【課題】CTO介入に関連する合併症を治療するため、または治療された脈管区分を通した通路を維持しながら脈管閉塞を拡開するための灌流カテーテルおよび関連する方法を提供すること。
【解決手段】灌流カテーテルは、膨張可能チューブから形成されるバルーンと、膨張流体をバルーンに提供するか、または膨張流体をそこから引き出すための管腔を有する伸長シャフトとを含み得る。膨張可能チューブは、螺旋状様式で、中心軸の周囲において、一連の巻線にコイル状にされ得る。隣接巻線は、相互に対して積み重ねられ、かつ相互に接合され得、一連の巻線の内側表面は、膨張されると、通路を画定し得る。伸長シャフトは、バルーンの近位部に偏心して取り付けられ得、シャフトの管腔は、バルーンの内部(具体的には、膨張可能チューブ)と流体連通し得る。膨張可能チューブは、2つの異なるポリマーチューブ(一方が他方よりもわずかに小さい)を含み得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
(概要)
本発明者らは、CTOが、それらの確立された閉塞構造に起因して、介入心臓学において、治療することが最も困難な病変のサブセットのうちの1つであることを認識している。CTO介入に関連する合併症は、脈管壁穿孔および切開を含む。遅延することなく治療されない場合、穿孔または切開を通して出血する血液が、数分以内に患者の死につながる可能性がある。
【0006】
本発明者らはさらに、従来のバルーンカテーテルを使用する脈管の穿孔または切開の密閉が、カテーテルのバルーンが膨張される間、損傷された脈管内で血流の完全な遮断を生じさせることを認識している。長期間、バルーンを膨張させた状態に保つことは、脈管によって栄養分を与えられる体内領域(すでに、不十分な血液供給によって弱化した領域)を損傷の危険に曝す可能性がある。例えば、数分の長時間の拡開が、穿孔を効果的に治療するために採用される必要があり得る。しかし、ほとんどの成人は、著しい副作用を伴わずに、30〜60秒の非灌流拡開に耐えることが可能であるにすきない。
【0007】
本発明の灌流カテーテルは、損傷された脈管内で迅速かつ容易に展開されることができ、そのバルーンの膨張に応じて形成される通路(または、流れ管腔)を提供することができる。灌流カテーテルは、膨張可能チューブから形成されるバルーンと、膨張流体をバルーンに提供するか、または膨張流体をそこから引き出すための管腔を有する伸長シャフトとを含むことができる。膨張可能チューブは、螺旋状様式で、中心軸の周囲において、一連の巻線にコイル状にされることができる。隣接巻線は、相互に対して積み重ねられ、かつ相互に接合されることができ、一連の巻線の内側表面は、膨張されると、通路を画定することができる。伸長シャフトは、バルーンの近位部に偏心して取り付けられることができ、その管腔は、膨張可能チューブの内部と流体連通することができる。膨張可能チューブは、2つの異なるポリマーチューブ(一方が他方よりもわずかに小さい)を含むことができる。より小さい内側チューブは、膨張圧力に暴露されるときの圧潰または破裂に抵抗するために、十分な半径方向剛性を有するポリマーから形成されることができ、より大きい外側チューブは、加熱されると、接着特性を呈するように構成されるポリマーから形成されることができる。
【0008】
穿孔または切開を密閉するか、もしくは閉塞物質を拡開するための本発明の方法は、ガイドワイヤを血管中に挿入し、治療部位まで、またはそれを横断して、ガイドワイヤを前進させるステップと、灌流カテーテルの遠位部が、治療部位の近傍またはその中に位置付けられるまで、灌流カテーテルを、ガイドワイヤにわたって、通過させるステップと、灌流カテーテルのバルーンを膨張させるステップとを含むことができる。バルーンを膨張させるステップは、螺旋巻きチューブの一連の接触巻線を膨張させるステップを含むことができる。バルーンは、収縮構成から、膨張に応じて、バルーンの外側表面が血管壁に係合し、バルーンの内側表面が通路を画定し得る、膨張構成まで移動することができる。通路は、灌流カテーテルを通して、血液等の体液の流れを可能にすることができる。随意に、本方法は、治療デバイスを、少なくとも部分的に、通路を通して通過させるステップを含むことができる。
【0009】
本発明の灌流カテーテルおよび関連する方法の目的は、とりわけ、
1.治療された脈管区分を通した十分な血流を維持しながら、長期間、脈管の内側からの傷害を阻止することによって、脈管穿孔または切開を密閉することと、
2.治療された脈管区分を通した十分な血流を維持しながら、長期間、脈管閉塞を拡開することと、および/もしくは
3.脈管穿孔または切開を密閉するか、もしくは脈管閉塞を拡開しながら、1つ以上の治療デバイスを送達または受容することと、
を含む。
【0010】
本発明の灌流カテーテルおよび関連する方法のこれらならびに他の実施例および目的は、以下の発明を実施するための形態に記載される。この概要は、本発明の主題の非限定実施例を提供することが意図され、排他的または網羅的説明を提供することを意図するものではない。下記の発明を実施するための形態は、本発明の灌流カテーテルおよび関連する方法に関するさらなる情報を提供することが含まれる。
本願明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
灌流カテーテルであって、
螺旋状様式で、中心軸の周囲において、一連の巻線にコイル状にされる膨張可能チューブを含むバルーンであって、隣接巻線が、相互に対して積み重ねられ、かつ相互に接合される、バルーンと、
膨張されると、前記バルーンを通した通路を画定する、前記一連の巻線の内側表面と、
近位部から遠位部まで延在し、膨張流体を前記バルーンに提供するか、または膨張流体をそこから引き出すための管腔を含む、伸長シャフトと、
を備え、
