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特開2017-104649骨保持具及びこれを備える骨接合補強具
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-104649(P2017-104649A)
(43)【公開日】2017年6月15日
(54)【発明の名称】骨保持具及びこれを備える骨接合補強具
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/78 20060101AFI20170519BHJP
【FI】
   A61B17/78
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-46280(P2017-46280)
(22)【出願日】2017年3月10日
(62)【分割の表示】特願2015-35331(P2015-35331)の分割
【原出願日】2015年2月25日
(71)【出願人】
【識別番号】504142352
【氏名又は名称】株式会社オーミック
(71)【出願人】
【識別番号】390034740
【氏名又は名称】株式会社日本エム・ディ・エム
(74)【代理人】
【識別番号】100123526
【弁理士】
【氏名又は名称】宮川 壮輔
(74)【代理人】
【識別番号】100125036
【弁理士】
【氏名又は名称】深川 英里
(72)【発明者】
【氏名】三上 浩
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 徹
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160LL27
4C160LL44
(57)【要約】
【課題】骨折した複数部位の接合を容易に補強しその補強位置を調整することができる骨保持具及びこれを備える骨接合補強具を提供すること。
【解決手段】骨折した骨の接合を補強する本体補強具2に連結されて、前記骨を保持する骨保持具5であって、本体補強具2の環状固定部に同心状に連結される環状の連結部31と、連結部31から延ばされて骨を保持する支持部32とを備え、連結部31の一方の縁部は、環状固定部に対して、連結部31の軸線回りの回転位置が段階的に変更可能な相補形状をなしている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨折した骨の接合を補強する本体補強具に連結されて、前記骨を保持する骨保持具であって、
前記本体補強具の環状固定部に同心状に連結される環状の連結部と、
前記連結部から延ばされて前記骨を保持する支持部とを備え、
前記連結部の一方の縁部は、前記環状固定部に対して、前記連結部の軸線回りの回転位置が段階的に変更可能な相補形状をなしている骨保持具。
【請求項2】
前記連結部の一方の縁部は、前記環状固定部に対して、前記連結部の周方向における嵌合位置が変更可能に凹凸嵌合するようになっている請求項1に記載の骨保持具。
【請求項3】
前記連結部の一方の縁部及び前記環状固定部に、互いに凹凸嵌合するノコギリ歯が形成されている請求項2に記載の骨保持具。
【請求項4】
前記連結部の一方の縁部及び前記環状固定部のノコギリ歯が、前記周方向に連続した山状をなしている請求項3に記載の骨保持具。
【請求項5】
前記本体補強具に連結されて、前記支持部が保持する骨の部位と別の部位を保持する補
助保持部を備え、
前記補助保持部は、前記連結部の他方の縁部に同心状に配置されて前記本体補強具に連結される環状の補助連結部を備え、
前記補助連結部の一方の縁部は、前記連結部の他方の縁部に対して、前記軸線周りの回転位置が段階的に変更可能な相補形状をなしている請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の骨保持具。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の骨保持具と、
前記本体補強具とを備える骨接合補強具。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、骨折した骨の接合を補強した状態で、当該骨を保持する骨保持具及びこれを備える骨接合補強具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、大腿部頸部骨折などの治療には、骨接合補強具を骨に設置することにより、骨折部を固定、補強することが行われている(例えば、特許文献1)。
