【解決手段】車両に搭載されるナビゲーション装置2であって、外部装置と通信するI/F部24と、情報を報知するタッチパネル23と、車両の走行に関する警告を報知する事象が発生した場合に、タッチパネル23により警告を示す警告情報を報知し、警告情報の報知に対する操作が行われない場合に、I/F部24により車両の同乗者の端末装置に対して警告情報を送信する制御部21と、を備える。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る情報処理システム100の構成を示す図である。
図1に示すように、情報処理システム100は、車両1に搭載されるナビゲーション装置2(車載装置)と、車両1の運転手が所有する携帯端末5と、車両1の同乗者でない者が所有する携帯端末6と、車両1の運転手以外の同乗者が所有する携帯端末7と、を備える。携帯端末5〜7は、電話網等により構成されたネットワークNに接続される。
【0009】
ネットワークNには、制御サーバ4(情報処理装置)が接続する。制御サーバ4は、ナビゲーション装置2、及び、携帯端末5〜7と通信し、ナビゲーション装置2と携帯端末5〜7との間で所定の情報を送受信するための送受信システムを提供するサーバである。
【0010】
携帯端末5〜7は、携帯型の端末であり、例えばスマートフォンやタブレット型端末等である。携帯端末5〜7のそれぞれには、制御サーバ4が提供する送受信システムを利用するためのアプリケーション(以下、「専用アプリ」と表現する)がインストールされる。
【0011】
ナビゲーション装置2は、運転手及び運転手以外の同乗者の操作に従って、地図の表示や、目的地まで経路探索、経路案内等の機能を実行する装置である。ナビゲーション装置2は、後述する表示パネル33aを備え、表示パネル33aに各種情報を表示する。また、ナビゲーション装置2は、制御サーバ4が提供する送受信システムを利用するためのソフトウェア(以下、「専用ソフト」と表現する)が事前にインストールされる。ナビゲーション装置2には、TCU(Telematics Control Unit)3が接続する。TCU3は、ネットワークNを通じて制御サーバ4と通信する車載通信ユニットである。ナビゲーション装置2は、TCU3によって制御サーバ4と通信する。
【0012】
本実施形態において、車両1は、走行モードとして、車両1の運転手が運転に関する操作を行うことにより車両1を走行させる手動運転と、運転手が運転に関する操作を行うことなく後述する自動運転制御システム101により車両1を自動的に走行させる自動運転と、を有する。手動運転から自動運転、若しくは、自動運転から手動運転の走行モードの切り替えは、例えば、走行モードを切り替えるためのボタンが設けられ、当該ボタンの操作により行われる。
【0013】
図2は、ナビゲーション装置2を備える自動運転制御システム101の構成を示す図である。
【0014】
自動運転制御システム101は、車両1に搭載され、車両1の自動運転を目的とするシステムである。
【0015】
図2に示すように、自動運転制御システム101は、ナビゲーション装置2と、自動運転実行装置8、エンジンECU(Electronic Control Unit)10と、トランスミッションECU11と、ブレーキECU12と、ステアリングECU13と、を備える。これら各部は、バス9を介して通信可能に相互に接続される。
【0016】
ナビゲーション装置2は、詳細は後述するが、自動運転実行装置8に制御データを送信して自動運転実行装置8を制御することによって、自動運転を制御する。
【0017】
自動運転実行装置8は、ナビゲーション装置2から入力された制御データに基づいて各ECUに制御信号を送信して各ECUを制御することによって、自動運転を実行する。
【0018】
エンジンECU10は、エンジンの吸気管に設けられた電子スロットルバルブを開閉するスロットルアクチュエータ10aに接続している。エンジンECU10は、自動運転実行装置8から受信した制御信号に基づいて、スロットルアクチュエータ10aを制御して、エンジン回転数が目標回転数となるように電子スロットバルブの開閉度を調整する。
【0019】
トランスミッションECU11は、変速機に供給される作動油の油圧を調整する油圧制御装置11aに接続している。トランスミッションECU11は、自動運転実行装置8から受信した制御信号に基づいて、油圧制御装置11aを制御し、変速機に供給される作動油の油圧を調整し、変速機の変速比を切り替え、エンジンから伝達される回転数やトルクを変化させる。
【0020】
ブレーキECU12は、ブレーキ装置12aに接続している。ブレーキECU12は、自動運転実行装置8から受信した制御信号に基づいて、車両1の各車輪に設けられたブレーキ装置12aを制御し、車両1の制動を行う。
【0021】
ステアリングECU13は、ステアリング装置13aに接続している。ステアリングECU13は、自動運転実行装置8から受信した制御信号に基づいて、車両1に設けられたステアリング装置13aを制御し、車両1の操舵を行う。
【0022】
自動運転実行装置8は、ナビゲーション装置2から受信した制御データに基づいて、各ECUを制御し、車両1の発進/停止の制御、車両1の加減速の制報、車両1の変速の制御、車両1の操舵の制御、その他の制御を行って、自動運転を実行する。
【0023】
図3は、本実施形態に係る情報処理システム100の機能ブロック図である。
【0024】
図3に示すように、ナビゲーション装置2は、制御部21と、記憶部22と、タッチパネル23(報知部)と、I/F部24(通信部)と、GPS受信部25と、相対方位検出部26と、路車間通信部27と、車車間通信部28と、レーダ装置29と、車速センサ30と、ヨーレートセンサ31と、ブレーキセンサ32と、操舵角センサ33と、カメラ34と、バストランシーバ35とを備える。
【0025】
制御部21は、CPUや、ROM、RAM、その他の制御回路等を備え、ナビゲーション装置2の各部を制御する。
【0026】
記憶部22は、ハードディスクや、EEPROM等の不揮発性メモリーを備え、データを書き換え可能に記憶する。また、記憶部22は、専用ソフトSFのほか、地図データ22aを記憶している。地図データ22aは、交差点やその他の道路網上の結線点を示すノードに関する情報や、ノードとノードとの道路区間を示すリンクに関する情報、地図上の行政区画や、道路、施設、交差点等の名称に関する情報等、を有する。
【0027】
タッチパネル23は、表示パネル23aと、タッチセンサ23bとを備える。表示パネル23aは、液晶ディスプレイやEL(Electro Luminescent)ディスプレイ等のパネルを有し、制御部21の制御の下、各種情報を表示する。タッチセンサ23bは、表示パネル23aに重ねて配置され、ユーザのタッチ操作を検出し、制御部21に出力する。