前記伸長シャフトは、前記バルーンの近位部に偏心して取り着けられ、その管腔は、前記バルーンの内部と流体連通する、灌流カテーテル。
(項目2)
前記膨張可能チューブは、2つの異なるポリマーチューブを含む、項目1に記載の灌流カテーテル。
(項目3)
前記2つの異なるポリマーチューブは、内側チューブおよび外側チューブを含み、前記内側チューブは、前記外側チューブ内に位置付けられる、項目2に記載の灌流カテーテル。
(項目4)
前記内側チューブのポリマーは、前記外側チューブのポリマーより高い融解温度を有する、項目3に記載の灌流カテーテル。
(項目5)
前記内側チューブのポリマーは、架橋され、前記外側チューブのポリマーは、架橋されない、項目3または4のいずれか1項に記載の灌流カテーテル。
(項目6)
前記2つの異なるポリマーチューブは、共押出される、項目2〜5のいずれか1項に記載の灌流カテーテル。
(項目7)
前記膨張可能チューブは、前記螺旋状様式でコイル状になる前に、40cm〜120cmの範囲の長さを有する、項目1〜6のいずれか1項に記載の灌流カテーテル。
(項目8)
前記通路は、2mm〜6mmの範囲の直径および10mm〜50mmの長さ範囲を有する、項目1〜7のいずれか1項に記載の灌流カテーテル。
(項目9)
前記バルーンは、前記伸長シャフトの一部を中心に巻着される、項目1〜8のいずれか1項に記載の灌流カテーテル。
(項目10)
前記バルーンが巻着される前記伸長シャフトの一部は、ナイロンで被覆される、項目9に記載の灌流カテーテル。
(項目11)
前記バルーンは、最低でも5mmにわたって、前記伸長シャフトを中心に巻着される、項目9または10のいずれか1項に記載の灌流カテーテル。
(項目12)
前記伸長シャフトの近位部および中間部は、ハイポチューブを含む、項目1〜11のいずれか1項に記載の灌流カテーテル。
(項目13)
前記伸長シャフトの遠位部は、前記中間部に結合される支持ワイヤを含む、項目12に記載の灌流カテーテル。
(項目14)
前記支持ワイヤは、前記バルーンに対して遠位である位置まで延在する、項目13に記載の灌流カテーテル。
(項目15)
ガイドワイヤ管腔をさらに備える、項目1〜14のいずれか1項に記載の灌流カテーテル。
(項目16)
前記ガイドワイヤ管腔は、前記通路内に位置付けられ、前記一連の巻線の内側表面に差し込まれる、項目15に記載の灌流カテーテル。
(項目17)
前記ガイドワイヤ管腔は、前記通路の長さに等しいか、またはわずかにより長い、項目15または16のいずれか1項に記載の灌流カテーテル。
(項目18)
前記バルーンに対して近位に位置付けられる第1のX線不透過性マーカーと、前記バルーンに対して遠位に位置付けられる第2のX線不透過性マーカーとをさらに備える、項目1〜17のいずれか1項に記載の灌流カテーテル。
(項目19)
ガイドワイヤを血管中に挿入し、治療部位まで、またはそれを横断して、前記ガイドワイヤを前進させるステップと、
収縮構成と膨張構成との間で拡張可能なバルーンを含む、前記灌流カテーテルの遠位部が、前記治療部位の近傍またはその中に位置付けられるまで、灌流カテーテルを、前記ガイドワイヤにわたって、通過させるステップと、
螺旋巻きチューブの一連の接触巻線を膨張させることを含み、前記バルーンの近位部と動作可能に結合され、かつそこから近位に延在する伸長シャフトを通して、流体を押勢することによって、前記バルーンを膨張させるステップと、
を含み、
前記バルーンは、前記収縮構成から、膨張に応じて、前記バルーンの外側表面が血管壁に係合し、前記バルーンの内側表面が通路を画定する、前記膨張構成まで移動する、方法。
(項目20)
前記バルーンを膨張させるステップは、前記通路を通した体液の流れを可能にしながら、前記血管壁内の穿孔を密閉することを含む、項目19に記載の方法。
(項目21)
前記バルーンを膨張させるステップは、前記血管内における閉塞領域または狭領域を拡張することを含む、項目19に記載の方法。
(項目22)
治療デバイスを、少なくとも部分的に、前記通路を通して通過させるステップをさらに含む、項目19−21のいずれか1項に記載の方法。
(項目23)
前記治療デバイスを、少なくとも部分的に、前記通路を通して通過させるステップは、遠位−近位方向において、前記膨張バルーンの外側表面と前記血管壁との間における係合の結果として、前記通路の中の狭所を通される治療デバイスを受容することを含む、項目22に記載の方法。
(項目24)
前記治療デバイスを、少なくとも部分的に、前記通路を通して通過させるステップは、近位−遠位において、治療デバイスを前記治療部位まで、または前記治療部位に対して遠位に送達することを含む、項目22に記載の方法。
【0011】
図面では、同様の番号は、いくつかの図全体を通して、類似する特徴および構成要素を説明するために使用されることができる。図面は、概して、限定ではなく、実施例として、本特許書類で議論される実施形態を例証する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
描写する図面は、必ずしも、縮尺通りではない。ある特徴および構成要素は、縮尺または概略形態において誇張して示され得、いくつかの詳細は、明確性および簡潔性のために示されない場合がある。
【0014】
(詳細な説明)
医療デバイスの進歩および訓練の増加とともに、臨床医は、かつてないほどに、血管形成術技術を使用して、CTOを治療している。本発明のカテーテルおよび方法は、臨床医に、治療された脈管区分を通した通路を維持しながら、CTO血管形成術介入に関連する合併症を治療するか、または脈管閉塞を拡開する手段を提供する。カテーテルおよび方法は、主として、冠状動脈の治療に関して議論されるが、それらはまた、末梢動脈および静脈を含む体全体の他の血管内でも有用であり得る。
【0015】
