレート49との間で配線を行なう。そして、配線完了後、本体プレート49と載置プレート49とを、例えば、側板48を使って、ネジなどで固定する。さらに、本実施形態のように、載置プレート47と本体プレート49とを高さを変えて固定しておくとことが好ましい。そうすれば、両プレートの間をメンテナンス・修理等を行なうための領域として利用でき、メンテナンス時に載置プレート47と本体プレート49とを分離せずに部品交換、配線等のメンテナンスを行える。
【0054】
なお、上記の内容は、後述するHoop Ring用アダプタ80のカセット着座センサ83、カセットサイズ検知センサ81,82、およびウエハ用アダプタ90のカセット着座センサ93、カセットサイズ検知センサ91,92についても同じである。すなわち、これら各センサからの信号は、制御装置4内の判別部4aへ送られ、当該判別部4aにて、各種カセットのサイズ、ひいては、各種被処理物のサイズが判別される。
【0055】
<アダプタ>(Hoop Ring用)
図9,10は、
図1に示すロードポートの載置台の上に載せるHoop Ring用アダプタ80を示す図である。Hoop Ring用アダプタとは、フープリング(Hoop Ring)の上面(または下面)に貼ったテープにウエハが貼られた状態のもの(被処理物)を複数枚収容するカセット(Hoop Ring用カセット)が載せられるアダプタであり、さらには、上記被処理物のサイズにそれぞれ適合した、当該被処理物を収容する複数のサイズのHoop Ring用カセット(不図示)が載置可能なアダプタである。以下で単に「Hoop Ring」と言う場合は、フープリング(Hoop Ring)の上面(または下面)に貼ったテープにウエハが貼られた状態のHoop Ringのことを指す。
【0056】
Hoop Ring用アダプタ80の各部の構成は、前記したFFC用アダプタ20の各部の構成と類似するため、適宜説明を省略しつつ、Hoop Ring用アダプタ80の構成について以下に記載する。
【0057】
Hoop Ring用アダプタ80は、前記したFFC用アダプタ20と同様に、本体プレート89と、本体プレート89の上方に配置された載置プレート87とを有する。Hoop Ring用カセットが載置される載置プレート87の上面には、Hoop Ring用カセットのサイズを判別するための容器判別センサとしてのカセットサイズ検知センサ81,82、およびHoop Ring用カセットが載置されているか否かを検出するための容器着座センサとしてのカセット着座センサ83などが設けられている。
【0058】
カセットサイズ検知センサ81,82は、光学式のセンサであり、それぞれ、発光部81a,82a(判別センサ照射部)、および受光部81b,82b(判別センサ検出部)を備えている。また、カセット着座センサ83は、カセットサイズ検知センサ81,82と同様に、光学式のセンサであり、発光部83a(着座センサ照射部)、および受光部83b(着座センサ検出部)を備えている。
【0059】
図10は、
図9に示すHoop Ring用アダプタ80の底面図である。Hoop Ring用アダプタ80の本体プレート89には、FFC用アダプタ20の本体プレート49と同様に、3つの位置決めピン用孔89a、および1つのアダプタ着座センサ用孔89bがあけられている。
【0060】
Hoop Ring用アダプタ80の3つの位置決めピン用孔89a、FFC用アダプタ20の3つの位置決めピン用孔49a、およびロードポート1の載置台11に設けられた3つの位置決めピン11aは相互に対応するものであり、載置台11に設けられた3つの位置決めピン11aに、各アダプタ80,20の3つの位置決めピン用孔89a,49aが、それぞれ嵌り込むことで、各アダプタ80,20は、載置台11の上で位置決めされる。
【0061】
図6と
図10とを比較参照されたい。FFC用アダプタ20のアダプタ着座センサ用孔49bの位置と、Hoop Ring用アダプタ80のアダプタ着座センサ用孔89bの位置とは、異なっている。ここで、ロードポート1の載置台11に設けられた4つのアダプタ着座センサ11b〜11eのうちのアダプタ着座センサ11dと、FFC用アダプタ20のアダプタ着座センサ用孔49bとが対応するとともに、アダプタ着座センサ11bと、Hoop Ring用アダプタ80のアダプタ着座センサ用孔89bとが対応する。アダプタ着座センサ用孔49bの孔径は、アダプタ着座センサ11dのセンサ部の外径よりも大きく、アダプタ着座センサ用孔89bの孔径は、アダプタ着座センサ11bのセンサ部の外径よりも大きい。
【0062】
