特開2017-113130(P2017-113130A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-113130(P2017-113130A)
(43)【公開日】2017年6月29日
(54)【発明の名称】組み付け財布
(51)【国際特許分類】
   A45C 15/00 20060101AFI20170602BHJP
   A45C 1/02 20060101ALI20170602BHJP
【FI】
   A45C15/00 A
   A45C1/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2015-249593(P2015-249593)
(22)【出願日】2015年12月22日
(71)【出願人】
【識別番号】516388366
【氏名又は名称】有限会社伊藤製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100139206
【弁理士】
【氏名又は名称】戸塚 朋之
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 勝明
【テーマコード(参考)】
3B045
【Fターム(参考)】
3B045BA01
3B045BA02
3B045BA26
3B045CE10
3B045DA22
3B045DA31
3B045DA44
3B045DA45
3B045FA01
3B045LA10
3B045LB01
(57)【要約】
【課題】 紙幣等の財布、硬貨等の小物入れ、磁気カード等のカードケース、キーホルダー、携帯端末機入れ、煙草入れ等が自在に組み付けられる組み付け財布、特に、これらがユーザーにより適宜選択されて着脱自在に組み付けられる組み付け財布を提供する。
【解決手段】 平面視において概略長方形をしており、紙幣が伸びたまま収納可能な長財布(紙幣収納部)12と、紙幣収納部12の長手方向の一方の側で紙幣収納部12の外面に固定され、紙幣収納部12の長手方向において紙幣収納部12の半分程度の寸法を有する小物入れ(小物収納部)13と、を備えるものとする。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
財布と小物入れとの組み付け財布であって、
前記財布と小物入れとが固定されているか、あるいは前記財布の少なくとも一方の面の少なくとも1か所及び前記小物入れの少なくとも1か所に着脱用部材が取り付けられ、該着脱部材により前記小物入れが着脱自在に組み付けられてなる組み付け財布。
【請求項2】
前記小物入れが、小銭入れ、カードケース、キーホルダー、携帯用端末機入れ、煙草入れ、携帯灰皿、薬入れ、印鑑入れ、の少なくとも1つであることを特徴とする請求項1に記載の組み付け財布。
【請求項3】
前記着脱用部材が、面ファスナー、ジッパーテープ、スナップボタン、マグネット、ポケット、ベルト、の少なくとも1つであることを特徴とする請求項1または2に記載の組み付け財布。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙幣等の財布、硬貨等の小物入れ、磁気カード等のカードケース、キーホルダー、携帯端末機入れ、煙草入れ等が自在に組み付けられる組み付け財布に関し、特に、これらがユーザーにより適宜選択されて着脱自在に組み付けられる組み付け財布に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、いわゆる財布は、長財布、2つ折り財布、小銭入れ、カード用のケース等のように、それぞれが別々なものとして、あるいは長財布や2つ折り財布においては小銭入れやカード入れ等の部分が設けられているものが主流となっている。
【0003】
しかし、長財布はズボンの後ろポケットに入れると落としやすく、また、上部がポケットからはみ出るため、スリ等の盗難に合うおそれがある。また、2つ折り財布は、ズボンの後ろポケットに入れるのには比較的良いが、一般に上着の内ポケットは深さが深いため、上着の内ポケットに入れると取り出しにくい。
【0004】