図1および2は、本発明の灌流カテーテルおよび関連する方法が有益であり得る、CTO血管形成術介入に関連する合併症の実施例を提供する。CTOを患う患者では、閉塞の治療の成功は、困難である可能性がある。治療を行う臨床医が閉塞を首尾良く治療し得るかどうかを判定し得る要因は、閉塞の第1の側面から閉塞の第2の側面まで、ガイドワイヤを前進させる、臨床医の能力である。血管104の天然管腔102が硬質プラーク106(例えば、石灰化アテロームプラーク)によって全体的に閉塞されるとき等のいくつかの事例では、ガイドワイヤ108は、閉塞を交差できず、継続して近位に印加される押動力110に応答して、その遠位部112は、
図1に示されるように、隣接脈管壁116まで偏移し、それを穿孔114し得る。
【0016】
閉塞物質206が軟質であるとき、または閉塞が微小開口部を有する場合等の他の事例では、ガイドワイヤ208は、閉塞物質を通して押進され、血管204の天然管腔202内に留まることが可能にされ得る。バルーンカテーテル218等の治療デバイスが、ガイドワイヤ208上を、拡開治療を実施するために使用され得る閉塞部位まで誘導されることができる。バルーンカテーテル218を用いた脈管204の機械的拡開は、プラーク破壊、血管内膜壁分裂、および局所的中膜切開をともない得る。切開220は、生じる場合、中膜の中に、かつ外膜(脈管壁の最外層)を通して広がり、
図2に示されるような別の形態の冠状穿孔をもたらし得る。
【0017】
穿孔および切開は、それらの付随する罹病率および死亡率のため、カテーテル処置室にとって深刻な事態であって、これだけの理由から、それらの管理および治療は、重要であり、迅速に開始されるべきである。管理および治療における最初のステップは、穿孔または切開を密閉するバルーンの留置であり得る。長時間のバルーン膨張は、穿孔を首尾良く密閉するか、または切開の広がりを中断し得、必要に応じて、準備する時間を提供し、被覆されたステントを移植することができる。
【0018】
本発明の灌流カテーテル300は、治療されるべき脈管穿孔または切開がある場合、さらに、拡開されるべき閉塞物質がある場合、使用されることができる。カテーテル300は、ガイドカテーテルを通して前進され、ガイドワイヤと、随意に、留置カテーテルとを使用して、脈管壁損傷の治療のために血管系を通して指向されることができる。灌流カテーテル300は、膨張注射器と結合するための近位マニホールド324と、伸長シャフト326と、穿孔または切開を密閉するか、もしくは閉塞物質を拡開する遠位バルーン328とを含むことができる。
【0019】
伸長シャフト326は、2つ主要目的を果たし得る。第1に、伸長シャフト326は、血管形成または密閉手技の間、臨床医によって印加された力を伝送し、灌流カテーテル300と、具体的には、バルーン328とを前進または後退させることのいずれかを行うことができる。伸長シャフト326を操作することによって、バルーン328は、ガイドカテーテルの中に挿入され、かつそれを通過され、密閉されるべき穿孔または切開もしくは拡開されるべき閉塞に対してガイドカテーテルの遠位部から出ることができる。第2に、伸長シャフト326は、膨張流体をバルーン328に提供する、または膨張流体をそこから引き出すための管腔330を含む。伸長シャフト326の管腔330は、その近位部332において膨張注射器に結合可能であるマニホールド324と流体連通し、その遠位部334近傍においてバルーン328の内部と流体連通することができる。
【0020】
伸長シャフト326は、バルーン328の近位部336に偏心して取り付けられることができ、ガイドカテーテルの外側にいる臨床医のアクセス可能性のために近位に延在することができる。伸長シャフト326は、シャフトの中間部338または遠位部334を中心にバルーン328に巻着し、それらに添着するによって、バルーン328に取り付けられることができる。ある実施例では、伸長シャフト326は、最低でも5mmにわたって、バルーン328の近位部336に取り付けられる。
【0021】
図3の実施形態は、バルーン328が、螺旋状またはスパイラル様式で、中心軸の周囲において、一連の巻線342(または、ループ)にコイル状にされる膨張可能チューブ340から形成され得、連続または隣接する巻線342が、相互に対して積み重ねられ、かつ相互に接触し、それらの間に実質的に空間がないことを例証する。これは、巻線342が、ユニットとして作用することを確実にすることができる。巻線342の内側表面は、コイル状にされたバルーン328が膨張されると、螺旋の開放中心を通る通路344を画定することができる。通路344は、バルーン328の全長に延在し、血液または他の流体が、それを通して灌流する(または、流れする)ことを可能にすることができる(これは、長期間、血液供給を中断することが望ましくないため、重要である)。バルーン328が収縮されると、低プロフィール構成に圧潰または平坦にされ得、これは、伸長シャフト326の遠位部334の周囲に巻着する1つ以上の折畳部を備えてもよい。弾性シースが、随意に、バルーン328の周囲に配置され、患者によってそれが容易に挿入されるか、またはそこから取り外され得るように、収縮バルーンの圧潰プロフィールを縮小させるために、利用されることができる。
【0022】
通路344がバルーン328によって作成されるために、血流が、通路344を通して可能にされ、全体の灌流カテーテル300は、最小サイズに保たれることができる。この物理的な属性は、カテーテル300が、患者の体内に挿入され、所望の位置に操作されるとき、小さい直径であることを可能にし、さらに、バルーン328が膨張されると、比較的大きい血流通路を提供する。
【0023】
