【課題】電磁誘導加熱を用いて揚げ容器の内部に入れられた揚げ油の温度を上昇させて揚げ物材料を揚げるとともに、高周波により揚げられて得られた揚げ物の食感を改善した電磁誘導加熱フライヤーを提供する。
【解決手段】電磁誘導加熱フライヤーは、上部に開閉可能に蓋体110を設け、複数の揚げ容器120が配設される揚げ本体100と、誘導電流を発生させて揚げ容器120の内部に入れられた揚げ油の温度を上昇及び維持する誘導加熱部200と、蓋体110に設けられた高周波を印加する高周波揚げ部300と、誘導加熱部200及び高周波揚げ部300を制御するコントローラー部400と、を備える。
【背景技術】
【0002】
一般に、揚げ物材料を揚げる天ぷら揚げ装置は、先行技術として米国特許第4580549号、日本特許第1046416号、大韓民国特許出願公告第1990−0000271号に記載の天ぷら揚げ装置などにより広く知られている。これらの装置は、水及び揚げ油(食用油)が混合されずに揚げ油が水の上に浮かぶという性質を用いて容器内に水及び揚げ油を一緒に入れて水は下に位置させ、揚げ油は水の上に位置させた後に、上部の揚げ油を加熱して揚げ物材料を揚げる。
【0003】
前記水及び揚げ油を用いる従来の揚げ装置の一つである大韓民国特許出願公告第1990−0000271号は、上端にフランジを有する容器の中間部に複数の通気管を前方から後方に向かって貫設する。その上方には熱伝導性が向上するように放射状の熱ピンが内設された複数本の加熱管を通気管と同じ方向に設けて加熱管の上に揚げ網体を載置する。これらの通気管及び加熱管の後端部に設けられた排気管の中央部に分離板を形成してガス排出口及び空気排出口に画成し、加熱管の前端にはバナーを取り付けた後に容器内に水を注入して通気管の上側まで満たした後にその上に揚げ油を注いで水の上に位置させた状態で揚げ油を加熱して揚げ物材料を揚げる装置が開示されている。
【0004】
ところが、前記先行技術として揚げられた天ぷら揚げ装置や水及び揚げ油を用いる全ての天ぷら揚げ装置においては、揚げ油を160〜220℃の温度に加熱して揚げ物材料を揚げ、揚げる揚げ物材料の揚げカスは下にある水に沈んで底面に収集される。揚げ油に必要な水分を補うことにより常にきれいで且つしっとりした揚げ油の状態で揚げ物材料を揚げることを目的とする。前記目的を達成するためには、水が沸騰して揚げカス及び揚げ油が混合されることを防ぐとともに、水が更に沸騰して外部に爆発することを予防しなければならない。そのためには、冷却器の役割を果たす通気管が必ず設けられて水面と接する揚げ油の温度を50〜55℃に保たなければならない。
【0005】
しかしながら、前記通気管は、フライヤーの内部を貫通させる構造を有するため、その構造が複雑であり、その結果、製作し難く、しかも、製造コストが高いという問題がある。また、水の冷却は、通気管を通過する室内空気を用いて放熱することにより行われるため、室内温度が上がったり長期使用により過熱したりすると、通気管は冷却機能を正常に行うことができず、水が揚げ油の上に沸騰して揚げ油とともに爆発して作業者が火傷を負ってしまうという問題があった。
【0006】
インダクションヒーティングコイルは、将来型電子調理器具であるインダクションレンジの加熱装置として用いられるものであり、電磁誘導方式により加熱されるものである。
インダクションレンジに用いられるインダクションヒーティングコイルは、複数本(3本)の銅線を撚り合わせた銅撚線を円板の上に丸く巻いた形状を有する。このため、交流電気を流すと磁力線が発生され、磁力線の中心には渦電流が発生する。
【0007】
前記磁力線に磁性を有する金属が流入すると、金属は電気抵抗により発熱される。
これを磁気誘導発熱と称し、このような磁気誘導方式により発熱される磁力線誘導技術を用いたインダクション電子レンジは燃焼炎がなく、速やかに発熱されるという特徴を有しているため、既存の調理器に比べて安定性及び清浄性を有する将来型電子調理器具であるといえる。
【0008】
通常のインダクション電子レンジは、上述したように、銅撚線を円板状に丸く形成した平板状の加熱部と、中央部が凹んだ容器状に丸く巻いたものを用いた容器状などの凹んだ加熱部と、を造成する。
【0009】
