【解決手段】 本実施形態の見守り検針システム1は、水道メータ3から発せられるパルス信号と、水道メータ3により作成される水道使用量を示すロードサーベイデータとに基づいて、水道の不使用時間を計測し、不使用時間が既定時間に達した場合に、長時間水道が使用されていないことを、水道使用者の家族や、福祉担当者等に警告情報として通知する。また、見守り検針システム1は、ロードサーベイデータにおける直近の積算値データを、水道料金の算定に用いるデータとして出力するが、パルス信号に基づいて水道使用量を算出したパルス計測データとロードサーベイデータとの比較により、ロードサーベイデータの異常の検知が可能となり、ロードサーベイデータの出力を取りやめる。これにより、見守り検針システム1は、水道使用者の見守りを行うとともに、ロードサーベイデータの信頼性を確保する。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、本実施形態に係る見守り検針システム1の概要を説明する図である。
見守り検針システム1は、水道メータ3から発せられるパルス信号と、水道メータ3により作成される、水道使用量積算値の時間的な推移を示すロードサーベイデータとに基づいて、水道メータの検針を行うと共に、水道不使用時間を計測し、水道不使用時間が既定時間以上であった場合に、水道メータ3に関連付けられた水道使用者の関係者に警告情報を通知する。
【0019】
図1に例示するように、見守り検針システム1は、水道メータ3と、無線通信子機5Aと、無線通信親機5Bと、見守り検針サーバ7とで構成される。
水道メータ3は、水道の水の使用量を記録するための計器であり、電池により動作する。また、水道メータ3は、8年間で交換することが法律で義務付けられている。
水道メータ3は、無線通信子機5Aと有線接続している。そして、水道メータ3は、パルス信号を発し、さらに、水道使用量積算値の時間的な推移を示すロードサーベイデータを作成する。パルス信号とは、水道使用量が一定量に達する毎に、電気抵抗が変化する水道メータ3の出力信号である。また、ロードサーベイデータとは、水道メータ3のIDと所定時間毎に水道メータ3により計測された水道使用量の積算値が連続して記録されたデータである。水道メータ3によるパルス信号の出力は、水道メータ3の電池の消耗とは無関係であるが、ロードサーベイデータの取得には、電文通信方式が採用され、水道メータ3の電池の消耗を伴う。
【0020】
無線通信子機5Aは、無線通信モジュールであり、無線通信親機5Bと無線接続している。無線通信子機5Aは、電池により動作し、電池寿命は、8年間である。無線通信子機5Aは、電池により動作するため、電源工事は不要である。また、電池寿命が8年であれば、水道メータ3の交換時期に併せて無線通信子機5Aの電池交換ができるため、メンテナンス性が向上する。無線通信子機5Aは、電池と共に防水ケースに入れられ、水道メータ3と共に水道メータボックス内に収納されている。これにより、無線通信子機5Aが、水道メータボックス内で雨水により水没しても機能が保全される。無線通信子機5Aは、水道メータ3から発せられたパルス信号のカウント値と、水道メータ3より受信したロードサーベイデータとを920MHz帯の電波を用いて無線通信親機5Bに送信する。920MHz帯の電波は、その使用に無線局の免許が不要であり、外壁、降雨、積雪の影響を受けにくく、通信距離や回り込み特性に優れているため、無線通信子機5Aと無線通親機5Bとの安定的な通信を実現する。
【0021】
無線通信親機5Bは、無線通信モジュールであり、見守り検針サーバ7とネットワークを介して、接続し、水道メータ3に関連付けられる水道使用者の家内に設置される。無線通信親機5Aは、無線通信子機Bとの通信範囲内に設置される。無線通信親機5Bは、無線通信子機5Aより受信したパルス信号のカウント値とロードサーベイデータとを、モデムを介し、3G回線やLTE回線などの移動通信システムを経由して、見守り検針サーバ7に送信する。
また、無線通信親機5Aと無線通信子機5Bとの間に中継機を設置し、より安定的な通信が可能になるようにしてもよい。
【0022】
見守り検針サーバ7は、サーバ装置であり、無線通信親機5Bより受信したパルス信号のカウント値とロードサーベイデータとに基づいて、水道の使用状況を水道メータ3に関連付けられる宛先へ通知する。
【0023】
図2は、見守り検針サーバ7のハードウェア構成を例示する図である。
図2に例示するように、見守り検針サーバ7は、CPU200、メモリ202、HDD204、ネットワークインタフェース206(ネットワークIF206)、表示装置208、及び入力装置210を有し、これらの構成はバス212を介して互いに接続している。
CPU200は、例えば、中央演算装置である。
メモリ202は、例えば、揮発性メモリであり、主記憶装置として機能する。
HDD204は、例えば、ハードディスクドライブ装置であり、不揮発性の記録装置としてコンピュータプログラムやその他のデータファイルを格納する。
ネットワークIF206は、有線又は無線で通信するためのインターフェースであり、無線通信親機5Bとの通信を実現する。
表示装置208は、例えば、液晶ディスプレイである。
入力装置210は、例えば、キーボード及びマウスである。
【0024】
図3は、無線通信子機5Aの機能構成を例示する図である。
図3に例示するように、本例の無線通信子機5Aには、無線通信子機プログラム50がインストールされる。
無線通信子機プログラム50は、パルスカウント部500、ロードサーベイデータ取得部502、時刻修正部504、及び送信部506を有する。また、無線通信子機5Aは、時計を有する。