図4は、患者の血管404内の灌流カテーテル400を例証する。カテーテル400と、具体的には、カテーテルのバルーン428とは、低プロフィールの非拡張構成において、血管404内に導入かつ前進されることができる。この構成では、バルーン428は、弛緩、折畳、または圧壊構成にあって、患者の中に挿入され、患者の血管系を通して所望の治療部位まで誘導され得るように、カテーテル400の遠位部の直径全体を有意に増加させない。
【0024】
いったん治療部位に来ると、バルーン528は、
図5に例証されるように、膨張されることができる。圧力下の流体は、それを密閉するか、開放するか、または別様に治療する等のために、伸長シャフト526の膨張管腔530を通して、バルーン528に供給され、それによって、血管504の壁516に向かって、バルーン528を拡張することができる。膨張されると、バルーン528は、例えば、2atm〜20atmの圧力で、治療部位において、脈管壁516上に衝突するか、またはそれに係合することができ、血液は、バルーンの巻線542によって画定される通路544を通して、流れることを可能にされ得る。巻線542を通して作成される通路544は、脈管504のサイズと比較して比較的大きいため、脈管を通した血流の遮断は、最小限にされ、灌流カテーテル500は、冠状血管穿孔または切開における一時的止血のために、長時間の膨張が可能である。
【0025】
流体流れを可能にする以外に、バルーン528の通路544は、治療デバイス(例えば、より小さい直径のバルーンカテーテル、ステントカテーテル、ガイドワイヤ支持カテーテル、またはガイドワイヤ)を摺動可能に受容するように適合されることができる。バルーン528は、特定の治療部位、手技、および/または患者に応じて、いくつかのサイズおよび構成において、任意の数の巻線542を含むことができる。バルーン528内の巻線542の数を増加させることは、バルーン528の能力を増加させ、閉塞の拡開状態を維持し得る。通路544は、例えば、2mm〜6mmの範囲の直径546を有することができ、10mm〜50mmの長さ548に延在することができる。通路544の直径546は、ステントカテーテルの進入を可能にするために十分に大きくすることができる。本発明者らは、プラークがその元の形態に戻り、通路を制限する傾向を有することを認識している。この再狭窄は、生じる場合、数分のうちに急速に生じ得る。灌流カテーテル500は、ステントカテーテルが、バルーン528が閉塞を拡開する間、カテーテルを通して送達されることを可能にする。このように、閉塞拡開とステント留置との間に最小限の時間が存在し得る。通路544の直径546は、ガイドワイヤ支持カテーテルを受容し、閉塞を通してパイロット開口部を事前に拡開または別様に確立することに役立つか、もしくはバルーン528の外側表面550と脈管壁516との係合の結果として通路544の中の狭所を通される後退式ガイドワイヤの遠位部を受容するために十分に大きくすることができる。
【0026】
手技が完了されると、バルーン528は、減圧を伸長シャフト526の膨張管腔530と結合される近位マニホールドに印加することによって、収縮されることができる。灌流カテーテル500全体は、次いで、取り除かれることができる。
【0027】
図6は、少なくとも1つの実施形態によって構築されるような灌流カテーテル600の遠位部の拡大側面図を例証する。カテーテル600は、バルーン628の巻線642よって画定される通路644から分離し、膨張流体をバルーン628に提供するか、または膨張流体をそこから引き出すために、伸長シャフト626の管腔630から分離するガイドワイヤ管腔652を具備することができる。ガイドワイヤ管腔652は、通路644の長さ648にほぼ等しいか、またはそれよりわずかに長くい長さ654を有することができ、その中に位置付けられることができる。ガイドワイヤ管腔652を形成するガイドワイヤ支持チューブ656の外側表面は、バルーン628の巻線642の内側表面に接触することができ、随意に、これらの内側表面内に差し込まれることができる。ガイドワイヤ支持チューブ656およびバルーン628のポリマーは、熱処理の付与に応じて、相互に接着するように構成されることができる。
【0028】
ガイドワイヤ管腔652は、治療部位の近傍またはそれを横断する位置にその遠位部を有する、事前に位置付けられるガイドワイヤを受容し、その追跡を促進するように設計される。灌流カテーテル600と、具体的には、ガイドワイヤ支持チューブ656とは、ガイドワイヤ上を摺動し、治療部位まで前進されることができる。ガイドワイヤ支持チューブ656の内径は、例えば、0.36mm(0.014インチ)のガイドワイヤ上を前進されるようにサイズ決定されることができる。非外傷性先端658が、灌流カテーテル600が展開および使用中、血管を穿孔することを妨げるように、ガイドワイヤ支持チューブ656の遠位先端に配置されることができる。ガイドワイヤ支持チューブ656は、カテーテル600およびガイドワイヤの全長と比較して短くあり得るため、ガイドとしてのガイドワイヤ支持チューブ656の使用は、ガイドワイヤ上でカテーテル600の迅速な交換を可能にする。
【0029】
1つ以上のX線不透過性マーカー660は、ガイドワイヤ支持チューブ656、もしくはバルーン628に対して近位または遠位にある伸長シャフト626上に留置されることができる。これらのマーカー660は、その膨張に先立って、脈管壁損傷に対してバルーン628の適切な留置を促進することができ、X線または蛍光透視法の使用を通して検出可能である任意の好適なX線不透過性材料であることができる。白金族(例えば、白金またはパラジウム)、金、銀、イリジウム、またはタンタル等の材料が、マーカーとして使用されることができる。特定のステンレス鋼もまた、マーカーとしての使用のために好適であり得る。代替として、灌流カテーテル600の一部で使用されるポリマーは、X線不透過性であるか、もしくは硫酸バリウム、三酸化ビスマス、炭酸ビスマス、タングステン、タンタル、または同等物等の充填材の添加によって、そのように作製されることができる。
