【実施例1】
【0017】
図1は、(a)が本発明の実施例1に係るLED照明システム1の構成を模式的に示した図であり、(b)が(a)に示したLED照明装置10の詳細構成を模式的に示した図である。
図2は、
図1に示したLED照明装置10の斜視図である。
図3は、LED照明装置10の付加機能部20周辺を断面視してその構成を模式的に示した図である。
図4は、(a)が直管状着脱自在部11の斜視図であり、(b)が(a)に示した直管状着脱自在部11の付加機能部20周辺を拡大した図である。
本発明の実施例に係るLED照明システム1は、例えば、電車内に設置されている直管状蛍光管を有する蛍光灯に置き換えてLEDを光源とするLED照明装置10を含むものである。
【0018】
このLED照明システム1は、無線通信部24および静止画あるいは動画を撮像する撮像部21を含む付加機能部20を備え、かつ、光源となるLEDを光透過部分を含む直管状カバー12aの内部に設けたLED照明装置10と、LED照明装置10と無線通信部24を介して無線通信可能な携帯端末40と、を有する。
【0019】
まず、LED照明装置10について説明する。
LED照明装置10は、蛍光管の標準規格に対応した直管状部分であり、かつ、保持部30に着脱自在に設けた直管状着脱自在部11と、直管状着脱自在部11の両端を保持する一対の保持部30と、内面に反射材等を貼り付けることによってLEDから出射される光を照明エリアに向けて反射するとともに、不図示の直流電源等を収容するフード部14と、を有する。
【0020】
直管状着脱自在部11は、
図1(b)に示すように、光源となる不図示のLEDを光透過部分を含む直管状カバー12aの内部に設けた直管状照明部12と、直管状着脱自在部11の一端側に直管状照明部12と一体的に設けた付加機能部20と、一対の保持部30によって保持される部分となる一対の被保持部13と、を有する。
【0021】
直管状照明部12は、長手方向に沿って複数のLEDを不図示の回路基板上に配置し、LEDから出射した光を直管状カバー12aから外部に出射する部分である。
【0022】
直管状カバー12aは、光透過性の円筒状部材を用いているが、LEDの光を外部に出射する部分のみ光透過性の部材を用いるようにしても構わない。
【0023】
付加機能部20は、静止画データ、あるいは、動画データ(以下、静止画データ、あるいは、動画データを単に「撮像データ」という。)を取得する撮像部21と、音声データを取得するマイク部22と、ランプ部28と、記憶部23と、携帯端末40との無線通信を可能にする無線通信部24と、LED照明装置10の各駆動部を制御する制御部25と、撮像部21、マイク部22、記憶部23、無線通信部24、および、制御部25を内部に収容する直管状のカバー部26と、を有する。
【0024】
撮像部21は、カメラ機能をなす部分であり、レンズ21aと、例えば、CMOSイメージセンサによって実現するイメージセンサ21bと、を有する。
【0025】
ランプ部28は、例えば、LEDによって実現し、撮像部21の駆動と連動して発光するものでる。すなわち、LED照明装置10は、このランプ部28が発光することによって、撮像部21が録画中であることを周知させるようになっている。
【0026】
記憶部23は、例えば、RОM(Read Only Memory)、および、RAM(Random Access Memory)を備えることによって実現し、撮像部21によって撮像した撮像データ、あるいは、動画データにマイク部22によって取得した音データを合わせて保存する。
【0027】
無線通信部24は、近距離無線通信の規格であるBluetooth(登録商標)、あるいは、無線LAN、あるいは、Bluetooth(登録商標) Low Energy等によって実現する。
【0028】
制御部25は、プリント配線板等の回路基板によって実現する。この制御部25は、無線通信部24との通信可能エリアAr内の携帯端末40から記憶部23に保存した撮像データの送信要求信号を受信した場合、撮像データを携帯端末40に送信するように制御するデータ送信制御部25aを有する。
【0029】
カバー部26は、撮像部21のレンズ21aに対向する位置、および、マイク部22に対向する位置に開口26a、26bを形成し、その外表面にはレンズ21aを保護するレンズカバー27が貼付されている。
【0030】
一対の被保持部13は、直管状着脱自在部11の両端面から外方に突出したピン状部分であり、保持部30に形成した不図示の溝に嵌め込むことによって直管状着脱自在部11の両端部が保持部30によって保持されるようになっている。