なお、無線通信子機プログラム50の一部又は全部は、ASICなどのハードウェアにより実現されてもよい。また、無線通信子機プログラム50は、例えば、CD−ROMなどの記録媒体に格納されており、この記録媒体を介してインストールされる。
【0025】
パルスカウント部500は、水道メータ3より発せられたパルス信号のカウント値を所定時間毎に計測する。具体的には、水道メータ3は、一定の流量の水が流れる毎にパルス信号を発生する。パルスカウント部500は、一定時間の間に水道メータ3により発せられたパルス信号をカウントし、カウント値を見守り検針サーバ7に送信する。より具体的には、パルスカウント部500は、1時間の間に発せられるパルス信号をカウントし、カウント値と、水道メータのIDと、無線通信子機5AのIDと、カウントした時刻とをカウント値情報として1時間毎に送信部506に通知する。パルスカウント部500は、本発明に係るパルス信号計測部の一例である。
【0026】
ロードサーベイデータ取得部502は、水道メータ3により作成されたロードサーベイデータを取得する。ロードサーベイデータには、所定時間毎に水道メータ3により計測された水道使用量積算値が連続して記録されているほか、水道メータ3のIDが記録されている。ロードサーベイデータ取得部502は、水道メータ3よりロードサーベイデータを電文通信方式により1日1回受信し、本例では1時間毎の水道使用量積算値を過去72時間分保持する。電文通信方式では、ロードサーベイデータを取得する毎に水道メータ3の電池を消費するが、ロードサーベイデータ取得部502は、取得回数を1日1回とし、電文通信方式によるロードサーベイデータの取得頻度を少なくしている。これにより、水道メータ3の電池の消耗の低減が実現され、水道メータ3の電池寿命を8年間維持することができる。ロードサーベイデータ取得部502は、ロードサーベイデータを取得すると、ロードサーベイデータに無線通信子機5AのIDと、水道メータ3から無線通信子機5Aにロードサーベイデータが送信された時刻を関連付けて、送信部506に通知する。
【0027】
時刻修正部504は、ロードサーベイデータ取得部502により取得されたロードサーベイデータに含まれる時刻情報、すなわち水道メータ3から無線通信子機5Aにロードサーベイデータが送信された時刻に基づいて、無線通信子機5Aの時計の時刻を修正する。パルスカウント部500は、時刻修正部504により修正された時刻に基づいて、パルス信号をカウントする。時刻修正部504により、水道メータ3の時刻と無線通信子機5Aとの時刻が同期されることにより、水道メータ3が1時間毎の水道使用量を測定するのと同じタイミングで、パルスカウント部500による1時間毎のパルス信号のカウントが可能になる。
【0028】
送信部506は、パルスカウント部500により計測されたパルス信号のカウント値を、時計から出力される時刻に関連付けて無線通信親機5Bに送信する。具体的には、送信部506は、パルスカウント部500により通知されたカウント値情報を無線通信親機5Bに送信する。また、送信部506は、ロードサーベイデータ取得部502により取得されたロードサーベイデータを無線通信親機5Bに送信する。送信部506による送信頻度は、パルス信号のカウント値を1時間に1回、ロードサーベイデータを1日に1回、無線通信親機5Bに送信する。送信部506は、本発明に係るパルス信号送信部の一例である。
【0029】
無線通信親機5Bは、送信部506より、カウント値情報またはロードサーベイデータを受信する度に、カウント値情報、またはロードサーベイデータを見守り検針サーバ7に送信する。
【0030】
図4は、見守り検針サーバ7の機能構成を例示する図である。
図4に例示するように、本例の見守り検針サーバ7には、見守り検針プログラム70がインストールされる。
見守り検針プログラム70は、パルスカウント値取得部700、パルス計測データ作成部702、ロードサーベイデータ受信部704、計測起点決定部706、不使用時間判定部708、警告部710、起点修正部712、ロードサーベイデータ送信部714、及びロードサーベイデータ補正部716を有する。
なお、見守り検針プログラム70の一部又は全部は、ASICなどのハードウェアにより実現されてもよい。また、見守り検針プログラム70は、例えば、CD−ROMなどの記録媒体に格納されており、この記録媒体を介してインストールされる。
【0031】
パルスカウント値取得部700は、水道メータ3により発せられるパルス信号を取得する。具体的には、パルスカウント値取得部700は、無線通信子機5Aにより送信されたカウント値情報を、無線通信親機5Bを介して1時間に1回受信し、パルス計測データ作成部702に通知する。パルスカウント値取得部700は、本発明に係るパルス信号取得部の一例である。
【0032】
パルス計測データ作成部702は、パルスカウント値取得部700により取得されたパルス信号に基づいて、水道使用量を示すパルス計測データを作成する。具体的には、パルス計測データ作成部702は、パルスカウント値取得部700により通知されたカウント値情報に基づいて、カウント値に相当する水道使用量を計算し、パルス計測データを作成及び更新する。また、パルス計測データ作成部702は、作成及び更新されたパルス計測データを水道メータIDに対応する水道使用者情報に関連付けてパルス計測データDB600に格納する。水道使用者情報とは、例えば、水道使用者番号、水道使用者名、緊急連作先などである。本例では、パルス計測データ作成部702は、1時間毎の水道使用量が過去72時間分示されているパルス計測データを作成し、パルスカウント値取得部700によりカウント値情報が通知される度に随時、パルス計測データを更新する。