【0030】
図7および8は、それぞれ、少なくとも1つの実施形態によって構築されるような灌流カテーテルのバルーン内での使用のための押出チューブ740の側面図および断面図を例証する。押出チューブ740は、その長さ762に沿った均一な外径を有することができるか、またはその長さの大部分に沿ってより大きい直径を有し、その近位部764および遠位部766上でテーパ状に細くされることができる。押出チューブ740の遠位部766は、チューブを圧着するか、かつ/もしくは熱可塑性充填材または同等物を用いて、それを塞栓することによって、閉鎖されることができる。押出チューブ740の長さ762は、螺旋状またはスパイラル様式で、一連の巻線にコイル状にされる前に、40cm〜120cmの範囲であることができる。
【0031】
バルーンのコイル形状は、隣接巻線を相互に接着させることによって維持されることができ、バルーンの一体性は、各巻線内において内部から提供されることができる。これらの品質は、コイルの巻線の後に、隣接コイルが相互に粘着することを可能にするように熱処理され得る、入れ子状のポリマーの組み合わせを共押出することによって達成され得る。
図8の実施例では、押出チューブ840が、一方が他方よりもわずかに小さい、2つの異なるポリマーチューブ868、870(または、層)を共押出することによって形成される。共押出プロセスは、既存のバルーン設計において見出される継ぎ目を排除し、密接合を形成し、減少した製造ステップ数を使用して、バルーンを作成することができる。代替として、より小さいチューブ868は、押出後に、より大きいチューブ870の内側に挿入されることができる。
【0032】
より小さい内側チューブ868は、膨張圧力に暴露されるときの圧潰または破裂に抵抗するために、十分な半径方向剛性を有するポリマーから形成されることができ、より大きい外側チューブ870は、加熱されるときの接着特性と、体内で使用されるときの伸展性特性とを呈するように構成されるポリマーから形成されることができる。外側チューブ870の接着特性は、隣接巻線が相互に接着することを可能にすることができる。外側チューブ870のための伸展性材料の使用は、バルーンの外側表面の実質的部分が脈管壁に対して、または拡開されることから利点を得る可能性がある閉塞の部位において圧縮されることができるように、バルーンが、穿孔または断裂の部位において脈管壁に一致することを可能にすることができる。種々の実施例では、内側チューブ868は、0.2mm〜0.28mmの外径および0.12mm〜0.18mmの内径を有する、ポリエチレンテレフタレート(PET)またはPebax(登録商標)ポリエーテルブロックアミド(Arkemaから入手可能である)を含むことができ、外側チューブ870は、0.28mm〜0.36mmの外径および0.20mm〜0.28mmの内径を有する、Hytrel(登録商標)ポリエステルエラストマー(E.I. du Pont de Nemours and Companyから入手可能である)、Pebax、またはナイロンを含むことができる。内側チューブ868および外側チューブ870は、異なる融解または軟化温度を有するポリマーを含むことができ、内側チューブ868は、より高い融解温度を伴うポリマーを含む。内側チューブ868および外側チューブ870は、同一または類似するポリマーを含むことができ、内側チューブ868のポリマーは、強度のために架橋され、外側チューブ870のポリマーは、架橋されていない。
【0033】
図9は、螺旋状様式で、中心軸の周囲において、一連の巻線にバルーンを形成するために、押出チューブをコイル状にするためのマンドレル972を例証する。押出チューブは、バルーンの意図されるプロフィールの形状を含む、マンドレル972を中心に遠位方向に巻着されることができる。マンドレル972上に巻着された後に、押出チューブは、加圧または膨張されることができ、隣接巻線は、それらが相互に接着し、バルーンがそのコイル形状を維持することを確実にするために、熱固化されることができる。例えば、バルーンのコイル状構成を熱固化することは、押出チューブの隣接巻線の外側表面を、チューブまたはマンドレル972を加熱することを介して、相互に接着させることを含むことができる。押出チューブは、次いで、室温に冷却されることができる。
【0034】
図10および11は、それぞれ、少なくとも1つの実施形態によって構築されるような灌流カテーテルの伸長シャフト1026、1126の側面図および断面図を例証する。伸長シャフト1026、1126は、近位部1032から、膨張流体を遠位バルーンに提供するか、または膨張流体をそこから引き出すための膨張ポートまで延在する、管腔1130を含むことができる。伸長シャフト1026、1126は、100cm〜180cmの長さ1074に延在することができ、患者の血管系を通して灌流カテーテルの前進を促進する、その長手軸に沿った圧縮剛性の品質と、血管系の方向変化を通してカテーテルの操作性を向上させ、挿入されるにつれて、脈管壁への損傷を妨げる、良好な遠位可撓性とを保有することができる。伸長シャフトの1026、1126の一部は、PTFEコーティング1076を含み、患者の血管系を通して、その前進を促進することができる。
【0035】
これらの品質は、様々な方法で達成可能である。ある実施例では、伸長シャフト1026、1126の近位部1032および中間部1038は、ステンレス鋼ハイポチューブ1077、1177を含むことができ、遠位部1034は、ステンレス鋼支持ワイヤ1079、1179、または中間部に対する長さ1075に対して接続されるチューブを含むことができる。支持ワイヤ1079、1179は、治療手技の間、治療を行う臨床医によって印加された力を伝送し、バルーンを前進または後退させることのいずれかを行うことに役立ち得る。支持ワイヤ1079、1179は、10cm〜20cmの長さの範囲であることができ、レーザ溶接を介してハイポチューブ1077、1177に固着されることができる。支持ワイヤ1079、1179は、バルーンに対して遠位である位置まで延在することができるか、またはバルーンの近位部と遠位部との間で終端することができる。別の実施形態では、伸長シャフト1026、1126は、単一の金属またはポリマーチューブ(遠位部の外径および内径を上回る外径および内径を有する近位部、または遠位部を上回る壁厚を有する近位部を伴う)から形成されることができる。