このように円板状に丸く巻いたインダクションヒーティングコイルは、板状の調理器具用や電気炊飯器用に用いられることが分かる。大韓民国登録特許第176928号(1998年05月25日付け公開)に記載の電磁誘導加熱フライヤーの均一天ぷら揚げ装置は、回転力を発生させるモーターと、前記モーターの回転軸に係着される係合部と、を備える。前記係合部から所定の距離を隔てて摺動ピンが係合された回転部材と、下側に前記摺動ピンが嵌入して摺動する長孔部と、が形成される。この長孔部と垂直方向に形成された垂直連結部が形成された上下移動部材と、前記垂直連結部の一方の側に連結され、内部に揚げ物が置かれる揚げかごと、を備えてなるが、小型フライヤーに適用し難いという問題があった。
【0010】
大韓民国公開実用新案第20−2009−0011274号に記載のインダクション肉焼き器は、インダクションヒーティングコイルに電気を印加して発生された誘導電流を用いてヒーティングコイルの上に置かれた調理部材を加熱させて調理するインダクション肉焼き器において、前記調理部材は、炭粉を圧着成形して四角板状に形成するが、前記調理部材の一方の面にはU字状凹凸部が横方向に多数形成され、前記調理部材の他方の面は平滑な平坦面として形成され、前記調理部材は前記インダクションヒーティングコイルの上に着脱自在に取り付けられるようにしたものであり、前記インダクションヒーティングコイルの上には多数の調理部材を散在させたが、フライヤーに適用し難いという問題があった。
【0011】
大韓民国登録特許第0861869号に記載のインダクションヒーティングコイルを用いたフライヤーは、向かい合う側壁に孔を形成する。前記孔にインダクションヒーティング方式により加熱される加熱部を形成し、前記加熱部は、両端を揚げ槽の側壁孔に磁性を有する金属パイプを固定する。前記金属パイプの内側には、セラミックパイプが嵌入する。前記金属パイプの内側には、セラミックパイプの外周面に沿って螺旋状に丸く銅線を巻いたものを固定する。前記セラミックパイプの一方の側に送風ファンを配設したが、加熱部が揚げ槽の内部に存在するため、揚げ油及び加熱部が当接する部分を送風ファンを用いて冷却させても適正な温度を保ち難いという問題があり、製品化させ難い。なお、加熱部を揚げ槽の内部に設けるため、調理空間が狭くなる。加熱部の隅部が黒く焦げたり揚げカスが付着して掃除し難いという問題を有している。これにより、新たな揚げ油を注いでも揚げ油の酸敗が早く進んでしまうという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
上述した問題を解消するために、本発明は、複数の揚げ容器を設けて揚げ物材料の量又は揚げ物材料の性質に応じて区別し、区別した揚げ物材料を電磁誘導加熱方式を用いて揚げるようにするとともに、高周波を印加して揚げ油で揚げられる揚げ物材料の表面はカリッ、サクッとした食感を有し、且つ、内部はしっとりした食感を有する揚げ物を提供することを目的とする電磁誘導加熱フライヤーを提供する。
また、本発明は、揚げ油及び揚げ物材料が入れられる揚げ容器を韓国の食品医薬品安全処において認める材質を用いながら、揚げ容器の外側面に加熱部材を設けて電磁誘導加熱が速やかに伝導されるようにする電磁誘導加熱フライヤーを提供する。
更に、本発明は、セラミックから遠赤外線波長が発生して揚げられる揚げ物材料の内部の深くに浸透して内部及び外部が均一に加熱されるようにし、揚げ物材料の新鮮度を維持するとともに、表面はカリッ、サクッとした食感を有し、且つ、内部は柔らかく揚げられるようにすることを目的とする電磁誘導加熱フライヤーを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述した目的を達成するための本発明による電磁誘導加熱フライヤーは、上部に開閉可能に蓋体を設け、揚げ物材料の量又は揚げ物材料の性質に応じてそれぞれ異なるように揚げるように複数の揚げ容器が配設される揚げ本体と、誘導電流を発生させて揚げ容器の内部に入れられた揚げ油の温度を上昇させるように揚げ容器の外側に配設される誘導加熱部と、前記揚げ容器において揚げられる揚げ物材料の表面はカリッ、サクッとした食感を有し、且つ、内部はしっとりした食感を有するように揚げ物材料が揚げられるように蓋体の一方の側に配設される高周波揚げ部と、前記誘導加熱部及び高周波揚げ部を制御して揚げ容器の内部の揚げ油の温度を適正に保つとともに、揚げられる揚げ物材料の調理時間が制御可能なように揚げ本体に設けるコントローラー部と、を備えることを特徴とする。