【0028】
I/F部24は、TCU3に接続されるインターフェースである。制御部21は、I/F部24を通じてTCU3を介し、ネットワークNに接続する制御サーバ4と通信する。
【0029】
GPS受信部25は、GPSアンテナ25aを介してGPS衛星からのGPS電波を受信し、GPS電波に重畳されたGPS信号から、車両1の現在位置を示す位置座標と進行方向とを演算により取得する。GPS受信部25は、取得結果を制御部21に出力する。
【0030】
相対方位検出部26は、ジャイロセンサと、加速度センサとを備える。ジャイロセンサは、例えば振動ジャイロにより構成され、車両1の相対的な方位(例えば、ヨー軸方向の旋回量)を検出する。加速度センサは、車両1に作用する加速度(例えば、進行方向に対する車両1の傾き)を検出する。相対方位検出部26は、検出結果を制御部21に出力する。
【0031】
路車間通信部27は、交差点等の路側に設置された路側機から、光ビーコンや、電波ビーコン、DSRC(Dedicated Short Range Communications)などの狭帯域無線通信によって送信される情報を受信する。路側機から路車間通信部27に送信される情報には、例えば、渋滞情報等を含む道路情報や、歩行者の情報等が含まれる。路車間通信部27は、受信した情報を制御部21に出力する。
【0032】
車車間通信部28は、車両1の周辺に位置する周辺車両との間で車両情報を無線通信によって相互に伝達する。車両情報には、例えば車両1、及び、周辺車両を識別する識別情報や、車両1、及び、周辺車両の位置情報や、車両1、及び、周辺車両の速度や、車両1、及び、周辺車両の進行方向等の情報が含まれる。車車間通信部28は、受信した車両情報を制御部21に出力する。
【0033】
レーダ装置29は、例えば、ミリ波レーダ、レーザーレーダ等の電波や、超音波レーダ等の音波を自車両前方の所定範囲に照射する。レーダ装置29は、所定範囲内に存在する対象物(例えば、先行車両)により反射された反射波を受信することで、車両1の前方を走行する対象物の情報を検出する。ここで検出される情報には、例えば、先行車両の有無情報や、先行車両までの距離(車間距離)、角度(相対位置)、速度(相対速度)、加速度等の情報が含まれる。レーダ装置29は、検出した情報を制御部21に出力する。
【0034】
車速センサ30は、車両1の車速を検出して、検出した車速を表す検出信号を制御部21に出力する。
【0035】
ヨーレートセンサ31は、車両1にかかるヨーレートを検出し、検出したヨーレートを表す検出信号を制御部21に出力する。
【0036】
ブレーキセンサ32は、ブレーキペダルに対する運転者の操作量(踏み込み量や、角度、圧力等)を検出して、検出した操作量を表す検出信号を制御部21に出力する。
【0037】
操舵角センサ33は、ステアリングの操舵角を検出して、検出した操舵角を表す検出信号を制御部21に出力する。
【0038】
カメラ34は、複数の撮影装置を備え、車両1の前後左右方向を撮影する。カメラ34は、制御部21の制御に従って、所定の周期(例えば、100msごと)で撮影を実行し、撮影結果に基づいて撮影画像データを生成し、制御部21に出力する。
【0039】
バストランシーバ35は、
図2に示すバス9に接続している。バストランシーバ35は、バス間のインターフェース用IC(Integrated Circuit)である。バストランシーバ35は、制御部21が生成した制御データを、バス9を介して送信するとともに、他のECUから送信されたデータを、バス9を介して受信し、制御部21に出力する。
【0040】
制御部21は、GPS受信部25から入力された位置座標と進行方向を示す情報、相対方位検出部26から入力された車両1の相対的な方位情報、記憶部22に記憶された地図データ22aに含まれる情報、車速センサ30から入力された車速を示す検出信号、操舵角センサ33から入力された操舵角を表す検出信号、ブレーキセンサ32ら入力されたブレーキの操作量を表す検出信号、ヨーレートセンサ31から入力されたヨーレートを表す検出信号に基づいて、車両1の現在位置を特定する。例えば、制御部21は、相対方位検出部26等の各種センサから入力される情報、及び、地図データ22aに含まれる情報に基づいて、随時、車両1の移動速度や、移動方向等を推定し、GPS受信部25からの入力に基づいて算出される車両1の現在位置を、推定した移動速度や、移動方向等に基づいて補正して現在位置を特定する。なお、制御部21は、GPS信号と併せて、GLONASS、Galileo、Beidou、QZSS(みちびき)などの測位衛星システムの信号を利用して、車両1の現在位置を特定する構成であってもよい。
【0041】
また、制御部21は、自動運転で走行する経路(以下、「自動運転経路」という。)を自動運転で走行している間、制御データを生成して自動運転実行装置8に出力し、自動運転実行装置8に自動運転を実行させる。制御データには、車両1の発進/停止の制御に関する制御情報、車両1の加減速の制御に関する制御情報、車両1の変速の制御に関する制御情報、車両1の操舵の制御に関する制御情報等の、車両1の自動走行の制御に関する制御情報が含まれる。
【0042】
制御部21は、自動運転経路を走行中、自動運転経路を走行するときの目標走行パターン、及び、目標速度パターンを生成する。次いで、制御部21は、生成した目標走行パターン、及び、目標速度パターンに従って車両1が走行するように自動運転を制御する制御データを生成する。目標走行パターンとは、自動運転経路を所定の条件に基づいて区切った各区間における、例えば発進や、停止、操舵等の車両1の走行に関する制御の情報である。また、目標速度パターンとは、所定の条件に基づいて自動運転経路を区切った各区間における車両1の速度の目標値を示す情報である。すなわち、制御部21は、目標走行パターンに従って走行するように車両1を発進/停止、操舵させ、また、目標速度パターンに従った速度となるように車両1を加減速させ、変速させる制御情報を含む制御データを生成する。
【0043】
自動運転経路を自動運転で走行中、制御部21は、以下の処理を行う。
【0044】