そのため、ロードポート1の載置台11の上にFFC用アダプタ20が載置されると、アダプタ着座センサ11b〜11eのうちのアダプタ着座センサ11dのセンサ部は、アダプタ着座センサ用孔49bの孔の中に入り、これ以外のアダプタ着座センサ11b,11c,11eのみがアダプタの底面で押されて沈み込むことでオンする。これにより、載置台11の上に載置されているのがFFC用アダプタであることを確認できる。
【0063】
一方、ロードポート1の載置台11の上にHoop Ring用アダプタ80が載置されると、アダプタ着座センサ11b〜11eのうちのアダプタ着座センサ11bのセンサ部は、アダプタ着座センサ用孔89bの孔の中に入り、これ以外のアダプタ着座センサ11c,11d,11eのみがアダプタの底面で押されて沈み込むことでオンする。これにより、載置台11の上に載置されているのがHoop Ring用アダプタであることを確認できる。
【0064】
上記により、アダプタ着座センサ11b〜11eからのオンオフ信号が入力される制御装置4(制御装置4内の判別部4a)にて、ロードポート1の載置台11の上に載置されているアダプタの種類、ひいては、被処理物の種類(FFCかHoop Ringか)が判別される。
【0065】
前記したことを合わせると、アダプタ着座センサ11b〜11eからの信号と、カセットサイズ検知センサ41,42からの信号とによって、被処理物の種類(例えば、被処理物がFFCであること)、および被処理物のサイズ(例えば、FFCのサイズ)が、制御装置4(制御装置4内の判別部4a)にて判別される。
【0066】
(アダプタの他の実施形態)
図11〜13を参照しつつ、アダプタの他の実施形態として、回動可能な載置プレートを有するアダプタの一例について説明する。なお、前記したFFC用アダプタ20、およびHoop Ring用アダプタ80は、いずれも、載置プレートが水平姿勢で固定とされたアダプタである。
【0067】
図11〜13に示すアダプタは、複数のウエハが直接収容されるウエハ用カセット53(
図13参照)が載置されるウエハ用アダプタ90である。ウエハ用アダプタ90の各部の構成のうち、前記したFFC用アダプタ20の各部の構成と類似する部分については、適宜説明を省略することとする。
【0068】
ウエハ用カセット53は、径が200mmのウエハを収容する200mmウエハ用カセットであり、前記したFFC用のカセット51,52と同様に、載置台11の上に載置された状態における後方、および前方に、それぞれ、開口部53a,53bを有する容器である。
【0069】
ウエハ用アダプタ90は、前記したFFC用アダプタ20と同様に、本体プレート99、載置プレート97を有する。本体プレート99には、コネクタ90a、位置決めピン用孔99aなどが設けられている。載置プレート97の上面には、容器位置決め部としての、150mmウエハカセット用ガイド94(94a,94b)、および200mmウエハカセット用ガイド95が設けられている。すなわち、ウエハ用アダプタ90は、前記したFFC用アダプタ20と同様に、複数のサイズのウエハ用カセットをその上に載置することができるアダプタである。
【0070】
ここで、ウエハ用アダプタ90では、本体プレート99と載置プレート97との間に水平姿勢の固定プレート100を設けている。固定プレート100の前方側の端部には、その両側にヒンジ101(回動部)が取り付けられ、載置プレート97はこのヒンジ101を支点にして上下方向に回動可能とされている。なお、本体プレート99と固定プレート100とは側板98で連結されている。
【0071】
また、載置されたウエハ用カセットのサイズを判別するためのカセットサイズ検知センサ91,92(発光部91a,92a、受光部91b,92b)、および、ウエハ用カセットが載置されているか否かを検出するためのカセット着座センサ93(発光部93a、受光部93b)は、載置プレート97の上ではなく、固定プレート100の上に配置されている。
【0072】
また、
図12等に示されているように、固定プレート100のうちのヒンジ101に近い部分には、載置プレート97をその下から上方へ向かって付勢する付勢手段としてのスプリングプランジャ102,103が取り付けられている。スプリングプランジャ102,103は、内部に収容されているコイルばね(スプリング)の弾性力でその先端部102a,103aが突出方向に付勢されている公知の部品である。これらのスプリングプランジャ102,103は、固定プレート100の幅方向に間隔をあけて、それぞれ2つずつ設けられている。
【0073】
