特開2017-112966(P2017-112966A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-112966(P2017-112966A)
(43)【公開日】2017年6月29日
(54)【発明の名称】植物栽培装置
(51)【国際特許分類】
   A01G 9/02 20060101AFI20170602BHJP
   A01G 9/00 20060101ALI20170602BHJP
   A01G 1/00 20060101ALI20170602BHJP
   A01G 27/00 20060101ALI20170602BHJP
【FI】
   A01G9/02 103T
   A01G9/00 B
   A01G9/02 103W
   A01G1/00 301C
   A01G27/00 502L
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-255045(P2015-255045)
(22)【出願日】2015年12月25日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り ・平成27年10月21日〜23日に開催されたびわ湖環境ビジネスメッセ2015において公開 ・平成27年11月28日に放送の滋賀経済NOWにて公開
(71)【出願人】
【識別番号】501062914
【氏名又は名称】株式会社かんき建設
(74)【代理人】
【識別番号】100094248
【弁理士】
【氏名又は名称】楠本 高義
(74)【代理人】
【識別番号】100191189
【弁理士】
【氏名又は名称】浅野 哲平
(74)【代理人】
【識別番号】100185454
【弁理士】
【氏名又は名称】三雲 悟志
(74)【代理人】
【識別番号】100176016
【弁理士】
【氏名又は名称】森 優
(74)【代理人】
【識別番号】100129207
【弁理士】
【氏名又は名称】中越 貴宣
(74)【代理人】
【識別番号】100199831
【弁理士】
【氏名又は名称】中川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】皆黒 幸男
(72)【発明者】
【氏名】福井 政樹
【テーマコード(参考)】
2B022
2B327
【Fターム(参考)】
2B022AB02
2B022AB04
2B022AB08
2B327NE01
2B327NE12
2B327QA05
2B327QB03
2B327TA02
2B327TA09
2B327TA13
2B327TA23
2B327TA27
2B327UA04
(57)【要約】
【課題】水の溜まりを無くす植物栽培装置を提供する。
【課題を解決するための手段】窓22の下側にある外壁10に容器12を設置する。容器12内に用土68やつる植物156を載せる台座60を設ける。台座60を構成する棚板64に複数の貫通穴66を設ける。容器12の底プレート部14に排水口28を開設し、この排水口28が下方に位置するように底プレート部14を傾斜させる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
窓下の外壁に設置される植物栽培装置であって、
窓の幅方向に延び、植物を載せる台座と、
前記台座の下方に配置され、排水口を有する水受けと、
を備え、
前記台座には、水抜きが形成されており、
前記水受けは、前記水抜きの下方に設けられ、前記排水口に向かって下方に傾斜する傾斜部を有することを特徴とする植物栽培装置。
【請求項2】
前記排水口に一端が接続され、前記外壁に設けられた竪樋に他端が接続される排水管を備える請求項1に記載の植物栽培装置。
【請求項3】
前記台座の上方に配置され、前記植物に散水する散水装置を備える請求項1または請求項2に記載の植物栽培装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、窓辺を緑化する装置に関し、特に窓外において植物を栽培する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、窓外に設置されて、窓辺の緑化を図るフラワーボックスなどの花台が知られている。例えば、特許文献1には、外壁に設置された架台に栽培槽を載せた緑化システムが記載されている。栽培槽は、その内部空間が仕切板によって上下に仕切られており、上側の空間にはつる性植物が植えられている。下側の空間は貯水槽となっており、その水はポンプによって上側の空間に汲み上げられて、散水される。このような栽培槽の上方に、窓面を覆うネットが設置されており、つる性植物が成長するに従って、窓面が緑で覆われてゆく。このようにして窓面の緑化を図っている。
