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特開2017-111609寝具選択システム及び寝具物性認識システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-111609(P2017-111609A)
(43)【公開日】2017年6月22日
(54)【発明の名称】寝具選択システム及び寝具物性認識システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/22 20120101AFI20170526BHJP
   A47G 9/02 20060101ALI20170526BHJP
   G06Q 10/00 20120101ALI20170526BHJP
   G06Q 30/06 20120101ALI20170526BHJP
【FI】
   G06Q50/22 130
   A47G9/02 Z
   G06Q10/00 120
   G06Q30/06 210
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2015-245250(P2015-245250)
(22)【出願日】2015年12月16日
(71)【出願人】
【識別番号】506281336
【氏名又は名称】株式会社エムール
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】特許業務法人創成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 幸司
【テーマコード(参考)】
3B102
5L049
5L099
【Fターム(参考)】
3B102BA00
5L049AA02
5L049BB72
5L099AA15
(57)【要約】
【課題】睡眠状況を改善しやすい寝具を選択することができる寝具選択システムを提供する。
【解決手段】寝具選択システムS1は、硬度を含む物性が各々で異なる複数のテスト用寝具Tと、測定・記録された生体情報に基づいて、使用者Pの深睡眠率を算出する深睡眠率算出部1fと、使用者Pの深睡眠率が高いテスト用寝具Tの物性に基づいて、好適物性を認識する好適物性認識部1hと、好適物性に基づいて、複数の選択対象寝具Mから寝具を選択する寝具選択部1jとを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の選択対象寝具から寝具を選択するための寝具選択システムであって、
硬度を含む物性が各々で異なる複数のテスト用寝具と、
前記物性を前記選択対象寝具ごとに格納する選択対象寝具物性格納部と、
前記物性を前記テスト用寝具ごとに格納するテスト用寝具物性格納部と、
前記テスト用寝具で睡眠中の使用者の生体情報を測定する生体情報測定部と、
前記生体情報測定部が測定した前記生体情報を記録する生体情報記録部と、
記録された前記生体情報に基づいて、前記使用者の深睡眠率を算出する深睡眠率算出部と、
前記テスト用寝具ごとに算出された前記深睡眠率を比較し、前記使用者の前記深睡眠率が高い前記テスト用寝具を好適寝具として認識する好適寝具認識部と、
前記好適寝具認識部で前記好適寝具として認識された前記テスト用寝具と前記テスト用寝具物性格納部に格納されている前記物性とに基づいて、前記使用者の前記深睡眠率が高くなる物性を好適物性として認識する好適物性認識部と、
前記好適物性認識部で前記好適物性として認識された前記物性と前記選択対象寝具物性格納部に格納されている前記物性とに基づいて、複数の前記選択対象寝具から、前記使用者の前記深睡眠率が高くなる寝具を選択する寝具選択部とを備えていることを特徴とする寝具選択システム。
【請求項2】
請求項1に記載の寝具選択システムであって、
前記テスト用寝具での睡眠の後に、前記使用者が感じた熟睡度を入力する熟睡度入力部を備え、
前記好適寝具認識部は、前記テスト用寝具ごとに算出された前記深睡眠率及び入力された前記熟睡度を比較し、前記使用者の前記深睡眠率及び前記熟睡度が高い前記テスト用寝具を前記好適寝具として認識し、
前記好適物性認識部は、前記好適寝具認識部で前記好適寝具として認識された前記テスト用寝具と前記テスト用寝具物性格納部に格納されている前記物性とに基づいて、前記使用者の前記深睡眠率及び前記熟睡度が高くなる前記物性を前記好適物性として認識し、
前記寝具選択部は、複数の前記選択対象寝具から、前記使用者の前記深睡眠率及び前記熟睡度が高くなる寝具を選択することを特徴とする寝具選択システム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の寝具選択システムであって、
前記使用者の身長及び体重を含む身体情報を入力する身体情報入力部と、
予め収集された前記物性、前記深睡眠率及び前記身体情報の相関データを格納する睡眠情報格納部と、
入力された前記身体情報と前記睡眠情報格納部に格納されている前記相関データとに基づいて、前記使用者の前記深睡眠率が高くなる可能性が高い前記物性をテスト用物性として認識するテスト用物性認識部と、
前記テスト用物性認識部で前記テスト用物性として認識された前記物性と前記テスト用寝具物性格納部に格納されている前記物性とに基づいて、複数の前記テスト用寝具から、前記使用者の前記深睡眠率が高くなる可能性が高い前記テスト用寝具を選択するテスト用寝具選択部とを備えていることを特徴とする寝具選択システム。
【請求項4】
請求項3に記載の寝具選択システムであって、
前記睡眠情報格納部は、前記深睡眠率算出部が算出した前記深睡眠率、該深睡眠率が算出された前記使用者の前記身体情報、及び、該使用者が使用した前記テスト用寝具の前記物性を格納することを特徴とする寝具選択システム。
【請求項5】
複数の選択対象寝具から寝具を選択するための寝具選択システムであって、
硬度を含む物性が各々で異なる複数のテスト用寝具と、
前記物性を前記選択対象寝具ごとに格納する選択対象寝具物性格納部と、
前記物性を前記テスト用寝具ごとに格納するテスト用寝具物性格納部と、
前記テスト用寝具での睡眠の後に、使用者が感じた熟睡度を入力する熟睡度入力部と、
前記テスト用寝具ごとに入力された前記熟睡度を比較し、前記使用者の前記熟睡度が高い前記テスト用寝具を好適寝具として認識する好適寝具認識部と、
前記好適寝具認識部で前記好適寝具として認識された前記テスト用寝具と前記テスト用寝具物性格納部に格納されている前記物性とに基づいて、前記使用者の前記熟睡度が高くなる物性を好適物性として認識する好適物性認識部と、
前記好適物性認識部で前記好適物性として認識された前記物性と前記選択対象寝具物性格納部に格納されている前記物性とに基づいて、複数の前記選択対象寝具から、前記使用者の前記熟睡度が高くなる寝具を選択する寝具選択部とを備えていることを特徴とする寝具選択システム。
【請求項6】
請求項5に記載の寝具選択システムであって、
前記テスト用寝具で睡眠中の使用者の生体情報を測定する生体情報測定部と、
前記生体情報測定部が測定した前記生体情報を記録する生体情報記録部と、
記録された前記生体情報に基づいて、前記使用者の深睡眠率を算出する深睡眠率算出部とを備え、
前記好適寝具認識部は、前記テスト用寝具ごとに算出された前記深睡眠率及び入力された前記熟睡度を比較し、前記使用者の前記深睡眠率及び前記熟睡度が高い前記テスト用寝具を前記好適寝具として認識し、
前記好適物性認識部は、前記好適寝具認識部で前記好適寝具として認識された前記テスト用寝具と前記テスト用寝具物性格納部に格納されている前記物性とに基づいて、前記使用者の前記深睡眠率及び前記熟睡度が高くなる前記物性を前記好適物性として認識し、
前記寝具選択部は、複数の前記選択対象寝具から、前記使用者の前記深睡眠率及び前記熟睡度が高くなる寝具を選択することを特徴とする寝具選択システム。
【請求項7】
請求項5又は請求項6に記載の寝具選択システムであって、
前記使用者の身長及び体重を含む身体情報を入力する身体情報入力部と、
予め収集された前記物性、前記熟睡度及び前記身体情報の相関データを格納する睡眠情報格納部と、
入力された前記身体情報と前記睡眠情報格納部に格納されている前記相関データとに基づいて、前記使用者の前記熟睡度が高くなる可能性が高い前記物性をテスト用物性として認識するテスト用物性認識部と、