なお、各被保持部13は、不図示の直流電源から電力を供給するための端子部分として機能するようにしてもよい。
【0031】
一対の保持部30は、上述したように直管状着脱自在部11を保持する部分である。
この保持部30は、直管状の蛍光管の給電ソケットを代用することで、LED照明装置10の設置コストを削減することができる。
また、保持部30は、直流電源の給電ソケットとして用いてもよいし、給電機能を有さない直管状着脱自在部11の単なる保持部材として用いるだけでもよい。
【0032】
このようなLED照明装置10は、直管状着脱自在部11の両端部を一対の保持部30によって保持することによって、LEDを光源とした照明装置として機能するとともに、LEDと同じ直流電源を利用して付加機能部20の撮像部21等の駆動系を駆動することができるようになっている。
【0033】
次に、携帯端末40について説明する。
携帯端末40は、例えば、スマートフォン、あるいは、PDA(Pesonal Data Assistance)によって実現する。
【0034】
この携帯端末40は、LED照明装置10の無線通信部24との通信可能エリアAr内に配置された場合、LED照明装置10との相互無線通信とそれに関わる操作を画面上で行うことができるようにする専用アプリケーションプログラムをダウンロードしている。
この専用アプリケーションプログラムは、インターネット上に有料、または、無料で公開することによって大量の携帯端末40にダウンロードすることができるようにしている。
なお、専用アプリケーションプログラムとは、LED照明装置10との相互通信を可能とし、LED照明装置10に関わる情報の画面への出力表示、あるいは、撮像データの取得、閲覧のための入力操作画面を表示するためのアプリケーションプログラムである。
【0035】
次に、
図5−
図8を用いて本発明の実施例1に係るLED照明システム1が行う撮像データの利用促進処理の流れについて説明する。
図5は、LED照明システム1が行う撮像データの利用促進処理の流れを示したフローチャートである。
図6は、(a)が周辺にカメラがあることを知らせる情報の画面表示の一例を示した図であり、(b)が(a)の画面表示を携帯端末40の使用者が確認している様子を示した図である。
図7は、(a)がカメラ選択画面D1の画面表示の一例を示した図であり、(b)が再生データ選択画面D2の画面表示の一例を示した図である。
図8は、2つの撮像部21が取得した動画データを携帯端末40の画面に再生している様子を説明するための図である。
なお、この処理を行う前に、携帯端末40の使用者は、例えば、インターネットを介して、上述した専用アプリケーションプログラムをダウンロードする。
また、この説明では複数のLED照明装置10のうち一つのLED照明装置10の処理を代表して示している。
【0036】
まず、携帯端末40をLED照明装置10との相互通信モードをオンにする(ステップS201)。
より具体的には、携帯端末40の使用者が、携帯端末40にダウンロードされた専用アプリケーションプログラムを起動することによって、携帯端末40をLED照明装置10との相互通信可能な状態に設定する。
【0037】
その後、携帯端末40は、LED照明装置10の無線通信部24からの信号を受信したか否かを判断する(ステップS202)。
より具体的には、携帯端末40が無線通信部24との通信可能エリアAr内に配置された場合、携帯端末40は、LED照明装置10の無線通信部24からの信号を受信したと判断し(ステップS202:Yes)、周辺にカメラがあることを知らせる情報を画面41に表示する(ステップS203)。
ここで携帯端末40に表示する画面表示の一例としては、
図6(a)に示すように、「周辺にカメラがあります」という文字情報D0を表示することである。
なお、ここでの表示は、周辺にカメラがあることを携帯端末40の使用者に認識させることができればよいので、例えば、カメラの図記号を表示するようにしても構わない。
この表示画面によって、携帯端末40の使用者は、周辺にカメラが設置してあることを認識することができる。
これにより、携帯端末40の使用者は、自分の周辺にある撮像部21が取得した撮像データを積極的に利用することができる。
また、窃盗などの犯罪をたくらんでいる携帯端末40の使用者がいる場合、その者の周辺にカメラがあることを認識させることによって、そのたくらみをあきらめさせることができる。
なお、携帯端末40への画面表示とともに、アラーム音、あるいは、バイブレーションを付加することによってよりカメラの設置をより認識し易くすることもできる。