この骨接合補強具は、骨幹部に埋め込まれる固定本体部と、この固定本体部に交差して挿通されるスクリュー部とを備えるのが一般的である。そして、骨幹部に固定本体部が埋めこれまた状態で、骨幹部の側方から骨頭部に向けて斜め上方にスクリュー部を挿入していき、当該スクリュー部を固定本体部に挿通させる。さらに、スクリュー部の先端を骨頭部内の所定の位置まで挿入した状態で、これら固定本体部とスクリュー部とを固定する。これにより、骨頭部と骨幹部との接合が補強される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−252404号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような骨接合補強具では、骨頭部と骨幹部との接合を補強することはできるものの、例えば、大転子部などの骨折に対しては補強することができないという問題がある。
【0005】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、骨折した複数部位の接合を容易に補強しその補強位置を調整することができる骨保持具及びこれを備える骨接合補強具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明は、骨折した骨の接合を補強する本体補強具に連結されて、前記骨を保持する骨保持具であって、前記本体補強具の環状固定部に同心状に連結される環状の連結部と、前記連結部から延ばされて前記骨を保持する支持部とを備え、前記連結部の一方の縁部は、前記環状固定部に対して、前記連結部の軸線回りの回転位置が段階的に変更可能な相補形状をなしている。
【0007】
また、前記連結部の一方の縁部は、前記環状固定部に対して、前記連結部の周方向における嵌合位置が変更可能に凹凸嵌合するようになっていてもよい。
【0008】
また、前記連結部の一方の縁部及び前記環状固定部に、互いに凹凸嵌合するノコギリ歯が形成されていてもよい。
【0009】
また、前記連結部の一方の縁部及び前記環状固定部のノコギリ歯が、前記周方向に連続した山状をなしていてもよい。
【0010】
また、前記本体補強具に連結されて、前記支持部が保持する骨の部位と別の部位を保持する補助保持部を備え、前記補助保持部は、前記連結部の他方の縁部に同心状に配置されて前記本体補強具に連結される環状の補助連結部を備え、前記補助連結部の一方の縁部は、前記連結部の他方の縁部に対して、前記軸線周りの回転位置が段階的に変更可能な相補形状をなしていてもよい。
【0011】
また、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の骨保持具と、前記本体補強具とを備えていてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、骨折した複数部位の接合を容易に補強しその補強位置を調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態としての骨保持具及び骨接合補強具を示す正面図である。
図2図1の骨接合補強具を分解して示す説明図である。
図3図2の主保持部を示す斜視図である。
図4図3の主保持部を側方から見た様子を示す図であって、保持部が回転する様子を示す説明図である。
図5図4の保持部を示す斜視図である。
図6図2の補助保持部を補助連結部の軸線方向から見た様子を示す平面図である。
図7図6の補助保持部の側面図である。
図8】本体補強具を骨の内部に埋め込み、主保持部及び補助保持部を大転子部の近傍に配した様子を示す説明図である。
図9図8の保持部を回転させて大転子部を保持している様子を示す説明図である。
図10図8の骨接合補強具を別の角度から見た様子を示す説明図である。
図11図10の補助支持部を回転させて、大転子部の他の位置を保持している様子を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(実施形態)
以下、本発明の実施形態における骨保持具及び骨接合補強具について説明する。
図1は、骨接合補強具1及び骨保持具5を示す正面図である。
骨接合補強具1は、骨の内部に埋め込まれる本体補強具2と、この本体補強具2に連結される骨保持具5とを備えている。
本体補強具2は、長尺状に延びる筒状本体部21を備えている。筒状本体部21は、円筒状に形成されている。筒状本体部21の基端部には、図2に示すように、挿入部21bを介して、環状固定部21cが着脱可能に設けられている。挿入部21bは、長尺状に延ばされている。そして、挿入部21bは、筒状本体部21の内部に挿入されるようになっている。環状固定部21cは、円環状に形成されている。この環状固定部21cの上端縁部には、周方向の全長にわたって連続した山状のノコギリ歯211cが形成されている。
【0015】
また、筒状本体部21には、軸線方向に交差する方向に向けられた貫通孔21aが設けられている。貫通孔21aには、筒状本体部21に対して斜め上方に向けられて柱状のスクリュー部22が挿通されるようになっている。スクリュー部22の先端には、雄ネジ部23が形成されている。
このような構成のもと、貫通孔21aを通して、筒状本体部21にスクリュー部22が挿通されると、不図示のネジを締めることにより、筒状本体部21の内部において、挿入部21bの先端がスクリュー部22に当接し、スクリュー部22が筒状本体部21に固定されるようになっている。
