特開2017-111855(P2017-111855A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特開2017111855-防水型照明装置 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-111855(P2017-111855A)
(43)【公開日】2017年6月22日
(54)【発明の名称】防水型照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21V 33/00 20060101AFI20170526BHJP
   A47F 11/10 20060101ALI20170526BHJP
   A47F 3/04 20060101ALI20170526BHJP
   F21V 31/00 20060101ALI20170526BHJP
   H01R 33/965 20060101ALI20170526BHJP
   H01R 33/05 20060101ALN20170526BHJP
【FI】
   F21V33/00 110
   A47F11/10
   A47F3/04 H
   F21V31/00 300
   H01R33/965 M
   H01R33/05 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2015-242886(P2015-242886)
(22)【出願日】2015年12月14日
(71)【出願人】
【識別番号】000213493
【氏名又は名称】中野冷機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088720
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 眞一
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 知之
(72)【発明者】
【氏名】萩谷 修太郎
(72)【発明者】
【氏名】豊島 渉
【テーマコード(参考)】
3B110
3K014
5E024
【Fターム(参考)】
3B110AA12
3B110HA08
3K014NA02
5E024BA06
(57)【要約】
【課題】ランプとランプソケットとの装着部分の防水対策を行う場合に、コストと手間とを低減することができる防水型照明装置を提供する。
【解決手段】防水型照明装置9は、両端が開口された円筒状のカバー本体18、このカバー本体18の一方の開口19a側の内周部に設けられて内方に突出したリング状の2つの内周部突起20a、20b及びカバー本体18の一方の開口19a側の端部に設けられて側方に突出したリング状の端部突起21を有する一対の防水カバー15と、それぞれのカバー本体18の他方の開口19bに嵌合されたランプソケット16と、端部がカバー本体18の一方の開口19a側から挿入されてその端部がランプソケット16に装着された円筒状のランプ17と、を有し、防水カバー15の内周部突起20a、20bの先端部はランプソケット16に装着されたランプ17の端部側外周面に当接されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
両端が開口された円筒状のカバー本体、このカバー本体の一方の開口側の内周部に設けられて内方に突出したリング状の2つの内周部突起及び前記カバー本体の一方の前記開口側の端部に設けられて側方に突出したリング状の端部突起を有する一対の防水カバーと、
それぞれの前記カバー本体の他方の開口に嵌合されたランプソケットと、
端部が前記カバー本体の一方の前記開口側から挿入されてその端部が前記ランプソケットに装着された円筒状のランプと、
を有する防水型照明装置であって、
前記防水カバーの前記内周部突起の先端部は前記ランプソケットに装着された前記ランプの端部側外周面に当接されていることを特徴とする防水型照明装置。
【請求項2】
2つの前記内周部突起の間の間隔は前記内周部突起の幅寸法より小さく設定されていることを特徴とする請求項1記載の防水型照明装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷凍・冷蔵ショーケース等で使用される防水型照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の店舗では、商品を陳列するために冷凍・冷蔵ショーケースが使用されている。これらの冷凍・冷蔵ショーケースは、商品を陳列する空間である商品陳列室を有し、商品陳列室内には複数段の商品陳列棚が設けられている。そして、各商品陳列棚の手前側下面部には、下側に位置する他の商品陳列棚に陳列された商品を照明するための長尺状のランプを備えた照明装置が設けられている。
【0003】