本発明の前記誘導加熱部は、複数の揚げ容器の外側に設ける金属材質の加熱部材と、複数の揚げ容器の外側に固定されて所定の間隔を隔てて設ける複数のブラケットと、ブラケットに設けられて誘導電流を発生させるようにコントローラー部と電気的に接続されるコイルと、コイルの外側に設けられて磁力を発生させる磁石と、磁石をコイルの一方の側に固定する磁石固定部材と、を備えることを特徴とする。
本発明の誘導加熱部は、コイルにより電磁気誘導現象が円滑に起こって揚げ容器の内部に入れられた揚げ油の温度を速やかに上昇させて揚げ物材料の揚げ調理が手軽に行えるように複数の揚げ容器の外側面に金属材質を粉体塗装方式を用いてコーティングして金属コーティング層を形成することを特徴とする。
本発明の高周波発生部は、揚げ容器の内部に配設されて揚げ物材料が揚げ油で揚げられるように揚げ物材料が入れられる揚げかごと、前記揚げかごの上部に密着されるように蓋体の一方の側に配設されるかごカバーと、前記かごカバーが揚げかごの上部に弾性作用により強固に密着されるようにかごカバーの一方の側に係合して蓋体の一方の側に固定するカバー支持体と、前記揚げかごに印加される高周波の漏れを防ぐために前記カバー支持体が設けられた蓋体に設ける絶縁体と、前記コントローラー部と連結されて蓋体の内側を介して蓋体の一方の側に設けたかごカバーに高周波が供給可能なようにかごカバーと連結される高周波供給線と、を備えることを特徴とする。
本発明の揚げかごは、その下部及び上部の側面にセラミック材質の下部支持部材及び側面支持部材をそれぞれ設けて揚げ容器から所定の距離だけ隔たるようにするとともに、セラミックから遠赤外線波長が発生して揚げられる揚げ物材料の内部の深くに浸透して深部において発熱を引き起こして内部及び外部が均一に加熱されるようにすることを特徴とする。
本発明のかごカバーは、その一方の側にセラミック材質のセラミックバーを設けて揚げかごの内側に位置させてセラミックから発せられる遠赤外線波長が電磁誘導熱を伝えて揚げ物材料の内部及び外部が均一に加熱されて表面はカリッ、サクッとした食感を有し、且つ、内部は柔らかく揚げられた揚げ物の新鮮度を保つことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、複数の揚げ容器を設けて揚げ物材料の量又は揚げ物材料の性質に応じて区別し、電磁誘導加熱により揚げ調理が行えるようにするとともに、高周波を印加して揚げ油で揚げられる揚げ物材料の表面はカリッ、サクッとした食感を有し、且つ、内部はしっとりした食感を有する揚げ物を提供できるという効果がある。
また、本発明は、揚げ油及び揚げ物材料が存在する空間の揚げ容器の材質として韓国の食品医薬品安全処において認めるものを用いることから、健康な食べ物を提供することができる。
更に、本発明は、揚げ容器の外側に加熱部材を設けて電磁誘導加熱が速やかに起こることから、揚げ物材料が揚げられる温度を適正に保ち易いという効果がある。
更にまた、本発明は、セラミックから遠赤外線波長が発生して揚げられる揚げ物材料の内部の深くに浸透して深部において発熱を引き起こして内部及び外部が均一に加熱されるようにして食感に優れた揚げ物を提供できるという効果がある。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面に基づき、本発明による電磁誘導加熱フライヤーについて詳細に説明する。
図1は、本発明による電磁誘導加熱フライヤーの構成を示す分解斜視図であり、
図2は、
図1の電磁誘導加熱フライヤーの係合状態を示す斜視図であり、
図3は、
図2の電磁誘導加熱フライヤーの係合構成を示す断面図であり、
図4は、
図2の揚げ容器に配設される誘導加熱部の係合構成を抜粋して示す構成図であり、
図5は、本発明による電磁誘導加熱フライヤーのかごの構成を示す構成図であり、
図6は、本発明による電磁誘導加熱フライヤーのコントローラー部の構成を示す図である。
【0018】
図1から