【0016】
骨保持具5は、環状固定部21cに連結される主保持部3と、この主保持部3に連結される補助保持部4とを備えている。
主保持部3は、図3に示すように、円環状に形成された環状連結部31(連結部)と、この環状連結部31から延ばされた支持部32とを備えている。
環状連結部31の一方の縁部には、周方向の全長にわたって連続した山状のノコギリ歯31aが形成されている。このノコギリ歯31aは、ノコギリ歯211c(図2に示す)と相補形状をなしており、互いに同心状に配されて周方向の全長にわたって凹凸嵌合するようになっている。そして、環状連結部31を環状連結部31の軸線A周りに環状固定部21cに対して回転させても、ノコギリ歯31aとノコギリ歯211cとを凹凸嵌合させることができ、周方向のいずれの位置においても環状連結部31の回転位置が規制されるようになっている。すなわち、ノコギリ歯31aとノコギリ歯211cとの凹凸嵌合を周方向にずらすことにより、環状固定部21cに対する環状連結部31の回転位置を段階的に変更して、環状連結部31を環状固定部21cに固定することができるようになっている。
また、環状連結部31の他方の縁部にも、同様のノコギリ歯31bが形成されている。
【0017】
支持部32は、環状連結部31から固定的に延ばされている。なお、固定的とは、環状連結部31に対して可動することなく、環状連結部31に連結固定されていることをいう。例えば、環状連結部31と一体に形成されていることをいう。
この支持部32は、環状連結部31から一体に延ばされた板状の支持基板部32aと、この支持基板部32aと一体に延ばされた板状の支持本体部32bとを備えている。
支持基板部32aは、環状連結部31から径方向Eの外方に延ばされて、矩形板状に形成されている。そして、径方向Eにおける支持基板部32aの先端から、支持本体部32bが延ばされている。
これら支持基板部32aと支持本体部32bとは、緩やかなR状をなして、一体に形成されている。
【0018】
支持本体部32bは、図4に示すように、支持基板部32aの先端から、軸線A方向の一領域Edにわたって延ばされている。なお、ここでは、環状連結部31の径方向Eの領域を径方向領域Emとし、この径方向領域Emから、軸線A方向のうちの下方向(一方向)の領域を一領域Edとする。さらに、径方向領域Emから、軸線A方向のうちの上方向(他方向)の領域を他領域Euとする。
支持本体部32bは、支持基板部32aの先端から、軸線A方向の一領域Edにわたって傾斜して延ばされている。すなわち、支持本体部32bの基端部32eから先端部32fにいくにしたがって、軸線Aからの距離寸法が漸次大きくなるように、支持本体部32bが軸線Aに対して角θ1をなして傾斜している。
支持本体部32bは、基端部32eから先端部32fにわたって、表面32Aの側(径方向Eの外方側)に凸に湾曲している。さらに、支持本体部32bは、その幅方向Wa(図3に示す)の全長にわたっても、表面32Aの側に凸に湾曲している。なお、幅方向Waは、基端部32eから先端部32fに延びる方向に直交する方向のうち、表面32Aの延在する方向をいうものであり、軸線A方向と支持基板部32aの延びる径方向Eとに直交する方向をいう。
【0019】
また、基端部32eの幅寸法W1は、先端部32fの幅寸法W2よりも小さくなっている。さらに、支持本体部32bの最先端は、漸次先細りするようになっている。
また、支持本体部32bには、表面32Aから裏面32Bにわたって軸線Aに沿って貫通する貫通孔32cが形成されている。貫通孔32cの内壁には、不図示の雌ネジ部が形成されている。この貫通孔32cに、表面32Aから裏面32Bに向けて、ネジNが締められるようになっている。そして、ネジNが不図示の雌ネジ部を介して貫通孔32cを貫通すると、ネジNの先端が裏面32Bから軸線A方向に沿って突出するようになっている。
また、裏面32Bのうち、幅方向Waの中央であって、基端部32eから先端部32fにわたって延びる矩形突出部32g(突出部)が設けられている。矩形突出部32gは、裏面32Bに対して矩形状に突出している。そして、矩形突出部32gの裏面32Bに対する突出寸法は、基端部32eから先端部32fにいくにしたがって漸次小さくなっている。
さらに、先端部32fの裏面32Bには、幅方向Waに延びる不図示の凹部が設けられている。そして、この凹部内において幅方向Waに延びる回転軸部32dが設けられている。
【0020】
また、回転軸部32dには、保持部33が回転可能に連結されている。
保持部33は、回転軸部32dの径方向外方に向かって延ばされた板状の保持延在部33a(延在部)を備えている。保持延在部33aは、その基端部33fから先端部33gにわたって、表面33Aの側(支持本体部32bの側)に凸に湾曲している。さらに、保持延在部33aは、その幅方向Wbの全長にわたっても、表面33Aの側に凸に湾曲している。なお、幅方向Wbは、回転軸部32dの軸線G方向をいうものであり、軸線A方向と支持基板部32aの延びる径方向Eとに直交する方向をいう。