【0003】
しかしながら、屋外にある貯水槽に、長期にわたって水が溜められると、蚊やハエなどの害虫が発生する原因となる。また、衛生的にも好ましくない。
【0004】
ここで、特許文献2には、屋外で用いられる栽培装置において、水を排水する技術が記載されている。この栽培装置は、植物が植えられている容器を収納する桶状ボックスを有している。桶状ボックスは、建物の外壁に設置されており、その底部には、桶状ボックスに溜まった水を排水する排水口が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3196710号公報
【特許文献2】特許第5149857号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、排水口の縁周りは上方に突出しているため、依然として一定量の水が底部に溜まるようになっており、上記のような害虫の発生源となったり、不衛生になるおそれがある。
【0007】
本発明は、上記した課題に鑑み、水の溜まりを無くす植物栽培装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するため、本発明に係る植物栽培装置は、窓下の外壁に設置される植物栽培装置であって、窓の幅方向に延び、植物を載せる台座と、前記台座の下方に配置され、排水口を有する水受けと、を備え、
前記台座には、水抜きが形成されており、前記水受けは、前記水抜きの下方に設けられ、前記排水口に向かって下方に傾斜する傾斜部を有することを特徴とする。
【0009】
また、植物栽培装置は、前記排水口に一端が接続され、前記外壁に設けられた竪樋に他端が接続される排水管を備えることを特徴とする。
【0010】
また、前記台座の上方に配置され、前記植物に散水する散水装置を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の植物栽培装置は、建物の外壁に設置されるので、雨に晒される。台座上の植物に多量の雨が注がれたときには、雨水は水抜きを通って、水受けに落ちる。水受けに落ちた雨水は、傾斜部を伝って排水口から排出される。よって、本発明によれば、植物の成育に不要な水を積極的に排出することができ、水溜まりが生じない。よって、害虫の発生を防止でき、衛生的である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施形態に係る植物栽培装置の使用態様を示す図である。
図2】上記植物栽培装置の断面図である。
図3】上記植物栽培装置の正面図である。
図4】上記植物栽培装置に用いられる散水制御手段のブロック図である。
図5】他の実施形態に係る植物栽培装置の断面図である。
図6】上記他の実施形態に係る植物栽培装置の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
【0014】
実施形態に係る植物栽培装置1は、図1図3に示すように、窓下の外壁10に設置される容器12を備えている。容器12は、底プレート部14、後プレート部16、前プレート部18、及び一対の横プレート部20を有している。
【0015】
底プレート部14は、窓22の幅方向に長い方形であって、短縁の一方24が他方26よりも低くなるように、傾斜している。また、底プレート部14には、短縁の一方24の近傍に排水口28が開設されている。
【0016】
一対の横プレート部20は、底プレート部14の短縁の各々24,26から鉛直方向に延出し、各々の上端は同一高さとなっている。
【0017】
後プレート部16は、底プレート部14の後側長縁30から鉛直方向に延出しており、上端が横プレート部20の上端と同一高さとなっている。よって、後プレート部16は、斜辺が下向きの台形となっている。
【0018】
