【解決手段】ワーク搬送システム(2)は、切断加工により切り分けられた製品と残材とを含むワークを保持する加工パレット(5)と、ワークを保持した加工パレットが搬入され、ワークから残材が除去される残材アンロードエリア(AR2)と、残材が除去され、かつ製品を保持した加工パレットが搬入され、加工パレット上の製品が一括してアンロードされる製品アンロードエリア(AR3)と、を備える。
前記製品アンロードエリアに配置され、前記加工パレット上の前記製品を一括して受け取る第1移載装置を備える、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のワーク搬送システム。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、実施形態に係る加工システム、ワーク搬送システムを示す概念図である。
図2は、ワーク搬送システムの搬送経路を概念的に示す平面図である。以下の各図において、XYZ座標系を用いて図中の方向を説明する。このXYZ座標系においては、鉛直方向をZ方向とし、水平方向をX方向、Y方向とする。
【0013】
本実施形態に係る加工システム1は、ワークに切断加工を施す加工システムである。ここでは、加工システム1は、レーザ加工により切断加工を施すレーザ加工システムであるものとして説明する。加工システム1は、ワーク搬送システム2、レーザ加工機3、及びワーク供給装置4を備える。ワーク搬送システム2は、ワークWを保持する加工パレット5を備え、加工パレット5によりワークWを搬送する。ワーク搬送システム2は、ロードエリアAR1と、残材アンロードエリアAR2と、製品アンロードエリアAR3とを備える。
【0014】
ロードエリアAR1は、レーザ加工機3におけるワーク搬入出口(図示せず)に隣接して、配置される。ここでは、レーザ加工機3の+X側にワーク搬入出口が設けられ、ロードエリアAR1、レーザ加工機3に対して+X側に配置される(
図2参照)。ロードエリアAR1には、ワーク供給装置4(ワーク貯蔵装置、素材ストッカ)が設けられる。ワーク供給装置4は、例えば、貯蔵庫に積み重ねられた複数の加工前ワークから1枚のワークWをパッドで吸着し、ワークWを加工パレット5の上方から下降させて、加工パレット5上にワークWを載置する。ワーク供給装置4の構成は、上記の構成に限定されず、適宜変更可能である。ワーク供給装置4は、ワーク搬送システム2に組み込まれていてもよいし、また加工システム1の外部の装置(例、工場の設備)でもよい。
【0015】
図3は、加工パレット5を示す斜視図である。加工パレット5は、ベースプレート11および複数の支持プレート12を備える。複数の支持プレート12は、ベースプレート11の上面に対してほぼ垂直に延びており、所定の間隔でX方向に並んでいる。複数の支持プレート12は、それぞれ、鋸歯状に形成された上端部を有する。複数の支持プレート12は、ワークWの下面を複数の点(鋸歯の先端)で支持する。
【0016】
加工パレット5は、例えば、レール15(
図2参照)に沿って移動可能な車輪が設けら、ワーク搬送システム2は、加工パレット5を牽引することによって、レール15に沿って加工パレット5を搬送する。例えば、加工パレット5には、ワイヤと接続されたフックが掛けられ、このワイヤが駆動部(図示せず)に巻き取られることで加工パレット5が牽引される。なお、加工パレット5を移動させる機構は適宜変更可能であり、例えば、加工パレット5が自走式でもよい。
【0017】
ワークWを保持した加工パレット5は、レーザ加工機3(
図1参照)に搬入される。レーザ加工機3は、加工パレット5上のワークWに対してレーザ光を照射して、ワークWに切断加工を施す。レーザ加工機3は、レーザヘッド(図示せず)と、ヘッド駆動部(図示せず)とを有している。レーザヘッドは、下方にレーザ光を射出する。レーザヘッドは、光ファイバ(図示せず)などの光伝送体を介してレーザ光源(図示せず)に接続されている。レーザ光源は、例えばファイバーレーザなどの固体レーザの光源であり、炭酸ガスレーザなどに比べて熱密度の高いレーザ光が得られる。そのため、ファイバーレーザを用いたレーザ加工機3は、高速で切断等を行うことが可能である。レーザ加工によりワークWと加工パレット5の支持プレート12とが溶着することがあるが、支持プレート12がワークWを複数の点で支持するので、支持プレート12とワークWとの溶着部を減らすことができる。