【0021】
また、先端部33gの幅寸法W4は、基端部33fの幅寸法W5よりも小さくなっている。さらに、保持延在部33aの最基端は、漸次先細りするようになっている。
また、表面33Aには、保持延在部33aの基端部33fから先端縁部33hにわたって延びる長溝33dが形成されている。長溝33dは、幅方向Wbの中央において、基端部33fから先端縁部33hにわたって矩形状に没入している。そして、長溝33dの深さ寸法は、基端部33fから先端縁部33hにいくにしたがって漸次大きくなっている。
保持延在部33aの先端部33gは、長溝33dを挟んで幅方向Wbに設けられた一対の保持先端部33eとされている。保持先端部33eは、矩形状に形成されている。保持先端部33eの裏面33Bには、基端部33f側に折り返された爪部33cがそれぞれ設けられている。
また、基端部33fの最基端には、円筒状の回転連結部33bが設けられている。回転連結部33bは、基端部33fのうち、表面33A上にオフセットして設けられている。この回転連結部33bの軸線は、幅方向Wbに向けられており、回転連結部33bの幅寸法W6は、幅寸法W5よりも小さくなっている。
【0022】
このような構成のもと、回転連結部33bが回転軸部32dに嵌められることにより、図4に示すように、支持本体部32bの裏面32B側において、軸線Gを回転中心として、保持部33が、裏面32Bに接近・離隔する方向に、回転するようになっている。すなわち、保持部33は、裏面32B側において支持本体部32bに対して開閉可能に連結されている。なお、回転軸部32dには、不図示のバネが設けられており、保持部33は、裏面32B側に接近する方向に付勢されている。そして、保持部33が支持本体部32bに対して閉じられると、矩形突出部32gが長溝33dに嵌められて、裏面32Bに沿って表面33Aが配された状態で、保持部33が裏面32B側に収容されるようになっている。
【0023】
図6及び図7は、補助保持部4を示すものである。
補助保持部4は、円環状に形成された補助連結部41と、この補助連結部41から延ばされた補助支持部42とを備えている。
補助連結部41の一方の縁部には、周方向の全長にわたって連続した山状のノコギリ歯41aが形成されている。このノコギリ歯41aは、主保持部3のノコギリ歯31b(図2に示す)と相補形状をなしており、互いに同心状に配されて周方向の全長にわたって凹凸嵌合するようになっている。そして、環状連結部31に対して軸線A周りに補助連結部41を回転させても、ノコギリ歯41aとノコギリ歯31bとを凹凸嵌合させることができ、周方向のいずれの位置においても補助連結部41の回転位置が規制されるようになっている。すなわち、ノコギリ歯41aとノコギリ歯31bとの凹凸嵌合を周方向にずらすことにより、環状連結部31cに対する補助連結部41の回転位置を段階的に変更して、補助連結部41を環状連結部31に固定することができるようになっている。
【0024】
補助支持部42は、補助連結部41から固定的に延ばされている。
この補助支持部42は、補助連結部41から一体に延ばされた板状の補助基板部42aと、この補助基板部42aから一体に延ばされた板状の補助本体部42bとを備えている。
補助基板部42aは、補助連結部41から径方向Eの外方に延ばされて、矩形板状に形成されている。また、補助基板部42aは、補助連結部41の接線方向Sのうち、後述する鉤爪部42hの側にオフセットして設けられている。すなわち、接線方向Sにおける補助基板部42aの中心点K1を通り、かつ補助基板部42aの延在方向に向けられた補助基板部42aの仮想中心線Kが、軸線Aを通る径方向仮想線Eaに対して、接線方向Sの鉤爪部42hの側に平行にずらされている。
【0025】
径方向Eにおける補助基板部42aの先端から、補助本体部42bが延ばされている。
これら補助基板部42aと補助本体部42bとは、緩やかなR状をなして、一体に連結されている。
補助本体部42bは、補助基板部42aの先端から、軸線A方向の一領域Edにわたって傾斜して延ばされている。すなわち、補助本体部42bの基端部42fから先端部42gにいくにしたがって、軸線Aからの距離寸法が漸次大きくなるように、補助本体部42bが軸線Aに対して角θ2をなして傾斜している。
また、補助本体部42bは、その幅方向Wcの全長にわたって、表面42Aの側に凸に湾曲している。なお、幅方向Wcは、基端部42fから先端部42gに延びる方向に直交する方向のうち、表面42Aの延在する方向をいう。また、幅方向Wcは、軸線A方向に直交しており、補助基板部42aの延びる径方向Eに交差している。すなわち、幅方向Wcは、補助基板部42aの延びる径方向Eに対して、鉤爪部42hの側が軸線Aに近づくように角θ3をなして交差している。角θ3は、90°より小さくなっている。つまり、補助本体部42bは、幅方向Wcの一端において、補助基板部42aと連結され、幅方向Wcの他端に、鉤爪部42hが設けられており、鉤爪部42hの先端部と軸線Aとの距離寸法が、幅方向Wcの一端と軸線Aとの距離寸法よりも小さくなっている。換言すれば、補助本体部42bは、軸線A方向から見て、幅方向Wcの他端が、その一端よりも補助連結部41に近づくように捻られている。