【0036】
伸長シャフト1026、1126の外側表面1078とバルーンの可撓性材料とを添着するための手段が、バルーンの膨張および収縮の圧力変化に付随する応力に耐えるために採用されることができる。添着手段は、2つの材料の間の流体密シールをもたらし、長期の作用圧力の間、シールラインに沿ったいかなる剥離も制限することが重要であり得る。ある実施例では、バルーンと結合される伸長シャフト1026、1126の部分は、添着手段の一部として、ナイロン(例えば、Vestamid L2101)で被覆されることができる。これらの材料は、シアノアクリレート、エポキシ樹脂、またはウレタン化合物等の接着プロセスによって接合されるか、もしくは2つの材料をともに融解または溶接する熱処理または圧力嵌合プロセスによって接合されることができる。
【0037】
図12は、通路を維持しながら、穿孔または切開を密閉するか、もしくは閉塞物質を拡開するために、冠状脈管内で灌流カテーテルを使用する、方法1280を例証する。
【0038】
1282において、ガイドワイヤが、鼠径部近傍において患者の血液系の中に導入され、事前に留置されたガイドカテーテルを用いて、治療のために選択された冠状脈管まで、大動脈に沿って前進されることができる。ガイドワイヤは、次いで、密閉または拡開のために所望される治療部位まで、もしくはそれを横断して前進されることができる。部分的に膨張された留置カテーテルおよび完全に収縮された灌流カテーテルを随意に用いて、カテーテルアセンブリは、1284において、ガイドワイヤ上を螺入され、その遠位端が治療部位の近傍またはその中に位置付けられるまで、前進されることができる。
【0039】
1286において、灌流カテーテルのバルーンが、伸長シャフトを通して流体を押勢することによって、完全な収縮構成から拡張構成まで膨張されることができる。伸長シャフトの管腔が、その近位部において、膨張注射器に結合可能であるマニホールドと流体連通することができ、その遠位部の近傍において、バルーンの内部と流体連通することができる。拡張に応じて、バルーンの外側表面は、脈管穿孔または切開もしくは壁上のプラーク蓄積を取り囲む壁部等の冠状脈管壁と係合することができ、バルーンの内側表面は、通路を形成することができる。バルーンは、例えば、2〜20atmの範囲の圧力まで膨張されることができる。これらの低圧は、バルーンが、薄壁(例えば、0.1〜0.5mm)になることを可能にし、それによって、血流のためのより大きい通路を可能にする。加えて、低膨張圧力は、治療部位において、毛細血管内の血流を可能にする。留置カテーテルは、使用される場合、ここで、収縮され、近位に後退され、近位動脈内区分から、かつ通路を通して、バルーンおよび治療部位に対して遠位にある含酸素心筋組織まで、血流の灌流を可能にすることができる。
【0040】
1288において、治療デバイスが、随意に、少なくとも部分的に、ガイドカテーテルおよび灌流カテーテルを通して、通過されることができる。通過の間、治療デバイスは、伸長シャフトに沿って、灌流カテーテルの通路を通して、冠状脈管内の標的部位まで前進されることができる。
【0041】
1290において、切開をつなぎ合わせるか、穿孔を塞ぐか、または閉塞物質を拡開するために十分な時間が経過し、灌流カテーテルを患者から取り除かれることが所望されると、留置カテーテルは、通路の中に再挿入され、バルーンの内側表面に係合するように部分的に膨張されることができる。灌流カテーテルのバルーンは、次いで、収縮されることができ、カテーテルアセンブリは、後退され、患者から取り除かれ得る。独立のガイドワイヤ管腔を含む灌流カテーテルの代替実施形態では、留置カテーテルを再前進させるステップは、排除されることができる。灌流カテーテルを取り除くことが所望されると、臨床医は、単に、バルーンを収縮し、それを脈管壁から係脱合し、カテーテルのプロフィールを縮小することができ、次いで、収縮されたバルーンを含む灌流カテーテルは、ガイドワイヤに沿って後退されることができる。
【0042】
結語
CTOの治療における進歩にもかかわらず、特定の合併症は、依然として存続している。CTO手技の間の最も恐れられている合併症のうちの2つは、冠状血管穿孔または切開である。本発明の灌流カテーテルおよび関連する方法は、治療されるべき脈管穿孔または切開がある場合、さらに、拡開されるべき閉塞物質がある場合、使用されることができる。カテーテルおよび方法は、既存のデバイスおよび技術に優るいくつかの利点を有する。第1に、本発明のカテーテルの通路の大きい直径は、バルーンが膨張される間、比較的高い血流速度を可能にすることができる。これは、血管内におけるバルーンの長時間の膨張を可能にし、血流を阻止することなく、穿孔または切開を治療する。第2に、通路が脈管の主流れ軸と整列され得るため、血液への外傷と、血流のために必要な圧力水頭とがほとんどない。第3に、灌流を可能にしながらのガイドワイヤの位置を維持する能力は、重要な選択肢を臨床医にもたらす。
【0043】
上記の発明を実施するための形態は、発明を実施するための形態の一部を形成する、添付の図面の参照を含む。発明を実施するための形態は、図面を参照して、熟読されたい。図面は、例証として、本発明のカテーテルおよび関連する方法が実践され得る具体的な実施形態を示す。これらの実施形態はまた、本明細書では、「実施例」と称される。