【0018】
図3(B)に示すように、ワークWは、レーザ加工によって、複数の製品Waと残材Wb(スケルトン、製品Waの周辺部分)とに切り分けられる。加工パレット5は、レーザ加工後においても、製品Waおよび残材Wbを含むワークWを保持する。なお、加工システム1は、切断刃によってワークに切断加工を施すパンチプレスなどの加工機を用いるものでもよいし、レーザ加工機3およびパンチプレスを用いるものでもよい。
【0019】
図2に示すように、ワーク搬送システム2は、切断加工が施されたワークWを保持した加工パレット5を、残材アンロードエリアAR2へ搬入する。残材アンロードエリアAR2は、ロードエリアAR1に隣接して配置される(
図2参照)。ロードエリアAR1は、レーザ加工機3と残材アンロードエリアAR2との間の搬送経路に配置されており、加工パレット5は、レーザ加工機3からロードエリアAR1を経由して残材アンロードエリアAR2へ搬送される。ここでは、レーザ加工機3、ロードエリアAR1、及び残材アンロードエリアAR2がX方向に並んで配置されており、ワークWはX方向に平行な搬送経路(
図2に示すレール15)に沿って搬送される。残材アンロードエリアAR2において、レーザ加工後のワークWのうち残材Wbが除去される。残材アンロードエリアAR2には、フォーク装置21(第2移載装置)およびグリッパ22が設けられる。
【0020】
図4は、フォーク装置21を示す斜視図である。フォーク装置21は、基部25と、複数の腕部26とを有している。基部25は、X方向に延びる板状であり、複数の腕部26は、それぞれ基部25から+Y方向に延びる棒状である。複数の腕部26は、例えば、
図3(A)に示した加工パレット5の支持プレート12とほぼ等しいピッチ(中心間距離)でX方向に配列されている。各腕部26の幅は、加工パレット5において隣り合う2つの支持プレート12のギャップよりも狭く設定され、各腕部26は、隣り合う2つの支持プレート12の間に挿入可能である。フォーク装置21は、基部25を駆動する駆動部(図示せず)、及びガイド27を備える。ガイド27は、X方向における基部25の両側にそれぞれ配置され、Y方向に延びている。フォーク装置21の駆動部は、基部25および複数の腕部26をガイド27に沿って、Y方向に移動させる。
【0021】
図5は、フォーク装置21の動作を示す図である。フォーク装置21は、
図5(A)に示すように、残材アンロードエリアAR2において、ワークWを保持する加工パレット5に向かって、複数の腕部26を+Y側へ移動させる。複数の腕部26の高さは、加工パレット5のベースプレート11の上面よりも上方、かつワークWの下面よりも下方に設定されており、複数の腕部26は、加工パレット5の支持プレート12の間に挿入されて、ワークWの下方に配置される。
図5(A)の状態では、ワークWは、加工パレット5の複数の支持プレート12によって支持されている。
図5(B)に示すように、複数の腕部26がワークWの下方に配置された状態で、加工パレット5は、複数の腕部26に対して下方に移動し、ワークWが複数の腕部26上に渡される。
【0022】
このように、フォーク装置21(第2移載装置)は、残材アンロードエリアAR2において、加工パレット5からワークWを受け取る。ワークWと加工パレット5とがレーザ加工により溶着を生じている場合、ワークWが複数の腕部26に支持された状態で加工パレット5が下方に移動することで、溶着を剥がして、ワークWを加工パレット5から分離することができる。また、フォーク装置21は、複数の支持プレート12と比べて、多点あるいは広い接触面積でワークWを支持することができ、ワークWを安定的に保持することができる。