また、携帯端末40の使用者が現在起動中のアプリケーションの画面に「周辺にカメラがあります」という文字をポップアップ表示するようにしてもよい。
【0038】
一方、携帯端末40は、LED照明装置10の無線通信部24からの信号を受信しない場合(ステップS202:No)、ステップS202の判断処理を繰り返す。
【0039】
携帯端末40は、ステップS203で周辺にカメラがあることを知らせる情報を表示した後、カメラ選択画面D1を表示する(ステップS204)。
カメラ選択画面D1とは、より具体的には、携帯端末40と通信可能な複数のLED照明装置10を識別可能、かつ、その通信可能な複数のLED照明装置10の中から撮像データを取得したいLED照明装置10の撮像部21を選択するための入力操作画面である。
カメラ選択画面D1の一例としては、
図7(a)に示すように、通信可能なLED照明装置10のそれぞれの撮像部21を、「カメラ1」、および「カメラ2」とし、画面41上にそれぞれに対応した2つの釦B1、B2を表示している。
【0040】
その後、携帯端末40は、カメラ選択情報をLED照明装置10の無線通信部24に送信する(ステップS205)。
より具体的には、携帯端末40の使用者がステップS204の表示画面(
図7(a)参照)の「カメラ1」、および「カメラ2」の釦B1、B2を押圧し、その後、「送信」釦B3を押圧することによって、カメラ選択情報が、対応するLED照明装置10のそれぞれの無線通信部24に送信される。
【0041】
ここで、LED照明装置10は、選択されたカメラに対応する撮像部21の撮像データをカメラ識別情報とともに携帯端末40に送信する(ステップS101)。
【0042】
一方、携帯端末40は、カメラ毎に分別された撮像データを取得し(ステップS206)、ステップS207に処理を移行する。
ステップS207で携帯端末40は、再生データ選択画面を表示する。
ここで、再生データ選択画面D2とは、カメラ毎に分別して取得された撮像データの中から所望の撮像データを選択して再生することができる操作画面である。
再生データ選択画面D2の一例としては、
図7(b)に示すように、カメラ毎に分別して取得された撮像データ(ここでは、動画データとする。)をそれぞれ、「カメラ1動画」、および「カメラ2動画」とし、画面41上にそれぞれに対応した2つの釦B4、B5で表示する。
これにより、携帯端末の使用者は、カメラ1動画、あるいは、カメラ2動画を選択するように釦B4、B5の押圧操作を行うと、
図8に示すように、それぞれの釦B4、B5に対応した撮像部21の動画データが再生される。
また、携帯端末40が複数の撮像部21の撮像データを取得することによって、異なる位置の撮像部21から撮像した撮像データを取得することができる。これにより、
図8に示すように、例えば、電車内での盗難等の犯罪事件を検証する場合に、複数の方向から現場の状況を確認することができる。
【0043】
本発明の実施例1に係るLED照明システム1は、携帯端末40が無線通信部24との通信可能エリアAr内、すなわち、撮像部21と近距離で配置された場合、携帯端末40の画面41に周囲にカメラがあることを知らせる情報が表示されるので、携帯端末40の使用者は、周辺にカメラがあることを認識することができ、結果的に、カメラによる撮像データの利用を促進することができる。
【0044】
また、本発明の実施例1に係るLED照明システム1は、付加機能部20が音データを取得するマイク部22を有するので、撮像部21によって取得した動画データに音データを合わせ、携帯端末40からより有用な情報を得ることができる。
【0045】
また、本発明の実施例1に係るLED照明システム1は、付加機能部20を直管状カバー12aに一体的に設けているので、既存の直管状蛍光管に置き換えて利用されるLED照明装置の直管状のLED照明部分を保持する保持部の構造を大きく変えることなく付加機能部20を組み込むことができる。
【0046】
また、本発明の実施例1に係るLED照明システム1は、付加機能部20が撮像部21によって撮像した撮像データを保存する記憶部23と、無線通信部24との通信可能エリアAr内の携帯端末40から記憶部23に保存した撮像データの送信要求信号を受信した場合、撮像データを携帯端末40に送信するように制御するデータ送信制御部25aと、を有するので、周囲にカメラがあることを認識した際、ただちに、LED照明10から携帯端末40の画面に画像データ、あるいは、動画データを取得することができるので、カメラによる撮像データの利用を促進することができる。
