(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-106613(P2017-106613A)
(43)【公開日】2017年6月15日
(54)【発明の名称】ボタン式変速タイプの故障判断システム
(51)【国際特許分類】
F16H 61/12 20100101AFI20170519BHJP
F16H 59/08 20060101ALI20170519BHJP
B60K 20/02 20060101ALI20170519BHJP
H01H 9/00 20060101ALI20170519BHJP
【FI】
F16H61/12
F16H59/08
B60K20/02 Z
H01H9/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-118727(P2016-118727)
(22)【出願日】2016年6月15日
(31)【優先権主張番号】10-2015-0175460
(32)【優先日】2015年12月9日
(33)【優先権主張国】KR
(71)【出願人】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
(71)【出願人】
【識別番号】511264962
【氏名又は名称】コスタル(シャンハイ)マネジメント カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】特許業務法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】崔 志 赫
(72)【発明者】
【氏名】金 美 瑛
(72)【発明者】
【氏名】金 凡 ジュン
(72)【発明者】
【氏名】金 炯 ソク
(72)【発明者】
【氏名】周 虎
(72)【発明者】
【氏名】マ 良 胤
【テーマコード(参考)】
3D040
3J552
5G052
【Fターム(参考)】
3D040AA10
3D040AA12
3D040AA33
3D040AB01
3D040AC02
3D040AC36
3J552NA01
3J552PB03
3J552QC06
3J552QC07
3J552QC10
3J552RA19
3J552TA10
3J552VA63W
3J552VA63X
3J552VA64W
3J552VA64X
3J552VA65W
3J552VA65X
3J552VA66W
3J552VA66X
5G052AA36
(57)【要約】 (修正有)
【課題】変速ボタンの故障診断の性能及び信頼性を向上させるボタン式変速タイプの故障判断システムを提供する。
【解決手段】複数の変速ボタンのそれぞれに対して多数の接点ポイントを有するベースと、接点ポイントの接点信号を受け取り、変速ボタンの押下時に多数の接点ポイントのいずれかが認識されないか、或いは固着されたと認識される場合、変速ボタンに異常が発生したと判断する制御部とを含み、複数の変速ボタンはP段、R段、N段、及びD段で構成され、接点ポイントは、変速ボタンの範囲内で少なくとも3つの地点に分布され、制御部は、3つの接点ポイントに対して異常か否かを判断し、変速ボタンの押下時に3つの接点ポイントのいずれかが認識されない場合、ミスカウントとしてチェックし、ミスカウントが累積して、保存されている故障判断設定値に達した場合、他の2つの接点ポイントに対して異常か否かを判断する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の内部に設置され、押下可能に備えられる複数の変速ボタンが設けられ、変速ボタンのそれぞれに対して多数の接点ポイントを有するベースと、
前記接点ポイントの接点信号を受け取り、前記変速ボタンの押下時に多数の接点ポイントのいずれかが認識されないか、或いは固着されたと認識される場合、変速ボタンに異常が発生したと判断する制御部とを含んでなることを特徴とするボタン式変速タイプの故障判断システム。
【請求項2】
前記複数の変速ボタンはP段、R段、N段、及びD段に分割されて構成されることを特徴とする請求項1に記載のボタン式変速タイプの故障判断システム。
【請求項3】
前記接点ポイントは変速ボタンの範囲内で少なくとも3つの地点に分布されたことを特徴とする請求項1に記載のボタン式変速タイプの故障判断システム。
【請求項4】
前記制御部は、3つの接点ポイントに対して異常か否かを判断し、変速ボタンの押下時に3つの接点ポイントのいずれかが認識されない場合、ミスカウントとしてチェックし、ミスカウントが累積して、保存されている故障判断設定値に達した場合、他の2つの接点ポイントに対して異常か否かを判断することを特徴とする請求項3に記載のボタン式変速タイプの故障判断システム。
【請求項5】
前記制御部は、認識されていない接点ポイントが正常に認識される場合、累積したミスカウントを所定値だけ減少させることを特徴とする請求項4に記載のボタン式変速タイプの故障判断システム。
【請求項6】
前記制御部は、変速ボタンの押下時に3つの接点ポイントのいずれかが、保存されている故障判断時間の間に固着されたと認識される場合、他の2つの接点ポイントに対して異常か否かを判断することを特徴とする請求項4に記載のボタン式変速タイプの故障判断システム。
