【解決手段】患者に呼吸可能な気体を移送するための鼻用アセンブリ(10)は、一体形成された第1のコネクタ部分(24)を有する枠(16)を備える。ノズルアセンブリ(18)は、ガセットまたはベース部分(48)及び1対のノズル(50)を備える。少なくとも1つの取入導管が、患者による呼吸のために枠及びノズルアセンブリに呼吸可能な気体を移送するように構成される。1対の第2のコネクタ部分(26)が、枠の各第1の部分と取外し可能かつ回転自在に接続され、各取入導管と、例えば直接にまたはアングルコネクタを介して連結する。ヘッドギアアセンブリ(20)が、枠及びノズルアセンブリを患者の顔上の所望の調節位置に維持するように、1対の第2のコネクタ部分及び/又はアングルコネクタと取外し可能に接続される。
前記ヘッドギアアセンブリが付随側部ストラップ(depending side straps)と、それぞれの付随側部ストラップに取り付けられた補剛要素(stiffening member)と、を含み、それぞれの補剛要素が前記調整機構の一部を形成する自由端を有する請求項1に記載の鼻用インターフェイス。
ノズル間の鼻翼角が70°〜155°の範囲となるように前記ベース部分が成形されており、ノズルのそれぞれの開口部が長軸及び短軸を有する楕円形状である、請求項1に記載の鼻用インターフェイス。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下は、本発明の幾つかの主な例示された実施形態の説明を含んでいる。例示された主な各実施形態は、当業者なら理解するように、他の実施形態とともに及び/又はその中で使用される特徴を含んでいる。
【0030】
[第1実施形態]
図1は、患者の鼻14の鼻腔12に呼吸可能な気体を移送するように構成した鼻用アセンブリ10の実施形態を示す。鼻用アセンブリ10は、枠16と、枠16と恒久的にまたは取外し可能に接続したノズルアセンブリ18を備える。ヘッドギアアセンブリ20(
図18参照)は、好ましくは、枠16及びノズルアセンブリ18を患者の顔上の所望の調節位置に維持するために接続アセンブリ22と取外し可能に接続される。取入導管(例えば
図49を参照)もまた、患者による呼吸のために枠16及びノズルアセンブリ18内に呼吸可能な気体を移送するために接続アセンブリ22によって枠16と取外し可能に接続される。ヘッドギアアセンブリ20及び取入導管は、取入導管及びヘッドギア接続アセンブリ22によって枠16と取外し可能に接続される。接続アセンブリ22は、枠16によって与えられる第1のコネクタ部分24(
図2及び
図3参照)と、第1のコネクタ部分24と取外し可能に結合されるように構成した第2のコネクタ部分26を備える。第2のコネクタ部分26は、更に議論するように、ヘッドギアアセンブリ20及び取入導管と取外し可能に接続される。
【0031】
図2〜
図4に示すように、枠16は、ノズルアセンブリ18を収容するための中央開口30が形成された主本体28を備える。枠16はまた、主本体28の各横側面上に設けた側部枠部材32を備える。側部枠部材32は、好ましくは枠16の主本体28と一体に形成される。図示した実施形態では、枠16は、ポリマー材料から形成した剛直または半剛直な構造である。しかし、枠16は、使用中に枠16の患者の顔に対する柔軟性を可能にするために半剛直であってもよい。枠16はまた、枠16のある領域での特別仕様にされた曲げのために、ある領域で半剛直であってもよい。
【0032】
各側部枠部材32は、それと一体に形成された第1のコネクタ部分24を備える。
図2及び3に最もよく示すように、第1のコネクタ部分24は、接続セクション34及び標示セクション36を備える。接続セクション34は、第2のコネクタ部分26が第1のコネクタ部分24から軸線方向に分離することを防止するために、第2のコネクタ部分26と相互鎖錠するように構成される。標示セクション36は、使用中調節された位置に「錠止され」続けながら、嵌合中に軸線周りの第1のコネクタ部分24に対する第2のコネクタ部分26の選択的な円周調節を可能にするために、第2のコネクタ部分26と歯止め係合するように構成される。