【0033】
ロードサーベイデータ受信部704は、無線通信子機5Aの送信部506より送信されたロードサーベイデータを、無線通信親機5Bを介して受信する。ロードサーベイデータ受信部704は、パルスカウント値取得部700がカウント値情報を受信するよりも少ない頻度で(具体的には1日に1回)ロードサーベイデータを受信し、ロードサーベイデータDB630に格納する。
【0034】
計測起点決定部706は、パルスカウント値取得部700により取得されたカウント値に基づいて、水道不使用期間の継続時間の計測起点を決定する。具体的には、計測起点決定部706は、パルス計測データにおいて、前回の水道使用量の発生が確認され、かつ、今回の水道使用量が「0」である時間を、水道不使用期間の計測起点とし、不使用時間判定部708に通知する。
また、計測起点決定部706は、計測起点判定の除外時刻と除外水量が予め設定されており、除外時刻における水道使用量が除外水量以下である場合は、水道使用量を「0」として、計測起点の決定を行う。例えば、自動洗浄トイレには、利用の有無に関わらず毎日決まった時刻に一定量の水を使用するものがある。このような機器による水道使用量は、水道利用者の行動とは無関係であることから、これを除外して計測起点の決定を行う。
【0035】
不使用時間判定部708は、計測起点決定部706により決定された計測起点から、水道不使用期間を計測し、水道不使用期間が既定時間以上継続したか否かを判定する。具体的には、不使用時間判定部708は、パルス計測データに基づいて、計測起点から水道不使用期間が12時間継続するか否かを判定し、判定結果を警告部710に通知する。不使用時間判定部708は、水道不使用期間が12時間に達しない場合、つまり、水道不使用期間が、12時間に達する前に、パルス計測データにおいて、水道使用量の発生が確認できた場合に、水道不使用期間の継続時間をリセットする。
また、不使用時間判定部708は、水道不使用期間の計測除外期間が予め設定されている場合は、計測除外期間を除いて、水道不使用時間の継続時間を判定する。例えば、水道使用者が寝ている、午後10時〜午前4時の間は、水道の使用量がなくても不自然ではないため、水道不使用時間の計測除外期間として予め設定されている場合に、水道使用量が「0」であっても、不使用時間判定部708は、その期間を、水道不使用継続時間に含めない。
【0036】
警告部710は、不使用時間判定部708により、水道不使用時間が既定時間以上継続したと判定された通知を受けた場合に、水道メータ3に関連付けられた宛先に、水道使用状況と共に、警告情報を発信する。具体的には、警告部710は、不使用時間判定部708により水道不使用時間が12時間以上であるとの通知を受けた場合に、パルス計測データと共に、水道使用者の状況を確認するよう促す警告メールを水道使用者の家族または福祉担当者、またはその両方に通知する。警告方法は、メールに限らず、例えば、パトライト(登録商標)や、ブザー等の警告音でもよい。また、警告部710は、
図6の(b)に例示する異常一覧閲覧画面を作成する。異常一覧閲覧画面では、これまでに通知した警告情報を一括して確認できる。
本例では、水道不使用期間判定部708により、水道不使用期間が12時間継続するか否かを判定し、12時間継続した場合に、警告部710により、警告情報が発信されるが、警告情報が発信される閾値となる水道不使用期間は、水道使用者の生活実態に応じて水道使用者毎に設定してもよい。
さらに、警告部710は、起点修正部712により、水道メータ3あるいは無線通信子機5Aの異常を通知された場合は、水道事業者・自治体へ異常を通知する。
【0037】
起点修正部712は、ロードサーベイデータ受信部704により受信されたロードサーベイデータに基づいて、計測起点決定部706により決定された計測起点を修正する。具体的には、起点修正部712は、パルス計測データ作成部702により作成されたパルス計測データと、ロードサーベイデータ受信部704により受信されたロードサーベイデータとを比較し、比較結果に応じて、起点決定部706により決定された計測起点の繰り上げまたは繰り下げを行う。具体的には、パルス計測データとロードサーベイデータとの比較において、起点修正部712は、パルス計測データとロードサーベイデータから算出された1時間毎の水道使用量を示すデータとを比較する。ロードサーベイデータは、1時間毎の水道使用量の積算値が記録されているデータであるため、起点修正部712は、ロードサーベイデータにおける、ある時刻の積算値とその1時間前の積算値との引き算により、1時間分の水道使用量を算出し、1時間毎の水道使用量を示すデータを作成し、これとパルス計測データとを比較する。
【0038】
ここで、起点修正部712による計測起点の繰り上げ、繰り下げ方法を説明する。
無線通信子機5Aと無線通信親機5B間の通信障害や、無線通信親機5Bに接続されたモデムと見守り検針サーバ7間の通信障害のため、パルスカウント値取得部700が一時的にカウント値情報を取得できず、1時間毎の水道使用量の一部がパルス計測データから欠落する場合がある。このようなパルス計測データに欠落部がある場合には、パルス計測データの欠落部をロードサーベイデータに基づいて修正し、水道不使用の計測起点を繰り上げるもしくは繰り下げることにより、より正確な水道不使用の継続時間を算出する。
