【解決手段】コンピュータ装置101は、触覚効果を決定して、触覚効果に関係付けられる触覚信号を送信するように構成されるプロセッサ102と、触覚信号を受信して、少なくとも2つの異なるクラスの触覚効果を出力するように構成される単一の触覚出力装置118を含む。
前記多機能触覚出力装置は、複数の触覚効果のクラスを生成するように構成され、前記複数の触覚効果のクラスは、静電触覚効果、振動触覚効果及び変形触覚効果の少なくとも2つを含む、請求項1に記載のシステム。
前記多機能触覚出力装置は、複数の触覚効果のクラスを生成するように構成され、前記複数の触覚効果のクラスは、静電触覚効果、振動触覚効果及び変形触覚効果の少なくとも2つを含む、請求項9に記載の方法。
前記多機能触覚出力装置は、複数の触覚効果のクラスを生成するように構成され、前記複数の触覚効果のクラスは、静電触覚効果、振動触覚効果及び変形触覚効果の少なくとも2つを含む、請求項15に記載の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【発明を実施するための形態】
【0007】
次に、多様な及び代替的な例示の実施形態及び添付の図面を詳細に参照する。各例示は、限定としてではなく、説明目的で提供される。修正及び変更が行われ得ることは、当業者には明らかであろう。例えば、一実施形態の一部として例示され又は記載された特徴は、更なる実施形態をもたらすために別の実施形態において使用されてもよい。従って、本開示は、添付の請求項及び均等物の範囲に入る修正及び変形を含むことが意図されている。
【0008】
(多機能触覚出力装置の例示)
本開示の1つの例示的な実施形態は、移動装置(例えば、スマートフォン)を含む。移動装置は、タッチスクリーンディスプレイ、メモリ、及びこうした要素の各々と通信するプロセッサを備える。
【0009】
例示の実施形態では、移動装置は、少なくとも1つ多機能触覚出力装置を備える。多機能触覚出力装置は、少なくとも2つの異なるクラスの触覚効果を出力するように構成される単一の触覚出力装置(例えば、単一の触覚アクチュエータ)を含む。本明細書で用いられる場合、触覚効果クラスは、触覚効果を生成するために使用される(複数の)物理原理により区別される1つ以上の触覚効果を含む(例えば、ユーザにより実際に知覚される触覚効果の特徴ではなく)。例えば、触覚効果クラスは、(例えば、触覚効果を生成するために触覚出力装置とユーザとの間の静電相互作用を利用する)静電触覚効果を含んでもよい。別の触覚効果クラスは、(例えば、触覚効果を生成するために機械振動を利用する)振動触覚効果を含んでもよい。更に別の触覚効果クラスは、(例えば、触覚効果を生成するために表面形状を物理的に変化させることを利用する)変形触覚効果を含んでもよい。更に別の触覚効果クラスは、(例えば、ユーザにより接触される表面の温度を変化させることを利用する)温度ベースの触覚効果を含んでもよい。更に別の触覚効果クラスは、(例えば、ユーザの皮膚表面に電流又は電圧を送信することを利用する)電気触知性の触覚効果を含んでもよい。多機能触覚出力装置は、触覚効果のクラスの任意の組み合わせを出力するように構成されてもよい。
【0010】
例示の実施形態では、多機能触覚出力装置は、複数層の材料を備える。例示の実施形態では、複数層の材料は、絶縁層、絶縁層の下に配置される(例えば、下に結合される)第1の電極層、第1の電極層の下に配置されるスマート材料層(例えば、誘電体エラストマー、圧電性材料、及び/又はスマートヒドロジェル)、及びスマート材料層の下に配置される第2の電極層を含む。
【0011】
例示の実施形態では、移動装置は、静電触覚効果、振動触覚効果、変形触覚効果、温度ベースの触覚効果、又は電気触知性の触覚効果を選択的に生成するように多機能触覚出力装置を動作させ得る。例えば、移動装置は、電極層(例えば、第1の電極層、第2の電極層又は両方)に電気信号、例えば、AC信号を送信することによって、多機能触覚出力装置に静電触覚効果を生成させることができる。電気信号は、電極層に電荷を生成してもよい。電荷は、電極層に近い又は接触するオブジェクト(例えば、ユーザの指又はスタイラス)との容量結合を生成してもよい。ユーザは、例えば、知覚される摩擦係数の変化、シミュレートされる振動又はシミュレートされるテクスチャを含む静電触覚効果としてこの容量結合を知覚してもよい。
【0012】
追加的に又は代替的に、移動装置は、第1及び第2の電極層を横断して電圧を加えることによって多機能触覚出力装置に変形触覚効果を生成させることができる。電圧は、例えば、磁界、熱、電界及び/又は別の刺激を第2の電極層に生成させてもよい。刺激は、スマート材料層に形状を変形(例えば、膨張、収縮、曲げ、撓み、及び/又は捻り)させてもよい。スマート材料の変形は、多機能触覚出力装置に関係付けられる表面(例えば、多機能触覚出力装置が結合され得る移動装置の表面)の形状を変形させてもよい。ユーザは、例えば、表面に接触したとき、変形を変形触覚効果として知覚してもよい。
【0013】
追加的に又は代替的に、移動装置は、第1及び第2の電極層を横断して交流電圧を加えることによって多機能触覚出力装置に振動触覚効果を生成させることができる。交流電圧は、例えば、スマート材料の形状を反復して変化させるように構成される1つ又は複数の刺激を第1及び第2の電極層に生成させてもよい。例えば、交流電圧は、スマート材料の厚みを反復して膨張及び収縮させ及び/又は長さを膨張及び収縮させてもよい。スマート材料の反復した変形は、例えば、ユーザが移動装置に接触すると、ユーザにより知覚可能な機械振動を生成してもよい。
【0014】
追加的に又は代替的に、移動装置は、電極層(例えば、第1の電極層及び/又は第2の電極層)に電気信号、例えば、DC信号を送信することによって、多機能触覚出力装置に温度ベースの触覚効果を生成させることができる。電気信号は、電極層に熱を発生させてもよい。ユーザは、この熱を温度ベースの触覚効果として知覚してもよい。
【0015】
追加的に又は代替的に、移動装置は、電極層(例えば、第1の電極層)に電気信号、例えば、AC信号を送信することによって、多機能触覚出力装置に電気触知性の触覚効果を生成させることができる。電極層の一部は、絶縁層を介して少なくとも部分的に突出してもよい。ユーザの皮膚の表面は、絶縁層を介して突出する電極層の一部に物理的に接触すると電気信号を受信してもよい。電気信号は、ユーザの皮膚を刺激して、電気触知性の触覚効果を提供してもよい。
【0016】
従って、移動装置は、少なくとも静電触覚効果、振動触覚効果、温度ベースの触覚効果、電気触知性の触覚効果及び変形触覚効果を含む複数の異なるクラスの触覚効果を単一の触覚出力装置から生成できる。
【0017】
例示の実施形態では、移動装置は、イベントに応じて触覚効果を出力するように構成される。本明細書で使用されるイベントは、関連する触覚効果を含む可能性がある移動装置の動作の間に発生する任意の相互作用、アクション、衝突、又は他のイベントである。一部の実施形態では、イベントは、ユーザ入力(例えば、実際の又は仮想のボタンとの相互作用、ジョイスティックを操作すること、タッチ面と相互作用すること、装置を傾け又は方向付けること、又は装置を折り曲げ、折り畳み、捻り、伸縮させ、又は屈曲させること)、システム状態(例えば、バッテリ低下、メモリ低下、又はシステムが着呼を受信することに基づいて生成される通知等のシステム通知)、送信データ、受信データ、又はプログラムイベントを含んでもよい(例えば、プログラムがゲームであれば、プログラムイベントは爆発、衝突又はゲームオブジェクト間の相互作用、又は新たなレベルに進むことを含んでもよい)。移動装置は、1つ以上のイベントの特徴に基づいて出力する触覚効果のタイプ及び/又はクラスを決定してもよい。
【0018】
例えば、一部の実施形態では、移動装置は、戦争ビデオゲーム等のビデオゲームを実行してもよい。移動装置は、タッチスクリーンディスプレイ上に仮想武器等の仮想オブジェクトを出力してもよい。移動装置は、タッチスクリーンディスプレイを介して仮想オブジェクトとのユーザ相互作用を検出し、それに応じて、例えば、仮想オブジェクトのテクスチャ(例えば、仮想武器のテクスチャ)をシミュレートするように構成される静電触覚効果を出力してもよい。移動装置は、多機能触覚出力装置を介して静電触覚効果を出力してもよい。追加的に又は代替的に、移動装置は、ユーザの仮想キャラクタが負傷したことを検出し、それに応じて、例えば、パルス振動を含む振動触覚効果を出力してもよい。移動装置は、多機能触覚出力装置を介して振動触覚効果を出力してもよい。従って、一部の実施形態では、静電触覚効果及び振動触覚効果は共に同じ触覚出力装置により出力されてもよい。
【0019】
上記の例示の実施形態の説明は、単なる例示であり、本願の主題を限定し又はその限界を定義するものではない。本発明の他の様々な実施形態が本明細書に記載されており、このような実施形態の変形は当業者によって理解されるであろう。本明細書を吟味することによって、及び/又は請求項に記載の主題の1つ以上の実施形態を実施することによって、様々な実施形態によってもたらされる利点が更に理解され得る。
【0020】
(多機能触覚出力装置の例示的なシステム)
図1は、一実施形態による多機能触覚出力装置のためのシステムを示すブロック図である。コンピュータ装置101は、移動装置(例えば、スマートフォン)、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、タブレット、Eリーダ、ゲームコントローラ、ゲームパッド、リモートコントロール、及び/又は携帯型ゲーム装置を含んでもよい。
【0021】
一部の実施形態では、コンピュータ装置101のコンポーネント(例えば、プロセッサ102、ネットワークインターフェース装置110、触覚出力装置118、触覚出力装置120、センサ130等)は単一の筐体に組み込まれてもよい。他の実施形態では、コンポーネントは、(例えば、多数の筐体又は場所の間で)分散され且つ互いと電気通信してもよい。コンピュータ装置101は、
図1に記載の全てのコンポーネントを含んでもよく又は含まなくてもよい。例えば、一部の実施形態では、コンピュータ装置はセンサ130を含まなくてもよい。
【0022】
コンピュータ装置101は、バス106を介して他のハードウェアとインターフェース接続されるプロセッサ102を含む。RAM、ROM又はEEPROM等の任意の適切な有形の(及び非一時的な)コンピュータ可読媒体を含み得るメモリ104が、コンピュータ装置101の動作を構成するプログラムコンポーネントを具現化してもよい。一部の実施形態では、コンピュータ装置101は、1つ以上のネットワークインターフェース装置110、入力/出力(I/O)インターフェースコンポーネント112、及び追加の記憶装置114を更に備えてもよい。
【0023】
ネットワークインターフェース装置110は、ネットワーク接続を容易にする又は電子装置間での通信を容易にする1つ以上の任意のコンポーネントを表し得る。限定されないが、例示には、イーサネット(Ethernet(登録商標))、USB、IEEE1394等の有線インターフェース、及び/又はIEEE802.11、ブルートゥース(Bluetooth(登録商標))、近距離無線通信(NFC)インターフェース等の無線インターフェース、又は携帯電話ネットワークにアクセスするための無線インターフェース(例えば、CDMA、GSM(登録商標)、UMTS又は他の移動通信ネットワーク)が含まれる。
【0024】
I/Oコンポーネント112は、1つ以上のディスプレイ、タッチセンサ面116、キーボード、マウス、スピーカ、マイクロホン、ボタン、及び/又はデータの入力又は出力に使用される他のハードウェア等の装置への接続を容易にするために使用されてもよい。記憶装置114は、読み取り専用メモリ、フラッシュメモリ、強誘電性RAM(F−RAM)、磁気、光学、又はコンピュータ装置101に含まれ若しくはプロセッサ102に結合される他の記憶媒体等の不揮発性記憶装置を表す。
【0025】
コンピュータ装置101は、タッチセンサ面116(例えば、タッチパッド)を含んでもよい。一部の実施形態では、タッチセンサ面116は可撓性が有り又は変形可能である。タッチセンサ面116は、ユーザの触覚入力を感知するように構成される任意の表面を表す。1つ以上のタッチセンサ108は、(例えば、ユーザの指又はスタイラス等のオブジェクトがタッチセンサ面116に接触する場合に)接触領域における接触を検出して、プロセッサ102に接触に関係付けられる信号を送信するように構成される。任意の適切な数、種類、又は配置のタッチセンサ108が使用され得る。例えば、一部の実施形態では、抵抗性及び/又は容量性のセンサが、タッチセンサ面116に組み込まれて、タッチの場所及び圧力、速さ、方向及び/又はユーザの指のタッチセンサ面116への近接性等の他の情報を決定するために使用されてもよい。
【0026】
一部の実施形態では、コンピュータ装置101は、装置のタッチセンサ面116及びディスプレイを組み合わせたタッチ可能ディスプレイを含んでもよい。タッチセンサ面116は、ディスプレイ外部又はディスプレイのコンポーネント上の1つ以上の材料層に対応してもよい。他の実施形態では、コンピュータ装置101の特定の構成によっては、タッチセンサ面116はディスプレイを含まなくてもよい(さもなければ、ディスプレイに対応しなくてもよい)。
【0027】
一部の実施形態では、コンピュータ装置101は1つ以上のセンサ130を備える。(複数の)センサ130は、プロセッサ102にセンサ信号を送信するように構成される。(複数の)センサ130は、例えば、圧力センサ、(例えば、接触の圧力の量及び/又は表面積を検出するように構成される)接触センサ、湿度センサ、周辺光センサ、ジャイロスコープ、GPS装置、加速度計、距離センサ、深度センサ、バイオセンサ、カメラ、及び/又は温度センサを含んでもよい。
【0028】
一部の実施形態では、コンピュータ装置101は、センサ130からのセンサ信号に少なくとも部分的に基づいて1つ以上の触覚効果を出力する。例えば、一部の実施形態では、コンピュータ装置101は、健康及び/又はフィットネスアプリケーションを実行してもよい。このような実施形態では、コンピュータ装置101は、ユーザが運動している間に(例えば、バイオセンサを介して)ユーザの心拍を決定し、例えば、多機能触覚出力装置120を介して関連触覚効果を出力してもよい。例えば、コンピュータ装置101は、ユーザの心拍が健康レベルに有る場合、多機能触覚出力装置120を介して中程度の強度の振動を出力してもよい。ユーザは、振動を知覚して、運動速度(例えば、カーディオ自転車のペダルを漕ぐ又はウェイトを持ち上げる速さ)を維持してもよい。コンピュータ装置101は、ユーザの心拍が危険レベルに接近している場合、多機能触覚出力装置120を介して突き刺すような感覚(例えば、電気触知性の触覚効果)を出力してもよい。ユーザは、振動を知覚して、例えば、ユーザの心拍を低減するために適切なアクションを取ってもよい。
【0029】
コンピュータ装置101は、プロセッサ102と通信する1つ以上の触覚出力装置(例えば、触覚アクチュエータ)を備える。1つ以上の触覚出力装置は、触覚信号に応じて触覚効果を出力するように構成される少なくとも1つ多機能触覚出力装置120を含む。多機能触覚出力装置は、少なくとも2つの異なるクラスの触覚効果を選択的に出力するように構成されてもよい。例えば、多機能触覚出力装置120は、静電触覚効果(例えば、シミュレートされるテクスチャ及び/又は知覚される摩擦係数の変化)、振動触覚効果(例えば、振動)、変形触覚効果(例えば、多機能触覚出力装置120に関係付けられる表面を変形させるように構成される触覚効果)、又はこれらの任意の組み合わせを出力するように構成されてもよい。
【0030】
一部の実施形態では、多機能触覚出力装置120は、コンピュータ装置101の筐体の一部であり又はコンピュータ装置101の内部に有ってもよい。他の実施形態では、多機能触覚出力装置120の少なくとも一部は、コンピュータ装置101に関係付けられる表面(例えば、コンピュータ装置101の前、側部又は背後)をオーバレイしてもよい。例えば、多機能触覚出力装置120は、タッチセンサ面116をオーバレイする複数の可撓性の及び/又は実質的に透明の層を備えてもよい。多機能触覚出力装置120は、タッチセンサ面116とのユーザ相互作用に応じてユーザにより知覚可能な1つ以上の触覚効果を生成してもよい。
【0031】
一部の実施形態では、多機能触覚出力装置120は、コンピュータ装置101の外部に有り、(例えば、イーサネット、USB、IEEE1394等の有線インターフェース、及び/又はIEEE802.11、ブルートゥース、又はラジオインターフェース等の無線インターフェースを介して)コンピュータ装置101と通信してもよい。例えば、多機能触覚出力装置120は、遠隔ユーザインターフェース装置(例えば、無線ジョイスティック及び/又はゲームパッド)に関係付けられ(例えば、結合され)、プロセッサ102からの触覚信号に応じて触覚効果を出力するように構成されてもよい。一部の実施形態では、多機能触覚出力装置120は、装着可能装置(例えば、指輪、ブレスレット、腕時計、袖、カラー、帽子、シャツ、手袋及び/又はメガネ)に関係付けられ、及び/又はユーザの体に結合され、プロセッサ102からの触覚信号に応じて触覚効果を出力するように構成される。
【0032】
コンピュータ装置101は、複数の触覚出力装置を備えてもよい。例えば、コンピュータ装置101は、少なくとも2つの多機能触覚出力装置120を備えてもよい。一部の実施形態では、複数の触覚出力装置は互いに異なっている。例えば、コンピュータ装置101は、多機能触覚出力装置120及び別のタイプの触覚出力装置118、例えば、圧電アクチュエータ、電気モータ、電磁アクチュエータ、音声コイル、形状記憶合金、電気活性ポリマー、ソレノイド、偏心回転質量モータ (ERM)又は線形共振アクチュエータ(LRA)を備えてもよい。一部の実施形態では、コンピュータ装置101は、1つ以上の触覚効果を生成するために同じ又は異なるタイプの複数の触覚出力装置を順番に及び/又は同時に作動させてもよい。
【0033】
メモリ104に関しては、例示のプログラムコンポーネント124、126及び128は、多機能触覚出力装置を与えるために一部の実施形態では、装置がどのように構成され得るかを示すように描かれている。この例示では、検出モジュール124が、タッチの位置を決定するためにタッチセンサ108を介してタッチセンサ面116を監視するようにプロセッサ102を構成する。例えば、検出モジュール124は、タッチの存在又は不存在を追跡して、タッチが存在する場合、場所、経路、速度、加速度、圧力及び/又は経時的なタッチの他の特性を追跡するためにセンサ108をサンプリングしてもよい。
【0034】
触覚効果決定モジュール126は、生成すべき触覚効果を選択するためにデータを分析するプログラムコンポーネントを表す。特に、触覚効果決定モジュール126は、ユーザに出力する触覚効果を決定するコードを含んでもよい。更に、触覚効果決定モジュール126は、触覚効果を生成するために、提供する1つ以上の触覚効果、及び/又は作動させる1つ以上の触覚出力装置118、120を選択するコードを含んでもよい。
【0035】
一部の実施形態では、触覚効果決定モジュール126は、タッチセンサ面116との相互作用に基づいて、出力すべき触覚効果を決定するコード、及び効果を出力するために提供すべき1つ以上の触覚効果を選択するコードを含んでもよい。例えば、コンピュータ装置101は、ビデオゲームを実行してもよい。コンピュータ装置101は、(例えば、タッチセンサ面116を含む)タッチスクリーンディスプレイ上でビデオゲームに関係付けられる仮想オブジェクトを出力してもよい。一部の実施形態では、コンピュータ装置101は、タッチスクリーンディスプレイ上に出力される仮想オブジェクトとのユーザ相互作用(例えば、タッチセンサ面116上でタップ又は2本指のピンチ操作等のジェスチャを行うこと)を検出してもよい。ユーザ相互作用の場所及び/又は仮想オブジェクトの特徴(例えば、テクスチャ、サイズ、色等)に基づいて、触覚効果決定モジュール126は生成する触覚効果を選択してもよい。例えば、仮想オブジェクトがゴム質のテクスチャを含む場合、触覚効果決定モジュール126は、例えば、ゴム質のテクスチャをシミュレートするように構成される知覚される摩擦係数の増加を含む触覚効果を決定してもよい。
【0036】
一部の実施形態では、触覚効果決定モジュール126は、他の種類のイベントに基づいて触覚効果を決定してもよい。例えば、触覚効果決定モジュール126は、例えば、バッテリ低下状態等のシステム状態に基づいて触覚効果を決定してもよい。このような実施形態では、触覚効果決定モジュール126は、例えば、ユーザがコンピュータ装置101を充電する必要が有ることをユーザに示すように構成される一連の振動を含む触覚効果を決定してもよい。一部の実施形態では、触覚効果の特徴は、システム状態の特徴に依存してもよい。例えば、振動の振幅は、バッテリ寿命の残量に反比例してもよい。ユーザは、振動を知覚して、振動の振幅に基づいてコンピュータ装置101がどのくらいバッテリ寿命を有しているかを決定することができる。
【0037】
一部の実施形態では、触覚効果決定モジュール126は、ユーザに情報を提供するように構成される触覚効果を決定してもよい。例えば、触覚効果決定モジュール126は、一連のパルス振動等を含む触覚効果を決定してもよい。触覚効果は、例えば、ユーザが不在電話着信、テキストメッセージ、Eメール、インスタントメッセージ、及び/又は他の通信を有していることをユーザに示すように構成されてもよい。
【0038】
一部の実施形態では、触覚効果決定モジュール126は、プログラムイベント(例えば、エラー通知)に基づいて触覚効果を決定してもよい。一部の実施形態では、触覚効果の特徴は、プログラムイベントの特徴に依存してもよい(例えば、触覚効果の種類はエラーの種類に基づいてもよい)。例えば、プログラムイベントがプログラム障害を含む場合、触覚効果決定モジュール126は3つの振動パルス等を含む関連触覚効果を決定してもよい。一部の実施形態では、ユーザは、触覚効果を知覚して、触覚効果の特徴に基づいて、プログラムイベント(例えば、プログラム障害)が発生したことを決定してもよい。
【0039】
触覚効果生成モジュール128は、選択された触覚効果を生成するためにプロセッサ102に触覚信号を生成して(複数の)触覚出力装置118、120へと送信させるプログラミングを表す。選択された触覚効果は、静電触覚効果、振動触覚効果、変形触覚効果、及び/又は別のクラスの触覚効果を含んでもよい。
【0040】
一部の実施形態では、触覚効果生成モジュール128は、選択された触覚効果を生成するために、記憶された波形又はコマンドにアクセスして、(複数の)触覚出力装置118、120に送信してもよい。例えば、触覚効果生成モジュール128は、ルックアップテーブルにアクセスして、特定の触覚効果クラスに関係付けられる特定の触覚効果を生成するために多機能触覚出力装置120に送信する波形を決定してもよい。一部の実施形態では、触覚効果生成モジュール128は、触覚効果のための触覚信号及び/又は目標座標を決定するために使用可能なアルゴリズムを含む。こうした目標座標は、例えば、タッチセンサ面116上の又は触覚効果を出力するコンピュータ装置101の表面(例えば、テクスチャ)上の場所を含んでもよい。
【0041】
図2は、多機能触覚出力装置のためのシステムの実施形態を示す。システムは、コンピュータ装置200(例えば、コンピュータ装置200の筐体)を含む。コンピュータ装置200は多機能触覚出力装置202を含む。一部の実施形態では、触覚出力装置202は、ユーザインターフェースコンポーネント(例えば、ジョイスティック、ボタン、タッチセンサ面、タッチスクリーンディスプレイ、ノブ、及び/又はスライダ)に結合されてもよい。例えば、触覚出力装置202は、タッチスクリーンディスプレイの上に配置され(例えば、オーバレイされ)又は下に配置されてもよい。
【0042】
触覚出力装置202は、複数の材料の層を備えてもよい。
図2に示される実施形態では、触覚出力装置202は絶縁層204を備える。絶縁層204は、ガラス、プラスチック、酸化アルミニウム(Al2O3)、窒化ケイ素(Si3N4)、無機材料、及び/又はポリマー等の任意の適切な絶縁材料を含んでもよい。一部の実施形態では、絶縁材料は、有機材料(例えば、ポリフッ化ビニリデン系ポリマー、マイラ、及び/又はポリアミド)、及び/又は無機材料(例えば、二酸化ケイ素)を含んでもよい。絶縁層204は、ユーザに触覚出力装置202の1つ以上の他の層(例えば、電極層206)により提供される触覚効果を知覚させるのに十分に柔軟であり及び/又は薄くてもよい。
【0043】
一部の実施形態では、触覚出力装置202は電極層206を含む。電極層206は、任意の適切な半導体又は銅、アルミニウム、金又は銀等の他の導電性材料を含んでもよい。電極層206は、絶縁層204の下に配置され及び/又は絶縁層204に結合されてもよい。
【0044】
一部の実施形態では、触覚出力装置202はスマート材料層208を含む。スマート材料層208は、誘電体エラストマー、圧電性材料(例えば、PVDFポリマー、P(VDF−TrFE)共重合体、及び/又はP(VDF−TrFE−CFE)ターポリマー等のポリフッ化ビニリデン系材料、及び/又はチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等の圧電セラミック材料、スマートヒドロジェル(例えば、イオン系及び可塑化ポリ塩化ビニル(PVC))、形状記憶合金(例えば、磁気形状記憶合金)、及び/又は形状記憶ポリマー等の任意の適切なスマート材料を含んでもよい。一部の実施形態では、スマート材料は、カーボンナノチューブ、グラフェン、グラファイト、ヒドロジェル、及び/又は液晶エラストマーを含んでもよい。スマート材料層208は、電極層206の下に配置され及び/又は電極層206に結合されてもよい。
【0045】
一部の実施形態では、スマート材料層208は、混合溶液を生成するために溶媒にポリマーを溶かすことによって作られ得る。モールドが溶液に浸され得る。溶液及び/又はモールドの特性によって、ポリマーはモールドの周囲に、例えば、モールドの形状にフィルムを形成してもよい。次に、モールドは溶液から引き出されてもよい。一部の実施形態では、フィルムは、乾燥させられてもよく、及び/又は熱アニール処理されてもよい。一部の実施形態では、フィルムを通して高DC電圧を印加することによってフィルムに極性が誘導されてもよい。フィルムは、モールドから取り除かれ、スマート材料層208として使用可能であってもよい。一部の実施形態では、スマート材料層208は、固体状態で処理されてもよい。例えば、スマート材料層208のポリマーフィルムは、所望の厚みに一軸延伸及び/又は二軸延伸されてもよい。以下でより詳細に検討されるように、一部の実施形態では、1つ以上の電極層206、210が、触覚出力装置202の少なくとも一部を形成するために(スマート材料層208の作成に続いて)スマート材料層208の1つ以上の表面に配置されてもよい。
【0046】
一部の実施形態では、触覚出力装置202は低電極層210を含む。低電極層210は、任意の適切な半導体又は銅、アルミニウム、金又は銀等の他の導電性材料を含んでもよい。低電極層210は、スマート材料層208の下に配置され及び/又はスマート材料層208に結合されてもよい。
【0047】
一部の実施形態では、片方又は両方の電極層206、210は、例えば、印刷又はスパッタリング技術を使用して、スマート材料層208の表面に適用及び/又は結合されてもよい。例えば、電極層206は、液体導体を使用してスマート材料の上面に印刷されてもよい。従って、このような実施形態では、触覚出力装置202の作成は、スマート材料層208を取得又は作成することで開始してもよい。その後、電極層206、210は、(例えば、先に検討された任意の技術を使用して)スマート材料層208の表面に適用されてもよい。絶縁層204は、例えば、触覚出力装置202を完成するために電極層206の上に配置されて結合されてもよい。
【0048】
一部の実施形態では、触覚出力装置202は(例えば、スマート材料層208ではなく)スペーサ層を含む。スペーサ層は、電極層206と低電極層210との間に配置され得る。例えば、触覚出力装置202は、電極層206と低電極層210との間に配置される複数のスペーサを備えてもよい。一部の例では、スペーサ層は、絶縁層204に関して先に検討された任意の絶縁体等の絶縁体を含み得る。
【0049】
コンピュータ装置200は、静電触覚効果、振動触覚効果、及び/又は変形触覚効果を選択的に触覚出力装置202に生成させることができる。例えば、コンピュータ装置200は、第1の電気信号、例えば、AC信号を電極層206に送信することによって、静電触覚効果を触覚出力装置202に生成させることができる。コンピュータ装置200は、第1の電気信号と同じ電圧を含む第2の電気信号を低電極層210に送信し、低電極層210を電気接地に結合し、又は低電極層210を電気的にフローティングのままにしてもよい。代替的に、コンピュータ装置200は、第1の電気信号を低電極210に及び第2の電気信号を電極層206に送信し、電極層206を電気接地に結合し、又は電極層206を電気的にフローティングさせておいてもよい。何れの場合も、このような構成は、電極層206、210を通して電位差を生じなくてもよい。第1の電気信号は、第1の電気信号を受信した電極層206、208を、ユーザが静電触覚効果を知覚し得るユーザの体の一部と容量結合させてもよい。
【0050】
一部の実施形態では、静電触覚効果は、「動的ESF効果」を含んでもよい。動的ESF効果は、ユーザの体の一部(例えば、指)が触覚出力装置202に関係付けられる表面に対して移動すると、ユーザに知覚可能な静電触覚効果を含んでもよい。例えば、動的ESF効果は、ユーザが絶縁層204の表面に沿って破線矢印の方向に指をスライドさせるときにユーザに知覚可能であってもよい。別の例示として、動的ESF効果は、コンピュータ装置200がユーザの体に対して移動すると(例えば、ユーザが静止している間に)ユーザに知覚可能であってもよい。一部の実施形態では、動的ESF触覚効果は、知覚される摩擦係数の変化、シミュレートされるテクスチャ、及び/又はシミュレートされる振動を含んでもよい。例えば、コンピュータ装置200は、1つ以上の仮想ユーザインターフェースコンポーネント(例えば、ボタン、スライダ、ノブ等)を含むグラフィカルユーザインターフェース(GUI)をタッチスクリーンディスプレイ上に出力してもよい。例えば、GUIは仮想ボタンを含んでもよい。ユーザインターフェースのコンポーネントは、プラスチックテクスチャ等の仮想テクスチャを含んでもよい。一部の実施形態では、コンピュータ装置200は、ユーザインターフェースコンポーネントに関係付けられるタッチスクリーンディスプレイ上の場所をユーザが指でスライドすることに応じて触覚効果を出力してもよい。触覚効果は、例えば、プラスチックテクスチャをシミュレートするように構成される動的ESF効果を含んでもよい。
【0051】
一部の実施形態では、静電触覚効果は、静的ESF効果を含む。静的ESF効果は、ユーザが触覚出力装置202に関係付けられる表面を横切って又は垂直に体の一部を動かさなくてもユーザに知覚可能な静電触覚効果を含んでもよい。それどころか、ユーザは、表面との(例えば、把持又は保持による)連続的な接触を維持して、触覚効果を知覚してもよい。更に、ユーザは、静的ESF効果を知覚するために表面に接触する必要が全く無くてもよい。例えば、上記のGUIの実施形態では、コンピュータ装置200は、タッチスクリーンディスプレイ上で及びユーザインターフェースコンポーネント上でユーザが指をホバーすることに応じて触覚効果を出力してもよい。触覚効果は、例えば、有効化されたボタン又は無効化されたボタン上にユーザが接近している及び/又はホバーしていることをユーザに通知するように構成される静的ESF効果を含んでもよい。
【0052】
一部の実施形態では、コンピュータ装置200は、変形触覚効果及び/又は振動触覚効果を触覚出力装置202に生成させることができる。例えば、コンピュータ装置200は、片方又は両方の電極層206、210に電圧を印加することによって変形触覚効果及び/又は振動触覚効果を触覚出力装置202に生成させてもよい。例えば、コンピュータ装置200は、低電極層210に電圧を送信して、他方の電極層206を電気接地に電気的に結合してもよい。これは、ユーザが、例えば、電圧によって低電極層210に蓄積された電荷から、(所望の触覚効果の感覚を損ない得る)残留静電引力を感じることを防ぎ得る。電圧は電極層206、210にスマート材料層208を刺激させ、それによって変形触覚効果及び/又は振動触覚効果を生成してもよい。
【0053】
例えば、上記のGUIの実施形態において、コンピュータ装置200は、ユーザが仮想ユーザインターフェースコンポーネントに接触することに応じて振動触覚効果(例えば、短い振動)を出力してもよい。触覚効果は、例えば、コンピュータ装置200がユーザ入力を検出したことをユーザに確認してもよい。別の例示として、コンピュータ装置200がユーザインターフェースコンポーネントに関係付けられる特定の機能(例えば、ファイルを開くこと、音量を上げる又は下げること、ファイルを保存すること等)を実行することに応じて、コンピュータ装置200は別の触覚効果を出力してもよい。例えば、コンピュータ装置200は、触覚出力装置202に関係付けられる表面(例えば、タッチスクリーンディスプレイの表面)を撓ませ、曲げ及び/又は他のやり方で変形するように構成される変形触覚効果を出力してもよい。一部の実施形態では、触覚効果は、例えば、機能が行われたことをユーザに通知するように構成される。これは、例えば、ユーザがコンピュータ装置200から少し離れて立っている場合に、機能が行われたかどうかをユーザが視覚的に決定することを可能にし得る。従って、移動装置は、単一の触覚出力装置202から複数の異なる種類及び/又はクラスの触覚効果を生成することができる。
【0054】
一部の実施形態では、触覚出力装置202は、入力装置として使用されるように構成される。例えば、スマート材料層208は、圧電性材料等のトランスデューサを含んでもよい。スマート材料層308は、ユーザが触覚出力装置202を物理的に操作(例えば、接触する及び/又は曲げる)すること(例えば、ユーザが触覚出力装置202に結合されるタッチスクリーンディスプレイ等の表面を操作すること)に応じて電気信号を生成して、電気信号をコンピュータ装置200に送信してもよい。一部の実施形態では、コンピュータ装置200は、電気信号に基づいてユーザ入力を決定してもよい。一部の実施形態では、コンピュータ装置200は、ユーザ入力を受信するのと同時に触覚出力装置202を介してユーザに触覚効果を提供してもよい。例えば、コンピュータ装置200は、スマート材料層208を介してユーザ入力を受信する期間の少なくとも一部の間に、電極層206を介して静電ベースの触覚効果を出力してもよい。
【0055】
別の例示として、一部の実施形態では、1つ以上の電極206、210は、ユーザ入力を検出するように構成される容量センサとして使用可能であってもよい。例えば、コンピュータ装置200は、1つ以上の電気信号を電極206、210に送信してもよい。それに応じて、電極206、210は、1つ以上の静電界を生成してもよい。コンピュータ装置200は、(複数の)静電界の特徴の変化を監視し、それに応じて、ユーザ入力が発生したことを決定してもよい。一部の実施形態では、コンピュータ装置200は、ユーザ入力を検出するのと同時に触覚出力装置202を介してユーザに触覚効果を提供してもよい。例えば、コンピュータ装置200は、電極206、210を介してユーザ入力を受信するのと同時にスマート材料層208を介して変形ベースの触覚効果を出力してもよい。
【0056】
一部の実施形態では、触覚出力装置202は低電極層210を含まなくてもよい。このような実施形態では、コンピュータ装置200は、例えば、先に検討された任意の方法を使用して、触覚出力装置202に静電触覚効果を提供させることができる。更に、このような実施形態では、コンピュータ装置200は、他のタイプ及び/又はクラスの触覚効果を生成するために電気信号を電極層206に送信してもよい。電極層206は、電気信号に応じて、熱、磁界及び/又は別の刺激を生成してもよい。刺激は、スマート材料層208の形状を振動及び/又は変形させてもよい。ユーザは、この振動及び/又は変形を触覚効果として知覚してもよい。
【0057】
触覚出力装置202は、追加の層212、214を備えてもよい。層212、214は、スマート材料層、絶縁層(例えば、スペーサ層)及び/又は電極層を含んでもよい。例えば、触覚出力装置202は、別のスマート材料層212及び/又は電極層214を備えてもよい。一部の実施形態では、触覚出力装置202は、低電極層210の下に配置される第2のスマート材料層212を備える。触覚出力装置202は、第2のスマート材料層212の下に配置される第3の電極層214を備えてもよい。このような実施形態では、電気信号を電極層206に送信することによって、静電ベースの触覚効果、温度ベースの触覚効果、及び/又は電気触知性の触覚効果を出力してもよい。コンピュータ装置200は、追加的に又は代替的に、電極層206及び低電極層210に電気信号を送信することによって振動を出力してもよい。電気信号は、スマート材料層208を反復して変形させ、それによって振動を生成することができる刺激を生成してもよい。コンピュータ装置200は、追加的に又は代替的に、低電極層210及び第3の電極層214に電気信号を送信することによって変形ベースの触覚効果を出力してもよい。電気信号は、スマート材料層212を変形させ、それによって変形触覚効果を生成することができる刺激を生成してもよい。従って、一部の実施形態では、コンピュータ装置200は、静電触覚効果、温度ベースの触覚効果、電気触知性の触覚効果、振動、及び変形ベースの触覚効果の2つ以上を同時に生成することができる。
【0058】
絶縁層204、電極層206、スマート材料層208及び低電極層210の他の配置も可能である。例えば、一部の実施形態では、低電極層210は、(例えば、スマート材料層208の下ではなく)スマート材料層208内に配置され及び/又は埋め込まれてもよい。
【0059】
一部の実施形態では、触覚出力装置202は、変形可能(例えば、屈曲可能、折り畳み可能、折り曲げ可能、捻り可能、絞り可能、伸縮可能、丸め可能、及び/又はそれ以外に変形可能)である。例えば、触覚出力装置202は、可撓性があり、曲げ可能であり、又は他のやり方で変形可能である1つ以上の層204、206、208、210、212、214を備えてもよい。一部の実施形態では、触覚出力装置202は、曲げ、撓み、振動、変形、及び/又は他のやり方で触覚効果を触覚出力装置202に提供させるために可撓性フレームに収容されてもよい。
【0060】
一部の実施形態では、触覚出力装置202は、変形装置に結合される。変形可能装置は、変形可能な表面及び/又はコンピュータ装置200(例えば、携帯電話)を含んでもよい。このような実施形態では、変形可能装置が変形すると、触覚出力装置202も変形させられてもよい。例えば、ユーザは、例えば、変形可能装置に入力を提供するために変形可能装置と相互作用してもよい(例えば、曲げ、撓み、伸縮、及び/又は捻り)。また、ユーザ相互作用は、触覚出力装置200を変形させてもよい。一部の実施形態では、触覚出力装置202は、変形可能装置が変形状態(例えば、曲げ又は撓み状態)に有る間、触覚効果を出力するように構成される。
【0061】
図3は、多機能触覚出力装置のためのシステムの別の実施形態を示す。
図3に示される実施形態では、触覚出力装置301は絶縁層302及び電極層304を備える。一部の実施形態では、絶縁層302はスマート材料を含んでもよい(例えば、
図2の絶縁層204及びスマート材料層208は1つの層に結合されてもよい)。電極層304は、例えば、先に検討されたように構成されてもよい。コンピュータ装置300は、例えば、
図2に関して検討された任意の方法を使用して、静電触覚効果、変形触覚効果、振動触覚効果を触覚出力装置301に生成させてもよい。
【0062】
例えば、コンピュータ装置300は、スケートボードのビデオゲーム等のビデオゲームを実行してもよい。ビデオゲームは、タッチスクリーンディスプレイを介して、例えば、スケートボードに乗って道路を進む仮想キャラクタを出力してもよい。仮想キャラクタは、ユーザにより制御可能であってもよい。一部の実施形態では、コンピュータ装置300は、仮想キャラクタが仮想スケートボードから落ちること又は他のやり方で道路上の仮想オブジェクトに衝突することに応じて、触覚出力装置301に振動を生成させてもよい。コンピュータ装置300は、電気信号を電極層304に送信することによって触覚出力装置301に振動を生成させてもよい。電気信号は、電極層304に静電界を生成させてもよく、これは(例えば、絶縁層302の)スマート材料の形状を反復的に変形させ得る。これは、(例えば、コンピュータ装置300において)ユーザにより知覚可能な機械振動を生成してもよい。
【0063】
(多機能触覚出力装置の例示的な方法)
図4は、一実施形態による多機能触覚出力装置を提供するための方法を実行するステップのフローチャートである。一部の実施形態では、
図4のステップは、例えば、汎用コンピュータ、移動装置又はサーバにおけるプロセッサによって実行されるプログラムコードで実装されてもよい。一部の実施形態では、こうしたステップは一群のプロセッサによって実装されてもよい。一部の実施形態では、
図4に示される1つ以上のステップは省略され又は異なる順番で行われてもよい。同様に、一部の実施形態では、
図4に示されない追加のステップが実行されてもよい。以下のステップは
図1に示されたコンピュータ装置101に関して記載されたコンポーネントを参照して記載される。
【0064】
簡潔のため、以下のステップは、ビデオ観察アプリケーション(例えば、ビデオプレーヤ)を参照して記載される。しかし、以下のステップはこのような実施形態に限定されず、ステップの任意の組み合わせが他のタイプのアプリケーション及び/又は装置を介して実装され得る。
【0065】
方法400は、ステップ402で開始して、プロセッサ102はセンサからセンサ信号を受信する。例えば、プロセッサ102は、ビデオ観察アプリケーションを実行してもよい。ユーザは、タッチセンサ面116を介してビデオ観察アプリケーションの仮想ユーザインターフェースコンポーネントと相互作用してもよい(タップ、ジェスチャ、スワイプ、又は2本指のピンチ操作)。一部の実施形態では、ユーザは、デジタル映画又は他のメディアファイルを再生するために仮想再生ボタンと相互作用してもよい。プロセッサ102は、ユーザ相互作用に関係付けられるタッチセンサ面116から(例えば、タッチセンサ108を介して)センサ信号を受信してもよい。センサ信号は、例えば、ユーザ相互作用に関係付けられる場所、速さ、及び/又は圧力の量を含んでもよい。例えば、センサ信号は、ユーザがビデオ観察アプリケーションのユーザインターフェースコンポーネントと相互作用した圧力の量を含んでもよい。
【0066】
一部の実施形態では、コンピュータ装置101は変形可能であってもよい。ユーザは、例えば、コンピュータ装置101を撓ませる、曲げる、折る、捻る、伸縮させる、丸める又は他のやり方で変形させることによって、コンピュータ装置101に情報を入力することが可能であってもよい。例えば、プロセッサ102は、ビデオ観察アプリケーションを介してビデオを再生等するために、ユーザがある方向にコンピュータ装置101を曲げることに関係付けられるセンサ信号をセンサ130(例えば、カメラ、歪みゲージ、容量性センサ等)を受信してもよい。プロセッサ102は、例えば、ビデオ観察アプリケーションで再生しているビデオを停止又は中断するために、ユーザがコンピュータ装置101を別の方向に曲げることに関係付けられるセンサ信号を受信してもよい。プロセッサ102は、例えば、ビデオ観察アプリケーションからビデオを消去するために、ユーザがコンピュータ装置101を捻ることに関係付けられるセンサ信号を受信してもよい。
【0067】
方法400はステップ404に進み、プロセッサ102はセンサ信号に少なくとも部分的に基づいてユーザ相互作用の特徴(例えば、タイプ、持続時間及び/又は場所)を決定する。例えば、プロセッサ102は、センサ信号に基づいて、ビデオ観察アプリケーションのユーザインターフェースコンポーネントと相互作用するためにユーザがタッチセンサ面116に接触した力の量(例えば、圧力)を決定してもよい。別の例示として、プロセッサ102は、ユーザインターフェースコンポーネントとのユーザ相互作用に関係付けられる(例えば、ユーザの指とタッチセンサ面116との間の)接触の表面積を決定してもよい。
【0068】
一部の実施形態では、プロセッサ102は、特徴を決定するために1つ以上のルックアップテーブル又はアルゴリズムを使用してもよい。例えば、プロセッサ102は、特定のユーザ相互作用をセンサ信号(により伝達される波形、振幅、周波数、持続時間及び/又はデータ)の1つ以上の特徴にマッピングしてもよい。特定の例として、プロセッサ102は、センサ信号の特徴に基づいて、(ビデオ観察アプリケーションと相互作用するために)コンピュータ装置101を特定の方向に撓ませる等、特定のユーザ相互作用を識別するためにルックアップテーブルを使用してもよい。
【0069】
方法400はステップ406に進み、プロセッサ102は1つ以上の触覚効果を決定する。一部の実施形態では、プロセッサ102は、ユーザ相互作用に少なくとも部分的に基づいて触覚効果を決定する。例えば、プロセッサ102は、ユーザインターフェースコンポーネントとのユーザ相互作用のタイプ、場所、力、接触領域、表面積、持続時間、及び/又は他の特徴に基づいて触覚効果を決定してもよい。一部の実施形態では、プロセッサ102は、特定のタイプのユーザ相互作用を特定の触覚効果にマッピングするためにメモリ104に記憶されたルックアップテーブルにアクセスしてもよい。例えば、プロセッサ102は、再生ボタン上のタップをルックアップテーブルを介して対応する触覚効果(例えば、振動)にマッピングしてもよい。
【0070】
一部の実施形態では、プロセッサ102は、ユーザに対する触覚効果の知覚可能な強度に基づいて触覚効果を決定する。例えば、一部の実施形態では、プロセッサ102は、ユーザがビデオ観察アプリケーションのユーザインターフェースコンポーネントと相互作用するためにコンピュータ装置101に接触することを検出してもよい。プロセッサ102は、あるクラスの触覚効果が、別のクラスの触覚効果よりも強いとユーザにより知覚され得るので、出力されるべきであることを決定してもよい。例えば、プロセッサ102は、ユーザがコンピュータ装置101にどのように接触しているか又は握っているかによって、静電触覚効果及び/又は変形触覚効果よりも強いとユーザにより知覚され得るので、振動触覚効果が出力されるべきであることを決定してもよい。
【0071】
一部の実施形態では、ユーザは、圧力の量を増加させてユーザがコンピュータ装置101の表面(例えば、触覚出力装置120の絶縁層)に接触するときに弱い及び/又は低品質の静電触覚効果を知覚してもよい。従って、一部の実施形態では、プロセッサ102は、圧力の量が閾値を超えるのに応じて、振動触覚効果及び/又は変形触覚効果を決定してもよい。これは、コンピュータ装置101が一貫して高品質の触覚効果を生成することを可能にし得る。
【0072】
例えば、プロセッサ102は、ユーザがビデオ観察アプリケーションのユーザインターフェースコンポーネントと相互作用することに応じて、静電触覚効果を決定してもよい。プロセッサ102は、静電触覚効果を出力させてもよい。一部の実施形態では、プロセッサ102は、ユーザ相互作用に関係付けられる圧力の量が閾値を超えるのに応じて、静電触覚効果を振動触覚効果及び/又は変形触覚効果に変化させてもよい。プロセッサ102は、例えば、静電触覚効果の出力を停止して、振動触覚効果及び/又は変形触覚効果を出力させてもよい。これは、ユーザがユーザインターフェースコンポーネントと相互作用するときに、ユーザが高品質の触覚効果を一貫して受け取ることを可能にし得る。
【0073】
一部の実施形態では、ユーザとコンピュータ装置101の表面(例えば、触覚出力装置120の絶縁層)との間の接触の表面積が閾値を超える場合に、ユーザは弱い及び/又は低品質の静電触覚効果を知覚してもよい。例えば、ユーザは、接触の表面積が触覚出力装置120の電極の表面積を(例えば、完全に)覆う場合に静電触覚効果を弱いと知覚してもよい。従って、一部の実施形態では、プロセッサ102は、接触の表面積が閾値を超えるのに応じて、振動触覚効果及び/又は変形触覚効果を決定してもよい。これは、コンピュータ装置101が一貫して高品質の触覚効果を生成することを可能にし得る。
【0074】
例えば、プロセッサ102は、ユーザがビデオ観察アプリケーションのユーザインターフェースコンポーネントに接触することに応じて、静電触覚効果を決定してもよい。プロセッサ102は、静電触覚効果を出力させてもよい。一部の実施形態では、プロセッサ102は、接触の表面積が閾値を超えるのに応じて、静電触覚効果を振動触覚効果及び/又は変形触覚効果に変化させてもよい。プロセッサ102は、例えば、静電触覚効果の出力を停止して、振動触覚効果及び/又は変形触覚効果を出力させてもよい。これは、ユーザがユーザインターフェースコンポーネントと相互作用するときに、ユーザが高品質の触覚効果を一貫して受け取ることを可能にし得る。
【0075】
一部の実施形態では、プロセッサ102は、ユーザの体の一部の位置に基づいて触覚効果を決定する。例えば、一部の実施形態では、プロセッサ102は、ユーザが物理的にコンピュータ装置101に接触していないことを示すセンサ信号を(例えば、カメラから)受信してもよい。例えば、ユーザは、タッチセンサ面16の上で及びビデオ観察アプリケーションのユーザインターフェースコンポーネントの場所の上で指をホバーしてもよい。このような実施形態では、プロセッサ102は、例えば、ユーザとコンピュータ装置101との接触の欠如にも関わらず、ユーザに知覚可能なように構成される触覚効果を決定してもよい。例えば、プロセッサ102は、静的ESF効果を含む触覚効果を決定してもよい。このような触覚効果は、例えば、他の触覚効果(例えば、振動)がユーザに知覚できない場合であっても、ユーザに知覚可能であってもよい。
【0076】
一部の実施形態では、プロセッサ102は、仮想オブジェクト及び/又はイベントに関係付けられる特徴(例えば、高さ、幅、形状、色、場所、機能、テクスチャ、及び/又は特徴)に基づいて触覚効果を決定する。
【0077】
一部の実施形態では、プロセッサ102は、複数の触覚効果を決定する。例えば、プロセッサ102は、ビデオ観察アプリケーションを介してユーザが映画を見るときに発生する爆発などの映画イベントに応じて、触覚効果(例えば、ランブル振動)を決定してもよい。触覚効果は、例えば、現実の爆発をシミュレートするように構成されてもよい。一部の実施形態では、プロセッサ102は、映画のカーチェイスの場面の間に車のタイヤとのユーザ相互作用等、(例えば、タッチスクリーンディスプレイを介して)映画に表示された仮想オブジェクトとのユーザ相互作用に応じて別の触覚効果を決定してもよい。触覚効果は、例えば、車のタイヤのゴム質のテクスチャをシミュレートするように構成されてもよい。一部の実施形態では、コンピュータ装置101は、多機能触覚出力装置120を使用して実質的に同時に複数の触覚効果を少なくとも2つ出力することができる。例えば、プロセッサ102は、爆発に関係付けられるランブル振動と車のタイヤに関係付けられるゴム質のテクスチャの両方を実質的に同時に多機能触覚出力装置120に出力させてもよい。複数の触覚効果が、仮想オブジェクト(例えば、仮想ボール)のより現実的且つ没入感の有る表現をユーザに提供してもよい。
【0078】
一部の実施形態では、プロセッサ102は、追加的に又は代替的に、先に検討された任意の方法に基づいて触覚効果の1つのクラス又は触覚効果の複数のクラスを決定してもよい。例えば、プロセッサ102は、ユーザ相互作用の特徴、仮想オブジェクトの特徴、触覚効果の知覚強度、ユーザの体の一部の場所、又はこれらの任意の組み合わせに基づいて触覚効果クラスを決定してもよい。
【0079】
方法400はステップ408に進み、プロセッサ102は1つ以上の触覚効果に関係付けられる1つ以上の触覚信号を多機能触覚出力装置120に送信する。
【0080】
一部の実施形態では、プロセッサ102は、1つ以上のルックアップテーブルを使用して触覚信号を生成してもよい。例えば、プロセッサ102は、多機能触覚出力装置120等を使用して、特定の触覚効果を生成するために使用する特定の触覚信号を決定するためにメモリ104に保存されたルックアップテーブルにアクセスしてもよい。触覚信号は、振幅、周波数、持続時間、波形、及び/又は(例えば、多機能触覚出力装置120を使用して)特定の触覚効果を生成するための他の特徴を含んでもよい。プロセッサ102は、例えば、触覚効果を生成するために多機能触覚出力装置120の1つ以上の電極に触覚信号を送信してもよい。
【0081】
一部の実施形態では、触覚信号は、触覚効果に関係付けられる記憶済みアルゴリズム及び入力パラメータにアクセスすることによって生成される。例えば、プロセッサ102は、触覚効果クラス(例えば、コードは静電触覚効果に関して001であり、振動触覚効果に関して002であり、変形触覚効果に関して003であってもよい)、振幅パラメータ、及び/又は周波数パラメータに関係付けられるコードを触覚信号を決定するためのアルゴリズムに入力してもよい。
【0082】
一部の実施形態では、プロセッサ102は、ルックアップテーブル及びアルゴリズムの両方を使用して触覚信号を生成してもよい。例えば、プロセッサ102は、触覚効果クラスを1つ以上の対応するアルゴリズムにマッピングするためにルックアップテーブルにアクセスしてもよい。次に、プロセッサ102は、触覚信号を生成するために1つ以上のパラメータを1つ以上のアルゴリズムに入力してもよい。
【0083】
方法400はステップ410に進み、多機能触覚出力装置120は1つ以上の触覚信号を受信して、1つ以上の触覚効果を出力する。多機能触覚出力装置120は、複数の異なるクラスの触覚効果(例えば、静電触覚効果、変形触覚効果、振動触覚効果、温度の変化等)を出力するように構成される。例えば、多機能触覚出力装置120は、触覚信号に応じて振動(例えば、静電触覚効果)及び/又はシミュレートされるテクスチャ(例えば、静電触覚効果)を生成するように構成される単一の触覚出力装置であってもよい。
【0084】
(多機能触覚出力装置の追加の例示的なシステム)
図5は、多機能触覚出力装置のためのシステムの別の実施形態を示す。システムは、触覚出力装置502を含む。触覚出力装置502は、絶縁層504、電極層506、及び低電極層510を備える。
【0085】
図5に示される実施形態では、低電極層510は、単一の統一した電極層ではなく、複数の電極を含む。例えば、低電極層510は、電極512a及び512bを含む。一部の実施形態では、電極層506は、単一の統一した層ではなく、複数の電極を含む。コンピュータ装置500は、例えば、
図2−3に関して検討された任意の方法を使用して、触覚出力装置502に触覚効果を生成させてもよい。
【0086】
一部の実施形態では、コンピュータ装置500は、低電極層510内の電極の全て又はサブセットを作動することによって1つ以上の触覚効果を生成する。コンピュータ装置500は、触覚効果を生成するために順番に又は同時に任意の数及び構成の電極を選択的に作動させることができる。例えば、コンピュータ装置500は、ユーザが電極512a及び512bに関係付けられる表面上の1つ以上の場所に接触することを検出することに応じて、電極512a及び512bを作動させてもよい。例えば、コンピュータ装置500は、
図5に示されるように、ユーザが2本の指で絶縁層504に接触することを検出することに応じて、電極512a及び512bに電気信号を送信してもよい。電極512a及び512bは、電気信号を受信し、それに応じて、スマート材料層508の1つ以上の部分を変形させてもよい。(複数の)変形は、1つ以上の触覚効果(例えば、個別化された及び/又は局所化された触覚効果等)としてユーザにより知覚されてもよい。
【0087】
一部の実施形態では、コンピュータ装置500は、低電極層506内の複数の電極の全て又はサブセットを作動することによって1つ以上の触覚効果を生成する。例えば、コンピュータ装置500は、電極層506における電極の全てに実質的に同じ電圧を送信することによって静電ベースの触覚効果を出力してもよい。これは、例えば、
図2−3に関して検討されるように、電極にユーザの体との容量結合を生成させてもよい。例えば、電極は、ユーザの指の各々との容量結合を生成してもよい。ユーザは、この容量結合を触覚効果として知覚してもよい。
【0088】
先に検討されたように、電極層506、低電極層510、又は両方は、複数の電極を含み得る。複数の電極は、任意の構成で配置され、任意の数の形状を含む任意の数の電極を含んでもよい。例えば、複数の電極は、複数の電極ストリップを含んでもよい。電極ストリップは、触覚出力装置502の1つ以上の表面(例えば、絶縁層504の底面及び/又はスマート材料層508の上面)にわたって対角パターン、水平パターン、垂直パターン、又は別のパターンで配置されてもよい。別の例示として、1つ以上の電極は、円形、三角形、楕円形、正方形、長方形、又は他の形状を含んでもよい。例えば、電極の外周又は周囲が、円形、三角形、楕円形、正方形、長方形、又は他の形状を含んでもよい。コンピュータ装置500は、任意の組み合わせの電極を作動させることによって触覚効果を生成することができる。
【0089】
一部の実施形態では、スマート材料層508は、追加的に又は代替的に、単一の統一したスマート材料層ではなく、複数のスマート材料区画を含む。2つ以上のスマート材料区画は、異なるスマート材料を含んでもよい。コンピュータ装置500は、触覚効果を生成するために任意の数及び構成のスマート材料区画を作動させることができる。例えば、コンピュータ装置500は、スマート材料層508の1つ以上のスマート材料区画の形状を変形させるために電極層506及び/又は低電極層510の1つ以上の電極に電気信号を送信してもよい。ユーザは、この変形を触覚効果として知覚してもよい。電極層506、低電極層510及び/又はスマート材料層508の1つ以上のコンポーネントを選択的に作動させることは、触覚出力装置502が、より広範囲の触覚効果及び/又は表面の特定の領域に局所化される触覚効果を生成することを可能にし得る。
【0090】
図6は、多機能触覚出力装置のためのシステムの別の実施形態を示す。システムは、触覚出力装置602を含む。触覚出力装置602は、第1の絶縁層604、第1の電極層606、第2の絶縁層608、及び第2の電極層610を備える。
【0091】
一部の実施形態では、触覚出力装置602は、(例えば、
図2に関して記載された)動的ESF効果及び静的ESF効果を生成することができる。例えば、コンピュータ装置600は、第1の信号を第1の電極層606に送信してもよい。第1の信号は、ユーザの体(例えば、ユーザの指)と第1の電極層606との間の容量結合を第1の電極層606に生成させるように構成されてもよい。ユーザは、この容量結合を動的ESF効果として知覚してもよい。別の例示として、コンピュータ装置600は、第2の信号を第2の電極層610に送信してもよい。第2の信号は、ユーザの体(例えば、ユーザの指)と第2の電極層610との間の容量結合を第2の電極層610に生成させるように構成されてもよい。ユーザは、この容量結合を静的ESF効果として知覚してもよい。一部の実施形態では、コンピュータ装置600は、例えば、静的ESF効果を生成している間に、第1の電極層606をフローティングさせて(例えば、接地しないで)おいてもよい。これは、第1の電極層606がユーザにより知覚される静的ESF効果と干渉することを防ぎ得る。
【0092】
一部の実施形態では、動的ESF効果は、静的ESF効果よりも低い電圧を使用して生成され得る。例えば、コンピュータ装置600は、動的ESF効果を生成するために100ボルトの振幅を含む第1の信号を第1の電極層606に送信してもよい。コンピュータ装置600は、静的ESF効果を生成するために1,500ボルトの振幅を含む第2の信号を第2の電極層610に送信してもよい。
【0093】
一部の実施形態では、第1の絶縁層604は、第2の絶縁層608とは異なっていてもよい。例えば、第1の絶縁層604は、第2の絶縁層608とは異なる厚み及び/又は材料を含んでもよい。一部の実施形態では、動的ESF効果を生成するために静的ESF効果よりも低い電圧のために、第1の絶縁層604は第2の絶縁層608よりも薄くてもよい。一部の実施形態では、第1の絶縁層604は、例えば、動的ESF効果を生成するために、第1の電極層606に印加される電圧から(例えば、感電に対して)ユーザを保護することができる。第1の絶縁層604、第1の電極層606、及び/又は第2の絶縁層608は、例えば、静的ESF効果を生成するために、第2の電極層610に印加される電圧からユーザを保護することができる。
【0094】
一部の実施形態では、コンピュータ装置600は、コンピュータ装置600の状態(例えば、バッテリレベル、方向、場所、プログラム又はゲーム状態、ハードウェアコンポーネントの状態等)に基づいて触覚効果タイプを切り替えてもよい。例えば、コンピュータ装置600は、コンピュータ装置600のバッテリレベルが閾値を超えることを検出することに応じて、第1のタイプの触覚効果(例えば、静的ESF触覚効果)を出力するように構成されてもよい。コンピュータ装置600は、コンピュータ装置600のバッテリレベルが閾値を下回ることを検出することに応じて、第2のタイプの触覚効果(例えば、動的ESF触覚効果)を出力するように構成されてもよい。一部の実施形態では、コンピュータ装置600の状態に基づいて触覚効果タイプを切り替えることは、例えば、コンピュータ装置600がバッテリ電力を節約することを可能にしてもよい。例えば、コンピュータ装置600は、バッテリレベルが閾値を下回ることを検出することに応じて、(例えば、生成するためにより多くの電力を使用し得る)静的ESF触覚効果から(例えば、生成するためにより少ない電力を使用し得る)動的ESF効果に切り替えることによって、バッテリ電力を節約することが可能であり得る。
【0095】
(多機能触覚出力装置の利点)
多機能触覚出力装置には数多くの利点がある。例えば、このようなシステムは、従来の触覚出力装置よりも小型であり、安価であり且つ設置が容易であり得る。一部の実施形態では、多機能触覚出力装置は、複数の異なるタイプの触覚効果を生成するために複数の触覚出力装置を設置するよりも少ない空間及び少ない費用を要してもよい。
【0096】
別の例示として、一部の実施形態では、多機能触覚出力装置は、様々なタイプの触覚効果を提供するために、(例えば、タッチスクリーンディスプレイをオーバレイする)コンピュータ装置の表面に、(例えば、タッチスクリーンディスプレイの下の)コンピュータ装置の中に、及び/又は別の場所に設置され得る。これは、他のタイプの触覚出力装置よりも多機能触覚出力装置の設置を容易にし得る。
【0097】
一部の実施形態では、多機能触覚出力装置は、例えば、空間制限のために、以前は触覚フィードバックを提供することができなかった装置の中又は上に配置されてもよい。例えば、実施形態は、ペン、靴下、指輪、腕時計、メガネ、袖、変速装置、又は触覚フィードバックを提供するための実質的に任意の他の装着可能若しくは把持可能装置の表面に配置されてもよい。このような実施形態において触覚フィードバックを提供することは、例えば、装置に焦点を合わせなくても、ユーザが装置と相互作用することを可能にすることによって多くの利益をもたらし得る。これによって全体的なユーザ満足度を向上させることができる。
【0098】
一部の実施形態では、多機能触覚出力装置は、ユーザに向上した及び/又は最適化された触覚体験を提供することができる。例えば、一部の実施形態では、コンピュータ装置は、あるタイプの触覚効果がユーザにより準最適と知覚され得る状態を検出してもよい。例えば、コンピュータ装置は、コンピュータ装置の表面に、ユーザが閾値を超える量の力を加えることを検出してもよく、静電触覚効果はユーザにより弱い又は低品質と知覚され得る。このような実施形態では、それに応じて、コンピュータ装置は、例えば、ユーザにより強い又は高品質と知覚され得る異なるタイプの触覚効果(例えば、振動及び/又は変形触覚効果)を生成するために多機能触覚出力装置を使用してもよい。従って、多機能触覚出力装置は、向上した触覚体験を提供するためにコンピュータ装置が触覚効果のタイプを切り替えることを可能にし得る。
【0099】
(概論)
上記の方法、システム及び装置は例示である。様々な構成によって、適宜、様々な手続き又はコンポーネントが省略、置換、又は追加されてもよい。例えば、代替的な構成では、方法は記載されたものとは異なる順序で実行されてもよく、及び/又はステージが追加、省略及び/又は結合されてもよい。また、所定の構成に関して記載された機能は、様々な他の構成に結合されてもよい。構成の異なる態様及び要素が、同様に結合されてもよい。また、技術は進歩するものであり、そのため要素の多くは例示であり、本開示又は特許請求の範囲を限定しない。
【0100】
例示的な構成(実装を含む)の十分な理解を与えるために説明の中で特定の詳細が与えられている。しかしながら、こうした構成は特定の詳細無しで実施されてもよい。例えば、周知の回路、工程、アルゴリズム、構造及び技術が、構成を不明確にするのを避けるために不要な詳細無しで示されている。この説明は、例示的な構成のみを提供するものであり、請求項の範囲、応用性又は構成を限定しない。むしろ、構成の上記説明は、記載された技術を実装するための実施可能な説明を当業者に提供するであろう。本開示の精神又は範囲から逸れることなく、要素の機能及び配置の様々な変更が行われてもよい。
【0101】
また、構成は、フロー図又はブロック図として描かれる処理として記載されてもよい。各々が連続した工程として操作を説明している場合があるが、こうした操作の多くは並列的又は同時に行われ得る。更に、操作の順序は並び替えられてもよい。工程は、図面に含まれない追加のステップを有してもよい。更に、方法の例示は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語、又はこれらの任意の組み合わせによって実装されてもよい。ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア又はマイクロコードで実装される場合、必要なタスクを実行するためのプログラムコード又はコードセグメントは、記憶媒体等の非一時的なコンピュータ可読媒体に記憶されてもよい。プロセッサは、記載されたタスクを実行してもよい。
【0102】
複数の例示的な構成が記載されているが、本開示の精神から逸脱することなく、様々な修正、代替構造及び均等物が使用されてもよい。例えば、上記の要素は、より大きなシステムのコンポーネントであってもよく、他の規則が本発明のアプリケーションに優先し又はそれを修正してもよい。また、上記の要素が検討される前、間又は後で多くのステップが行われてもよい。従って、先の記載によって請求項の範囲は縛られない。
【0103】
本明細書における「適合される」又は「構成される」の使用は、追加のタスク又はステップを実行するように適合又は構成される装置を排除しない開放的且つ包括的な言語を意図している。更に、「基づいて」の使用は開放的且つ包括的であることが意図されており、即ち、1つ以上の記載された条件又は値に「基づいて」行われる処理、ステップ、計算、又は他の動作が、実際には、記載されたものを超える追加の条件又は値に基づいてもよい。本明細書に含まれる表題、リスト及び番号は、単に説明を容易にするためのものであって、限定することを意図していない。
【0104】
本主題の態様に従う実施形態は、デジタル電子回路、コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又はこれらの組み合わせで実装され得る。一実施形態では、コンピュータは、1つ又は複数のプロセッサを備えてもよい。プロセッサは、プロセッサに結合されるRAM(random access memory)等のコンピュータ可読媒体を備え、又はそれへのアクセスを有する。プロセッサは、センササンプリングルーチン、選択ルーチン、及び上述の方法を実行する他のルーチン等、メモリに記憶されたコンピュータ実行可能プログラム命令を実行する。
【0105】
このようなプロセッサは、マイクロプロセッサ、DSP(digital signal processor)、ASIC(application−specific integrated circuit)、FPGA(field programmable gate array)、及び状態機械を含む。このようなプロセッサは、PLC、PIC(programmable interrupt controller)、PLD(programmable logic device)、PROM(programmable read−only memory)、EPROM又はEEPROM(electronically programmable read−only memory)、又は他の類似の装置等のプログラム可能電子装置を更に備えてもよい。
【0106】
このようなプロセッサは、媒体、例えば、プロセッサによって実行されると、プロセッサによって遂行又は支援される本明細書に記載のステップをプロセッサに実行させることができる命令を記憶し得る有形のコンピュータ可読媒体を備え、又はこれと通信してもよい。コンピュータ可読媒体の実施形態は、限定されないが、プロセッサ、例えばウェブサーバのプロセッサにコンピュータ可読命令を提供することができる全ての電子、光学、磁気、又は他の記憶装置を備えてもよい。媒体の他の例は、限定されないが、フロッピーディスク、CD−ROM、磁気ディスク、メモリチップ、ROM、RAM、ASIC、構成プロセッサ、全ての光学媒体、全ての磁気テープ若しくは他の磁気媒体、又はコンピュータプロセッサが読み取り可能な任意の他の媒体を含む。また、様々な他の装置は、ルータ、プライベート若しくはパブリックネットワーク、又は他の伝送装置等のコンピュータ可読媒体を含んでもよい。記載されたプロセッサ及び処理は、1つ以上の構造内に有ってもよく、1つ以上の構造を通じて分散されてもよい。プロセッサは、本明細書に記載の1つ以上の方法(又は方法の一部)を実行するためのコードを備えてもよい。
【0107】
本主題はその特定の実施形態に関して詳細に記載されているが、上記のことを理解すると、このような実施形態の変形、変化、及び均等物を当業者であれば容易に生み出し得ることが理解されるであろう。従って、本開示は、限定ではなく例示を目的として提示されており、当業者には容易に明らかとなる本主題への修正、変更及び/又は追加を含むことを排除しないことが理解されるべきである。