(変形例1)
【0047】
次に、
図9を用いて本発明の実施例に係るLED照明システムの変形例1ついて説明する。
図9は、(a)が付加機能部20を覆うように設けた保持部31に撮像部21のレンズ21aおよびマイク部22を露出する開口31aを形成したLED照明装置50の斜視図であり、(b)が保持部31に覆われない位置に付加機能部20を調整して設けたLED照明装置51の斜視図であり、(c)が外装カバー52aに撮像部21のレンズ21aおよびマイク部22を露出する開口52bを形成したLED照明装置52の斜視図である。
本発明の実施例1に係るLED照明システムの変形例1のLED照明システム2は、撮像データ、あるいは、音データの取得の邪魔になる部分がある場合に、その部分が邪魔にならないように構造上の工夫をしている点で、実施例1のLED照明システム1と異なる。
なお、その他の構成は実施例1と同様であり、実施例1と同一構成部分には同一符号を付している。
【0048】
図9(a)に示すLED照明装置50は、保持部31が付加機能部20を覆うように形成されているため、保持部31に撮像部21のレンズ21aおよびマイク部22を露出する開口31を形成することによって、保持部31が撮像部21による撮像データの取得、および、マイク部22による音データの取得の邪魔にならないようになっている。
【0049】
また、
図9(b)に示すLED照明装置51は、保持部31が直管状着脱自在部11の端部を直管状着脱自在部11の長さ方向に沿って長めに覆うようにしているため、保持部31から露出する位置に撮像部21のレンズ21aおよびマイク部22を調整して設置することによって、保持部31が撮像部21による撮像データの取得、および、マイク部22による音データの取得の邪魔にならないようになっている。
【0050】
また、
図9(c)に示すLED照明装置52は、外装カバー52aが付加機能部20を覆うように取り付けられているため、外装カバー52aに撮像部21のレンズ21aおよびマイク部22を露出する開口52bを形成することによって、外装カバー52aが撮像部21による撮像データの取得、および、マイク部22による音データの取得の邪魔にならないようになっている。
(変形例2)
【0051】
次に、
図10を用いて本発明の実施例に係るLED照明システムの変形例2ついて説明する。
図10は、(a)が変形例2のLED照明システム3のLED照明装置10の詳細構成を模式的に示した図であり、(b)がLED照明装置10の付加機能部60周辺を断面視してその構成を模式的に示した図である。
本発明の実施例1に係るLED照明システムの変形例1のLED照明システム3は、付加機能部60がマイク部22を有しない点で、実施例1のLED照明システム1と異なる。
なお、その他の構成は実施例1と同様であり、実施例1と同一構成部分には同一符号を付している。
【0052】
この変形例2のLED照明システム3は、音データを取得することはできないものの、静止画データ、あるいは、音無しの動画データを取得することができるので、実施例1とほぼ同様の効果を奏することができる。
(変形例3)
【0053】
次に、
図11を用いて本発明の実施例1に係るLED照明システムの変形例3ついて説明する。
図11は、(a)が変形例3のLED照明装置53の斜視図であり、(b)が変形例3のLED照明装置53の詳細構成を模式的に示した図である。
本発明の実施例1に係るLED照明システムの変形例3のLED照明システム4は、付加機能部20を保持部32に設けている点で、実施例1のLED照明システム1と異なる。
なお、その他の構成は実施例1と同様であり、実施例1と同一構成部分には同一符号を付している。
【0054】
この変形例3のLED照明システム4は、保持部32に付加機能部20を設けることによって、実施例1のLED照明システム1に比べて保持部32の構造が複雑になるものの、多くのメーカーが製造する直管状のLED照明を適用し易くなる。
【0055】
なお、発明の実施例1のLED照明システム1は、携帯端末40の画面41に周辺にカメラがあることを知らせる情報を表示し、携帯端末40に撮像データを取得することによって、画面41に撮像データを再生するまでの一連の処理を例示したが、その一連の処理の中に、LED照明装置10に設けた不図示のスピーカーから警報音を発する処理を追加するようにしてもよい。例えば、付加機能部20に、スピーカーをさらに設け、携帯端末40の画面41にそのスピーカーから警報を発するように操作するための不図示の「緊急警報」釦を表示するようする。