前記テスト用物性認識部で前記テスト用物性として認識された前記物性と前記テスト用寝具物性格納部に格納されている前記物性とに基づいて、複数の前記テスト用寝具から、前記使用者の前記熟睡度が高くなる可能性が高い前記テスト用寝具を選択するテスト用寝具選択部とを備えていることを特徴とする寝具選択システム。
【請求項8】
請求項7に記載の寝具選択システムであって、
前記睡眠情報格納部は、前記熟睡度入力部に入力された前記熟睡度、該熟睡度を入力した前記使用者の前記身体情報、及び、該使用者が使用した前記テスト用寝具の前記物性を格納することを特徴とする寝具選択システム。
【請求項9】
複数の選択対象寝具から寝具を選択するための寝具選択システムであって、
使用者の身長及び体重を含む身体情報を入力する身体情報入力部と、
硬度を含む物性を、前記選択対象寝具ごとに格納する選択対象寝具物性格納部と、
予め収集された前記物性、深睡眠率及び前記身体情報の相関データを格納する睡眠情報格納部と、
入力された前記身体情報と前記睡眠情報格納部に格納されている前記相関データとに基づいて、前記使用者の前記深睡眠率が高くなる可能性が高い前記物性を好適物性として認識する好適物性認識部と、
前記好適物性認識部で前記好適物性として認識された前記物性と前記選択対象寝具物性格納部に格納されている前記物性とに基づいて、複数の前記選択対象寝具から、前記使用者の前記深睡眠率が高くなる可能性が高い寝具を選択する寝具選択部とを備えていることを特徴とする寝具選択システム。
【請求項10】
複数の選択対象寝具から寝具を選択するための寝具選択システムであって、
使用者の身長及び体重を含む身体情報を入力する身体情報入力部と、
硬度を含む物性を、前記選択対象寝具ごとに格納する選択対象寝具物性格納部と、
予め収集された前記物性、熟睡度及び前記身体情報の相関データを格納する睡眠情報格納部と、
入力された前記身体情報と前記睡眠情報格納部に格納されている前記相関データとに基づいて、前記使用者の前記熟睡度が高くなる可能性が高い前記物性を好適物性として認識する好適物性認識部と、
前記好適物性認識部で前記好適物性として認識された前記物性と前記選択対象寝具物性格納部に格納されている前記物性とに基づいて、複数の前記選択対象寝具から、前記使用者の前記熟睡度が高くなる可能性が高い寝具を選択する寝具選択部とを備えていることを特徴とする寝具選択システム。
【請求項11】
請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の寝具選択システムであって、
前記物性は、反発弾性を含むことを特徴とする寝具選択システム。
【請求項12】
使用者の深睡眠率の高くなる可能性の高い寝具を認識するための寝具物性認識システムであって、
硬度を含む物性が各々で異なる複数のテスト用寝具と、
前記物性を前記テスト用寝具ごとに格納するテスト用寝具物性格納部と、
前記テスト用寝具で睡眠中の使用者の生体情報を測定する生体情報測定部と、
前記生体情報測定部が測定した前記生体情報を記録する生体情報記録部と、
記録された前記生体情報に基づいて、前記使用者の深睡眠率を算出する深睡眠率算出部と、
前記テスト用寝具ごとに算出された前記深睡眠率を比較し、前記使用者の前記深睡眠率が高い前記テスト用寝具を好適寝具として認識する好適寝具認識部と、
前記好適寝具認識部で前記好適寝具として認識された前記テスト用寝具と前記テスト用寝具物性格納部に格納されている前記物性とに基づいて、前記使用者の前記深睡眠率が高くなる前記物性を好適物性として認識する好適物性認識部とを備えていることを特徴とする寝具物性認識システム。
【請求項13】
使用者の熟睡度の高くなる可能性の高い寝具を認識するための寝具物性認識システムであって、
硬度を含む物性が各々で異なる複数のテスト用寝具と、
前記物性を前記テスト用寝具ごとに格納するテスト用寝具物性格納部と、
前記テスト用寝具での睡眠の後に、前記使用者が感じた熟睡度を入力する熟睡度入力部と、
前記テスト用寝具ごとに入力された前記熟睡度を比較し、前記使用者の前記熟睡度が高い前記テスト用寝具を好適寝具として認識する好適寝具認識部と、
前記好適寝具認識部で前記好適寝具として認識された前記テスト用寝具と前記テスト用寝具物性格納部に格納されている前記物性とに基づいて、前記使用者の前記熟睡度が高くなる前記物性を好適物性として認識する好適物性認識部とを備えていることを特徴とする寝具物性認識システム。
【請求項14】
使用者の深睡眠率の高くなる可能性の高い寝具を認識するための寝具物性認識システムであって、
前記使用者の身長及び体重を含む身体情報を入力する身体情報入力部と、
予め収集された硬度を含む物性、前記深睡眠率及び前記身体情報の相関データを格納する睡眠情報格納部と、
入力された前記身体情報と前記睡眠情報格納部に格納されている前記相関データとに基づいて、前記使用者の前記深睡眠率が高くなる可能性が高い前記物性を好適物性として認識する好適物性認識部とを備えていることを特徴とする寝具物性認識システム。
【請求項15】
使用者の熟睡度の高くなる可能性の高い寝具を認識する寝具物性認識システムであって、
前記使用者の身長及び体重を含む身体情報を入力する身体情報入力部と、
予め収集された硬度を含む物性、前記熟睡度及び前記身体情報の相関データを格納する睡眠情報格納部と、
入力された前記身体情報と前記睡眠情報格納部に格納されている前記相関データとに基づいて、前記使用者の前記熟睡度が高くなる可能性が高い前記物性を好適物性として認識する好適物性認識部とを備えていることを特徴とする寝具物性認識システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の選択対象寝具から使用者の睡眠状況を改善しやすい寝具を選択するための寝具選択システム、及び、使用者の睡眠状況を改善しやすい寝具の物性を認識する寝具物性認識システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、使用者に対して複数の質問を行い、その回答に基づいて、睡眠状況の評価を行う睡眠評価システムが知られている。この種の睡眠評価システムでは、行われた評価に基づいて、複数の選択対象寝具から使用者に適すると考えられる寝具を選択するものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−216734号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載のような従来の睡眠評価システムは、質問に対する回答という使用者の主観的なデータを基準として睡眠状況の評価を行っている。そのため、従来の睡眠評価システムによる評価の内容は、使用者個人の睡眠状況を客観的に捉えたものではなく、一般的な内容に留まっていた。
【0005】
また、その評価に基づいて選択される商品は、それぞれのシステムが独自の基準に基づいて選択したものであり、睡眠状況の改善を図るうえで裏付けがないようなものも多数含まれていた。
【0006】
その結果、従来の睡眠評価システムの評価に基づいて選択された寝具は、使用者の実際の睡眠状況に対応したものとなっていない場合が多かった。したがって、従来の睡眠評価システムを用いて選択された寝具では、実際には睡眠状況を改善しにくいという問題があった。
【0007】
本発明は以上の点に鑑みてなされたものであり、睡眠状況を改善しやすい寝具を選択することができる寝具選択システム、及び、睡眠状況を改善しやすい寝具の物性を認識することができる寝具物性認識システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願における第1発明は、テスト用寝具での睡眠時における使用者の深睡眠率に基づいて、深睡眠率の高くなる寝具の物性を認識し、認識された物性に基づいて寝具を選択する寝具選択システムに係る発明である。
【0009】
また、本願における第2発明は、テスト用寝具での睡眠の後に使用者が入力した熟睡度に基づいて、熟睡度の高くなる寝具の物性を認識し、認識された物性に基づいて寝具を選択する寝具選択システムに係る発明である。
【0010】
また、本願における第3発明は、入力された使用者の身体情報と、予め収集された深睡眠率、寝具の物性及び身体情報の相関データとに基づいて、深睡眠率の高くなる寝具の物性を認識し、認識された物性に基づいて寝具を選択する寝具選択システムに係る発明である。
【0011】