図6を参照すると、本発明による電磁誘導加熱フライヤーは、上部に蝶着されて開閉可能に配設される蓋体110を有し、揚げ物材料の量又は揚げ物材料の性質に応じてそれぞれ異なるように揚げるための矩形形状の揚げ本体100と、誘導電流を発生させて揚げ油の温度を上昇させるために後述する揚げ容器120の外側に配設される誘導加熱部200と、前記揚げ容器120に高周波が印加可能なように蓋体110の一方の側に配設される高周波揚げ部300及び前記誘導加熱部200及び高周波揚げ部300を制御して揚げ容器120の内部の揚げ油の温度を適正に保つとともに、揚げられる揚げ物材料の調理時間が制御可能なように揚げ本体100に設けるコントローラー部400と、を備える。
【0019】
前記揚げ本体100は、内側に大きさが異なる矩形形状の複数の載置孔101を形成し、揚げ油が入れられて揚げ物材料を揚げるように載置孔101に対応するように揚げ容器120が配設される。
前記揚げ容器120に入れられる揚げ油が排出し易いように排水トラップ130が設けられ、前記揚げ本体100の一方の側に排出可能なように排水トラップ130及び排水管131が連絡される。前記排水管131の一方の側にはドレーン弁132を設けて揚げ容器120に入れられた揚げ油を選択的に排出可能にする。
【0020】
前記誘導加熱部200は、複数の揚げ容器120の外側に対応するように金属材質の加熱部材210をリング状に形成して揚げ容器120の外側に締りばめ又は接合により結合される。前記加熱部材210の外側には複数のブラケット220を揚げ容器120に所定の間隔を隔てて設け、誘導電流を発生させて揚げ容器120に入れられた揚げ油が加熱可能なように前記ブラケット220にコイル230を設ける。前記コイル230の外側には所定の間隔を隔てて磁石240を設けて誘導電流が発生可能なようにする。
【0021】
前記磁石240は、磁石固定部材250によりコイル230の一方の側に固定される。
前記誘導加熱部200の加熱部材210は、上述したようにリング状に形成することに何等限定されない。コイル230により電磁気誘導現象が円滑に起こって揚げ容器120の内部に入れられた揚げ油の温度を速やかに上昇させて揚げ物材料を揚げるように複数の揚げ容器120の外側に粉体塗装により金属材質をコーティングする金属コーティング層を形成する。
【0022】
前記金属コーティング層を形成すると、ブラケット220と、コイル230及び磁石240が配設される空間を確保することができる。これと同時に、ブラケット220が揚げ容器120に強固に固定可能であることはもとより、コイル230及び磁石240による電磁気誘導が非常に手軽に行われる。
【0023】
前記高周波揚げ部300は、揚げ容器120の内部に配設されて揚げ物材料が揚げられるように揚げ物材料が入れられる揚げかご310と、前記蓋体110の一方の側に配設され、後述するカバー支持体330により蓋体110の一方の側に設けられるかごカバー320と、を備える。前記揚げかご310の上部にかごカバー320が弾性力により密着されるようにかごカバー320及びカバー支持体330を係合して蓋体110に固定する。
【0024】
前記かごカバー320を介して揚げかご310に印加される高周波が漏れることを防ぐために、前記カバー支持体330が設けられた蓋体110の一方の面に絶縁体340を設ける。また、前記コントローラー部400と連結されて蓋体110の内側を介してかごカバー320に高周波供給線350が連設されてかごカバー320を介して揚げ容器120の内側に高周波が供給されるようにする。
【0025】
前記揚げかご310にはその下部及び上部の側面にセラミック材質の下部支持部材311及び側面支持部材312をそれぞれ設けて揚げ容器120から所定の距離だけ隔たるようにするとともに、セラミックから遠赤外線波長が発生して揚げられる揚げ物材料の内部に浸透して深部において発熱を引き起こして内部及び外部が均一に加熱されるようにする。
【0026】
また、前記かごカバー320は、揚げかご310の内側に配設されるように断面が台形形状を呈してもよい。前記かごカバー320の形状は台形に何等限定されるものではなく、蓋体を閉じたときに揚げかご310の内側に引き込まれる構造であれば、いかなる形状であっても構わない。
【0027】
前記かごカバー320の上下及び左右には、密着突起321を形成する。
前記密着突起321は、揚げかご310の上部に密着されてかごカバー320を介して高周波が印加されるようにする。また、前記密着突起321は、カバー支持体330の弾性により揚げかご310の上部に強固に密着されて高周波の供給が円滑に行われる。
【0028】