制御部21は、車速センサ30、操舵角センサ33、ブレーキセンサ32、及び、ヨーレートセンサ31からの入力に基づいて、車両1の走行状態を検出し、車両1の走行状態に応じて目標走行パターン及び目標速度パターンを修正する。また、制御部21は、車車間通信部28から入力される車両情報に基づいて、車両1の周辺に位置する車両1との関係に応じて、目標走行パターン及び目標速度パターンを修正する。また、制御部21は、路車間通信部27から入力される情報、及び、カメラ34から入力される撮影画像データに基づいて、渋滞の有無や、信号機の状態、歩行者の有無等の車両1の周囲の環境に関する情報を取得し、車両1の周囲の環境に応じて目標走行パターン及び目標速度パターンを修正する。また、制御部21は、レーダ装置29から入力される情報に基づいて、先行する車両との関係に応じて目標走行パターン及び目標速度パターンを修正する。そして、制御部21は、修正後の目標走行パターン及び目標速度パターンに基づいて、制御データを生成する。
【0045】
制御部21は、生成した制御データを、自動運転実行装置8に出力する。自動運転実行装置8は、入力された制御データに基づいて、エンジンECU等の各ECUを制御する。この結果、適宜修正される目標走行パターン、及び、目標速度パターンに従って車両1が自動で走行し、自動運転による自動運転経路の走行が実現される。
【0046】
図3に示すように、携帯端末5は、端末制御部51と、端末記憶部52と、端末タッチパネル53と、端末通信部54とを備える。
【0047】
端末制御部51は、CPUや、ROM、RAM、その他の周辺回路等を備え、携帯端末5の各部を制御する。
【0048】
端末記憶部52は、ハードディスクや、EEPROM等の不揮発性メモリーを備え、データを書き換え可能に記憶する。また、端末記憶部52は、専用アプリSAを記憶する。
【0049】
端末タッチパネル53は、表示パネル53aと、タッチセンサ53bとを備える。表示パネル53aは、液晶ディスプレイやEL(Electro Luminescent)ディスプレイ等のパネルを有し、端末制御部51の制御の下、各種情報を表示パネル53aに表示する。タッチセンサ53bは、表示パネル53aに重ねて配置され、ユーザのタッチ操作を検出し、端末制御部51に出力する。
【0050】
端末通信部54は、端末制御部51の制御の下、所定の通信規格に従って、ネットワークNに接続された機器と通信する。
【0051】
端末GPS受信部55は、GPSアンテナ55aを介してGPS衛星からのGPS電波を受信し、GPS電波に重畳されたGPS信号から、携帯端末5の現在位置を示す位置座標を演算により取得する。端末GPS受信部55は、取得結果を端末制御部51に出力する。
【0052】
携帯端末6及び携帯端末7は、上述した携帯端末5と同じ構成要素を備える。
【0053】
図3に示すように、制御サーバ4は、サーバ制御部41と、サーバ記憶部42と、サーバ通信部43と、を備える。
【0054】
サーバ制御部41は、CPUや、ROM、RAM、その他の周辺回路等を備え、制御サーバ4の各部を制御する。
【0055】
サーバ記憶部42は、ハードディスクや、EEPROM等の不揮発性メモリーを備え、データを書き換え可能に記憶する。また、サーバ記憶部42は、後述するテーブルTを記憶する。
【0056】
サーバ通信部43は、サーバ制御部41の制御の下、所定の通信規格に従って、ネットワークNに接続する機器と通信する。
【0057】
以上の構成の下、ナビゲーション装置2と、携帯端末5〜7とは、携帯端末ごとに以下に示す処理を実行することによって、制御サーバ4を介して所定の情報を送受信することが可能な状態(以下、「送受信可能状態」と表現する)を確立する。ここで、ナビゲーション装置2と運転手が所有する携帯端末5との間において、送受信可能状態を確立するための処理を説明する。
【0058】
前述した通り、ナビゲーション装置2は、制御サーバ4が提供する送受信システムを利用するための専用ソフトSFが事前にインストールされる。また、携帯端末5は、送受信システムを利用するための専用アプリAPが事前にインストールされる。
【0059】
車両1の同乗者が専用ソフトSFを立ち上げると、ナビゲーション装置2は、専用ソフトSFの機能により、制御サーバ4へ、カーID(識別情報)を送信する。カーIDとは、車両1に搭載されるナビゲーション装置2を識別するための識別情報である。制御サーバ4は、受信したカーIDに基づいて、送受信システムを利用するナビゲーション装置2を特定し、制御サーバ4とナビゲーション装置2との間で所定の情報の送受信が行える状態を確立する。
【0060】
一方、運転手が自身の携帯端末5の専用アプリAPを立ち上げると、携帯端末5は、専用アプリAPの機能により、ユーザID、パスワード、及び、カーIDを制御サーバ4に送信する。ユーザIDとは、専用アプリAPを使用するユーザを識別するための識別情報であり、パスワードは、ユーザIDを利用する際に認証を得るための認証情報である。また、携帯端末5が送信するカーIDは、携帯端末5が、制御サーバ4を介して所定の情報を送受信するナビゲーション装置2を識別するための識別情報である。
【0061】
制御サーバ4は、携帯端末5から受信したユーザID、パスワード、及び、カーIDのうち、ユーザIDに基づいて送受信システムを利用する携帯端末を特定する。また、制御サーバ4は、ユーザID、及び、パスワードに基づいて、認証を行う。認証に成功した場合、制御サーバ4は、携帯端末5との間で所定の情報の送受信が行える状態を確立する。
【0062】
携帯端末5との間で通信可能な状態を確立した後、制御サーバ4は、携帯端末5から受信したカーIDと、ナビゲーション装置2から受信したカーIDと照らし合わせ、一致した場合、携帯端末5と、ナビゲーション装置2とを対応付けてサーバ記憶部等に記憶する。以後、制御サーバ4は、ナビゲーション装置2からデータを受信した場合、データを受信したナビゲーション装置2のカーIDに対応付くユーザIDの携帯端末5を、受信したデータや、受信したデータに基づくデータを送信する対象の携帯端末5とする。つまり、制御サーバ4は、ナビゲーション装置2からデータを受信した場合、受信したデータや、受信したデータに基づくデータを、携帯端末5に送信する。一方、制御サーバ4は、携帯端末5からデータを受信した場合、受信したデータや、受信したデータに基づくデータをナビゲーション装置2に送信する。
【0063】
ナビゲーション装置2に対し携帯端末5〜7のそれぞれが送受信可能状態を確立するためには、上述した処理を、携帯端末ごとに行う。この場合、制御サーバ4は、ナビゲーション装置2のカーIDに、携帯端末5〜7のそれぞれのユーザIDを対応付けて記憶する。これによって、制御サーバ4は、ナビゲーション装置2からデータを受信した場合、携帯端末5〜7に、受信したデータや、受信したデータに基づくデータを送信する。
【0064】