また、本願における第4発明は、入力された使用者の身体情報と、予め収集された熟睡度、寝具の物性及び身体情報の相関データとに基づいて、熟睡度の高くなる寝具の物性を認識し、認識された物性に基づいて寝具を選択する寝具選択システムに係る発明である。
【0012】
また、本願における第5発明は、テスト用寝具での睡眠時における使用者の深睡眠率に基づいて、深睡眠率の高くなる寝具の物性を認識する寝具物性認識システムに係る発明である。
【0013】
また、本願における第6発明は、テスト用寝具での睡眠の後に使用者が入力した熟睡度に基づいて、熟睡度の高くなる寝具の物性を認識する寝具物性認識システムに係る発明である。
【0014】
また、本願における第7発明は、入力された使用者の身体情報と、予め収集された深睡眠率、寝具の物性及び身体情報の相関データとに基づいて、深睡眠率の高くなる寝具の物性を認識する寝具物性認識システムに係る発明である。
【0015】
また、本願における第8発明は、入力された使用者の身体情報と、予め収集された熟睡度、寝具の物性及び身体情報の相関データとに基づいて、熟睡度の高くなる寝具の物性を認識する寝具物性認識システムに係る発明である。
【0016】
以下、第1発明〜第8発明について、詳細に説明する。
【0017】
第1発明の寝具選択システムは、複数の選択対象寝具から寝具を選択するための寝具選択システムであって、硬度を含む物性が各々で異なる複数のテスト用寝具と、前記物性を前記選択対象寝具ごとに格納する選択対象寝具物性格納部と、前記物性を前記テスト用寝具ごとに格納するテスト用寝具物性格納部と、前記テスト用寝具で睡眠中の使用者の生体情報を測定する生体情報測定部と、前記生体情報測定部が測定した前記生体情報を記録する生体情報記録部と、記録された前記生体情報に基づいて、前記使用者の深睡眠率を算出する深睡眠率算出部と、前記テスト用寝具ごとに算出された前記深睡眠率を比較し、前記使用者の前記深睡眠率が高い前記テスト用寝具を好適寝具として認識する好適寝具認識部と、前記好適寝具認識部で前記好適寝具として認識された前記テスト用寝具と前記テスト用寝具物性格納部に格納されている前記物性とに基づいて、前記使用者の前記深睡眠率が高くなる物性を好適物性として認識する好適物性認識部と、前記好適物性認識部で前記好適物性として認識された前記物性と前記選択対象寝具物性格納部に格納されている前記物性とに基づいて、複数の前記選択対象寝具から、前記使用者の前記深睡眠率が高くなる寝具を選択する寝具選択部とを備えていることを特徴とする。
【0018】
このように、本発明の寝具選択システムでは、まず、物性が予め得られているテスト用寝具で、使用者が試験的な睡眠を行う。ここで、物性には、測定が容易であり、体動(すなわち、睡眠状況)に大きく影響する硬度が含まれている。
【0019】
そして、その試験的な睡眠中に生体情報測定部で測定され、生体情報記録部で記録された生体情報に基づいて、深睡眠率算出部が、テスト用寝具ごとに使用者の深睡眠率を算出する。次に、その深睡眠率に基づいて、好適寝具認識部が、使用者の深睡眠率が高いテスト用寝具を好適寝具として認識する。次に、その好適寝具として認識されたテスト用寝具に基づいて、好適物性認識部が、使用者の深睡眠率が高くなる物性を好適物性として認識する。最後に、その好適物性として認識された物性に基づいて、寝具選択部が寝具を選択する。
【0020】
すなわち、本発明の寝具選択システムでは、使用者個人の生体情報に基づいて得られた深睡眠率と測定が容易であって睡眠状況に大きく影響する硬度を含む物性とを、寝具の選択の際に利用している。したがって、本発明の寝具選択システムによれば、使用者ごとに取得された睡眠情報を客観的に睡眠に影響する物性に反映させて寝具を選択できるので、睡眠状況を改善しやすい寝具を選択することができる。
【0021】
また、第1本発明の寝具選択システムにおいては、前記テスト用寝具での睡眠の後に、前記使用者が感じた熟睡度を入力する熟睡度入力部を備え、前記好適寝具認識部は、前記テスト用寝具ごとに算出された前記深睡眠率及び入力された前記熟睡度を比較し、前記使用者の前記深睡眠率及び前記熟睡度が高い前記テスト用寝具を前記好適寝具として認識し、前記好適物性認識部は、前記好適寝具認識部で前記好適寝具として認識された前記テスト用寝具と前記テスト用寝具物性格納部に格納されている前記物性とに基づいて、前記使用者の前記深睡眠率及び前記熟睡度が高くなる前記物性を前記好適物性として認識し、前記寝具選択部は、複数の前記選択対象寝具から、前記使用者の前記深睡眠率及び前記熟睡度が高くなる寝具を選択することが好ましい。
【0022】
このように、使用者の生体情報に基づく深睡眠率という客観的な情報だけではなく、使用者の感じる熟睡度という主観的な情報も参照して寝具を選択するようにすれば、使用者にとって適切な寝具が選択されやすくなる。その結果、さらに睡眠状況を改善しやすい寝具を選択しやすくなる。
【0023】
また、第1発明の寝具選択システムにおいては、前記使用者の身長及び体重を含む身体情報を入力する身体情報入力部と、予め収集された前記物性、前記深睡眠率及び前記身体情報の相関データを格納する睡眠情報格納部と、入力された前記身体情報と前記睡眠情報格納部に格納されている前記相関データとに基づいて、前記使用者の前記深睡眠率が高くなる可能性が高い前記物性をテスト用物性として認識するテスト用物性認識部と、前記テスト用物性認識部で前記テスト用物性として認識された前記物性と前記テスト用寝具物性格納部に格納されている前記物性とに基づいて、複数の前記テスト用寝具から、前記使用者の前記深睡眠率が高くなる可能性が高い前記テスト用寝具を選択するテスト用寝具選択部とを備えていることが好ましい。
【0024】
このように、身体情報入力部で入力された使用者の身体情報と、睡眠情報格納部に格納されている物性、深睡眠率及び身体情報の相関データとに基づいて、テスト用寝具を選択するようにすれば、使用者の深睡眠率の高くなる可能性が高いテスト用寝具が選択されやすくなる。
【0025】
その結果、テスト用寝具を用いた試験的な睡眠を多数繰り返さなくても、好適寝具認識部で深睡眠率が高いテスト用寝具を好適寝具として認識しやすくなる(すなわち、睡眠状況を改善できる可能性の高い物性を得やすくなる)ので、さらに睡眠状況を改善しやすい寝具を選択しやすくなる。
【0026】
また、第1発明の寝具選択システムにおいては、睡眠情報格納部に格納されている物性、深睡眠率及び身体情報の相関データに基づいて、使用するテスト用寝具を選択する構成である場合には、前記睡眠情報格納部は、前記深睡眠率算出部が算出した前記深睡眠率、該深睡眠率が算出された前記使用者の前記身体情報、及び、該使用者が使用した前記テスト用寝具の前記物性を格納することが好ましい。
【0027】
このように、寝具の選択の際に用いられたデータを蓄積するようにすれば、寝具選択システムを次回使用した際に、適切なテスト用寝具が最初から選択されやすくなる。その結果、さらに睡眠状況を改善しやすい寝具を選択しやすくなる。
【0028】
また、第2発明の寝具選択システムは、複数の選択対象寝具から寝具を選択するための寝具選択システムであって、硬度を含む物性が各々で異なる複数のテスト用寝具と、前記物性を前記選択対象寝具ごとに格納する選択対象寝具物性格納部と、前記物性を前記テスト用寝具ごとに格納するテスト用寝具物性格納部と、前記テスト用寝具での睡眠の後に、使用者が感じた熟睡度を入力する熟睡度入力部と、前記テスト用寝具ごとに入力された前記熟睡度を比較し、前記使用者の前記熟睡度が高い前記テスト用寝具を好適寝具として認識する好適寝具認識部と、前記好適寝具認識部で前記好適寝具として認識された前記テスト用寝具と前記テスト用寝具物性格納部に格納されている前記物性とに基づいて、前記使用者の前記熟睡度が高くなる物性を好適物性として認識する好適物性認識部と、前記好適物性認識部で前記好適物性として認識された前記物性と前記選択対象寝具物性格納部に格納されている前記物性とに基づいて、複数の前記選択対象寝具から、前記使用者の前記熟睡度が高くなる寝具を選択する寝具選択部とを備えていることを特徴とする。
【0029】
このように、本発明の寝具選択システムでは、まず、物性が予め得られているテスト用寝具で、使用者が試験的な睡眠を行う。ここで、物性には、測定が容易であり、体動(すなわち、睡眠状況)に大きく影響する硬度が含まれている。
【0030】
