(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-104024(P2017-104024A)
(43)【公開日】2017年6月15日
(54)【発明の名称】多機能ウキ
(51)【国際特許分類】
A01K 93/00 20060101AFI20170519BHJP
【FI】
A01K93/00 Z
A01K93/00 B
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-238757(P2015-238757)
(22)【出願日】2015年12月7日
(71)【出願人】
【識別番号】515337154
【氏名又は名称】ウ,ドンヒョン
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】ウ,ドン ヒョン
【テーマコード(参考)】
2B307
【Fターム(参考)】
2B307HA02
2B307HA07
2B307HA09
2B307HA13
2B307HA21
2B307HA42
(57)【要約】
【課題】キャスト飛距離を向上させると同時に、細かいアタリを容易に把握することができるようにする多機能ウキに関するもので、遠距離キャストが容易であるのはもちろんのこと、細かいアタリの魚信を容易に把握し、全体水深層を探索できる全遊動仕掛けが可能な多機能ウキを提供する。
【解決手段】本発明の多機能ウキは、釣り糸の道糸及びハリスの少なくとも一つに沿って遊動するか、或いは釣り糸の一定の位置に固定されるように結束される多機能ウキにおいて、一端部には係止突起が設けられ、他端部には前記釣り糸が通過する環が形成された一字形の棒ウキ;前記棒ウキの係止突起と環との間に設けられ、海水に対して一定の比重を有する浮力具;及び前記棒ウキの外周部を離隔収容する貫通孔が設けられて前記係止突起と前記浮力具との間を移動し、下部には一定深さの第1収容溝が設けられて前記浮力具の少なくとも一部分を離隔収容し、海水と同一の比重または相対的に低い比重を有する中通しウキ;を含むことを技術的要旨とする。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
釣り糸の道糸及びハリスの少なくとも一つに沿って遊動するか、或いは釣り糸の一定の位置に固定されるように結束される多機能ウキにおいて、
一端部には係止突起が設けられ、他端部には前記釣り糸が通過する環が形成された一字形の棒ウキ;
前記棒ウキの係止突起と環との間に設けられ、海水に対して一定の比重を有する浮力具;及び
前記棒ウキの外周部を離隔収容する貫通孔が設けられて前記係止突起と前記浮力具との間を移動し、下部には一定深さの第1収容溝が設けられて前記浮力具の少なくとも一部分を離隔収容し、海水と同一の比重または相対的に低い比重を有する中通しウキ;を含むことを特徴とする、多機能ウキ。
【請求項2】
前記棒ウキには、前記浮力具が一体型で結合され、
前記浮力具が一体型で結合された棒ウキの海水に対する比重は、前記中通しウキより相対的に低いことを特徴とする、請求項1に記載の多機能ウキ。
【請求項3】
前記棒ウキは、ウキに対する標準浮力単位に基づいて、「000」〜「5B」の間の浮力を有することを特徴とする、請求項2に記載の多機能ウキ。
【請求項4】
前記棒ウキの一端部末端は、前記係止突起を貫通して一定の長さ突設され、
前記棒ウキの一端部末端には、ケミライトが着脱可能に挿嵌されるケミ差しが装着されることを特徴とする、請求項1に記載の多機能ウキ。
【請求項5】
前記中通しウキの上部には、一定の深さ陥没した第2収容溝が設けられ、前記棒ウキの下方移動の際に前記係止突起を取り囲むように収容することを特徴とする、請求項1に記載の多機能ウキ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多機能ウキに関し、さらに詳しくは、キャスト飛距離を向上させるとともに、細かいアタリを容易に把握することができるようにする多機能ウキに関する。
【背景技術】
【0002】
釣りは、三面が海である韓国にて容易に楽しめるレジャーの一つであり、老若男女を問わず、好みによる様々な類型の釣りが行われている。
【0003】
特に、淡水釣りや海釣りのいずれにもよく用いられるウキは、釣りをするにあたって、様々な機能を提供する。
【0004】
ウキは、一定の浮力を維持しながらオモリと餌を底まで沈め、釣り糸に沿って伝わる魚のアタリを伝達するものであり、地形や魚が餌を食べる特性によって浮いたり沈んだりする。水深を測る時は、物差しの役割もするが、オモリが着底したか、水草や障害物に掛かった否かを判別できるようにする。また、水底の模様や水草の有無も判別することができ、水流れ、方向、速度が分かるようにする。