なお、「緊急警報」釦は、例えば、周辺にカメラがあることを知らせる情報の表示と同一画面上に表示するとよい。
これにより、携帯端末40の使用者は、電車内等で犯罪に巻き込まれた場合に、この「緊急警報」釦を押し、LED照明装置10のスピーカーから警報音を発することによって、犯罪者に対して犯罪行為を抑止させるとともに、犯罪を周囲に報知し救助を求めることができる。
【実施例2】
【0056】
次に、
図12を用いて本発明の実施例2に係るLED照明システム5ついて説明する。
図12は、本発明の実施例2に係るLED照明システム5の構成を模式的に示した図である。
本発明の実施例2に係るLED照明システム5は、顧客登録情報110aを管理する情報管理サーバー100と接続し、顧客登録情報110aをシステムの運用に利用している点で実施例1のLED照明システム1と異なる。
なお、その他の構成は実施例1と同様であり、実施例1と同一構成部分には同一符号を付している。
【0057】
本発明の実施例2に係るLED照明システム5は、LED照明装置10が無線中継器130を介してインターネットNに接続することによって、インターネットNに接続した情報管理サーバー100に接続するようになっている。
【0058】
情報管理サーバー100は、LED照明システム5への顧客別のアクセス権に関する顧客登録情報110aを管理するサーバーである。
この情報管理サーバー100は、顧客登録情報110aを記憶する記憶部110と、情報管理サーバー100の顧客登録情報110aに基づいて、登録した顧客の携帯端末40にのみ撮像データを送信可能にする制御を行う登録管理制御部120aを有する制御部120と、を有する。
【0059】
顧客登録情報110aは、LED照明装置10の記憶部23に記憶された撮像データの取得を可能とする権利を与えた顧客の情報である。
より具体的には、顧客登録情報110aは、顧客の氏名、住所、電話番号、職業等の個人情報と、撮像データを取得するためのデータアクセス権となるパスワードとを関連付けた情報である。
【0060】
顧客は、例えば、実施例1で説明した専用アプリケーションプログラムを携帯端末40にダウンロードする際に、個人情報を入力することによってパスワードを取得する。
【0061】
次に、
図13および
図14を用いて本発明の実施例2に係るLED照明システム5が行う撮像データの利用促進処理の流れについて説明する。
図13は、LED照明システム5が行う撮像データの利用促進処理の流れを示したフローチャートである。
図14は、(a)がパスワード入力画面D3の一例を示したものであり、(b)がパスワードの再登録を促す画面D4の一例を示したものである。
なお、この説明での処理を行う前に、携帯端末40の使用者は、例えば、インターネットを介して、上述した専用アプリケーションプログラムをダウンロードする。
また、この説明では複数のLED照明装置10のうち一つのLED照明装置10の処理を代表して示している。
また、ステップS501からステップS503までの処理は、実施例1に示したステップS201からステップS203までの処理と同じため、その説明を省略する。
【0062】
携帯端末40は、ステップS503で画面表示処理を実行した場合、パスワード入力画面D3を表示する(ステップS504)。
パスワード入力画面D3は、例えば、
図14(a)に示すように、画面に表示されたテキスト入力欄B6にパスワードを入力することができるようになっている。
【0063】
その後、携帯端末40は、パスワードをLED照明装置10に送信する(ステップS505)。より具体的には、携帯端末40の使用者が、例えば、
図14(a)に示したパスワード入力画面D3の「送信」釦B7を押圧することによって、携帯端末40からLED照明装置10へのパスワードの送信が実行される。
【0064】
パスワードの受信待ちのLED照明装置10は、パスワードを受信したか否かを判断する(ステップS401)。
LED照明装置10は、パスワードを受信したと判断した場合(ステップS401:Yes)、そのパスワードを情報管理サーバー100に送信する(ステップS402)。
【0065】
一方、LED照明装置10は、パスワードを受信していないと判断した場合(ステップS401:No)、ステップS401の判断処理を繰り返す。
【0066】
パスワードの受信待ちの情報管理サーバー100は、パスワードを受信したか否かを判断する(ステップS301)。
【0067】