【0044】
発明を実施するための形態は、例証であることが意図され、制限的ではない。例えば、上記に説明される実施例(もしくは、1つ以上のその特徴または構成要素)は、相互と組み合わせて使用されることができる。他の実施形態も、上記の発明を実施するための形態を精査することに応じて、当業者等によって使用されることができる。また、種々の特徴または構成要素は、本開示を合理化するために、ともにグループ化されているか、またはグループ化され得る。これは、特許請求の範囲に記載されない開示特徴が、任意の請求項に不可欠であることを意図すると解釈されるべきではない。むしろ、本発明の主題は、特定の開示された実施形態の全ての特徴とは言えない可能性がある。したがって、以下の請求項の実施例は、本明細書によって、それ自体が別個の実施形態として主張する各実施例とともに、発明を実施するための形態に組み込まれる。
【0045】
実施例1では、灌流カテーテルは、膨張可能チューブを含むバルーンと、膨張流体をバルーンに提供するか、または膨張流体をそこから引き出すための管腔を含む伸長シャフトとを含むことができる。膨張可能チューブは、螺旋状様式で、中心軸の周囲において、一連の巻線にコイル状にされることができる。隣接巻線は、相互に対して積み重ねられ、かつ相互に接合されることができ、一連の巻線の内側表面は、膨張されると、通路を画定することができる。伸長シャフトは、バルーンの近位部に偏心して取り付けられることができ、その管腔は、バルーンの内部と、具体的には、膨張可能チューブと流体連通することができる。
【0046】
実施例2では、実施例1の灌流カテーテルは、随意に、膨張可能チューブが、2つの異なるポリマーチューブを含むように構成されることができる。
【0047】
実施例3では、実施例2の灌流カテーテルは、随意に、2つの異なるポリマーチューブが、内側チューブおよび外側チューブを含むように構成されることができる。内側チューブは、外側チューブ内に位置付けられる。
【0048】
実施例4では、実施例3の灌流カテーテルは、随意に、内側チューブのポリマーが、外側チューブのポリマーより高い融解温度を有するように構成されることができる。
【0049】
実施例5では、実施例3および4のいずれか1つまたは任意の組み合わせの灌流カテーテルは、随意に、内側チューブのポリマーが架橋され、外側チューブのポリマーが、架橋されないように構成されることができる。
【0050】
実施例6では、実施例2〜5のいずれか1つまたは任意の組み合わせの灌流カテーテルは、随意に、2つの異なるポリマーチューブが、共押出されるように構成されることができる。
【0051】
実施例7では、実施例1〜6のいずれか1つまたは任意の組み合わせの灌流カテーテルは、随意に、膨張可能チューブが、螺旋状様式で、コイル状になる前に、40cm〜120cmの範囲の長さを有するように構成されることができる。
【0052】
実施例8では、実施例1〜7のいずれか1つまたは任意の組み合わせの灌流カテーテルは、随意に、通路が、2mm〜6mmの範囲の直径および10mm〜50mmの長さ範囲を有するように構成されることができる。
【0053】
実施例9では、実施例1〜8のいずれか1つまたは任意の組み合わせの灌流カテーテルは、随意に、バルーンが、伸長シャフトの一部を中心に巻着されるように構成されることができる。
【0054】
実施例10では、実施例9の灌流カテーテルは、随意に、バルーンが巻着される伸長シャフトの一部は、ナイロンで被覆されるように構成されることができる。
【0055】
実施例11では、実施例9および10のいずれか1つまたは任意の組み合わせの灌流カテーテルは、随意に、バルーンが、最低でも5mmにわたって、伸長シャフトを中心に巻着されるように構成されることができる。
【0056】
実施例12では、実施例1〜11のいずれか1つまたは任意の組み合わせの灌流カテーテルは、随意に、伸長シャフトの近位部および中間部が、ハイポチューブを含むように構成されることができる。
【0057】
実施例13では、実施例12の灌流カテーテルは、随意に、伸長シャフトの遠位部が、中間部に結合される支持ワイヤを含むように構成されることができる。
【0058】
実施例14では、実施例13の灌流カテーテルは、随意に、支持ワイヤが、バルーンに対して遠位である位置まで延在するように構成されることができる。
【0059】
実施例15では、実施例13および14のいずれか1つまたは任意の組み合わせの灌流カテーテルは、随意に、支持ワイヤが、バルーンの近位部と遠位部との間の場所まで延在するように構成されることができる。
【0060】
実施例16では、実施例1〜15のいずれか1つまたは任意の組み合わせの灌流カテーテルはさらに、随意に、ガイドワイヤ管腔を備えることができる。
【0061】
実施例17では、実施例16の灌流カテーテルは、随意に、ガイドワイヤ管腔が、通路内に位置付けられるように構成されることができる。
【0062】
実施例18では、実施例16および17のいずれか1つまたは任意の組み合わせの灌流カテーテルは、随意に、ガイドワイヤ管腔が、一連の巻線の内側表面に差し込まれるように構成されることができる。
【0063】
実施例19では、実施例16〜18のいずれか1つまたは任意の組み合わせの灌流カテーテルは、随意に、ガイドワイヤ管腔が、通路の長さに等しいか、またはわずかにより長いように構成されることができる。
【0064】
実施例20では、実施例1〜19のいずれか1つまたは任意の組み合わせの灌流カテーテルは、随意に、バルーンに対して近位に位置付けられる第1のX線不透過性マーカーと、バルーンに対して遠位に位置付けられる第2のX線不透過性マーカーとをさらに備えることができる。
【0065】