そして、その試験的な睡眠の後に、使用者が、その睡眠に対して感じた熟睡度を熟睡度入力部に入力する。次に、その熟睡度に基づいて、好適寝具認識部が、使用者の熟睡度が高いテスト用寝具を好適寝具として認識する。次に、その好適寝具として認識されたテスト用寝具に基づいて、好適物性認識部が、使用者の熟睡度が高くなる物性を好適物性として認識する。最後に、その好適物性として認識された物性に基づいて、寝具選択部が寝具を選択する。
【0031】
すなわち、本発明の寝具選択システムでは、使用者自らが入力した熟睡度と測定が容易であって睡眠状況に大きく影響する硬度を含む物性とを、寝具の選択の際に利用している。したがって、本発明の寝具選択システムによれば、使用者ごとに取得された睡眠情報を客観的に睡眠に影響する物性に反映させて寝具を選択できるので、睡眠状況を改善しやすい寝具を選択することができる。
【0032】
また、第2発明の寝具選択システムにおいては、前記テスト用寝具で睡眠中の使用者の生体情報を測定する生体情報測定部と、前記生体情報測定部が測定した前記生体情報を記録する生体情報記録部と、記録された前記生体情報に基づいて、前記使用者の深睡眠率を算出する深睡眠率算出部とを備え、前記好適寝具認識部は、前記テスト用寝具ごとに算出された前記深睡眠率及び入力された前記熟睡度を比較し、前記使用者の前記深睡眠率及び前記熟睡度が高い前記テスト用寝具を前記好適寝具として認識し、前記好適物性認識部は、前記好適寝具認識部で前記好適寝具として認識された前記テスト用寝具と前記テスト用寝具物性格納部に格納されている前記物性とに基づいて、前記使用者の前記深睡眠率及び前記熟睡度が高くなる前記物性を前記好適物性として認識し、前記寝具選択部は、複数の前記選択対象寝具から、前記使用者の前記深睡眠率及び前記熟睡度が高くなる寝具を選択することが好ましい。
【0033】
このように、使用者の感じる熟睡度という主観的な情報だけではなく、使用者の生体情報に基づく深睡眠率という客観的な情報も参照して寝具を選択するようにすれば、使用者にとって適切な寝具が選択されやすくなる。その結果、さらに睡眠状況を改善しやすい寝具を選択しやすくなる。
【0034】
また、第2発明の寝具選択システムにおいては、前記使用者の身長及び体重を含む身体情報を入力する身体情報入力部と、予め収集された前記物性、前記熟睡度及び前記身体情報の相関データを格納する睡眠情報格納部と、入力された前記身体情報と前記睡眠情報格納部に格納されている前記相関データとに基づいて、前記使用者の前記熟睡度が高くなる可能性が高い前記物性をテスト用物性として認識するテスト用物性認識部と、前記テスト用物性認識部で前記テスト用物性として認識された前記物性と前記テスト用寝具物性格納部に格納されている前記物性とに基づいて、複数の前記テスト用寝具から、前記使用者の前記熟睡度が高くなる可能性が高い前記テスト用寝具を選択するテスト用寝具選択部とを備えていることが好ましい。
【0035】
このように、身体情報入力部で入力された使用者の身体情報と、睡眠情報格納部に格納されている物性、熟睡度及び身体情報の相関データとに基づいて、テスト用寝具を選択するようにすれば、使用者の熟睡度の高くなる可能性が高いテスト用寝具が選択されやすくなる。
【0036】
その結果、テスト用寝具を用いた試験的な睡眠を多数繰り返さなくても、好適寝具認識部で熟睡度が高いテスト用寝具を好適寝具として認識しやすくなる(すなわち、睡眠状況を改善できる可能性の高い物性を得やすくなる)ので、さらに睡眠状況を改善しやすい寝具を選択しやすくなる。
【0037】
また、第2発明の寝具選択システムにおいては、睡眠情報格納部に格納されている物性、熟睡度及び身体情報の相関データに基づいて、使用するテスト用寝具を選択する構成である場合には、前記睡眠情報格納部は、前記熟睡度入力部に入力された前記熟睡度、該熟睡度を入力した前記使用者の前記身体情報、及び、該使用者が使用した前記テスト用寝具の前記物性を格納することが好ましい。
【0038】
このように、寝具の選択の際に用いられたデータを蓄積するようにすれば、寝具選択システムを次回使用した際に、適切なテスト用寝具が最初から選択されやすくなる。その結果、さらに睡眠状況を改善しやすい寝具を選択しやすくなる。
【0039】
また、第3発明の寝具選択システムは、複数の選択対象寝具から寝具を選択するための寝具選択システムであって、使用者の身長及び体重を含む身体情報を入力する身体情報入力部と、硬度を含む物性を、前記選択対象寝具ごとに格納する選択対象寝具物性格納部と、予め収集された前記物性、深睡眠率及び前記身体情報の相関データを格納する睡眠情報格納部と、入力された前記身体情報と前記睡眠情報格納部に格納されている前記相関データとに基づいて、前記使用者の前記深睡眠率が高くなる可能性が高い前記物性を好適物性として認識する好適物性認識部と、前記好適物性認識部で前記好適物性として認識された前記物性と前記選択対象寝具物性格納部に格納されている前記物性とに基づいて、複数の前記選択対象寝具から、前記使用者の前記深睡眠率が高くなる可能性が高い寝具を選択する寝具選択部とを備えていることを特徴とする。
【0040】
このように、本発明の寝具選択システムでは、身体情報入力部で入力された使用者の身体情報と、睡眠情報格納部に格納されている物性、深睡眠率及び身体情報の相関データとに基づいて、好適物性認識部が、使用者の深睡眠率が高くなる可能性が高い物性を好適物性として認識する。そして、寝具選択部が、その好適物性として認識された物性に基づいて寝具を選択する。
【0041】
すなわち、本発明の寝具選択システムでは、使用者個人の身体情報と測定が容易であって睡眠状況に大きく影響する硬度を含む物性とを、寝具の選択の際に利用している。したがって、本発明の寝具選択システムによれば、使用者の身体情報を客観的に睡眠に影響する物性に反映させて寝具を選択できるので、睡眠状況を改善しやすい寝具を選択することができる。
【0042】
また、第4発明の寝具選択システムは、複数の選択対象寝具から寝具を選択するための寝具選択システムであって、使用者の身長及び体重を含む身体情報を入力する身体情報入力部と、硬度を含む物性を、前記選択対象寝具ごとに格納する選択対象寝具物性格納部と、予め収集された前記物性、熟睡度及び前記身体情報の相関データを格納する睡眠情報格納部と、入力された前記身体情報と前記睡眠情報格納部に格納されている前記相関データとに基づいて、前記使用者の前記熟睡度が高くなる可能性が高い前記物性を好適物性として認識する好適物性認識部と、前記好適物性認識部で前記好適物性として認識された前記物性と前記選択対象寝具物性格納部に格納されている前記物性とに基づいて、複数の前記選択対象寝具から、前記使用者の前記熟睡度が高くなる可能性が高い寝具を選択する寝具選択部とを備えていることを特徴とする。
【0043】
このように、本発明の寝具選択システムでは、身体情報入力部で入力された使用者の身体情報と、睡眠情報格納部に格納されている物性、熟睡度及び身体情報の相関データとに基づいて、好適物性認識部が、使用者の熟睡度が高くなる可能性が高い物性を好適物性として認識する。そして、寝具選択部が、その好適物性として認識された物性に基づいて寝具を選択する。
【0044】
すなわち、本発明の寝具選択システムでは、使用者個人の身体情報と測定が容易であって睡眠状況に大きく影響する硬度を含む物性とを、寝具の選択の際に利用している。したがって、本発明の寝具選択システムによれば、使用者の身体情報を客観的に睡眠に影響する物性に反映させて寝具を選択できるので、睡眠状況を改善しやすい寝具を選択することができる。
【0045】
また、第1発明〜第4発明の寝具選択システムにおいては、前記物性は、反発弾性を含むことが好ましい。反発弾性は、測定が比較的容易であり、硬度と同様に、体動(すなわち、睡眠状況)に大きく影響するためである。
【0046】
また、第5発明の寝具物性認識システムは、使用者の深睡眠率の高くなる可能性の高い寝具を認識するための寝具物性認識システムであって、硬度を含む物性が各々で異なる複数のテスト用寝具と、前記物性を前記テスト用寝具ごとに格納するテスト用寝具物性格納部と、前記テスト用寝具で睡眠中の使用者の生体情報を測定する生体情報測定部と、前記生体情報測定部が測定した前記生体情報を記録する生体情報記録部と、記録された前記生体情報に基づいて、前記使用者の深睡眠率を算出する深睡眠率算出部と、前記テスト用寝具ごとに算出された前記深睡眠率を比較し、前記使用者の前記深睡眠率が高い前記テスト用寝具を好適寝具として認識する好適寝具認識部と、前記好適寝具認識部で前記好適寝具として認識された前記テスト用寝具と前記テスト用寝具物性格納部に格納されている前記物性とに基づいて、前記使用者の前記深睡眠率が高くなる前記物性を好適物性として認識する好適物性認識部とを備えていることを特徴とする。