また、水道メータ3が発するパルス信号は、雷等によるノイズの影響により異常が発生し、水道使用量が無いにも関わらずパルスが発生することがあり、無線通信子機5Aのパルスカウント部500が過剰にパルスをカウントすることや、逆にパルスを取りこぼして少なくカウントする可能性がある。パルス信号に異常が発生しない場合でも、無線通信子機5Aが、ノイズの影響によって誤動作する可能性もある。その結果、このような異常が発生した時間帯の水道使用量は、正確とは言えなくなる。そこで、本発明では、ロードサーベイデータに基づいて、パルス計測データの水道使用量を修正し、水道不使用の計測起点を繰り上げるもしくは繰り下げることにより、より正確な水道不使用の継続時間を算出する。
【0039】
具体的には、起点修正部712は、パルス計測データとロードサーベイデータに基づくデータとで、水道不使用時間が異なるか否かを確認する。起点修正部712は、そのような時間(水道不使用不一致時間)を検出した場合に、計測起点の繰り上げまたは繰り下げを行うべきか否かを判定し、計測起点の修正を行う。
より具体的には、起点修正部712は、パルス計測データ及びロードサーベイデータに基づくデータそれぞれにおいて、水道不使用不一致時間の水道使用量と、その前後時刻の水道使用量との総量を算出し、両者を比較した結果に基づいてパルス計測データ及び起点修正を行うか否かを判定する。これは、水道不使用不一致時間における水道使用量の差分が、水道不使用不一致時間の前後時刻に表れているか否かを確認するためである。無線通信子機5Aと水道メータ3は時計の時刻合わせを行っているが、時刻合わせは分単位であるため、1分未満の時刻ずれが生じることがある。つまり、水道不使用不一致時間を含めた前後時刻の水道使用量の総量が、パルス計測データとロードサーベイデータに基づくデータとで一致していれば、水道使用量の差分は、水道不使用不一致時間の前後時刻に表れており、時刻のずれにより生じたものであるため、起点修正部712は、パルス計測データと起点の修正の必要はないと判断する。
さらに、起点修正部712は、両データの差分が1分間の水道使用量に見合った差分か否かを判定する。1分間の水道使用量に見合った差分でない場合は、水道メータ3あるいは無線通信子機5Aの異常と判断し、警告部710に通知する。
【0040】
図5は、計測起点を修正するか否かの判定方法を例示する図である。
図5の(a)を用いて、パルス計測データ及びロードサーベイデータに基づく水道使用量の差分が、水道不使用不一致時間の前時刻に表れている場合について説明する。
図5の(a)では、水道不使用不一致時間が11〜12時に存在し、水道不使用不一致時間を含む前後時刻(この場合では、10〜12時)の水道使用量の総量は、パルス計測データでは、10?であり、ロードサーベイデータから算出される水道使用量も10?である。結果、10〜12時では、両者の水道使用量の総量は同じとなる。さらに、パルス計測データ及びロードサーベイデータから算出される水道使用量における、11〜12時の時刻における水道使用量の差分は、2?であり、起点修正部712は、この差分が、予め設定された閾値未満であるか否かを判定する。閾値は、水道使用者毎に設定され、例えば、水道メータの仕様(定格最大流量)に基づいて、1分間の最大使用量を算出することにより、設定される。本例では、閾値を50?とし、起点修正部712は、差分が閾値未満であると判定する。
つまり、この場合は、差分の水道使用量が水道不使用不一致時間の前時刻に表れており、起点修正部712は、時計の1分未満の時刻ずれのために、水道不使用不一致時間が存在すると判断し、パルス計測データと起点の修正を行わない。
【0041】
また、
図5の(b)を用いて、パルス計測データ及びロードサーベイデータに基づく水道使用量の差分が、水道不使用不一致時間の前時刻である2時間分に表れている場合について説明する。パルス計測データ及びロードサーベイデータに基づいた水道使用量は、10時〜13時の間、30?であり、両データの水道使用量は一致する。さらに、両データの差分は、水道不一致時間において、10?であり、起点修正部712は、この差分を閾値未満であると判定する。つまり、この場合においても、差分の水道使用量が水道不使用時間の前時刻に表れており、起点修正部712は、時計の1分未満の時刻ずれのために、両データにおいて、水道不使用不一致時間が表れたと判断し、パルス計測データと起点の修正を行わない。
【0042】
さらに、
図5の(c)を用いて、水道不使用不一致時間を含めた前後時刻で両方のデータにおける水道使用量の総量が同じであるが、差分が閾値以上である場合について説明する。パルス計測データ及びロードサーベイデータに基づいた水道使用量は、10時〜12時の間、2000?であり、両データの水道使用量は一致する。しかし、両データの差分は、1990?であり、起点修正部712は、この差分が閾値以上であると判定する。つまり、起点修正部712は、この場合において、差分が1分未満の時刻ずれのために生じた水道使用量にしては、大きすぎると判断し、1分未満の時刻ずれの他に原因があるとして、異常と判断し、警告部710に通知する。
【0043】
次に、
図6及び
図7を用いて、起点修正部712による起点修正方法を説明する。
はじめに、
図6を用いて起点修正部712による起点の繰り上げについて説明する。
例えば、
図6に例示するように、パルス計測データにおいて、計測起点決定部706により決定された計測起点は、17時である。しかし、パルス計測データにおいて、16時は水道使用量が発生しているが、ロードサーベイデータにおける16時では、水道使用量は「0」である。起点修正部712は、起点修正の必要があると判定した後、パルス計測データの16時の水道使用量が誤っていると判断し、パルス計測データの16時時点の水道使用量を、ロードサーベイデータから求まる水道使用量の値を真のデータとして「0」に修正し、計測起点を9時に繰り上げる。不使用時間判定部708は、起点修正部712により修正された計測起点に基づいて、水道不使用時期間を計測する。結果、計測起点を修正する前は、計測起点は17時であり、水道不使用期間は4時間であったが、計測起点の繰り上げ後は、計測起点は9時であり、水道不使用期間は12時間となり、警告対象となる。
