【課題】取り扱いが容易でかつ簡単な構成で無線通信装置の二次電池を充電することができるとともに、無線通信装置や充電器を接続対象機器と一体で管理できる無線通信装置、充電器、及び充電器兼無線通信装置を提供する。
【解決手段】第1接続対象機器と第2接続対象機器との間で伝送される信号と無線信号との変換を行う伝送回路16と、伝送回路16に電力を供給する二次電池18と、伝送回路16及び二次電池18が並列に接続され、第1接続対象機器の接続コネクタに着脱自在に挿入されるプラグ12とを備え、プラグ12は、第1接続対象機器の接続コネクタに挿入された場合には伝送回路16との間で信号を入力又は出力する信号端子として機能し、充電器の充電コネクタに挿入された場合には二次電池18を充電する充電端子として機能する。
前記切替手段は、前記第1無線通信装置用接続コネクタに前記第1無線通信装置の接続端子が挿入された場合には前記共通接続ラインの接続先を前記電源ラインに切り替え、前記第1無線通信装置用接続コネクタに前記第1無線通信装置の接続端子が挿入されていない場合には前記共通接続ラインの接続先を前記信号ラインに切り替える、
請求項8に記載の充電器。
前記切替手段は、前記無線通信装置用接続コネクタに前記他の無線通信装置の接続端子が挿入された場合には前記共通接続ラインの接続先を前記電源ラインに切り替え、前記無線通信装置用接続コネクタに前記他の無線通信装置の接続端子が挿入されていない場合には前記共通接続ラインの接続先を信号ラインに切り替える、
請求項10に記載の充電器兼無線通信装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、通常、音響機器はケーブルを介して電気楽器と接続されるようになっているため、ケーブルの接続が面倒であるとともに、電気楽器や音響機器の配置もケーブルにより制限されてしまうという問題がある。
【0005】
これに対し、電気楽器と音響機器との間を接続するためのケーブルを無線化する場合、例えば、送信側の接続対象機器となる電気楽器に無線送信機、受信側の接続対象機器となる音響機器に無線受信機をそれぞれ設ける形態が考えられる。この形態によれば、従来の構成のように電気楽器と音響機器との間をケーブルで接続する必要がないため、ケーブルの接続の面倒さや、電気楽器や音響機器の配置の制約もなくなる。また、電気楽器及び音響機器に対してそれぞれ無線送信機や無線受信機を外付けした構成とすることで、電気楽器や音響機器に無線通信機能を内蔵した構成とする場合に比べて構成を簡略化できるとともに、電気楽器や音響機器の構成を簡素化でき、さらには従来のものを使用することができる。しかしながら、上記の形態とする場合、次のような別の課題がある。
【0006】
すなわち、無線送信機や無線受信機を外付けした構成とする場合、それらを動作させるための別電源が必要となる。例えば、乾電池等の一次電池、NiMH(ニッケル・メタルハイドライド)電池やLi−ion(リチウム・イオン)電池等の二次電池、もしくは太陽電池や圧電デバイス等を無線送信機や無線受信機に設けることが考えられる。また、商用電源等から電源を得る方法もあるが、電源供給のためのケーブルが別途必要となってしまう。そのため、電気楽器や音響機器の利用形態を考慮すると、ケーブルによる使用範囲の制限を取り払うために、無線送信機及び無線受信機の少なくとも一方はケーブルで電源供給の不要な一次電池もしくは二次電池を利用した電源供給が必要である。
【0007】
ここで、二次電池を利用した形態とした場合、二次電池に何らかの方法で充電する必要がある。この場合、二次電池に電力を供給するための充電器が必要となるとともに、無線送信機や無線受信機には充電器から二次電池に電力を供給するための充電端子が必要となる。すなわち、このようなシステムを利用するユーザーは、電気楽器と音響機器の他に、無線送信機、無線受信機、充電器、さらにそれらを接続するケーブル等の機器を準備しなければならないことになる。このようなシステムの中で、無線送信機、無線受信機、充電器、ケーブル等は取り扱いの際に紛失しやすい。特に充電器はシステム使用中(電気楽器の演奏時等)には使用しないため紛失の恐れが高い。
【0008】
このような問題は、電気楽器と音響機器との間の接続に限られたものではなく、例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、携帯型音楽プレーヤー、携帯ゲーム機、携帯型TV/ビデオ機器、携帯型ビデオカメラ等の様々な携帯型音響機器、映像機器、情報通信機器等と外部機器との間の接続についても同様である。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、取り扱いが容易でかつ簡単な構成で無線通信装置の二次電池を充電することができるとともに、無線通信装置や充電器を接続対象機器と一体で管理できる無線通信装置、充電器、及び充電器兼無線通信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明に係る無線通信装置の一態様は、第1接続対象機器に接続され、第2接続対象機器に接続された他の無線通信装置との間で無線通信を行う無線通信装置であって、第1接続対象機器と第2接続対象機器との間で伝送される信号と無線信号との変換を行う伝送回路と、伝送回路に電力を供給する二次電池と、伝送回路及び二次電池が並列に接続され、第1接続対象機器の接続コネクタに着脱自在に挿入される接続端子と、を備え、接続端子は、第1接続対象機器の接続コネクタに挿入された場合には伝送回路との間で信号を入力又は出力する信号端子として機能し、充電器の充電コネクタに挿入された場合には二次電池を充電する充電端子として機能する。
【0011】