前プレート部18は、底プレート部14の前側長縁32から鉛直方向に延出しており、上部が後プレート部16の上部よりも上方に延出している。よって、前プレート部18は、斜辺が下向きの台形であって、その上底と下底が後プレート部16よりも長くなっている。
【0019】
上記のように、容器12は窓22の幅方向に長く形成されている。容器12は、例えば、所定の形状にプレス切断されたアルミニウム合金板を折り曲げて、前プレート部18、横プレート部20、後プレート部16、及び底プレート部14を形成し、さらに、各プレート部14,16,18,20の端部同士を溶接することにより作られる。
【0020】
後プレート部16を外壁10に向けた容器12は、T字脚金具36およびL字脚金具38を介して外壁10に設置される。T字脚金具36は、後プレート部16に溶接により接合される平板状の接合部40、及び接合部40の中心から外壁10に向かって延出する平板状の連結部42を有している。このT字脚金具36が、後プレート部16の長手方向に所定の間隔を開けて複数個所に設けられている。
【0021】
L字脚金具38は、外壁10に固定される平板状の被固定部44、及び被固定部44の一端から前方に向かって延出する平板状の被連結部46を有している。被固定部44には複数の貫通穴48が開設されており、外壁10に設けられたアンカーボルト50が当該貫通穴48に挿通される。このアンカーボルト50にナット52が取り付けられることで、L字脚金具38が外壁10に設置される。このL字脚金具38が、T字脚金具36の各々に相対する位置に設けられている。
【0022】
T字脚金具36の連結部42およびL字脚金具38の被連結部46には、長穴54,56が開設されており、重ね合わされた連結部42および被連結部46の長穴54,56にボルト58が挿通され、ナット(不図示)が取り付けられることで、T字脚金具36とL字脚金具38が連結される。このように連結されることで、容器12が外壁10に設置される。なお、T字脚金具36およびL字脚金具38は、アルミニウム合金製であり、引き抜き加工して成型されている。
【0023】
容器12の内側には、植物を載せる台座60が設けられている。台座60は、一対の棚受け62a,62b、及び棚板64から構成されている。
【0024】
棚受け62a,62bは、帯状であって、容器12の長手方向に長く形成されている。棚受けの一方62aは、水平な姿勢で後プレート部16に溶接されている。棚受けの他方62bは、水平な姿勢で前プレート部18に溶接されている。一対の棚受け62a,62bは、同一高さに配されており、互いの間はあいて開口が形成されている。一対の棚受け62a,62b上に棚板64が載せられている。
【0025】
棚板64は、帯状であって、その幅が前プレート部18と後プレート部16の間隔と同じであり、その長さが一対の横プレート部20の間隔と同じである。この棚板64は、容器12内に嵌め込まれて、一対の棚受け62a,62b上にまたがって配される。また、棚板64には、上記開口の上方に、直径10mm程度の円形の貫通穴66が複数個所に形成されている。なお、貫通穴66は、上記開口の上方だけでなく、棚板64の全面に開設されてもよい。
【0026】
棚板64により区分けされた内部空間の上部には、用土68が入れられており、植物が植えられる。なお、用土68が、貫通穴66を通って落ちないように、棚板64上に透水性を有するシート70を敷くのが好ましい。また、棚板64上にプランターを載せてもよい。
【0027】
本実施形態の植物栽培装置1は、建物の外壁10に設置されているので、雨に晒されて、容器12内に雨が降り注ぐこととなる。多量の雨が容器12内に注がれたときには、雨水は貫通穴66を通って、容器12の内部空間の下部へと落ちる。このように、棚板64に開設された貫通穴66は、雨水などの水分を内部空間の下部に落とす水抜きとなっている。そして、本実施形態の植物栽培装置1によれば、用土68から余分な水を排水できるので、植物の根腐れを防止することができる。
【0028】
また、内部空間の下部へ落ちた雨水は、底プレート部14上に落ちる。このように底プレート部14は、棚板64から落ちた水を受ける水受けとなっている。そして、底プレート部14上に落ちた水は、底プレート部14を伝って排水口28から容器12の外へ排出される。よって、本実施形態の植物栽培装置1は、容器12内に水溜まりができないので、害虫の発生を防止することができる。また、衛生的である。
【0029】