【0044】
次に、
図7を用いて、起点の繰り下げについて説明する。
例えば、
図7に例示するように、パルス計測データにおいて、計測起点決定部706により決定された計測起点は、9時である。しかし、パルス計測データにおいて14時は水道不使用であるが、ロードサーベイデータにおける14時では、水道使用量は発生している。起点修正部712は、起点修正の必要があると判定した後、パルス計測データの14時の水道使用量が誤っていると判断し、パルス計測データの14時時点の水道使用量を、ロードサーベイデータから求まる水道使用量の値を真のデータとして採用し、計測起点を15時に繰り下げる。不使用時間判定部708は、起点修正部712により修正された計測起点に基づいて、水道不使用時期間を計測する。結果、計測起点を修正する前は、計測起点は9時であり、水道不使用期間は12時間となり、警告対象であったが、計測起点の繰り下げ後は、計測起点は15時であり、水道不使用期間は6時間となり、警告対象外となる。
【0045】
ロードサーベイデータ送信部714は、水道メータ3の検針日に、水道料金の算定に用いるデータとして、ロードサーベイデータDB630より直近の日時ののびの月分ですが、いかがでしょうか? 追記が必要であれば、積算値データを取得し、水道メータ3に関連付けられた水道使用者番号と共に水道事業者や自治体へ送信する。
【0046】
ロードサーベイデータ補正部716は、本発明に係る採否決定部の一例であり、ロードサーベイデータ受信部704により取得されたロードサーベイデータに異常があった場合に、異常が発生したこと通知する。また、ロードサーベイデータ補正部716は、パルスカウント値取得部700によりカウントされたパルス信号のカウント値情報に基づいて、ロードサーベイデータを補正する。具体的には、起点修正部712により、ロードサーベイデータが破損している、または、パルス計測データとロードサーベイデータとの比較結果が大きく異なるとの判定がなされた場合に、ロードサーベイデータ補正部716は、ロードサーベイデータにおいて、直近の積算値データを検針日の水道料金の算定に用いるデータとして出力すること取りやめること、及びロードサーベイデータの破損または、水道メータ3あるいは無線通信子機5Aの異常や故障の可能性とをロードサーベイデータ送信部714に通知する。また、ロードサーベイデータ補正部716は、ロードサーベイデータが破損している場合には、ロードサーベイデータを用いる代わりに、パルス計測データを水道料金の算定に用いるデータとして出力するようロードサーベイデータ送信部714に通知してもよい。ロードサーベイデータとパルス計測データとを比較することにより、水道メータ3あるいは無線通信子機5Aの異常を早期に検知することが可能である。
【0047】
ここで、ロードサーベイデータの破損とは、例えば、ロードサーベイデータのパリティビットに誤りがある、ロードサーベイデータを開けない、ロードサーベイデータ中の水道使用量の積算値に数字以外の文字が含まれているなどにより、1時間毎の水道使用量を計算できない場合を示す。
【0048】
図8の(a)は、水道使用状況を閲覧する画面例である。
水道使用者の家族、または福祉担当者は、見守り検針サーバ7にアクセスすることによりパルス計測データに基づいた水道使用状況を確認できる。
図6に例示するように、水道使用状況の画面例では、過去12時間の水道使用量、水道使用者名、日付、水道使用者の家族構成、最終検針時間、監視解除時間(水道不使用の計測解除期間)、水道不使用時間が閲覧可能であり、加えて、過去データが参照可能である。パルス計測データは、1時間毎に更新されるため、家族や、福祉担当者は、リアルタイムに近い水道使用状況を確認できる。また、パルス計測データに欠落や誤差があった場合でも、起点修正部712によって定期的に修正されるため、正確な水道使用状況を確認することができる。
【0049】
図8の(b)は、異常一覧の画面例であり、過去に通知された警告情報の一覧が表示され、自治体の福祉担当者により閲覧可能である。
図6の(b)の、異常一覧の画面例では、水道使用者名、異常発生日時、解除時刻、解除担当等が表示されており、解除時刻や解除担当等が表示されていることから、通知された警告情報に対して対応したか否かが確認できる。また、自治体の福祉担当者は、数多くの世帯の状況を見守る必要があるため、水道使用状況を戸別に確認するよりも、異常一覧により多数の世帯を一括して確認する方が、迅速な対応が可能となる。
【0050】
図9は、見守り検針システム1による、見守り処理(S70)を説明するためのフローチャートである。
図9に例示するように、ステップ700(S700)において、警告部710により警告情報の通知が終了した場合、不使用時間判定部708は、計測していた水道不使用の継続時間をリセットする。
【0051】
ステップ705(S705)において、パルス計測データ作成部702は、パルスカウント値取得部700により通知されたパルス信号のカウント値を水道使用量に換算し、パルス計測データとして時間と水道使用量とを記録し、水道使用者番号に関連付けてパルス計測データDB600に格納する。
【0052】
ステップ710(S710)において、計測起点決定部706は、パルス計測データ作成部702により作成または更新されたパルス計測データに基づいて、水道使用量が「0」であるか否かを判定する。水道使用量が「0」であれば、見守り処理(S70)は、S715に移行し、水道使用量が発生していればS720に移行する。
