(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-110164(P2017-110164A)
(43)【公開日】2017年6月22日
(54)【発明の名称】フェノール量が調整された蛍光インキおよびその印刷方法と印刷物
(51)【国際特許分類】
C09D 11/03 20140101AFI20170526BHJP
C09D 11/037 20140101ALI20170526BHJP
B41M 3/06 20060101ALI20170526BHJP
【FI】
C09D11/03
C09D11/037
B41M3/06 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-247863(P2015-247863)
(22)【出願日】2015年12月18日
(71)【出願人】
【識別番号】500192702
【氏名又は名称】株式会社 廣済堂
(71)【出願人】
【識別番号】592215435
【氏名又は名称】株式会社T&K TOKA
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100126099
【弁理士】
【氏名又は名称】反町 洋
(72)【発明者】
【氏名】渡 辺 修 一
【テーマコード(参考)】
2H113
4J039
【Fターム(参考)】
2H113AA04
2H113AA06
2H113BB02
2H113BB22
2H113BC09
2H113CA32
2H113CA39
2H113DA32
2H113DA41
2H113DA60
2H113EA10
4J039AB03
4J039AB08
4J039AE02
4J039AE06
4J039AE09
4J039BC53
4J039BE01
4J039EA28
4J039EA42
4J039GA01
4J039GA02
4J039GA03
4J039GA04
(57)【要約】
【課題】紫外線照射時の発色性が高く、色域が広い蛍光インキ組成物を提供する。また、そのような蛍光インキ組成物を含む蛍光インキを用いた印刷方法および印刷物を提供する。
【解決手段】紫外線励起により蛍光発色する蛍光顔料、バインダー樹脂および乾性油を含み、フェノール成分の総量が8重量%以下である、蛍光インキ組成物、およびそのような蛍光インキ組成物を含む蛍光インキを用いた印刷方法および印刷物。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
紫外線励起により蛍光発光する蛍光顔料、バインダー樹脂および乾性油を含み、フェノール成分の総量が8重量%以下である、蛍光インキ組成物。
【請求項2】
前記蛍光顔料が、ベンゾオキサジン系化合物およびベンゾオキサゾール系化合物から選択される、請求項1に記載の蛍光インキ組成物。
【請求項3】
前記バインダー樹脂が、フェノール系樹脂、石油系樹脂、アミノ系樹脂、ロジン系樹脂、アルキッド系樹脂および環化ゴムからなる群から選択される、請求項1または2に記載の蛍光インキ組成物。
【請求項3】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の蛍光インキ組成物を少なくとも1つ含む、インキセット。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の蛍光インキ組成物を印刷媒体に付着させる工程を含む、印刷方法。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の蛍光インキ組成物を印刷媒体に付着させる工程を含む、印刷物の製造方法。
【請求項6】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の蛍光インキ組成物を用いて印刷された印刷物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紫外線を照射することにより蛍光発色する蛍光インキ組成物、蛍光インキ組成物を含む蛍光インキを用いた印刷方法および印刷物に関し、より詳しくは、オフセット印刷用の蛍光インキ組成物とその蛍光インキ組成物を含む蛍光インキを用いた印刷方法および印刷物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、蛍光インキは、可視光などの自然光の下では読み取りができないが、紫外線(ブラックライト)照射の下ではR(赤色系)、G(緑色系)、B(青色系)などの蛍光発色が得られるためにセキュリティーなどの偽造防止用に多く利用されている。
【0003】