【0005】
このようなウキは、魚信を報知する役割が主な機能であるが、場合によっては仕掛けを遠く運搬させる役割をし、さらに、種類によっては仕掛けと餌が所望の水深に留まるようにする機能、複雑な潮流に同調させる機能を有するものもある。このようなウキは、その種類が様々であって、対象魚と駆使する技法によって使用法もまた変わる。
【0006】
一方、近来、磯や防波堤では、メジナ釣りが拡散している傾向にあり、メジナは、水中暗礁が発達した磯だけでなく、テトラポットが積層された防波堤でも接することができ、多くのマニア層がメジナ釣りを楽しんでいる。
【0007】
メジナ釣りは、ウキ釣りが主流をなすだけでなく、クロダイと共に海ウキ釣りの妙味を思い切り味わえる代表魚種であり、アタリが非常に細かく、様々な水深層で遊泳するため、釣りをすることが難しい魚種であると知られている。
【0008】
そこで、メジナ釣りは、主に専門釣り師により行われ、細かいアタリを克服するために、低浮力のウキを基に様々な仕掛けが運用される。
【0009】
図1は一般的なメジナ釣り仕掛けを示す例示図である。
【0010】
まず、リールウキ釣りでよく用いられるメジナ釣り仕掛けは、
図1の(a)に示すように、道糸に3m〜4m程度のハリスを直結びした状態で、道糸には低浮力(通常、5B以下)の中通しウキを結束させ、ハリスには針を挟んでオモリを加減して浮力を調節する。通常、メジナは、アタリが非常に細かく、ウキの浮力による異物感が感じられると、餌針を直ぐに吐いてしまうので、ゼロ(0)浮力またはそれと類似した浮力を有するウキを使用する。
【0011】
図1の(a)に例示した仕掛けは、ある程度重量のある中通しウキを使用することができて遠距離キャストが容易であり、全遊動または半遊動の仕掛け転換が簡単であるから、様々な水深層を探索することができるようにする。
【0012】
このような中通しウキ仕掛けは、釣り環境に大きく拘らずに、全天候で使用可能であり、自身の好みに合わせて様々な仕掛けへの可変が可能であるので、主に専門釣り師に愛用されている。
【0013】
しかし、前述したような中通しウキ仕掛けは、キャストの後、仕掛け整列が完了すると、中通しウキのほとんどが水面に浸るようになるが、それによってさざれ波や小波が発生すると、中通しウキ全体が随時水面に浸り、魚信が正しく把握することができなくなるという問題点がある。特に、メジナは、活性度がよくないときに細かいアタリで餌をこっそりとる場合がほとんどであるため、初心者が中通しウキを見て魚信を把握することは容易でないという問題点がある。
【0014】
次に、延べ竿のウキ釣りでよく用いられるメジナ釣り仕掛けは、
図1の(b)に示すように、道糸に1m〜1.5m程度のハリスを小型サルカンで連結した状態で、道糸には低浮力(通常、5B以下)の小型棒ウキ(ハリスウキ)や小型唐辛子ウキを固定し、ハリスには針を挟んでオモリを加減して浮力を調節する。
【0015】
図1の(b)に例示した仕掛けは、中通しウキでなく、低浮力の棒ウキを用いることで魚信の把握が容易であり、磯や防波堤に隣接した一定の水深層を半遊動仕掛けで容易に攻略できるようにする。
【0016】
このような棒ウキ仕掛けは、簡単な構成とともに、メジナの細かいアタリによる魚信の把握が容易であるため、主に初心者に愛用されている。
【0017】
しかし、前述したような棒ウキ仕掛けは、キャストが円滑でないため遠距離攻略が難しく、全遊動で様々な水深層を探索することができないため釣果に劣るという問題点がある。
【0018】
一方、上述した二つの仕掛けの長短所を補完するために、既存の中通しウキ仕掛けでハリスの一定の位置に低浮力の小型棒ウキ(ハリスウキ)や発泡ウキを固定する半遊動仕掛けを用いることにより、遠距離キャストを容易にすることはもちろん、まき餌に浮上するメジナの魚信を容易に把握できるようにする。
【0019】
しかし、前述した小型棒ウキ(ハリスウキ)や発泡ウキは、ハリスに固定された状態、即ち、水深3m〜4m程度の半遊動仕掛けのみ可能であるので、全体水深層を探索するための全遊動仕掛けへの転換が不可能な問題点がある。
【0020】
併せて、メジナのように撒き餌に反応して浮上するか、或いは上層を遊泳する魚種を除く中下層を遊泳する魚種、特に底層を遊泳するクロダイなどの魚種は、攻略が不可能な問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0021】