【0053】
ステップ715において、計測起点決定部706は、パルス計測データにおいて、前回更新された時刻に水道使用量が発生していて、かつ、今回更新された時刻の水道使用量が「0」である時間を計測起点とする。
【0054】
ステップ720(S720)において、ロードサーベイデータ受信部704によりロードサーベイデータを無線通信機5Aから受信した場合は、見守り処理(S70)は、S740に移行する。ロードサーベイデータを受信していない場合は、見守り処理(S70)は、S725に移行する。
【0055】
ステップ725(S725)において、不使用時間判定部708は、計測起点決定部706により決定された計測起点から水道不使用期間を計測する。
【0056】
ステップ730(S730)において、見守り処理(S70)は、不使用時間判定部708により計測された水道不使用期間が既定時間に達する場合は、S735に移行し、既定時間に達しない場合は、S705に移行し、次回のパルス信号のカウント値が受信される時刻まで待機する。
【0057】
ステップ735(S735)において、警告部710は、水道不使用時間が既定時間に達したことを水道メータ3に関連付けられた家族、福祉担当者の端末へと通知する。また、起点修正部712により水道メータ3または無線通信子機5Aの異常を通知された場合は、異常を水道事業者等へ通知する。
【0058】
ステップ740(S740)において、起点修正部712は、ロードサーベイデータに基づく水道使用量とパルス計測データとを比較する。
【0059】
ステップ745(S745)において、S740において比較したパルス計測データからある時刻の水道使用量が欠落していた場合に、見守り処理(S70)は、S770に移行する。欠落がなかった場合には、見守り処理(S70)は、S750に移行する。
【0060】
ステップ750(S750)において、比較結果において、水道不使用不一致時間が確認された場合に、見守り処理(S70)は、S755に移行し、比較結果において、水道不使用不一致時間が確認されなかった場合に、見守り処理(S70)は、S725に移行する。
【0061】
ステップ755(S755)において、起点修正部712は、両データにおいて、水道不使用不一致時間を含めた前後時刻の水道使用量の総量を比較する。
【0062】
ステップ760(S760)において、S755において比較した総量が両データにおいて一致していた場合に、見守り処理(S70)は、S765に移行し、総量が両データにおいて一致していない場合に、見守り処理(S70)は、S770に移行する。
【0063】
ステップ765(S765)において、起点修正部712は、両データにおける、水道不使用不一致時間の水道使用量の差分を求め、求めた差分が閾値未満であるか否かを判定する。差分が閾値未満である場合に、見守り処理(S70)は、S725に移行し、差分が閾値以上である場合に見守り処理(S70)は、S735に移行する。
【0064】
ステップ770(S770)において、起点修正部712は、水道不使用不一致時間における、パルス計測データの水道使用量を、ロードサーベイデータの水道使用量に修正する。また、起点修正部712は、パルスカウント値取得部700により、パルス信号のカウント値を受信できず、ある時刻の水道使用量がパルス計測データから欠落していた場合にも、受信できなかった時刻におけるパルス計測データの水道使用量を、ロードサーベイデータの水道使用量に修正する。そして、起点修正部712は、修正を加えた後のパルス計測データにおいて、現時刻の直近で、水道使用量が確認された時間の次の時間の水道使用量が「0」である時間を計測起点とする。
【0065】
図10は、見守り検針システム1による、検針処理(S80)を説明するためのフローチャートである。
図10に例示するように、ステップ800(S800)において、パルス計測データ作成部702は、パルスカウント値取得部700により通知されたパルス信号のカウント値を水道使用量に換算し、パルス計測データとして時間と水道使用量とを記録し、水道使用者番号に関連付けてパルス計測データDB600に格納する。
【0066】
ステップ805(S805)において、ロードサーベイデータ受信部704は、ロードサーベイデータを無線通信子機5Aから無線通信親機5Bを介して受信し、起点修正部712に通知する。
【0067】
ステップ810(S810)において、起点修正部712は、ロードサーベイデータに基づくデータとパルス計測データとを比較する。
【0068】
ステップ815(S815)において、ロードサーベイデータが破損しており、パルス計測データとの比較が困難な場合は、検針処理(S80)は、S850に移行し、比較可能である場合は、S820に移行する。
【0069】
ステップ820(S820)において、起点修正部712によるロードサーベイデータに基づくデータとパルス計測データとの比較結果において、両データの水道使用量に差分が生じている場合に、検針処理(S80)は、S825に移行し、差分が生じていない場合に、S840に移行する。
【0070】
ステップ825(S825)において、起点修正部712は、ロードサーベイデータに基づくデータとパルス計測データとにおいて、差分が発生している時刻とその前後時刻を含めた水道使用量の総量を比較する。
【0071】
ステップ830(S830)において、S825において比較した総量が両方のデータにおいて一致していた場合に、検針処理(S80)は、S835に移行し、総量が両方のデータにおいて一致していない場合に、検針処理(S80)は、S845に移行する。
