特開2017-109372(P2017-109372A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-109372(P2017-109372A)
(43)【公開日】2017年6月22日
(54)【発明の名称】複合樹脂成形体の成形方法及び成形金型
(51)【国際特許分類】
   B29C 45/26 20060101AFI20170526BHJP
   B29C 45/37 20060101ALI20170526BHJP
   B29C 45/16 20060101ALI20170526BHJP
   B29C 33/44 20060101ALI20170526BHJP
【FI】
   B29C45/26
   B29C45/37
   B29C45/16
   B29C33/44
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-245129(P2015-245129)
(22)【出願日】2015年12月16日
(11)【特許番号】特許第6109285号(P6109285)
(45)【特許公報発行日】2017年4月5日
(71)【出願人】
【識別番号】505225108
【氏名又は名称】深尾 均
(74)【代理人】
【識別番号】100073287
【弁理士】
【氏名又は名称】西山 聞一
(72)【発明者】
【氏名】深尾 均
【テーマコード(参考)】
4F202
4F206
【Fターム(参考)】
4F202AG28
4F202CA11
4F202CB28
4F202CK13
4F202CK32
4F202CK54
4F206AG28
4F206JA07
4F206JB28
4F206JL02
4F206JN12
4F206JN25
4F206JQ81
(57)【要約】
【課題】一次成形品におけるスライド金型側で成形される部分にアンダーカット部があると、型開き時に複合成形品がスライド金型に残ってしまって取りだせない。
【解決手段】複合成形品Wの成形後の型開き時に、複合成形品Wを成形する2個の割型ユニット7、7aのどちらか一方の進退ユニット10、10a を割型ユニット7、7aから離脱して該割型ユニット7、7aを型開き状態とすることによって、一次成形品W1にアンダーカット部W1bが形成されていたとしても、複合成形品Wが可動金型3側にセットされた状態で型開きすることが出来るため、複合成形品Wを確実に取り出すことが出来る。
【選択図】図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パーティングラインに対し固定側に位置する固定金型及びスライド金型と、可動側に位置する可動金型の相互間を離間させた状態で、且つスライド金型は第1位置で2つの割型ユニットに進退ユニットを係合させて型締め状態とし、固定金型、スライド金型及び可動金型を型締めし、他方の割型ユニットに係合状態の進退ユニットを固定金型に固定し、前記可動金型における一方の一次成形中子と、前記スライド金型側の型締め状態の一方の割型ユニットとにより形成される一次成形用のキャビティに一次成形樹脂材料を射出して一次成形品を成形すると共に、前記可動金型と、二次成形中子と、前記スライド金型の他方の割型ユニットにセット状態の成形済一次成形品とで形成される二次成形用のキャビティに、二次成形樹脂材料を射出し二次成形品を成形して、該二次成形品と先に成形された一次成形品とを一体化した複合成形品を成形する第1工程と、
固定金型、スライド金型及び可動金型の相互間を離間させて、他方の進退ユニットを固定金型に移行させて他方の割型ユニットを型開き状態とした後、前記第1工程により成形し可動金型にセット状態の複合成形品を取り出す第2工程と、
固定金型に対しスライド金型を型締めすると共に、他方の進退ユニットの固定金型に対する固定状態を解除した後、固定金型に対しスライド金型を型開きして、他方の進退ユニットをスライド金型側に移行させ他方の割型ユニットを型締めする第3工程と、
前記第1工程により成形した一次成形品を保持した状態で、進退ユニットが係合状態で2つの割型ユニットが型締め状態の前記スライド金型を前記可動金型に対して第2位置へスライドさせた後に型締めし、一方の割型ユニットに係合状態の進退ユニットを固定金型に固定して、前記可動金型における他方の一次成形中子と、前記スライド金型側の型締め状態の他方の割型ユニットととにより形成される一次成形用のキャビティに一次成形樹脂材料を射出して一次成形品を成形すると共に、前記可動金型と、二次成形中子と、前記スライド金型の一方の割型ユニットにセット状態の成形済一次成形品とで形成される二次成形用のキャビティに、二次成形樹脂材料を射出し二次成形品を成形して、該二次成形品と先に成形された一次成形品とを一体化した複合成形品を成形する第4工程と、