情報管理サーバー100は、パスワードを受信したと判断した場合(ステップS301:Yes)、受信したパスワードが登録されたパスワードか否かを判断する(ステップS302)。
ここで、パスワードが登録されたパスワードか否かの判断は、登録管理制御部120aが受信したパスワードと、記憶部110に記憶された顧客登録情報110aとを比較参照する処理を実行することによって判断する。
【0068】
一方、情報管理サーバー100は、パスワードを受信していないと判断した場合(ステップS301:No)、ステップS301の判断処理を繰り返す。
【0069】
ステップS302で、情報管理サーバー100は、登録されたパスワードであると判断した場合(ステップS302:Yes)、データアクセス許可信号をLED照明装置10に送信する(ステップS303)。
ここで、データアクセス許可信号とは、携帯端末40がLED照明装置10の記憶部23に保存された撮像データを取得することを許可するための信号である。
なお、アクセス許可信号は、情報管理サーバー100にパスワードを送信した全てのLED照明装置10に対して送信する。
【0070】
一方、ステップS302で、情報管理サーバー100は、登録されたパスワードでないと判断した場合(ステップS302:No)、データアクセス拒否信号をLED照明装置10に送信する(ステップS304)。
なお、データアクセス拒否信号とは、携帯端末40がLED照明装置10の記憶部23に保存された撮像データを取得することを拒絶するための信号である。
【0071】
ここで、情報管理サーバー100からのデータアクセスに関する信号待ち状態にあるLED照明装置10は、データアクセス許可信号を受信したか否かを判断する(ステップS403)。
【0072】
ステップS403で、LED照明装置10は、データアクセス許可信号を受信したと判断した場合(ステップS403:Yes)、データアクセス許可信号を携帯端末40に送信する(ステップS404)。
【0073】
一方、ステップS403で、LED照明装置10は、データアクセス許可信号を受信していないと判断した場合(テップS403:No)、すなわち、データアクセス拒否信号を受信した場合、データアクセス拒否信号を携帯端末40に送信する(ステップS405)。
【0074】
ここで、パスワードの入力送信後の携帯端末40は、データアクセス許可信号を受信したか否かを判断する(ステップS506)。
【0075】
携帯端末40は、データアクセス許可信号を受信した場合(ステップS506:Yes)、カメラ選択画面を表示する(ステップS507)。
【0076】
一方、ステップS506で、携帯端末40は、データアクセス許可信号を受信しない場合(ステップS506:No)、すなわち、データアクセス拒否信号を受信した場合、処理をステップS504のパスワード入力画面表示に戻し、再度のパスワードの入力を促す。
なお、パスワードの繰り返しの入力に対してデータアクセス拒否が多数回繰り返された場合、例えば、
図14(b)に示すように、パスワードの再登録を促す画面D4を表示するとよい。
【0077】
なお、携帯端末40のステップS507からステップS510の処理と、それに対応したLED照明装置10のステップS406の処理は、実施例1に示した携帯端末40のステップS204からステップS207の処理と、それに対応したLED照明装置10のステップS101の処理と同様であるためその説明を省略する。
【0078】
本発明の実施例2に係るLED照明システム5は、実施例1と同様の効果を奏するとともに、情報管理サーバーを設けることによって、撮像部が取得した撮像データへのアクセス権を顧客別に設定することが可能になるため、撮像データの悪用を防ぐことができる。
(変形例)
【0079】
次に、
図15および
図16を用いて本発明の実施例2に係るLED照明システムの変形例について説明する。
図15は、本発明の実施例2に係るLED照明システム5の変形例のLED照明システム6の構成を模式的に示した図である。
図16は、ダミーカメラ搭載LED照明装置70の直管状着脱自在部71の斜視図であり、(b)が(a)に示した直管状着脱自在部71の付加機能部を模した部分を拡大した図である。
この変形例のLED照明システム6は、LED照明装置10の外観を模して撮像部21を備えているように見せかけた照明装置であるダミーカメラ搭載LED照明装置70を有する点で実施例2のLED照明システム5と異なる。
なお、その他の構成は実施例2と同様であり、実施例2と同一構成部分には同一符号を付している。
【0080】
この変形例のLED照明システム6は、複数のLED照明装置10の中に、ダミーカメラ搭載LED照明装置70を混在させるようにしている。
