【解決手段】本体の内部に少なくとも一つのコイルが配置される。上記コイルは、複数のコイルパターン220〜229が積層された構造を含み、上記複数のコイルパターンのうち積層方向に隣接する互いに異なるコイルパターンは、それぞれの端部分が互いに接して電気的に連結される。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下では、添付の図面を参照し、本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさ等はより明確な説明のために誇張されることがある。
【0010】
電子機器
図1は電子機器に適用されるコイル部品の例を概略的に示す図面である。
【0011】
図面を参照すると、電子機器には多様な種類の電子部品が用いられることが分かる。例えば、応用プロセッサ(Application Processor)を中心に、DC/DC、Comm.Processor、WLAN BT/WiFi FM GPS NFC、PMIC、バッテリー(Battery)、SMBC、LCD AMOLED、オーディオコーデック(Audio Codec)、USB 2.0/3.0 HDMI(登録商標)、CAM等が用いられることができる。このとき、このような電子部品の間にはノイズの除去等を目的に多様な種類のコイル部品がその用途に応じて適切に適用されることができ、例えば、パワーインダクタ(Power Inductor)1、高周波インダクタ(HF Inductor)2、通常のビーズ(General Bead)3、高周波用ビーズ(GHz Bead)4、コモンモードフィルター(Common Mode Filter)5等を挙げることができる。
【0012】
具体的には、パワーインダクタ(Power Inductor)1は、電気を磁場の形態で貯蔵し出力電圧を維持して電源を安定させる用途等で用いられることができる。また、高周波インダクタ(HF Inductor)2は、インピーダンスをマッチングして必要な周波数を確保したり、ノイズ及び交流成分を遮断する等の用途で用いられることができる。また、通常のビーズ(General Bead)3は、電源ライン及び信号ラインのノイズを除去したり、高周波リップルを除去する等の用途で用いられることができる。また、高周波用ビーズ(GHz Bead)4は、オーディオと関連した信号ライン及び電源ラインの高周波ノイズを除去する等の用途で用いられることができる。また、コモンモードフィルター(Common Mode Filter)5は、ディファレンシャルモードでは電流を通過させ、コモンモードノイズだけを除去する等の用途で用いられることができる。
【0013】
電子機器は、代表的にスマートフォン(Smart Phone)であってよく、これに限定されるものではないが、例えば、個人用情報端末(personal digital assistant)、デジタルビデオカメラ(digital video camera)、デジタルスチルカメラ(digital still camera)、ネットワークシステム(network system)、コンピュータ(computer)、モニター(monitor)、テレビ(television)、ビデオゲーム(video game)、スマートウォッチ(smart watch)であってもよい。これらの他にも、通常の技術者によく知られている他の多様な電子機器等であってもよいことはもちろんである。
【0014】
コイル部品
以下では、本発明のコイル部品を説明するにあたり、便宜上、インダクタ(Inductor)の構造を例に挙げて説明するが、上述のような他の多様な用途のコイル部品にも本発明のコイル部品が適用できることはもちろんである。この場合、コイルパターンを除いた他の外形の形状は適用されるコイル部品に応じて適切に変形されることができることはもちろんであり、当業界に公知の外形を参照することができる。
【0015】
図2はコイル部品の一例を示す概略的な斜視図であり、
図3はコイルの一例を示す概略的な分解斜視図である。
【0016】
図面を参照すると、一例によるコイル部品10は、本体100の内部にコイル200が配置された構造である。本体100の外部にはコイル200と電気的に連結される電極301、302が配置される。コイル200は、複数のコイルパターン220、221、222、223、224、225、226、227、228、229が積層された構造を含み、このようなコイルパターン220、221、222、223、224、225、226、227、228、229のうち積層方向に隣接する互いに異なるコイルパターンはそれぞれの端部分が互いに接して電気的に連結される。その結果、積層方向に回転する一つのコイル200を構成する。ここで、積層方向とはコイルパターンの積層方向、即ち、第3方向またはその反対方向を意味する。