このように送受信可能状態が確立すると、本実施形態に係る情報処理システム100は、以下に示す動作を実行する。すなわち、情報処理システム100は、例えば自動運転から手動運転に切り替える等の車両1の走行に関する警告を報知する事象が発生した場合に、ナビゲーション装置2により警告を示す警告情報をタッチパネル23に表示することにより報知する。そして、警告情報の報知に対し、警告情報の報知を解除する操作が行われない場合に、情報処理システム100は、ナビゲーション装置2のカーIDに対応付く1又は複数のユーザIDの携帯端末に対し警告情報を送信する。
【0065】
ここで、カーIDに対応付く1又は複数のユーザIDの携帯端末全てに警告情報を送信すると、車両1の同乗者でない携帯端末に送信する場合がある。
図1の場合、ナビゲーション装置2は、携帯端末6に警告情報を送信する場合がある。車両1の同乗者でない携帯端末に送信すると、当該携帯端末が不必要に警告情報を受信することになる。そこで、情報処理システム100は、カーIDに対応付くユーザIDの携帯端末のそれぞれに対し、当該携帯端末が車両1の同乗者の携帯端末であるか否かを判別する。ここで、車両1の同乗者であるか否かを判別する同乗者判別方法として2つ例示する。
【0066】
<第1の同乗者判別方法>
まず、第1の同乗者判別方法について説明する。
【0067】
第1の同乗者判別方法において、予め、ナビゲーション装置2と携帯端末5〜7とが送受信可能状態を確立していることを前提とする。
【0068】
第1の同乗者判別方法は、車両1の運転手がナビゲーション装置2、又は、携帯端末5により制御サーバ4が警告情報を送信する携帯端末を選択し、当該選択に基づいて車両1の同乗者であるか否かを判別する方法である。そのため、ナビゲーション装置2、又は、携帯端末は、警告情報を送信する携帯端末を選択するためのユーザーインターフェースである選択画面を表示する。
【0069】
図4は、選択画面200の一例を示す図である。
図4(A)は、ナビゲーション装置2が表示する選択画面200の一例を示し、
図4(B)は、携帯端末5が表示する選択画面201の一例を示す。
【0070】
図4(A)に示す選択画面200は、ナビゲーション装置2にインストールされる専用ソフトSFの機能により表示される。
図4(A)に示すように、選択画面200は、サーバ記憶部42が記憶するナビゲーション装置2のカーIDに対応付くユーザIDと、各ユーザIDに対し、車両1の同乗者の携帯端末である場合にチェックされる選択ボタンとを有する。
図4(A)では、ユーザID91を、携帯端末5の識別情報とし、ユーザID92を携帯端末6の識別情報とし、ユーザID93を、携帯端末7の識別情報とする。また、
図4(A)では、選択ボタンB1を、携帯端末5を車両1の同乗者の携帯端末と選択する場合にチェックされるボタンとし、選択ボタンB2を、携帯端末6を車両1の同乗者の携帯端末と選択する場合にチェックされるボタンとし、選択ボタンB3は、携帯端末7を車両1の同乗者の携帯端末と選択する場合にチェックされるボタンとする。
【0071】
制御部21は、選択ボタンに対し操作が行われ、例えば選択を確定する確定ボタン(不図示)が操作された場合、選択画面200に表示される各ユーザIDについて、選択ボタンのチェックの有無を示す情報を、制御サーバ4に送信する。
【0072】
制御サーバ4は、各ユーザIDにおける選択ボタンのチェックの有無を示す情報を受信すると、受信した当該情報に基づき、警告情報の送信の有無を示す有無情報を生成し、生成した有無情報をサーバ記憶部42が記憶するテーブルTに格納する。
【0073】
図5は、サーバ記憶部42が記憶するテーブルTの一例を示す図である。
【0074】
図5に示すように、サーバ記憶部42が記憶するテーブルTが格納する1件のレコードには、カーIDフィールドF1と、ユーザIDフィールドF2と、送信有無フィールドF3とが対応付く。カーIDフィールドF1は、カーIDを示す情報を格納する。ユーザIDフィールドF2は、ナビゲーション装置2と送受信可能状態を確立した携帯端末のユーザIDを示す情報を格納する。また、送信有無フィールドF3は、有無情報として、警告情報を送信することを示す情報(
図4で「有」と表現)と、警告情報を送信しないことを示す情報(
図4で「無」と表現)と、を格納する。
【0075】
図5では、テーブルTは、レコードR1を携帯端末5のレコードとし、レコードR2を携帯端末6のレコードとし、レコードR3を携帯端末7のレコードとして格納する。
【0076】
制御サーバ4のサーバ制御部41は、選択ボタンのチェックの有無を示す情報を受信した場合、当該受信した情報に基づいて、有無情報を生成しテーブルTの送信有無フィールドF3に格納する。例えば、
図4(A)の場合、選択ボタンB1にチェックが入っているため、サーバ制御部41は、ナビゲーション装置2から、ユーザID91について、選択ボタンB1のチェックが有ることを示す情報を受信し、レコードR1の送信有無フィールドF3に、警告情報を送信することを示す情報(
図5で「有」と表現)を格納する。また、
図4(A)の場合、選択ボタンB1にチェックが入っていないため、サーバ制御部41は、ナビゲーション装置2から、ユーザID92について、選択ボタンB2のチェックが無いことを示す情報を受信し、レコードR2の送信有無フィールドF3に、警告情報を送信しないことを示す情報(
図5で「無」と表現)を格納する。また、
図4(A)の場合、選択ボタンB3にチェックが入っているため、サーバ制御部41は、ナビゲーション装置2から、ユーザID93について、選択ボタンB3にチェックが有ることを示す情報を受信し、レコードR3の送信有無フィールドF3に、警告情報を送信することを示す情報(
図5で「有」と表現)を格納する。
【0077】
サーバ制御部41は、テーブルTの送信有無フィールドF3に格納する有無情報に基づいて、警告情報を送信することを示す情報(
図5で「有」と表現)が格納されるユーザIDの携帯端末を、車両1の同乗者の携帯端末とし、当該携帯端末に警告情報を送信する。一方、サーバ制御部41は、警告情報を送信しないことを示す情報(
図5で「無」と表現)が格納されるユーザIDの携帯端末を、車両1の同乗者の携帯端末でないとし、当該携帯端末に警告情報を送信しない。
図5の場合、ユーザIDの携帯端末5と、ユーザIDの携帯端末7とに警告情報を送信し、ユーザIDの携帯端末6には送信しない。
【0078】
図4(B)に示す選択画面201は、携帯端末にインストールされる専用アプリSAの機能により表示される。
図4(B)に示すように、選択画面201は、サーバ記憶部42が記憶するナビゲーション装置2のカーIDに対応付くユーザIDと、各ユーザIDに対し、車両の同乗者である場合にチェックされる選択ボタンとを有する。