ここで、「第1接続対象機器」及び「第2接続対象機器」としては、エレキギター、エレキベース、電気ピアノ等の電気楽器、アンプ、ミキサー等の音響機器に限らず、例えば、コンデンサマイクやダイナミックマイク等のハンドマイク、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、携帯型音楽プレーヤー、携帯ゲーム機、携帯型TV/ビデオ機器、携帯型ビデオカメラ等の様々な携帯型音響機器、映像機器、情報通信機器等と、これらの機器と接続される外部機器等が含まれる。
【0012】
本発明に係る無線通信装置の一態様において、接続端子に接続されるラインは二次電池に向かう第1分岐ラインと伝送回路に向かう第2分岐ラインとに分岐され、第1分岐ラインに高周波チョークコイルが設けられ、第2分岐ラインにコンデンサが設けられていることが好ましい。
【0013】
本発明に係る無線通信装置の一態様において、第1分岐ラインに二次電池から接続端子に向かう電流の流れを阻止するダイオードが設けられていることが好ましい。
【0014】
本発明に係る無線通信装置の一態様において、第1分岐ラインにダイオードと並列に抵抗が接続されていることが好ましい。
【0015】
本発明に係る無線通信装置の一態様において、抵抗が接続された並列接続ラインには開閉可能なスイッチが設けられていることが好ましい。
【0016】
本発明に係る無線通信装置の一態様において、無線通信装置は、無線送信機及び無線受信機の少なくともいずれかとして機能することが好ましい。
【0017】
本発明に係る無線通信装置の一態様において、第1接続対象機器及び第2接続対象機器のいずれか一方の接続対象機器が電気楽器であり、他方の接続対象機器が音響機器であることが好ましい。
【0018】
ここで、「電気楽器」とは、楽器の作る振動を、電気信号として取り出し、何らかの処理をして音声を出力する仕組みを持った楽器(例えば、エレキギター、エレキベース、電気ピアノ等)のみならず、電子回路による演算によって波形信号を作り出す電子楽器(例えば、キーボード、ドラムマシン)も含む。
【0019】
また、上記目的を達成するために、本発明に係る充電器の一態様は、無線通信装置の二次電池を充電するための電源回路と、第1無線通信装置の接続端子が着脱自在に挿入される第1無線通信装置用接続コネクタと、第2無線通信装置の接続端子が着脱自在に挿入される第2無線通信装置用接続コネクタと、接続対象機器の接続コネクタに着脱自在に挿入される接続対象機器用接続端子と、第1無線通信装置用接続コネクタに第1無線通信装置の接続端子が挿入されたか否かに応じて、第1無線通信装置用接続コネクタと第2無線通信装置用接続コネクタとに共通に接続する共通接続ラインの接続先を、接続対象機器用接続端子に接続された信号ラインと電源回路に接続された電源ラインとの間で選択的に切り替える切替手段と、を備える。
【0020】
本発明に係る充電器の一態様において、切替手段は、第1無線通信装置用接続コネクタに第1無線通信装置の接続端子が挿入された場合には共通接続ラインの接続先を電源ラインに切り替え、第1無線通信装置用接続コネクタに第1無線通信装置の接続端子が挿入されていない場合には共通接続ラインの接続先を信号ラインに切り替えることが好ましい。
【0021】
また、上記目的を達成するために、本発明に係る充電器兼無線通信装置の一態様は、第1接続対象機器に接続され、第2接続対象機器に接続された他の無線通信装置との間で無線通信を行う充電器兼無線通信装置であって、第1接続対象機器と第2接続対象機器との間で伝送される信号と無線信号との変換を行う伝送回路と、伝送回路に電力を供給し、かつ他の無線通信装置の二次電池を充電するための電源回路と、伝送回路にコンデンサを介して接続され、他の無線通信装置の接続端子が着脱自在に挿入される無線通信装置用接続コネクタと、第1接続対象機器の接続コネクタに着脱自在に挿入される接続対象機器用接続端子と、無線通信装置用接続コネクタに他の無線通信装置の接続端子が挿入されたか否かに応じて、無線通信装置用接続コネクタと伝送回路とに共通に接続する共通接続ラインの接続先を、接続対象機器用接続端子に接続された信号ラインと電源回路に接続された電源ラインとの間で選択的に切り替える切替手段と、を備える。
【0022】
本発明に係る充電器兼無線通信装置の一態様において、切替手段は、無線通信装置用接続コネクタに他の無線通信装置の接続端子が挿入された場合には共通接続ラインの接続先を電源ラインに切り替え、無線通信装置用接続コネクタに他の無線通信装置の接続端子が挿入されていない場合には共通接続ラインの接続先を信号ラインに切り替えることが好ましい。
【0023】
本発明に係る充電器兼無線通信装置の一態様において、充電器兼無線通信装置は、無線送信機及び無線受信機の少なくともいずれかとして機能することが好ましい。
【0024】
本発明に係る充電器兼無線通信装置の一態様において、第1接続対象機器及び第2接続対象機器のいずれか一方の接続対象機器が電気楽器であり、他方の接続対象機器が音響機器であることが好ましい。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、取り扱いが容易でかつ簡単な構成で無線通信装置の二次電池を充電することができるとともに、無線通信装置や充電器を接続対象機器と一体で管理できる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。なお、以下では、本発明をエレキギター等の電気楽器とアンプ等の音響機器との接続に適用した例について説明するが、本発明はこの実施形態に限定されるものではなく、例えば、コンデンサマイクやダイナミックマイク等のハンドマイク、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、携帯型音楽プレーヤー、携帯ゲーム機、携帯型TV/ビデオ機器、携帯型ビデオカメラ等の様々な携帯型音響機器、映像機器、情報通信機器等と外部機器との接続等にも適用可能である。