自然光の下では肉眼で視認できないが、紫外線(紫外光)を照射することにより可視光領域で発光して視認できる蛍光インキが開発および使用されている。また、このような蛍光インキを用いることにより、紫外光下で可視光領域で発光し、絵柄が現れる印刷物が開発および使用されている。蛍光インキにより印刷される絵柄の代表例としては、バーコードなどが挙げられるが、これらの絵柄は、単色でかつ絵柄面積が少ないものがほとんどである。
【0004】
また、カレンダーやポスターなどに代表される商業用印刷物は、ブラックライト照射などの特定の条件下で発光させることで目を引き付けるような画像にしたり、絵柄を浮き出させたりすることで注目を集めようとすることがある。
【0005】
このような要求に応えるために、紫外線を照射したときに画像が形成される方法として、R(赤色系)、G(緑色系)、B(青色系)の蛍光剤を使用したインキで熱転写を行う方法が提案されている(特許文献1)。
【0006】
また、蛍光剤をインキ組成物に含有させることによって、紫外線照射時に蛍光発光させることで画像を形成することが提案されている(特許文献2)。しかしながら、この場合、発色性を向上させ、色域を広げるために高価な蛍光顔料を多く配合する必要があった。また、蛍光顔料を多く配合する場合、バインダー樹脂が過乳化しやすく印刷時に不具合を生じるという問題もあった。
【0007】
このような状況下、蛍光顔料の配合量を増やさずに、これまでよりも高い発色性と広い色域を得ることができるインキ組成物およびそれを用いた印刷物が強く求められている。このようなインキ組成物は、偽造防止を求めた印刷物に用いるだけでなく、一般の商業用印刷物に応用することにより意匠性の高い印刷物を提供することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平7−125403号公報
【特許文献2】特開平10−35089号公報
【発明の概要】
【0009】
本発明は、従来のインキに比べて紫外線の照射時の発色性(発光強度)が高く、色域が広いインキ組成物を提供することを目的とする。本発明はまた、このようなインキ組成物を用いた印刷方法および印刷物の製造方法、ならびにそれらの方法により得られる従来よりも発色が鮮やかな印刷物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、蛍光インキ組成物中のフェノール成分の総量を一定以下とすることにより、蛍光インキ組成物の配合量を低減した場合でも、紫外線照射時の高い発色性と広い色域が得られることを見出した。また、本発明者らは、そのような蛍光インキ組成物を用いることにより、従来よりも発色が鮮やかな印刷物が得られることを見出した。本発明はかかる知見に基づくものである。
【0011】
本発明によれば、以下の発明が提供される。
(1)紫外線励起により蛍光発光する蛍光顔料、バインダー樹脂および乾性油を含み、フェノール成分の総量が8重量%以下である、蛍光インキ組成物。
(2)前記蛍光顔料が、ベンゾオキサジン系化合物およびベンゾオキサゾール系化合物から選択される、(1)に記載の蛍光インキ組成物。
(3)前記バインダー樹脂が、フェノール系樹脂、石油系樹脂、アミノ系樹脂、ロジン系樹脂、アルキッド系樹脂および環化ゴムからなる群から選択される、(1)または(2)に記載の蛍光インキ組成物。
(4)(1)〜(3)のいずれかに記載のインキ組成物を少なくとも1つ含む、インキセット。
(5)(1)〜(3)のいずれかに記載の蛍光インキ組成物を印刷媒体に付着させる工程を含む、印刷方法。
(6)(1)〜(3)のいずれかに記載の蛍光インキ組成物を印刷媒体に付着させる工程を含む、印刷物の製造方法。
(7)(1)〜(3)のいずれかに記載の蛍光インキ組成物を用いて印刷された印刷物。
【0012】
本発明によれば、従来のR(赤色系)、G(緑色系)、B(青色系)の蛍光インキよりも発色性(発光強度)が高く、色域の広い蛍光インキ組成物を提供することが可能となる。また、本発明の蛍光インキ組成物は、高価な蛍光顔料を多量に添加ことなく、従来と同等以上の発色性や色域を有するため、経済的コストの面でも有利である。さらに、本発明によれば、このような蛍光インキ組成物を用いた印刷方法および印刷物を提供することが可能となる。これらの印刷方法および印刷物は、本発明の蛍光インキ組成物を用いることにより、経済的に低コストで、従来と同等以上の発色性や色域を発揮するものである。
【0013】
以下、本発明の内容について詳細に説明する。なお、本明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
【0014】
[蛍光顔料]