【0023】
図6は、フォーク装置21およびグリッパ22を示す斜視図である。フォーク装置21は、加工パレット5(
図5(B)参照)から複数の腕部26上にワークWを受け取った後、駆動部(図示せず)が複数の腕部26を−Y側に移動させ、複数の腕部26上のワークWは、
図6に示すようにグリッパ22の下方に配置される。グリッパ22は、X方向に配列される複数の把持部31を備える。複数の把持部31は、例えば、支持台32におけるY方向の端部に配列されている。なお、
図6には、支持台32の−Y側に1列に配列された複数の把持部31を図示したが、支持台32の+Y側にも同様に複数の把持部31が配列されている(後に
図7等に示す)。グリッパ22は、複数の把持部31をZ方向およびX方向に移動可能である。各把持部31は、下方に移動した際に、フォーク装置21において隣り合う2つの腕部26の間を通るように、複数の把持部31の位置および寸法が設定される。
【0024】
図7は、グリッパ22の動作を示す図である。把持部31は、X方向から見た平面形状が概ねC字状であり、下部41、側部42、及び上部43を有する。上部43には、上下方向に移動可能な可動部44が設けられる。
図7(A)に示すように、グリッパ22は、複数の把持部31を下方に移動させ、ワークWの+Y側および−Y側に複数の把持部31を配置する。そして、
図7(B)に示すように、グリッパ22は、ワークWの−Y側の把持部31を+Y側へ移動させ、ワークWの+Y側の把持部31を−Y側へ移動させる。
図7(C)に示すように、グリッパ22は、把持部31の下部41と上部43との間にワークWの残材Wbが配置される位置まで、把持部31を移動させる。
【0025】
そして、
図7(D)に示すように、上部43に設けられた可動部44が下方に移動して、下部41と可動部44とがワークWの残材Wbを把持する。そして、グリッパ22は、残材Wbを把持した状態で上方に移動し、フォーク装置21の腕部26上から残材Wbを除去する。腕部26上は、ワークWのうち製品Waのみが保持された状態となる。このように、グリッパ22は、残材アンロードエリアAR2において、フォーク装置21(第2移載装置)上のワークWから残材Wbを選択的に除去する。フォーク装置21は、腕部26上から残材Wbが除去された後、製品Waを保持した腕部26を加工パレット5の上方から下方へ移動させ、加工パレット5の支持プレート12上に製品Waを移載する。これにより、加工パレット5上にはワークWのうち製品Waのみが保持される(後に
図8(A)に示す)。
【0026】
なお、本実施形態では、加工パレット5からワークWを受け取る第2移載装置として、フォーク装置21を用いるが、第2移載装置の構成は、上述のフォーク装置21の構成に限定されない。例えば、第2移載装置は、加工パレット5の複数の支持プレート12の間を複数の柱状部材が昇降し、これら柱状部材がワークWを持ち上げる構成でもよい。また、ワーク搬送システム2は、フォーク装置21(第2移載装置)を備えなくてもよく、グリッパ22は、加工パレット5に保持されたワークWから残材Wbを選択的に除去してもよい。また、フォーク装置21(第2移載装置)は、ワーク搬送システム2の外部の装置であってもよく、例えば、ワーク搬送システム2が設置される設備(例、工場)の装置でもよい。また、ワーク搬送システム2はグリッパ22を備えなくてもよく、例えば、グリッパ22は、ワーク搬送システム2が設置される設備(例、工場)の装置でもよい。
【0027】
残材Wbが除去され、かつ製品Waを保持した加工パレット5は、
図2(A)に示すように製品アンロードエリアAR3へ搬入される。加工パレット5上の複数の製品Wa(