【0017】
本体100は、コイル部品10の外観を成し、第1方向に相対する第1面及び第2面と、第2方向に相対する第3面及び第4面と、第3方向に相対する第5面及び第6面と、を含む。本体100は、このように六面体状であってよいが、これに限定されるものではない。本体100は磁気特性を示す磁性物質を含むことができる。例えば、本体100は、フェライトまたは金属磁性粒子が樹脂に充填されたものであってよい。フェライトは、例えば、Mn−Zn系フェライト、Ni−Zn系フェライト、Ni−Zn−Cu系フェライト、Mn−Mg系フェライト、Ba系フェライトまたはLi系フェライト等の物質からなることができる。金属磁性粒子は、鉄(Fe)、シリコン(Si)、クロム(Cr)、アルミニウム(Al)及びニッケル(Ni)からなる群より選択されたいずれか一つ以上を含むことができ、例えば、Fe−Si−B−Cr系非晶質金属であってよいが、必ずしもこれに制限されるものではない。金属磁性体粒子の直径は約0.1μm〜30μmであってよい。本体100は、このようなフェライトまたは金属磁性粒子がエポキシ樹脂やポリイミド樹脂等の熱硬化性樹脂に分散された形態であってよい。
【0018】
本体100の磁性物質は、金属磁性体粉末及び樹脂混合物が混合された磁性体樹脂複合体からなることができる。金属磁性体粉末は、鉄(Fe)、クロム(Cr)、またはシリコン(Si)を主成分として含むことができ、例えば、鉄(Fe)−ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、鉄(Fe)−クロム(Cr)−シリコン(Si)等を含むことができるが、これに限定されるものではない。樹脂混合物は、エポキシ(epoxy)、ポリイミド(polyimide)、液晶結晶性ポリマー(Liquid Crystal Polymer:LCP)等を含むことができるが、これに限定されるものではない。金属磁性体粉末は、少なくとも二つ以上の平均粒径を有する金属磁性体粉末が充填されたものであってもよい。この場合、互いに異なるサイズのバイモーダル(bimodal)金属磁性体粉末を用いて圧着することにより、磁性体樹脂複合体をいっぱいに満たすことができるため充填率を高めることができる。
【0019】
本体100は、必ずしも磁性物質で構成される必要はなく、場合によっては絶縁物質、例えば、フォトレジスト物質で構成されることもできる。この場合、本体100の上部及び下部には磁性基板等がさらに配置されることができる。即ち、コイル部品の具体的な機能または種類によって本体100を構成する物質が異なり得る。また、図面に示されない付加的な構成要素が追加されることもできる。
【0020】
コイル200は、これから発現される特性を通じてコイル部品10が電子機器内で多様な機能を行うようにする。例えば、コイル部品10は、パワーインダクタであってよく、この場合、コイルは電気を磁場の形態で貯蔵し出力電圧を維持して電源を安定させる役割等を行うことができる。コイル200は、複数のコイルパターン220、221、222、223、224、225、226、227、228、229が積層された構造を含み、このようなコイルパターン220、221、222、223、224、225、226、227、228、229のうち積層方向に隣接する互いに異なるコイルパターンはそれぞれの端部分が互いに接して電気的に連結される。即ち、別途のビアがなくても電気的に連結されることにより、ビアの加工工程が不要となり工程が単純である。また、それぞれのコイルパターンの端部分、即ち、重なり区間が相当に広いため整合に大きな困難がない。また、ビアがない分だけ小型化及び薄型化が可能となる。本体100の内部には複数のコイル200が存在してもよい。これらはコイル部品の機能に応じて直列または並列に連結されることができる。コイル200のコア105は本体100を構成する物質で満たされることができる。
【0021】
コイルパターン220、221、222、223、224、225、226、227、228、229のそれぞれは1未満のコイルターン数を有する。これらのうち少なくとも三つのコイルパターンが連結されなければ一つのコイルターン数を実現することができない。これにより、コイルパターン220、221、222、223、224、225、226、227、228、229は、少なくとも三つのコイルパターンを有することが好ましい。コイルパターン220、221、222、223、224、225、226、227、228、229の材質としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、すず(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、またはこれらの合金等の導電性物質を用いることができるが、これに限定されるものではない。