【特許文献1】韓国特許登録第10−1364793号公報
【特許文献2】韓国実用新案登録第20−0370603号公報
【特許文献3】韓国実用新案登録第20−0476223号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
本発明は、前述した背景技術において導き出された問題点を解決するためで、その目的は、遠距離キャストが容易であるのはもちろんのこと、細かいアタリの魚信を容易に把握し、全体水深層を探索することができる全遊動仕掛けが可能な多機能ウキを提供することにある。
【0023】
一方、本発明の目的は上述した目的に制限されず、上述していない別の目的は以降の記載から明らかに理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0024】
上記目的を達成するために、本発明の実施例によれば、釣り糸の道糸及びハリスの少なくとも一つに沿って遊動するか、或いは釣り糸の一定の位置に固定されるように結束される多機能ウキにおいて、一端部には係止突起が設けられ、他端部には前記釣り糸が通過する環が形成された一字形の棒ウキ;前記棒ウキの係止突起と環との間に設けられ、海水に対して一定の比重を有する浮力具;及び前記棒ウキの外周部を離隔収容する貫通孔が設けられて前記係止突起と前記浮力具との間を移動し、下部には一定深さの第1収容溝が設けられて前記浮力具の少なくとも一部分を離隔収容し、海水と同一の比重または相対的に低い比重を有する中通しウキ;を含むことを特徴とする多機能ウキを提供する。
【0025】
ここで、前記棒ウキには、前記浮力具が一体型で結合され、前記浮力具が一体型で結合された棒ウキの海水に対する比重は、前記中通しウキより相対的に低いことが好ましい。このとき、前記棒ウキは、ウキに対する標準浮力単位に基づいて、「000」〜「5B」の間の浮力を有することが好ましい。
【0026】
一方、前記棒ウキの一端部末端は、前記係止突起を貫通して一定長さ突設でき、前記棒ウキの一端部末端には、ケミライトが着脱可能に挿嵌されるケミ差しが装着される。
【0027】
さらに、前記中通しウキの上部には、一定の深さ陥没した第2収容溝が設けられ、前記棒ウキの下方移動の際に前記係止突起を取り囲むように収容することができる。
【発明の効果】
【0028】
前述した実施例に係る本発明によれば、次の効果を期待することができる。
【0029】
第一に、遠距離キャストのために重量や体積が大きな中通しウキを使用しながらも、アタリに全く影響を与えないので、魚信の把握に支障がないようにすることができる。
【0030】
第二に、ハリスウキの役割を果たす低浮力の棒ウキを中通しウキと共に使用することができるので、揺れる水面や遠距離でも魚信を容易に把握することができる。
【0031】
第三に、細かい魚信把握のための低浮力の棒ウキが高浮力の中通しウキとは別個に水面で独立して遊動するので、対象魚が異物感を感じられないようにして、細かいアタリによる魚信を即刻に把握することができる。
【0032】
第四に、ハリスから道糸まで完全全遊動仕掛けが可能であるので、全体水深層を一様に探索して特定の対象魚の遊泳層を容易に把握することができるうえ、全体水深層で様々な魚種を同時に攻略することができる。
【0033】
これにより、専門家の場合は対象魚に対する釣果が大きく向上し、初心者の場合はより容易にリールウキ釣りを楽しみながら様々な魚種を容易に攻略することができるようになるのである。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】一般的なメジナ釣り仕掛けを示す例示図である。
【
図2】本発明の実施例に係る多機能ウキを示す斜視図である。
【
図3】本発明の実施例に係る多機能ウキを示す正面図である。
【
図4】本発明の他の実施例に係る多機能ウキを示す断面図である。
【
図5】本発明の実施例に係る多機能ウキの動作特性を示す例示図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明の利点、特徴、およびそれらを達成する方法は、添付図面と共に詳細に後述されている実施例を参照すると明確になるだろう。しかし、本発明は、以下で開示する実施例に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で実現される。但し、本実施例は、単に本発明の開示を完全たるものにし、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものである。そして、本明細書で使用された用語は、実施例を説明するためのもので、本発明を制限するものではない。本明細書において、単数型は、特に言及しない限り、複数型も含む。