本実施形態の植物栽培装置1は、さらに、容器12の内部空間の上部に横架部72が設けられている。横架部72は、棒状であって、その両端が前プレート部18および後プレート部16に溶接により接合されている。このような横架部72が容器12の長手方向に所定間隔で並んでいる。複数の横架部72を備えることで、容器12の強度を向上させることができる。
【0030】
本実施形態の植物栽培装置1は、さらに、容器12の外側に格子体74が設置されている。格子体74は、底枠部76、前枠部78、及び横枠部80を有している。
【0031】
底枠部76は、容器12の長手方向に長い方形であり、水平な姿勢で容器12の下方に配置されている。底枠部76の枠内には、複数の横棒部82が設けられている。横棒部82は、長手を水平方向かつ外壁10に向けて、容器12の長手方向に所定間隔で並んでおり、その両端が底枠部76に溶接されている。
【0032】
前枠部78は、容器12の長手方向に長い方形であり、鉛直な姿勢で容器12の前方に配置されている。前枠部78の枠内には、複数の縦棒部84が溶接されている。複数の縦棒部84は、長手を鉛直方向に向けて、容器12の長手方向に所定間隔で並んでおり、その両端が前枠部78に溶接されている。横枠部80は、方形であり、鉛直に向けた状態で容器12の左右に配置されている。
【0033】
縦棒部84および横棒部82の各々には、平板状の方形金具86,88が溶接されている。方形金具86,88は容器12に向かって延出しており、長穴90,92が開設されている。この方形金具86,88の各々に相対する複数のT字脚金具94,96が、容器12の前プレート部18および底プレート部14に設けられている。
【0034】
T字脚金具94は、溶接により前プレート部18に接合される接合部98、及び接合部98の中心から前方に延出する被連結部100を有している。T字脚金具96は、溶接により底プレート部14に接合される接合部102、及び接合部102の中心から下方に延出する被連結部104を有している。各T字脚金具94,96の被連結部100,104には、方形金具86,88に開設されている長穴90,92に対応する位置に、長穴106,108が開設されている。方形金具86,88の長穴90,92とT字脚金具94,96の長穴106,108に挿通されたボルト110に、ナット112が取り付けられており、これにより、格子体74が容器12に取り付けられている。
【0035】
格子体74が容器12に取り付けられることで、容器12の剛性が高まり、用土68の重みや地震による容器12の変形を防止することができる。
【0036】
さらに、本実施形態の植物栽培装置1は排水管114を備えている。排水管114は、その一端が容器12の排水口28に接続されており、他端が他の排水管174に接続されている。この他の排水管174は建物の竪樋116に通じている。排水管114,174を備えることで、容器12から排出される余分な水が排水管114,174および竪樋116を流れて、排水される。
【0037】
さらに、本実施形態の植物栽培装置1は、用土68上に散水ヘッド118が配されている。散水ヘッド118は、円筒状であり、筒軸が容器12の長手方向を向いている。散水ヘッド118の一端から他端にかけて複数の小穴120が開設されている。散水ヘッド118の一端は閉じられており、他端はホース122を介して水道の蛇口(不図示)に通じている。蛇口から出た水が、ホース122内を流れて、散水ヘッド118の複数の小穴120から放出されることで、容器12内に散水される。このような散水ヘッド118およびホース122は、容器12内に散水する散水装置として機能している。
【0038】
散水装置は、図4に示すように、電気的に駆動されるバルブ124を蛇口と散水ヘッド118の間に備えてもよい。バルブ124は、マイクロコンピュータ126の出力端子128に接続されており、当該出力端子128からの信号に基づいて、バルブ124の開閉を行う。マイクロコンピュータ126は、中央処理装置(以下、「CPU」と称し、符号"130"を付す。)、プログラムが記憶された記憶装置132、及び複数の端子を有している。複数の端子は、上記の出力端子128の他に、リアルタイムクロック(以下、「RTC」と称し、符号"134"を付す。)からの信号が入力される入力端子136を有している。CPU130は、記憶装置132からプログラムをロードして、次の処理をおこなう。
