水素風呂システム100は、水素発生装置1と、マイクロバブル発生装置2とを備え、水素発生装置1は水素ガスを供給し、マイクロバブル発生装置2におけるマイクロバブル発生部25の給水ポンプは水を供給し、マイクロバブル発生装置2におけるマイクロバブル発生部25の発生ノズルは、給水ポンプによって供給された水に対して、水素発生装置1によって供給された水素ガスの微細気泡を、加圧しつつ溶解させることにより、水素の微細気泡が溶解された状態の液体である加圧水素水を生成する。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る水素風呂システムの実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。ただし、実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0018】
〔実施の形態の基本的概念〕
まずは、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、概略的に、水素ガスを供給するガス供給手段と、水を供給する水供給手段と、水供給手段によって供給された水と、ガス供給手段によって供給された水素ガスとを用いて、加圧水素水を生成する加圧水素水生成手段と、加圧水素水生成手段によって生成された加圧水素水を用いて、マイクロバブル水素水を浴槽において生成するマイクロバブル水素水生成手段を備える水素風呂システムに関するものである。
【0019】
ここで、「水素風呂システム」とは、水素水を生成する水素水生成システムであり、具体的には、浴槽に水素水を供給する供給手段であり、例えば、公衆浴場のための業務用のシステム、又は家庭の浴室のための家庭用のシステム等が該当する。「公衆浴場」とは、温湯、潮湯又は温泉等を用いて公衆を入浴させる設備であり、具体的には、浴場建屋と当該浴場建屋内の浴室とを備るものであり、例えば、温泉旅館、病院、フィットネスジム等である。また、「家庭の浴室」とは、家庭に設けられている浴室であり、例えば、一般住宅の浴室である。
【0020】
「水素水」とは、水素が溶解されている(つまり、溶存している)液体であり、具体的には、水素が溶解されている水であって、例えば、浴槽に供給される湯又は水である。一般的に、入浴に用いる「水素水」は、入浴者の健康増進の観点から、基準水素量以上の水素が溶解されていることが望ましい。「基準水素量」とは、入浴者の健康増進に関する水素水の品質の判定の基準となる、水素水中の水素量であり、具体的には、入浴者のアンチエイジング(つまり、老化防止)効果又は治癒力向上の如き、医学的効果についての所定の医学理論又は医学実験等に基づいて任意に設定される量であり、例えば、水素水の溶存水素濃度、又は水素水の酸化還元電位を用いて表される量である。「溶存水素濃度」とは、水素が溶解している溶液中の水素の濃度であり、例えば、単位ppm(パーツ・パー・ミリオン)を用いて表され、「酸化還元電位」とは、水素が溶解している溶液中の酸化還元状態を示す電位であり、例えば、単位mV(ミリ・ボルト)を用いて表される。そして、一般的には、「基準水素量」として、「溶存水素濃度」=「0.2(ppm)」に設定し、溶存水素濃度が0.2(ppm)以上である場合に、健康増進のための効果が比較的大きいものと判定し、溶存水素濃度が0.2(ppm)未満である場合に、健康増進のための効果がそれほど大きくないものと判定する場合がある。また、例えば、「基準水素量」として、「酸化還元電位」=「−200(mV)」に設定し、酸化還元電位が「−200(mV)」以下(つまり、例えば「−300(mV)」、「−500(mV)」等)である場合に、健康増進のための効果が比較的大きいものと品質の判定し、酸化還元電位が「−200(mV)」より大きい(つまり、例えば「−100(mV)」、「−50(mV)」)場合に、健康増進のための効果がそれほど大きくないものとする場合がある。ただし、水素は、大気圧中では水素水から比較的短時間で抜け出てしまうので、水に基準水素量以上の水素を溶解させて維持するのは困難であった。しかしながら、本出願人は、水素水としてマイクロバブル水素水を生成して用いることにより、基準水素量以上の水素が溶解されて維持される水素水を生成して用いることに想到した。
【0021】
「マイクロバブル水素水」とは、水素水であり、具体的には、水素(例えば、水素ガス)のマイクロバブルが発生している状態の液体であり、例えば、水素のマイクロバブルが発生している状態の水である。「マイクロバブル」とは、液体中における気体の微細気泡であり、「微細気泡」とは、微細な気泡であり、例えば、直径が数十〜数百(μm)の気泡であって、1分間に数(mm)程度しか上昇しないために、比較的長い時間にわたって液体中に滞在し続けることが可能となる特徴を有するものである。
【0022】
この「マイクロバブル水素水」を生成する手法としては、加圧発泡方式、気液せん断方式、及びその他の公知の方式を含む任意の方式を用いることが可能である。ここで、「加圧発泡方式」とは、液体(例えば、水)の過飽和を利用した方式であり、具体的には、加圧水素水を生成し、生成した加圧水素水を減圧することにより、マイクロバブル水素水を生成する方式である。なお、「加圧水素水」とは、大気圧(ここでは、1気圧)よりも高い圧力が加えられている水素水であり、具体的には、大気圧下の水に対する水素の溶解度よりも多い量の水素が溶解している水素水であって、例えば、大量の水素の微細気泡が溶解している水素水である。また、「気液せん断方式」とは、気体をせん断することを利用した方式であり、具体的には、水中において渦流(例えば、毎秒600回転等)を生成し、生成した渦流に水素ガスを巻き込んで、巻き込んだ水素ガスをせん断することにより、マイクロバブル水素水を生成する方式である。
【0023】
また、「マイクロバブル水素水」の生成のために用いる水としては、任意の水を用いることができるが、例えば、貯留水を用いてマイクロバブル水素水を生成する場合と、貯留水以外の水を用いてマイクロバブルを生成する場合とが挙げられる。ここで、「貯留水」とは、貯留している液体であり、具体的には、浴槽に貯留している湯又は水等である。また、「貯留水以外の水」とは、貯留水では無い水であり、具体的には、公衆浴場又は家庭の浴室の外から供給される水道水等である。
【0024】
そして、以下に示す実施の形態においては、「水素風呂システム」が「公衆浴場のための業務用のシステム」であり、「公衆浴場」が「温泉旅館」であり、「水素水」が「浴槽に供給される湯」であり、「マイクロバブル水素水を生成する手法」として「加圧発泡方式」を用い、「マイクロバブルの生成のために用いる水」として「貯留水」を用い、「貯留水」が「湯」であり、水素水に関する判定について「溶存水素濃度」を用いる場合について説明する。また、実際には、浴槽に貯留される水の温度を調整するための温度調整手段(例えば、ボイラ装置等)、温泉水を浴槽に供給するための供給手段等の公知の装置も設けられているが、ここでは、これらの公知の装置の説明については省略する。
【0025】
〔実施の形態の具体的内容〕
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
【0026】
(構成)
まず、本実施の形態に係る水素風呂システムの構成について説明する。
図1は、本実施の形態に係る水素風呂システムの電気的構成を機能概念的に示すブロック図である。また、
図2は、水素風呂システムにおける水素水を発生させる回路を示す図である。
図1に示す水素風呂システム100は、温泉旅館の建屋901の浴室902に設けられている浴槽903にマイクロバブル水素水を供給するシステムであり、水素発生装置1、マイクロバブル発生装置2、第1濃度センサ3、第2濃度センサ4、安全装置5、制御装置6、
図2の外部ガス配管L31、外部水配管L41、及び外部水素水配管L42を備えており、これらのうちの所定の装置(例えば、水素発生装置1、マイクロバブル発生装置2、第1濃度センサ3、第2濃度センサ4、安全装置5、及び制御装置6)は所定の通信線を介して通信できるように接続されている。
【0027】
(構成‐水素発生装置)
最初に、
図1の水素発生装置1は、水素ガスを発生して供給するガス供給手段であって、具体的には、水素風呂システム100のための専用装置、又は、水素風呂システム100以外のシステムにも汎用的に用いられる装置等によって構成されているものであり、例えば、建屋901の外部に設けられている装置である。この水素発生装置1は、入力部11、出力部12、通信部13、記憶部14、水素ガス発生部15、及び制御部16を備える。