【0047】
このように、本発明の寝具物性認識システムでは、まず、物性が予め得られているテスト用寝具で、使用者が試験的な睡眠を行う。ここで、物性には、測定が容易であり、体動(すなわち、睡眠状況)に大きく影響する硬度が含まれている。
【0048】
そして、その試験的な睡眠中に生体情報測定部で測定され、生体情報記録部で記録された生体情報に基づいて、深睡眠率算出部が、テスト用寝具ごとに使用者の深睡眠率を算出する。次に、その深睡眠率に基づいて、その好適寝具認識部が、使用者の深睡眠率が高いテスト用寝具を好適寝具として認識する。最後に、その好適寝具として認識されたテスト用寝具に基づいて、好適物性認識部が、使用者の深睡眠率が高くなる物性を好適物性として認識する。
【0049】
すなわち、本発明の寝具物性認識システムでは、使用者個人の生体情報に基づいて得られた深睡眠率に基づいて、睡眠状況に大きく影響する硬度を含む物性を認識している。したがって、本発明の寝具物性認識システムによれば、使用者ごとに取得された睡眠情報を客観的に睡眠に影響する物性に反映させているので、睡眠状況を改善しやすい寝具の物性を選択することができる。
【0050】
また、第6発明の寝具物性認識システムは、使用者の熟睡度の高くなる可能性の高い寝具を認識するための寝具物性認識システムであって、硬度を含む物性が各々で異なる複数のテスト用寝具と、前記物性を前記テスト用寝具ごとに格納するテスト用寝具物性格納部と、前記テスト用寝具での睡眠の後に、前記使用者が感じた熟睡度を入力する熟睡度入力部と、前記テスト用寝具ごとに入力された前記熟睡度を比較し、前記使用者の前記熟睡度が高い前記テスト用寝具を好適寝具として認識する好適寝具認識部と、前記好適寝具認識部で前記好適寝具として認識された前記テスト用寝具と前記テスト用寝具物性格納部に格納されている前記物性とに基づいて、前記使用者の前記熟睡度が高くなる前記物性を好適物性として認識する好適物性認識部とを備えていることを特徴とする。
【0051】
このように、本発明の寝具物性認識システムでは、まず、物性が予め得られているテスト用寝具で、使用者が試験的な睡眠を行う。ここで、物性には、測定が容易であり、体動(すなわち、睡眠状況)に大きく影響する硬度が含まれている。
【0052】
そして、その試験的な睡眠の後に、使用者が、その睡眠に対して感じた熟睡度を熟睡度入力部に入力する。次に、その熟睡度に基づいて、好適寝具認識部が、使用者の熟睡度が高いテスト用寝具を好適寝具として認識する。最後に、その好適寝具として認識されたテスト用寝具に基づいて、好適物性認識部が、使用者の熟睡度が高くなる物性を好適物性として認識する。
【0053】
すなわち、本発明の寝具物性認識システムでは、使用者自らが入力した熟睡度に基づいて、睡眠状況に大きく影響する硬度を含む物性を認識している。したがって、本発明の寝具物性認識システムによれば、使用者ごとに取得された睡眠情報を客観的に睡眠に影響する物性に反映させているので、睡眠状況を改善しやすい寝具の物性を選択することができる。
【0054】
また、第7発明の寝具物性認識システムは、使用者の深睡眠率の高くなる可能性の高い寝具を認識するための寝具物性認識システムであって、前記使用者の身長及び体重を含む身体情報を入力する身体情報入力部と、予め収集された硬度を含む物性、前記深睡眠率及び前記身体情報の相関データを格納する睡眠情報格納部と、入力された前記身体情報と前記睡眠情報格納部に格納されている前記相関データとに基づいて、前記使用者の前記深睡眠率が高くなる可能性が高い前記物性を好適物性として認識する好適物性認識部とを備えていることを特徴とする。
【0055】
このように、本発明の寝具物性認識システムでは、身体情報入力部で入力された使用者の身体情報と、睡眠情報格納部に格納されている物性、深睡眠率及び身体情報の相関データとに基づいて、好適物性認識部が、使用者の深睡眠率が高くなる可能性が高い物性を好適物性として認識する。
【0056】
すなわち、本発明の寝具物性認識システムでは、使用者個人の身体情報に基づいて、睡眠状況に大きく影響する硬度を含む物性を認識している。したがって、本発明の寝具物性認識システムによれば、使用者の身体情報を客観的に睡眠に影響する物性に反映させているので、睡眠状況を改善しやすい寝具の物性を選択することができる。
【0057】
また、第8発明の寝具物性認識システムは、使用者の熟睡度の高くなる可能性の高い寝具を認識する寝具物性認識システムであって、前記使用者の身長及び体重を含む身体情報を入力する身体情報入力部と、予め収集された硬度を含む物性、前記熟睡度及び前記身体情報の相関データを格納する睡眠情報格納部と、入力された前記身体情報と前記睡眠情報格納部に格納されている前記相関データとに基づいて、前記使用者の前記熟睡度が高くなる可能性が高い前記物性を好適物性として認識する好適物性認識部とを備えていることを特徴とする。
【0058】
このように、本発明の寝具物性認識システムでは、身体情報入力部で入力された使用者の身体情報と、睡眠情報格納部に格納されている物性、熟睡度及び身体情報の相関データとに基づいて、好適物性認識部が、使用者の熟睡度が高くなる可能性が高い物性を好適物性として認識する。
【0059】
すなわち、本発明の寝具物性認識システムでは、使用者個人の身体情報に基づいて、睡眠状況に大きく影響する硬度を含む物性を認識している。したがって、本発明の寝具物性認識システムによれば、使用者の身体情報を客観的に睡眠に影響する物性に反映させているので、睡眠状況を改善しやすい寝具の物性を選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
図1】第1実施形態に係る寝具選択システムの概略構成を示す模式図。
図2図1の寝具選択システムがテスト用寝具選択工程で行う処理を示すフローチャート。
図3図1の寝具選択システムのタブレットに、使用者の身体情報の入力時に表示される画面の模式図。
図4図1の寝具選択システムの身体情報と深睡眠率及び熟睡度とテスト用寝具の物性との相関データのデータテーブルの一例を示す模式図。
図5図1の寝具選択システムが寝具選択工程で行う処理を示すフローチャート。
図6図1の寝具選択システムが情報収集工程で行う処理を示すフローチャート。
図7】第2実施形態に係る寝具選択システムの概略構成を示す模式図。
図8図7の寝具選択システムが寝具選択工程で行う処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0061】
[第1実施形態]
以下、図1図6を参照して、第1実施形態に係る寝具選択システムについて説明する。本実施形態の寝具選択システムは、上記の第1発明、第2発明に係るものであり、第5発明及び第6発明に係る寝具物性認識システムを含むものである。
【0062】
まず、図1を参照して、寝具選択システムS1の構成について説明する。
【0063】
図1に示すように、寝具選択システムS1は、寝具販売業者が管理するサーバ1と、使用者Pの自宅に設置されているタブレット2と、使用者Pの生体情報を測定するセンサ3と、寝具販売店の倉庫等に準備されている複数のテスト用寝具T及び複数の選択対象寝具Mとを備えている。サーバ1とタブレット2とは、ネットワークを介して接続されている。
【0064】
サーバ1は、CPUやメモリ等を備えた情報処理端末である。サーバ1は、予め収集された睡眠情報を格納する睡眠情報格納部1aと、試験的な睡眠で使用するテスト用寝具の物性を認識するテスト用物性認識部1bと、テスト用寝具の物性を格納するテスト用寝具物性格納部1cと、試験的な睡眠で使用するテスト用寝具を選択するテスト用寝具選択部1dとを有している。
【0065】
睡眠情報格納部1aに格納されている睡眠情報は、予め収集された寝具の物性、深睡眠率又は熟睡度、及び、身体情報の相関データである。この相関データは、タブレット2及び後述する深睡眠率算出部1fからの情報に基づいて更新される。
【0066】
テスト用物性認識部1bは、タブレット2で入力された使用者Pの身体情報と睡眠情報格納部1aに格納されている相関データとに基づいて、使用者Pの深睡眠率及び熟睡度が高くなる可能性が高い物性をテスト用物性として認識する。
【0067】