このような問題を解決するため、長財布として閉じるための縦の折りしろ部分と、更に折り重ねて2つ折り財布とするための横の折りしろとを設けた財布が提案されている(下記特許文献1)。これによれば、上着の内ポケットに入れるときには長財布の形状とし、ズボンの後ろポケットに入れるときには2つ折り財布の形状とすることができ、上記問題の解消に寄与する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2015−119937号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、2つ折り財布をズボンの後ろポケットに入れた場合、2つ折り財布がポケット内で斜めに傾き、ポケットの内側に引っ掛かって取り出しに手間を要する場合がある。一方、長財布をズボンの後ろポケットに入れた場合、上記のように落としやすい等の問題はあるものの、長財布の上部がポケットからはみ出るため、その部分をつかんで取り出しやすいというメリットがある。
【0007】
また、長財布においては、紙幣が折り曲がらずに収納できるという利点があるものの、その長さのために女性用の衣服のポケットやハンドバッグ等に収納し切れず、携帯上の不都合がある。一方、2つ折り財布の場合、男女共に携帯上の不都合はないものの、収納した紙幣が折れ曲がってしまい、使用者によってはこれを嫌うこともある。
【0008】
本発明は、以上のような諸点を考慮してなされたものであり、ポケットから落ちにくく、ポケットから取り出しやすく、必要に応じて紙幣を伸ばしたまま収納することができる組み付け財布を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明は、財布と小物入れとの組み付け財布であって、
前記財布と小物入れとが固定されているか、あるいは前記財布の少なくとも一方の面の少なくとも1か所及び前記小物入れの少なくとも1か所に着脱用部材が取り付けられ、該着脱用部材により前記小物入れが着脱自在に組み付けられてなる組み付け財布を提供する。
具体的には、例えば、平面視において概略長方形をしており、紙幣が伸びたまま収納可能な長財布と、該長財布の長手方向の一方の側で前記長財布の外面に固定され、前記長財布の長手方向において前記長財布の半分程度の寸法を有する小物入れと、を備えること、
あるいは、
平面視において概略長方形をしており、紙幣が伸びたまま収納可能な長財布と、前記長財布の長手方向の一方の側で前記長財布の外面に着脱自在に取り付けられ、前記長財布の長手方向において前記長財布の半分程度の寸法を有する小物入れと、を備えること等からなる組み付け財布がある。
【0010】
前記小物入れは、好ましくは、小銭入れ、カードケース、キーホルダー、携帯用端末機入れ、煙草入れ、携帯灰皿、薬入れ、印鑑入れ、の少なくとも1つである。
また、前記着脱用部材は、好ましくは、面ファスナー、ジッパーテープ、スナップボタン、マグネット、ポケット、ベルト、の少なくとも1つである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の第1実施形態に係る財布の斜視図である。
図2図1に示す第1実施形態の応用例を示し、(A)が斜視図、(B)が延在部13′を閉じた状態を示す説明図である。
図3】本発明の第2実施形態に係る組み付け財布の斜視図である。
図4図3に示す第2実施形態の応用例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら本発明の第1実施形態及び第2実施形態について説明する。
【0013】
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態に係る組み付け財布100の斜視図である。組み付け財布100は、平面視において概略長方形をした(長)財布、本例では紙幣収納部12と、紙幣収納部12の外面に固定された小物入れ、本例では小物収納部13とを有している。財布12、小物入れ13の材料としては、天然皮革、合成皮革、合成樹脂シート、布(織布、不織布、編布)などを用いることができ、財布12、小物入れ13共に同一材料製のものを使用してもよいし、それぞれ異なる材料製であってもよい。
【0014】
紙幣収納部12は、公知の長財布と同様に、概略四角形状に形成した上記材料を2つ折りにし、その内側に、紙幣を伸ばしたまま収納できる紙幣収納用ポケット12′を設けた構成をしている。紙幣収納部12は、図示はしないが、カード入れ、小銭入れなどを更に有するものとしても良い。また、紙幣収納部12は、開口側の端部12″に図示省略のファスナーや留め金等を設けても良い。
【0015】
小物収納部13は、小銭入れ、カードケース、キーホルダー、携帯用端末機入れ、煙草入れ、携帯灰皿、薬入れ、印鑑入れ等とすることができる。小物収納部13は、本例では、紙幣収納部12の長手方向において紙幣収納部12の半分程度の寸法を有している。この小物収納部13は、平面視において概略長方形をした紙幣収納部12の一方の外面に固定されている。小物収納部13の固定手段としては、縫い付け、接着などを用いることができる。