【0028】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の一実施形態(第1の実施形態)が適用された音響システムの概略図である。
図1に示すように、音響システム1は、第1接続対象機器の一例である電気楽器100と、第2接続対象機器の一例である音響機器200とを備えている。
【0029】
電気楽器100と音響機器200との間は、無線通信装置の一例である無線送信機10及び無線受信機30を用いて無線接続されている。具体的には、電気楽器100のジャック(接続コネクタ)102に無線送信機10のプラグ(接続端子)12が接続されるとともに、音響機器200のジャック(接続コネクタ)202に無線受信機30のプラグ(接続端子)32が接続される。これにより、電気楽器100と音響機器200との間は無線通信により音響信号を伝送可能な状態となる。
【0030】
本実施形態における無線送信機10及び無線受信機30には、詳細を後述するように、それぞれ動作電源としての二次電池が内蔵されている。各二次電池は
図2に示した充電器50により充電が行われる。
【0031】
なお、本実施形態において、電気楽器100とは、楽器の作る振動を、電気信号として取り出し、何らかの処理をして音声を出力する仕組みを持った楽器(例えば、エレキギター、エレキベース、電気ピアノ等)のみならず、電子回路による演算によって波形信号を作り出す電子楽器(例えば、キーボード、ドラムマシン)も含む。後述する他の実施形態においても同様である。
【0032】
図2は、充電器50の外観を示した概略図である。
図2に示すように、充電器50は、2つのジャック52、54を備えており、各ジャック52、54には無線送信機10のプラグ12と無線受信機30のプラグ32を着脱自在に挿入可能となっている。これにより、各ジャック52、54のうち、一方のジャックに無線送信機10のプラグ12を挿入し、他方のジャックに無線受信機30のプラグ32を挿入することで、無線送信機10及び無線受信機30にそれぞれ内蔵される二次電池の充電が行われる。
【0033】
なお、充電器50の電源はAC100Vなどの商用電源、もしくはパソコンなどに備えられたUSB(Univesal Serial Bus)端子から電源を得られるようになっている。
【0034】
また、無線送信機10のプラグ12、無線受信機30のプラグ32、及び充電器50のジャック52、54は、φ6.3標準プラグ、ジャックや、φ3.5ミニプラグ、ミニジャックなどで構成される。これらは従来の電気楽器や音響機器などで標準的に使用されているものであり、従来の電気楽器や音響機器などへの接続が容易に行える。もちろん、これらのプラグ、ジャックに限らず、他の形状のプラグ、ジャックへの応用も可能である。
【0035】
図3は、充電器50の回路の一例を示した図である。
図3に示すように、充電器50は、無線送信機10及び無線受信機30に対して充電電流を供給する電源回路56を備えている。電源回路56は、一般的な定電圧電源回路や定電流電源回路、又は無線送信機10、無線受信機30で使用する二次電池の特性に合わせた電源回路でもよい。
【0036】
充電器50の各ジャック52、54には、無線送信機10のプラグ12と無線受信機30のプラグ32が着脱自在に挿入される。各ジャック52、54のいずれか一方のジャックに無線送信機10のプラグ12が挿入されると、無線送信機10のプラグ12の一方の電極に電源回路56のホット側電極が接続され、他方の電極に電源回路56のグランド側電極が接続される。これにより、電源回路56から無線送信機10のプラグ12に対して充電電流が供給される。無線受信機30のプラグ32が挿入された場合についても同様であり、電源回路56から無線受信機30のプラグ32に対して充電電流が供給される。
【0037】
図4Aは、電気楽器100の回路の一例を示した図である。
図4Aに示すように、電気楽器100は、演奏者による操作子(弦・鍵など)の操作に応じて音響信号(電気信号)を生成する音響信号発生回路104を備えている。なお、音響信号発生回路104は、電気楽器100の動作や信号処理に応じて適宜設計されるが、ここでは詳細な説明を省略する。
【0038】
電気楽器100のジャック102に無線送信機10のプラグ12が挿入された場合、無線送信機10のプラグ12の一方の電極に音響信号発生回路104の一方の出力端が接続され、他方の電極に音響信号発生回路104の他方の出力端が接続される。これにより、音響信号発生回路104から出力された音響信号が無線送信機10のプラグ12に対して供給される。
【0039】
図4Bは、音響機器200の回路の一例を示した図である。
図4Bに示すように、音響機器200は、ジャック202を介して入力された音響信号に対して所定の信号処理(増幅や効果付与等)を行う音響信号処理回路204を備えている。なお、音響信号処理回路204は、音響機器200の動作や信号処理に応じて適宜設計されるが、ここでは詳細な説明を省略する。
【0040】
音響機器200のジャック202に無線受信機30のプラグ32が挿入された場合、無線受信機30のプラグ32の一方の電極に音響信号処理回路204の一方の入力端が接続され、他方の電極に音響信号処理回路204の他方の入力端が接続される。これにより、無線受信機30のプラグ32から出力された音響信号が音響信号処理回路204に対して供給される。
【0041】