【請求項7】
前記制御部は、2つの接点ポイントに対して異常か否かを判断する際に、2つの接点ポイントのいずれかが故障判断時間の間に固着されたと認識される場合、他の1つの接点ポイントに対して異常か否かを判断することを特徴とする請求項4に記載のボタン式変速タイプの故障判断システム。
【請求項8】
前記制御部は、2つの接点ポイントが両方とも故障判断時間の間に固着されていないと認識される場合、3つの接点ポイントに対して異常か否かを判断するように指令することを特徴とする請求項7に記載のボタン式変速タイプの故障判断システム。
【請求項9】
前記制御部は、1つの接点ポイントに対して異常か否かを判断する際に、1つの接点ポイントが故障判断時間の間に固着されるかをチェックし、1つの接点ポイントが故障判断時間の間に固着される場合、変速ボタンに異常が発生したと決定することを特徴とする請求項7に記載のボタン式変速タイプの故障判断システム。
【請求項10】
前記制御部は、1つの接点ポイントを除く2つの接点ポイントの認識状況をチェックし、1つの接点ポイントが固着されても、残りの2つの接点ポイントが正常に認識される場合、2つの接点ポイントに対して異常か否かを判断するように指令することを特徴とする請求項9に記載のボタン式変速タイプの故障判断システム。
【請求項11】
前記制御部は、3つの接点ポイントの固着状況および認識状況をチェックし、3つの接点ポイントがすべて固着されず且ついずれかの接点ポイントのみ認識されない場合、2つの接点ポイントに対して異常か否かを判断するように指令することを特徴とする請求項9に記載のボタン式変速タイプの故障判断システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボタン式変速タイプの故障判断システムに係り、より詳しくは、変速ボタンの作動不能状態を判断し、故障診断の性能及び信頼性を向上させるとともに、変速ボタンの作動を最大限保障することにより車両運行の故障を防止するボタン式変速タイプの故障判断システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、自動車が走行する場合に必要とする駆動力は貨物の積載有無や道路状況、走行速度などにより大きく変化するので、これに対応するために、エンジンと駆動輪との間でトルクを変化させる変速機が備えられ、これにより、走行状態に応じて適切に駆動力を変化させることができる。変速機には自動車を後進させるためのギア装置が設けられる。
最近、変速機には自動変速機が適用されるが、このような自動変速機は、機械が運転者に代わってギアの変速を行ってくれるものであり、設定された走行速度とアクセルペダルを踏む程度に応じて最適なギアを選択する。このような自動変速機は、駐車用のP段、後進用のR段、中立用のN段、及び走行用のD段に区分されており、変速レバーを操作して特定の変速段を決定するように構成されている。
【0003】
最近では、変速段を決定する変速レバーとしては、レバータイプ以外に、ボタン式タイプも使用されている。つまり、電子式変速システムを適用して、ボタンの操作有無に基づき変速操作信号を電気信号としてTCUなどの制御部に送るもので、運転者の変速意志を検知し、車両の状態に応じて変速機側のアクチュエータを作動させて変速を行う。
しかし、従来の変速ボタンの場合は、ボタン作動接点が1つ使用され、1つの接点信号のみでボタンの状態を判断し、接点エラーの際に変速ボタンが作動不能状態であると認識することにより、車両の運行が不可能になるという問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】韓国公開特許第10−2015−0059440号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、変速ボタンの故障を判断し、変速ボタンの作動を最大限保障するとともに、変速ボタンの故障診断の性能及び信頼性を向上させるボタン式変速タイプの故障判断システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係るボタン式変速タイプの故障判断システムは、車両の内部に設置され、押下可能に備えられる複数の変速ボタンが設けられ、変速ボタンのそれぞれに対して多数の接点ポイントを有するベースと、前記接点ポイントの接点信号を受け取り、前記変速ボタンの押下時に多数の接点ポイントのいずれかが認識されないか、或いは固着されたと認識される場合、変速ボタンに異常が発生したと判断する制御部とを含んでなることを特徴とする。
【0007】
前記複数の変速ボタンはP段、R段、N段、及びD段に分割されて構成されることを特徴とする。
【0008】
前記接点ポイントは、変速ボタンの範囲内で少なくとも3つの地点に分布されることを特徴とする。
【0009】
前記制御部は、3つの接点ポイントに対して異常か否かを判断し、変速ボタンの押下時に3つの接点ポイントのいずれかが認識されない場合、ミスカウントとしてチェックし、ミスカウントが累積して、保存されている故障判断設定値に達した場合、他の2つの接点ポイントに対して異常か否かを判断することを特徴とする。
