特開2017-113208(P2017-113208A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-113208(P2017-113208A)
(43)【公開日】2017年6月29日
(54)【発明の名称】ゴム風船の口筒
(51)【国際特許分類】
   A63H 27/10 20060101AFI20170602BHJP
【FI】
   A63H27/10 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2015-250855(P2015-250855)
(22)【出願日】2015年12月24日
(71)【出願人】
【識別番号】596053792
【氏名又は名称】株式会社ケーツーステーション
(74)【代理人】
【識別番号】100095647
【弁理士】
【氏名又は名称】濱田 俊明
(72)【発明者】
【氏名】足立 恵司
【テーマコード(参考)】
2C150
【Fターム(参考)】
2C150DE02
2C150DE11
2C150DF01
2C150DF36
(57)【要約】
【課題】ム風船の口部を装着するとき、また、装着した後においても、当該装着部分のゴムが裂開しないと同時に容易に風船の口部が抜けないゴム風船用の口筒を提供する。
【解決手段】円筒状で底面に円筒よりも小径の開口を有し、円筒の略中間部にフランジを形成した下筒と、この下筒の上外側から嵌合し、上面には開口に対応する上側開口を有する上筒と、この上筒の外径よりも小さくかつ上側開口よりも大きい開口を有し、上筒の円筒外側形状に沿った内形を有するとともに途中からフランジの外径に見合った内径まで拡開し、フランジの外周と嵌合するキャップとからなり、ゴム風船の口部をフランジと上筒とキャップの拡開部によって形成される空間に収容しながら、ゴム風船を上筒とキャップの間の狭隘部を介して上側に延長する。フランジの外周に沿って突条を形成し、この突条をキャップの下端側内周に設けた凹溝と嵌合する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒状で底面に前記円筒よりも小径の開口を有し、前記円筒の略中間部にフランジを形成した下筒と、この下筒の上外側から嵌合し、上面には前記開口に対応する上側開口を有する上筒と、この上筒の外径よりも小さくかつ上側開口よりも大きい開口を有し、前記上筒の円筒外側形状に沿った内形を有するとともに途中から前記フランジの外径に見合った内径まで拡開し、前記フランジの外周と嵌合するキャップとからなり、ゴム風船の口部を前記フランジと前記上筒と前記キャップの拡開部によって形成される空間に収容しながら、前記ゴム風船を前記上筒と前記キャップの間の狭隘部を介して上側に延長することを特徴としたゴム風船の口筒。
【請求項2】
円筒状で底面に前記円筒よりも小径の開口を有する下筒と、この下筒の上外側から嵌合し、上面には前記開口に対応する上側開口を有するとともに、下端を水平方向に延長してフランジとした上筒と、この上筒の外径よりも小さくかつ上側開口よりも大きい開口を有し、前記上筒の円筒外側形状に沿った内形を有するとともに途中から前記フランジの外径に見合った内径まで拡開し、前記フランジの外周と嵌合するキャップとからなり、ゴム風船の口部を前記フランジと前記上筒と前記キャップの拡開部によって形成される空間に収容しながら、前記ゴム風船を前記上筒と前記キャップの間の狭隘部を介して上側に延長することを特徴としたゴム風船の口筒。
【請求項3】
フランジの外周に沿って突条を形成し、この突条をキャップの下端側内周に設けた凹溝と嵌合する請求項1または2記載のゴム風船の口筒。
【請求項4】
下筒と上筒は、下筒の筒状外周面に形成された突条と、上筒の内周面に設けた環状凹溝との嵌合によって一体とする請求項1から3のいずれか1つ記載のゴム風船の口筒。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ゴム風船の口部に装着して風船内に空気を吹き込む口筒に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1〜3には、ゴム風船の口部に装着する口筒が開示されている。何れも、風船の口部(Oリング状のリング体)を筒状本体(特許文献1においては口筒本体30、特許文献2においては上部体20、特許文献3においては口筒本体1)の外周に形成したフランジ(特許文献1においては突出部57、特許文献2においては抜脱抑止用凸条部23、特許文献3においてはフランジ1c)に引っ掛け、その上から当該引っ掛かり部分を覆うようなリング状あるいはキャップ状のカバー(特許文献1においては口巻き覆い部材70、特許文献2においては底部体30、特許文献3においてはキャップ体2)を筒状本体に外嵌め装着することにより、風船と口筒を引き離すような引張力が作用しても引っ掛かりが外れないようにして、口筒の誤飲を防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3190100号公報