【0072】
ステップ835(S835)において、起点修正部712は、両方のデータにおける、差分の発生している時刻の水道使用量の差分を求め、求めた差分が閾値未満(1分未満の水道使用量に相当する水道使用量の閾値)であるか否かを判定する。差分が閾値未満である場合に、検針処理(S80)は、S840に移行し、差分が閾値以上である場合に検針処理(S80)は、S850に移行する。
【0073】
ステップ840(S840)において、ロードサーベイデータ送信部714は、ロードサーベイデータにおける、直近の水道使用量の積算値を、世帯毎に決められた検針日に、水道料金の算定に用いるデータとして水道使用者番号と関連付けて水道事業者及び自治体に通知する。
【0074】
ステップ845(S845)において、起点修正部712は、両方のデータにおける、差分の発生している時刻の水道使用量の差分を求め、差分がノイズによるパルスのカウントの過不足に相当する水道使用量か否かを判定する。具体的には、予めノイズによるパルスのカウントの過不足による生じる水道使用量を算出し、閾値を決定しておき、起点修正部712は、差分がこの閾値未満であるか否かを判定する。差分が閾値未満である場合に、検針処理(S80)は、S840に移行し、差分が閾値以上である場合に、検針処理(S80)は、S850に移行する。
【0075】
ステップ850(S850)において、ロードサーベイデータ送信部714は、検針日に、ロードサーベイデータにおける、直近の水道使用量の積算値を通知することを取りやめる。または、ロードサーベイデータ補正部712により通知されたパルス計測データを水道料金の算定に用いるデータとして、検針日に水道事業者及び自治体へ通知する。また、水道メータ3または無線通信子機5Aに異常が発生している恐れがあることを、水道事業者、自治体、あるいはシステム管理者へ通知する。
【0076】
以上説明したように、見守り検針システム1は、水道使用量を自動検針するとともに、水道使用者の見守りを行う。見守り検針システム1は、見守りにおいて、ノイズ等による異常なパルス信号や異常なカウントをロードサーベイデータに基づいて修正することにより、より正確な水道不使用期間を算出することで、見守りの信頼性を高めることができる。また、見守り検針システム1は、水道メータ3から発せられる1時間毎のパルス信号のカウント値を取得する度に、水道使用量に換算し、パルス計測データを作成する。パルス計測データは、1日に1度取得するロードサーベイデータと比べ、水道使用量のリアルタイム性が高く、また、親族や福祉担当者は、随時アクセス可能であるため、見守りに使用するデータとして適している。
【0077】
さらに、見守り検針システム1は、水道料金の算定に用いるデータにロードサーベイデータにおける直近の水道使用量の積算値を出力するが、パルス計測データとロードサーベイデータとを比較することにより、異常の検知が可能となり、水道料金の算定に用いるデータとしてロードサーベイデータにおける直近の水道使用量の積算値の出力を取りやめる。これにより、見守り検針システム1は、水道料金の算定に用いるデータの信頼性を確保することができる。
【0078】
[変形例]
図11は、変形例に係る見守り検針システム1の概要を説明する図である。
図11に例示するように、見守り検針システム1は、水道メータ3、無線通信子機5A、無線通信親機5B、見守り検針サーバ7に加え、携帯型無線通信子機9を有する。
携帯型無線通信子機9は、無線通信モジュールであり、無線接続により無線通信親機5Bと接続している。携帯型無線通信子機9は、電池(例えば、ボタン電池)で動作し、水道使用者が外出時に必ず携行するキーホルダー等に取り付けられている。
携帯型無線通信子機9は、無線通信親機5Bと、定期的に通信する。具体的には、携帯型無線通信子機9は、1時間に1回、自身のIDを送信する。携帯型無線通信子機9は、自身のIDの他に、自身の電池電圧に関する情報を無線通信親機5Bに送信してもよい。
【0079】
無線通信親機5Bは、無線通信子機5Aから受信したパルス信号のカウント値と共に、無線通信子機9から受信したID、電波強度、及び直近の電波到来時刻を見守り検針サーバ7に送信する。
【0080】
変形例に係る見守り検針サーバ7の機能構成は、パルスカウント値取得部700、パルス計測データ作成部702、ロードサーベイデータ受信部704、計測起点決定部706、不使用時間判定部708、警告部710、起点修正部712、ロードサーベイデータ送信部714、ロードサーベイデータ補正部716に加え、通信状況受信部718を有する。
通信状況受信部718は、無線通信子機5Bより受信した携帯無線通信子機9のID、電波強度、及び直近の電波到来時刻を受信し、不使用時間判定部708は、これらの情報に基づいて、水道不使用期間の計測除外対象の時間を算出する。具体的には、通信状況受信部718は、
図12及び
図13に例示するように、携帯型無線通信子機9による外出時間の判定グラフを作成及び更新する。外出時間の判定グラフにおいて、縦軸は、外出レベル及び通信状況を示し、横軸は、時間を示す。通信状況「1」は、無線通信子機9が無線通信親機5Bと通信可能である圏内に存在することを示し、通信状況「0」は、無線通信子機9が無線通信親機5Bと通信不可能である圏外に存在することを示す。また、外出レベル「2」は、水道使用者の外出中の可能性が濃厚を、外出レベル「1」は、水道使用者の外出中の可能性ありを、外出レベル「0」は、水道使用者が在宅中であることを示す。
【0081】
通信状況受信部718は、受信した携帯型無線通信子機9の電波到来時刻と電波状況とに基づいて、外出時間の判定グラフを作成する。具体的には、通信状信受信部718は、電波を受信した時刻は、通信状況が「1」(圏内)であるとし、携帯型無線通信機9が、無線通信親機5Aの圏内にあると判定し、外出レベルを「0」(在宅中)とし、電波を受信していない時刻は、通信状況が「0」(圏外)であるとし、この時間の外出レベルを、水道使用者が携帯型無線通信機9を所持して外出中であると判定し、「1」(外出の可能性あり)として外出時間の判定グラフを作成する。これにより、通信状況受信部718は、水道使用者の外出時間を算出し、水道不使用期間の計測対象の除外時間として水道不使用期間判定部708に通知する。
図10の(a)携帯型無線通信機9による外出時間の判定において、通信状況受信部718は、7時〜16時を計測対象の除外時間といて不使用時間判定部708に通知し、水道不使用期間判定部708は、通信状況受信部718により通知された時間を水道不使用の計測対象から除外したうえで、水道不使用期間を計測する。
【0082】
次に、複数存在する携帯型無線通信子機9を、外出時に持ち出す可能性が高いもの複数に取り付けて、水道使用者の外出を判断するに場合について説明する。この場合、携帯型無線通信子機9Aは、外出時に持ち出す可能性が最も高いもの(例えば、キーホルダー)に取り付けられ、その他にも携帯型無線通信機9Aと共に持ち出す可能性があるもの(例えば、バッグ、シルバーカー、杖、履物、携帯電話、自動車)に携帯型無線通信機9Bが取り付けられる。
【0083】
図12の(b)及び(c)において、携帯型無線通信子機9Aと携帯型無線通信子機9Bとを使用した場合の外出中の判断例を説明する。
図12の(b)及び(c)において、携帯型無線通信子機9Aの通信状況は変化しているが、携帯型無線通信子機9Bの通信状況は、変化していない。このような場合は、通信状況受信部712は、最も持ち出す可能性の高い携帯型無線通信子機9Aの通信状況に基づいて、外出レベルを判断し、携帯型無線通信子機9Aの通信状況が圏外である7時〜16時を外出中として判断し、水道不使用期間判定部708に水道不使用期間の計測除外時間を7時〜16時として通知する。
【0084】
図13の(d)では、携帯型無線通信子機9Aと携帯型無線通信子機9Bとの通信状況が同時に変化している。この場合は、通信状況受信部718は、携帯型無線通信子機9Aと携帯型無線通信子機9Bとの通信状況が圏外である7時から16時を外出レベル「2」とし、外出の可能性が濃厚であると判断し、水道不使用期間判定部708に水道不使用期間の計測除外時間を7時〜16時として通知する。
【0085】
図13の(e)及び(f)では、携帯型無線通信子機9Aと携帯型無線通信子機9Bとの通信状況の変化が異なる。
図13の(e)において、通信状況受信部712は、携帯型無線通信子機9Aと携帯型無線通信子機9Bとが同時に圏外となっている7時から12時を外出レベル「2」とし、外出の可能性が濃厚であると判断し、最も持ち出す可能性の高い携帯型無線通信子機9Aのみが圏外である13時〜16時を、外出レベル「1」とし、外出の可能性があるとして外出レベルを判断し、水道不使用期間判定部708に水道不使用期間の計測除外時間を7時〜16時として通知する。
【0086】
図13の(f)において、通信状況受信部718は、携帯型無線通信子機9Aと携帯型無線通信子機9Bとが同時に圏外となっている7時から16時を外出レベル「2」とし、外出の可能性が濃厚であると判断し、最も持ち出す可能性の高い携帯型無線通信子機9Aのみが圏内である4時〜6時は、在宅中とし、水道不使用期間判定部708に水道不使用期間の計測除外時間を7時〜16時として通知する。
【0087】
図12、
図13において、外出レベルが「1」もしくは「2」の時間帯を水道不使用時間の計測除外時間帯としているが、計測除外時間帯とする外出レベルの値は、水道使用者毎に水道使用者の生活実態に応じて設定してもよい。具体的には、実際の外出時にキーホルダーのみを持ち出すことが多いため、外出レベルが「2」となることは少なく、外出レベルが「1」となることが多い水道使用者は、外出レベル「1」もしくは「2」の場合に、計測除外時間帯とする。また、実際の外出時にキーホルダーに加えて必ずバッグを持ち出す(すなわち、携帯型無線通信子機9Aと携帯型無線通信子機9Bを共に持ち出す)ことが多い水道使用者は外出レベル「1」では計測除外時間帯とせず、外出レベル「2」の場合にのみ、計測除外時間帯とする。さらに、キーホルダーの置き場所が無線通信5Aから離れているなど、携帯型無線通信子機9Aと無線通信親機5Bとの通信が安定せず、キーホルダーが宅内にある(外出していない)にも関わらず携帯型無線通信子機9Aの通信状況が「0」(圏外)になる場合がある水道使用者は外出レベル「1」では計測除外時間帯とせず、外出レベル「2」の場合にのみ、計測除外時間帯とする。
【0088】
つまり、複数の携帯型無線通信子機9を使用する場合は、最も外出時に持ち出す可能性が高い携帯型無線通信子機9Aの通信状況に基づいて外出レベルを判断するが、さらに携帯型無線通信子機9Bの通信状況を考慮することにより、携帯型無線通信子機9Aの通信状況に基づいた外出判断の確度を上げることができる。また、通信状況受信部718により判定された外出時間の判定グラフを、水道使用状況と共に、水道使用者の家族や、福祉担当者が閲覧できるようにして、水道使用者の外出状況の把握を可能にしてもよい。さらに、本変形例では、通信状況を圏外と圏内の2択としているが、携帯型無線通信子機9と無線通信親機5Bとの電波強度に基づいて、通信状況の選択肢を増やし、より正確な水道使用者の外出状況を判断してもよい。