このような冷凍・冷蔵ショーケースの商品陳列室内は低温に維持されて結露が生じ易いため、ランプとランプソケットとの装着部分に防水対策を施す必要があり、そのような防水対策を施した照明装置の一例としては、例えば下記特許文献1に記載されたものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−12339号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された照明装置では、ランプとランプソケットとの装着部分の防水対策のために防水カバー、シール材、防水パッキング等の多数の部品を使用しており、部品点数の増加によりコスト高となっている。さらに、取付けに際しては、ランプに防水カバーを取付けた後、このランプをランプソケットに差し込んで装着し、然る後に防水カバーをランプソケット側に移動させるという作業が必要となり、このランプをランプソケットに装着してからその装着部分に防水カバーを移動させて防水を行うという作業は手間が掛かり面倒であった。
【0006】
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、その目的は、ランプとランプソケットとの装着部分を防水する場合に、コストと手間とを低減することのできる防水型照明装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る防水型照明装置は、両端が開口された円筒状のカバー本体、このカバー本体の一方の開口側の内周部に設けられて内方に突出したリング状の2つの内周部突起及び前記カバー本体の一方の前記開口側の端部に設けられて側方に突出したリング状の端部突起を有する一対の防水カバーと、それぞれの前記カバー本体の他方の開口に嵌合されたランプソケットと、端部が前記カバー本体の一方の前記開口側から挿入されてその端部が前記ランプソケットに装着された円筒状のランプと、を有する防水型照明装置であって、前記防水カバーの前記内周部突起の先端部は前記ランプソケットに装着された前記ランプの端部側外周面に当接されていることを特徴とする。
【0008】
また、前述の防水型照明装置において、2つの前記内周部突起の間の間隔は前記内周部突起の幅寸法より小さく設定されていることが望ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る防水型照明装置は、円筒状のランプの端部をカバー本体の一方の開口側から挿入してランプソケットに装着した場合、2つの内周側突起の先端部がランプの端部側外周面に当接して防水性が確保され、ランプとランプソケットとの装着部分を防水することができる。しかも、内周部突起が2つ設けられているため、各内周部突起の先端部とランプの外周面との間でそれぞれ防水性が確保されるので、ランプとランプソケットとの装着部分の防水効果を高めることができる。しかも、ランプをカバー本体に挿入してランプソケットに装着するという作業のみで、ランプとランプソケットとの装着部分を簡単に防水することができる。また、ランプの端部を一方の開口側から挿入した場合、ランプの外周面が内周部突起の先端部に当接すると、カバー本体の一方の開口側には、この部分をカバー本体の内側に引き摺り込む力が作用するが、一方の開口側の端部に端部突起がリング状に設けられているため、この端部突起によりカバー本体の一方の開口側の形状が維持され、ランプをランプソケット側に押し込んでもカバー本体の一方の開口側がカバー本体の内側に引き摺り込まれにくくなり、ランプをランプソケットに装着する作業の作業性を向上させることができる。
【0010】
また、2つの内周部突起の間の間隔は内周部突起の幅寸法より小さく設定されていることにより、ランプを一方の開口側からカバー本体内に挿入してランプの外周面が手前側の内周部突起の先端部に当接した場合に、その内周部突起が奥側へ倒れ込むことを抑制することができるとともに、その倒れ込みに伴ってカバー本体の一方の開口側がカバー本体の内側へ引き摺り込まれることを抑制することができ、ランプをランプソケットに装着する作業の作業性を向上させることができる。さらに、2つの内周部突起の間の間隔を内周部突起の幅寸法より小さく設定することにより、ランプの外周面と内周部突起の先端部との接触面積を大きくすることができ、内周部突起による防水性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態の防水型照明装置を備えた冷蔵ショーケースを示す断面側面図である。
図2】防水型照明装置を拡大して示す断面図である。
図3】防水型照明装置の一部をさらに拡大して示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の一実施形態について、図面に基づいて説明する。図1は、冷蔵ショーケース1を示す断面側面図であり、この冷蔵ショーケース1は、基台2と基台2の上に載置されたショーケース本体3とを有している。
【0013】
ショーケース本体3は、断面形状コの字型に形成された断熱材からなる外周壁4と、この外周壁4の内側に位置する仕切板5とを有している。ショーケース本体3の内部には商品陳列室6が設けられ、ショーケース本体3の前面には開口7が設けられている。商品陳列室6内には、販売する商品を陳列する複数段の商品陳列棚8が上下方向に沿って配列され、これらの商品陳列棚8は仕切板5に取付けられている。
【0014】
各商品陳列棚8の手前側下面部には、下側に位置する他の商品陳列棚8に陳列された商品を照明するための防水型照明装置9が設けられている。
【0015】