【0026】
鉤爪部42hは、補助基板部42aの基端部42fから先端部42gに延びる方向において複数に分離されている。すなわち、鉤爪部42hは、幅方向Wcの一端から他端に向けて複数突出している。
また、鉤爪部42hは、複数のアーム部42dと、これらアーム部42dの先端において、裏面42B側に折り返された補助爪部42cとを備えている。
アーム部42dは、表面42A側に凸に湾曲している。そして、アーム部42dの先端部には、基端部42fから先端部42gに延びる方向に貫通する貫通孔42eが形成されている。これにより、最上部の貫通孔42eから最下部の貫通孔42eにわたって、不図示の針金が通されるようになっている。
【0027】
次いで、骨接合補強具1及び骨保持具5の利用方法について説明する。
ここでは、例えば、大腿部頸部骨折の治療について説明する。
まず、図2に示すように、挿入部21bを筒状本体部21の内部に挿入し、環状固定部21cを締める。そして、環状固定部21cに主保持部3を連結する。すなわち、ノコギリ歯31aをノコギリ歯211cに凹凸嵌合させる。このとき、支持部32が貫通孔21aの向けられた方向に配されるように環状連結部31の軸線A周りの回転位置を調整する。また、このとき、保持部33が支持本体部32bの裏面32B側に収容されている。
さらに、主保持部3に補助保持部4を連結する。すなわち、ノコギリ歯41aをノコギリ歯31bに凹凸嵌合させる。これにより、環状固定部21c、環状連結部31及び補助連結部41が軸線Aを中心として同心状に配される。そして、補助支持部42が貫通孔21aの向けられた方向に交差する方向に配されるように補助連結部41の軸線A周りの回転位置を調整する。
【0028】
この状態から、図8に示すように、大腿部上方の側方の皮膚を切開し、骨幹部Bsの上方から、筒状本体部21をねじ込んでいく。そして、筒状本体部21の基端部が骨幹部Bsの上方から突出した状態になるまでねじ込む。このとき、保持部33は、大転子部Buには接触していない。
さらに、皮膚の側方から骨頭部Bfに向けて斜め上方にスクリュー部22をねじ込んでいく。すなわち、貫通孔21aを通してスクリュー部22をねじ込み、雄ネジ部23が骨頭部Bf内の所定の位置に配されるまで送り込む。この状態から、環状固定部21cを締めていくと、挿入部21bが筒状本体部21の内部において先端に向けて移動していく。そして、挿入部21bの先端がスクリュー部22の外壁に当接し、スクリュー部22が筒状本体部21に固定される。これにより、骨頭部Bfと骨幹部Bsとの接合が補強される。
【0029】
さらに、大転子部Buの頂部Bu1の近傍のうち、接合を補強したい位置に支持本体部32bが配されるように、環状連結部31を軸線A周りに回転させ、その回転位置を調整する。
そして、貫通孔32cにネジNを締めていく。ネジNは、貫通孔32cを貫通し、支持本体部32bの裏面32Bから突出していく。そして、ネジNの先端が保持部33の表面33Aに当接し、保持部33を軸線A方向の下方に押し込んでいく。これにより、保持部33が軸線Gを中心として裏面32Bに対して離隔する方向に回転していく。すなわち、図9に示すように、保持部33が、裏面32Bに対して開いていく。さらに、ネジNを締めていくと、保持部33が開いていき、爪部33cが筋肉を介して大転子部Buの頂部Bu1の近傍に当接して、当該頂部Bu1の近傍を押圧していく。そして、ネジNの締め付けを止めると、爪部33cが頂部Bu1の近傍を押圧した状態で、保持部33が固定される。これにより、頂部Bu1の近傍の接合が補強される。
【0030】
さらに、図10に示すように、大転子部Buの正面部のうち、接合を補強したい補強位置Bu2よりも骨頭部Bf側に補助本体部42bが配されるように、補助連結部41を軸線A周りに回転させ、その回転位置を調整する。
そして、補助本体部42bが骨頭部Bfから離れる方向に、補助連結部41を軸線A周りに回転させていく。すると、補助爪部42cが筋肉を介して補強位置Bu2の近傍に当接する。さらに、同方向に補助連結部41を軸線A周りに回転させていくと、図11に示すように、補助爪部42cが筋肉を引っ張りながら補助本体部42bが補強位置Bu2に配される。そして、補助連結部41の回転を止めると、ノコギリ歯41aとノコギリ歯31bとの凹凸嵌合により、その位置で回転が規制され、補助本体部42bが固定される。これにより、補強位置Bu2の接合が補強される。なお、必要に応じて、複数の貫通孔42eにわたって不図示のワイヤを通して、当該ワイヤを骨幹部Bs等に巻き付けて補助連結部41を補強位置Bu2に固定してもよい。
【0031】
以上より、本実施形態における骨接合補強具1及び骨保持具5によれば、本体補強具2に連結された状態で保持部33が大転子部Buの頂部Bu1の近傍を保持することができることから、骨頭部Bfと骨幹部Bsとの接合だけでなく、頂部Bu1の接合も併せて補強することができる。