本明細書において、「紫外線励起により蛍光発光する蛍光顔料」(以下、単に「蛍光顔料」ともいう)とは、紫外線を照射した場合に可視光領域で視認できる蛍光を発する顔料を意味する。蛍光顔料としては、ワニスと呼ばれる分散媒に対して分散させた場合に、分散体が透明または半透明となるものが好ましい。「透明または半透明」とは、無色であっても有色であってもよい。蛍光顔料としては、例えば、ベンゾオキサジン系化合物およびベンゾオキサゾール系化合物を使用することができる。ベンゾオキサジン系化合物としては、ベンゾオキサジン環を少なくとも1つ有する化合物であれば特に制限なく使用することができる。また、ベンゾオキサゾール系化合物としては、ベンゾオキサゾール環を少なくとも1つ有する化合物であれば特に制限なく使用することができる。このような蛍光顔料として、市販されているものとしては、例えば、LUNACURE OB(DKSHジャパン株式会社製)などが挙げられる。これらの蛍光顔料は、1種類または2種類以上を混合して使用することができる。
本発明の蛍光インキ組成物における蛍光顔料の配合量は、蛍光インキ組成物に対して0.01〜30重量%であることが好ましく、3〜25重量%であることがより好ましく、5〜20重量%がさらに好ましい。
【0015】
[バインダー樹脂]
本明細書において、「バインダー樹脂」とは、通常インキ組成物に含有されるものであれば特に限定されない。本発明の蛍光インキ組成物に用いられるバインダー樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂等のポリエステル系樹脂;フェノール樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、脂肪酸変性フェノール樹脂、石油樹脂変性ロジンフェノール樹脂、アルキッド樹脂変性ロジンフェノール樹脂、ウレタン樹脂変性ロジンフェノール樹脂およびエポキシ樹脂変性ロジンフェノール樹脂等のフェノール系樹脂;石油樹脂、ロジン変性石油樹脂および脂肪酸変性石油樹脂等の石油系樹脂;尿素樹脂、メラミン樹脂およびベンゾグアナミン樹脂等のアミノ系樹脂;ロジン、脂肪酸変性ロジン、多価アルコール変性ロジン、アルキッド樹脂変性ロジン、石油樹脂変性ロジン、ロジン変性マレイン酸樹脂、重合ロジンエステルおよびロジン変性エステル樹脂等のロジン系樹脂;脂肪酸変性アルキッド樹脂等のアルキッド系樹脂;環化ゴム等が挙げられる。これらのうち、ポリエステル系樹脂、石油樹脂変性ロジン、ロジン変性エステル樹脂、フェノール系樹脂およびアルキッド系樹脂が好ましく、ロジン変性エステル樹脂、ロジン変性フェノール樹脂および脂肪酸変性アルキッド樹脂がより好ましく、ロジン変性エステル樹脂およびロジン変性フェノール樹脂がさらにより好ましい。これらのバインダー樹脂は、1種または2種以上を混合して使用することができる。
本発明の蛍光インキ組成物におけるバインダー樹脂の配合量は、蛍光インキ組成物に対して、20〜40重量%であることが好ましく、23〜37重量%であることがより好ましく、25〜35重量%であることがさらにより好ましい。
【0016】
本発明の蛍光インキ組成物中のフェノール成分の総量は、8重量%以下であり、7重量%以下であることがより好ましく、5重量%以下であることがさらにより好ましい。本明細書において、「フェノール成分」とは、ベンゼン環に結合する水素原子の1個が水酸基で置換された1価のフェノールだけではなく、ベンゼン環に結合する水素原子の2個以上がそれぞれ水酸基で置換された多価フェノールも含む。また、これらの1価または多価フェノールは、ベンゼン環上にさらなる置換基を有していてもよい。置換基は特に限定されるものではないが、例えば、アルキル基が挙げられる。また、フェノール成分に位置異性体が存在する場合には、それらの位置異性体も包含される。本発明におけるフェノール成分のうち、1価のものとしては、例えば、フェノールおよびジブチルヒドロキシトルエン(BHT)が挙げられる。また、2価のものとしては、例えば、ハイドロキノン、メチルハイドロキノンおよびt−ブチルハイドロキノンが挙げられる。本発明の蛍光インキ組成物に含まれるフェノール成分の発生源としては、バインダー樹脂の他、その他の添加剤等に含まれるハイドロキノン、メチルハイドロキノンおよびt−ブチルハイドロキノン、BHT等が挙げられる。本発明におけるフェノール成分の量は、後述する実施例および比較例のように、蛍光インキ組成物に配合するフェノール系樹脂、皮張り防止剤等の添加剤に含有されるフェノール成分の量の理論値として算出される。
【0017】
[乾性油]