外周壁4と仕切板5との間には、ダクト10が設けられている。ダクト10内には、冷気を生成する冷凍装置の一部である冷却器11と、冷気を送風するファン12とが設けられている。ダクト10の上部手前側には、ダクト10内を矢印で示すように送風された冷気が下向きに吹き出す吹出口13が設けられ、ダクト10の下部手前側には吹出口13から吹き出した冷気が吸い込まれる吸込口14が設けられている。
【0016】
防水型照明装置9は図2に示すように、シリコン製の一対の防水カバー15と、それぞれの防水カバー15に嵌合されるランプソケット16と、端部をランプソケット16に装着される円筒状のランプ17とを備えている。この防水型照明装置9は、ランプ17の外周に図示しない一対のランプホルダを嵌合させ、そのランプホルダを商品陳列棚8の下面に取付けることにより支持されている。
【0017】
防水カバー15は、両端が開口された円筒状のカバー本体18と、このカバー本体18の一方の開口19a側の内周部に設けられて内方に突出したリング状の2つの内周部突起20a、20bと、カバー本体18の一方の開口19a側の端部に設けられて側方(カバー本体18の筒方向)に突出したリング状の端部突起21とを有している。
【0018】
ランプソケット16は、カバー本体18の他方の開口19bに嵌合されており、その嵌合部分は気密状態とされている。
【0019】
ランプ17は、カバー本体18の一方の開口19a側から挿入され、端部がランプソケット16に装着されている。ランプソケット16に装着されたランプ17の端部側外周面には、内周部突起20a、20bの先端部が当接されている。ランプ17の外周面と内周部突起20a、20bの先端部との当接部分は気密状態とされている。
【0020】
図3に示すように、2つの内周部突起20a、20bの間の間隔“a”は、内周部突起20a、20bの幅寸法“b”より小さく設定されている。a:bの比率は、例えば1:2に設定されている。
【0021】
このような構成において、冷蔵ショーケース1の商品陳列室6内は低温に維持されて商品陳列棚8やランプ17は冷やされており、商品陳列棚8やランプ17の表面には結露が生じ易い。生じた結露水の一部は、ランプ17の表面を伝わってランプソケット16側に流れる。
【0022】
ここで、一方の開口19a側からカバー本体18内に挿入されたランプ17の端部側外周面には、2つの内周部突起20a、20bの先端部が当接され、その当接部分は気密状態となっている。このため、ランプ17の表面を伝わって流れた結露水が内周部突起20a、20bの先端部が当接した箇所を通過してそれ以上ランプソケット16側に流入することが阻止され、ランプ17とランプソケット16との装着部分の防水性が確保され、水濡れによる漏電等の故障が防止されている。しかも、この防水のための内周部突起20a、20bが一重ではなく二重に設けられているため、防水性が高められている。
【0023】
しかも、内周部突起20a、20bによるランプ17とランプソケット16との装着部分の防水は、ランプ17をカバー本体18に挿入してランプソケット16に装着するという作業のみで、簡単に行うことができる。
【0024】
また、ランプ17を一方の開口19a側から挿入した場合、ランプ17の外周面が内周部突起20a、20bの先端部に当接すると、カバー本体18の一方の開口19a側には、この部分をカバー本体18の内側に引き摺り込む力が作用する。しかし、一方の開口19a側の端部に端部突起21がリング状に設けられているため、この端部突起21によりカバー本体18の一方の開口19a側の形状が維持され、カバー本体18の一方の開口19a側がカバー本体18の内側に引き摺り込まれにくくなる。これにより、ランプ17をランプソケット16に装着する作業の作業性を向上させることができる。
【0025】
2つの内周部突起20a、20bの間の間隔“a”は、内周部突起20a、20bの幅寸法“b”より小さく設定されている。これにより、ランプ17を一方の開口19a側からカバー本体18内に挿入してランプ17の外周面が手前側の内周部突起20aの先端部に当接した場合において、その内周部突起20aが奥側(内周部突起20b側)へ倒れ込むことを抑制することができるとともに、その倒れ込みに伴ってカバー本体18の一方の開口19a側がカバー本体18の内側に引き摺り込まれることを抑制することができる。これにより、ランプ17をランプソケット16に装着する作業の作業性を向上させることができる。
【0026】
さらに、2つの内周部突起20a、20bの間の間隔“a”を内周部突起20a、20bの幅寸法“b”より小さく設定することにより、ランプ17の外周面と内周部突起20a、20bの先端部との接触面積を大きくすることができ、内周部突起20a、20bによる防水性を高めることができる。
【0027】
本実施の形態では、防水型照明装置9を使用するショーケースの一例として冷蔵ショーケース1について説明したが、冷凍ショーケースにおいても同様に防水型照明装置9を使用することができる。
【符号の説明】
【0028】
1 冷蔵ショーケース
2 基台
3 ショーケース本体
4 外周壁
5 仕切板
6 商品陳列室
7 開口
8 商品陳列棚
9 防水型照明装置
10 ダクト
11 冷却器
12 ファン
13 吹出口
14 吸込口
15 防水カバー
16 ランプソケット
17 ランプ
18 カバー本体
19a 一方の開口
19b 他方の開口
20a、20b 内周部突起
21 端部突起
図1
図2
図3