固定金型、スライド金型及び可動金型の相互間を離間させて、一方の進退ユニットを固定金型に移行させて、一方の割型ユニットを型開き状態とした後、前記第4工程により成形し可動金型にセット状態の複合成形品を取り出す第5工程と、
固定金型に対しスライド金型を型締めすると共に、一方の進退ユニットの固定金型に対する固定状態を解除した後、固定金型に対しスライド金型を型開きして、一方の進退ユニットをスライド金型側に移行させ一方の割型ユニットを型締めする第6工程と、
前記第4工程により成形した一次成形品を保持した状態で前記スライド金型を前記可動金型に対して第1位置へスライドさせた後に、前記第1工程と同様の成形工程を行うことを繰り返して一次成形品及び複合成形品を連続成形する様にしたことを特徴とする複合成形品の成形方法。
【請求項2】
パーティングラインに対し固定側に位置する固定金型及びスライド金型と、可動側に位置する可動金型により構成し、且つ一次成形用のキャビティへの一次成形樹脂材料の流路と二次成形用のキャビティへの二次成形樹脂材料の流路が形成された成形金型であって、可動金型に一対の一次成形中子及び1個の二次成形中子を、一対の一次成形中子の間の中央に二次成形中子を配置する様に並列突設し、固定金型に対し接離自在な固定側のスライド金型に2個の嵌挿孔を、該2個の嵌挿孔の中心間距離を一次成形中子及び二次成形中子の中心間距離と同一となる様に形成すると共に、スライド金型を、上記一次成形中子及び二次成形中子の配列方向に、上記中心間距離と同一量往復スライド自在とし、前記嵌挿孔に複数の割型ブロックを有する割型ユニットを設置し、該割型ユニットに、型締め時に割型ブロックを前進させ、型開き時に割型ブロックを後退させる進退ユニットを着脱自在に係合させ、固定金型に、二次成形中子がセットされる割型ユニットに係合状態の進退ユニットの固定手段を設け、可動金型と、一次成形中子と、型締め状態の割型ユニットとにより一次成形品のキャビティを形成すると共に、可動金型と、二次成形中子と、スライド金型にセット状態の成形済一次成形品とにより二次成形品のキャビティを形成したことを特徴とする複合成形品の成形金型。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、合成樹脂製のアンダーカットを有する一次成形体の内側に合成樹脂製の一次成形体を一体形成した複合樹脂成形体を成形する様にした複合樹脂成形体の成形方法及び成形金型に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、かかる複合樹脂成形体の成形方法として、本願出願人は、パーティングラインに対し固定側に位置する固定金型及びスライド金型と、可動側に位置する可動金型の相互間を離間させた状態で、スライド金型を第1位置へスライドさせた後に型締めして、前記可動金型と、前記スライド金型側の一方の嵌挿孔の保持段部と、一方の一次成形中子の先端部位とにより形成されるリング状の一次成形用のキャビティに一次成形樹脂材料を射出して一次成形品を成形すると共に、前記可動金型における二次成形用の形成凹部と、該二次成形用の形成凹部内の二次成形センター中子と、前記スライド金型における他方の一次成形用の嵌挿孔の保持段部にセット状態の成形済一次成形品と、中央の二次成形中子の先端に形成した二次成形用の形成凹部とで形成される二次成形用のキャビティに、二次成形樹脂材料を射出し筒部を成形して、該筒部と先に成形された一次成形品とを一体化した鍔付筒体を成形する第1工程と、固定金型、スライド金型及び可動金型の相互間を離間させた後、前記第1工程により成形し可動金型にセット状態の鍔付筒体を取り出す第2工程と、前記第1工程により成形した一次成形品を保持した状態で前記スライド金型を前記可動金型に対して第2位置へスライドさせた後に型締めして、前記可動金型と、前記スライド金型の他方の嵌挿孔の保持段部と、他方の一次成形中子の先端部位とにより形成される一次成形用のキャビティに一次成形樹脂材料を射出して一次成形品を成形すると共に、前記可動金型の中央の二次成形用の形成凹部、該二次成形用の形成凹部内に設けた二次成形センター中子、前記スライド金型の一方の一次成形用の嵌挿孔の保持段部にセット状態の成形済一次成形品と、中央の二次成形中子の先端に形成した二次成形用の形成凹部とで形成される二次成形用のキャビティに、二次成形樹脂材料を射出し筒部を成形して、該筒部と先に成形された一次成形品とを一体化した鍔付筒体を成形する第3工程と、固定金型、スライド金型及び可動金型の相互間を離間させた後、前記第3工程により成形し可動金型にセット状態の鍔付筒体を取り出す第4工程と、前記第3工程により成形した一次成形品を保持した状態で前記スライド金型を前記可動金型に対して第1位置へスライドさせた後に型締めして、前記第1工程と同様の成形工程を行うことを繰り返して一次成形品及び鍔付筒体を連続成形する様にした鍔付筒体の成形方法を開発した(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この発明によれば、固定金型、スライド金型及び可動金型の型締め・型開きと、スライド金型の第1、2位置へのスライドと、1、二次成形キャビティへの1、二次成形樹脂材料の射出という簡単な工程だけで、筒部の中間部に一次成形品を有する鍔付筒体を成形出来る。