図5Aは、無線送信機10の回路の一例を示した図である。
図5Aに示すように、無線送信機10は、プラグ12と、アンテナ14と、伝送回路16と、二次電池18と、コンデンサ20と、高周波チョークコイル22と、ダイオード24とを備えている。
【0042】
伝送回路16は、電気楽器100と音響機器200との間で伝送される音響信号(AF信号)と無線信号(RF信号)との変換を行う。アンテナ14は、伝送回路16から出力された無線信号を送信する。
【0043】
伝送回路16と二次電池18はプラグ12に対して並列に接続されている。プラグ12の一方の電極(チップ電極)に接続される正極ライン26は、途中で2つの分岐ライン26a、26bに分岐しており、一方の分岐ライン(第1分岐ライン)26aの他端は二次電池18の正極に接続され、他方の分岐ライン(第2分岐ライン)26bの他端は伝送回路16の入力端に接続される。
【0044】
第1分岐ライン26aには、プラグ12側から順に、高周波信号を通さないように阻止する高周波チョークコイル22と、二次電池18からプラグ12に向かう電流の流れを阻止するダイオード24とが直列に設けられている。これにより、プラグ12が充電器50のジャック52(又はジャック54)に挿入された場合には、充電器50の電源回路56からの充電電流(直流電流)に含まれる電気ノイズ等の高周波信号が高周波チョークコイル22で阻止される。また、二次電池18の内部短絡時あるいは外部短絡時に大電流が発生するのをダイオード24によって防止することができる。
【0045】
第2分岐ライン26bには、交流電流を通過させ直流電流を遮断するコンデンサ20が設けられている。これにより、プラグ12が充電器50のジャック52(又はジャック54)に挿入された場合には、充電器50の電源回路56からの充電電流(直流電流)はコンデンサ20で遮断され、伝送回路16への充電電流の流入が防止される。一方、プラグ12が電気楽器100のジャック102に挿入された場合には、電気楽器100の音響信号発生回路104からの音響信号(交流信号)はコンデンサ20を介して伝送回路16に入力される。
【0046】
伝送回路16の一方の電源端子は二次電池18の正極側に接続され、他方の電源端子は二次電池18の負極側に接続される。具体的には、伝送回路16の一方の電源端子は二次電池18とダイオード24との間の第1分岐ライン26aに接続され、他方の電源端子はプラグ12の他方の電極(スリーブ電極)と二次電池18の負極との間を接続する負極ライン(グランドライン)28に接続される。これにより、伝送回路16は、二次電池18から供給される電力を動作電源として動作する。
【0047】
さらに無線送信機10には、充電器50により二次電池18の充電が行われている状態(充電状態)であるか否かを判別するために監視ライン29が設けられている。監視ライン29の一端は伝送回路16の検出端子に接続され、他端は高周波チョークコイル22とダイオード24との間の第1分岐ライン26aに接続される。これにより、伝送回路16は、監視ライン29を通じて、高周波チョークコイル22とダイオード24との間の第1分岐ライン26aを流れる電流を検知することが可能となっている。
【0048】
伝送回路16は、監視ライン29を通じて検知する第1分岐ライン26aの電流が予め設定された閾値を上回る場合には、プラグ12が充電器50のジャック52(又はジャック54)に挿入されて二次電池18に充電電流が供給されている状態(充電状態)と判定する。また、閾値を下回る場合には、プラグ12が電気楽器100のジャック102に挿入されて電気楽器100からの音響信号が伝送回路16に対して供給されている状態(使用状態)、あるいは、プラグ12が充電器50のジャック52(又はジャック54)と電気楽器100のジャック102の何れにも挿入されていない状態(不使用状態)と判定する。例えば、無線送信機10に充電ランプ(不図示)を設け、伝送回路16は上記判定結果に応じて充電ランプのON/OFF(点灯/消灯)を制御するようにすることで、ユーザーは充電状態にあるか否かを視覚的に容易に把握することが可能となる。なお、本実施形態では、一例として、無線送信機10の回路に監視ライン29を設けた構成を示したが、監視ライン29は必ずしもなくてもよい。
【0049】
図5Bは、無線受信機30の回路の一例を示した図である。
図5Bに示すように、無線受信機30の回路は、無線送信機10の回路と基本的な構成は同様である。以下、説明が重複するが、無線受信機30の回路の構成について説明する。
【0050】
無線受信機30は、プラグ32と、アンテナ34と、伝送回路36と、二次電池38と、コンデンサ40と、高周波チョークコイル42と、ダイオード44とを備えている。
【0051】
伝送回路36は、電気楽器100と音響機器200との間で伝送される音響信号(AF信号)と無線信号(RF信号)との変換を行う。アンテナ34は、無線送信機10のアンテナ14(
図5A参照)から送信された無線信号を受信して伝送回路36に入力する。
【0052】
伝送回路36と二次電池38はプラグ32に対して並列に接続されている。プラグ32の一方の電極(チップ電極)に接続される正極ライン46は、途中で2つの分岐ライン46a、46bに分岐しており、一方の分岐ライン(第1分岐ライン)46aの他端は二次電池38の正極に接続され、他方の分岐ライン(第2分岐ライン)46bの他端は伝送回路36の出力端に接続される。
【0053】
第1分岐ライン46aには、プラグ32側から順に、高周波信号を通さないように阻止する高周波チョークコイル42と、二次電池38からプラグ32に向かう電流の流れを阻止するダイオード44とが直列に設けられている。これにより、プラグ32が充電器50のジャック54(又はジャック52)に挿入された場合には、充電器50の電源回路56からの充電電流(直流電流)に含まれる電気ノイズ等の高周波信号が高周波チョークコイル42で阻止される。また、二次電池38の内部短絡時あるいは外部短絡時に大電流が発生するのをダイオード44によって防止することができる。