乾性油とは、空気中で徐々に酸化して固まる油のことをいう。本明細書において、「乾性油」とは、通常インキ組成物に含有されるものであれば特に限定されないが、ヨウ素価が100以上のものが好ましい。本発明の蛍光インキ組成物に用いられる乾性油としては、大豆油、再生大豆油、菜種油、ヤシ油、麻実油、アマニ油、オリーブ油、カヤ油、キリ油、ケシ油、ゴマ油、サフラワー油、米糠油、パーム油、ヒマシ油、脱水ヒマシ油、ヒマワリ油、綿実油およびトール油等の植物油;牛脂および豚脂等の動物油等が挙げられる。これらのうち、植物油が好ましく、特に大豆油、アマニ油、キリ油および米糠油がより好ましい。これらの乾性油は、1種または2種以上を混合して使用することができる。
本発明の蛍光インキ組成物における乾性油の配合量は、蛍光インキ組成物に対して、8〜40重量%であることが好ましく、10〜35重量%であることがより好ましく、12〜20重量%であることがさらにより好ましい。
【0018】
本発明においては、バインダー樹脂および乾性油を混合したものをワニスとして用いることができる。ワニスには、任意に溶剤および各種添加剤等を混合することができる。
【0019】
[その他の顔料]
本発明の蛍光インキ組成物には、蛍光顔料の他に、任意に「その他の顔料」を含有させることができる。本明細書において「その他の顔料」とは、通常インキ組成物に含有されるものであれば特に限定されない。その他の顔料としては、ワニスに分散させた場合に、分散体が透明または半透明となるものが好ましい。その他の顔料としては、有機顔料および無機顔料ともに使用することができるが、無機顔料が好ましく、その中でも体質顔料がより好ましい。体質顔料としては、タルク、クレー、シリカ、マイカ、硫酸バリウム、バライト、水酸化アルミニウム、アルミナ、カオリン、亜鉛華、アルミナホワイト、炭酸カルシウムおよびベントナイト等が挙げられる。これらのその他の顔料は、1種または2種以上を混合して使用することができる。
本発明の蛍光インキ組成物におけるその他の顔料の配合量は、蛍光インキ組成物に対して、0.01〜55重量%であることが好ましく、5〜30重量%であることがより好ましく、10〜25重量%であることがさらにより好ましい。
【0020】
[溶剤]
本発明の蛍光インキ組成物には、任意に溶剤を含有させることができる。本明細書において「溶剤」とは、通常インキ組成物に含有されるものであれば特に限定されない。本発明の蛍光インキ組成物に用いられる溶剤としては、石油系溶剤および植物油系溶剤等が挙げられる。
石油系溶剤としては、芳香族系溶剤および脂肪族系溶剤ともに使用することができる。日本においては、通常、環境対策の面から鉱油と呼ばれる脂肪族系の溶剤が好ましく用いられることが多い。石油系溶剤の沸点は、240〜360℃であることが好ましく、特に、枚葉インキ組成物用途に用いる場合には、280〜360℃であることが好ましい。脂肪族系溶剤の市販品としては、AF4号ソルベント、AF5号ソルベント、AF6号ソルベントおよびAF7号ソルベント(いずれもJX日鉱日石エネルギー社製)が挙げられる。芳香族系溶剤の市販品としては、アルケンLおよびアルケン200P(いずれもJX日鉱日石エネルギー社製)等が挙げられる。
植物油系溶剤としては、植物油から得られる脂肪酸のエステル化合物が挙げられる。エステル化合物としては、メチルエステル、n−ブチルエステル、i−ブチルエステル、n−オクチルエステル、2−エチルヘキシルエステル、トリメチロールプロパンのモノ〜トリエステル、ペンタエリスリトールのモノ〜テトラエステルおよびジペンタエリスリトールのモノ〜ヘキサエステル等が挙げられる。植物油については、上記「乾性油」の項で述べた植物油と同義であり、好ましい範囲も同様である。
石油系溶剤および植物油系溶剤は、1種または2種以上を混合して使用することができる。
本発明の蛍光インキ組成物における溶剤の配合量は、蛍光インキ組成物に対して、3〜40重量%であることが好ましく、10〜30重量%であることがより好ましく、15〜25重量%であることがさらにより好ましい。
【0021】
[ドライヤー]
本発明の蛍光インキ組成物には、任意にドライヤーを含有させることができる。ドライヤーは乾燥促進剤とも呼ばれる。本発明の蛍光インキ組成物に用いられるドライヤーは、通常インキ組成物に含有されるものであれば特に限定されない。ドライヤーとしては、ナフテン酸金属塩およびオクチル酸金属塩が一般的であり、金属種としては、例えばコバルト、マンガン、亜鉛、鉄、ジルコニウムおよびカルシウムなどが挙げられる。また、より乾燥性を向上させるために、これらの過酸化物を添加することもできる。これらのドライヤーは、1種または2種以上を混合して使用することができる。