【0036】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施例について説明する。一方、当該技術分野における通常の知識を有する者が容易に分かる構成、それに対する作用および効果についての図示および詳細な説明は簡略化または省略し、本発明に関連した部分を中心に詳細に説明する。
【0037】
本発明の実施例に係る多機能ウキは、釣り糸の道糸及びハリスの少なくとも一つに沿って遊動するか、或いは釣り糸の一定の位置に固定されるように結束されるものであって、
図2及び
図3に示すように、大きく棒ウキ200、浮力具400及び中通しウキ600から構成される。
【0038】
まず、棒ウキ200は、一字形をし、一端部には係止突起220が設けられ、他端部には前記釣り糸が通過する環240が形成される。ここで、前記環240に直接釣り糸を通過させず、ウキホルダーを先に釣り糸に通過させた後、前記環240をウキホルダーに締結させることもできるのはもちろんである。
【0039】
このような棒ウキ200は、一般的なハリスウキと同様に低浮力であって、対象魚のアタリの際に異物感が最小化されるようにする。また、一字形に長くなされ、遠距離でも魚信の把握を容易にし、遠距離でも視認性を有することができるように、原色の目立つ色相が塗布されることが好ましい。それだけではなく、前記係止突起220には、前記棒ウキ200とは対比される色相が塗布され、魚信をさらに容易に把握することができるようにする。
【0040】
ここで、前記棒ウキ200の一端部末端は、前記係止突起220を貫通して一定の長さ突設できるが、前記棒ウキ200の一端部末端には、ケミ差し800が装着されることが好ましい。これにより、前記ケミ差し800にケミライト900が着脱可能に挿嵌でき、夜間に視認性を確保して魚信を感知することができるようにする。前記ケミ差しは、ゴム材質のチューブ状をし、ケミライトが締まり嵌め方式で結合される。それだけではなく、前記棒ウキ200の一端部末端には、バッテリーにより発光するLEDが備えられた電子ケミが装着できるのはもちろんである。
【0041】
次に、浮力具400は、前記棒ウキ200の係止突起220と環240との間に設けられ、海水に対して一定の比重を有するように形成されて海水に対する浮力を調節することができるようにする。
【0042】
ここで、前記浮力具400は、前記棒ウキ200に一体型で結合されて一つの胴体をなし、前記浮力具400が一体に結合された棒ウキ200の浮力を決定する。このとき、前記棒ウキ200は、海水に対する比重が後述の中通しウキより相対的に低いため、魚信により細かく反応することができるようにする。
【0043】
さらに、前記浮力具400が一体型で結合された棒ウキ200は、ウキの一般的な標準浮力単位に基づいて、「000」〜「5B」の間の低浮力を有し、特に、メジナのようにアタリが細かい魚種の場合、ゼロ系列やG系列を用いて異物感を克服することができるようにする。ここで、ウキに対する一般的な標準浮力単位は、当業者には自明なことであるので、具体的な説明は省略する。
【0044】
次に、中通しウキ600は、前記棒ウキ200の外周部を離隔収容する貫通孔が設けられ、前記係止突起220と前記浮力具400との間を移動することができるように構成される。このような中通しウキ600は、海水と同一の比重または相対的に低い比重を有するようになされ、水面に少なくとも一部が浮かんでいる状態を維持する。
【0045】
ここで、前記中通しウキ600は、遠距離投てきが容易であるように、ある程度重量と体積をもって形成され、高浮力を有するようになる。このように、中通しウキ600が高浮力を有しても、棒ウキ200とは離隔した状態で水面で別に遊動するので、前記棒ウキ200に浮力に対する干渉を与えなくなる。即ち、前記中通しウキ600は、魚信に関連した浮力ではなく、遠距離投てきが可能であるのはもちろんのこと、棒ウキ200と対比して視認性をさらに確保するための浮力である。
【0046】
それだけではなく、前記中通しウキ600は、棒ウキ200が外部衝撃から容易に折れることを防止する役割を果たし、前記棒ウキ200の色相とは対比される明示性の高い色相が塗布されて視認性が極大化できるようにする。
【0047】
また、前記中通しウキ600は、様々な形状に変換され、潮流に反応する程度を調節することができ、特に、潮流にさらによく遊動できる形態に体積を変形させて弱い潮流でも仕掛けを容易に流すことができるようにすることで、広い範囲を探索することができる。