【0039】
CPU130は、周期的にRTC134からの信号を取得し、当該信号を解析して現在時刻を取得する。取得した現在時刻が散水時刻に達すると、CPU130は、出力端子128を制御して、バルブ124を開ける開放信号を出力する。なお、散水時刻は、散水を開始する時刻であって、予めプログラムに定められている。よって、所定の時刻になると、蛇口からの水が散水ヘッド118に供給されて、散水が開始される。
【0040】
さらに、CPU130は、周期的にRTC134から入力された信号に基づいて現在時刻を取得する。この現在時刻が終了時刻に達すると、CPU130は、出力端子128を制御して、バルブ124を閉じる閉鎖信号を出力する。なお、終了時刻は、散水を終了する時刻であって、予めプログラムに定められている。よって、所定の時刻になると、蛇口から散水ヘッド118に流れる水が遮断されて、散水が終了する。このように、バルブ124、マイクロコンピュータ126、及びRTC134は、自動で散水を開始し、また散水を終了させる散水制御手段として機能している。散水制御手段を有する植物栽培装置1は、自動で散水されるので、水やりを忘れることがない。
【0041】
また、本実施形態の植物栽培装置1は、窓22の上下間に張設された複数のワイヤー138を有している。ワイヤー138の上端部は、窓上の外壁10に設置されたL字脚金具140に取り付けられている。L字脚金具140は、窓22の幅方向に延びる帯状の被固定部142と、被固定部142から前方に延出している帯状の取付部144と、を有している。被固定部142には複数の貫通穴(不図示)が開設されており、窓上の外壁10に埋め込まれた複数のアンカーボルト(不図示)が当該貫通穴に通される。そして、ナット146がアンカーボルトに取り付けられることで、L字脚金具38が窓上の外壁10に設置される。取付部144には、複数の貫通穴148が、所定の間隔で開設されている。ワイヤー138の上端部は、貫通穴148に通されて、取付部144に括りつけられる。
【0042】
ワイヤー138の下端部は、後プレート部16上に設置された角棒150に取り付けられている。角棒150は、後プレート部16の上部に形成された折曲部152に沿って、容器12の長手方向に延びており、折曲部152に溶接されている。角棒150には、所定の間隔で複数の貫通穴154が開設されている。ワイヤー138の下端部は、当該貫通穴154に通されて、角棒150に括りつけられる。用土68につる植物156が植えられると、つる植物156がワイヤー138に巻き付きながら上方に成長する。このようにつる植物156が成長することで、窓面が緑化され、つる植物156を、日差しを遮るカーテンとして機能させることができる。
【0043】
また、本実施形態の植物栽培装置1は、容器12(以下、「主容器12」という)に取り付けられる付属容器158を有してもよい。付属容器158は、主容器12よりも小さい角形のアルミニウム合金製容器であって、その前プレート部160が、他の側プレート部よりも上方に長く延出している。前プレート部160の先端部は、前方かつ下方に折れ曲る折曲部162を形成しており、当該折曲部162が主容器12の前プレート部18の先端に形成された折曲部164に嵌め込まれる。
【0044】
付属容器158内には、用土68が入れられており、植物が植えられる。また、付属容器158内には植物が植えられた小鉢が入れられてもよい。このような植物栽培装置1によれば、主容器12でつる植物156を栽培して窓面を緑化しつつ、付属容器158で花を育てることができる。
【0045】
本発明の植物栽培装置は、上記の実施形態に限定されず、図5および図6に示す態様であってもよい。
【0046】
この植物栽培装置3は、窓22の幅方向に長く形成された角形の容器166を備えている。容器166の内側には、台座60が設けられている。台座60は、水平な姿勢で設けられる棚板62と、この棚板62を受ける棚受け62a,62bと、から構成される。棚板62には、複数の貫通穴66が開設されている。
【0047】
台座60の下方には、傾斜板168が設けられている。傾斜板168は、容器166の内側に広がっており、短縁の一方170が他方172よりも下がった姿勢で、容器166の内面に溶接されている。また、短縁の一方170の近傍には排水口28が形成されている。
【0048】