また、前記かごカバー320は、その一方の側にセラミック材質のセラミックバー360を設けて揚げかご310の内側に配設されるようにする。
セラミックから発生する遠赤外線波長が揚げられる揚げ物材料の内部の深くに浸透して深部において発熱を引き起こして内部及び外部が均一に煮込まれるようにする。前記セラミックバー360は、揚げ物材料を揚げた後に蓋体110を開くと、油蒸により結ばれる揚げ油が揚げ容器120に流下可能なようにする役割を果たす。
【0029】
前記コントローラー部400は、入力部410と、マイコン420と、出力部430と、表示部440と、チェック部450及び電源部460を備える。
前記入力部410は、揚げ本体100の上部に設けた揚げ容器120に誘導電流を発生させるように電源をオン/オフにする電源ボタン411と、揚げ容器120に入れられた揚げ油により揚げ物材料が揚げられる温度を設定する温度調節ボタン412と、揚げ容器120に入れられた揚げ物材料が揚げられる時間を設定する時間調節ボタン413と、を備える。
【0030】
前記電源ボタン411と、温度調節ボタン412及び時間調節ボタン413は、一つの槽を形成し、前記槽は、揚げ本体100に設けた揚げ容器120の数と同じ数で形成される。
前記マイコン420は、入力部410において設定した温度及び時間に基づいて、揚げ容器120に入れられた揚げ物材料が電磁誘導加熱方式により揚げられるように誘導加熱部200を制御し、これと同時に、揚げられる揚げ物材料に高周波が印加可能なように制御する。前記チェック部450を介して入力される信号により揚げ油の温度を一定に保つとともに、揚げ容器120に入れられた揚げ油の量をチェックして常に一定の量の揚げ油が保たれるようにする。
【0031】
前記出力部430は、マイコン420の制御により電源部460から供給される商用電源を揚げ容器120の外側に設けた誘導加熱部200に印加して電磁誘導により揚げ油が加熱されるようにする。前記蓋体110の一方の側に設けたかごカバー320を経て揚げかご310に高周波が供給されるようにする。
【0032】
前記表示部440は、揚げ本体100の上部の一方の側に設けた入力部410により設定した時間及び温度を表示するディスプレイにより構成される。前記ディスプレイとしては、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)又は発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)が挙げられる。
また、前記表示部440は、揚げ本体100に設けた揚げ容器の数と同じ数で形成して、それぞれの揚げ容器120に入れられた揚げ油の温度が確認可能なようにする。
【0033】
前記チェック部450は、揚げ容器120に設ける温度センサー451及びレベルセンサー452を備える。前記温度センサー451は、入力部410を用いて設定した揚げ油の温度が維持可能なように揚げ油の温度をチェックしてマイコン420に印加する。前記レベルセンサー452は、揚げ容器120に入れられた揚げ油の量が所定の水位以上であるか、或いは、所定の水位以下であるかをチェックしてマイコン420に印加する。
前記電源部460は、マイコン420の制御を受けて誘導加熱部200と、高周波揚げ部300と、入力部410と、マイコン420と、出力部430と、表示部440及びチェック部450が必要とする電源を供給する。
【0034】
本発明の揚げ容器は、前記構成に何等限定されるものではなく、
図7に示すように異なる構成を有していてもよい。
図7は、本発明による揚げ容器の他の実施形態を示す断面図である。
図7を参照すると、前記揚げ容器120は、底面及び側面を全て3重構造に形成し、最外郭及び揚げ油が入れられる部分にはステンレス材質を用いる。
【0035】
ステンレスとステンレスとの間には高い熱伝導率を有するアルミニウム材質を形成して揚げ容器120の総重量を減らすとともに、誘導加熱部200により温度の上昇が早く起こるようにする。
また、誘導加熱部200の電磁誘導現象が円滑に起こるというメリットにより揚げ温度が非常に設定し易い。なお、ステンレス材質の揚げ容器120において揚げ油で揚げられる揚げ物材料は、揚げ容器120の側面又は底面に焼き付いたり焦げたりすることを防ぐ。
【0036】
本発明の揚げ容器120に入れられた揚げ油の排出は、前記構成に何等限定されるものではなく、