そのため、骨折した複数部位の接合を容易に補強することができる。
また、支持部32が環状連結部31に固定して設けられ、かつ保持部33が支持部32の裏面32B側に回転することから、皮膚の切開を小さくしつつ骨接合補強具1を骨幹部Bsに容易に固定することができるだけでなく、支持部32の支持力をさらに補強することができる。
【0032】
また、支持本体部32bの先端部32fに回転軸部32dが設けられ、かつ保持延在部33aが設けられていることから、保持延在部33aの裏面32Bの全面にわたって骨を保持することができる。また、保持延在部33aの先端部33gに爪部33cが設けられていることから、筋肉を介して骨を保持することができる。
また、保持延在部33aに長溝33dが設けられていることから、保持延在部33aの剛性をアップさせることができ、長期にわたって骨の接合を補強することができる。
また、支持本体部32bに矩形突出部32gが設けられていることから、支持本体部32bの剛性をアップさせることができるだけでなく、矩形突出部32gを長溝33dに嵌合させることにより、保持部33を支持本体部32bの裏面32B側に収容することができ、スペースを小さくすることができる。
また、支持本体部32bが角θ1をなして傾斜していることから、支持部32のスペースを小さくすることができる。
【0033】
また、保持延在部33aの先端部33gに、保持先端部33eが設けられ、これら保持先端部33eにそれぞれ爪部33cが設けられていることから、爪部33cの筋肉に対する接触を局所的にすることができ、骨接合の補強力を増大させることができる。
また、支持本体部32bが基端部32eから先端部32fにわたって外方に湾曲していることから、支持本体部32bの剛性をアップさせることができる。さらに、支持本体部32bが幅方向Waにわたって外方に湾曲していることから、剛性をさらにアップさせることができる。
また、保持延在部33aが基端部33fから先端部33gにわたって外方に湾曲していることから、保持延在部33aの剛性をアップさせることができる。さらに、保持延在部33aが幅方向Wbにわたって外方に湾曲していることから、剛性をさらにアップさせることができる。
また、補助本体部42bが幅方向Wcにわたって外方に湾曲していることから、補助本体部42bの剛性をアップさせることができる。
【0034】
また、支持本体部32bの基端部32eの幅寸法W1が、先端部32fの幅寸法W2よりも小さくなっていることから、支持本体部32bの先端部32fの剛性をアップさせることができる。さらに、支持本体部32bの先端が先細りになっていることから、骨接合補強具1を体内に入れやすくすることができる。
また、回転軸部32dが裏面32B側に設けられており、回転連結部33bが表面32Aにオフセットして設けられていることから、保持部33を裏面32B側においてコンパクトに収容することができる。
また、保持延在部33aの先端部33gの幅寸法W4が、基端部33fの幅寸法W5よりも小さくなっていることから、基端部33fの剛性をアップさせることができる。さらに、回転連結部33bの幅寸法W6が幅寸法W5よりも小さくなっていることから、回転軸部32dとの接触面積を小さくすることができ、保持延在部33aを回転しやすくすることができる。
また、長溝33dの深さ寸法が、基端部33fから先端縁部33hにかけて漸次大きくなっており、矩形突出部32gの裏面32Bに対する突出寸法が、基端部32eから先端部32fにかけて漸次小さくなっていることから、保持部33を支持本体部32bの裏面32B側にコンパクトに収容することができる。
【0035】
また、補助保持部4が設けられていることから、さらに複数部位の接合を補強することができる。
また、ノコギリ歯211c,31a,31b,41aが凹凸嵌合することから、環状連結部31及び補助連結部41の軸線A周りの回転位置を段階的に容易に変更することができ、支持部32及び補助支持部42の配置を状況に応じて容易に調整することができる。
また、鉤爪部42hが、補助基板部42aの基端部42fから先端部42gに延びる方向において複数に分離されていることから、鉤爪部42hの筋肉に対する接触を局所的にして、骨接合の補強力を増大させることができるだけでなく、X線照射画像において補助支持部42を目視確認しやすくすることができる。
【0036】
また、補助本体部42bが補助基板部42aに固定されていることから、骨接合の補強力を増大させることができる。
また、図6に示すように、補助基板部42aが、接線方向Sのうち鉤爪部42hの側にオフセットされていることから、補助本体部42bの剛性をアップさせることができる。すなわち、補助爪部42cが筋肉を効果的に巻き込むようにするためには、補助本体部42bの幅方向Wcにおける所定の幅寸法を必要とするが、補助基板部42aが、鉤爪部42hの側の接線方向Sにオフセットされていることから、補助爪部42cが筋肉を効果的に巻き込むようにしつつ、補助本体部42bの幅寸法を小さくすることができる。