【0022】
コイルパターン220、221、222、223、224、225、226、227、228、229のそれぞれは、1未満のアスペクト比(Aspect Ratio:AR)を有する。即ち、線幅に対する厚さの比が1未満、例えば、0.5以下であってよい。したがって、ショート発生等の不良リスクが小さいながらもコイルの均一度の確保が可能である。また、線幅が広いため断面積が増加して低い直流抵抗(R
dc)の確保も可能である。また、その分だけ薄型に製造することができるため、上部及び下部の磁性領域をより広くすることができ、その結果、インダクタンス(L)を向上させることができる。
【0023】
コイルパターン220、221、222、223、224、225、226、227、228、229は、上述の通り、単に本体100を構成する磁性物質で取り囲まれたものであってよく、これと異なって本体100を構成する複数の絶縁層210、211、212、213、214、215、216、217、218、219のそれぞれにこれらを貫通するように形成されたものであってもよい。この場合、本体100を構成するそれぞれの絶縁層210、211、212、213、214、215、216、217、218、219は、コイルパターン220、221、222、223、224、225、226、227、228、229を形成する方法によっては、感光性絶縁物質を含む感光性絶縁層(Photo Imageable Dielectric Layer)であってよい。または、本体100を構成するそれぞれの絶縁層210、211、212、213、214、215、216、217、218、219は、磁性物質、例えば、上述の磁性体樹脂複合体がシートの形態で成形された電気絶縁性磁性層であってもよく、この場合、これらは焼結(Sintering)過程で一体化してもよい。即ち、その材質及び形成方法によっては境界が不明となり得る。
【0024】
コイルパターン220、221、222、223、224、225、226、227、228、229は、図面に示されたより多くの数の積層数を有することができ、またはこれよりさらに少ない数の積層数を有することもできる。同様に、本体100を構成する絶縁層210、211、212、213、214、215、216、217、218、219も、図面に示されたより多くの数の積層数を有することができ、またはこれよりさらに少ない数の積層数を有することもできる。場合によっては、このような構造を有するコイル200が一つではない複数個が本体100内に配置されることもできる。即ち、コイルパターン220、221、222、223、224、225、226、227、228、229の積層形態が上述のような場合であればいかなる変形も可能である。
【0025】
電極301、302は、コイル部品10が電子機器に実装されるとき、コイル部品10内のコイル200を電子機器と電気的に連結させる役割を行う。電極301、302は、例えば、伝導性樹脂層と、上記伝導性樹脂層上に形成されためっき層と、を含むことができる。伝導性樹脂層は、銅(Cu)、ニッケル(Ni)及び銀(Ag)からなる群より選択されたいずれか一つ以上の導電性金属及び熱硬化性樹脂を含むことができる。めっき層は、ニッケル(Ni)、銅(Cu)及びすず(Sn)からなる群より選択されたいずれか一つ以上を含むことができ、例えば、ニッケル(Ni)層とすず(Sn)層とが順に形成されたものであってよい。電極301、302は、コイル部品10の具体的な種類によってそれ以上の数を有することもでき、その配置形態も多様に変形されることができる。また、材料も異なり得ることはもちろんである。
【0026】
図4はコイル部品の製造一例を示す概略的な工程図である。
【0027】
図面を参照すると、コイル部品の製造一例において、コイルは、複数のコイルパターン1121、1122、1123を積層して形成される。このとき、コイルパターン1121、1122、1123のうち積層方向に隣接する互いに異なるコイルパターンは、それぞれの端部分が互いに接して電気的に連結されるように形成される。その結果、積層方向に回転する一つのコイル200が形成される。以下では、複数のコイルパターン1121、1122、1123を積層してコイルを製造することについてより詳細に説明するが、上述の内容と重複する内容は省略する。
【0028】
工程1001を参照すると、第1絶縁層1101を設ける。第1絶縁層1101は、フォトレジストであってよく、この場合、感光性絶縁(PID)物質を含むものであれば特に制限なく用いることができる。フォトレジストは、ポジ(positive)型であってよく、ネガ(negative)型であってもよい。
【0029】