【0010】
前記制御部は、認識されていない接点ポイントが正常に認識される場合、累積したミスカウントを所定値だけ減少させることを特徴とする。
【0011】
前記制御部は、変速ボタンの押下時に3つの接点ポイントのいずれかが、保存されている故障判断時間の間に固着されたと認識される場合、他の2つの接点ポイントに対して異常か否かを判断することを特徴とする。
【0012】
前記制御部は、2つの接点ポイントに対して異常か否かを判断する際に、2つの接点ポイントのいずれかが故障判断時間の間に固着されたと認識される場合、他の1つの接点ポイントに対して異常か否かを判断することを特徴とする。
【0013】
前記制御部は、2つの接点ポイントが両方とも故障判断時間の間に固着されていないと認識される場合、3つの接点ポイントに対して異常か否かを判断するように指令することを特徴とする。
【0014】
前記制御部は、1つの接点ポイントに対して異常か否かを判断する際に、1つの接点ポイントが故障判断時間の間に固着されるかをチェックし、1つの接点ポイントが故障判断時間の間に固着される場合、変速ボタンに異常が発生したと決定することを特徴とする。
【0015】
前記制御部は、1つの接点ポイントを除く2つの接点ポイントの認識状況をチェックし、1つの接点ポイントが固着されても、残りの2つの接点ポイントが正常に認識される場合、2つの接点ポイントに対して異常か否かを判断するように指令することを特徴とする。
【0016】
前記制御部は、3つの接点ポイントの固着状況および認識状況をチェックし、3つの接点ポイントがすべて固着されず且ついずれかの接点ポイントのみ認識されない場合、2つの接点ポイントに対して異常か否かを判断するように指令することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
上述したような構造を持つボタン式変速タイプの故障判断システムによれば、変速ボタンの故障判断の際に、変速ボタンの作動を最大限保障するとともに、変速ボタンの故障診断の性能及び信頼性を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の一実施形態に係るボタン式変速タイプの故障判断システムを示す構成図である。
【
図2】
図1に示したボタン式変速タイプの故障判断システムを説明するための図である。
【
図3】
図1に示したボタン式変速タイプの故障判断システムを説明するための図である。
【
図4】
図1に示したボタン式変速タイプの故障判断システムを説明するための図である。
【
図5】
図1に示したボタン式変速タイプの故障判断システムを説明するための図である。
【
図6】
図1に示したボタン式変速タイプの故障判断システムの制御方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施例に係るボタン式変速タイプの故障判断システムについて説明する。
図1は本発明の一実施形態に係るボタン式変速タイプの故障判断システムを示す構成図、
図2乃至
図5は
図1に示したボタン式変速タイプの故障判断システムを説明するための図、
図6は
図1に示したボタン式変速タイプの故障判断システムの制御方法を示すフローチャートである。
図1に示すように、本発明に係るボタン式変速タイプの故障判断システムは、車両の内部に設置され、押下可能に備えられる複数の変速ボタン12が設けられ、変速ボタン12のそれぞれに対して多数の接点ポイント20を有するベース10と、前記接点ポイントの接点信号を受け取り、変速ボタン12の押下時に多数の接点ポイント20のいずれかが認識されないか、或いは固着されたと認識される場合、変速ボタン12に異常が発生したと判断する制御部30と、を含んでなる。
【0020】
このように、変速ボタン12の押下時に複数の接点ポイント20に対して認識状況または固着状況をチェックして変速ボタン12の異常をチェックすることにより、当該変速ボタン12の故障か否かを正確に判断することができ、故障判断過程の間、変速ボタン12の作動が保障されて円滑な車両走行が行われるようにする。
ベース10は、既存の変速レバーが位置していた部分に設置されてもよく、ステアリングホイールに設置されてもよい。つまり、本発明では、変速段を変更するための手段としてレバーではなく、変速ボタンが適用されることにより、設計の自由度が高くなる。
このようなベース10には複数の変速ボタン12が設けられ、変速ボタン12には多数の接点ポイント20が備えられる。ここで、複数の変速ボタン12は、車両が前進するように変速機を制御するD段ボタン12a、車両が後進するように変速機を制御するR段ボタン12b、車両のエンジンEの出力が前記駆動輪に伝達されることを遮断するように変速機Tを制御するN段のボタン12c、及び車両が停止した状態を維持するように変速機Tを制御するP段ボタン12dから構成される。
【0021】
特に、
図2に示すように、変速ボタンは、接点ポイント20が変速ボタン12の範囲内で少なくとも3つの地点22、24、26に分布できる。