【0054】
第2分岐ライン46bには、交流電流を通過させ直流電流を遮断するコンデンサ40が設けられている。これにより、プラグ32が充電器50のジャック54(又はジャック52)に挿入された場合には、充電器50の電源回路56からの充電電流(直流電流)はコンデンサ40で遮断され、伝送回路36への充電電流の流入が防止される。また、プラグ32が音響機器200のジャック202に挿入された場合には、伝送回路36から出力された音響信号(交流信号)はコンデンサ20を介してプラグ32に供給され、音響機器200のジャック202を介して音響信号処理回路204に入力される。
【0055】
伝送回路36の一方の電源端子は二次電池38の正極側に接続され、他方の電源端子は二次電池38の負極側に接続される。具体的には、伝送回路36の一方の電源端子は二次電池38とダイオード44との間の第1分岐ライン46aに接続され、他方の電源端子はプラグ32の他方の電極と二次電池38の負極との間を接続する負極ライン(グランドライン)48に接続される。これにより、伝送回路36は、二次電池38から供給される電力を動作電源として動作する。
【0056】
無線受信機30の回路には、充電器50により二次電池38の充電が行われている状態(充電状態)であるか否かを判別するために監視ライン49が設けられている。監視ライン49の一端は伝送回路36の検出端子に接続され、他端は高周波チョークコイル42とダイオード44との間の第1分岐ライン46aに接続される。これにより、伝送回路36は、監視ライン49を通じて、高周波チョークコイル42とダイオード44との間の第1分岐ライン46aを流れる電流を検知することが可能となっている。
【0057】
伝送回路36は、監視ライン49を通じて検知する第1分岐ライン46aの電流が予め設定された閾値を上回る場合には、プラグ32が充電器50のジャック54(又はジャック52)に挿入されて二次電池38に充電電流が供給されている状態(充電状態)と判定する。また、閾値を下回る場合には、プラグ32が音響機器200のジャック202に挿入されて伝送回路36から出力された音響信号が音響機器200に対して供給されている状態(使用状態)、あるいは、プラグ32が充電器50のジャック54(又はジャック52)と音響機器200のジャック202の何れにも挿入されていない状態(不使用状態)と判定する。例えば、無線受信機30に充電ランプ(不図示)を設け、伝送回路36は上記判定結果に応じて充電ランプのON/OFF(点灯/消灯)を制御することで、ユーザーは充電状態にあるか否かを視覚的に容易に把握することが可能となる。なお、本実施形態では、一例として、無線受信機30の回路に監視ライン49を設けた構成を示したが、監視ライン49は必ずしもなくてもよい。
【0058】
以上の構成によれば、
図1に示したように、無線送信機10のプラグ12を電気楽器100のジャック102に挿入するとともに、無線受信機30のプラグ32を音響機器200のジャック202に挿入することで、電気楽器100と音響機器200との間は無線通信により音響信号を伝送可能な状態となる。このような状態において、電気楽器100の演奏が行われた場合には、電気楽器100の音響信号発生回路104から出力された音響信号は無線送信機10のプラグ12を介して伝送回路16に入力され、伝送回路16で無線信号(RF信号)に変換され、アンテナ14から送信される。アンテナ14から送信された無線信号は、無線受信機30のアンテナ34で受信され、伝送回路36で元の音響信号に戻され、伝送回路36から出力された音響信号はプラグ32に供給される。そして、プラグ32から出力された音響信号は、音響機器200のジャック202を介して音響信号処理回路204に入力され、音響信号処理回路204で所定の信号処理が行われる。
【0059】
また、無線送信機10及び無線受信機30にそれぞれ内蔵される二次電池18、38の充電を行う場合には、無線送信機10と無線受信機30をそれぞれ電気楽器100、音響機器200から取り外して、各ジャック52、54のいずれか一方のジャックに無線送信機10のプラグ12を挿入するとともに、他方のジャックに無線受信機30のプラグ32を挿入する。これにより、充電器50の電源回路56から供給される充電電流は、プラグ12から高周波チョークコイル22、ダイオード24を介して二次電池18に供給されるとともに、プラグ32から高周波チョークコイル42、ダイオード44を通して二次電池38に供給される。このとき、充電器50の電源回路56からの充電電流はコンデンサ20、40でそれぞれ遮断されるので、伝送回路16、36への充電電流の流入が防止される。
【0060】
なお、各ジャック52、54のいずれか一方のジャックのみに無線送信機10のプラグ12又は無線受信機30のプラグ32を挿入した場合も同様に充電可能である。
【0061】
このように第1の実施形態によれば、無線送信機10のプラグ12は、電気楽器100のジャック102に挿入された場合には音響信号の入力信号端子として機能し、充電器50の各ジャック52、54のいずれか一方のジャックに挿入された場合には二次電池18を充電する充電端子として機能する。また、無線受信機30のプラグ32は、音響機器200のジャック202に挿入された場合には音響信号の出力信号端子として機能し、充電器50の各ジャック52、54のいずれか一方のジャックに挿入された場合には二次電池38を充電する充電端子として機能する。したがって、取り扱いが容易でかつ簡単な構成で無線送信機10の二次電池18や無線受信機30の二次電池38を充電することができるとともに、無線送信機10、無線受信機30、及び充電器50を接続対象機器(本例の場合、電気楽器100と音響機器200)と一体管理でき、充電器50の紛失の可能性をなくすことができる。すなわち、無線通信装置や充電器を接続対象機器と一体で管理でき、充電器の紛失を確実に防止することができる。