工程1002を参照すると、第1絶縁層1101にフォトリソグラフィー工法で第1開口パターン1111を形成する。フォトリソグラフィー工法は、公知の露光及び現像方法を用いる。このとき、第1開口パターン1111は、第1絶縁層1101を貫通するように形成されることができるが、これに限定されるものではない。第1開口パターン1111は、コイル形状の一部を有するように形成され、必要に応じては第1開口パターン1111の形成のために第1絶縁層1101の床に別途の基板等が配置されることもできる。
【0030】
工程1003を参照すると、第1開口パターン1111を金属ペーストで満たしてから硬化して第1コイルパターン1121を形成する。金属ペーストは、金属を含む公知のペーストが用いられることができる。また、金属ペーストを満たす方法も特に制限されず、例えば、金属マスク印刷工法等を用いることができる。金属ペーストを満たして硬化すると第1コイルパターン1121が形成され、第1コイルパターン1121には上述のコイルパターンに対する説明が同一に適用されることができる。
【0031】
工程1004を参照すると、第1絶縁層1101上に第2絶縁層1102を形成する。第2絶縁層1102は、公知の積層方法によって形成されることができる。第2絶縁層1102は、フォトレジストであってよく、この場合、感光性絶縁(PID)物質を含むものであれば特に制限なく用いることができる。フォトレジストは、ポジ(positive)型であってよく、ネガ(negative)型であってもよい。
【0032】
工程1005を参照すると、第2絶縁層1102にフォトリソグラフィー工法で第2開口パターン1112を形成する。フォトリソグラフィー工法は、公知の露光及び現像方法を用いる。このとき、第2開口パターン1112は、第2絶縁層1102を貫通するように形成されることができるが、これに限定されるものではない。第2開口パターン1112は、コイル形状の一部を有するように形成され、端部分が第1コイルパターン1121の端部分と接するように形成される。
【0033】
工程1006を参照すると、第2開口パターン1112を金属ペーストで満たしてから硬化して第2コイルパターン1122を形成する。金属ペーストは、金属を含む公知のペーストが用いられることができる。また、金属ペーストを満たす方法も特に制限されず、例えば、金属マスク印刷工法等を用いることができる。金属ペーストを満たして硬化すると第2コイルパターン1122が形成され、第2コイルパターン1122には上述のコイルパターンに対する説明が同一に適用されることができる。
【0034】
工程1007を参照すると、第2絶縁層1102上に第3絶縁層1103を形成する。第3絶縁層1103は、公知の積層方法によって形成されることができる。第3絶縁層1103は、フォトレジストであってよく、この場合、感光性絶縁(PID)物質を含むものであれば特に制限なく用いることができる。フォトレジストは、ポジ(positive)型であってよく、ネガ(negative)型であってもよい。
【0035】
工程1008を参照すると、第3絶縁層1103にフォトリソグラフィー工法で第3開口パターン1113を形成する。フォトリソグラフィー工法は、公知の露光及び現像方法を用いる。このとき、第3開口パターン1113は、第3絶縁層1103を貫通するように形成されることができるが、これに限定されるものではない。第3開口パターン1113は、コイル形状の一部を有するように形成され、端部分が第2コイルパターン1122の端部分と接するように形成される。
【0036】
工程1009を参照すると、第3開口パターン1113を金属ペーストで満たしてから硬化して第3コイルパターン1123を形成する。金属ペーストは、金属を含む公知のペーストが用いられることができる。また、金属ペーストを満たす方法も特に制限されず、例えば、金属マスク印刷工法等を用いることができる。金属ペーストを満たして硬化すると第3コイルパターン1123が形成され、第3コイルパターン1123には上述のコイルパターンに対する説明が同一に適用されることができる。
【0037】
一連の過程を通じて、1以上のコイルターン数を有し、積層方向に回転する一つのコイルが形成されることができる。それ以上のコイルターン数を有するようにするためには上述の過程を繰り返せばよい。一連の過程を通じて製造された積層体は、それ自体で本体となり得る。または、その上部及び下部に必要に応じて磁性カバー層等をさらに積層して本体が完成することもできる。本体上に電極を形成するとコイル部品が製造されることができる。複数のコイルが同時に製造されてもよく、このような複数のコイルが一つの本体内に含まれてもよい。複数のコイルが同時に製造される場合は、切断工程をさらに有することができる。また、必要に応じては、電極の形成前に本体の角を丸くするための研磨工程をさらに有することもできる。
【0038】