図7(D)参照)は、製品アンロードエリアAR3において加工パレット5から、一括してアンロードされる。製品アンロードエリアAR3製品アンロードエリアAR3は、レーザ加工を行うレーザ加工機3と残材アンロードエリアAR2との間の搬送経路に設けられる。製品アンロードエリアAR3は、例えばロードエリアAR1と同じ領域に設けられ、加工パレット5は、製品Waがアンロードされた後、ロードエリアAR1において加工前ワークが供給され、再度、レーザ加工機3へ搬入される。これにより、レーザ加工機3は、ワークWを効率よくレーザ加工することができ、生産性が高くなる。なお、製品アンロードエリアAR3は、残材アンロードエリアAR2と比較してロードエリアに近い位置に設けられてもよく、この場合も生産性が高い。製品アンロードエリアAR3には、加工パレット5上の製品Waを一括して受け取るフォーク装置45(第1移載装置)が設けられる。製品Waは、フォーク装置45から回収される。
【0028】
図8は、フォーク装置45を示す斜視図である。フォーク装置45は、第1載置部51と、第2載置部52と、連結装置53と、駆動装置54と、を有する。フォーク装置45は、加工パレット5上の製品Waを第1載置部51で受け取り(後に
図8に示す)、製品Waを第1載置部51から第2載置部52へ移載する。
【0029】
第1載置部51は、ワークWを載置可能である。第1載置部51は、フレーム55と、複数の腕部56と、巻き掛け部材57と、クロスバー58と、テンションバー59と、昇降装置60と、を備える。フレーム55は、X方向に延びる部材であり、複数の腕部56を保持する。また、フレーム55は、上下方向のガイド部(図示せず)によって上下方向に移動可能である。昇降装置60は、フレーム55を昇降させることにより第1載置部51を昇降させる。複数の腕部56は、フレーム55に沿ってX方向に並んで配置され、フレーム55から−Y側に延びている。
【0030】
複数の腕部56は、それぞれ長手方向がY方向に平行となっており、Y方向の長さがほぼ同一である。各腕部56のY方向の幅は、加工パレット5の支持プレート12(
図3(A)参照)の間に挿入可能な幅に設定される。巻き掛け部材57は、ベルト状(帯状)の部材である。巻き掛け部材57は、各腕部56のそれぞれに対して巻き掛けられている。巻き掛け部材57は、腕部56においてフレーム55の近傍から+Y側の先端にわたって巻き掛けられ、腕部56に対してX軸周りに巻き掛けられる。腕部56の先端及び末端にはプーリ(図示せず)が配置され、巻き掛け部材57はプーリに巻き掛けられる。巻き掛け部材57は、腕部56の上面と、腕部56のY方向の両端部と、腕部56の下面(−Z側の面)と、にわたって巻かれている。巻き掛け部材57の上面は、各腕部56の上面に沿って配置される。
【0031】
クロスバー58およびテンションバー59は、それぞれ、複数の腕部56の間に跨るように、X方向に延びている。クロスバー58およびテンションバー59は、それぞれ、複数の巻き掛け部材57と固定され、複数の腕部56と独立してY方向に移動可能である。複数の巻き掛け部材57は、クロスバー58およびテンションバー59を介して一体化され、クロスバー58、テンションバー59がY方向に移動することにより、複数の巻き掛け部材57もY方向に移動する。クロスバー58のうち+X側の端部58aは、腕部56よりも+X側に突出している。テンションバー59は、クロスバー58に対して+Y側に配置される。テンションバー59は、ボルト等の固定部材により、クロスバー58に対してY方向に所定の距離だけ離れた状態でクロスバー58に固定される。テンションバー59とクロスバー58との距離を調整することにより、巻き掛け部材57のテンションを調整可能である。
【0032】
第2載置部52は、製品Waを載置可能である。第2載置部52は、移動台車61と、製品パレット62と、を有する。移動台車61は、ベース61a及び車輪61bを有する。ベース61aは、その上面に製品パレット62が載置される。車輪61bは、床面に形成されたガイド64に沿って移動可能である。ガイド64は床面においてY方向に延びており、移動台車61は、ガイド64に沿ってY方向に移動可能である。製品パレット62は、ベース62a及び車輪62bを有する。ベース62aは、その上面に製品が載置される。なお、ベース62aの上面に、製品の搬出に用いられる木枠などの搬出用部材が載置され、製品が搬出用部材に載置されてもよい。車輪62bは、ベース61aの上面(+Z側の面)に形成されたガイド65上に沿って移動可能である。ガイド65は、Y方向に延びており、製品パレット62は、ガイド65に沿って移動台車61に対してY方向に相対的に移動可能である。