【0062】
なお、第1の実施形態では、無線通信装置の一例として、無線送信機能のみを備えた無線送信機10と、無線受信機能のみを備えた無線受信機30とを示したが、無線通信装置は無線送信機能と無線受信機能との両方を備えた装置であってもよい。後述する他の実施形態においても同様である。
【0063】
また、第1の実施形態では、無線送信機10の二次電池18及び無線受信機30の二次電池38は、内部回路である伝送回路16、36の動作電源としてそれぞれ機能する態様としたが、例えば、第1の実施形態の変形例として、無線送信機10や無線受信機30が接続される接続対象機器(電気楽器100、音響機器200)に対して電力を供給する外部動作電源として機能するように構成してもよい。
【0064】
図6A及び
図6Bは、第1の実施形態の変形例としての無線送信機10Aと無線受信機30Aの回路の一例を示した図である。
図6A及び
図6B中、
図5A及び
図5Bと共通又は類似する構成要素には同一の番号を付している。
【0065】
図6A及び
図6Bに示すように、第1分岐ライン26a、46aに設けたダイオード24、44と並列に接続される並列接続ラインには抵抗25、45が設けられている。これにより、後述するスイッチ27、47がオン(閉状態)となっている場合には、二次電池18、38からそれぞれプラグ12、32に対して接続対象機器の内部回路を動作させるための電力を供給することが可能となる。したがって、接続対象機器が動作電源を内蔵しない場合でも、無線送信機10Aもしくは無線受信機30Aを接続することで、無線送信機10Aもしくは無線受信機30Aに内蔵される二次電池18又は38から供給される電力により接続対象機器を動作させることが可能となる。
【0066】
また、第1の実施形態の変形例では、
図6A及び
図6Bに示すように、抵抗25、45が設けられた並列接続ラインに開閉可能なスイッチ27、47が設けられている。このスイッチ27、47の開閉(オン/オフ)により、二次電池18、38の動作モードを接続対象機器に電力を供給しない通常モードと接続対象機器に電力を供給する電力供給モードとの間で選択的に切り替えることが可能となる。これにより、接続対象機器が動作電源を内蔵する場合と内蔵しない場合とで使い分けることが可能となり、接続対象機器の適用範囲が拡大し、利便性を大幅に向上させることができる。
【0067】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。以下、第1の実施形態と共通する部分については説明を省略し、本実施形態の特徴的部分を中心に説明する。
【0068】
図7は、第2の実施形態に係る充電器50Aの外観を示した概略図である。
図7中、
図2と共通又は類似する構成要素には同一の番号を付している。
【0069】
図7に示すように、第2の実施形態に係る充電器50Aは、2つのジャック52、54を備える点は第1の実施形態と共通しているが、電気楽器100のジャック102や音響機器200のジャック202に着脱自在に挿入されるプラグ58を備える点で第1の実施形態とは異なっている。各ジャック52、54はそれぞれ第1無線通信装置用接続コネクタ、第2無線通信用接続コネクタの一例である。また、プラグ58は接続対象機器用接続端子の一例である。なお、無線送信機10及び無線受信機30については、第1の実施形態と同様のものが用いられる。
【0070】
図8は、第2の実施形態に係る充電器50Aの回路の一例を示した図である。なお、
図8中、
図3と共通又は類似する構成要素には同一の番号を付している。
【0071】
図8に示すように、充電器50Aは、第1ジャック52の一方の電極(チップ電極)と第2ジャック54の一方の電極(チップ電極)とに共通に接続する共通接続ライン60の接続先を、電源回路56側の電源ライン62とプラグ58側の信号ライン64との間で選択的に切り替えるスイッチ66を備えている。
【0072】
スイッチ66は、第1ジャック52のプラグ挿入状態に応じて共通接続ライン60の接続先を切り替えるものであり、第1ジャック52にプラグ(例えば、無線送信機10のプラグ12)が挿入された場合にはスイッチ66は共通接続ライン60の接続先を電源ライン62に切り替え、第1ジャック52にプラグが挿入されていない場合には共通接続ライン60の接続先を信号ライン64に切り替える。
【0073】
以上の構成によれば、各ジャック52、54にそれぞれ無線送信機10のプラグ12と無線受信機30のプラグ32が挿入された場合、スイッチ66によって共通接続ライン60の接続先が電源ライン62に切り替わるので、電源回路56から充電電流がそれぞれのジャック52、54に供給され、各ジャック52、54に挿入されたプラグ12、32を介して無線送信機10及び無線受信機30の二次電池18、38の充電が行われる。
【0074】
また、各ジャック52、54のうち、第1ジャック52のみに無線送信機10のプラグ12もしくは無線受信機30のプラグ32が挿入された場合、前述の場合と同様にスイッチ66によって共通接続ライン60の接続先が電源ライン62に切り替わるので、電源回路56から充電電流が第1ジャック52に供給され、第1ジャック52に挿入されたプラグ(プラグ12又はプラグ32)を介して無線送信機10の二次電池18もしくは無線受信機30の二次電池38の充電が行われる。