図5はコイル部品の他の製造一例を示す概略的な工程図である。
【0039】
図面を参照すると、コイル部品の他の製造一例において、コイルは、複数のコイルパターン2121、2122、2123を積層して形成される。このとき、コイルパターン2121、2122、2123のうち積層方向に隣接する互いに異なるコイルパターンは、それぞれの端部分が互いに接して電気的に連結されるように形成される。その結果、積層方向に回転する一つのコイルが形成される。以下では、複数のコイルパターン2121、2122、2123を積層してコイルを製造することについてより詳細に説明するが、上述の内容と重複する内容は省略する。
【0040】
工程2001を参照すると、第1開口パターン2111が形成された第1絶縁層2101を形成する。これは、公知の塗布方法、例えば、スクリーン印刷工法等を用いることができる。第1絶縁層2101は、上述の金属磁性体粉末及び樹脂混合物を含む磁性体樹脂複合体がシートの形態で成形された電気絶縁性磁性層であってよいが、これに限定されるものではない。第1開口パターン2111は、第1絶縁層2101を貫通するように形成されることができるが、これに限定されるものではない。第1開口パターン2111は、コイル形状の一部を有するように形成される。必要に応じては、第1絶縁層2101の形成のために第1絶縁層2101の床に別途の基板等が配置されることもできる。
【0041】
工程2002を参照すると、第1開口パターン2111を金属ペーストで満たしてから硬化して第1コイルパターン2121を形成する。金属ペーストは、金属を含む公知のペーストが用いられることができる。また、金属ペーストを満たす方法も特に制限されず、例えば、金属マスク印刷工法等を用いることができる。金属ペーストを満たして硬化すると第1コイルパターン2121が形成され、第1コイルパターン2121には上述のコイルパターンに対する説明が同一に適用されることができる。
【0042】
工程2003を参照すると、第1絶縁層2101上に第2開口パターン2112が形成された第2絶縁層2102を形成する。これは、公知の塗布方法、例えば、スクリーン印刷工法等を用いることができる。第2絶縁層2102は、上述の金属磁性体粉末及び樹脂混合物を含む磁性体樹脂複合体がシートの形態で成形された電気絶縁性磁性層であってよいが、これに限定されるものではない。第2開口パターン2112は、第2絶縁層2102を貫通するように形成されることができるが、これに限定されるものではない。第2開口パターン2112は、コイル形状の一部を有するように形成され、端部分が第1コイルパターン2121の端部分と接するように形成される。
【0043】
工程2004を参照すると、第2開口パターン2112を金属ペーストで満たしてから硬化して第2コイルパターン2122を形成する。金属ペーストは、金属を含む公知のペーストが用いられることができる。また、金属ペーストを満たす方法も特に制限されず、例えば、金属マスク印刷工法等を用いることができる。金属ペーストを満たして硬化すると第2コイルパターン2122が形成され、第2コイルパターン2122には上述のコイルパターンに対する説明が同一に適用されることができる。
【0044】
工程2005を参照すると、第2絶縁層2102上に第3開口パターン2113が形成された第3絶縁層2103を形成する。これは、公知の塗布方法、例えば、スクリーン印刷工法等を用いることができる。第3絶縁層2103は、上述のような金属磁性体粉末及び樹脂混合物を含む磁性体樹脂複合体がシートの形態で成形された電気絶縁性磁性層であってよいが、これに限定されるものではない。第3開口パターン2113は、第3絶縁層2103を貫通するように形成されることができるが、これに限定されるものではない。第3開口パターン2113は、コイル形状の一部を有するように形成され、端部分が第2コイルパターン2122の端部分と接するように形成される。
【0045】
工程2006を参照すると、第3開口パターン2113を金属ペーストで満たしてから硬化して第3コイルパターン2123を形成する。金属ペーストは、金属を含む公知のペーストが用いられることができる。また、金属ペーストを満たす方法も特に制限されず、例えば、金属マスク印刷工法等を用いることができる。金属ペーストを満たして硬化すると第3コイルパターン2123が形成され、第3コイルパターン2123には上述のコイルパターンに対する説明が同一に適用されることができる。
【0046】
工程2007を参照すると、必要に応じては、第1〜第3絶縁層2101、2102、2103を焼結する段階をさらに経ることができる。焼結の結果、第1〜第3絶縁層2101、2102、2103の境界が不明となり得る。即ち、第1〜第3絶縁層2101、2102、2103が一体化して、絶縁層2104とすることができる。
【0047】