【0028】
(構成‐水素発生装置‐入力部)
入力部11は、水素発生装置1に対する操作入力を行うための入力手段であり、具体的には、操作ボタン、又は操作ハンドル等を備えて構成されている。
【0029】
(構成‐水素発生装置‐出力部)
また、出力部12は、水素発生装置1の情報を出力する手段であり、具体的には、水素発生装置1の動作状態を出力する状態表示ランプ等を備えて構成されている。
【0030】
(構成‐水素発生装置‐通信部)
また、通信部13は、水素風呂システム100に含まれている装置との間で通信を行うための通信手段であり、具体的には、通信インターフェース等を備えて構成されている。
【0031】
(構成‐水素発生装置‐記憶部)
また、記憶部14は、水素発生装置1の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記憶する記憶手段である。この記憶部14は、例えば、外部記憶装置としてのハードディスク(図示省略)を用いて構成することができ、ハードディスクに代えてあるいはハードディスクと共に、磁気ディスクの如き磁気的記憶媒体、又はDVDやブルーレイディスクの如き光学的記憶媒体を含む、その他の任意の記憶媒体を用いることもできる(この点については、他の装置や機器の記憶部も同様としてもよい)。この記憶部14には、水素発生装置1を一意に識別するための識別情報(以下、水素発生装置ID)が格納されている。
【0032】
(構成‐水素発生装置‐水素ガス発生部)
水素ガス発生部15は、水素ガスを発生するガス発生手段であり、また、水素ガスを供給するガス供給である。この水素ガス発生部15において用いられる水素ガスの発生手法については、公知の手法を含む任意の水素ガス発生手法を用いることができるが、ここでは、例えば、純水の電気分解による手法を用いるものとして、以下説明する。この水素ガス発生部15は、例えば、
図2の純水タンク151、水素ガス発生機構152、流量調整弁153、ガス出力口PGO1、内部水配管L11、及び内部ガス配管L12を備える。
【0033】
純水タンク151は、水を貯留するための貯留手段であり、具体的には、水素ガスを発生させるための純水を貯留するものである。
【0034】
また、水素ガス発生機構152は、水素ガスを発生させるためのガス発生手段であり、具体的には、電気分解を行うための電極(不図示)である陽極及び陰極、純水タンク151の純水を電極に供給するための内部ポンプ(不図示)、発生した水素ガスを貯留する貯留タンク(不図示)等を備えて構成されている。
【0035】
また、流量調整弁153は、水素ガスの出力流量を調整するための調整手段であり、具体的には、開度を調整可能な電磁弁等を備えて構成されている。
【0036】
また、ガス出力口PGO1は、水素ガスを出力するための出力手段であり、具体的には、水素ガス発生装置1の所定位置(例えば、背面側等)に設けられている出力口である。
【0037】
また、内部水配管L11は、純水を供給するための供給手段であり、具体的には、純水タンク151及び水素ガス発生機構152の間に流体接続されている配管である。なお、「流体接続」とは、流体的に接続されていることであり、具体的には、接続対象の装置(又は、装置の一部)間において流体(例えば、液体又は気体)を供給できるように、接続対象の装置間(又は、装置の一部)間を接続することである。
【0038】
また、内部ガス配管L12は、水素ガスを供給するための供給手段であり、具体的には、水素ガス発生機構152とガス出力口PGO1との間に流体接続されており、途中の流路上に流量調整弁153が設けられている配管である。
【0039】
(構成‐水素発生装置‐制御部)
図1に戻って、また、制御部16は、水素発生装置1に関する各種の制御を行う制御手段であり、具体的には、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケ−ションプログラムを含む)、及びプログラムや各種のデ−タを格納するためのRAMの如き内部メモリを備えて構成されるコンピュ−タである。特に、実施の形態に係るプログラムは、任意の記録媒体又はネットワ−クを介して制御部16にインストールされることで、制御部16の各機能を実質的に構成する(この点については、他の装置や機器の制御部も同様としてもよい)。
【0040】
(構成‐マイクロバブル発生装置)
次に、マイクロバブル発生装置2は、マイクロバブルを発生する気泡発生手段であって、具体的には、水素風呂システム100のための専用装置、又は、水素風呂システム100以外のシステムにも汎用的に用いられる装置等によって構成されているものであり、例えば、建屋901の外部に設けられている装置である。このマイクロバブル発生装置2は、入力部21、出力部22、通信部23、記憶部24、マイクロバブル発生部25、及び制御部26を備える。
【0041】
(構成‐マイクロバブル発生装置‐入力部)
まず、入力部21は、マイクロバブル発生装置2に対する操作入力を行うための入力手段であり、具体的には、操作ボタン、又は操作ハンドル等を備えて構成されている。
【0042】
(構成‐マイクロバブル発生装置‐出力部)
また、出力部22は、マイクロバブル発生装置2の情報を出力する手段であり、具体的には、マイクロバブル発生装置2の動作状態を出力する状態表示ランプ等を備えて構成されている。
【0043】
(構成‐マイクロバブル発生装置‐通信部)
また、通信部23は、水素風呂システム100に含まれている装置との間で通信を行うための通信手段であり、具体的には、通信インターフェース等を備えて構成されている。
【0044】
(構成‐マイクロバブル発生装置‐記憶部)
また、記憶部24は、マイクロバブル発生装置2の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記憶する記憶手段である。この記憶部24には、マイクロバブル発生装置2を一意に識別するための識別情報(以下、マイクロバブル発生装置ID)が格納されている。
【0045】
(構成‐マイクロバブル発生装置‐マイクロバブル発生部)
マイクロバブル発生部25は、マイクロバブル水素水を生成するマイクロバブル水素水生成手段であり、また、加圧水素水を生成する加圧水素水生成手段であり、また、水を供給する水供給手段であり、具体的には、前述の「加圧発泡方式」を用いてマイクロバブル水素水を生成するものである。このマイクロバブル発生部25は、例えば、
図2の給水ポンプ251、発生ノズル252、加圧水素水タンク253、流量調整弁254、ガス入力口PGI2、液体入力口PLI2、液体出力口PLO2、内部水配管L21、第1内部水素水配管L22、第2内部水素水配管L23、及び内部ガス配管L24を備える。
【0046】
給水ポンプ251は、水を供給する水供給手段であり、具体的には、浴槽903の貯留水W1を発生ノズル253に供給するものである。
【0047】
また、発生ノズル253は、水素のマイクロバブルを発生させるためのマイクロバブル発生手段であり、特に、加圧水素水を生成する加圧水素水生成手段であって、具体的には、水に対して水素ガスのマイクロバブルを発生させた上で溶解させるミキシングノズルであり、例えば、マイクロバブルの径に対応する水素ガス吐出口等を備えて構成されている。
【0048】
また、加圧水素水タンク253は、加圧水素水を貯留するための貯留手段であり、具体的には、大気圧よりも高い圧力が内部に加えられているものである。なお、加圧水素水タンク253内の圧力については、大気圧よりも高い圧力であれば任意に設定することができるが、ここでは、例えば、大気圧の4倍(つまり、4気圧)に設定されているものとして、以下説明する。
【0049】
また、流量調整弁254は、加圧水素水の出力流量を調整するための調整手段であり、特に、加圧水素水を浴槽903に供給するためのマイクロバブル生成手段であり、具体的には、開度を調整可能な電磁弁等を備えて構成されている。
【0050】
また、ガス入力口PGI2は、水素ガスを入力するための入力手段であり、具体的には、マイクロバブル発生装置2の所定位置(例えば、背面側等)に設けられている入力口である。
【0051】
また、液体入力口PLI2は、水を入力するための入力手段であり、特に、浴槽903の貯留水W1を供給する水供給手段であり、具体的には、マイクロバブル発生装置2の所定位置(例えば、背面側等)に設けられている入力口である。
【0052】