【0075】
一方、各ジャック52、54のうち、第2ジャック54のみに無線送信機10のプラグ12もしくは無線受信機30のプラグ32が挿入された場合、スイッチ66によって共通接続ライン60の接続先が信号ライン64に切り替わるので、第2ジャック54は信号ライン64を介して電気的に接続された状態となり、第2ジャック54とプラグ58との間で音響信号を伝送可能な状態となる。
【0076】
したがって、各ジャック52、54のうち、第2ジャック54のみに無線受信機30のプラグ32を挿入し、さらに充電器50Aのプラグ58を音響機器200のジャック202に挿入した場合には、無線受信機30のプラグ32から出力された音響信号を充電器50Aを経由して音響機器200の音響信号処理回路204に供給することが可能となる。
【0077】
また、各ジャック52、54のうち、第2ジャック54のみに無線送信機10のプラグ12を挿入し、さらに充電器50Aのプラグ58を電気楽器100のジャック102に挿入した場合には、電気楽器100の音響信号発生回路104から出力された音響信号を充電器50Aを経由して無線送信機10の伝送回路16に供給することが可能となる。
【0078】
このように第2の実施形態によれば、充電器50の各ジャック52、54に無線送信機10のプラグ12と無線受信機30のプラグ32が挿入された場合には、充電器50は無線送信機10及び無線受信機30の二次電池18、38を充電するための充電電流供給手段として機能する。また、充電器50の各ジャック52、54のうち、第1ジャック52のみに無線送信機10のプラグ12もしくは無線受信機30のプラグ32が挿入された場合も同様に充電器50は充電電流供給手段として機能する。一方、充電器50の各ジャック52、54のうち、第2ジャック54のみに無線送信機10のプラグ12もしくは無線受信機30のプラグ32が挿入された場合には、充電器50は無線送信機10もしくは無線受信機30と接続対象機器(電気楽器100又は音響機器200)との間で伝送する信号を中継する信号中継手段として機能する。これにより、例えば
図9に示すように、音響システム1の使用時(電気楽器100の演奏時等)においては、音響機器200と無線受信機30との間に充電器50Aを配置することが可能となる。また、
図9に示した構成に代えて、電気楽器100と無線送信機10との間に充電器50Aを配置することも可能である。したがって、無線通信装置や充電器を接続対象機器と一体で管理でき、充電器の紛失を確実に防止することができる。
【0079】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。以下、上述した各実施形態と共通する部分については説明を省略し、本実施形態の特徴的部分を中心に説明する。
【0080】
図10は、第3の実施形態に係る無線受信機30Bの外観を示した概略図である。
図10中、
図2又は
図7と共通又は類似する構成要素には同一の番号を付している。
【0081】
図10に示すように、第3の実施形態に係る無線受信機30Bは、充電器としての機能を兼ね備えたものである。無線受信機30Bは充電器兼無線受信機の一例である。無線受信機30Bは、無線送信機10のプラグ12が着脱自在に挿入されるジャック70と、音響機器200のジャック202に着脱自在に挿入されるプラグ72とを備えている。無線送信機10の二次電池18を充電する際には、ジャック70に無線送信機10のプラグ12を挿入することで充電が行われる。ジャック70は無線通信装置用接続コネクタの一例であり、プラグ72は接続対象機器用接続端子の一例である。なお、無線送信機10については、第1の実施形態と同様のものが用いられる。
【0082】
図11は、第3の実施形態に係る無線受信機30Bの回路の一例を示した図である。なお、
図11中、
図5Bと共通又は類似する構成要素には同一の番号を付している。
【0083】
図11に示すように、無線受信機30Bは、アンテナ34、伝送回路36、及びコンデンサ40を備える点は第1の実施形態の無線受信機30と同様である。
【0084】
第3の実施形態ではさらに、無線受信機30Bは、電源回路74と、ジャック70の一方の電極(チップ電極)と伝送回路36とに共通に接続する共通接続ライン82の接続先を、電源回路74側の電源ライン78とプラグ72側の信号ライン80との間で選択的に切り替えるスイッチ76とを備えている。なお、共通接続ライン82はコンデンサ40を介して伝送回路36に接続される。
【0085】
スイッチ76は、ジャック70のプラグ挿入状態に応じて共通接続ライン82の接続先を切り替えるものであり、ジャック70に無線送信機10のプラグ12が挿入された場合にはスイッチ76は共通接続ライン82の接続先を電源ライン78に切り替え、ジャック70に無線送信機10のプラグ12が挿入されていない場合には共通接続ライン60の接続先を信号ライン80に切り替える。
【0086】
以上の構成によれば、ジャック70に無線送信機10のプラグ12が挿入された場合、スイッチ76によって共通接続ライン82の接続先が電源ライン78に切り替わるので、電源回路74から充電電流がジャック70に供給され、無線送信機10のプラグ12を介して二次電池18の充電が行われる。
【0087】
一方、ジャック70に無線送信機10のプラグ12が挿入されていない場合、スイッチ76によって共通接続ライン82の接続先が信号ライン80に切り替わるので、伝送回路36から出力された音響信号は信号ライン80を介してプラグ72に供給される。
【0088】