【0033】
連結装置53は、巻き掛け部材57と第2載置部52とを連結する。連結装置53は、棒状部材66と、孔部67とを有する。棒状部材66は、移動台車61のベース61a上に設けられる。棒状部材66は、ベース61aの上面から上方(+Z方向)に突出しており、ベース61aに固定される。棒状部材66は、例えば、円柱状の部材であり、その上端部は、断面の径が上方に向けて縮小するテーパ状である。クロスバー58の−X側の端部58aの下部には、端部58aから−Y側に突出する板状部材58bが設けられる。孔部67は、板状部材58bの−Y側に突出した部分に設けられ、棒状部材66を挿通可能である。孔部67と棒状部材66とは、クロスバー58と移動台車61の少なくとも一方のY方向の移動によって、位置合わせされる。孔部67と棒状部材66とが位置合わせされた状態において、昇降装置60が第1載置部51を降下させることにより、孔部67に棒状部材66が挿通され、巻き掛け部材57と第2載置部52とが連結される。この状態で第2載置部52をY方向に移動させると、棒状部材66がクロスバー58を介して巻き掛け部材57をY方向に移動させる。
【0034】
図9から
図11は、フォーク装置45の動作を示す図である。なお、
図9では、図を見やすくするためにフォーク装置45の第2載置部52等を省略した。図示を省略した部分については、適宜、
図8を参照して説明する。
図9(A)に示すように、製品アンロードエリアAR3には、ワークWのうち製品Waのみを保持した加工パレット5が残材アンロードエリアAR2から搬入される。加工パレット5が製品アンロードエリアAR3に搬入される際に、フォーク装置45は、加工パレット5の搬入位置に対してY方向(
図9では+Y側)に退避している。加工パレット5が搬入位置に配置された後、フォーク装置45は、複数の腕部56を、加工パレット5に向かって移動させる。この際に、複数の腕部56の高さは、加工パレット5のベースプレート11の上面よりも上方、かつ製品Waの下面よりも下方に設定されている。
【0035】
図9(B)に示すように、複数の腕部56は、それぞれ、加工パレット5において隣り合う2つの支持プレート12の間に挿入され、支持プレート12に支持された製品Waの下方に配置される。加工パレット5は複数の腕部56に対して相対的に下方へ移動し、
図9(C)に示すように、複数の製品Waが加工パレット5から複数の腕部56上に一括して渡される。なお、加工パレット5から複数の腕部56に製品Waを受け渡す際、加工パレット5を下方に移動させてもよいし、複数の腕部56を昇降装置60(
図8参照)によって上方に移動させてもよい。フォーク装置45は、渡された複数の製品Waを複数の腕部56上で保持する。フォーク装置45は、加工パレット5の支持プレート12と比較して、ワークWを多数の点あるいは広い接触面積で支持し、ワークWを安定的に保持することができる。
【0036】
図10(A)に示すように、フォーク装置45は、製品Waを腕部56上に保持した後、連結装置53の棒状部材66と孔部67とを位置合わせする。次に、
図10(B)に示すように、フォーク装置45は、昇降装置60を駆動して第1載置部51を下降させる。第1載置部51の下降により、第1載置部51は第2載置部52に近接し、連結装置53の棒状部材66が孔部67に挿通される。
【0037】
次に、