本発明の蛍光インキ組成物におけるドライヤーの配合量は、蛍光インキ組成物に対して、0.01〜3重量%であることが好ましく、0.5〜1.5重量%であることがより好ましい。過酸化物を添加する場合には、蛍光インキ組成物に対して、0.01〜1重量%であることが好ましく、0.05〜0.5重量%であることがより好ましい。
【0022】
[ワックス]
本発明の蛍光インキ組成物には、任意にワックスを配合することができる。このようなワックスは、蛍光インキ組成物による印刷物の皮膜強化を向上させるための補助剤と組み合わせて用いることが好ましい。ワックスとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、パラフィン、マイクロクリスタリン、カルナバ、みつろうおよびポリテトラフルオロエチレン等が挙げられる。これらのワックスは、1種または2種以上を混合して使用することができる。これらのワックスは、ワックス粉体をインキに練り込んでも良いが、作業性の良いワックスコンパウンドを使用しても良い。本発明の蛍光インキ組成物におけるワックスの配合量は、蛍光インキ組成物に対して、0.1〜5重量%であることが好ましく、0.5〜4重量%であることがより好ましい。
【0023】
[その他の添加剤]
その他、本発明の蛍光インキ組成物には、必要に応じて、ゲル化剤、顔料分散剤、酸素発生剤(過酸化物)、皮張り防止剤、酸化防止剤、耐摩擦性向上剤および界面活性剤等の添加剤を適宜配合することができる。これらの添加剤は、それぞれ、1種または2種以上を混合して使用することができる。
【0024】
[インキセット]
本発明の蛍光インキ組成物を組み合わせることによって、インキセットとすることができる。蛍光インキ組成物の組み合わせは特に限定されないが、赤色、緑色および青色の蛍光顔料をそれぞれ含む蛍光インキ組成物を少なくとも含むことが好ましい。
【0025】
[印刷媒体]
本発明の蛍光インキ組成物を用いた印刷に使用される印刷媒体は、通常インキ組成物を用いた印刷に使用することができるものであれば特に限定されず、印刷方式に応じた印刷媒体を用いることができ、印刷紙のような紙の他に、種々の原料から得られる媒体を使用することができる。本発明に用いられる印刷媒体は、蛍光増白剤を含まないことが好ましく、蛍光増白剤を含まない印刷紙がより好ましい。
【0026】
[印刷方法]
本発明の蛍光インキ組成物を用いた印刷方法は、インキ組成物を用いた印刷方法として用いられる方法であれば特に限定されない。本発明の印刷方法としては、オフセット印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷および凸版印刷等が挙げられる。これらのうち、オフセット印刷が好ましい。
【0027】
オフセット印刷は平版印刷とも呼ばれている。オフセット印刷には、水ありオフセット印刷と水なしオフセット印刷の二種類の方式がある。水ありオフセット印刷は、親油性であるインキ組成物と親水性である湿し水とが互いに反発する原理を利用する方式である。一方、水なしオフセット印刷は、版の表面をシリコーン樹脂で処理し、撥水性を持たせることで湿し水を必要としない方式である。これらのオフセット印刷方式は、インキ壺にあるインキ組成物がインキ着けローラーから複数のローラーを経て、版まで移動させ、次いで、版からゴムブランケットへ移り、ゴムブランケットから印刷紙などにインキ組成物を転移させる方式である。本発明の蛍光インキ組成物は、水ありオフセット用インキ組成物、水なしオフセット用インキ組成物のいずれにも適用可能である。
【0028】
オフセット印刷は、単色だけでなく、インキ組成物を重ね合わせることで様々な色調を表現することができるという特徴がある。インキ組成物を重ね合わせる場合、「タック」と呼ばれるインキ組成物の粘度を、印刷する順に軟らかくすることできれいな絵柄を形成できる。後から重ね合わせるインキの粘度(タック値)が高い場合、それまでに印刷したインキが、後から重ね合わせるインキに引っ張られてインキ壺まで上がってしまう逆トラッピングと呼ばれる現象が起こり、インキ壺でインキが混ざってしまい、印刷物が汚れてしまうことがある。したがって、本発明において蛍光インキ組成物を重ね合わせて印刷する場合、ある蛍光インキ組成物のタック値と、その蛍光インキ組成物の直前に重ね合わせる蛍光インキ組成物のタック値の差が、0.3〜7.0であることが好ましい。具体的には、蛍光インキ組成物R、GおよびBをこの順(R→G→Bの順)に重ね合わせる場合、Rのタック値とGのタック値の差((R)−(G))の値、および、Gのタック値とBのタック値の差((G)−(B))の値がそれぞれ0.3〜7.0であることが好ましい。
【0029】