図4(B)では、ユーザID91を、携帯端末5の識別情報とし、ユーザID92を携帯端末6の識別情報とし、ユーザID93を、携帯端末7の識別情報とする。また、
図4(B)では、選択ボタンB4を、携帯端末5を車両1の同乗者の携帯端末と選択する場合にチェックされるボタンとし、選択ボタンB5を、携帯端末6を車両1の同乗者の携帯端末と選択する場合にチェックされるボタンとし、選択ボタンB6を、携帯端末7を車両1の同乗者の携帯端末と選択する場合にチェックされるボタンとする。
【0079】
制御部21は、選択ボタンに対し操作が行われ、例えば選択を確定する確定ボタン(不図示)が操作された場合、選択ボタンのチェックの有無を示す情報を、選択画面201に表示される各ユーザIDについて、制御サーバ4に送信する。制御サーバ4は、各ユーザIDにおける選択ボタンのチェックの有無を示す情報を受信すると、受信した当該情報に基づき、各ユーザIDに対応する送信有無フィールに有無情報を格納する。そして、制御サーバ4は、テーブルTの送信有無フィールドF3に格納される有無情報に基づき、警告情報を送信する。
【0080】
このように、ナビゲーション装置2、又は、携帯端末5の選択画面に警告情報を送信する携帯端末のユーザIDを選択可能に構成され、第1の同乗者判別方法は、選択されユーザIDに対応する携帯端末を車両1の同乗者の携帯端末と判別する。そして、ナビゲーション装置2は、制御サーバ4に、選択されたユーザIDの携帯端末へ警告情報を送信させる。したがって、ナビゲーション装置2は、制御サーバ4を介して、車両1の同乗者でない携帯端末に警告情報を送信することがない。そのため、車両1の同乗者でない携帯端末は、不必要な警告情報を受信することがなく、ユーザの利便性が向上する。
【0081】
<第2の同乗者判別方法>
次に、第2の同乗者判別方法について説明する。
【0082】
第2の同乗者判別方法において、予め、ナビゲーション装置2と携帯端末5〜7とが送受信可能状態を確立していることを前提とする。
【0083】
図6は、第2の同乗者判別方法における情報処理システム100の動作を示すフローチャートである。
図6(A)はナビゲーション装置2の動作を示し、
図6(B)は制御サーバ4の動作を示し、
図6(C)は1の携帯端末の動作を示す。
図6では、1の携帯端末として運転手が所有する携帯端末5を例示する。
【0084】
図6(A)において、ナビゲーション装置2の制御部21は、車速が所定の時速以上になることや、手動運転から自動運転に切り替ったこと等をトリガーとし、カーID、車両1の現在位置を示す車両位置情報、車両1の車速を示す車両速度情報、及び、車両1の進行方向を示す進行方向情報を送信する(ステップSA1)。
【0085】
図6(B)において、制御サーバ4のサーバ制御部41は、カーID、車両位置情報、車両速度情報、及び、進行方向情報を受信する(ステップSB1)。次いで、サーバ制御部41は、サーバ記憶部42が記憶するテーブルTを参照し、受信したカーIDに対応付くユーザIDを取得する(ステップSB2)。
【0086】
次いで、サーバ制御部41は、携帯端末5が警告情報を受信するときの車両1の現在位置の誤差を、少なくとも車両位置情報が示す車両1の現在位置に基づいて算出する(ステップSB3)。当該誤差は、車両1の同乗者であるか否かの観点の下、算出される誤差である。すなわち、携帯端末は、車両1の現在位置から誤差範囲内に位置する場合、車両1の同乗者の携帯端末である蓋然性が高く、一方、車両1の現在位置から誤差範囲外に位置する場合、車両1の同乗者の携帯端末である蓋然性が低い。
【0087】
なお、当該誤差を算出する際、サーバ制御部41は、ナビゲーション装置2と携帯端末5との送受信に要する時間や、車両速度情報が示す車速、進行方向情報が示す車両1の進行方向等を加味して、算出する構成でもよい。これにより、車両1の現在位置の誤差を精度よく算出できる。
【0088】
次いで、サーバ制御部41は、カーIDと、車両位置情報と、車両1の現在位置の誤差を示す誤差情報と、警告情報を受信するか否かの確認を示す確認情報とを、ステップSB2で取得したユーザIDの携帯端末のそれぞれに送信する(ステップSB4)。
図6では、制御サーバ4は、携帯端末5に送信する。
【0089】
図6(C)において、携帯端末5の端末制御部51は、端末通信部54により、カーID、車両位置情報、誤差情報、及び、確認情報を受信する(ステップSC1)。次いで、端末制御部51は、受信した車両位置情報と、誤差情報と、携帯端末5の現在位置を示す端末位置情報と、に基づき、携帯端末5の現在位置と車両1の現在位置とを比較する(ステップSC2)。次いで、端末制御部51は、携帯端末5の現在位置が、車両1の現在位置から誤差情報が示す誤差範囲内であるか否かを判別する(ステップSC3)。
【0090】
携帯端末5の現在位置が、車両1の現在位置から誤差範囲外と判別した場合(ステップSC3:NO)、端末制御部51は、制御サーバ4に、警告情報を受信しないことを示す情報を送信する(ステップSC4)。
図6(B)において、サーバ制御部41は、携帯端末5から警告情報を受信しないことを示す情報を受信する(ステップSB5)。サーバ制御部41は、警告情報を受信しないことを示す情報を受信すると、警告情報を送信しないことを示す情報を生成し、テーブルTの送受信フィールに当該情報を格納する。
【0091】
このように、携帯端末の現在位置が、車両1の現在位置から誤差範囲内でない場合、端末制御部51は、警告情報を受信しないことを示す情報を制御サーバ4に送信し、制御サーバ4は、テーブルTの送信有無フィールドF3の有無情報を送信しないことを示す情報を格納する。そのため、情報処理システム100は、携帯端末の現在位置が車両1の現在位置の誤差範囲外である場合、当該携帯端末が車両1の同乗者でない携帯端末として、当該携帯端末に警告情報が送信しない。そのため、車両1の同乗者でないことの蓋然性の高い携帯端末が不必要に警告情報を受信することがなく、ユーザの利便性が向上する。
【0092】
図6のフローチャートの説明に戻り、端末制御部51は、携帯端末5の現在位置が、車両1の現在位置から誤差範囲内であると判別した場合(ステップSC2:YES)、専用アプリSAの機能により、受信した確認情報に基づく警告情報の受信の確認を促す確認画面を表示する(ステップSC5)。
【0093】
図7は、確認画面202の一例を示す図である。
【0094】
図7に示す確認画面202は、警告情報を受信するか否かを問い合わせるテキストTxを有する。また、確認画面202は、テキストTxの問い合わせに対し、警告情報を受信することを入力するためのボタンB7と、警告情報を受信しないことを入力するためのボタンB8と、を有する。