図11(A)に示すように、駆動装置54を駆動して、第2載置部52を第1載置部51に対して−Y側に移動させる。これにより、クロスバー58は、連結装置53を介して−Y側に移動し、巻き掛け部材57の上面側を−Y側に移動させる。巻き掛け部材57の上面に載置された製品Waは、−Y側に移動し、やがて腕部56から−Y側にはみ出して下方に落ちる。腕部56の下方において、第2載置部52は、巻き掛け部材57および製品Waと同期して−Y側に移動しており、腕部56から落下した製品Waは、製品パレット62のベース62a上に収容(例、ばら積み)される。腕部56上の製品Waは、第2載置部52が所定の距離だけ−Y側へ移動する一連の動作によって、
図11(B)に示すように製品パレット62へ移載される。このように、フォーク装置45(第1移載装置)は、複数の腕部56上で製品Waをスライドさせて、製品Waを収容する製品パレット62へ製品Waを移載する。そのため、例えば第2載置部52が移動する一連の動作により、フォーク装置45上の複数の製品Waを一括して移載することができ、製品Waを効率よく回収することができる。
【0038】
なお、フォーク装置45(第1移載装置)は、上記の構成に限定されず、適宜変更可能である。例えば、第1移載装置は、複数の製品Waが載置される支持部材を備え、この支持部材を傾けて複数の製品Waをスライドさせることで、複数の製品Waを製品パレット62に移載してもよい。また、ワーク搬送システム2は、フォーク装置45(第1移載装置)を備えなくてもよく、例えば、フォーク装置45は、ワーク搬送システム2が設置される設備(例、工場)の装置でもよい。
【0039】
次に、上述の加工システムの構成に基づき、実施形態に係るワーク搬送方法を適用した加工方法について説明する。
図12は、実施形態に係るワーク搬送方法を適用した加工方法を示すフローチャートである。ステップS1において、加工パレット5は、ロードエリアAR1(
図1参照)に配置されており、ワーク供給装置4は、加工パレット5に加工前ワークを供給し、加工パレット5は、加工前ワークを保持する。ステップS2において、ワーク搬送システム2は、加工前ワークを保持した加工パレット5を加工機(例、レーザ加工機3)に搬入する。ステップS3において、加工機(例、レーザ加工機3)は、加工パレット5に保持された加工前ワークに対して、切断加工(例、レーザ加工)を施す。これにより、加工前ワークは、製品Waと残材Wbとに切り分けられる(
図3(B)参照)。
【0040】
ステップS4において、ワーク搬送システム2は、加工後のワークWを保持した加工パレット5を、残材アンロードエリアAR2へ搬入する。ステップS5において、グリッパ22は、残材アンロードエリアAR2でワークWから残材Wbを除去する(
図5から
図7参照)。例えば、フォーク装置21は、加工パレット5からワークWを受け取り、グリッパ22は、フォーク装置21に保持されたワークWから残材Wbを除去し、フォーク装置21は、製品Waのみを加工パレット5へ渡す。ステップS6において、ワーク搬送システム2は、製品Waを保持した加工パレット5を製品アンロードエリアAR3へ搬入する。ステップS7において、フォーク装置45は、製品アンロードエリアAR3で加工パレット5から製品Waを一括してアンロードする(
図9参照)。例えば、フォーク装置45は、加工パレット5から製品Waを一括して受け取り、製品Waを製品パレット62に移載する(
図10、
図11参照)。
【0041】
加工システム1は、製品Waがアンロードされた加工パレット5を用いて、ステップS1からステップS7の処理を繰り返すことで、製品Waを効率よく生産することができる。実施形態に係るワーク搬送方法は、上述したステップS1からステップS7の処理のうち、少なくともステップS1、ステップS4、ステップS7の処理を含む。
【0042】
なお、本発明の技術範囲は、上述の実施形態などで説明した態様に限定されるものではない。上述の実施形態などで説明した要件の1つ以上は、省略されることがある。また、上述の実施形態などで説明した要件は、適宜組み合わせることができる。また、法令で許容される限りにおいて、上述の実施形態などで引用した全ての文献の開示を援用して本文の記載の一部とする。