排水口28には排水管114が接続されている。排水管114は、容器166の底に開設された穴を通って、容器166外に垂下している。排水管114の下部には、建物の竪樋(不図示)に繋がった他の排水管174が接続されている。
【0049】
上記の容器166は、窓下の外壁10に設置された格子体176内に収納されている。格子体176は、容器166の周りに設けられる底枠部178、前枠部180、後枠部182、及び横枠部184を有している。
【0050】
底枠部178は、容器166の長手方向に長い方形であり、水平な姿勢で容器166の外底面186側に設けられている。底枠部178の枠内には、複数の横棒部188が溶接されている。複数の横棒部188は、長手を水平方向かつ外壁10に向けた状態で、所定の間隔をあけて並べられている。
【0051】
前枠部180は、容器166の長手方向に長い方形であり、鉛直姿勢で容器166の前面190側に設けられている。後枠部182は、容器166の長手方向に長い方形であり、鉛直姿勢で容器166の後面192側に設けられている。横枠部184は、方形であり、鉛直姿勢で容器166の左面194側および右面196側に設けられている。
【0052】
前枠部180、後枠部182、及び横枠部184の枠内には、複数の縦棒部198が形成されている。後枠部182の枠内の縦棒部198には、L字脚金具38の一方の板部200が溶接されている。このL字脚金具38の他方の板部202には、貫通穴48が形成されており、外壁10に設けられたアンカーボルト50が貫通穴48に通されてナット52により固定される。このようにして格子体176が外壁10に設置される。
【0053】
このような植物栽培装置3によれば、格子体176を外壁10に設置し、この格子体176に容器166を嵌め込めばよいので、上記植物栽培装置1に比べて施工が簡単である。
【0054】
また、ワイヤー138の下端部を取り付ける取付金具204を外壁10に設置してもよい。取付金具204は、外壁10に固定される被固定部206を有している。被固定部206には貫通穴208が開設されており、外壁10に設けられたアンカーボルト50が当該貫通穴208に通されてナット52が取り付けられる。被固定部206の上部から前方に向かって取付部210が形成されている。取付部210には、ワイヤー138が挿通される穴(不図示)が開設されており、ワイヤー138の下端部が当該穴に通されて括りつけられる。
【0055】
本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の知識に基づき種々の改良、修正、変形を加えた態様で実施し得るものであり、これらの態様はいずれも本発明の範囲に属するものである。
【0056】
例えば、水受けは、排水口28に向かって下方に傾斜する傾斜部を有していれば、種々の態様を採用することができる。例えば、水受けは、山折り状に形成された傾斜面を有し、その下部の両方に排水口を設けてもよい。他には、水受けは、谷折り状に形成された傾斜面を有し、その下部に排水口を設けてもよい。また、傾斜部は、平坦な面に限られず、樋状に湾曲した面であってもよい。さらに、傾斜部は、排水口に向かって傾斜する傾斜溝であってもよい。
【0057】
容器12を外壁10に設置する設置具として、T字脚金具36やL字脚金具38を用いたが、他の形状の金具を用いてもよい。また、単一の金具を用いて容器12を外壁10に設置してもよい。また、格子体176を外壁10に設置する設置具も同様に、L字脚金具38に限定されず、他の形状の金具を用いてもよい。
【0058】
アルミニウム合金から成る容器12,166、T字脚金具36、L字脚金具38、格子体74,176、付属容器158は、腐食を防止するとともに、美観を保つために、電解着色塗装を施すのが好ましい。また、これの部材は、ステンレスなどの他の金属を用いてもよい。
【0059】
図2および図3に示すように、格子体74の外側に化粧板212を取り付けてもよい。また、化粧板212の外側にルーバー状の部材214を取り付けてもよい。
【符号の説明】
【0060】
1,3 … 植物栽培装置
10 … 外壁
14 … 底プレート部
22 … 窓
28 … 排水口
60 … 台座
66 … 貫通穴
114,174 … 排水管
116 … 竪樋
118 … 散水ヘッド
156 … 植物
図1
図2
図3
図4
図5
図6