実施例21では、本方法は、ガイドワイヤを血管中に挿入し、治療部位まで、またはそれを横断して、ガイドワイヤを前進させるステップと、灌流カテーテルの遠位部が、治療部位の近傍またはその中に位置付けられるまで、灌流カテーテルを、ガイドワイヤにわたって、通過させるステップと、灌流カテーテルのバルーンを膨張させるステップとを含むことができる。バルーンを膨張させるステップは、螺旋巻きチューブの一連の接触巻線を膨張させるステップを含むことができる。バルーンは、収縮構成から、膨張に応じて、バルーンの外側表面が血管壁に係合し、バルーンの内側表面が通路を画定し得る、膨張構成まで移動することができる。
【0066】
実施例22では、実施例21の方法は、随意に、バルーンを膨張させるステップが、通路を通した体液の流れを可能にするステップを含むように構成されることができる。
【0067】
実施例23では、実施例21の方法は、随意に、バルーンを膨張させるステップが、通路を通した体液の流れを可能にしながら、血管壁内の穿孔を密閉するステップを含むように構成されることができる。
【0068】
実施例24では、実施例21の方法は、随意に、バルーンを膨張させるステップが、血管内における閉塞領域または狭領域を拡張するステップを含むように構成されることができる。
【0069】
実施例25では、実施例21−24のいずれか1つまたは任意の組み合わせの方法はさらに、随意に、治療デバイスを、少なくとも部分的に、通路を通して通過させるステップを含むことができる。
【0070】
実施例26では、実施例25の方法は、随意に、治療デバイスを、少なくとも部分的に、通路を通して通過させるステップが、遠位−近位方向において、膨張バルーンの外側表面と血管壁との係合の結果として、通路の中の狭所を通される治療デバイスを受容するステップを含むように構成されることができる。
【0071】
実施例27では、実施例25の方法は、随意に、治療デバイスを、少なくとも部分的に、通路を通して通過させるステップが、近位−遠位において、治療デバイスを治療部位まで、または治療部位に対して遠位に、送達するステップを含むように構成されることができる。
【0072】
実施例28では、実施例21−27のいずれか1つまたは任意の組み合わせの方法はさらに、随意に、バルーンを収縮するステップと、灌流カテーテルを血管から抜去するステップとを含むことができる。
【0073】
実施例29では、実施例1〜28のいずれか1つまたは任意の組み合わせの灌流カテーテルまたは方法は、随意に、列挙される全ての構成要素または選択肢が、それを使用するか、またはそこから選択するために利用可能であるように構成されることができる。
【0074】
特定の用語が、特定の特徴または構成要素を参照するために、本特許書類全体を通して使用される。当業者は、異なる人物が、異なる名称によって同一の特徴または構成要素を参照し得ることを認識するであろう。本特許書類は、名称は異なるが、機能が異ならない構成要素または特徴を区別することを意図しない。
【0075】
以下の定義される用語に関して、特定の定義は、異なる定義が、本特許文献における他の場所に与えられない限り、適用されるものとする。用語「a(1つ)」、「an(1つ)」、および「the(前記)」は、「at least one(少なくとも1つの)」または「one or more(1つ以上)」の任意の他の事例または使用から独立して、1つまたは1つ以上を含むために使用される。用語「or(または)」は、非排他的であるものを指すために使用される、もしくは「A or B(AまたはB)」が、「A but not B(AであるがBではない)」、「B but not A(BであるがAではない)」、および「A and B(AおよびB)」を含むように使用される。用語「distal(遠位)」および「proximal(近位)」は、治療を行う臨床医に対する位置または方向を指すために使用される。「distal(遠位)」または「distally(遠位に)」は、治療を行う臨床医からより遠い位置を指す。「Proximal(近位)」および「proximally(近位に)」は、治療を行う臨床医により近い位置を指す。用語「patient(患者)」は、ヒト患者または動物患者を指す。用語「clinician(臨床医)」または「treating clinician(治療を行う臨床医)」は、医者、看護師、または他の医療提供者を指し、支援人員を含むことができる。用語「occlusion(閉塞)」は、血管の全体的、ほぼ全体的、または部分的閉塞を指す。
【0076】
本発明の範囲は、添付の請求項とともに、そのような請求項が権利を与えられる均等物の全範囲を参照して判定されるべきである。添付の請求項では、用語「including(を含む)」および「in which(そこでは)」は、それぞれの用語「comprising(を備える)」および「wherein(そこでは)」の平易な英語の均等物として使用される。また、以下の請求項では、用語「including(を含む)」および「comprising(を備える)」は、制約がない、すなわち、ある請求項において、そのような用語の後に列挙されるものに加えて、特徴または構成要素を含む、デバイス、キット、または方法も、依然として、その請求項の範囲内にあると見なされる。さらに、以下の請求項では、用語「first(第1の)」、「second(第2の)」、および「third(第3の)」等は、単に、標識として使用され、数値要件をその目的に課すことを意図するものではない。ある従属項が、単一の従属形態で記載され得るが、これらの請求項の特徴は、請求項が複数の従属形態であるように組み合わせられることができることを理解されたい。
【0077】
要約は、読者が、技術的な開示の本質を迅速に突き止めることを可能にするために提供される。これは、請求項の範囲または意味を解釈または限定するために使用されないであろうという理解ともに提示される。