また、補助本体部42bが、軸線A方向から見て、幅方向Wcの他端が一端よりも補助連結部41に近づくように捻られていることから、筋肉を巻き込んだ状態で骨接合の補強力を増大させることができる。
【0037】
また、補助本体部42bが角θ2をなして傾斜していることから、補助支持部42のスペースを小さくすることができる。
また、補助本体部42bが幅方向Wcの全長にわたって、表面42Aの側に凸に湾曲していることから、補助本体部42bの剛性をアップさせることができる。
【0038】
なお、本発明の技術範囲は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることが可能である。
例えば、回転軸部32dを支持部32の先端部32fに設けるとしたが、これに限ることはなく、その設置位置は適宜変更可能である。例えば、基端部32eや支持部32の中央に設けてもよい。
また、回転連結部33bを保持部33の最基端に設けるとしたが、これに限ることはなく、その設置位置は適宜変更可能である。例えば、基端部33f保持部33の中央に設けてもよい。
また、爪部33cを設けるとしたが、これに限ることはなく、爪部33cを設けなくてもよい。
また、長溝33dを設けるとしたが、これに限ることはなく、長溝33dを設けなくてもよい。
また、矩形突出部32gを設けるとしたが、これに限ることはなく、矩形突出部32gを設けなくてもよい。
【0039】
また、保持先端部33eを設けるとしたが、これに限ることはなく、保持先端部33eを設けなくてもよい。
また、支持本体部32bが基端部32eから先端部32fにわたって湾曲しているとしたが、これに限ることはなく、その形状は適宜変更可能である。
また、支持本体部32bが、幅方向Waにわたって湾曲しているとしたが、これに限ることはなく、その形状は適宜変更可能である。
また、保持延在部33aが基端部33fから先端部33gにわたって湾曲しているとしたが、これに限ることはなく、その形状は適宜変更可能である。
また、保持延在部33aが幅方向Wbにわたって湾曲しているとしたが、これに限ることはなく、その形状は適宜変更可能である。
【0040】
また、保持延在部33aの幅寸法W4が幅寸法W5よりも小さいとしたが、これに限ることはなく、その形状は適宜変更可能である。
また、支持本体部32bの幅寸法W1が幅寸法W2よりも小さいとしたが、これに限ることはなく、その形状は適宜変更可能である。
また、補助保持部4を設けるとしたが、これに限ることはなく、補助保持部4を設けなくてもよい。
また、ノコギリ歯211c,31a,31b,41aを設けるとしたが、これに限ることはなく、これらノコギリ歯211c,31a,31b,41aを設けなくてもよい。
また、鉤爪部42hを設けるとしたが、これに限ることはなく、鉤爪部42hを設けなくてもよい。
【0041】
また、補助基板部42aが、接線方向Sのうち、鉤爪部42hの側にオフセットしているとしたが、これに限ることはなく、その設置位置は適宜変更可能である。例えば、補助基板部42aが、仮想中心線Kと径方向仮想線Eaとが一致する位置に設けられていてもよい。
また、支持部32が、角θ1をなして傾斜しているとしたが、これに限ることはなく、この角θ1は、適宜変更可能である。例えば、角θ1を90°にしてもよい。
また、補助支持部42が角θ2をなして傾斜しているとしたが、これに限ることはなく、この角θ2は、適宜変更可能である。例えば、角θ2を90°にしてもよい。
また、補助本体部42bが径方向仮想線Eaに対して角θ3をなしているとしたが、これに限ることはなく、この角θ3は、適宜変更可能である。例えば、角θ3を90°にしてもよい。
【0042】
また、鉤爪部42hが複数設けられているとしたが、これに限ることはなく、一つであってもよい。
また、環状連結部31と支持部32とを一体として固定しているが、これに限ることはなく、その構造は適宜変更可能である。例えば、環状連結部31と支持部32とを固定的に連結してもよいし、支持部32を環状連結部31に対して可動するようにしてもよい。
また、補助連結部41と補助支持部42とを一体として固定しているが、これに限ることはなく、その構造は適宜変更可能である。例えば、補助連結部41と補助支持部42とを固定的に連結してもよいし、補助支持部42を補助連結部41に対して可動するようにしてもよい。
【0043】
また、回転軸部32dにバネが設けられているとしたが、これに限ることはなく、当該バネを設けなくてもよい。すなわち、保持部33が付勢されず解放されていてもよい。
また、環状固定部21c、環状連結部31及び補助連結部41が円環状に形成されているとしたが、これに限ることはなく、その形状は適宜変更可能である。例えば、三角形状、四角形状などの多角形状であってもよいし、他の形状でもよい。
【0044】
さらに、以下の付記を開示する。
(付記1)