本発明の印刷方法は、常温環境下(10〜40℃)で印刷物を乾燥する印刷方法、および、高温環境下(100〜200℃)で印刷物を乾燥する印刷方法(ヒートセット印刷)のいずれであってもよい。
また、本明細書において「絵柄」とは、「絵」や「模様」等の他に、「文字」、「数字」および「記号」等、一般的に印刷の対象となるあらゆるものをも含む概念である。
【実施例】
【0030】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。以下の製造例などにおいて「部」および「%」は特に示さない限り「重量部」および「重量%」を意味するものとする。また、本明細書に記載の測定方法および単位は、特段の記載のない限り、日本工業規格(JIS)の規定に従う。
【0031】
[ワニスの製造例]
ワニスA
撹拌装置に温度計を装着した1L三口フラスコに、ロジン変性フェノール樹脂としてHR−311(杭華油墨化学社製;フェノール成分25%)(43部)、大豆白絞油(サミット製油株式会社製)(20部)およびAF5号ソルベント(JX日鉱日石エネルギー社製)(16部)を仕込み、200℃に昇温し、同温度で1時間加熱溶解した後、桐油(カネダ株式会社製)(10部)、AF5号ソルベント(10部)およびゲル化剤としてALCH(アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレート、株式会社 川研ファインケミカル製)(1部)を添加し、180℃で1時間加熱撹拌し、ワニスAを得た。
【0032】
ワニスB
撹拌装置に温度計を装着した1L三口フラスコに、ロジン変性エステル樹脂としてKG−823−1(荒川化学工業株式会社製;フェノール成分0%)(43部)、大豆白絞油(サミット製油株式会社製)(20部)およびAF5号ソルベント(JX日鉱日石エネルギー社製)(16部)を仕込み、200℃に昇温し、同温度で1時間加熱溶解した後、桐油(カネダ株式会社製)(10部)、AF5号ソルベント(10部)およびゲル化剤としてALCH(株式会社 川研ファインケミカル製)(1部)を添加し、180℃で1時間加熱撹拌し、ワニスBを得た。
【0033】
ワニスC
撹拌装置に温度計を装着した1L三口フラスコに、ロジン変性マレイン酸樹脂としてマルキードNo.5(荒川化学工業株式会社製;フェノール成分0%)(43部)、大豆白絞油(サミット製油株式会社製)(20部)およびAF5号ソルベント(JX日鉱日石エネルギー社製)(11部)を仕込み、200℃に昇温し、同温度で1時間加熱溶解した後、桐油(カネダ株式会社製)(10部)、アルケンL(JX日鉱日石エネルギー社製)(15部)およびゲル化剤としてALCH(株式会社 川研ファインケミカル製)(1部)を添加し、180℃で1時間加熱撹拌し、ワニスCを得た。
【0034】
ワニスD
撹拌装置に温度計を装着した1L三口フラスコに、ロジン変性フェノール樹脂としてHR−311(杭華油墨化学社製;フェノール成分25%)(43部)、大豆白絞油(サミット製油株式会社製)(16部)およびAF7号ソルベント(JX日鉱日石エネルギー社製)(20部)を仕込み、200℃に昇温し、同温度で1時間加熱溶解した後、AF7号ソルベント(20部)およびゲル化剤としてALCH(株式会社 川研ファインケミカル製)(1部)を添加し、180℃で1時間加熱撹拌し、ワニスDを得た。
【0035】
ワニスE
撹拌装置に温度計を装着した1L三口フラスコに、ロジン変性エステル樹脂としてKG−823−1(荒川化学工業株式会社製;フェノール成分0%)(43部)、大豆白絞油(サミット製油株式会社製)(16部)およびAF7号ソルベント(JX日鉱日石エネルギー社製)(20部)を仕込み、200℃に昇温し、同温度で1時間加熱溶解した後、AF7号ソルベント(20部)およびゲル化剤としてALCH(株式会社 川研ファインケミカル製)(1部)を添加し、180℃で1時間加熱撹拌し、ワニスEを得た。
以上のワニスA〜Eの組成を表1にまとめる。
【0036】
【表1】
表1において、単位は重量部である。
【0037】
実施例1
ワニスの製造例で得られたワニスA(40部)、ワニスB(35部)および蛍光顔料B(LUNACURE OB、DKSHジャパン株式会社製)(15部)を混合し、ビーズミル、三本ロールで順次練肉し、分散体を得た。次いで、この分散体に対して、ポリエチレンワックス(MC−850、森村ケミカル株式会社製)(4部:ワックス成分1.5部)、コバルト系ドライヤー(MIX−D、日本化学産業株式会社製)(0.5部)、マンガン系ドライヤー(MIX−E、日本化学産業株式会社製)(0.5部)およびAF5号ソルベント(5部)を添加、撹拌し、実施例1の蛍光インキ組成物を得た。
【0038】
実施例2