テスト用寝具物性格納部1cは、テスト用寝具Tごとに、その物性を格納している。
【0068】
テスト用寝具選択部1dは、テスト用物性認識部1bで前記テスト用物性として認識された物性とテスト用寝具物性格納部1cに格納されている物性とに基づいて、複数のテスト用寝具Tから、使用者Pの深睡眠率及び熟睡度が高くなる可能性が高いテスト用寝具を選択する。
【0069】
また、サーバ1は、センサ3から送信された生体情報を記録する生体情報記録部1eと、使用者Pの深睡眠率を算出する深睡眠率算出部1fと、複数のテスト用寝具Tから使用者Pに好適な寝具を認識する好適寝具認識部1gと、使用者Pに好適な物性を認識する好適物性認識部1hと、選択対象寝具Mの物性を格納する選択対象寝具物性格納部1iと、使用者Pに提案する寝具を選択する寝具選択部1jとを有している。
【0070】
生体情報記録部1eは、使用者Pがテスト用寝具Tで試験的な睡眠を行っている最中にセンサ3が測定した生体情報を、タブレット2を介して、受信し、記録する。
【0071】
深睡眠率算出部1fは、生体情報記録部1eが記録した情報に基づいて、テスト用寝具Tごとに、使用者Pの深睡眠率を算出する。
【0072】
ここで、深睡眠率とは、睡眠の全時間中に深睡眠となっている割合を示す。また、深睡眠とは、ノンレム睡眠の睡眠段階3及び4の状態(すなわち、徐波睡眠の状態)をいう。
【0073】
好適寝具認識部1gは、テスト用寝具Tごとに算出された深睡眠率、及び、タブレット2で入力された熟睡度を比較し、使用者の深睡眠率及び熟睡度が高い前記テスト用寝具を好適寝具として認識する。
【0074】
好適物性認識部1hは、好適寝具認識部1gで好適寝具として認識されたテスト用寝具Tとテスト用寝具物性格納部1cに格納されているテスト用寝具Tの物性とに基づいて、使用者Pの深睡眠率及び熟睡度が高くなる物性を好適物性として認識する。
【0075】
選択対象寝具物性格納部1iは、選択対象寝具Mごとに、その物性を格納している。
【0076】
寝具選択部1jは、好適物性認識部1hで好適物性として認識された物性と選択対象寝具物性格納部1iに格納されている選択対象寝具Mの物性とに基づいて、複数の選択対象寝具Mから、使用者Pの深睡眠率及び熟睡度が高くなる寝具を選択する。
【0077】
タブレット2(身体情報入力部、熟睡度入力部)は、入出力部2aを有している(図3参照)。使用者Pは、入出力部2aを介して、自らの身体情報、テスト用寝具Tで睡眠した後に感じた熟睡度を入力するとともに、入出力部2aに表示されたテスト用寝具Tや選択対象寝具Mを確認する。
【0078】
ここで、熟睡度とは、使用者Pが睡眠の後に感じたよく眠れたか否かの度合いあり、主観的なものである。熟睡度は、最もよく眠れなかったと感じた場合の「1」から、最も良く眠れたと感じた場合の「5」までの5段階で表される。ただし、熟睡度の度合いは、4段階以下としてもよいし、6段階以上としてもよい。
【0079】
また、ここで、身体情報には、身長及び体重の他、性別、年齢が含まれている。睡眠情報格納部1aに格納されている相関データは、これらの身体情報と、寝具の物性並びに深睡眠率及び熟睡度とを対応させたデータとなっている。
【0080】
なお、寝具選択システムS1においては、使用者Pが身体情報や熟睡度を自宅で容易に入力可能とするために、身体情報入力部及び熟睡度入力部としてタブレット2を用いている。しかし、本発明の身体情報入力部及び熟睡度入力部は、身体情報及び熟睡度を入力できるものであればよく、PC等の他の端末を用いてもよい。また、その設置場所も、使用者Pの自宅に限られず、寝具販売店の店頭等であってもよい。
【0081】
センサ3(生体情報測定部)は、テスト用寝具で睡眠中の使用者Pの生体情報を測定し、タブレット2を介して、サーバ1の生体情報記録部1eに送信する。センサ3で測定する生体情報は、深睡眠率を算出できるものであればよい。例えば、使用者Pの睡眠中における脳波の変化、心拍の変化、呼吸の変化又は体動回数等であればよい。
【0082】
複数のテスト用寝具Tは、物性が各々で異なっている。各々のテスト用寝具には番号が付されており、テスト用寝具物性格納部1cには、テスト用寝具の番号ごとに、そのテスト用寝具の物性が格納されている。
【0083】
複数の選択対象寝具Mは、物性が各々で異なっている。各々の選択対象寝具には番号が付されており、選択対象寝具物性格納部1iには、選択対象寝具の番号ごとに、その選択対象寝具の物性が格納されている。
【0084】
ここで、寝具選択システムS1における寝具には、敷布団の他、枕、マットレス、抱き枕等、睡眠時に使用者Pの身体の下に位置する寝具が含まれている。そして、物性には、硬度及び反発弾性の他、保温性、吸放湿性、素材(肌触り)等も含まれている。以下の説明においては硬度についてのみ説明するが、寝具選択システムS1では、他の物性も、テスト用寝具Tや選択対象寝具Mの選択の際に、硬度と同様に判断の基準として用いられている。
【0085】
なお、本発明の寝具は、必ずしも上記のものに限られるものではなく、掛布団や就寝用衣服等を寝具としてもよい。そして、それらを選択対象寝具とする場合には、基準となる物性は、その寝具において測定が容易であり、且つ、睡眠において重要視されるものを用いればよい。例えば、掛布団や就寝用衣服を選択対象寝具とした場合には、保温性、吸放湿性、素材(肌触り)、重量、ドレープ性等を基準とすればよい。
【0086】
また、本発明の寝具の物性は、必ずしも上記のものに限られるものではなく、寝具が敷布団である場合には、少なくとも硬度を含んでいればよい。
【0087】
次に、図1図4を参照して、寝具選択システムS1が、テスト用寝具選択工程で行う処理について説明する。なお、図2は、テスト用寝具選択工程で行われる処理を示すフローチャートである。
【0088】
まず、タブレット2が、使用者Pによってタブレット2の入出力部2aに入力された、使用者Pの身体情報をサーバ1に送信する(図2/STEP10)。
【0089】
具体的には、図3に示すように、タブレット2の入出力部2aに、自身の名前、性別、年齢、身長、体重を身体情報として入力する。入力された身体情報は、ネットワークを介して、サーバ1のテスト用物性認識部1bに送信される。
【0090】
次に、サーバ1のテスト用物性認識部1bが、受信した身体情報に基づいて、使用者Pの深睡眠率及び熟睡度が高くなる可能性が高い物性を睡眠情報格納部1aから検索し、検索された物性をテスト用物性として認識する(図2/STEP11)。
【0091】
具体的には、テスト用物性認識部1bは、受信した身体情報に基づいて、対象部位(すなわち、睡眠時に使用者Pの身体に接する寝具の領域)ごとに、睡眠情報格納部1aに格納されている予め収集された物性、深睡眠率又は熟睡度、及び、身体情報の相関データを参照し、使用者Pの深睡眠率及び熟睡度が高くなる可能性が高い物性を検索する。
【0092】
この相関データには、図4に示すように、性別、年齢、対象部位ごとに、身長及び体重から算出されたBMI値及び硬度等の物性に、平均深睡眠率及び平均熟睡度を対応させたものとなっている。物性には、硬度の他、反発弾性、通気性、重さ、素材(肌触り)等が含まれている。また、対象部位としては、腰、頭、肩等が含まれている。
【0093】
次に、サーバ1のテスト用寝具選択部1dが、認識されたテスト用物性と一致する物性、又は、それに近い物性をテスト用寝具物性格納部1cから検索し、その検索結果に基づいて、複数のテスト用寝具Tから、使用者Pが試験的な睡眠で使用するテスト用寝具Tを選択し、そのテスト用寝具Tの情報をタブレット2に送信する(図2/STEP12)。
【0094】
テスト用寝具Tの物性は、それぞれのテスト用寝具Tに付された番号ごとに、睡眠情報格納部1aに格納された相関データと同様の項目が含まれている。具体的には、対象部位ごとの硬度や反発弾性等が含まれている。
【0095】
このとき、物性は対象部位ごとに取得されているが、それらの物性の重要度は、対象部位によって異なる。そのため、寝具選択システムS1では、まず最も重要度の高い腰を対象部位とした物性に基づいて、全てのテスト用寝具Tからいくつかのテスト用寝具Tを選択し、その後、選択されたテスト用寝具Tの中から、比較的重要度の低い頭や肩を対象部位とした物性に基づいて、使用者Pに提案するテスト用寝具Tを選択する。
【0096】
最後に、タブレット2が、選択されたテスト用寝具Tを表示する(図2/STEP13)。
【0097】