【特許文献2】特開2014−97218号公報
【特許文献3】実用新案登録第3194698号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のように、特許文献1〜3のものは、筒状本体にカバーを装着する前の下準備として、ゴム風船の口部を筒状本体のフランジに引っ掛けておくが、その際、口部を弾性的に拡開する必要がある。ゴムを弾性的に拡開すると、その部分が伸びて薄くなるため、特許文献1〜3のものでは、口部をフランジに引っ掛けるときに、口部の付け根部分のゴムが裂けてしまう恐れがある。また、ゴム風船の口部を正常にフランジに引っ掛けた後であっても、付け根部分のゴムは弾性的に拡開したままフランジに密着しているため、この部分に外方から何か鋭利な物が接触すると簡単に裂開してしまうし、付け根部分にさらにゴム風船の長手方向に引張力が作用した場合もフランジによって裂けてしまう恐れがあった。
【0005】
特に、特許文献1では口巻き覆い部材を強い力で押し込み過ぎた場合には、風船の外表面を傷つけて、膨らませる過程において風船が破裂するおそれがある。また、特許文献2では上部体の抜脱抑止用突起部と底部材の上縁内縁のクリアランスが大きすぎた場合には風船の口部が容易に抜けてしまうというおそれがある。特許文献3であっても、成形精度によっては同様の可能性がある。
【0006】
本発明は上述した課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、ゴム風船の口部を装着するとき、また、装着した後においても、当該装着部分のゴムが裂開しないと同時に容易に風船の口部が抜けないゴム風船用の口筒を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した目的を達成するために本発明のゴム風船の口筒は、円筒状で底面に前記円筒よりも小径の開口を有し、前記円筒の略中間部にフランジを形成した下筒と、この下筒の上外側から嵌合し、上面には前記開口に対応する上側開口を有する上筒と、この上筒の外径よりも小さくかつ上側開口よりも大きい開口を有し、前記上筒の円筒外側形状に沿った内形を有するとともに途中から前記フランジの外径に見合った内径まで拡開し、前記フランジの外周と嵌合するキャップとからなり、ゴム風船の口部を前記フランジと前記上筒と前記キャップの拡開部によって形成される空間に収容しながら、前記ゴム風船を前記上筒と前記キャップの間の狭隘部を介して上側に延長することとした。このように構成することによって、下筒、上筒、及びキャップが一体化され、ゴム風船の口部は前記空間に確実に保持されるとともに、強い力でゴム風船が引っ張られても狭隘部が存在するので脱落することを防止できる。
【0008】
また、別の手段として、円筒状で底面に前記円筒よりも小径の開口を有する下筒と、この下筒の上外側から嵌合し、上面には前記開口に対応する上側開口を有するとともに、下端を水平方向に延長してフランジとした上筒とする構成を採用した。この構成ではキャップは上筒に一体化されることになるが、第一の手段と同様にゴム風船の口部は空間に確実に保持され、さらにゴム風船が強く引っ張られても脱落することはない。
【0009】
さらにまた、フランジの外周に沿って突条を形成し、この突条をキャップの下端側内周に設けた凹溝と嵌合する構成では、いわゆる嵌め殺しで部材が一体化されるので、容易に分解されることがない。同様に、下筒と上筒を、下筒の筒状外周面に形成された突条と、上筒の内周面に設けた環状凹溝との嵌合によって一体とする構成においても、嵌め殺しによって一体化するので不用意に分解することはない。
【発明の効果】
【0010】
本発明のゴム風船の口筒は、下筒と上筒を一体化して高音が発生する構成とするとともに、キャップを下筒あるいは上筒に設けたフランジと一体化し、ゴム風船の口部を前記フランジと前記上筒と前記キャップの拡開部によって形成される空間に収容しながら、前記ゴム風船を前記上筒と前記キャップの間の狭隘部を介して上側に延長するようにしているので、口部は確実にこの空間に保持される。また、ゴム風船が強い力で引っ張られた場合でも狭隘部が存在するために口部は必ず狭隘部で拘束されることになり、脱落することはない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明のゴム風船用の口筒部分の断面図