また、液体出力口PLO2は、加圧水素水を出力するための出力手段であり、特に、加圧水素水を浴槽903に供給するためのマイクロバブル生成手段であり、具体的には、マイクロバブル発生装置2の所定位置(例えば、背面側等)に設けられている出力口である。
【0053】
また、内部水配管L21は、水を供給するための水供給手段であり、特に、浴槽903の貯留水W1を供給する水供給手段であり、具体的には、発生ノズル252及び液体入力口PLI2の間に流体接続されており、途中の流路上に給水ポンプ251が設けられている配管である。
【0054】
また、第1内部水素水配管L22は、加圧水素水を供給するための加圧水素水供給手段であり、具体的には、発生ノズル252及び加圧水素水タンク253の間に流体接続されている配管である。
【0055】
また、第2内部水素水配管L23は、加圧水素水を供給する供給手段であり、特に、加圧水素水を浴槽903に供給するためのマイクロバブル生成手段であり、具体的には、加圧水素水タンク253及び液体出力口PLO2の間に流体接続されており、途中の流路上に流量調整弁254が設けられている配管である。
【0056】
また、内部ガス配管L24は、水素ガスを供給するための水素ガス供給手段であり、具体的には、発生ノズル252とガス入力口PGI2との間に流体接続されている配管である。
【0057】
(構成‐マイクロバブル発生装置‐制御部)
図1に戻って、また、制御部26は、マイクロバブル発生装置2に関する各種の制御を行う制御手段であり、マイクロバブル発生装置2の各機能を実質的に構成する。
【0058】
(構成‐第1濃度センサ)
次に、第1濃度センサ3は、流体中の所定の検出対象物質の濃度を検出する濃度検出手段であり、具体的には、
図2の浴槽903の貯留水W1中の溶存水素濃度(つまり、水素濃度)を検出し、検出結果を出力するものであり、例えば、貯留水W1中に設けられるものである。この第1濃度センサ3としては、公知のセンサを含む任意のセンサを用いることができるが、ここでは、例えば、第1濃度センサ3を一意に識別するための識別情報(以下、第1濃度センサID)が格納されてメモリを有しており、溶存水素濃度を単位ppmにて検出するセンサ装置を用いるものとして、以下説明する。また、第1濃度センサ3の個数及び設置位置については、測定精度等との関係に応じて任意に設定することが可能であるが、ここでは、例えば、
図2に示すように1つのみの第1濃度センサ3を浴槽903の底の中央に設けるものとして、以下説明する。
【0059】
(構成‐第2濃度センサ)
図1に戻って、第2濃度センサ4は、流体中の所定の検出対象物質の濃度を検出する濃度検出手段であり、具体的には、浴槽903が設けられている領域である浴室902における気体中の水素濃度を検出し、検出結果を出力するものであり、例えば、浴室902中に設けられるものである。この第2濃度センサ4としては、公知のセンサを含む任意のセンサを用いることができるが、ここでは、例えば、第2濃度センサ4を一意に識別するための識別情報(以下、第2濃度センサID)が格納されてメモリを有しており、気体中の水素濃度として空気中の水素の体積比(つまり、空気中における水素ガスの体積の割合)を単位パーセントにて検出するセンサ装置を用いるものとして、以下説明する。また、第2濃度センサ4の個数及び設置位置については、測定精度等との関係に応じて任意に設定することが可能であるが、ここでは、例えば、
図1の第2濃度センサ4が複数の濃度センサの総称であり、これら複数の濃度センサが浴室902の天井における互いに離れた位置に設けられているものとして、以下説明する。
【0060】
(構成‐安全装置)
次に、安全装置5は、安全性を確保するための安全手段であり、具体的には、換気を行う換気装置であって、例えば、通信部51、記憶部52、換気部53、及び制御部54を備える。
【0061】
(構成‐安全装置‐通信部)
まず、通信部51は、水素風呂システム100に含まれている装置との間で通信を行うための通信手段であり、具体的には、通信インターフェース等を備えて構成されている。
【0062】
(構成‐安全装置‐記憶部)
また、記憶部52は、安全装置5の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記憶する記憶手段である。この記憶部52には、安全装置5を一意に識別するための識別情報(以下、安全装置ID)が格納されている。
【0063】
(構成‐安全装置‐換気部)
また、換気部53は、浴室902の換気を行う換気手段であり、例えば、浴室902の外部から内部に空気を取り込むファン等を備えて構成されている。
【0064】
(構成‐安全装置‐制御部)
また、制御部54は、安全装置5に関する各種の制御を行う制御手段であり、安全装置5の各機能を実質的に構成する。
【0065】
(構成‐制御装置)
次に、制御装置6は、水素風呂システム100を制御する制御手段であり、具体的には、水素風呂システム100のための専用装置、又は、水素風呂システム100以外のシステムにも汎用的に用いられる装置等によって構成されているものであり、例えば、建屋901の内の管理室(不図示)等に設けられている装置である。この制御装置6は、入力部61、出力部62、通信部63、記憶部64、及び制御部65を備える。
【0066】
(構成‐制御装置‐入力部)
まず、入力部61は、制御装置6に対する操作入力を行うための入力手段であり、具体的には、キーボード、マウス等を備えて構成されている。
【0067】
(構成‐制御装置‐出力部)
また、出力部62は、制御装置6の情報を出力する手段であり、具体的には、ディスプレイ等を備えて構成されている。
【0068】
(構成‐制御装置‐通信部)
また、通信部63は、水素風呂システム100に含まれている装置との間で通信を行うための通信手段であり、具体的には、通信インターフェース等を備えて構成されている。
【0069】
(構成‐制御装置‐記憶部)
また、記憶部64は、マイクロバブル発生装置2の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記憶する記憶手段である。この記憶部64には、溶存水素濃度判定閾値特定情報、安全判定閾値特定情報、及び装置特定情報が格納されている。
【0070】
「溶存水素濃度判定閾値特定情報」とは、溶存水素濃度判定閾値を特定する情報であり、「溶存水素濃度判定閾値」とは、判定に用いられる基準値であり、具体的には、溶存水素濃度判定に用いられる閾値であり、例えば、前述の「基準水素量」に基づいて設定される値である。ここで、「溶存水素濃度判定」とは、溶存水素濃度についての判定であり、具体的には、入浴者の健康増進の効果が比較的大きいか否かの判定である。そして、「溶存水素濃度判定閾値」については、前述の「基準水素量」である「溶存水素濃度」=「0.2(ppm)」よりも高い値であれば、任意の値に設定することができるが、ここでは、例えば、溶存度判定閾値として「0.4(ppm)」を特定する情報が、入力部61を介して入力されて格納されているものとして、以下説明する。
【0071】
また、「安全判定閾値特定情報」とは、安全判定閾値を特定する情報であり、「安全判定閾値」とは、判定に用いられる基準値であり、具体的には、安全判定に用いられる閾値であり、例えば、所定の法令又は安全性を確認するための所定の実験(例えば、発火の危険性が無いことの確認実験等)に基づいて任意に設定される値である。ここで、「安全判定」とは、安全性についての判定であり、具体的には、入浴者が安全に入浴できるか否かの判定である。そして、「安全判定閾値」については、前述の「空気中の水素の体積比」(つまり、「気体中の水素濃度」)を用いて、安全判定閾値未満の濃度の場合には安全性を確実に確保できる(つまり、例えば、発火の危険性が無い)ように任意の値に設定することができるが、ここでは、例えば、安全判定閾値として「空気中の水素の体積比」=「4(%)」を特定する情報が、入力部61を介して入力されて格納されているものとして、以下説明する。
【0072】
また、「装置特定情報」とは、装置を特定する情報であり、具体的には、水素風呂システム100中の各装置の種別と各装置を一意に識別する識別情報とが対応付けられている情報である。この「装置特定情報」については、水素風呂システム100のシステム構成に応じて任意に設定することができるが、ここでは、例えば、装置特定情報として、「種別」=「水素発生装置」と「識別情報」=「水素発生装置ID」との組合せ、「種別」=「マイクロバブル発生装置」と「識別情報」=「マイクロバブル発生装置ID」との組合せ、「種別」=「溶存水素濃度センサ」と「識別情報」=「第1濃度センサID」との組合せ、及び「種別」=「気体中の水素濃度センサ」と「識別情報」=「第2濃度センサID」との組合せ、「種別」=「安全装置」と「識別情報」=「安全装置ID」との組合せを特定する情報が、入力部61を介して入力されて格納されているものとして、以下説明する。