もちろん、変速ボタン12に接点ポイント20を3つの地点よりもさらに多い地点から構成してもよいが、本発明では、接点ポイント20の数に応じて段階的に変速ボタン12の故障か否かを判断するので、接点ポイント20が過度に増加すると、変速ボタン12の作動が必要以上に保障される問題が発生するおそれがある。また、接点ポイント20を1つのみ適用する場合、1つの接点ポイント20が認識されない状況をすぐに作動不能と判断するため、円滑な車両運行が実現できず、2つの接点のみを使用する場合、2つの接点のどれに異常が発生したかを判断することができないため、認識信号の精度に劣る。
したがって、本発明では、変速ボタン20に適用される接点ポイントを3つの地点にして故障か否かを判断する。
【0022】
一方、制御部30は、接点ポイント20の3つの接点ポイントに対して異常か否かを判断し、変速ボタン12の押下時に接点ポイント20の接点ポイント22が認識されない場合、ミスカウントとしてチェックし、ミスカウントが累積して、保存されている故障判断設定値に達した場合、他の2つの接点ポイント24、26に対して異常か否かを判断することができる。
本発明では、変速ボタン12の異常か否かを判断する際に、まず、制御部30を介して接点ポイント20の3つの接点ポイントに対して異常か否かを判断する。すなわち、
図3に示すように、接点ポイント20の接点ポイント22が認識されない場合、これをミスカウントとしてチェックし、ミスカウントが累積して、制御部30に既に保存されている故障判断設定値に達した場合、次の段階である2つの接点ポイント24、26に対して異常か否かを判断する。このように、2つの接点ポイント24、26に対して異常か否かを判断することに指令された場合、接点ポイント20の3つの接点ポイントのうち、認識されていない接点ポイント22を除く残りの2つの接点ポイント24、26に対して異常か否かを判断する。
【0023】
ここで、制御部30は、認識されていない接点ポイント20が正常に認識される場合、累積したミスカウントを所定値だけ減少させることができる。このように、制御部30は、接点ポイント20の3つの接点ポイントで認識されなかった接点ポイント22が正常に認識される場合、累積したミスカウントを所定値だけ減少させることにより、一時的なエラー状況に反応しないようにして、安定的な制御が行われるようにできる。
これについて例を挙げて説明すると、3つの接点ポイント22、24、26のいずれかが認識されないことによりミスカウントが1ずつ増加し、ミスカウントが累積して、保存されている故障判断設定値、例えば10に到達した場合、変速ボタン12に異常が発生したと判断する。但し、変速ボタン12の一時的なエラーによりミスカウントが増加することがあるので、認識されなかった接点ポイント22がさらに正常に認識される場合、ミスカウントを5ずつ減少させる。
【0024】
一方、制御部30は、変速ボタン12の押下時に、接点ポイント20の3つの接点ポイントのいずれか、例えば接点ポイント22が、保存されている故障判断時間の間に固着されたと認識される場合、他の2つの接点ポイント24,26に対して異常か否かを判断するように指令できる。
つまり、累積するミスカウントだけでなく、特定の接点ポイント20が、保存されている故障判断時間の間に固着されると、これは明らかに変速ボタン12のエラーと判断して、すぐに接点ポイント22以外の残りの接点ポイント24、26に対して異常か否かを判断するように指令する。ここで、制御部30に既に保存されている故障判断時間は30秒であるが、故障判断時間を変更して設定することができる。前述したように、接点ポイント20の3つの接点ポイントのいずれか、例えば接点ポイント22が認識されないか、或いは固着されたと認識される場合、次の段階である2つの接点ポイント24、26に対して異常か否かを判断する。このときに変速ボタン12の作動が可能であり、変速ボタン12の作動を保障することができ、段階的に変速ボタン12の故障か否かを判断することにより、信頼性の向上を図ることができる。
【0025】
一方、
図4に示すように、制御部30は、2つの接点ポイント24、26に対して異常か否かを判断するとき、2つの接点ポイント24、26のいずれか、例えば接点ポイント24が故障判断時間の間に固着されたと認識される場合、他の1つの接点ポイントに対して異常か否かを判断することができる。ここで、制御部30に既に保存されている故障判断時間は、3つの接点ポイント22、24、26に対して異常か否かを判断するときの時間と同一に設定することができる。このように、2つの接点ポイント24、26の少なくとも1つに異常が発生した場合、正確にどの接点ポイントに異常が発生するかを把握し難いので、接点ポイント20が固着される時間から接点ポイント20の異常か否かを判断するのである。
このように、2つの接点ポイント24、26のいずれかが固着されたと認識される場合、次の段階である1つの接点ポイント26に対して異常か否かを判断する。但し、この時にも変速ボタン12の作動は可能な状態であり、段階的に故障か否かを判断する過程であるので、その信頼性が向上する。
【0026】