【0081】
ダミーカメラ搭載LED照明装置70は、レンズカバー27をスモーク色とし、マイク部22に対応したカバー部26の開口26bを網目状のシート72等で塞ぐことによって内部構造を目視し難くなるようにしている。このため、ダミーカメラ搭載LED照明装置70は、外観上、撮像部21、あるいは、マイク部22を備えているよう見せることができるようになっている。
【0082】
なお、LED照明装置10についても、ダミーカメラ搭載LED照明装置70と同様にレンズカバー27をスモーク色とし、マイク部22に対応した開口26bを網目状のシート72等で塞ぐようにする。
これによって、外観上は、LED照明装置10と、ダミーカメラ搭載LED照明装置70との区別ができないようになっている。
【0083】
ここで、この変形例のLED照明システム6の作用について説明する。
図13に示したフローチャートのステップS503で、携帯端末40が周辺にカメラがあることを知らせる情報を画面41に表示すると、携帯端末40の使用者は、周辺にカメラがあることを認識する。
すると、犯罪を実行しようと考えている者は、周囲を見回し、カメラの位置を確認することが予想される。
このため、例えば、LED照明装置10の通信可能エリアAr内の周辺に多数のダミーカメラ搭載LED照明装置70を設置しておくことによって、犯罪を実行しようと考えている者は、多数のカメラによって監視されていると思い込み、犯罪の実行をあきらめる可能性が高くなる。
【0084】
なお、実施例2で説明したパスワードを、例えば、犯罪履歴のない者に対してのみ与えることによって、犯罪を行う可能性の高い者のアクセス権が制限し、LED照明装置10とダミーカメラ搭載LED照明装置70との区別を外観でしか行えないようにしておくようにしてもよい。
【0085】
この変形例のLED照明システム6は、LED照明装置10とダミーカメラ搭載LED照明装置70との区別を外観でしか行えないようにしているため、LED照明装置10の通信可能エリアAr内の周辺に多数のダミーカメラ搭載LED照明装置70を設置しておくことによって、犯罪を実行しようと考えている者は、多数のカメラによって監視されていると思い込み、犯罪の実行をあきらめる可能性が高くなり、結果的に、犯罪の防止効果を高めることができる。
【0086】
なお、この変形例のダミーカメラ搭載LED照明装置70は、実施例2のLED照明システム5に用いるものを例示したが、これに限らず、実施例1のLED照明システム1に用いても構わない。
【0087】
また、本発明の実施例1、2、および変形例に係るLED照明システム1、2、3、4、5、6は、電車内の防犯目的に適用する例を示したが、適用例はこれに限定しない、すなわち、LED照明装置10、50、51、53の撮像部21によって取得した撮像データの利用を促進したい目的であればその他の例にも適用することができる。例えば、イベント会場のような大勢の人が集まる場所に設置することによって、集客数の調査、あるいは、人の行動パターンの調査等にLED照明装置10、50、51、53の撮像部21によって取得した撮像データの利用を促進することができる。
【0088】
また、本発明の実施例1、2、および変形例に係るLED照明システム1、2、3、4、5、6は、LED照明装置10、50、51、52、53の無線通信部24が近距離通信に対応するものを例示したが、無線通信部24による通信距離は、近距離に限らない。例えば、付加機能部20、60に、シムカード(Subscriber Identity Module Card)の不図示のソケットをさらに設け、そのソケットにシムカードをセットすることによって、LED照明装置10、50、51、52、53の通信エリアを拡大するようにしても構わない。
また、LED照明システム1、2、3、4、5、6は、上述したように、シムカード等によってLED照明装置10、50、51、52、53の通信エリアを拡大しつつ、さらに、付加機能部20、60に、GPS(Global Positioning System)機能を追加することによって、LED照明装置10、50、51、52、53の位置情報を利用したシステムを構築するようにしても構わない。
【0089】
以上、本発明者によってなされた発明を、上述した発明の実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は、上述した発明の実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。