【0073】
(構成‐制御装置‐制御部)
また、制御部65は、マイクロバブル発生装置2に関する各種の制御を行う制御手段であり、具体的には、装置制御部651を備えている。この装置制御部651は、水素風呂システム100に含まれている装置を制御するための制御手段であり、特に、第2濃度センサ4の検出結果に基づいて、マイクロバブル発生装置2を制御する制御手段である。この装置制御部651による、水素風呂システム100に含まれている装置の制御手法については、任意の手法を用いることができるが、ここでは、各装置との間において制御通信を行うことにより、各装置を制御するものとして、以下説明する。
【0074】
ここで、「制御通信」とは、制御のための通信であり、具体的には、制御対象機器及び制御内容を特定する信号の通信であり、例えば、水素ガス発生信号、水素ガス停止信号、水素水発生信号、水素水停止信号、センサ値要求信号、センサ値応答信号、及び安全装置起動信号の通信である。これらの信号について具体的には、まず、「水素ガス発生信号」とは、水素ガスを発生して供給するための信号であり、具体的には、水素ガス流量特定情報、及び制御対象機器特定情報を含む信号である。ここで、「水素ガス流量特定情報」とは、水素ガスの流量を特定する情報であり、具体的には、水素発生装置1から出力される水素ガスの流量を特定する情報である。また、「制御対象機器特定情報」とは、制御対象機器を特定するための情報であり、具体的には、装置を識別する識別情報である。次に、「水素ガス停止信号」とは、水素ガスの発生を停止して供給を遮断するための信号であり、具体的には、前述の制御対象機器特定情報を含む信号である。次に、「水素水発生信号」とは、水素水を発生して供給するための信号であり、具体的には、水素水流量特定情報、及び前述の制御対象機器特定情報を含む信号である。ここで、「水素水流量特定情報」とは、水素水の流量を特定する情報であり、具体的には、マイクロバブル発生装置2から出力される水素水(具体的には、加圧水素水)の流量を特定する情報である。次に、「水素水停止信号」とは、水素水の発生を停止して供給を遮断するための信号であり、具体的には、前述の制御対象機器特定情報を含む信号である。次に、「センサ値要求信号」とは、検出値を要求するための信号であり、具体的には、前述の制御対象機器特定情報を含む信号である。次に、「センサ値応答信号」とは、検出値を応答するための信号であり、具体的には、検出値特定情報、及びセンサ特定情報を含む信号である。ここで、「検出値特定情報」とは、検出値を特定する情報であり、具体的には、水素の濃度を特定する情報である。また、「センサ特定情報」とは、センサを特定する情報であり、具体的には、センサを識別する識別情報である。次に、「安全装置起動信号」とは、安全性を確保するための装置を起動するための信号であり、具体的には、前述の制御対象機器特定情報を含む信号である。
【0075】
(構成‐外部ガス配管)
また、
図2の外部ガス配管L31は、水素ガスを供給するための供給手段であって、具体的には、水素発生装置1とマイクロバブル発生装置2との間に流体接続されている配管であり、例えば、一端が水素ガス発生装置1のガス出力口PGO1に接続されており、他端がマイクロバブル発生装置2のガス入力口PGI2に接続されている配管である。
【0076】
(構成‐外部水配管)
また、外部水配管L41は、水を供給するための水供給手段であり、具体的には、マイクロバブル発生装置2と浴槽903との間に流体接続されている配管であり、例えば、一端がマイクロバブル発生装置2の液体入力口PLI2に接続されており、他端が浴槽903の液体出力口PLO9に接続されている配管である。ここで、液体出力口PLO9は、水を出力するための出力手段であり、特に、水を供給するための水供給手段であり、具体的には、浴槽903の所定位置に設けられている出力口であり、例えば、貯留水W1を確実に出力できるように、浴槽903の底部寄りの位置に設けられているものである。
【0077】
(構成‐外部水素水配管)
また、外部水素水配管L42は、加圧水素水を供給するための供給手段であり、特に、加圧水素水を浴槽903に供給するためのマイクロバブル生成手段であり、具体的には、マイクロバブル発生装置2と浴槽903との間に流体接続されている配管であり、例えば、一端がマイクロバブル発生装置2の液体出力口PLO2に接続されており、他端が浴槽903の液体入力口PLI9に接続されている配管である。なお、液体入力口PLI9は、加圧水素水を浴槽903に供給するためのマイクロバブル生成手段であり、であり、具体的には、浴槽903の所定位置に設けられている入力口であり、例えば、浴槽903の全体にわたってマイクロバブル水素水が生成されるように、浴槽903の側壁における底部寄りの位置に設けられているものである。
【0078】
(処理)
次に、このように構成される水素風呂システム100によって実行されるマイクロバブル水素水供給処理について説明する。「水素水発生処理」とは、水素水を発生する処理であり、具体的には、
図2の浴槽903においてマイクロバブル水素水を生成する処理であり、つまり、浴槽903の貯留水W1の溶存水素濃度を向上させる処理である。この水素水発生処理は、水素風呂システム100に含まれている各装置への電源投入後に、制御装置6の入力部61を介して水素水供給命令が入力された場合に実行される。ここで、「水素水供給命令」とは、水素水を供給するための命令であり、具体的には、水素風呂システム100から浴槽903に水素水を供給するための命令であり、例えば、前述の水素ガス流量特定情報、及び前述の水素水流量特定情報とを含む命令である。
【0079】
図3は、水素水発生処理のフローチャートである。なお、以下では、「ステップ」を「S」と略記する。ここでは、例えば、水素風呂システム100に含まれている各装置への電源投入直後には、水素発生装置1の流量調整弁153、及びマイクロバブル発生装置2の流量調整弁254は、「閉」(つまり、開度「0」)になっており、「水素ガス流量特定情報」=「400(ミリリットル/分)」、及び「水素水流量特定情報」=「4(リットル/分)」の「水素水供給命令」が入力された場合の、水素水発生処理について説明する。
【0080】
まず、SA1において制御装置6の装置制御部651は、水素発生装置1を制御して水素ガスを発生及び供給させる。具体的には、制御装置6の入力部61に入力された水素水供給命令から、水素ガス流量特定情報を取得し、また、
図1の記憶部64の装置特定情報において「種別」が「水素発生装置」である識別情報を特定し、「水素ガス流量特定情報」=「取得した水素ガス流量特定情報」且つ「制御対象機器特定情報」=「特定した識別情報」となる水素ガス発生信号を生成し、生成した水素ガス発生信号を、通信部63を介して出力する。
【0081】
ここでは、例えば、入力された水素水供給命令の水素ガス流量特定情報として、「400(ミリリットル/分)」を取得し、また、
図1の記憶部64の装置特定情報において「種別」=「水素発生装置」が含まれている組み合わせである、「種別」=「水素発生装置」と「識別情報」=「水素発生装置ID」との組合せを特定し、この特定した組合せ中の識別情報である「水素発生装置ID」を、「種別」が「水素発生装置」である識別情報として特定する。そして、「水素ガス流量特定情報」=「400(ミリリットル/分)」且つ「制御対象機器特定情報」=「水素発生装置ID」となる水素ガス発生信号を生成し、生成した水素ガス発生信号を出力する。
【0082】
一方、水素発生装置1は、通信部13を介して受信した信号に含まれている識別情報と、記憶部14に格納されている識別情報とが一致しているか否かを判定し、一致していると判定した場合にのみ、受信した信号に基づいて以下の処理を行う。処理について具体的には、水素ガス発生信号を受信した場合、水素ガスを発生して供給し、一方、水素ガス停止信号を受信した場合、水素ガスの発生を停止して供給を遮断する。
【0083】
具体的には、水素発生装置1の制御部16は、SA1において出力された水素ガス発生信号を受信し、受信した水素ガス発生信号から水素ガス流量特定情報を取得し、取得した水素ガス流量特定情報が特定する流量の水素ガスが出力されるように、水素ガス発生部15を制御する。ここでは、例えば、「水素ガス流量特定情報」=「400(ミリリットル/分)」の水素ガスが供給されるように、まず、