図8及び
図9に示すように上記の構成とは異なる構成を有していてもよい。
図8は、本発明の揚げ容器に入れられた揚げ油の排出構造の他の実施形態を示す構成図である。
【0037】
図8を参照すると、本発明は、揚げ容器120の一方の面に揚げ油が排出可能なように一方の側が折り曲げられるように排水トラップ130を形成し、前記折り曲げられた部分が揚げ本体100の底面に面するように設ける。前記排水トラップ130の折り曲げられた一方の側にはボール弁133を設けてユーザーが選択的に揚げ油を排出するようにする。
【0038】
前記ボール弁133の一方の側には排水管131を設け、前記排水管131の一方の側には揚げ油の排出に際して揚げ本体100の外側に排出可能なようにホース(図示せず)を設ける。前記ホースは、揚げ油を排出するときにのみ用いる。
また、前記ホースが排水管131に連結されて揚げ本体100の外側に位置するように揚げ本体100に揚げ油の排出扉(図示せず)を形成することが好ましい。
【0039】
図9は、
図8の更に他の実施形態を示す構成図である。
図9を参照すると、前記揚げ容器120の底面には揚げ油を排出する排水トラップ130を設け、ユーザーが揚げ油を交換するときに排水トラップ130を介して揚げ油が排出可能なように前記排水トラップ130に栓130−1を設ける。
【0040】
前記栓130−1の一方の側には、所定の温度以上に上昇する揚げ油に耐えられる材質からなる繋ぎ紐130−2を形成する。前記繋ぎ紐130−2は、金属材質からなることが好ましい。
前記繋ぎ紐130−2の一方の側には固定体130−3を形成し、前記固定体130−3は、繋ぎ紐130−2が揚げ容器120の内側に引き込まれることを防ぐ。前記固定体130−3は、磁石により構成されて揚げ本体100に取り付けられることが好ましい。
【0041】
上述したように揚げ容器120に設けた排水トラップ130には、揚げ油が揚げ本体100の外側に排出可能なようにホース(図示せず)を繋いで用いる。前記ホースは、揚げ油の排出時にのみ繋いで用いる。
また、前記揚げ本体100には揚げ油の排出扉(図示せず)を更に形成し、揚げ油の排出に際して揚げ油の排出扉を介してホースを排水トラップ130に繋いで用いる。
【0042】
前記かごカバー320は、
図1から
図5に示す構成に何等限定されるものではなく、
図10に示すように上記の構成と異なる構成を有していてもよい。
図10は、本発明のかごカバーの他の実施形態を示す構成図である。
図10を参照すると、本発明のかごカバーには、複数の油蒸案内突起322を形成し、前記油蒸案内突起322は、同図に示すように、断面が三角形状を呈する。前記油蒸案内突起322の断面は三角形状に何等限定されるものではなく、油蒸が流下し易い構造であれば、いかなる構造であっても構わない。
【0043】
前記油蒸案内突起322は、揚げ物材料を揚げるときに発生する油蒸がかごカバー320に結ばれた状態で蓋体110を開くと、かごカバー320に結ばれた油蒸を油蒸案内突起322を用いて揚げ容器120に落下させるため、揚げ本体100の上部に油蒸が落下することを防ぐ。
前記揚げ物材料を揚げるときに発生する油蒸を揚げ容器120に落下させて、揚げ本体100の上部が油蒸により汚れることを防ぐので、常に清潔な状態で揚げ調理が行えるというメリットがある。
【0044】
上述したような構成を有する本発明による電磁誘導加熱フライヤーの作用について説明する。
まず、揚げ本体100のコントローラー部400と連結された電源コード(図示せず)を介して商用電源が印加可能なようにコンセント(図示せず)に差し込む。また、ユーザーは、揚げ物材料の量又は揚げ物材料の性質に応じて揚げられるように複数の揚げ容器120のうちいずれの揚げ容器を用いるかを選択する。
【0045】
前記複数の揚げ容器120のうちの一つ又は複数の揚げ容器120の全てを選択したら、前記揚げ本体100の上部の一方の側に設けた電源ボタン411を押して誘導加熱部200及び高周波揚げ部300に電源及び高周波が印加されるようにする。このとき、ユーザーは、入力部410の温度調節ボタン412及び時間調節ボタン413を押して揚げ物材料が揚げられる温度及び時間を設定する。