ワニスの製造例で得られたワニスB(75部)および蛍光顔料B(LUNACURE OB、DKSHジャパン株式会社製)(15部)を混合し、ビーズミル、三本ロールで順次練肉して、分散体を得た。次いで、この分散体に対して、ポリエチレンワックス(MC−850、森村ケミカル株式会社製)(4部、ワックス成分1.5部)、コバルト系ドライヤー(MIX−D、日本化学産業株式会社製)(0.5部)、マンガン系ドライヤー(MIX−E、日本化学産業株式会社製)(0.5部)およびAF5号ソルベント(5部)を添加、撹拌し、実施例2の蛍光インキ組成物を得た。
【0039】
実施例3
ワニスの製造例で得られたワニスC(75部)および蛍光顔料B(LUNACURE OB、DKSHジャパン株式会社製)(15部)を混合し、ビーズミル、三本ロールで順次練肉して、分散体を得た。次いで、この分散体に対して、ポリエチレンワックス(MC−850、森村ケミカル株式会社製)(成分4部:ワックス成分1.5部)、コバルト系ドライヤー(MIX−D、日本化学産業株式会社製)(0.5部)、マンガン系ドライヤー(MIX−E、日本化学産業株式会社製)(0.5部)およびAF5号ソルベント(5部)を添加、撹拌し、実施例3の蛍光インキ組成物を得た。
【0040】
実施例4
ワニスの製造例で得られたワニスB(80部)および蛍光顔料B(LUNACURE OB、DKSHジャパン株式会社製)(10部)を混合し、ビーズミル、三本ロールで順次練肉して、分散体を得た。次いで、分散体に対して、ポリエチレンワックス(MC−850、森村ケミカル株式会社製)(4部:ワックス成分1.5部)、コバルト系ドライヤー(MIX−D、日本化学産業株式会社製)(0.5部)、マンガン系ドライヤー(MIX−E、日本化学産業株式会社製)(0.5部)およびAF5号ソルベント(5部)を添加、撹拌し、実施例4の蛍光インキ組成物を得た。
【0041】
実施例5
ワニスBの含有量を82.5重量部とし、蛍光顔料Bの含有量を7.5としたこと以外は、実施例2のインキ組成物と同様に操作して、実施例5のインキ組成物を得た。
【0042】
実施例6
ワニスの製造例で得られたワニスD(40部)、ワニスE(35部)および蛍光顔料B(LUNACURE OB、DKSHジャパン株式会社製)(15部)を混合し、ビーズミル、三本ロールで順次練肉し、分散体を得た。次いで、この分散体に対して、ポリエチレンワックス(MC−850、森村ケミカル株式会社製)(4部:ワックス成分1.5部)およびAF7号ソルベント(6部)を添加、撹拌し、実施例6の蛍光インキ組成物を得た。
【0043】
実施例7
ワニスの製造例で得られたワニスE(75部)および蛍光顔料B(LUNACURE OB、DKSHジャパン株式会社製)(15部)を混合し、ビーズミル、三本ロールで順次練肉し、分散体を得た。次いで、この分散体に対して、ポリエチレンワックス(MC−850、森村ケミカル株式会社製)(4部:ワックス成分1.5部)およびAF7号ソルベント(6部)を添加、撹拌し、実施例7の蛍光インキ組成物を得た。
【0044】
比較例1
ワニスの製造例で得られたワニスA(75部)および蛍光顔料B(LUNACURE OB、DKSHジャパン株式会社製)(15部)を混合し、ビーズミル、三本ロールで順次練肉して、分散体を得た。次いで、この分散体に対して、ポリエチレンワックス(MC−850、森村ケミカル株式会社製)(4部:ワックス成分1.5部)、コバルト系ドライヤー(MIX−D、日本化学産業株式会社製)(0.5部)、マンガン系ドライヤー(MIX−E、日本化学産業株式会社製)(0.5部)およびAF5号ソルベント(5部)を添加、撹拌し、比較例1の蛍光インキ組成物を得た。
【0045】
比較例2
ワニスの製造例で得られたワニスA(40部)、ワニスB(35部)および蛍光顔料B(LUNACURE OB、DKSHジャパン株式会社製)(15部)を混合し、ビーズミル、三本ロールで順次練肉して、分散体を得た。次いで、この分散体に対して、ポリエチレンワックス(MC−850、森村ケミカル株式会社製)(4部:ワックス成分1.5部)、コバルト系ドライヤー(MIX−D、日本化学産業株式会社製)(0.5部)、マンガン系ドライヤー(MIX−E、日本化学産業株式会社製)(0.5部)、AF5号ソルベント(1部)およびジブチルヒドロキシトルエン(BHT)(4部)を添加、撹拌し、比較例2の蛍光インキ組成物を得た。
【0046】
比較例3
ワニスの製造例で得られたワニスA(75部)および蛍光顔料B(LUNACURE OB、DKSHジャパン株式会社製)(15部)を混合し、ビーズミル、三本ロールで順次練肉して、分散体を得た。次いで、この分散体に対して、ポリエチレンワックス(MC−850、森村ケミカル株式会社製)(4部:ワックス成分1.5部)、コバルト系ドライヤー(MIX−D、日本化学産業株式会社製)(0.5部)、マンガン系ドライヤー(MIX−E、日本化学産業株式会社製)(0.5部)、AF5号ソルベント(3.5部)およびt−ブチルハイドロキノン(1.5部)を添加、撹拌し、比較例3の蛍光インキ組成物を得た。