図2の水素ガス発生機構152の前述の内部ポンプ(不図示)を起動し、水素ガス発生機構152の前述の電極(不図示)に電源電圧を供給する。この場合、純水タンク151の純水は、内部水配管L11を介して水素ガス発生機構152の電極(不図示)に供給されて、この電極にて電気分解が行われて水素ガスが発生し、発生した水素ガスが水素ガス発生機構152の前述の貯留タンク(不図示)に貯留される。次に、400(ミリリットル/分)の流量にて水素ガスが供給されるように、流量調整弁153の開度を当該流量に対応する開度となるように調整する。この場合、水素ガス発生機構152の貯留タンクに貯留されている水素ガスは、内部ガス配管L12を介してガス出力口PGO1から400(ミリリットル/分)の流量にて出力される。
【0084】
図3に戻って、SA2において制御装置6の装置制御部651は、マイクロバブル発生装置2を制御して水素水を発生及び供給させる。具体的には、制御装置6の入力部61に入力された水素水供給命令から、水素水流量特定情報を取得し、また、
図1の記憶部64の装置特定情報において「種別」が「マイクロバブル発生装置」である識別情報を特定し、「水素水流量特定情報」=「取得した水素水流量特定情報」且つ「制御対象機器特定情報」=「特定した識別情報」となる水素水発生信号を生成し、生成した水素水発生信号を、通信部63を介して出力する。
【0085】
ここでは、例えば、入力された水素水供給命令の水素水流量特定情報として、「4(リットル/分)」を取得し、また、
図1の記憶部64の装置特定情報において「種別」=「マイクロバブル発生装置」が含まれている組み合わせである、「種別」=「マイクロバブル発生装置」と「識別情報」=「マイクロバブル発生装置ID」との組合せを特定し、この特定した組合せ中の識別情報である「マイクロバブル発生装置ID」を、「種別」が「マイクロバブル発生装置」である識別情報として特定する。そして、「水素水流量特定情報」=「4(リットル/分)」且つ「制御対象機器特定情報」=「マイクロバブル発生装置ID」となる水素水発生信号を生成し、生成した水素水発生信号を出力する。
【0086】
一方、マイクロバブル発生装置2は、通信部23を介して受信した信号に含まれている識別情報と、記憶部24に格納されている識別情報とが一致しているか否かを判定し、一致していると判定した場合にのみ、受信した信号に基づいて以下の処理を行う。処理について具体的には、水素水発生信号を受信した場合、水素水を発生して供給し、一方、水素水停止信号を受信した場合、水素水の発生を停止して供給を遮断する。
【0087】
具体的には、マイクロバブル発生装置2の制御部26は、SA2において出力された水素水発生信号を受信し、受信した水素ガス発生信号から水素水流量特定情報を取得し、取得した水素ガス流量特定情報が特定する水素水流量の水素水が出力されるように、マイクロバブル発生部25を制御する。
【0088】
ここでは、例えば、「水素水流量特定情報」=「4(リットル/分)」の水素水が供給されるように、
図2の給水ポンプ251を起動し、また、流量調整弁254の開度を当該流量(つまり、4(リットル/分))に対応する開度となるように調整する。この場合、まず、給水ポンプ251の吸引力によって、浴槽903の貯留水W1が、液体出力口PLO9、外部水配管L41、液体入力口PLI2、内部水配管L21(及び、内部水配管L21の流路上の給水ポンプ251)を介して、発生ノズル252に供給される。また、水素発生装置1のガス出力口PGO1から出力された水素ガスも、外部ガス配管L31、ガス入力口PGI2、及び内部ガス配管L24を介して、発生ノズル252に供給される。
【0089】
次に、この発生ノズル252では、供給された水において供給された水素ガスのマイクロバブルが発生する。ここでのマイクロバブルの発生手法(又は、発生原理)については公知の手法を含む任意の手法を用いることができるが、ここでは、例えば、給水ポンプ251によって発生ノズル252内で加圧(例えば、4気圧に加圧)された水に対して、発生ノズル252の水素ガス吐出孔を介して水素ガスを供給することにより、水素ガス吐出孔の出口付近でマイクロバブルを発生させる手法を用いるものとして、以下説明する。この手法を用いて発生したマイクロバブルについては、発生ノズル252内の圧力が高圧(ここでは、4気圧)となっているために、大気圧下の場合よりも多くが溶解することになり、実質的に全てのマイクロバブルが溶解して前述の加圧水素水が発生する。
【0090】
次に、この発生した加圧水素水は、第1内部水素水配管L22を介して加圧水素水タンク253に供給されて貯留される。この場合、前述のように加圧水素水タンク253内の圧力が高圧(ここでは、4気圧)に設定されているので、加圧水素水タンク253内ではマイクロバブルが発生しないことになる(つまり、加圧水素水タンク253内では、加圧水素水の状態が維持されることになる)。そして、前述のように流量調整弁254の開度が調整されているので、貯留されている加圧水素水は、第2内部水素水配管L23、液体出力口PLO2、外部水素水配管L42、及び液体入力口PLI9を介して、浴槽903に供給される。そして、この供給された加圧水素水については、浴槽903において(例えば、1気圧に)減圧されるので、加圧水素水タンク253中の場合よりも溶解度が低下し、溶解していた大量のマイクロバブルが再度発生することになる。従って、浴槽903中においてマイクロバブル水素水が発生し、浴槽903の貯留水W1に水素が溶存することになり、溶存水素濃度が上昇することになる。
【0091】
図3に戻って、SA3において制御装置6の装置制御部651は、
図1の浴室902の気体中の水素濃度を検出する。具体的には、記憶部64の装置特定情報において「種別」が「気体中の水素濃度センサ」である識別情報を特定し、「制御対象機器特定情報」=「特定した識別情報」となるセンサ値要求信号を生成し、生成したセンサ値要求信号を、通信部63を介して出力する。ここでは、例えば、
図1の記憶部64の装置特定情報において「種別」=「気体中の水素濃度センサ」が含まれている組み合わせである、「種別」=「気体中の水素濃度センサ」と「識別情報」=「第2濃度センサID」との組合せを特定し、この特定した組合せ中の識別情報である「第2濃度センサID」を、「種別」が「気体中の水素濃度センサ」である識別情報として特定する。そして、「制御対象機器特定情報」=「第2濃度センサID」となるセンサ値要求信号を生成し、生成したセンサ値要求信号を出力する。
【0092】
一方、第2濃度センサ4は、受信した信号に含まれている識別情報と、自己のメモリに格納されている識別情報とが一致しているか否かを判定し、一致していると判定した場合にのみ、気体中の水素濃度を検出した上で、「検出値特定情報」=「検出した気体中の水素濃度」且つ「センサ特定情報」=「自己の識別情報」となるセンサ値応答信号を生成し、生成したセンサ値応答信号を出力する。ここでは、例えば、気体中の水素濃度として「0.1(%)」を検出した場合、「検出値特定情報」=「0.1(%)」且つ「センサ特定情報」=「第2濃度センサID」となるセンサ値応答信号を生成し、生成したセンサ値応答信号を出力する。
【0093】
一方、制御装置6の装置制御部651は、通信部63を介して受信したセンサ値応答信号に含まれている識別情報と、直近に自己が出力したセンサ値要求信号に含まれている識別情報とが一致しているか否かを判定し、一致していると判定した場合にのみ、前述の受信したセンサ値応答信号に含まれている「検出値特定情報」を、気体中の水素濃度として取得して検出する。ここでは、例えば、生成したセンサ値応答信号に「センサ特定情報」=「第2濃度センサID」が含まれているので、このセンサ値応答信号の「検出値特定情報」である「0.1(%)」を、気体中の水素濃度として取得して検出する。
【0094】
図3に戻って、SA4において制御装置6の装置制御部651は、安全判定を行う。具体的には、SA3において検出した気体中の水素濃度が、
図1の記憶部64に格納されている安全判定閾値特定情報が特定する安全判定閾値未満であるか否かを判定する。そして、気体中の水素濃度が安全判定閾値未満である場合、浴室902の安全性が確実に確保されているものと判定し(SA4のYES)、SA5に移行する。また、気体中の水素濃度が安全判定閾値未満でない場合(つまり、気体中の水素濃度が安全判定閾値以上である場合)、浴室902の安全性が確実に確保されているわけではない(つまり、入浴者に水素に起因した危険が及ぶ可能性がある)もの判定し(SA4のNO)、SA9に移行する。ここでは、例えば、SA3において「0.1(%)」を検出したので、浴室902の安全性が確実に確保されているものと判定し(SA4のYES)、SA5に移行する。