一連の過程を通じて、1以上のコイルターン数を有し、積層方向に回転する一つのコイルが形成されることができる。それ以上のコイルターン数を有するようにするためには、焼結前の上述の過程を繰り返せばよい。一連の過程を通じて製造された積層体はそれ自体で本体となり得る。または、その上部及び下部に必要に応じて磁性カバー層等をさらに積層して本体が完成することもできる。本体上に電極を形成するとコイル部品が製造されることができる。複数のコイルが同時に製造されてもよく、このような複数のコイルが一つの本体内に含まれてもよい。複数のコイルが同時に製造される場合は、切断工程をさらに有することができる。また、必要に応じては、電極形成の前に本体の角を丸くするための研磨工程をさらに有することもできる。
【0048】
図6はコイル部品のさらに他の製造一例を示す概略的な工程図である。
【0049】
図面を参照すると、コイル部品のさらに他の製造一例において、コイルは、複数のコイルパターン3121、3122、3123を積層して形成される。このとき、コイルパターン3121、3122、3123のうち積層方向に隣接する互いに異なるコイルパターンは、それぞれの端部分が互いに接して電気的に連結されるように形成される。その結果、積層方向に回転する一つのコイルが形成される。以下では、複数のコイルパターン3121、3122、3123を積層してコイルを製造することについてより詳細に説明するが、上述の内容と重複する内容は省略する。
【0050】
工程3001を参照すると、第1シード層3131を形成する。第1シード層3131は、公知のキャリア基板(図示せず)上に形成することができる。第1シード層3131は、無電解めっき(electro−less plating)やスパッタリング(sputtering)等を用いて形成することができる。または、キャリア基板(図示せず)が銅箔積層板(Copper Clad Laminate:CCL)である場合は銅箔を第1シード層3131として用いることもできる。
【0051】
工程3002を参照すると、第1シード層3131上に第1絶縁層3101を形成する。第1絶縁層3101は、公知の積層方法によって形成されることができる。第1絶縁層3101は、フォトレジストであってよく、この場合、感光性絶縁(PID)物質を含むものであれば特に制限なく用いることができる。フォトレジストは、ポジ(positive)型であってよく、ネガ(negative)型であってもよい。
【0052】
工程3003を参照すると、第1絶縁層3101にフォトリソグラフィー工法で第1開口パターン3111を形成する。フォトリソグラフィー工法は、公知の露光及び現像方法を用いる。このとき、第1開口パターン3111は、第1絶縁層3101を貫通するように形成されることができるが、これに限定されるものではない。第1開口パターン3111は、コイル形状の一部を有するように形成される。
【0053】
工程3004を参照すると、第1開口パターン3111を金属めっきで満たして第1コイルパターン3121を形成する。金属めっきとしては、ドライフィルム等を用いる公知の電解めっき(electro plating)等が用いられることができる。第1コイルパターン3121には、上述のコイルパターンに対する説明が同一に適用されることができる。
【0054】
工程3005を参照すると、第1絶縁層3101上に第2シード層3132を形成する。第2シード層3132は、無電解めっき(electro−less plating)やスパッタリング(sputtering)等を用いて形成することができる。
【0055】
工程3006を参照すると、第2シード層3132上に第2絶縁層3102を形成する。第2絶縁層3102は、公知の積層方法によって形成されることができる。第2絶縁層3102は、フォトレジストであってよく、この場合、感光性絶縁(PID)物質を含むものであれば特に制限なく用いることができる。フォトレジストは、ポジ(positive)型であってよく、ネガ(negative)型であってもよい。
【0056】
工程3007を参照すると、第2絶縁層3102にフォトリソグラフィー工法で第2開口パターン3112を形成する。フォトリソグラフィー工法は、公知の露光及び現像方法を用いる。このとき、第2開口パターン3112は、第2絶縁層3102を貫通するように形成されることができるが、これに限定されるものではない。第2開口パターン3112には、コイル形状の一部を有するように形成される。
【0057】
工程3008を参照すると、第2開口パターン3112を金属めっきで満たして第2コイルパターン3122を形成する。金属めっきとしては、ドライフィルム等を用いる公知の電解めっき(electro plating)等が用いられることができる。第2コイルパターン3122には、上述のコイルパターンに対する説明が同一に適用されることができる。