【0016】
以上のように構成された組み付け財布100は、使用者が、紙幣収納部12が体側、小物収納部13が後方側になる向きで、長手方向の小物収納部13側からズボンの後ろポケットに入れることで、ポケットから落ちにくく、また、ポケットから取り出しやすいものとなっている。つまり、このように組み付け財布100をズボンの後ろポケットに入れた場合、小物収納部13があることで、財布100の重心位置が低くなり、また、小物収納部13がポケットの内側に引っ掛かるため、財布100がポケットから容易に落ちるのを防ぐことができる。一方で、紙幣収納部12の上部がポケットからはみ出るため、組み付け財布100はポケット内で斜めに傾くこともなく、使用者はポケットからはみ出た紙幣収納部12の部分(把持部)を掴んで容易に財布100を取り出すことができる。
【0017】
なお、ポケットと接触する部分に摩擦抵抗の大きい材料を用いることで、ポケットからの落下を更に防ぐことができる。また、ポケットからはみ出る紙幣収納部12の把持部に摩擦抵抗の大きい材料を用いることで、組み付け財布100をつかみやすくすることもできる。摩擦抵抗の大きい材料としては、例えば、ゴム、起毛素材、革の床面(裏面)等がある。
【0018】
また、組み付け財布100は、紙幣を伸ばしたまま収納できる紙幣収納部12を備えるため、収納した紙幣が折れ曲がることもない。加えて、組み付け財布100は、紙幣収納部12が紙幣を伸ばしたまま入れるだけの長さを有しているため、深さのある上着の内ポケットに入れても容易に取り出すことができる。
【0019】
以上の第1実施形態において、組み付け財布100は、図1に示すように、平面視が概略長方形をなす紙幣収納部12すなわち長財布に、小物収納部13すなわち小物入れを固定する態様となっているが、本発明の組み付け財布は、これに限定されず、図示は省略するが、平面視が概略正方形をなす財布、例えば2つ折り財布や、複数に折り畳める財布(ボックス型財布)、硬貨のみを入れる財布、その他適宜構成の財布に、小物入れを固定する態様、あるいは小物入れ13を複数、適宜位置に固定する態様をも包含することは勿論である。
なお、紙幣の折れ曲がりを嫌う場合には、図1に示すように、長財布をメインにし、これに小物入れ13を固定する態様が適しており、長財布ではポケットやバッグに入りにくく、携帯に不都合を来すような場合には、図示省略の平面視が概略正方形の財布をメインにして、これに小物入れを固定する態様が適している。
【0020】
また、上記第1実施形態において、図2(A)に示すように、紙幣収納部12とは反対側の小物収納部13の部分に、紙幣収納部12の長手方向の端部から更に同方向の外側に延ばした延在部13′を設け、図2(B)に示すように、紙幣収納部12の長手方向の端部から紙幣収納部12の内側へ巻き込む構成としてもよい。この場合、上記延在部13′に接する小物収納部13側の紙幣収納部12の内側部分と、この内側部分に接する上記延在部13′の部分に面ファスナー、ジッパーテープ、スナップボタン、マグネットなどの着脱用部材13″(図2(A),(B)では、面ファスナー13″の例を示している)をそれぞれ設け、この着脱用部材13″により延在部13′を紙幣収納部12の内側へ取り付けて、紙幣収納部12と小物収納部13とを固着状態とする(図2(B)参照)。そして、小物収納部13を開状態とする際には、この着脱用部材13″を紙幣収納部12の内側から外し、延在部13′を小物収納部13側に移動させ、図2(A)のような状態とすればよい。
上記延在部13′は、図示は省略するが、上記第1実施形態に係る小物収納部13をボックス型財布とした場合、その蓋部分に設けるなど、小物収納部13を他の構成とした場合にも適用することができる。
上記延在部13′と小物収納部13とは一体の材料から形成してもよい。
以上のように構成することで、組み付け財布100をポケットから取り出す際に小物収納部13が開いてしまうのを防ぐことができる。
なお、上記延在部13′と紙幣収納部12の内側に取り付ける着脱用部材13″を面ファスナーとすることで、小物収納部13の容量を大きくすることができ、また、小物収納部13の容量を容易に調整することができるようになる。
【0021】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について、図3を参照しながら説明する。図3は本第2実施形態に係る組み付け財布200の斜視図である。
【0022】
本第2実施形態に係る組み付け財布200は、平面視において概略長方形をした長財布22と、長財布22の外側に着脱自在に取り付けられた小物入れ23とを有している。
【0023】