【0095】
次に、SA5において制御装置6の装置制御部651は、
図2の浴槽903の貯留水W1中の溶存水素濃度を検出する。具体的には、SA3の場合と同様にして、
図1の記憶部64の装置特定情報において「種別」が「溶存水素濃度センサ」である識別情報を特定し、「制御対象機器特定情報」=「特定した識別情報」となるセンサ値要求信号を生成し、生成したセンサ値要求信号を、通信部63を介して出力する。ここでは、例えば、「制御対象機器特定情報」=「第1濃度センサID」となるセンサ値要求信号を生成し、生成したセンサ値要求信号を出力する。
【0096】
一方、第1濃度センサ3は、SA3で説明した第2濃度センサ4の場合と同様にして、センサ値応答信号を生成し、生成したセンサ値応答信号を出力する。ここでは、例えば、「検出値特定情報」=「0.5(ppm)」且つ「センサ特定情報」=「第1濃度センサID」となるセンサ値応答信号を生成し、生成したセンサ値応答信号を出力する。
【0097】
一方、制御装置6の装置制御部651は、SA3の場合と同様にして、受信したセンサ値応答信号に含まれている「検出値特定情報」を、溶存水素濃度として取得して検出する。ここでは、例えば、「0.5(ppm)」を、溶存水素濃度として取得して検出する。
【0098】
図3に戻って、SA6において制御装置6の装置制御部651は溶存水素濃度判定を行う。具体的には、SA5において検出した溶存水素濃度が、
図1の記憶部64に格納されている溶存水素濃度判定閾値特定情報が特定する溶存水素濃度判定閾値以上であるか否かを判定する。そして、溶存水素濃度が溶存水素濃度判定閾値以上である場合、入浴者の健康増進の効果が比較的大きいものと判定し(SA6のYES)、SA7に移行する。また、溶存水素濃度が溶存水素濃度判定閾値以上でない場合(つまり、溶存水素濃度が溶存水素濃度判定閾値未満である場合)、入浴者の健康増進の効果が比較的大きいとはいえない可能性がある(つまり、更に溶存水素濃度を向上させることが必要である)もの判定し(SA6のNO)、SA3に移行する。ここでは、例えば、SA5において「0.5(ppm)」を検出したので、入浴者の健康増進の効果が比較的大きいものと判定し(SA6のYES)、SA7に移行する。
【0099】
次に、SA7において制御装置6の装置制御部651は、水素発生装置1を制御して水素ガスを停止及び遮断する。具体的には、
図1の記憶部64の装置特定情報において「種別」が「水素発生装置」である識別情報を特定し、「制御対象機器特定情報」=「特定した識別情報」となる水素ガス停止信号を生成し、生成した水素ガス停止信号を、通信部63を介して出力する。ここでは、例えば、
図3のSA1の場合と同様にして「制御対象機器特定情報」=「水素発生装置ID」を特定し、「制御対象機器特定情報」=「水素発生装置ID」となる水素ガス停止信号を生成し、生成した水素ガス停止信号を出力する。
【0100】
一方、
図1の水素発生装置1は、通信部13を介して受信した水素ガス停止信号に含まれている識別情報と、記憶部14に格納されている識別情報とが一致しているものと判定し、水素ガスの発生を停止して供給を遮断する。具体的には、水素発生装置1の制御部16は、
図2の水素ガス発生機構152の前述の内部ポンプ(不図示)を停止し、水素ガス発生機構152の前述の電極(不図示)への電源電圧を遮断し、流量調整弁153の開度を「0」にする(つまり、流量調整弁153を閉鎖する)ことにより、水素ガスの発生を停止して供給を遮断する。
【0101】
図3に戻って、SA8において制御装置6の装置制御部651は、マイクロバブル発生装置2を制御して水素水を停止及び遮断する。具体的には、
図1の記憶部64の装置特定情報において「種別」が「マイクロバブル発生装置」である識別情報を特定し、「制御対象機器特定情報」=「特定した識別情報」となる水素水停止信号を生成し、生成した水素水停止信号を、通信部63を介して出力する。ここでは、例えば、
図3のSA2の場合と同様にして「制御対象機器特定情報」=「マイクロバブル発生装置ID」を特定し、「制御対象機器特定情報」=「マイクロバブル発生装置ID」となる水素水停止信号を生成し、生成した水素水停止信号を出力した後、水素水発生処理を終了する。
【0102】
一方、
図1のマイクロバブル発生装置2は、通信部23を介して受信した水素水停止信号に含まれている識別情報と、記憶部24に格納されている識別情報とが一致しているものと判定し、水素水の発生を停止して供給を遮断する。具体的には、マイクロバブル発生装置2の制御部26は、
図2の給水ポンプ251を停止し、流量調整弁254の開度を「0」にする(つまり、流量調整弁254を閉鎖する)ことにより、水素水の発生を停止して供給を遮断する。
【0103】
図3に戻って、SA4において浴室902の安全性が確実に確保されているわけではない(つまり、入浴者に水素に起因した危険が及ぶ可能性がある)もの判定し(SA4のYES)て、SA9に移行した場合、このSA9において制御装置6の装置制御部651は、水素発生装置1を制御して水素ガスを停止及び遮断する。具体的には、SA7と同様な処理を行う。
【0104】
次に、SA10において制御装置6の装置制御部651は、マイクロバブル発生装置2を制御して水素水を停止及び遮断する。具体的には、SA8と同様な処理を行う。
【0105】
次に、SA11において御装置6の装置制御部651は、安全装置5を起動する。具体的には、
図1の記憶部64の装置特定情報において「種別」が「安全装置」である識別情報を特定し、「制御対象機器特定情報」=「特定した識別情報」となる安全装置起動信号を生成し、生成した安全装置起動信号を、通信部63を介して出力した後、水素水発生処理を終了する。ここでは、例えば、
図1の記憶部64の装置特定情報において「種別」=「安全装置」が含まれている組み合わせである、「種別」=「安全装置」と「識別情報」=「安全装置ID」との組合せとの組合せを特定し、この特定した組合せ中の識別情報である「安全装置ID」を、「種別」が「安全装置」である識別情報として特定する。そして、「制御対象機器特定情報」=「安全装置ID」となる安全装置起動信号を生成し、生成した安全装置起動信号を出力する。
【0106】
一方、安全装置5の制御部54は、通信部51を介して受信した信号に含まれている識別情報と、自己のメモリに格納されている識別情報とが一致しているか否かを判定し、一致していると判定した場合にのみ、換気部53に電源電圧を供給して起動する。この換気部53が起動された場合、換気部53のファン(不図示)によって、浴室902の外部から内部に空気が取り込まれることになり、換気が行われることになる。
【0107】
(実施の形態1の効果)
このような本実施の形態の水素風呂システム100によれば、加圧水素水を浴槽903に供給して減圧することにより、マイクロバブル水素水を浴槽903において生成するので、例えば、加圧水素水において水素の微細気泡(つまり、マイクロバブル)を大量に溶解させることができるために、水中での上昇速度が比較的遅く長時間にわたって水中に滞在できるマイクロバブルを大量に含むマイクロバブル水素水を、浴槽903において生成することができ、浴槽903の貯留水W1における水素の濃度を確実に向上させることができる。例えば、浴槽903として内部が直方体形状(水平方向の長辺が2.5(m)、水平方向の短辺が2.3(m)、垂直方向の高さが0.5(m))のものを採用し、貯留水W1の量を「1725(リットル)」として、「水素ガス流量特定情報」=「400(ミリリットル/分)」、及び「水素水流量特定情報」=「18(リットル/分)」の「水素水供給命令」を入力し、
図1の記憶部64の「溶存水素濃度判定閾値特定情報」として、充分高い値(例えば、「溶存水素濃度」=「10(ppm)」)に設定し、マイクロバブル水素水を出力し続けた場合(つまり、浴槽903及水素風呂システム100において液体(水又は水素水)を循環させ続けた場合)、数時間後(例えば、6時間)には、「溶存水素濃度」として0.9(ppm)を超える値が検出された。そして、このように溶存水素濃度が比較的高くなるために、このマイクロバブル水素水を用いて貯留水W1自体及び浴槽903を洗浄することが可能になる。
【0108】