使用者P及び寝具販売業者は、その表示された結果に基づいて、使用者Pが試験的な睡眠を行うための手配(テスト用寝具Tの配送等)を行う。
【0098】
なお、選択されたテスト用寝具Tを必ずしもタブレット2に表示する必要はなく、その選択されたテスト用寝具Tを用いて使用者Pが試験的な睡眠を行うことができればよい。例えば、その選択結果に基づいて、自動的に、使用者Pの自宅に選択されたテスト用寝具Tが配送されるようになっていてもよい。
【0099】
以上のSTEP10〜STEP13が、寝具選択システムS1におけるテスト用寝具選択工程である。
【0100】
このように、寝具選択システムS1では、身体情報入力部で入力された使用者Pの身体情報と、睡眠情報格納部1aに格納されている物性、深睡眠率又は熟睡度、及び、身体情報の相関データとに基づいて、テスト用寝具Tを選択する。そのため、寝具選択システムS1によれば、使用者Pの深睡眠率及び熟睡度の高くなる可能性が高いテスト用寝具Tが選択されやすい。
【0101】
その結果、テスト用寝具Tを用いた試験的な睡眠を多数繰り返さなくても、サーバ1の好適寝具認識部1gで深睡眠率及び熟睡度が高い好適寝具を認識しやすくなる(すなわち、睡眠状況を改善できる可能性の高い物性を得やすくなる)。
【0102】
なお、本発明の寝具選択システムは、必ずしも上記のテスト用寝具選択工程によってテスト用寝具Tを選択する必要はなく、他の方法によってテスト用寝具Tを選択してもよい。また、テスト用寝具Tの種類が少なく、全てのテスト用寝具Tで試験的な睡眠を行うような場合には、テスト用寝具Tの選択を行う必要はない。
【0103】
次に、図1及び図5を参照して、寝具選択システムS1が、寝具選択工程で行う処理について説明する。なお、図5は、寝具選択工程で行われる処理を示すフローチャートである。
【0104】
まず、使用者Pは、選択されたテスト用寝具Tで試験的な睡眠を行う。その睡眠の最中に、センサ3が、テスト用寝具選択工程で選択されたテスト用寝具Tで睡眠中の使用者Pの生体情報を測定するとともに、その生体情報を、タブレット2を介して、サーバ1の生体情報記録部1eに送信する(図5/STEP20)。
【0105】
ここで測定される生体情報は、使用者Pの睡眠中における脳波の変化、心拍の変化、呼吸の変化又は体動回数等、深睡眠率を算出可能なデータであればよい。
【0106】
次に、サーバ1の生体情報記録部1eが、センサ3が測定し、タブレット2を介して送信された生体情報を記録する(図5/STEP21)。
【0107】
次に、サーバ1の深睡眠率算出部1fが、生体情報記録部1eが記録した生体情報に基づいて、使用者Pの選択されたテスト用寝具Tにおける深睡眠率を算出する(図5/STEP22)。
【0108】
具体的には、生体情報に基づいて、使用者Pが深睡眠となっている時間を算出し、その算出された時間と試験的な睡眠における使用者Pの睡眠の全時間とに基づいて、深睡眠率(睡眠の全時間中に深睡眠となっている割合)を算出する。
【0109】
次に、使用者Pは、試験的な睡眠の後に、テスト用寝具Tを用いた試験的な睡眠に対して感じた熟睡度を5段階(1〜5の数値)で判断し、タブレット2に入力する。そして、タブレット2が、使用者Pによって入力された熟睡度をサーバ1に送信する(図5/STEP23)。
【0110】
なお、寝具選択システムS1では、入力された熟睡度の送信を、深睡眠率の算出(図5/STEP22)の後に行っているが、同時に行ってもよいし、深睡眠率の算出の前に行ってもよい。
【0111】
次に、サーバ1の好適寝具認識部1gが、深睡眠率算出部1fで算出された深睡眠率及びタブレット2に入力された熟睡度に基づいて、使用者Pの深睡眠率及び熟睡度の両方が高くなったテスト用寝具Tを、好適寝具として認識する(図5/STEP24)。
【0112】
深睡眠率及び熟睡度が高いか否かの判定は、例えば、1つの又は所定の数のテスト用寝具Tにおいて算出された深睡眠率及び入力された熟睡度を予め定められた所定の値と比較することによって行う。すなわち、寝具選択システムS1では、深睡眠率及び熟睡度の両方が所定の値より低い場合には、深睡眠率及び熟睡度の両方が所定の値のテスト用寝具Tが発見されるまで、テスト用寝具Tを用いた試験的な睡眠が繰り返し行われる。
【0113】
なお、テスト用寝具Tの種類が少ない場合等には、全てのテスト用寝具Tで試験的な睡眠を行うようにしてもよい。その場合には、算出された深睡眠率や入力された熟睡度を所定の値と比較するのではなく、テスト用寝具Tごとに算出された深睡眠率や入力された熟睡度を互いに比較してもよい。
【0114】
また、使用者Pが満足した場合には、1回だけで試験的な睡眠を終了してもよい。逆に、使用者Pが満足しない場合には、所定の値よりも高い深睡眠率及び熟睡度となっても、他のテスト用寝具Tを用いた試験的な睡眠を継続してもよい。
【0115】
次に、好適物性認識部1hが、好適寝具認識部1gで好適寝具として認識されたテスト用寝具Tの物性をテスト用寝具物性格納部1cに格納された物性から検索し、検索された物性を好適物性として認識するとともに、その好適物性をタブレット2に送信する(図5/STEP25)。
【0116】
次に、サーバ1の寝具選択部1jが、認識された好適物性と一致する物性、又は、それに近い物性を選択対象寝具物性格納部1iから検索し、その検索結果に基づいて、複数の選択対象寝具Mから、使用者Pに提案する寝具を選択し、その寝具の情報をタブレット2に送信する(図5/STEP26)。
【0117】
選択対象寝具Mの物性は、それぞれの選択対象寝具Mに付された番号ごとに、睡眠情報格納部1aに格納された相関データと同様の項目が含まれている。具体的には、対象部位ごとの硬度や反発弾性等が含まれている。
【0118】
このとき、物性は対象部位ごとに取得されているが、それらの物性の重要度は、対象部位によって異なる。そのため、寝具選択システムS1では、まず最も重要度の高い腰を対象部位とした物性に基づいて、全ての選択対象寝具Mからいくつかの選択対象寝具Mを選択し、その後、選択された選択対象寝具Mの中から、比較的重要度の低い頭や肩を対象部位とした物性に基づいて、使用者Pに提案する選択対象寝具Mを選択する。
【0119】
最後に、タブレット2が、対象部位ごとの好適物性、選択された選択対象寝具M及びその対象部位ごとの物性を表示する(図5/STEP27)。
【0120】
なお、物性は必ずしも対象部位ごとに分ける必要はなく、1つの寝具に対して1つの物性としてもよい。また、タブレット2には、必ずしも物性を表示する必要はなく、選択対象寝具Mのみを表示するようにしてもよい。
【0121】
以上のSTEP20〜STEP27が、寝具選択システムS1における寝具選択工程である。
【0122】
次に、図1及び図6を参照して、寝具選択システムS1が、情報収集工程で行う処理について説明する。なお、図6は、情報収集工程で行われる処理を示すフローチャートである。
【0123】
この情報収集工程は、上記のテスト用寝具選択工程及び寝具選択工程と同時に行われるものである。
【0124】
まず、タブレット2が、サーバ1の睡眠情報格納部1aに、使用者Pによってタブレット2の入出力部2aに入力された、使用者Pの身体情報を送信する(図6/STEP30)。
【0125】
このとき、睡眠情報格納部1aは、身体情報を一時的に記憶する。
【0126】
次に、サーバ1の深睡眠率算出部1fが、センサ3が測定し、サーバ1の生体情報記録部1eが記録した生体情報に基づいて、使用者Pの選択されたテスト用寝具Tにおける深睡眠率を算出する(図6/STEP31)。
【0127】
次に、サーバ1の深睡眠率算出部1fが、サーバ1の睡眠情報格納部1aに、算出した深睡眠率を送信する(図6/STEP32)。
【0128】
このとき、睡眠情報格納部1aは、予め記憶されていたその使用者Pの身体情報に対応させた形で、受信した深睡眠率を一時的に記憶する。
【0129】
次に、タブレット2が、サーバ1の睡眠情報格納部1aに、使用者Pによって入力された熟睡度を送信する(図6/STEP33)。
【0130】
このとき、睡眠情報格納部1aは、予め記憶されていたその使用者Pの身体情報に対応させた形で、受信した熟睡度を一時的に記憶する。
【0131】
最後に、サーバ1の睡眠情報格納部1aが、一時的に記憶しておいた身体情報ごとに、算出された深睡眠率、入力された熟睡度、対応するテスト用寝具T(すなわち、その深睡眠率が算出され、熟睡度が入力された際の試験的な睡眠で用いられたテスト用寝具T)の物性を格納する(図6/STEP34)。