ヒンジ101を支点にして上下方向に回動する載置プレート97は、ウエハ用カセット53がその上に載置されていないときは、スプリングプランジャ102,103の押上げ力によって水平方向に対して傾斜した状態となる(
図11,12)。ウエハ用カセット53が載置されると、載置プレート97(各ガイド94,95を含む)およびウエハ用カセット53(収容されているウエハを含む)の自重により、スプリングプランジャ102,103の押上げ力に抗して下方へ回動して水平姿勢となる(
図13)。なお、固定プレート100の上面にはショックアブソーバ104が取り付けられており、載置プレート97が水平姿勢になるときの衝撃が緩和される。
【0074】
前記したように、カセット着座センサ93およびカセットサイズ検知センサ91,92が、載置プレート97の上ではなく、固定プレート100の上に配置されているため、載置プレート97が水平姿勢となったときに、カセット着座センサ93によりウエハ用カセット53の存在が確認されるとともに、カセットサイズ検知センサ91,92によりウエハ用カセット53のサイズが判別される。
【0075】
一般的に、カセットを運ぶ作業者は、被処理物であるウエハが収納されたカセットのウエハ取出口(開口部53a)を上に向けてカセットを運ぶ。カセット(例えばオープンカセットであるウエハ用カセット53)には、上下方向に一定の間隔をあけて複数のウエハが水平姿勢でその中に収容されるのであるが、カセットをそのまま水平姿勢で運ぶと、カセットからウエハが飛び出てしまうことがあるからである。このため、載置プレート97の上にカセットを載置する際、載置プレート97が傾斜していると、作業者は載置プレート97の上にカセットを載置し易い。これにより、作業効率を向上させることができる。
【0076】
なお、スプリングプランジャ102,103の押上げ力、すなわち内部に収容されているコイルばね(スプリング)の弾性力は、ウエハ用アダプタ90の載置プレート97の上に載せる全てのサイズのウエハ用カセットが、当該ウエハ用カセットを載せたときに自重で下方に回動する弾性力とされる。
【0077】
(変形例)
アダプタ着座センサ11b〜11eは機械スイッチであるが、これに代えて、光学式のセンサなどをアダプタ着座センサとして用いてもよい。
【0078】
カセットサイズ検知センサ41,42、カセット着座センサ43に関し、発光部41a,42a,43aと、受光部41b,42b,43bを近接させ、被処理物に当たって反射してきた光を受光部41b,42b,43bで検知する構成(反射式のセンサ)としてもよい。カセットサイズ検知センサ81,82、カセット着座センサ83、カセットサイズ検知センサ91,92、およびカセット着座センサ93についても同様である。
【0079】
また、上記の各センサとして、光学式のセンサに代えて、電磁波や超音波のような検出波を利用したセンサを用いてもよい。
【0080】
上記実施形態では、カセットサイズ検知センサ41,42とカセット着座センサ43を別々に設けた。しかしながら、カセット着座センサ43をカセットサイズ検知センサとして兼用させてもよい。この結果、センサの部品点数が減り、コストダウンになる。例えば、カセットサイズ検知センサ41を取外し、その代わりにカセット着座センサ43のうちの一方を、その受光部43bがカセットサイズ検知センサの受光部41bの位置となるようカセット着座センサ43の位置に配置すればよい。そうすれば、カセット着座センサ43(兼用センサ)とカセットサイズ検知センサ42の両方が遮光された場合、200mmFFC用カセットであると認識し、カセット着座センサ43(兼用センサ)のみが遮光された場合、150mmFFC用カセットが載置されたと認識できる。
【0081】
被処理物は、ウエハのような半導体基板以外に、ガラス基板(液晶パネル、有機/無機EL等のディスプレイ用基板)、細胞等を内部に収容可能なプレートやシャーレなどを挙げることができる。容器としては、前記した実施形態で示したカセット51,52,53のようなオープンカセットと呼ばれる開放型の容器以外に、FOUP(Front-Opening Unified Pod)と呼ばれる開閉可能な蓋を備える密閉型の容器などを挙げることができる。
【0082】
載置プレートが回動するアダプタに関し、前記した実施形態では、複数のスプリングプランジャ102,103を用いているが、スプリングプランジャは1つだけであってもよい。
【0083】
載置プレートが回動するアダプタに関し、カセットサイズ検知センサ91,92、およびカセット着座センサ93を、回動する載置プレート97の上面に設けてもよい。
【0084】
その他に、当業者が想定できる範囲で種々の変更を行えることは勿論である。