前記ユーザーが温度を設定すると、マイコン420に信号が印加され、前記マイコン420においては、誘導加熱部200のコイル230に電源を印加して磁石240とともに電磁誘導現象により揚げ容器120の外側に設けた加熱部材210が発熱されるようにする。
【0046】
前記加熱部材210から発生する熱は揚げ容器120に伝わり、揚げ容器120に伝わる熱により揚げ油が加熱される。
前記揚げ容器120に伝わる熱により揚げ油が加熱され、加熱される揚げ油の現在の温度がどれ位であるかを揚げ容器120に設けた温度センサー451においてチェックし、これをマイコン420に印加する。
前記マイコン420においては、リアルタイムにて伝わる揚げ油の温度を判断して、電源を供給し続けるか、或いは、電源を遮断するかを判断して、揚げ油の温度が適正に保たれるようにする。
【0047】
上述したように、誘導加熱部200により揚げ容器120の内部に入れられた揚げ油の温度が適正な温度まで上昇すると、ユーザーは、揚げかご310に揚げ物材料を入れた後、揚げかご310を揚げ油が入れられた揚げ容器120の内部に入れて蓋体110を閉じる。
【0048】
前記蓋体110を閉じると、蓋体110の一方の側に設けた高周波揚げ部300のかごカバー320が揚げかご310の上部に密着されるが、このとき、かごカバー320の上下左右に形成した密着突起321が密着される。
前記かごカバー320が揚げかご310に密着されるとき、前記カバー支持体330の弾性力によりかごカバー320が揚げかご310の上部を押しながら密着される。
【0049】
前記かごカバー320が揚げかご310の上部に密着されると、コントローラー部400の出力部430を介して高周波が印加される。前記高周波が揚げかご310に印加されると、揚げかご310に入れられた揚げ物材料が揚げられるとき、高周波により揚げ物材料の内部の水分が速やかに蒸発されて揚げ物材料が速やかに揚げられるので、食感がよくなるというメリットがある。
【0050】
前記高周波は、かごカバー320を介して印加されるが、揚げ容器120に伝導されず、揚げかご310を介して揚げ物材料にのみ印加される。これは、揚げ物材料を揚げるときに用いる揚げ油と、揚げかご310に設けられた下部支持部材311及び側面支持部材312とが絶縁されるので、高周波が揚げ容器120に流れることが防がれるためである。揚げ物材料は、揚げかご310の下部に当接された状態で揚げられるので、高周波が印加されて食感がよくなる。
【0051】
また、揚げかご310の下部及び側面に設けた下部支持部材311と、側面支持部材312及びかごカバー320に設けたセラミックバー360から発生する遠赤外線波長が揚げられる揚げ物材料の内部の深くに浸透して深部において発熱を引き起こして内部及び外部が均一に加熱されながら揚げ物材料が均一に揚げられることはもとより、食感がよくなる。
更に、揚げ終わった状態でユーザーがコントローラー部400の電源ボタン411を押して電源をオフにすると、誘導加熱部200及び高周波揚げ部300に印加されていた電源が遮断される。
【0052】
前記電源が遮断された状態でユーザーが蓋体110を開くと、蓋体110は、ヒンジを軸として一方向に回転しながら揚げ本体100の上部が開放される。蓋体110が開放されながら、その一方の側に設けたかごカバー320が揚げかご310の上部に密着された状態が解放される。
前記蓋体110を開いた状態でユーザーはトングなどを用いて揚げ容器120の内部に配設された揚げかご310を取り出して揚げられた揚げ物材料を消費者に提供する。
【0053】
上述したように、誘導加熱部200において発生する電磁誘導現象により揚げ物材料が揚げられる温度が保たれることはもとより、揚げ終わった状態では残熱が発生しないので、揚げ容器120に入れられた揚げ油の酸敗の進行が遅くなるというメリットがある。
【0054】
また、高周波揚げ部300から印加される高周波により揚げ物材料が揚げられるので、表面はカリッ、サクッとした食感を有し、且つ、内部はしっとりした食感を有する揚げ物を消費者に提供することができる。
【0055】
更に、前記揚げかご310に設けた下部支持部材311と、側面支持部材312及びかごカバー320の一方の側に設けたセラミックバー360から放射される遠赤外線波長が揚げ物材料の内部の深くに浸透して深部において発熱を引き起こして内部及び外部が均一に加熱されて揚げ物材料が均一に煮込まれるというメリットがある。