又、完成した複合成形品である鍔付筒体の取出位置を可動金型側の1箇所にすることができるため、鍔付筒体の取出工程の簡易化を図ることが次出来、而もパーティングラインに対しスライド金型に一次成形品を保持させると共に、パーティングラインに対し可動側の可動金型にセットされた状態の鍔付筒体を取り出すことから、鍔付筒体の取出及びスライド金型のスライドを同時に行うことが出来るため、1個当たりの成形時間を短縮することが出来る。
更に、一次成形樹脂材料と二次成形樹脂材料の材質、色等を異なるものにすることが出来るため、2色成形品、複合材料成形品としての鍔付筒体を成形することが出来る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4691400号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記従来技術にあっては、複合成形品を連続形成可能な点で非常に優れた発明であるが、一次成形品である鍔部におけるスライド金型側で成形される部分にアンダーカット部があると、型開き状態において、複合成形品である鍔付筒体が可動金型ではなくスライド金型に残ってしまって取りだすことが出来ないなど、解決せねばならない課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記従来技術に基づく、一次成形品にアンダーカット部があると複合成形品が可動金型スライド金型に残ってしまって取りだすことが出来ない課題に鑑み、パーティングラインに対し固定側に位置する固定金型及びスライド金型と、可動側に位置する可動金型の相互間を離間させた状態で、且つスライド金型は第1位置で進退ユニットが係合状態で2つの割型ユニットを型締め状態として、固定金型、スライド金型及び可動金型を型締めし、他方の割型ユニットに係合状態の進退ユニットを固定金型に固定して、前記可動金型における一方の一次成形中子と、前記スライド金型側の型締め状態の一方の割型ユニットとにより形成される一次成形用のキャビティに一次成形樹脂材料を射出して一次成形品を成形すると共に、前記可動金型と、二次成形中子と、前記スライド金型の他方の割型ユニットにセット状態の成形済一次成形品とで形成される二次成形用のキャビティに、二次成形樹脂材料を射出し二次成形品を成形して、該二次成形品と先に成形された一次成形品とを一体化した複合成形品を成形する第1工程と、固定金型、スライド金型及び可動金型の相互間を離間させて、他方の進退ユニットを固定金型に移行させて、他方の割型ユニットを型開き状態とした後、前記第1工程により成形し可動金型にセット状態の複合成形品を取り出す第2工程と、固定金型に対しスライド金型を型締めすると共に、他方の進退ユニットの固定金型に対する固定状態を解除した後、固定金型に対しスライド金型を型開きして、他方の進退ユニットをスライド金型側に移行させ他方の割型ユニットを型締めする第3工程と、前記第1工程により成形した一次成形品を保持した状態で、進退ユニットが係合状態で2つの割型ユニットが型締め状態の前記スライド金型を前記可動金型に対して第2位置へスライドさせた後に型締めし、一方の割型ユニットに係合状態の進退ユニットを固定金型に固定して、前記可動金型における他方の一次成形中子と、前記スライド金型側の型締め状態の他方の割型ユニットととにより形成される一次成形用のキャビティに一次成形樹脂材料を射出して一次成形品を成形すると共に、前記可動金型と、二次成形中子と、前記スライド金型の一方の割型ユニットにセット状態の成形済一次成形品とで形成される二次成形用のキャビティに、二次成形樹脂材料を射出し二次成形品を成形して、該二次成形品と先に成形された一次成形品とを一体化した複合成形品を成形する第4工程と、固定金型、スライド金型及び可動金型の相互間を離間させて、一方の進退ユニットを固定金型に移行させて、一方の割型ユニットを型開き状態とした後、前記第4工程により成形し可動金型にセット状態の複合成形品を取り出す第5工程と、固定金型に対しスライド金型を型締めすると共に、一方の進退ユニットの固定金型に対する固定状態を解除した後、固定金型に対しスライド金型を型開きして、一方の進退ユニットをスライド金型側に移行させ一方の割型ユニットを型締めする第6工程と、前記第4工程により成形した一次成形品を保持した状態で前記スライド金型を前記可動金型に対して第1位置へスライドさせた後に、前記第1工程と同様の成形工程を行うことを繰り返して一次成形品及び複合成形品を連続成形することによって、複合成形品の成形後に型開きしても、複合成形品は可動金型にセット状態で取り出すことを可能にして、上記課題を解決する。
【発明の効果】
【0007】
要するに請求項1、2に係る発明は、複合成形品成形後の型開き時に、複合成形品を成形する2個の割型ユニットのどちらか一方の進退ユニットを割型ユニットから離脱して該割型ユニットを型開き状態とする様にしているので、一次成形品にアンダーカットが形成されていたとしても、複合成形品が可動金型側にセットされた状態で型開きすることが出来るため、複合成形品を確実に取り出すことが出来る。
而も、複合成形品取り出し後に、固定金型に対しスライド金型を型締めすると共に、進退ユニットの固定金型に対する固定状態を解除した後、固定金型に対しスライド金型を型開きして、進退ユニットをスライド金型側に移行さた後、スライド金型をスライドさせる様にしているので、前記従来技術と比較して工程が増えてしまうことになるが、一次成形品にアンダーカットが形成された複合成形品の連続成形を可能にすることが出来る等その実用的効果甚だ大である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明に係る複合樹脂成形品の成形金型におけるスライド金型が第1位置の状態を示す縦断面図である。
図2】本発明に係る複合樹脂成形品の成形金型におけるスライド金型が第1位置の状態を示す縦断面図である。
図3】型開き状態の割型ユニットの要部拡大斜視図である。
図4】型締め状態の割型ユニットの要部拡大斜視図である。
図5】一次成形品の一例を示す断面図である。
図6】複合成形品の一例を示す断面図である。
図7】一次成形品キャビティの断面図である。
図8】二次成形品キャビティの断面図である。
図9】型締め前の状態の成形金型の一次成形品キャビティでの断面図である。
図10】型締め後の状態の成形金型の一次成形品キャビティでの断面図である。
図11】型締め前の状態の成形金型の二次成形品キャビティでの断面図である。
図12】型締め後の状態の成形金型の二次成形品キャビティでの断面図である。
図13】二次成形樹脂を射出した状態を示す断面図である。
図14】型開き状態を示す断面図である。
図15】複合成形品を取り出した後の型締め前の状態を示す断面図である。
図16】型締め後の状態を示す断面図である。
図17】進退ユニットの固定金型に対する固定状態を解除したした状態を示す断面図である。
図18】型開き状態を示す断面図である。
図19】スライド金型を第1位置とした型開き後の状態を示す断面図である。
図20】スライド金型を第2位置とした型開き後の状態を示す断面図である。
図21】固定金型の水平断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明に係る複合成形品の成形金型にあっては、アンダーカット部W1cを有する一次成形品W1の内側に二次成形品W2を一体成形して複合成形品Wとする金型であって、図1、2に示す様に、パーティングラインに対し固定側に位置する固定金型1及びスライド金型2と、可動側に位置する可動金型3により構成すると共に、固定金型1に対しスライド金型2を接離自在と成している。
【0010】
可動金型3に2個の一次成形中子4、4a及び1個の二次成形中子5を、一対の一次成形中子4、4aの間に2次成形中子5が位置する様に、可動金型3の縦方向に並列突設している。
【0011】
スライド金型2には、2個の嵌挿孔6、6aに、一次成形中子4、4aのどちらか一方と二次成形中子5がセットされる割型ユニット7、7aを設置し、各割型ユニット7、7aは複数個の割型ブロック8、8a…を有し、割型ユニット7、7aにおける一次成形品W1の外面を形成する内面にアンダーカット部W1cの形成部位9を形成している。
【0012】
割型ユニット7、7aに、割型ブロック8、8a…の進退ユニット10、10a を取り外し可能に係合させており、この進退ユニット10、10a が係合状態で型締め状態の割型ユニット7、7aの内周面と、型締め状態における一次成形中子4、4aの外周面との間に隙間を形成可能に、且つ型開き状態においてアンダーカット部W1cが引っ掛からずに複合成形品Wを引き抜き可能にしている。
【0013】
固定金型1にどちらか一方の進退ユニット10、10a (二次成形中子5がセットされる割型ユニット7、7aに係合状態の進退ユニット10、10a )の固定手段11を設け、固定金型1に対するスライド金型2の型開き時に固定手段11が効いていれば、型開き時にどちらか一方の進退ユニット10、10a が固定金型1に固定されて割型ユニット7、7aから取り外され、該割型ユニット7、7aは型開き状態となり、固定手段11が効いていなければ、型開き時に進退ユニット10、10a が割型ユニット7、7aに係合状態で該割型ユニット7、7aは型締め状態のままとなる様にしている。