また、水素風呂システム100によれば、浴槽903に貯留されている貯留水W1を加圧水素水の生成のために用いられる水として供給するので、例えば、貯留水W1を水素風呂システム100において循環させて再利用することができるために、水道代を節約することができ、水素風呂システム100の運用コストを低減することができる。また、例えば、加圧水素水を生成するための水を貯留するタンクが不要となるために、水素風呂システム100の設置面積を削減することができ、水素風呂システム100における設置の自由度を向上させることができる。
【0109】
また、水素風呂システム100によれば、安全判定閾値以上の水素濃度を検出した場合に、マイクロバブル水素水の生成が停止されるので、例えば、水素濃度の上昇に起因する事故(例えば、発火事故等)を防止することができるために、入浴者の安全性を確実に確保することが可能な水素風呂システム100を提供することができる。
【0110】
また、水素風呂システム100によれば、浴槽903が設けられている領域である浴室902の外部から内部に空気を安全装置5の換気部53に備えられているファンによって取り込むので、例えば、浴室902内の気体(例えば、水素ガスを含む気体)が換気部53の周辺に留まるのを防止しつつ、浴室902の換気を行うことができるために、換気部53の動作に起因して当該換気部53の周辺で発生する火花による発火事故が発生するのを防止しつつ換気を行うことができ、入浴者の安全性を一層確実に確保することが可能な水素風呂システム100を提供することができる。
【0111】
〔実施の形態に対する変形例〕
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0112】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、上述の内容に限定されるものではなく、発明の実施環境や構成の細部に応じて異なる可能性があり、上述した課題の一部のみを解決したり、上述した効果の一部のみを奏したりすることがある。例えば、従来のシステムよりも溶存水素濃度を向上できない場合であっても、従来のシステムと同程度の溶存水素濃度の向上を従来の装置とは異なる本願発明のシステムによって達成できている場合には、本願発明の課題が解決されている。
【0113】
(分散や統合について)
また、上述した各電気的構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散や統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散又は統合して構成できる。例えば、水素発生装置1の各部とマイクロバブル発生装置2の各部をそれぞれ複数の装置に分散して構成したり、当該各装置を統合したりしてもよい。具体的には、水素発生装置1の機能をマイクロバブル発生装置2に統合して、1つのみの装置にて水素水を生成できるようにしてもよい。また、マイクロバブル発生装置2の加圧水素水タンク253を省略して、コンパクト化した上で、発生ノズル252からの加圧水素水が直接浴槽903に供給されるようにしてもよい。また、例えば、制御装置6の各部(特に、装置制御部651)を水素発生装置1又はマイクロバブル発生装置2に統合してもよい。
【0114】
(形状、数値、構造、時系列について)
また、実施の形態や図面において例示した構成要素に関して、形状、数値、又は複数の構成要素の構造若しくは時系列の相互関係については、本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。
【0115】
(水素水発生方法について)
また、実施の形態で説明した方法に代えて、あるいは、実施の形態で説明した方法に加えて、他の水素水発生方法を適用してもよい。例えば、水素発生装置1で発生させた水素を、浴槽903に対してお湯を循環させる外部水配管L41又は外部水素水配管L42において混入させてもよい。例えば、浴槽903に対してお湯を供給する外部水素水配管L42のうち、比較的工事が容易な箇所(例えば、外部水素水配管L42のうち、水素発生装置1に近い箇所や、壁面に沿っている箇所)に穴を開口し、この穴に、外部ガス配管L31を接続し、水素発生装置1で発生させた水素を、外部ガス配管L31を介して、外部水素水配管L42を流れるお湯に混入させることで水素水を発生させ、この水素水を浴槽903に供給してもよい。この場合には、水素水を、公知のお湯循環系統を介して浴槽903に循環させてもよい。このように圧力が高圧である配管中で水素を混入することで、溶存水素濃度を向上させることが可能になる。
【0116】
(水素水発生処理について)
また、実施の形態において、
図3の水素水発生処理の一部を、ユーザのニーズに応じて変更してもよい。例えば、安全性についての事前実験等に基づいて、水素風呂システム100による水素の発火事故が起こることが想定されない場合、SA3、SA4及びSA9〜SA11を省略してもよい。また、例えば、常に換気することが望ましい場合も、同様にSA3、SA4及びSA9〜SA11を省略した上で、水素発生処理が起動しているか否かに関わらず、SA11と同様な処理を行って、常時換気してもよい。また、例えば、溶存水素濃度の実験等に基づいて、マイクロバブル水素水を浴槽903に供給してから貯留水W1の溶存水素濃度が所望の濃度(例えば、0.5(ppm)等)になるまでの時間を把握できる場合、SA5及びSA6の処理を省略した上で、水素水発生処理を開始してから前述の実験等によって把握された時間(例えば、4時間等)を経過した場合に、SA7及びSA8を行ってもよい。また、例えば、安全性をより一層向上させるために、SA4の判定で「NO」とされた場合(つまり、入浴者に水素に起因した危険が及ぶ可能性がある場合)、スピーカの如き音声出力手段を介して警報を出力してもよい。
【0117】
(マニュアル操作について)
また、実施の形態においては、制御装置6を用いて水素発生装置1及びマイクロバブル発生装置2を制御する場合について説明したが、これに限られない。例えば、制御装置6を省略した上で、水素発生装置1及びマイクロバブル発生装置2をマニュアル操作してもよい。具体的には、水素発生装置1及びマイクロバブル発生装置2の電源のオンオフを、これらの装置の各入力部を介してユーザがマニュアル操作するようにして、オンした場合に
図3のSA1及びSA2と同様な処理が行われ、オフした場合にSA7及びSA8と同様な処理が行われるようにしてもよい。
【0118】
(検出情報の表示について)
また、実施の形態において、水素風呂システム100に表示部を設けて、各種情報を表示してもよい。ここで、「表示部」とは、情報を表示する情報表示手段であり、具体的には、水素の濃度についての情報を表示するものであり、例えば、ディスプレイ装置等を備えて構成されている。この表示部を用いて表示する情報の内容、及び表示態様については、ユーザのニーズに応じて任意に設定することが可能であるが、例えば、貯留水W1中の溶存水素濃度の情報を表示したり、浴室902における気体中の水素濃度の情報を表示したりしてよい。溶存水素濃度の情報を表示する場合について具体的には、
図3のSA5と同様な処理を所定時間毎(例えば、10秒毎等)に行って溶存水素濃度を検出し、溶存水素濃度を検出する毎に、表示部に検出結果を表示するようにしてよい。この検出結果の表示については、例えば、溶存水素濃度の数値をテキスト情報として表示してもよいし、
図3のSA6と同様な判定を行い、判定結果を表示してもよい。このように構成した場合、入浴の効能をユーザに通知することができる。また、浴室902における気体中の水素濃度を表示する場合について具体的には、
図3のSA3と同様な処理を所定時間毎(例えば、10秒毎等)に行って気体中の水素濃度を検出し、気体中の水素濃度を検出する毎に、表示部に検出結果を表示するようにしてよい。この検出結果の表示については、例えば、気体中の水素濃度の数値をテキストとして表示してもよいし、
図3のSA4と同様な判定を行い、判定結果を表示してもよい。このように構成した場合、安全性をユーザに通知することができる。
【0119】
(浴槽との流体接続について)
また、実施の形態においては、
図2の浴槽903に液体出力口PLO9及び液体入力口PLI9を設けて、これらに対して外部水配管L41及び外部水素水配管L42を流体接続することにより、マイクロバブル発生装置2を浴槽903に流体接続する場合について説明したが、これに限られない。例えば、浴槽903に液体出力口PLO9及び液体入力口PLI9を設けずに、外部水配管L41及び外部水素水配管L42の端部を、浴槽903の上側から当該浴槽903の内部に導入することにより、流体接続してもよい。