【0095】
このように、端末制御部51は、携帯端末5の現在位置が、車両1の現在位置から誤差範囲内である場合に、専用アプリSAの機能により、確認画面202を表示する。このように、確認画面202を表示することにより、警告情報を受信に対する携帯端末のユーザの意思を反映することができる。
【0096】
図6のフローチャートの説明に戻り、端末制御部51は、確認画面202を表示すると、警告情報を受信するか否かを判別する(ステップSC6)。端末制御部51は、例えば確認画面202が有するボタンB8が操作された場合、警告情報を受信しないと判別し(ステップSC6:No)、制御サーバ4に、警告情報を受信しないことを示す情報を送信する(ステップSC4)。一方、端末制御部51は、例えば確認画面202が有するボタンB7が操作された場合、警告情報を受信すると判別し(ステップSC6:YES)、制御サーバ4に、警告情報を受信することを示す情報を送信する(ステップSC7)。
【0097】
図6(B)において、サーバ制御部41は、警告情報を受信することを示す情報を受信すると(ステップSB5)、有無情報を生成し、携帯端末5のユーザIDに対応付く送信有無フィールドF3に格納する。
図5において、サーバ制御部41は、レコードR1の送信有無フィールドF3に、警告情報を送信することを示す情報(
図5で「有」と表示)を生成して格納する。
【0098】
このように、第2の同乗者判別方法は、携帯端末の現在位置と、車両1の現在位置及び誤差とに基づき、ナビゲーション装置2を備える車両1の現在位置の誤差範囲内に位置する携帯端末を、車両1の同乗者の蓋然性が高い携帯端末と判別する。そして、情報処理システム100は、当該携帯端末に警告情報を送信する。そのため、情報処理システム100は、車両1の同乗者の携帯端末である蓋然性の高い携帯端末に警告情報を送信することができる。また、第1の同乗者判別方法と比較し、第2の同乗者判別方法は、車速や自動運転切り替え等をトリガーとし、自動で車両1の同乗者の判別を行うため、運転手が警告情報を送信する携帯端末の選択の操作を省くことができる。
【0099】
情報処理システム100は、カーIDに対応付くユーザIDの携帯端末5〜7ごとに、第2の同乗者判別方法を実行する。
【0100】
以上のように同乗者判別方法により車両1の同乗者の携帯端末と判別された携帯端末に対し、本実施形態の情報処理システム100は、以下に示す動作を実行する。
【0101】
図8は、本実施形態の情報処理システム100の動作を示すフローチャートである。
図8(A)はナビゲーション装置2の動作を示し、
図8(B)は制御サーバ4の動作を示し、
図8(C)は同乗者判別方法により車両1の同乗者と判別された1の携帯端末の動作を示す。
図8(C)では、運転手が所有する携帯端末5を例示する。
【0102】
図8では、フローチャート開始時点において、車両1の走行モードが自動運転であることを前提とする。
【0103】
図8(A)において、ナビゲーション装置2の制御部21は、自動運転から手動運転への切り替えや、自動運転による走行中の車線変更、自動運転経路の変更、燃料不足等の車両1の走行に関する警告を報知する事象が発生したことを取得する(ステップSD1)。例えば、高速道路から一般道路に乗り換える場合、制御部21は、自動運転から手動運転への切り替えの警告を報知する事象が発生したと取得する。また、例えば、制御部21は、自動運転経路を走行中、車線変更を行う場合、自動運転による走行中の車線変更の警告を報知する事象が発生したと取得する。また、例えば、渋滞等により自動運転経路が再探索され自動運転経路が変更になった場合、制御部21は、自動運転経路の変更の警告を報知する事象が発生したと取得する。また、例えば、車両1の燃料が所定の閾値を下回った場合や、自動運転経路を走行するために必要な燃料が不足している場合等に、制御部21は、燃料不足の警告を報知する事象が発生したと取得する。
【0104】
次いで、制御部21は、専用ソフトSFの機能により、当該事象に対応する警告情報をタッチパネル23に表示する(ステップSD2)。警告情報は、車両1の走行に関する警告を示す情報と、警告情報の表示を解除するための操作(以下、「警告解除操作」と表現する)を示す情報を含み、タッチパネル23に表示される。警告解除操作を示す情報として、ハンドルを握ることを示す情報や、ハンドルを操作することを示す情報、ブレーキを踏むことを示す情報、アクセルを踏むことを示す情報、タッチパネル23にタッチ操作を行うことを示す情報等が挙げられる。
【0105】
次いで、制御部21は、タッチパネル23に表示した警告解除操作を示す情報に対応する警告解除操作が行われたか否かを判別する(ステップSD3)。例えば、警告解除操作を示す情報がハンドルを握ることを示す情報である場合、制御部21は、ハンドルが握られたか否かに基づいて、警告解除操作が行われたか否かを判別する。この場合、ハンドルに手の接触を検出するセンサが設けられ、制御部21は、当該センサの検出結果に基づいて判別する。
【0106】
警告解除操作が行われたと判別した場合(ステップSD3:NO)、制御部21は、警告情報を非表示にする(ステップSD7)。
【0107】
一方、警告解除操作が行われないと判別した場合(ステップSD3:YES)、制御部21は、警告情報と、警告情報の送信を要求することを示す情報とを制御サーバ4に送信する(ステップSD4)。
【0108】
図8(B)において、制御サーバ4のサーバ制御部41は、警告情報と、警告情報の送信を要求することを示す情報を受信する(ステップSE1)。サーバ制御部41は、警告情報の送信を要求することを示す情報を受信すると、サーバ記憶部42に記憶されるテーブルTを参照し、同乗者判別方法で車両1の同乗者であると判別された携帯端末に、受信した警告情報を送信する(ステップSE2)。すなわち、サーバ制御部41は、テーブルTを参照し、送信有無フィールドF3に警告情報を送信することを示す情報を格納するユーザIDの携帯端末に、警告情報を送信する。
【0109】
図8(C)において、携帯端末5の端末制御部51は、専用アプリSAの機能により、警告情報を受信する(ステップSF1)。次いで、端末制御部51は、専用アプリSAの機能により、受信した警告情報を端末タッチパネル53に表示する。
【0110】
このように、情報処理システム100は、車両1の同乗者の携帯端末であると判別された携帯端末に、警告情報を送信することで、当該携帯端末により警告情報を表示にする。
【0111】