【0132】
以上のSTEP30〜STEP34が、寝具選択システムS1における情報収集工程である。
【0133】
このように、寝具選択システムS1では、使用者P個人の生体情報に基づいて得られた深睡眠率と測定が容易であって睡眠状況に大きく影響する硬度を含む物性との相関データ、及び、使用者個人の入力した熟睡度と測定が容易であって睡眠状況に大きく影響する硬度を含む物性との相関データを、試験的な睡眠を行って収集している。
【0134】
したがって、寝具選択システムS1によれば、使用者Pごとに取得された睡眠情報を、実際に睡眠に影響する物性に対応させつつ状態で収集するので、信頼性の高い睡眠情報を収集することができる。
【0135】
そして、寝具選択システムS1では、このようにしてデータの蓄積を行っているので、寝具選択システムS1を次回使用した際に、適切なテスト用寝具Tが最初から選択されやすくなっている。その結果、さらに睡眠状況を改善しやすい寝具を選択しやすくなっている。
【0136】
なお、十分なデータが既に蓄積されている場合や別の方法によって情報収集が行われている場合等には、上記の情報収集工程は省略してもよい。
【0137】
以上説明したように、寝具選択システムS1では、使用者P個人の生体情報に基づいて得られた深睡眠率と、使用者P自らが入力した熟睡度と、測定が容易であって睡眠状況に大きく影響する硬度及び反発弾性を含む物性とを、寝具及びその物性の選択の際に利用している。したがって、寝具選択システムS1によれば、使用者Pごとに取得された睡眠情報を客観的に睡眠に影響する物性に反映させて寝具を選択できるので、睡眠状況を改善しやすい寝具及びその物性を選択することができる。
【0138】
[第2実施形態]
以下、図7及び図8を参照して、第2実施形態に係る寝具選択システムについて説明する。本実施形態の寝具選択システムは、上記の第3発明、第4発明に係るものであり、第7発明及び第8発明に係る寝具物性認識システムを含むものである。
【0139】
また、本実施形態の寝具選択システムS2は、第1実施形態の寝具選択システムS1とは、サーバが備える処理部の構成と、そのサーバで行われる処理、及び、使用者の生体情報を測定するためのセンサの有無が異なっている。
【0140】
そこで、以下の説明においては、本実施形態のサーバが備える処理部の構成及びそのサーバで行われる処理についてのみ詳細に説明し、他の構成については、第1実施形態と同様の符号を付すとともに、詳細な説明は省略する。
【0141】
まず、図7を参照して、寝具選択システムS2の構成について説明する。
【0142】
図7に示すように、寝具選択システムS2は、寝具販売業者が管理するサーバ4と、寝具販売店に設置されているタブレット2と、寝具販売店の倉庫等に準備されている複数の選択対象寝具Mとを備えている。サーバ4とタブレット2とは、ネットワークを介して接続されている。
【0143】
サーバ4は、CPUやメモリ等を備えた情報処理端末である。サーバ4は、予め収集された睡眠情報を格納する睡眠情報格納部4aと、使用者Pに好適な物性を認識する好適物性認識部4bと、選択対象寝具Mの物性を格納する選択対象寝具物性格納部4cと、使用者Pに提案する寝具を選択する寝具選択部4dとを有している。
【0144】
睡眠情報格納部4aに格納されている睡眠情報は、予め収集された寝具の物性、深睡眠率又は熟睡度、及び、身体情報の相関データである。
【0145】
好適物性認識部4bは、タブレット2で入力された身体情報と睡眠情報格納部4aに格納されている相関データとに基づいて、使用者Pの深睡眠率及び熟睡度が高くなる可能性が高い物性を好適物性として認識する。
【0146】
選択対象寝具物性格納部4cは、選択対象寝具Mごとに、その物性を格納している。
【0147】
寝具選択部4dは、好適物性認識部4bで好適物性として認識された物性と選択対象寝具物性格納部4cに格納されている選択対象寝具Mの物性とに基づいて、複数の選択対象寝具Mから、使用者Pの深睡眠率及び熟睡度が高くなる寝具を選択する。
【0148】
タブレット2(身体情報入力部、熟睡度入力部)は、入出力部2aを有している(図3参照)。使用者Pは、入出力部2aを介して、自らの身体情報を入力するとともに、入出力部2aに表示された選択対象寝具Mを確認する。
【0149】
複数の選択対象寝具Mは、物性が各々で異なっている。各々の選択対象寝具には番号が付されており、選択対象寝具物性格納部1iには、選択対象寝具の番号ごとに、その選択対象寝具の物性が格納されている。
【0150】
次に、図8を参照して、寝具選択システムS2が、寝具選択工程で行う処理について説明する。なお、図8は、寝具選択工程で行われる処理を示すフローチャートである。
【0151】
まず、タブレット2が、使用者Pによってタブレット2の入出力部2aに入力された、使用者Pの身体情報をサーバ1に送信する(図8/STEP40)。
【0152】
具体的には、タブレット2の入出力部に、自身の名前、性別、年齢、身長、体重を身体情報として入力する。入力された身体情報は、ネットワークを介して、サーバ4の好適物性認識部4bに送信される。
【0153】
次に、サーバ4の好適物性認識部4bが、受信した身体情報に基づいて、使用者Pの深睡眠率及び熟睡度が高くなる可能性が高い物性を睡眠情報格納部4aから検索し、検索された物性を好適物性として認識する(図8/STEP41)。
【0154】
具体的には、好適物性認識部4bは、受信した身体情報に基づいて、対象部位(すなわち、睡眠時に使用者Pの身体に接する寝具の領域)ごとに、睡眠情報格納部4aに格納されている予め収集された物性、深睡眠率又は熟睡度、及び、身体情報の相関データを参照し、使用者Pの深睡眠率及び熟睡度が高くなる可能性が高い物性を検索する。
【0155】
次に、サーバ4の寝具選択部4dが、認識された好適物性と一致する物性、又は、それに近い物性を選択対象寝具物性格納部4cから検索し、その検索結果に基づいて、複数の選択対象寝具Mから、使用者Pに提案する寝具を選択し、その寝具の情報をタブレット2に送信する(図8/STEP42)。
【0156】
最後に、タブレット2が、好適物性及び選択された寝具を表示する(図8/STEP43)。
【0157】
以上説明したように、寝具選択システムS2では、使用者P個人の身体情報と測定が容易であって睡眠状況に大きく影響する硬度を含む物性とを、寝具及びその物性の選択の際に利用している。したがって、寝具選択システムS2によれば、使用者の身体情報を客観的に睡眠に影響する物性に反映させて寝具を選択できるので、睡眠状況を改善しやすい寝具及びその物性を選択することができる。
【0158】
[その他の実施形態]
以上、図示の実施形態について説明したが、本発明はこのような形態に限られるものではない。
【0159】
例えば、上記実施形態では、サーバ1及びサーバ4の備える処理部において、各種情報の処理を行っている。しかし、情報の処理は、必ずしもサーバで行う必要はない。例えば、一部の処理をタブレットで行う等、適宜処理する端末は変更してもよい。
【0160】
また、上記実施形態では、寝具選択の際に用いる物性に、硬度の他、反発弾性等が含まれている。しかし、寝具が敷布団等の睡眠時に使用者Pの身体の下に位置する寝具である場合には、物性には少なくとも硬度が含まれていればよいので、寝具選択の際に用いる物性から反発弾性を除いてもよい。逆に、寝具選択の際に用いる物性に、上記実施形態で例示した物以外の物性を用いてもよい。
【0161】
また、上記実施形態では、寝具選択の基準として深睡眠率及び熟睡度を用いている。しかし、必ずしもそれらの両方を用いる必要はなく、深睡眠率及び熟睡度のいずれか一方のみを基準といてもよい。
【符号の説明】
【0162】
1,4…サーバ、1a,4a…睡眠情報格納部、1b…テスト用物性認識部、1c…テスト用寝具物性格納部、1d…テスト用寝具選択部、1e…生体情報記録部、1f…深睡眠率算出部、1g…好適寝具認識部、1h,4b…好適物性認識部、1i,4c…選択対象寝具物性格納部、1j,4d…寝具選択部、2…タブレット(身体情報入力部、熟睡度入力部)、2a…入出力部、3…センサ(生体情報測定部)、M…選択対象寝具、P…使用者、S1,S2…寝具選択システム、T…テスト用寝具。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8