図2】同、斜視図
図3】ゴム風船をキャップに通したところを示す一部断面図
図4】ゴム風船を装着する手順の一部を示す図
図5】同、半截断面図
図6】別実施形態を示す半截断面図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の好ましい実施の形態を添付した図面に従って説明する。図1は本発明の好ましい実施形態を示す断面図であって、1はゴム風船、2はゴム風船の口部、3は本発明の口筒を構成する一部材である下筒であり、円筒状の下筒本体4、下筒本体4の底面に設けられた下側開口5、下筒本体4の外周面高さにおいて略中間部に形成されたフランジ6によって構成されている。7はフランジ6の外周に沿って形成された突条である。8は下筒3の上側から嵌合する上筒であり、上側開口9が形成されるとともに、内周面には環状凹溝10が形成され、フランジ6よりも上側の下筒本体4の外周面に形成された突条10aに嵌合され、一体化する。このようにして、下筒3と上筒8が嵌合一体化されることにより、内部には空洞部11が形成され、上側開口9と下側開口5が空洞部11の内径よりも絞られた径で開口しているので、早い速度で空気が流れると内部にカルマン渦が発生して高音を生じる。
【0013】
次に、下筒3と上筒8を嵌合一体化しただけであれば、ゴム風船1の口部2が口筒から容易に外れるおそれがあるので、これを避けるために口部脱去防止用のキャップ12を上筒8側から被せる。キャップ12は具体的構成として、上側には上筒8の外径よりも小さい開口13が設けられ、途中までを上筒8の外側断面形状に沿った内形面14とし、拡開面15に続いてその下端側内周に設けられた凹溝16とフランジ6の外周に形成された突条7を嵌合させ、キャップ12を下筒3に一体化させている。なお、内形面14は、上筒8の垂直外面の途中まで延長されている。図2は下筒3、上筒8、及びキャップ12の3部材を一体化したところを示す斜視図である。
【0014】
上記に示した実施形態によると、先ず図3に示すようにゴム風船1をキャップ12の開口13を通して口部2が下側になるように設置する。この状態で口部2を図4に示したように予め組み合わせて一体化した下筒3と上筒8の、上筒8の外周に沿って広げながら装着し、およそ下筒3のフランジ6近辺まで押し下げる。この状態でキャップ12を下筒3と一体化することによって本実施形態のようにゴム風船が装着された状態の口筒が完成する。
【0015】
なお、本実施形態では上筒8の下端はフランジ6まで延長していないが、上筒の下端をフランジ6の上面近辺まで延長することもある。本実施形態の構成であればゴム風船の口部2を上筒8の下端を過ぎたところまで装着することでゴム風船1の上筒8に対する装着が完了するので、組み立て手順の目安になるが、上筒の下端をフランジ6の上面まで延長した構成とした場合であっても本発明の基本的な作用効果を失うものではない。さらに、本実施形態ではフランジ6の外周に突条7を形成したが、フランジ6の厚みを薄くしてフランジ6自体の外周を凹溝16に嵌合することもある。
【0016】
このようにゴム風船1が装着された口筒では、下筒3と上筒8を一体とした構成に、さらに上筒8の外側からキャップ12を下筒3のフランジ6と一体とするので、ゴム風船1の口部2はキャップ12と上筒8の外周面、及びフランジ6によって形成された空間17に収まり、ゴム風船1を確実に装着することができる。また、上筒8の外周面の形状にキャップ12の内周面の形状を沿わせるようにすることで、長い距離の狭隘部を出現させることになるので、ゴム風船1が強い力で引っ張られて口部2が弾性変形した場合でも、口部2は必ず狭隘部の途中で動きを拘束されるので、口筒から抜けてしまうことを確実に防止することができる。
【0017】
次に、図6は本発明の別の実施形態を示したものである。図1と同一番号を附した部分は基本的にその構成と変わるところはない。図1の実施形態と異なるところは、下筒3と上筒8、及びキャップ12を一体とするところである。すなわち、上筒8の下端を水平方向に延長して第2フランジ20を構成し、この第2フランジ20の外周縁に突条21を設けている。そして、この突条21にキャップ12の下端側の凹溝を嵌合させることによって、全体を一体としている。なお、下筒3と上筒8を組み合わせる構造については、第1の実施形態と異なるところはない。このように構成した場合にも、ゴム風船の口部は空間17に保持されることになり、ゴム風船が脱落することはない。
【符号の説明】
【0018】
1 ゴム風船
2 口部
3 下筒
5 下側開口
6 フランジ
8 上筒
9 上側開口
12 キャップ
17 空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6