【0058】
工程3009を参照すると、第2絶縁層3102上に第3シード層3133を形成する。第3シード層3133は、無電解めっき(electro−less plating)やスパッタリング(sputtering)等を用いて形成することができる。
【0059】
工程3010を参照すると、第3シード層3133上に第3絶縁層3103を形成する。第3絶縁層3103は、公知の積層方法によって形成されることができる。第3絶縁層3103は、フォトレジストであってよく、この場合、感光性絶縁(PID)物質を含むものであれば特に制限なく用いることができる。フォトレジストは、ポジ(positive)型であってよく、ネガ(negative)型であってもよい。
【0060】
工程3011を参照すると、第3絶縁層3103にフォトリソグラフィー工法で第3開口パターン3113を形成する。フォトリソグラフィー工法は、公知の露光及び現像方法を用いる。このとき、第3開口パターン3113は、第3絶縁層3103を貫通するように形成されることができるが、これに限定されるものではない。第3開口パターン3113は、コイル形状の一部を有するように形成される。
【0061】
工程3012を参照すると、第3開口パターン3113を金属めっきで満たして第3コイルパターン3123を形成する。金属めっきとしては、ドライフィルム等を用いる公知の電解めっき(electro plating)等が用いられることができる。第3コイルパターン3123には、上述のコイルパターンに対する説明が同一に適用されることができる。
【0062】
工程3013を参照すると、必要に応じては、第1〜第3絶縁層3101、3102、3103をストリッピング(stripping)して除去する。ストリッピング(stripping)方法は、特に制限されず、公知の剥離液を用いることができ、または燃やして除去する方法を用いることもできる。
【0063】
工程3014を参照すると、必要に応じては、第1〜第3シード層3131、3132、3133を部分的にエッチング(etching)して除去する。即ち、第1〜第3コイルパターン3121、3122、3123の下部に形成された第1〜第3シード層3131、3132、3133を除いた残りの部分を除去することができる。
【0064】
工程3015を参照すると、必要に応じては、第1〜第3コイルパターン3121、3122、3123を磁性物質3104で取り囲む。磁性物質3104は、上述の通り、金属磁性体粉末及び樹脂混合物が混合された磁性体樹脂複合体であってよい。これはシート型で成形されて上部及び下部にそれぞれ積層して一体化したものであり得る。その他、他の磁性物質が用いられることができることはもちろんである。
【0065】
一連の過程を通じて、1以上のコイルターン数を有し、積層方向に回転する一つのコイルが形成されることができる。それ以上のコイルターン数を有するようにするためにはストリッピング(striping)前に上述の過程を繰り返せばよい。一連の過程を通じて製造された積層体は、それ自体で本体となり得る。または、その上部及び下部に必要に応じて磁性カバー層等をさらに積層して本体が完成することもできる。本体上に電極を形成するとコイル部品が製造されることができる。コイルは、複数のコイルが同時に製造されてもよく、このような複数のコイルが一つの本体内に含まれてもよい。複数のコイルが同時に製造される場合は切断工程をさらに有することができる。また、必要に応じては、電極形成の前に本体の角を丸くするための研磨工程をさらに有することもできる。
【0066】
一方、本発明において「電気的に連結される」というのは、物理的に連結された場合と、連結されていない場合をともに含む概念である。また、第1、第2等の表現は、一つの構成要素と他の構成要素を区分するために用いられるもので、該当する構成要素の順序及び/または重要度等を限定しない。場合によっては、本発明の範囲を外れずに、第1構成要素は第2構成要素と命名されることもでき、類似して第2構成要素は第1構成要素と命名されることもできる。
【0067】
また、本発明で用いられた一例という表現は、互いに同一の実施例を意味せず、それぞれ互いに異なる固有の特徴を強調して説明するために提供されるものである。しかし、上記提示された一例は、他の一例の特徴と結合して実現されることを排除しない。例えば、特定の一例で説明された事項が他の一例で説明されていなくても、他の一例でその事項と反対であるか矛盾する説明がない限り、他の一例に関連する説明であると理解されることができる。
【0068】
なお、本発明で用いられた用語は、一例を説明するために説明されたものであるだけで、本発明を限定しようとする意図ではない。このとき、単数の表現は文脈上明確に異なる意味でない限り、複数を含む。