長財布22は上記第1実施形態における紙幣収納部12に対応し、小物入れ23は上記第1実施形態における小物収納部13に対応する。本第2実施形態に係る組み付け財布200は、長財布22に小物入れ23が固定されておらず着脱自在に取り付けられている点において上記第1実施形態の組み付け財布100とは異なり、それ以外の点においては上記第1実施形態と同様である。したがって、以下の第2実施形態の説明においては、上記第1実施形態と重複する説明は省略し、長財布22への小物入れ23の着脱自在の取り付け方法について説明する。
【0024】
平面視において概略長方形をした長財布22の一方の外面には第1の着脱用部材24が固定されている。また、着脱用部材24に対応する小物入れ23の部分には第2の着脱用部材25が固定されている。
第1、第2の着脱用部材24、25としては、面ファスナー、ジッパーテープ、スナップボタン、マグネットなどを用いることができる。また、第1、第2の着脱用部材24、25の代わりに、長財布22に、小物入れ23を収納するポケットや、小物入れ23を締付けて固定するベルト等の着脱用部材を設けても良い。さらに、第1、第2の着脱用部材24、25の代わりに、小物入れ23に、長財布22に取り付けるためのポケットやベルト(図示省略)等の着脱用部材を設けても良い。
小物入れ23は、1つに限られず、複数取り付けるものとしても良い。長財布22に小物入れ23を取り付けたときの外観は、図1に示す上記第1実施形態に係る組み付け財布100と同様である。
【0025】
以上の構成により、本第2実施形態に係る組み付け財布200によれば、上記第1実施形態に係る組み付け財布100と同様の効果を得ることができる。
また、長財布22に取り付ける小物入れ23は、使用者が前記した小銭入れ、カードケース、キーホルダー、携帯用端末機入れ等から適宜選択して長財布22に組み付けることができ、使用者の利便性を更に高めることができる。
加えて、本第2実施形態に係る組み付け財布200によれば、長財布22と小物入れ23をそれぞれ単独で使用することもできる。
【0026】
本第2実施形態においても、組み付け財布200は、図1に示すように、平面視が概略長方形をなす紙幣収納部22すなわち長財布に、小物入れ23を着脱自在に取り付ける態様となっているが、本発明の組み付け財布は、これに限定されず、上記の第1実施形態と同様、図示は省略するが、平面視が概略正方形をなす財布、例えば2つ折り財布や、複数に折り畳める財布、硬貨のみを入れる財布、その他適宜構成の財布に、小物入れを着脱自在に取り付ける態様、あるいは小物入れ13を複数、適宜位置に着脱自在に取り付ける態様をも包含することは勿論である。
また、紙幣の折れ曲がりや携帯の都合等を考慮して、メインの財布に、平面視が概略長方形をなすものか、概略正方形をなすものを選定すればよい。
【0027】
また、上記第2実施形態においても、図4に示すように、上記第1実施形態の場合と同様、長財布22とは反対側の小物入れ23の部分に、長財布22の長手方向の端部から更に同方向の外側に延ばした延在部23′を設け、長財布22の長手方向の端部から長財布22の内側へ巻き込む構成とし、上記延在部23′に接する小物入れ23側の長財布22の内側部分(図示省略)と、この内側部分に接する上記延在部23′の部分に面ファスナー、ジッパーテープ、スナップボタン、マグネットなどの着脱用部材23″(図4では、面ファスナー23″の例を示している)をそれぞれ設け、この着脱用部材23″により延在部23′を長財布22の内側へ取り付けて、長財布22と小物入れ23とを固着状態(図2(B)と同様の状態)とする。そして、小物入れ23を開状態とする際には、この着脱用部材23″を長財布22の内側から外し、延在部23′を小物入れ23側に移動させればよい。
上記延在部23′は、上記第2実施形態に係る小物入れ23をボックス型財布(図示省略)とした場合、その蓋部分に設けるなど、小物入れ23を他の構成とした場合にも適用することができる。
上記延在部23′と小物入れ23とは一体の材料から形成してもよい。
以上のように構成することで、組み付け財布200をポケットから取り出す際に小物入れ23が開いてしまうのを防ぐことができる。
なお、上記延在部と長財布22の内側に取り付ける着脱用部材を面ファスナーとすることで、小物入れ23の容量を大きくすることができ、また、小物入れ23の容量を容易に調整することができるようになる。
【符号の説明】
【0028】
12 紙幣収納部
13 小物収納部
22 長財布
23 小物入れ
24 第1の着脱用部材
25 第2の着脱用部材
100 財布
200 組み付け財布
図1
図2
図3
図4