なお、無線受信機30Bの電源は、接続対象機器である音響機器200の電源出力、AC100Vなどの商用電源、もしくはパソコンなどに備えられたUSB(Univesal Serial Bus)端子から電源を得られるようになっている。
【0089】
このように第3の実施形態によれば、無線受信機30Bのジャック70に無線送信機10のプラグ12が挿入された場合には、無線受信機30Bは無線送信機10の二次電池18を充電するための充電電流供給手段として機能する。一方、無線受信機30Bのジャック70に無線送信機10のプラグ12が挿入されていない場合には、無線送信機10との間で無線通信を行う無線通信手段として機能する。これにより、音響システム1の使用時(電気楽器100の演奏時等)においては、無線送信機10と無線受信機30Bはそれぞれ接続対象機器である電気楽器100と音響機器200に接続された状態で使用され、無線送信機10の二次電池18を充電する際には無線送信機10は無線受信機30Bに接続された状態で使用される。したがって、無線通信装置や充電器を接続対象機器と一体で管理でき、充電器の紛失を確実に防止することができる。
【0090】
なお、第3の実施形態では、一例として、無線受信機30Bが充電器としての機能を兼ね備えた場合を示したが、これに限らず、無線送信機10が充電器としての機能を兼ね備えたものであってもよい。
【0091】
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。以下、上述した各実施形態と共通する部分については説明を省略し、本実施形態の特徴的部分を中心に説明する。
【0092】
図12は、第4の実施形態に係る音響機器200Aの外観を示した概略図である。
図12中、
図1と共通又は類似する構成要素には同一の番号を付している。
【0093】
図12に示すように、第4の実施形態に係る音響機器200Aは無線受信機及び充電器としての機能を兼ね備えたものである。音響機器200Aは充電器兼無線通信装置の一例である。音響機器200Aは、無線送信機10のプラグ12が着脱自在に挿入されるジャック202を備えている。無線送信機10の二次電池18を充電する際には、ジャック202に無線送信機10のプラグ12を挿入することで充電が行われる。
【0094】
図13は、第4の実施形態に係る音響機器200Aの回路の一例を示した図である。
図13に示すように、音響機器200Aは、無線受信機として機能するために、アンテナ206、伝送回路208、及びコンデンサ210を備えている。アンテナ206、伝送回路208、及びコンデンサ210は、第1の実施形態の無線受信機30もしくは第3の実施形態の無線受信機30Bのアンテナ34、伝送回路36、及びコンデンサ40と基本的な構成及び作用効果は同じであり、ここでは説明を省略する。
【0095】
音響機器200Aは、ジャック202の一方の電極(チップ電極)と伝送回路208とに共通に接続する共通接続ライン214の接続先を、音響機器200Aの電源(不図示)に接続される電源ライン216と音響機器200Aの音響信号処理回路204(
図4B参照)の入力端に接続される信号ライン218との間で選択的に切り替えるスイッチ212とを備えている。なお、共通接続ライン214はコンデンサ210を介して伝送回路208に接続される。
【0096】
スイッチ212は、ジャック202のプラグ挿入状態に応じて共通接続ライン214の接続先を切り替えるものであり、ジャック202に無線送信機10のプラグ12が挿入された場合にはスイッチ212は共通接続ライン214の接続先を電源ライン216に切り替え、ジャック202に無線送信機10のプラグ12が挿入されていない場合には共通接続ライン214の接続先を信号ライン218に切り替える。
【0097】
以上の構成によれば、音響機器200Aのジャック202に無線送信機10のプラグ12が挿入された場合、スイッチ212によって共通接続ライン214の接続先が電源ライン216に切り替わるので、音響機器200Aの電源から充電電流がジャック202に供給され、無線送信機10のプラグ12を介して二次電池18の充電が行われる。
【0098】
一方、音響機器200Aのジャック202に無線送信機10のプラグ12が挿入されていない場合には、スイッチ212によって共通接続ライン214の接続先が信号ライン218に切り替わるので、アンテナ206で受信した無線信号は伝送回路208で元の音響信号に戻され、伝送回路208から出力された音響信号は信号ライン218を介して音響信号処理回路204に入力される。
【0099】
このように第4の実施形態によれば、音響機器200Aのジャック202に無線送信機10のプラグ12が挿入された場合には、音響機器200Aは無線送信機10の二次電池18を充電するための充電電流供給手段として機能する。一方、音響機器200Aのジャック202に無線送信機10のプラグ12が挿入されていない場合には、無線送信機10との間で無線通信を行う無線通信手段として機能する。これにより、音響システム1の使用時(電気楽器100の演奏時等)においては、無線送信機10は接続対象機器である電気楽器100と接続された状態で使用され、無線送信機10の二次電池18を充電する際には無線送信機10は充電電流供給手段として機能する音響機器200Aと接続された状態で使用される。したがって、無線通信装置や充電器を接続対象機器と一体で管理でき、充電器の紛失を確実に防止することができる。
【0100】
なお、第4の実施形態では、一例として、音響機器200Aが無線受信機及び充電器としての機能を兼ね備えた場合を示したが、これに限らず、電気楽器100が無線送信機及び充電器としての機能を兼ね備えたものであってもよい。
【0101】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはもちろんである。