特開2017-106547(P2017-106547A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-106547(P2017-106547A)
(43)【公開日】2017年6月15日
(54)【発明の名称】滑り軸受
(51)【国際特許分類】
   F16C 33/28 20060101AFI20170519BHJP
   F16C 17/10 20060101ALI20170519BHJP
   F16C 33/12 20060101ALI20170519BHJP
【FI】
   F16C33/28
   F16C17/10 Z
   F16C33/12 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-240550(P2015-240550)
(22)【出願日】2015年12月9日
(71)【出願人】
【識別番号】000103644
【氏名又は名称】オイレス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000279
【氏名又は名称】特許業務法人ウィルフォート国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森重 晃一
(72)【発明者】
【氏名】関根 敏彦
(72)【発明者】
【氏名】今川 圭介
【テーマコード(参考)】
3J011
【Fターム(参考)】
3J011AA03
3J011AA20
3J011BA06
3J011DA01
3J011LA04
3J011MA12
3J011PA03
3J011QA03
3J011SB01
3J011SC01
(57)【要約】
【課題】コイルスプリングの付勢力によるフランジ部の変形を抑制でき、長期にわたり軸受機能を維持することが可能な滑り軸受を提供する。
【解決手段】滑り軸受1は、合成樹脂材料により構成されたアッパーケース2と、アッパーケース2に対し回転可能に組み合わせられ合成樹脂材料により構成されたロアーケース3と、アッパーケース2とロアーケース3との間に配置される滑り軸受片4と、金属材料により構成された補強プレート6と、を備える。補強プレート6は、円環状をなし、ロアーケース3の下側部3B2およびフランジ部3D内に埋没されたプレート基部6Aを有する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成樹脂材料により構成されたアッパーケースと、前記アッパーケースに対し回転可能に組み合わせられ合成樹脂材料により構成されたロアーケースと、前記アッパーケースと前記ロアーケースとの間に配置される滑り軸受片と、金属材料により構成された補強プレートと、を備えた円環状をなす滑り軸受であって、
前記アッパーケースは、円環状をなすアッパー基部と、前記アッパー基部の内周縁部から前記ロアーケース側に延びて円筒状をなす内周部と、前記アッパー基部の外周縁部から前記ロアーケース側に延びて円筒状をなす外周部と、を有し、前記アッパー基部と、前記内周部と、前記外周部とにより環状凹部を形成し、
前記ロアーケースは、前記アッパーケースの前記環状凹部内に位置する上側部と前記環状凹部外に位置する下側部とを有して環状をなすロアー基部と、前記下側部の外周縁から径方向の外方に突出し、軸方向において前記アッパーケースの前記アッパー基部の前記外周部と対向する前記フランジ部と、を有し、前記下側部および前記フランジ部における前記アッパーケース側に対する反対側には、コイルスプリングが当接してその付勢力を受ける被付勢面が形成され、
前記補強プレートは、円環状をなし、前記ロアーケースの前記下側部および前記フランジ部内に埋没されたプレート基部を有する、滑り軸受。
【請求項2】
前記ロアーケースは、前記ロアー基部の前記下側部からアッパーケース側とは反対側へ突出するケース突出部を有し、
前記補強プレートは、前記プレート基部の内周縁から前記アッパーケース側とは反対側に延びる第1プレート突出部を有し、前記第1プレート突出部は前記ケース突出部内に埋没されている、請求項1に記載の滑り軸受。
【請求項3】
前記補強プレートの前記プレート基部の外周縁には、前記被押圧面側に突出する第2プレート突出部が設けられている、請求項1または請求項2に記載の滑り軸受。
【請求項4】
前記補強プレートの前記プレート基部は、湾曲部を有する、請求項1または請求項2に記載の滑り軸受。
【請求項5】
前記補強プレートは、SUS材、または、表面が防錆めっき処理された鋼材により構成されている、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の滑り軸受。
【請求項6】
前記アッパーケースの前記外周部と前記ロアーケースの前記ロアー基部との間に配置され、前記アッパーケースの前記外周部と前記ロアーケースの前記ロアー基部とにより形成された隙間を閉塞するシール部材を備える、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の滑り軸受。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、合成樹脂製の滑り軸受、特に、自動車におけるストラット式サスペンション(マクファーソンストラット)の滑り軸受として組み込まれる滑り軸受に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ストラット式サスペンション用の滑り軸受は、合成樹脂製のアッパーケースと、合成樹脂製のロアーケースと、アッパーケースとロアーケースとの間に配置され滑り軸受片であるセンタープレートとを備えている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1の滑り軸受では、アッパーケースは、アッパー基部とアッパー基部からロアーケース側に延びる内周部および外周部とを有し、ロアーケースは、ロアー基部とロアー基部から半径方向外方に突出するフランジ部とを有し、ロアー基部およびフランジ部には、サスペンションのコイルスプリングが当接しその付勢力を受ける被付勢面が規定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−96534号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1の滑り軸受では、ロアーケースのフランジ部の被付勢面でコイルスプリングの付勢力を受けるため、長期間の使用に際し、フランジ部がクリープ変形等により変形することがあった。この変形により、フランジ部が、アッパーケースの外周部に当接し、異音が発生したり、アッパーケースとロアーケースとの間のラビリンスクリアランスが広がり、異物が混入しやすい状態になることがあり、滑り軸受としての機能を長期にわたり維持することができなかった。
【0006】
そこで、本発明は、コイルスプリングの付勢力によるロアーケースのフランジ部の変形を抑制でき、長期にわたり軸受機能を維持することが可能な滑り軸受を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の滑り軸受は、合成樹脂材料により構成されたアッパーケースと、前記アッパーケースに対し回転可能に組み合わせられ合成樹脂材料により構成されたロアーケースと、前記前記アッパーケースと前記ロアーケースとの間に配置される滑り軸受片と、金属材料により構成された補強プレートと、を備えた円環状をなす滑り軸受であって、前記アッパーケースは、円環状をなすアッパー基部と、前記アッパー基部の内周縁部から前記ロアーケース側に延びて円筒状をなす内周部と、前記アッパー基部の外周縁部から前記ロアーケース側に延びて円筒状をなす外周部と、を有し、前記アッパー基部と、前記内周部と、前記外周部とにより環状凹部を形成し、前記ロアーケースは、前記アッパーケースの前記環状凹部内に位置する上側部と前記環状凹部外に位置する下側部とを有して環状をなすロアー基部と、前記下側部の外周縁から径方向の外方に突出し、軸方向において前記アッパーケースの前記アッパー基部の前記外周部と対向する前記フランジ部と、を有し、前記下側部および前記フランジ部における前記アッパーケース側に対する反対側には、コイルスプリングが当接してその付勢力を受ける被付勢面が規定され、前記補強プレートは、円環状をなし、前記ロアーケースの前記下側部および前記フランジ部内に埋没されたプレート基部を有する。
【0008】
前記ロアーケースは、前記ロアー基部の前記下側部からアッパーケース側とは反対側へ突出するケース突出部を有し、 前記補強プレートは、前記プレート基部の内周縁から前記アッパーケース側とは反対側に延びる第1プレート突出部を有し、前記第1プレート突出部は前記ケース突出部内に埋没されていても良い。
【0009】
前記補強プレートの前記プレート基部の外周縁には、被押圧面側に突出する第2プレート突出部が設けられていても良い。
【0010】
前記補強プレートの前記プレート基部は、湾曲部を有しても良い。
【0011】
前記補強プレートは、SUS材、または、表面が防錆めっき処理された鋼材により構成されても良い。
【0012】
前記アッパーケースの前記外周部と前記ロアーケースの前記ロアー基部との間に配置され、前記アッパーケースの前記外周部と前記ロアーケースの前記ロアー基部とにより形成された隙間を閉塞するシール部材を備えても良い。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、コイルスプリングの付勢力によるロアーケースのフランジ部の変形を抑制でき、長期にわたり軸受機能を維持することが可能な滑り軸受を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】第1の実施の形態に係る滑り軸受の平面図を示す。
図2】滑り軸受の側面図を示す。
図3】滑り軸受の断面図を示す。
図4】滑り軸受の一部拡大断面図を示す。
図5】(a)は、補強プレートの平面図、(b)は、補強プレートの断面図を示す。
図6】(a)は、第2の実施の形態に係る補強プレートの断面図を示し、(b)は、第2の実施の形態に係る滑り軸受の一部拡大断面図を示す。
図7】変形例としての補強プレートの断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施の形態に係る滑り軸受1について図面を参照して説明する。
【0016】
滑り軸受1は、自動車におけるストラット式サスペンションに組み込まれるスラスト滑り軸受であり、ストラットアッセンブリを収容するための収容孔1aを有し、ストラットアッセンブリの回動を許容しつつ、ストラット式サスペンションに加わる車体の荷重を支持する。
【0017】
<滑り軸受1の全体構成>
図1は、本実施の形態に係る滑り軸受1の平面図を示し、図2は、滑り軸受1の側面図を示し、図3は、滑り軸受1の断面図を示し、図4は、滑り軸受1の一部拡大断面図を示している。
【0018】
図1に示すように滑り軸受1は、円環状をなし、アッパーケース2と、ロアーケース3と、センタープレート4と、ダストシール5と、補強プレート6を備える。
【0019】
<アッパーケース2>
アッパーケース2は、摺動性に優れた合成樹脂材料により構成され、ストラット式サスペンションのストラットアッセンブリが挿入された状態で、車体へのストラットアッセンブリの取付機構であるアッパーマウントに取り付けられる。
【0020】
図3に示すように、アッパーケース2は、挿入孔2aを有して円環状をなし、アッパー基部2Bと、内周部2Cと、外周部2Dとを備える。挿入孔2aには、図示せぬストラットアッセンブリが挿入される。図4に示すように、円環状のアッパー基部2Bは、取付面2Eと、取付面2Eの反対側に位置する荷重伝達面2Fとを備える。取付面2Eには、滑り軸受1をストラットアッセンブリに組み込む際に、アッパーマウントが取り付けられる。荷重伝達面2Fは、ストラット式サスペンションに加わる車体の荷重をセンタープレート4に伝達する。
【0021】
内周部2Cは、アッパー基部2Bの内周縁部2B1からロアーケース3側に延び、円筒状をなしている。外周部2Dは、アッパー基部2Bの外周縁部2B2からロアーケース3側に延び、円筒状をなしている。アッパー基部2Bと、内周部2Cと、外周部2Dとにより、環状凹部2gが形成される。
【0022】
<ロアーケース3>
ロアーケース3は、合成樹脂材料により構成され、ストラット式サスペンションのストラットアッセンブリが挿入された状態でストラット式サスペンションのコイルスプリング7により、アッパーケース2側に付勢される。ロアーケース3は、アッパーケース2に対し回転可能に組み合わせられる。
【0023】
ロアーケース3は、挿入孔3aを有して円環状をなし、ロアー基部3Bと、ケース突出部3Cと、フランジ部3Dとを備える。円筒状のロアー基部3Bは、その上側部3B1がアッパーケース2の環状凹部2g内に位置し、下側部3B2が環状凹部2g外に位置している。アッパーケース2とロアー基部3Bの上側部3B1とにより、センタープレート4を収容する断面視略L字状の環状空間8が形成される。
【0024】
ケース突出部3Cは、ロアー基部3Bの下側部3B2の内周下端からアッパーケース2側とは反対側へ突出している。フランジ部3Dは、ロアー基部3Bの下側部3B2の外周縁から径方向外方へ向かって、アッパーケース2の外周部2Dよりも外方に突出している。アッパーケース2のアッパー基部2Bおよび外周部2Dと、ロアーケース3のロアー基部3Bおよびフランジ部3Dとにより、屈曲した狭い隙間であるラビリンスクリアランスCが形成される。また、ロアー基部3Bの下側部3B2およびフランジ部3Dにおけるアッパーケース2側に対する反対側には、コイルスプリング7が当接してその付勢力を受ける被付勢面3Eが規定される。
【0025】
<センタープレート4>
センタープレート4は、滑り軸受片であり、摺動特性に優れた合成樹脂材料により構成され、必要に応じてPTFE、潤滑油、シリコーン等の潤滑剤が添加され、環状空間8内に設けられる。センタープレート4は、断面視略L字状をなしている。
【0026】
<ダストシール5>
シール部材であるダストシール5は、ウレタン樹脂等の弾性体で構成されており、ロアーケース3のロアー基部3Bの外周および内周に装着されている。ダストシール5は、ロアー基部3Bの上側部3B1の外周および内周に装着されたシール基部5Aと、シール基部5Aの上端からアッパーケース2の外周部2D側および内周部2C側に延びるリップ部5Bとを備える。外周側に位置するダストシール5のリップ部5Bは、アッパーケース2の外周部2Dに締め代を持って当接して、ラビリンスクリアランスCを閉塞し、環状空間8への異物の侵入を防止する。
【0027】
<補強プレート6>
図5(a)は、補強プレート6の平面図、図5(b)は、補強プレート6の断面図を示している。図5に示すように、補強プレート6は、環状をなし、SUS材、または、亜鉛メッキ等のメッキ処理された鋼材等のさびが発生しにくい材料により構成されている。
【0028】
また、図3および4に示すように、補強プレート6は、インサート成形により、ロアーケース3内に埋没されている。補強プレート6は、円環状のプレート基部6Aと、円筒状の第1プレート突出部6Bとを備え、断面視略L字状をなしている。プレート基部6Aは、ロアーケース3のロアー基部3Bの下側部3B2およびフランジ部3D内に位置している。プレート基部6Aの外周縁には、被付勢面3E側に突出する第2プレート突出部6Cが設けられている。第1プレート突出部6Bは、プレート基部6Aの内周縁からアッパーケース2側とは反対側に延び、ロアーケース3のケース突出部3C内に位置している。
【0029】
<作用効果>
本実施の形態の滑り軸受1によれば、補強プレート6のプレート基部6Aは、ロアーケース3のロアー基部3Bの下側部3B2およびフランジ部3D内に埋没している。これにより、ロアーケース3の被付勢面3Eに対して、ストラットアセンブリのコイルスプリング7が当接して長期間にわたって付勢力を加えたとしても、補強プレート6のプレート基部6Aにより、ロアーケース3のフランジ部3Dのクリープ変形等を抑制することができる。よって、ロアーケース3のフランジ部3Dが変形して、アッパーケース2の外周部2Dに当接し押圧して、外周部2Dを変形させるのを防止することができる。従って、ラビリンスクリアランスCを維持することができ、アッパーケース2およびロアーケース3が干渉して異音が生じるのを防止することができるので、長期にわたり滑り軸受1の機能を維持することができる。
【0030】
また、ロアーケース3は、ロアー基部3Bの下側部3B2からアッパーケース2側とは反対側へ突出するケース突出部3Cを有し、補強プレート6は、プレート基部6Aの内周縁からアッパーケース2側とは反対側に延びる第1プレート突出部6Bを有し、第1プレート突出部6Bはケース突出部3C内に埋没されている。かかる構成により、コイルスプリング7からの付勢力に対する補正プレート6の抵抗力を向上させることができ、ロアーケース3のフランジ部3Dの変形をより抑制することができる。
【0031】
また、補強プレート6のプレート基部6Aの外周縁には、被押圧面3E側に突出する第2プレート突出部6Cが設けられている。かかる構成により、コイルスプリング7からの付勢力に対する補正プレート6の抵抗力を向上させることができ、ロアーケース3のフランジ部3Dの変形をより抑制することができる。
【0032】
また、補強プレート6、SUS材、または、亜鉛メッキ等のメッキ処理された鋼材により構成されている。かかる構成により、ロアープレート3が、外部からの衝撃等により割れて水分等が内部に侵入したとしても、補強プレート6にさびが発生するのを防止することができる。
【0033】
また、滑り軸受1には、アッパーケース2の外周部2Dとロアーケース3のロアー基部3Bとの間に配置され、アッパーケース2の外周部2Dとロアーケース3のロアー基部3Bとにより形成されたラビリンスクリアランスCを閉塞するダストシール5が設けられている。
【0034】
補強プレート6のプレート基部6Aにより、ロアーケース3のフランジ部3Dのクリープ変形等を抑制されているので、ダストシール5がアッパーケース2側へ移動することが抑制され、ダストシール5によるシール機能を適正に維持することができる。
【0035】
次に、本発明の第2の実施の形態に係る滑り軸受101について図6を参照して説明する。なお、第1の実施の形態に係る滑り軸受1と同一の部材については同一の参照番号を付して説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
【0036】
本実施の形態では、補強プレート106の形状のみが、第1の実施の形態に係る滑り軸受1の補強プレート6と異なる。図6(a)は、補強プレート106の断面図を示し、図6(b)は、滑り軸受101の一部拡大断面図を示している。補強プレート106は、環状をなし、SUS材、または、亜鉛メッキ等のメッキ処理された鋼材等のさびが発生しにくい材料により構成されている。
【0037】
図6(b)に示すように、補強プレート106は、インサート成形により、ロアーケース3内に埋没されている。補強プレート106は、円環状のプレート基部106Aと、円筒状の第1プレート突出部106Bとを備え、断面視略L字状をなしている。プレート基部106Aは、ロアーケース3のロアー基部3Bの下側部3B2およびフランジ部3D内に位置している。プレート基部106Aには、アッパーケース2側に凸状をなす湾曲部106Cが設けられている。第1プレート突出部106Bは、プレート基部106Aの内周縁からアッパーケース2側とは反対側に延び、ロアーケース3のケース突出部3C内に位置している。
【0038】
補強プレート106のプレート基部106Aの湾曲部106Cにより、コイルスプリング7からの付勢力に対する補正プレート106の抵抗力を向上させることができ、ロアーケース3のフランジ部3Dの変形をより抑制することができる。
【0039】
なお、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形は可能である。
【0040】
例えば、図7に示すように、補強プレート106のプレート基部106Aに、2つのアッパーケース2側に凸状をなす湾曲部106Cを設けても良い。かかる構成によっても、2つの湾曲部106Cにより、コイルスプリング7からの付勢力に対する補正プレート106の抵抗力を向上させることができ、ロアーケース3のフランジ部3Dの変形をより抑制することができる。
【0041】
また、上記の滑り軸受1、101では、ダストシール5を設けたが、ダストシール5はなくても良い。ダストシール5がない場合、滑り軸受1、101におけるラビリンスクリアランスCは、非常に狭く構成される。
【0042】
第1の実施の形態の補強プレート6は、第1、第2プレート突出部6B、6Cを有していたが、いずれか一方のみを有していても良いし、プレート基部6Aのみの構成であっても良い。
【符号の説明】
【0043】
1、101:滑り軸受、 2:アッパーケース、 2B:アッパー基部、 2B1:内周縁部、 2B2:外周縁部、 2C:内周部、 2D:外周部、 2g:環状凹部、 3:ロアーケース、 3B1:上側部、 3B2:下側部、 3C:ケース突出部、 3D:フランジ部、 3E:被付勢面、 5:ダストシール、 6、106:補強プレート、 6A、106A:プレート基部、 6B、106B:第1プレート突出部、 6C:第2プレート突出部、 106C:湾曲部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7