【0014】
そして、可動金型3と、一次成形中子4、4a及びと、型締め状態の割型ユニット7、7aと、固定金型1とにより一次成形品W1のキャビティ12、12a を形成すると共に、可動金型3と、二次成形中子5と、スライド金型2にセット状態の一次成形品W1と、固定金型1とにより二次成形品W2のキャビティ13、13a を形成し、一方の一次成形用キャビティ12及び他方の二次成形用キャビティ13a はスライド金型2が第1位置の状態で、他方の一次成形用キャビティ12a 及び一方の二次成形用キャビティ13はスライド金型2が第2位置の状態で夫々型締めされることで形成される様に成っている。
【0015】
尚、スライド金型2にあっては、第1位置の状態における他方の一次成形中子4a、第2位置の状態における一方の一次成形中子4が当たらない様に形成されている。
【0016】
先ず、スライド金型2の他方の割型ユニット7aに、予め成形された一次成形品W1がセットされ、固定金型1、スライド金型2、可動金型3の相互間を離間させた状態を初期状態として説明する。

〔第1工程〕
(1)型開き状態の固定金型1、2つの割型ユニット7、7aが進退ユニット10、10a の係合により型締め状態の第1位置のスライド金型2、及び可動金型3(図11参照)を型締めし、他方の割型ユニット7aを固定金型1に固定状態とする(図12参照)。
(2)一方の一次成形用キャビティ12内に、一次成形樹脂材料を射出して一次成形品W1を成形する(図7参照)。
(3)同時に、他方の二次成形用キャビティ13a 内に、一次成形樹脂材料と異なる二次成形樹脂材料を射出し二次成形品W2を形成して、先に成形した一次成形品W1と一体化した複合成形品Wを成形する(図13参照)。

〔第2工程〕
固定金型1とスライド金型2との間を離間させて、一方の進退ユニット10がスライド金型2側に残り、他方の進退ユニット10a は固定金型1側に残って他方の割型ユニット7aを型開き状態とした後、スライド金型2と可動金型3との間を離間させると、前記第1工程により成形した一次成形品W1はスライド金型2側に、複合成形品Wは可動金型3に夫々セット状態となり(図14、19参照)、完全に型開きされた状態で可動金型3から複合成形品Wを取り出す(図15参照)。
〔第3工程〕
固定金型1に対しスライド金型2を型締めする(図16参照)と共に、他方の進退ユニット10a の固定金型1に対する固定状態を解除した(図17参照)後、固定金型1に対しスライド金型2を型開きして、両方の進退ユニット10、10a をスライド金型2に残し、他方の進退ユニット10a が他方の割型ユニット7aに係合し型締め状態とする(図18参照)。

〔第4工程〕
(1)2つの割型ユニット7、7aが進退ユニット10、10a の係合により型締め状態のスライド金型2を第2位置へスライドさせた(図11参照)後に可動金型3を型締めし、一方の進退ユニット10を固定金型1に固定状態とする(図12参照)。
(2)他方の一次成形用キャビティ12a 内に、一次成形樹脂材料を射出して一次成形品W1を成形する(図7参照)。
(3)同時に、一方の二次成形用キャビティ13内に、一次成形樹脂材料と異なる二次成形樹脂材料を射出し二次成形品W2を形成して、先に成形した一次成形品W1と一体化した複合成形品Wを成形する(図13参照)。

〔第5工程〕
固定金型1とスライド金型2との間を離間させて、他方の進退ユニット10a がスライド金型2側に残り、一方の進退ユニット10は固定金型1側に残って一方の割型ユニット7を型開き状態とした後、スライド金型2と可動金型3との間を離間させると、前記第4工程により成形した一次成形品W1はスライド金型2側に、複合成形品Wは可動金型3に夫々セット状態となり(図14、20参照)、完全に型開きされた状態で可動金型3から複合成形品Wを取り出す(図15参照)。

〔第6工程〕
固定金型1に対しスライド金型2を型締めする(図16参照)と共に、他方の進退ユニット10a に対する固定状態を解除した(図17参照)後、固定金型1に対しスライド金型2を型開きして、両方の進退ユニット10、10a をスライド金型2に残し、他方の進退ユニット10a が他方の割型ユニット7aに係合し型締め状態とする(図18参照)とした後、スライド金型2を第1位置にスライドさせる(図11参照)。

そして、上記第1〜6工程を繰り返して、一次成形品W1及び複合成形品Wを同時に連続成形する。
【実施例1】
【0017】
複合成形品である鍔付き筒体Wは、一次成形品であるリング状の鍔部W1と、二次成形品である筒部W2で構成され、鍔部W1は筒部W2の先端側に形成され、鍔部W1は鍔部本体W1aと筒状部位W1bとを有し、該筒状部位W1bの外周部にアンダカット部W1cを形成し、筒部W2は筒部本体W2aと該筒部本体W2aの中間部に周設された鍔状部位W2bとを有し、鍔部W1における筒状部位W1bの端部と筒部W2における筒部本体W2aの端部を揃え、鍔部W1における鍔部本体W1aに、筒部W2における鍔状部位W2bが密着状態と成っている。
【0018】
固定金型1にあっては、可動金型3における二次成形中子5の対向位置に二次成形樹脂流路14を貫通形成している。
【0019】
スライド金型2にあっては、固定金型1に対し接離自在なベース16における可動金型3との対向面に形成した矩形状の凹部17内に往復スライド可能に収容され、ベース16とスライド金型2の可動金型3との対向面を面一とし、ベース16の上端面部に垂設したシリンダー18のロッド19の下端部をスライド金型2の上端面に固設しており、ベース16における二次成形樹脂流路14の延長線上に連通路20を貫設している
【0020】
又、スライド金型2における2個の割型ユニット7、7aの夫々は、2個の割型ブロック8、8aを有し、型締め状態における各割型ブロック8、8aの背面に外側且つ下方への傾斜面21を形成し、両側面にスライド突条22、22a を形成し、嵌挿孔6、6aの傾斜面21との対向面を傾斜面21とは逆傾斜の傾斜面23とし、嵌挿孔6、6aの両側面にスライド突条22、22a が嵌まり込むスライド溝24、24a を形成している。
【0021】
各進退ユニット10、10a は一対の楔25、25a を有し、該楔25、25a の先端側を、各割型ブロック8、8aの傾斜面21と各嵌挿孔6、6aの傾斜面23に合致する様に形成して、傾斜面21、23間に徐々に挟入させることにより、割型ブロック8、8a間が徐々に狭小になって、最終的に型締め状態となる様に成っている。
【0022】
割型ブロック8、8aの傾斜面21に蟻26を、進退ユニット10、10a における傾斜面21との対応面に蟻溝27を形成して、型締め過程において、進退ユニット10、10a の蟻溝27に割型ブロック8、8aの蟻26が入り込んで割型ブロック8、8aを型締め方向にスライド可能にし、型締め過程において、割型ブロック8、8aを型締め方向にスライドさせて、蟻26が蟻溝27から外れる。
【0023】
固定金型1の3カ所に一対の楔25、25a の基端部位を嵌通する一対の凹部28、28a を形成し、進退ユニット10、10a における一対の楔25、25a の基端部位を嵌通する一対の凹部28、28a を、スライド金型2の第1位置における一方の進退ユニット10の楔25、25a と他方の進退ユニット10a の楔25、25a に相当する位置の2カ所と、第2位置における他方の進退ユニット10a の楔25、25a に相当する位置の1カ所の計3カ所に形成している。
【0024】
ベース16における凹部28、28a の対応位置に楔25、25a の挿通孔29、29a を形成し、該挿通孔29、29a 貫通した楔25、25a の先端部が、割型ブロック8、8aの傾斜面21と嵌挿孔6、6aの傾斜面23との間に挟入可能にしている。
【0025】
進退ユニット10、10a の固定手段11を、中央の一対の凹部28、28a 内に突出する固定体30、30a とし、楔25、25a に固定体30、30a の係合凹部31、31a を形成している。
【0026】
スライド金型2における2個の嵌挿孔6、6aよりシリンダー18側に、第2位置における一方の一次成形中子4の逃がし孔32を形成し、スライド金型2の長さを、第1位置における他方の一次成形中子4aがスライド金型2に衝突しない様に設定されている。
【0027】
可動金型3にあっては、2個の一次成形中子4、4a及び1個の二次成形中子5を有し、一次成形中子4、4aに、鍔部W1における鍔部本体W1aの内周面形成段部33、33a を形成し、二次成形中子5は、二次成形品である筒部W2の基端側部位の形成凹部34の中央に配置され、可動金型3におけるスライド金型2との対向面にして形成凹部34の周囲部に、鍔部W1における鍔部本体W1aの内周面保持凸部35を形成している。
【0028】
又、内周面形成段部33、33a は、基端側段部36と先端側段部36a とを有する2段状で、先端側段部36a で、筒部W2における鍔状部位W2bの形成凹部W1dを、鍔部W1における鍔部本体W1aに形成している。
【0029】
そして、可動金型3、一次成形中子4、4a、割型ユニット7、7a及びベース16により一次成形用キャビティ12、12a を形成し、ベース16、割型ユニット7、7a及び一次成形中子4、4aにより鍔部W1の筒状部位W1bのキャビティを、割型ユニット7、7a、一次成形中子4、4aの内周面形成段部33、33a 及び可動金型3により鍔部W1の鍔部本体W1aのキャビティを形成し、二次成形中子5、鍔部W1、可動金型3における二次成形中子5と該二次成形中子5に形成された形成凹部34、内周面保持凸部35により二次成形用キャビティ13、13a を形成し、二次成形中子5、鍔部W1の筒状部位W1b及び形成凹部34により筒部W2の筒部本体W2aのキャビティを、鍔部W1の形成凹部W1d及び内周面保持凸部35により筒部W2における鍔状部位W2bのキャビティを形成している。
【0030】
固定手段11である固定体30、30a は、固定金型1に形成されたスライド孔40、40a 内を往復スライド可能とし、基端部を、固定金型1の下端面部に垂設したシリンダー41のロッド42の上端部に固設した固定ブロック43に固定している。
【0031】
固定体30、30a は、細長板状で先端部位に内側への段差部44、44a を有するクランク形状とし、段差部44、44a より先端側を、楔25、25a の係合凹部31、31a への係合部45、45a としている。
【0032】
スライド孔40、40a は、ベース16の下端面部より下段の一対の凹部28、28a の外側を通過して、先端側の幅を中央の一対の凹部28、28a 側へ広げて拡幅部位46、46a を形成し、該拡幅部位46、46a より先端側部位を中央の一対の凹部28、28a と一部交差させることで、中央の一対の凹部28、28a におけるスライド孔40、40a との交差部にスリット47、47a を形成している。
【0033】
そして、スライド孔40、40a の拡幅部位46、46a の長さを、固定体30、30a の係合部45、45a が中央の一対の凹部28、28a 内に出没可能に設定し、拡幅部位46、46a 内に固定体30、30a の段差部44、44a を位置させ、固定体30、30a の前進により係合部45、45a がスリット45、45a の下方より中央の一対の凹部28、28a 内に突出して、楔25、25a の係合凹部31、31a に嵌まって、スライド金型2に対し楔25、25a を固定可能にし、固定体30、30a の後退により係合部45、45a がスリット45、45a の下方より中央の一対の凹部28、28a 内より抜かれて、スライド金型2に対する楔25、25a の固定状態を解除可能にしている。
【符号の説明】
【0034】
1 固定金型
2 スライド金型
3 可動金型
4、4a 一次成形中子
5 二次成形中子
6、6a 嵌挿孔
7、7a 割型ユニット
8、8a 割型ブロック
10、10a 進退ユニット
11 固定手段
12、12a 一次成形用キャビティ
13、13a 二次成形用キャビティ
W 複合成形品
W1 一次成形品
W2 二次成形品
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
【手続補正書】
【提出日】2017年1月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項1】
パーティングラインに対し固定側に位置する固定金型及びスライド金型と、可動側に位置する可動金型の相互間を離間させた状態で、且つスライド金型は第1位置で2つの割型ユニットの一方に2つの進退ユニットの一方を、2つの割型ユニットの他方に2つの進退ユニットの他方を係合させて型締め状態とし、固定金型、スライド金型及び可動金型を型締めし、他方の割型ユニットに係合状態の他方の進退ユニットを固定金型に固定し、前記可動金型における2つの一次成形中子の一方と、前記スライド金型側の型締め状態の一方の割型ユニットとにより形成される一次成形用のキャビティに一次成形樹脂材料を射出して一次成形品を成形すると共に、前記可動金型と、2つの一次成形中子の間に位置する二次成形中子と、前記スライド金型の他方の割型ユニットにセット状態の成形済一次成形品とで形成される二次成形用のキャビティに、二次成形樹脂材料を射出し二次成形品を成形して、該二次成形品と先に成形された一次成形品とを一体化した複合成形品を成形する第1工程と、
固定金型、スライド金型及び可動金型の相互間を離間させて、他方の進退ユニットを固定金型に移行させて他方の割型ユニットを型開き状態とした後、前記第1工程により成形し可動金型にセット状態の複合成形品を取り出す第2工程と、
固定金型に対しスライド金型を型締めすると共に、他方の進退ユニットの固定金型に対する固定状態を解除した後、固定金型に対しスライド金型を型開きして、他方の進退ユニットをスライド金型側に移行させ他方の割型ユニットを型締めする第3工程と、
前記第1工程により成形した一次成形品を保持した状態で、2つの進退ユニットが係合状態で2つの割型ユニットが型締め状態の前記スライド金型を前記可動金型に対して第2位置へスライドさせた後に型締めし、一方の割型ユニットに係合状態の一方の進退ユニットを固定金型に固定して、前記可動金型における2つの一次成形中子の他方と、前記スライド金型側の型締め状態の他方の割型ユニットととにより形成される一次成形用のキャビティに一次成形樹脂材料を射出して一次成形品を成形すると共に、前記可動金型と、前記二次成形中子と、前記スライド金型の一方の割型ユニットにセット状態の成形済一次成形品とで形成される二次成形用のキャビティに、二次成形樹脂材料を射出し二次成形品を成形して、該二次成形品と先に成形された一次成形品とを一体化した複合成形品を成形する第4工程と、
固定金型、スライド金型及び可動金型の相互間を離間させて、一方の進退ユニットを固定金型に移行させて、一方の割型ユニットを型開き状態とした後、前記第4工程により成形し可動金型にセット状態の複合成形品を取り出す第5工程と、
固定金型に対しスライド金型を型締めすると共に、一方の進退ユニットの固定金型に対する固定状態を解除した後、固定金型に対しスライド金型を型開きして、一方の進退ユニットをスライド金型側に移行させ一方の割型ユニットを型締めする第6工程と、
前記第4工程により成形した一次成形品を保持した状態で前記スライド金型を前記可動金型に対して第1位置へスライドさせた後に、前記第1工程と同様の成形工程を行うことを繰り返して一次成形品及び複合成形品を連続成形する様にしたことを特徴とする複合成形品の成形方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明は、上記従来技術に基づく、一次成形品にアンダーカット部があると複合成形品が可動金型スライド金型に残ってしまって取りだすことが出来ない課題に鑑み、パーティングラインに対し固定側に位置する固定金型及びスライド金型と、可動側に位置する可動金型の相互間を離間させた状態で、且つスライド金型は第1位置で2つの割型ユニットの一方に2つの進退ユニットの一方を、2つの割型ユニットの他方に2つの進退ユニットの他方を係合させて型締め状態とし、固定金型、スライド金型及び可動金型を型締めし、他方の割型ユニットに係合状態の他方の進退ユニットを固定金型に固定して、前記可動金型における2つの一次成形中子の一方と、前記スライド金型側の型締め状態の一方の割型ユニットとにより形成される一次成形用のキャビティに一次成形樹脂材料を射出して一次成形品を成形すると共に、前記可動金型と、2つの一次成形中子の間に位置する二次成形中子と、前記スライド金型の他方の割型ユニットにセット状態の成形済一次成形品とで形成される二次成形用のキャビティに、二次成形樹脂材料を射出し二次成形品を成形して、該二次成形品と先に成形された一次成形品とを一体化した複合成形品を成形する第1工程と、固定金型、スライド金型及び可動金型の相互間を離間させて、他方の進退ユニットを固定金型に移行させて、他方の割型ユニットを型開き状態とした後、前記第1工程により成形し可動金型にセット状態の複合成形品を取り出す第2工程と、固定金型に対しスライド金型を型締めすると共に、他方の進退ユニットの固定金型に対する固定状態を解除した後、固定金型に対しスライド金型を型開きして、他方の進退ユニットをスライド金型側に移行させ他方の割型ユニットを型締めする第3工程と、前記第1工程により成形した一次成形品を保持した状態で、2つの進退ユニットが係合状態で2つの割型ユニットが型締め状態の前記スライド金型を前記可動金型に対して第2位置へスライドさせた後に型締めし、一方の割型ユニットに係合状態の一方の進退ユニットを固定金型に固定して、前記可動金型における2つの一次成形中子の他方と、前記スライド金型側の型締め状態の他方の割型ユニットととにより形成される一次成形用のキャビティに一次成形樹脂材料を射出して一次成形品を成形すると共に、前記可動金型と、前記二次成形中子と、前記スライド金型の一方の割型ユニットにセット状態の成形済一次成形品とで形成される二次成形用のキャビティに、二次成形樹脂材料を射出し二次成形品を成形して、該二次成形品と先に成形された一次成形品とを一体化した複合成形品を成形する第4工程と、固定金型、スライド金型及び可動金型の相互間を離間させて、一方の進退ユニットを固定金型に移行させて、一方の割型ユニットを型開き状態とした後、前記第4工程により成形し可動金型にセット状態の複合成形品を取り出す第5工程と、固定金型に対しスライド金型を型締めすると共に、一方の進退ユニットの固定金型に対する固定状態を解除した後、固定金型に対しスライド金型を型開きして、一方の進退ユニットをスライド金型側に移行させ一方の割型ユニットを型締めする第6工程と、前記第4工程により成形した一次成形品を保持した状態で前記スライド金型を前記可動金型に対して第1位置へスライドさせた後に、前記第1工程と同様の成形工程を行うことを繰り返して一次成形品及び複合成形品を連続成形することによって、複合成形品の成形後に型開きしても、複合成形品は可動金型にセット状態で取り出すことを可能にして、上記課題を解決する。