【0120】
このように上側から導入して流体接続する場合の外部水素水配管L42について具体的には、入浴の邪魔にならないように、外部水素水配管L42の長手方向における一部(以下、第1部分)を浴室902の床下に敷設し、この敷設されている一部よりも長手方向において浴槽903側の他の一部(以下、第2部分)を床下から引き出して浴槽903の内部に導入する構成としてもよい。この場合の外部水素水配管L42の第2部分については、加圧水素水を浴槽903の内部に供給できるのであれば任意に構成することができるが、例えば、浴槽903の内側において側壁に沿って上側から下側(つまり、底)に向かってに導入されて、底に沿って先端部分が折り曲がる(浴槽903の内部において)L字形状を呈する折り曲げ金属管として構成することもできる。なお、上側から導入して流体接続する場合の外部水配管L41についても、外部水素水配管L42と同様に構成してもよい。
【0121】
また、実施の形態において、液体入力口PLI9の液体出力口PLO9の位置については、
図2に示すように水平方向における浴槽903の略中央を基準に点対称となる位置(つまり、互いに対向する位置)に設けてもよい。この場合、浴槽903内で液体入力口PLI9から液体出力口PLO9に至るマイクロバブル水素水の水流が発生することになり、マイクロバブルが貯留水W1全体に迅速に拡散されることになり、貯留水W1の溶存水素濃度を全体にわたって迅速且つ確実に上昇させることが可能になる。また、例えば、上述のように外部水素水配管L42の第2部分を、L字形状を呈する折り曲げ金属管として構成した場合、マイクロバブルを拡散させたい方向に、当該金属管の先端を向けることにより、貯留水W1における所望する部分の溶存水素濃度を迅速且つ確実に上昇させることが可能になる。
【0122】
(貯留水の温度調整について)
また、実施の形態において、溶存水素濃度の変化速度を調整するために、貯留水W1の温度を調整してもよい。例えば、貯留水W1の温度と溶存水素濃度の変化速度との関係を確認するための確認実験の結果、貯留水W1の温度が高いほど溶存水素濃度の変化速度が速いことが確認されている場合、貯留水W1の温度を上昇させることにより溶存水素濃度を迅速に上昇させて、溶存水素濃度の上昇後に貯留水W1の温度を低下させることにより、貯留水W1の比較的高い溶存水素濃度を長時間にわたって維持できるように調整してもよい。貯留水W1の温度の調整については、
図1の制御装置6の装置制御部651による、貯留水W1の温度を上昇又は維持するためのボイラ装置(不図示)のオンオフ制御によって行ってもよい。
【0123】
(その他の構成について)
また、実施の形態において、貯留水W1中の塵埃がマイクロバブル発生装置2に混入するのを防止するために、外部水配管L41中に塵埃除去フィルタを設けてもよい。また、実施の形態において、水素発生装置1又はマイクロバブル発生装置2の動作音が比較的大きい場合には、防音材でこれらの装置を覆ってもよい。また、実施の形態において、水素発生装置1又はマイクロバブル発生装置2の設置環境に応じてこれらの装置が凍結する虞がある場合には、断熱材でこれらの装置を覆ってもよい。
【0124】
(その他の用途について)
また、実施の形態においては、水素発生装置1及びマイクロバブル発生装置2を用いて浴槽903の貯留水W1の溶存水素濃度を上昇させる場合について説明したが、これに限られない。例えば、貯留水W1とは異なる水(例えば、水道水等)を貯留水W1の代わりにマイクロバブル発生装置2に供給して加圧水素水を生成し、加圧水素水を浴槽903以外の貯留槽に供給することにより、この貯留槽内にてマイクロバブル水素水を生成して、生成したマイクロバブル水素水を所定の用途に使用してもよい。なお、所定の用途については、例えば、打たせ湯等のいわゆる滝水、浴槽903以外のための洗浄水、及び害虫駆除、農産物の成長促進等のための農業用水等が挙げられる。
【0125】
(付記)
付記1の水素水生成システムは、水素ガスを供給するガス供給手段と、水を供給する水供給手段と、水素のマイクロバブルが発生している状態の液体であるマイクロバブル水素水を生成するために減圧される加圧水素水を生成する加圧水素水生成手段であって、前記水供給手段によって供給された前記水に対して、前記ガス供給手段によって供給された前記水素ガスの微細気泡を、加圧しつつ溶解させることにより、水素の微細気泡が溶解された状態の液体である前記加圧水素水を生成する前記加圧水素水生成手段とを備える。
【0126】
付記2の水素風呂システムは、水素ガスを供給するガス供給手段と、水を供給する水供給手段と、前記水供給手段によって供給された前記水に対して、前記ガス供給手段によって供給された前記水素ガスの微細気泡を、加圧しつつ溶解させることにより、水素の微細気泡が溶解された状態の液体である加圧水素水を生成する加圧水素水生成手段と、前記加圧水素水生成手段によって生成された前記加圧水素水を浴槽に供給して減圧することにより、水素のマイクロバブルが発生している状態の液体であるマイクロバブル水素水を前記浴槽において生成するマイクロバブル水素水生成手段とを備える。
【0127】
付記3の水素風呂システムは、付記2に記載の水素風呂システムにおいて、前記水供給手段は、前記浴槽に貯留されている貯留水を前記水として、前記加圧水素水生成手段に供給する。
【0128】
付記4の水素風呂システムは、付記2又は3に記載の水素風呂システムにおいて、前記浴槽が設けられている領域における気体中の水素濃度を検出する濃度検出手段と、前記濃度検出手段の検出結果に基づいて、前記マイクロバブル水素水生成手段を制御する制御手段と、を備え、前記検出手段が基準値以上の水素濃度を検出した場合に、前記制御手段は、前記マイクロバブル水素水の生成が停止されるように、前記マイクロバブル水素水生成手段を制御する。
【0129】
付記5の水素風呂システムは、付記2から4いずれか一項に記載の水素風呂システムにおいて、前記浴槽が設けられている領域の換気を行うために、前記浴槽が設けられている領域の外部から内部に空気を取り込む換気手段を備える。
【0130】
(付記の効果)
付記1に記載の水素水生成システムによれば、マイクロバブル水素水を生成するために減圧される加圧水素水を生成するので、例えば、加圧水素水において水素の微細気泡を大量に溶解させることができるために、水中での上昇速度が比較的遅く長時間にわたって水中に滞在できるマイクロバブルを大量に含むマイクロバブル水素水を生成することができ、水素水における水素の濃度を確実に向上させることができる。
【0131】
付記2に記載の水素風呂システムによれば、加圧水素水を浴槽に供給して減圧することにより、マイクロバブル水素水を浴槽において生成するので、例えば、加圧水素水において水素の微細気泡を大量に溶解させることができるために、水中での上昇速度が比較的遅く長時間にわたって水中に滞在できるマイクロバブルを大量に含むマイクロバブル水素水を、浴槽において生成することができ、浴槽の水素水における水素の濃度を確実に向上させることができる。
【0132】
付記3に記載の水素風呂システムによれば、浴槽に貯留されている貯留水を加圧水素水の生成のために用いられる水として供給するので、例えば、貯留水を水素風呂システムにおいて循環させて再利用することができるために、水道代を節約することができ、水素風呂システムの運用コストを低減することができる。また、例えば、加圧水素水を生成するための水を貯留するタンクが不要となるために、水素風呂システムの設置面積を削減することができ、水素風呂システムにおける設置の自由度を向上させることができる。
【0133】
付記4に記載の水素風呂システムによれば、基準値以上の水素濃度を検出した場合に、マイクロバブル水素水の生成が停止されるので、例えば、水素濃度の上昇に起因する事故(例えば、発火事故等)を防止することができるために、入浴者の安全性を確実に確保することが可能な水素風呂システムを提供することができる。
【0134】
付記5に記載の水素風呂システムによれば、換気手段を用いて浴槽が設けられている領域の外部から内部に空気を取り込むので、例えば、浴槽が設けられている領域内の気体(例えば、水素ガスを含む気体)が換気手段の周辺に留まるのを防止しつつ、浴槽が設けられている領域の換気を行うことができるために、換気手段の動作に起因して当該換気手段の周辺で発生する火花による発火事故が発生するのを防止しつつ換気を行うことができ、入浴者の安全性を一層確実に確保することが可能な水素風呂システムを提供することができる。