例えば、警告情報が自動運転経路の変更を示す場合、制御部21は、タッチパネル23に自動運転経路が変更になったことを警告情報として表示し、警告を解除する操作がされない場合に、制御サーバ4を介し、車両1の同乗者の携帯端末に警告情報を送信する。そして、車両1の同乗者の携帯端末は、自動運転経路の変更になることを警告情報として表示する。これにより、運転手が自動運転経路の変更になることを認識する蓋然性が高まる。また、車両1の運転手以外の同乗者に自動運転経路が変更になること通知できる。
【0112】
手動運転において、目的地までの経路が再探索により変更になった場合、車両1は、運転手の車両1の走行に関する操作によって、再探索の経路を走行する。一方、自動運転において、再探索により自動運転経路が変更になった場合、車両1は、自動で変更となった自動運転経路を走行する。つまり、自動運転において、車両1の同乗者が自動運転経路の変更の警告情報を認識しない場合、車両1は、再探索前の自動運転経路と異なる自動運転経路を走行することになり、車両1の同乗者の不安感を抱かせかねない。そこで、情報処理システム100は、車両1の運転手が警告解除操作を行わない場合に、車両1の同乗者の携帯端末に自動運転経路の変更を示す警告情報を送信する。これにより、情報処理システム100は、車両1が再探索前の自動運転経路と異なる自動運転経路を走行することに対する車両1の同乗者の不安感を解消することができる。
【0113】
また、例えば、警告情報が燃料不足を示す場合、制御部21は、タッチパネル23に燃料不足であることを警告情報として表示し、警告を解除する操作がされない場合に、制御サーバ4を介し、車両1の同乗者の携帯端末に警告情報を送信する。そして、車両1の同乗者の携帯端末は、燃料不足であることを警告情報として表示する。これにより、車両1の運転手が、車両1の燃料が不足していることを示す警告を認識する蓋然性が高まり、自動運転における車両1の走行の安全性を高める。
【0114】
また、例えば、警告情報が、自動運転経路の変更に伴う料金の発生や、自動運転経路の変更による燃料不足に伴う料金の発生を示す場合、制御部21は、タッチパネル23に料金が発生することを警告情報として表示し、警告を解除する操作がされない場合に、制御サーバ4を介し、車両1の同乗者の携帯端末に警告情報を送信する。そして、車両1の同乗者の携帯端末は、料金が発生することを警告情報として表示する。これにより、車両1の同乗者が予期せぬ料金の発生を示す警告を認識する蓋然性が高まり、例えば車両1の同乗者が認識せぬ間に車両1が有料道路を走行する等の事態の発生を抑制でき、利便性が向上する。
【0115】
また、例えば、高速道路から一般道路に乗り換える等の自動運転から手動運転に切り替える場合に、制御部21は、タッチパネル23に自動運転から手動運転に切り替えることを示す警告情報を表示する。そして、制御部21は、警告解除操作がされない場合に、制御サーバ4を介し、車両1の同乗者の携帯端末に警告情報を送信する。車両1の同乗者の携帯端末は、自動運転から手動運転に切り替えることを警告情報として表示する。これにより、車両1の運転手が自動運転から手動運転に切り替えることを示す警告を認識する蓋然性が高まる。
【0116】
このように、同乗者判別方法により車両1の同乗者と判別された携帯端末に、警告情報を送信し、当該携帯端末は、警告情報を表示する。これにより、警告解除操作が行われない場合に、警告情報を車両1の同乗者の携帯端末に送信するため、運転手が警告情報を認識する蓋然性が高まる。特に、車両1が自動運転の場合、運転手が運転に関する操作を行っていないため、手動運転の場合より、運転手の警告情報に対する認識が低下することがある。したがって、自動運転において、警告解除操作が行われない場合に、警告情報を車両1の同乗者の携帯端末に送信することは、警告情報に対する運転手の認識を高め、自動運転における車両1の走行の安全性を高める。
【0117】
図8のフローチャートの説明に戻り、
図8(A)において、警告情報の送信の要求を示す情報を制御サーバ4に送信すると、制御部21は、警告解除操作が行われたか否かを判別する(ステップSD5)。警告解除操作が行われた場合(ステップSD5:YES)、制御部21は、警告解除操作が行われたことを示す情報を、制御サーバ4に送信し(ステップSD6)、タッチパネル23に表示している警告情報を非表示にする(ステップSD7)。
【0118】
図8(B)において、サーバ制御部41は、警告解除操作が行われたことを示す情報を受信し(ステップSE3)。サーバ制御部41は、当該情報を受信すると、携帯端末が表示する警告情報を非表示にすることを示す情報を生成し携帯端末に送信する(ステップSE4)。
【0119】
図8(C)において、端末制御部51は、警告情報を非表示にすることを示す情報を受信すると(ステップSF3)、端末タッチパネル53に表示している警告情報を非表示にする(ステップSF4)。
【0120】
なお、
図8のフローチャートのナビゲーション装置2の動作において、警告解除操作が行われない場合に、ナビゲーション装置2は、制御サーバ4を介し、車両1の同乗者の携帯端末に警告情報を送信する構成を説明した。しかしながら、ナビゲーション装置2は、警告情報の警告の内容に応じて、車両1の同乗者の携帯端末に警告情報を送信する構成でもよい。
【0121】
例えば、車線変更を示す警告情報は、運転手に報知する必要がある情報である。しかしながら、車線変更を示す警告情報は、運転手以外の同乗者にとって必要性の低い情報である。この場合、制御部21は、警告解除操作が行われない場合であっても、車両1の同乗者の携帯端末に警告情報を送信しない。そのため、情報処理システム100は、運転手以外の同乗者にとって必要性の低い警告情報を、不必要に送信することを防止できる。
【0122】
以上、説明したように、ナビゲーション装置2(車載装置)は、外部装置と通信するI/F部24(通信部)と、情報を報知するタッチパネル23(報知部)、車両1の走行に関する警告を報知する事象が発生した場合に、タッチパネル23により警告を示す警告情報を表示し、警告情報の報知に対する操作が行われない場合に、I/F部24により車両1の同乗者の携帯端末(端末装置)に対して警告情報を送信する制御部21と、を備える。
【0123】
これにより、制御部21は、警告情報の報知に対する操作が行われない場合に、警告情報を車両1の同乗者の携帯端末に送信するため、車両1の走行に関する警告を、車両1の同乗者に報知できる。
【0124】
また、制御部21は、警告情報を送信する携帯端末を選択可能に構成される。制御部21は、警告情報の報知に対する操作が行われない場合に、選択された携帯端末に警告情報を送信する。
【0125】
制御部21は、選択された携帯端末に警告情報を送信するため、例えば、運転手が選択した携帯端末が車両1の同乗者の携帯端末である場合、車両1の同乗者の携帯端末に警告情報を送信する。そのため、制御部21は、車両1の同乗者以外の携帯端末に警告情報を送信することがなく、利便性が向上する。
【0126】
また、I/F部24は、携帯端末と通信する制御サーバ4(情報処理装置)と通信し、制御部21は、警告情報と車両1を識別するカーID(識別情報)とを制御サーバ4に送信する。制御部21は、警告情報の報知に対する操作が行われない場合に、制御サーバ4にカーIDに基づく車両1の同乗者の携帯端末に対し警告情報を送信させる。
【0127】
これにより、ナビゲーション装置2は、制御サーバ4を介すことにより、車両1の同乗者の携帯端末に警告情報を送信することができる。
【0128】
また、情報処理システム100は、ナビゲーション装置2と、ナビゲーション装置2と通信可能な携帯端末を備える。ナビゲーション装置2は、車両1の走行に関する警告を報知する事象が発生した場合に、警告情報を報知し、警告情報の報知に対する操作が行われない場合に、車両1の同乗者の携帯端末に対して警告情報を送信する。携帯端末は、受信した警告情報を報知する。
【0129】
これにより、情報処理システム100は、警告解除操作が行われない場合に、警告情報を車両1の同乗者の携帯端末に送信し、携帯端末によって警告情報を受信するため、運転手が警告情報を認識する蓋然性が高まる。
【0130】
また、ナビゲーション装置2は、車両1の現在位置を検出し、検出した車両1の現在位置を示す車両位置情報を携帯端末に送信する。携帯端末は、受信した車両位置情報と、自身の現在位置を示す端末位置情報と、に基づき、警告情報を受信するか否かを判別する。ナビゲーション装置2は、車両1の走行に関する警告を報知する事象が発生した場合に、警告情報を報知し、警告情報の報知に対する操作が行われない場合に、警告情報を受信すると判別した携帯端末に、警告情報を送信する。
【0131】
これにより、情報処理システム100は、車両1の同乗者の携帯端末である蓋然性の高い携帯端末に警告情報を送信するため、車両1の同乗者以外の携帯端末に警告情報を送信することがなく、利便性が向上する。
【0132】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。
【0133】
図9は、第2実施形態に係る情報処理システム100aの構成を示す図である。以下の説明で、第1実施形態に係る情報処理システム100の構成要素と同様の構成要素については、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0134】
図2と
図9との比較によって明らかな通り、第2実施形態に係る情報処理システム100aは、制御サーバ4を備えていない。すなわち、第2実施形態に係る情報処理システム100aは、ナビゲーション装置2と、携帯端末5〜7のそれぞれとが直接通信する。そのため、ナビゲーション装置2が、近距離無線通信部36(通信部)を備える。近距離無線通信部36は、制御部21の制御の下、ブルートゥース等の近距離無線通信に係る通信規格に従って、携帯端末5〜7のそれぞれと通信リンクを確立し、携帯端末5〜7のそれぞれと通信する。
【0135】
また、
図2と
図9の比較により、ナビゲーション装置2の記憶部22は、テーブルTを記憶する。つまり、ナビゲーション装置2の制御部21は、近距離無線通信により通信リンクを確立した携帯端末のユーザIDとナビゲーション装置2のカーIDとを対応付けて、テーブルTに格納する。また、制御部21は、同乗者判別方法に基づいて、送信有無フィールドF3に有無情報を生成して格納する。
【0136】
次に、第2実施形態に係る情報処理システム100aの動作について説明する。
【0137】
ナビゲーション装置2の制御部21は、上述した同乗者判別方法により車両1の同乗者と判別された携帯端末のユーザIDに対応する送信有無フィールドF3に対し、警告情報を送信することを示す情報を生成して格納する。そして、制御部21は、車両の走行に関する警告を報知する事象が発生した場合、警告情報を表示パネルに表示し、警告情報に対する操作が行われない場合に、テーブルTが格納する有無情報に基づいて、警告情報を送信する。そして、警告情報を受信した携帯端末は、警告情報を表示する。
【0138】
なお、第2実施形態の情報処理システム100aにおいて、同乗者判別方法により車両1の同乗者の携帯端末であるか否かの判別をし、テーブルTに有無情報を格納する場合を例示した。しかしながら、同乗者判別方法を行わず、ナビゲーション装置2と通信リンクを確立する携帯端末を車両1の同乗者の携帯端末と判別し、当該携帯端末のユーザIDに対応する送信有無フィールドF3に警告情報を送信することを示す情報を格納する構成でもよい。これは、近距離無線通信によりナビゲーション装置2と通信を確立する携帯端末は、車両1の同乗者の携帯端末である蓋然性が高いためである。
【0139】
以上、説明したように、第2実施形態に係る情報処理システム100aのナビゲーション装置2の制御部21は、警告情報の報知に対する操作が行われない場合に、近距離無線通信部36により車両1の同乗者の携帯端末に対して警告情報を送信する。
【0140】
これにより、制御部21は、警告情報を車両1の同乗者の携帯端末に送信するため、車両1の走行に関する警告を、車両1の同乗者に報知できる。また、第2実施形態に係る情報処理システム100aは、第1実施形態に係る情報処理システム100と比べ、制御サーバ4を介すことがなく、システムとしての動作を簡易にすることができる。
【0141】
上述した各実施形態は、あくまでも本発明の一態様を例示するものであって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変形、及び、応用が可能である。
【0142】
例えば、上述した各実施形態において、警告情報を報知として警告情報の表示を例示したが、これに限定されず、音声により警告情報を報知する構成でもよい。この場合、ナビゲーション装置2、及び、携帯端末5〜7は、音声を出力するための音声出力部としてスピーカ等を備え、音声出力部により警告情報を報知する。
【0143】
また、例えば、
図6、及び、
図8の処理単位は、情報処理システム100の処理を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものであり、処理単位の分割の仕方や名称によって、本発明が限定されることはない。情報処理システム100の処理は、処理内容に応じて、されに多くの処理単位に分割してもよい。また、1つの処理単位がさらに多くの処理を含むように分割してもよい。