【0047】
比較例4
ワニスの製造例で得られたワニスA(75部)および体質顔料(NEOLIGHT SA−200、竹原化学工業株式会社製)(15部)を混合し、ビーズミル、三本ロールで順次練肉して、分散体を得た。次いで、この分散体に対して、ポリエチレンワックス(MC−850、森村ケミカル株式会社製)(4部:ワックス成分1.5部)、コバルト系ドライヤー(MIX−D、日本化学産業株式会社製)(0.5部)、マンガン系ドライヤー(MIX−E、日本化学産業株式会社製)(0.5部)およびAF5号ソルベント(5部)を添加、撹拌し、比較例4の蛍光インキ組成物を得た。
【0048】
比較例5
ワニスの製造例で得られたワニスD(75部)および蛍光顔料B(LUNACURE OB、DKSHジャパン株式会社製)(15部)を混合し、ビーズミル、三本ロールで順次練肉し、分散体を得た。次いで、この分散体に対して、ポリエチレンワックス(MC−850、森村ケミカル株式会社製)(4部:ワックス成分1.5部)およびAF7号ソルベント(6部)を添加、撹拌し、比較例5の蛍光インキ組成物を得た。
【0049】
[蛍光インキ組成物の性能評価試験]
実施例1〜7および比較例1〜5の蛍光インキ組成物の性能に関して、下記の評価項目について試験を行った。試験結果を表2および3に示す。
【0050】
試験片の作成
実施例1〜5および比較例1〜3の蛍光インキ組成物を、RIテスター(株式会社 明製作所製)を使用して、2分割ゴムロールに0.150mlのインキ盛り量で、OK上質紙(王子製紙株式会社製)に展色し、得られた印刷物を常温(25℃)で乾燥させて常温乾燥試験片を得た。
実施例6〜7および比較例5の蛍光インキ組成物を、RIテスター(株式会社 明製作所製)を使用して、2分割ゴムロールに0.150mlのインキ盛り量で、OK上質紙(王子製紙株式会社製)に展色し、得られた印刷物を熱風乾燥機(DKN612、ヤマト科学株式会社製)により150℃で10秒間放置して乾燥させてヒートセット試験片を得た。
【0051】
常温乾燥試験片の蛍光発色性
前記常温乾燥試験片に紫外線(CHROMATO-VUE、ULTRA-VIOLET PRODUCTS社製)を照射して、試験片の蛍光発色性を下記の評価基準に基づいて評価した。
S・・・非常に強い蛍光発色が確認された。
A・・・強い蛍光発色が確認された。
B・・・弱い蛍光発色が確認された。
C・・・蛍光発色が確認されなかった。
【0052】
ヒートセット試験片の蛍光発色性
前記ヒートセット試験片に紫外線(CHROMATO-VUE、ULTRA-VIOLET PRODUCTS社製)を照射して、蛍光発色性を評価した。評価基準は、常温乾燥試験片の蛍光発色性と同様とした。
【0053】
【表2】
表2において、「フェノール量」の単位は重量%であり、「フェノール量」以外の単位は重量部である。
【0054】
以上の通り、実施例の蛍光インキ組成物においては、比較例のような従来の蛍光インキ組成物と比べて、常温乾燥および高温乾燥(ヒートセット)のいずれを行った場合でも、同量またはそれ以下の蛍光顔料の配合量で、蛍光発色性の著しい向上が見られた。なお、実施例5は、蛍光顔料Bの配合量を他の実施例および比較例よりも少なくした(7.5重量部)にもかかわらず、フェノール成分の総量を規定値以下としたことにより、蛍光発色が確認された(評価B)。
【0055】
重ね刷り蛍光発色性
次に、実施例3の製造手順に準じて、R、GおよびBの蛍光顔料をそれぞれ含むインキ組成物を用意し、インキ組成物をR→G→Bの順番に印刷し、重ね刷りした印刷物1を用意した。印刷物1に紫外線を照射して蛍光発色性を評価したところ、蛍光発色が確認された。一方、比較例1〜3(蛍光顔料B)のうちいずれか1つと、RおよびGの蛍光顔料をそれぞれ含むインキ組成物とを重ね刷りした印刷物2では、印刷物1と比べて蛍光発色が劣るか、または蛍光の一部を確認することができなかった。
【0056】
本発明の蛍光インキ組成物は、従来品よりも発色性が高く、色域が広いという顕著な効果を有する。また、本発明の蛍光インキ組成物を単体で、または、既存のCMYKのインキと組み合わせて用いることで、紫外線照射によって絵柄を浮き出させたり、絵柄を変えたりすることが可能である。また、セキュリティー性を求められる印刷物や偽造防止等の印刷物のみならず、一般的な商業用印刷物においては多彩な印刷物を提供することができる。