ここで、制御部30は、2つの接点ポイント24、26が両方とも故障判断時間の間に固着されていないと認識される場合、接点ポイント20の内の3つの接点ポイントに対して異常か否かを判断するように指令する。つまり、2つの接点ポイント24、26が両方とも故障判断時間の間に固着されない場合、これは正常に変速ボタン12が作動可能であると判断して、前の段階である接点ポイント20の3つの接点ポイントに対して異常か否かを判断する段階に指令するのである。
一方、
図5に示すように、制御部は、1つの接点ポイント26について異常か否かを判断するとき、1つの接点ポイント26が故障判断時間の間に固着されるかをチェックし、1つの接点ポイント26が故障判断時間の間に固着される場合、変速ボタン12に異常が発生したと決定することができる。
【0027】
つまり、最終的に残った1つの接点ポイント26も故障判断時間の間に固着されたとチェックされる場合、これは変速ボタン12が明確に故障したと判断して、変速ボタン12に異常が発生することにより作動不能状態と決定する。このように、変速ボタン12が作動不能状態と決定される場合、後から変速ボタン12が操作されても、変速ボタン12に符合する変速機Tの制御が行われないようにする。
ここで、制御部30は、1つの接点ポイント26を除く2つの接点ポイント22、24の認識状況をチェックし、1つの接点ポイント26が固着されても残りの2つの接点ポイント22、24が正常に認識される場合、2つの接点ポイント22、24に対して異常か否かを判断するように指令できる。
または、制御部30は、3つの接点ポイント22、24、26の固着状況および認識状況をチェックし、3つの接点ポイント22、24、26のいずれも固着されず且つ接点ポイント26のみ認識されない場合、2つの接点ポイント22、24に対して異常か否かを判断するように指令できる。
【0028】
つまり、1つの接点ポイント26に対して異常か否かを判断した後、最終的に異常が発生したと判断されると、変速ボタン12の作動不能状態と決定するので、変速ボタン12の作動を最大限保障するために変速ボタンの異常を判断するのである。
このため、1つの接点ポイント26が固着されても、残りの2つの接点ポイント22、24が正常に認識される場合、さらに2つの接点ポイント22、24に対して異常か否かを判断し、或いは3つの接点ポイント22、24、26のいずれも固着されていない状態で1つの接点ポイント26のみが認識されない場合、さらに2つの接点ポイント22、24に対して異常か否かを判断することにより、変速ボタンの作動を最大限保障するとともに信頼性を向上させることができる。
このように、本発明では、変速ボタン12の故障を判断するとき、
図6に示すように、3つの接点ポイントに対して異常か否かを判断し(S10)、接点ポイント20の3つの接点ポイントのいずれかが認識されない場合(S20)、ミスカウントを累積する(S30)。ここで、接点ポイント20の3つの接点ポイントのいずれかが認識されても、3つの接点ポイントのうちいずれかの接点ポイントの固着時間が故障判断時間に達したか否かをチェックし(S40)、故障か否かをさらにチェックするようにする。
【0029】
一方、ミスカウントを累積して、認識されていない接点ポイントが正常認識される場合(S50)、ミスカウントを所定値だけ減少し(S60)、一時的なエラーによる誤判断を防止する。
前記累積するミスカウントが故障判断設定値に達したか否かを判断し(S70)、累積するミスカウントが故障判断設定値に到達した場合、2つの接点ポイントの異常か否かを判断する(S80)。
このように、2つの接点ポイントのうちいずれかの接点ポイントの固着時間が故障判断時間に達したか否かを判断し(S90)、固着時間が故障判断時間に達した場合、1つの接点ポイントに対して異常か否かを判断する(S100)ようにする。
最後に、1つの接点ポイントの固着時間が故障判断時間に達したか否かを判断し(S110)、1つの接点ポイントの固着時間が故障判断時間に達した場合、変速ボタンの作動不能状態と決定する(S120)ことにより、変速ボタンが明確な故障であると判断し、後から当該変速ボタンが操作されても、当該変速ボタンに符合する変速機の制御が行われないようにする。上述したように、接点ポイント20の3つの接点ポイントを手始めに1つの接点ポイントまで段階的に異常か否かをチェックすることにより、チェック期間中に変速ボタンの作動を保障することができ、さらに正確な故障判断を実現することができる。これにより、本発明のボタン式変速タイプの故障判断システムによれば、変速ボタンの故障判断の際に変速ボタンの作動を最大限保障するとともに、変速ボタンの故障診断の性能及び信頼性を向上させることができる。
【0030】
以上、本発明に関する好ましい実施例を説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の属する技術分野を逸脱しない範囲での全ての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0031】
10 ベース
12 変速ボタン
20 接点ポイント
30 制御部