【0048】
一方、
図4の図示によれば、前記中通しウキ600の下部には一定深さの第1収容溝620が設けられ、前記浮力具400の少なくとも一部分を離隔収容することが好ましい。従って、キャストの後、仕掛け安着の際に、浮力具400が前記第1収容溝620に収容されるので、小うねりや小波により仕掛けが不安定に遊動することを最小化できるようにする。即ち、前記第1収容溝620に収容された浮力具400がうねり等による影響を直接受けず、前記中通しウキ600によりその影響が最小化されるので、仕掛けが安定した状態を維持することができるようになるのである。
【0049】
それだけではなく、前記浮力具400が前記第1収容溝620に収容された深さだけ棒ウキ200の浮きトップが水面上にさらに浮上するので、視認性をさらに向上させることができるようにする。
【0050】
また、前記浮力具400が前記第1収容溝620に収容された状態で、前記中通しウキ600により一定に押さえられて残存浮力が除去されるので、アタリの際、対象魚が感じる異物感が最小化されるのはもちろんのこと、細かいアタリをより容易に把握することができるようにする。
【0051】
さらに、
図4の図示によれば、前記中通しウキ600の上部には一定深さ陥没した第2収容溝640が設けられ、前記棒ウキ200の下方移動の際に、前記係止突起220を取り囲むように収容することが好ましい。これは、棒ウキ200を通して魚信が発生するとき、前記係止突起220が第2収容溝640に隠れて見えないようにするためであり、識別力を向上させて魚信をさらに容易に把握することができるようにする。即ち、前記棒ウキ200とは対比される色相で塗布された係止突起220が視野から完全に消えるか、或いは第2収容溝640から繰り返し出没すると、遠距離でも容易に目立つため、その分視認性が向上するのである。
【0052】
上述した本発明は、
図5により動作特性が説明され得る。
【0053】
図5から分かるように、中通しウキ600に離隔収容された棒ウキ200は、アタリのない時は、
図5の(a)のように、浮力により浮きトップが水面上に浮上しており、この状態で魚がアタリをすると、
図5の(b)のように、中通しウキ600とは独立した状態で下降することになるので、細かい魚信を容易に把握するのはもちろんのこと、遠距離でも視認性を確保することができるようになるのである。
【0054】
これまで説明した本発明によれば、次の効果を期待することができる。
【0055】
第一に、遠距離キャストのために重量や体積が大きな中通しウキを使用しながらも、アタリに全く影響を与えないので、魚信の把握に支障がないようにすることができる。
【0056】
第二に、ハリスウキの役割を果たす低浮力の棒ウキを中通しウキと共に使用することができるので、揺れる水面や遠距離でも魚信を容易に把握することができる。
【0057】
第三に、細かい魚信把握のための低浮力の棒ウキが高浮力の中通しウキとは別個に水面で独立して遊動するので、対象魚が異物感を感じられないようにして、細かいアタリによる魚信を即刻に把握することができる。
【0058】
第四に、ハリスから道糸まで完全全遊動仕掛けが可能であるので、全体水深層を一様に探索して特定の対象魚の遊泳層を容易に把握することができるうえ、全体水深層で様々な魚種を同時に攻略することができる。
【0059】
これにより、専門家の場合は対象魚に対する釣果が大きく向上し、初心者の場合はより容易にリールウキ釣りを楽しみながら様々な魚種を容易に攻略することができるようになるのである。
【0060】
前述した内容は、後述する請求の範囲をさらによく理解することができるように、本発明の特徴および技術的利点を多少幅広く詳述している。本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者は、その技術的思想や必須的な特徴を変更することなく、本発明が他の具体的な形態に実施できることを理解するだろう。したがって、上述した実施例は、すべての面で例示的なもので、限定的なものではないと理解されるべきである。本発明の範囲は前記詳細な説明よりは後述する特許請求の範囲によって定められ、特許請求の範囲およびその均等概念から導出されるすべての変更または変形形態も本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0061】
200 棒ウキ
220 係止突起
240 環
400 浮力具
600 中通しウキ
620 第1収容溝
640 第2収容溝
800 ケミ差し
900 ケミライト