本発明は、骨折した骨の接合を補強する本体補強具に連結されて、前記骨を保持する骨保持具であって、前記本体補強具に連結される環状の連結部と、前記連結部から該連結部の軸線方向の領域にわたって固定的に延ばされた支持部と、前記支持部に対して回転可能に設けられて前記骨を保持する保持部とを備えるものである。
【0045】
この発明によれば、本体補強具に加えて、保持部によっても骨を保持することができる。
また、支持部が連結部に固定して設けられ、かつ保持部が支持部に対して回転することから、皮膚の切開を小さくしつつ骨接合補強具を骨に容易に固定することができるだけでなく、支持部の支持力をさらに補強することができる。
【0046】
(付記2)
また、前記支持部の先端部に回転軸部が設けられており、前記保持部が、前記回転軸部に回転可能に連結された回転連結部と、前記回転連結部から前記支持部の基端部側に向かって前記支持部に沿って延ばされた延在部と、前記延在部の先端部から前記支持部と反対側に突出する爪部とを備えていてもよい。
【0047】
この発明によれば、延在部にわたって骨を保持することができる。また、爪部により筋肉を介して骨を効果的に保持することができる。
【0048】
(付記3)
また、前記延在部のうち、前記支持部に対向する側に、前記延在部の基端部から先端部にわたって延びる長溝が設けられていてもよい。
【0049】
この発明によれば、延在部の剛性をアップさせることができ、長期にわたって骨の接合を補強することができる。
【0050】
(付記4)
また、前記支持部のうち、前記延在部に対向する側に、前記回転軸部から前記連結部に向かって延び、前記長溝に嵌合される突出部が設けられていてもよい。
【0051】
この発明によれば、支持部の剛性をアップさせることができるだけでなく、突出部を長溝に嵌合させることにより、支持部に対して保持部をコンパクトに閉じることができる。
【0052】
(付記5)
また、前記保持部の先端部が、前記回転軸部の軸線方向において前記長溝を挟んで設けられた一対の保持先端部とされており、前記保持先端部に、前記爪部が設けられていてもよい。
【0053】
この発明によれば、爪部の筋肉に対する接触を局所的にすることができ、骨接合の補強力を増大させることができる。
【0054】
(付記6)
また、前記支持部が、前記連結部から前記回転軸部にかけて外方に湾曲しており、前記保持部が、前記回転連結部から前記延在部の先端にかけて外方に湾曲していてもよい。
【0055】
この発明によれば、支持部及び保持部の剛性をアップさせることができる。
【0056】
(付記7)
また、前記延在部の基端部の幅寸法が、前記延在部の先端部の幅寸法より大きくなっていてもよい。
【0057】
この発明によれば、延在部の基端部の剛性をアップさせることができる。
【0058】
(付記8)
また、前記回転軸部が、前記支持部の先端部のうち、前記連結部の軸線側に設けられており、前記回転連結部が、前記回転軸部の側にオフセットして設けられていてもよい。
【0059】
この発明によれば、支持部に対して保持部をコンパクトに閉じることができる。
【0060】
(付記9)
また、前記支持部の基端部の幅寸法が、前記支持部の先端部の幅寸法より小さくなっていてもよい。
【0061】
この発明によれば、支持部の先端部の剛性をアップさせることができる。
【0062】
(付記10)
また、前記本体補強具に連結されて、前記保持部が保持する骨の部位と別の部位を保持する補助保持部を備えていてもよい。
【0063】
この発明によれば、さらに複数部位の接合を補強することができる。
【0064】
(付記11)
また、前記補助保持部は、前記連結部と同心状に配置されて前記本体補強具に連結される環状の補助連結部と、前記補助連結部から該補助連結部の軸線方向の領域にわたって固定的に延ばされた補助支持部とを備えており、前記補助連結部が、該補助連結部の軸線回りの回転位置を段階的に変更可能な位置調整部を備え、前記補助支持部が、該補助支持部が延ばされた方向において複数に分離された鉤爪部を備えていてもよい。
【0065】
この発明によれば、複数部位の接合をより効果的に補強することができる。
【0066】
(付記12)
また、付記1から付記11のいずれか一つに記載の骨保持具と、前記本体補強具とを備えていてもよい。
【0067】
この発明によれば、付記1から付記11のいずれか一つに記載の骨保持具と同様の効果を奏することができるだけでなく、本体補強具と併せて複数部位の接合を補強することができる。
【符号の説明】
【0068】
1 骨接合補強具
2 本体補強具
3 主保持部
31 環状連結部(連結部)
32 支持部
32d 回転軸部
32g 矩形突出部(突出部)
33 保持部
33a 保持延在部(延在部)
33b 回転連結部
33c 爪部
33d 長溝
33e 保持先端部
4 補助保持部
41 補助連結部
41a 位置調整部
42 補助支持部
42h 鉤爪部
5 骨保持具
A 軸線

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11