【0033】
特に、各側部枠部材32の接続セクション34は、接続セクション34を、半径方向内向き及び外向きに曲がるように構成した複数の弾力的に可撓性のアーム38に分離する一連の溝またはスロット37を備える。各アーム38は、その自由端にリブ部分40を備える。使用中、複数のアーム38のリブ部分40は、第1及び第2のコネクタ部分24、26を互いに結合するために第2のコネクタ部分26のそれに対応する部分24、26と係合するように構成される。例えば、第1及び第2のコネクタ部分24、26は、第1のコネクタ部分24から軸線方向に遠ざかる第2のコネクタ部分26に力が加えられた場合、第2のコネクタ部分26の第1のコネクタ部分24からの不慮の分離を防止するために相互に鎖錠している。更に、第1及び第2のコネクタ部分24、26は、良好な密封を与えるために互いに係合する。
【0034】
各側部枠部材32の標示セクション36は、複数の歯42を備える。歯42は、第2のコネクタ部分26上に設けた歯44と選択的に係合するように構成される(
図9及び
図10参照)。結果として、第2のコネクタ部分26は、枠16に対して所望の位置に回転することができる。使用中、第2のコネクタ部分26上の歯44は、所望の位置で標示セクション36上に設けた選択的な歯42の間に係合し、第2のコネクタ部分26を第1のコネクタ部分24、及び、したがって、枠16に対して回転を錠止する。調節のために、使用者は、歯66及び歯42の位置を手で変更することができる。
【0035】
一態様によると、標示セクション36の歯42は、第2のコネクタ部分26に所定のトルクが加えられたとき、トルクが除去され、歯42が第2のコネクタ部分26の歯44と再係合するまで、歯42が、第2のコネクタ部分26の回転を可能にするために第2のコネクタ部分26の歯44を自動的に外向きに押圧するように構成される。したがって、第2のコネクタ部分26は、所定の角度内で枠16に対して回転調節または標示することができる。可能な回転調節の角度は、標示セクション36上の歯42の数及び位置を変更することによって、必要に応じて変更することができる。調節角度範囲は、患者が、患者の鼻に対するノズルアセンブリ18の位置調節を可能にする。最適な位置調整のために、ある好ましい実施形態では、ノズルアセンブリ18が、枠16に取り付けられた一体成形されたシリコーン部片から形成される。
【0036】
図示した実施形態では、調節または標示動作は、第1のコネクタ部分24からの第2のコネクタ部分26の起こり得る分離を最小化するために接続動作に対して垂直に向けられる。
【0037】
図4に最もよく示すように、主本体28は、ノズルアセンブリ18を収容するための中央開口30を画定する対向する側壁46を備える。側壁46は、更に議論するように、ノズルアセンブリ18及び枠16を互いに結合するために、ノズルアセンブリ18の対応する部分と係合するように構成される。
【0038】
図5〜
図8に示すように、ノズルアセンブリ18は、ベース部分48及びそれに取り付けた1対のノズル50を備える。ベース部分48は、枠16の側壁46及び中央壁54と密封係合するように構成した側壁52を有する。1対のノズル50はそれぞれ、第1の部分56及び第2の部分58を有する。第1の部分56は、中央壁54内に設けた各排出開口と連通するベース部分48の中央壁54に取り付けられる。第2の部分58は、使用中患者の鼻14の鼻腔12と密封係合し、鼻用アセンブリ10と患者の鼻腔12の間の密封を与えるように構成される。ノズルアセンブリ18が枠16に取り付けられたとき、ノズルアセンブリ18及び枠16がともに、呼吸可能な気体を1対のノズル50を通って患者の鼻に向けるための導管を形成する。
【0039】
図示した実施形態では、ノズルアセンブリ18は、簡単なアセンブリを可能にするスナップ、例えばスナップ嵌め、プッシュピン嵌め、または伸ばし嵌めによって枠16に取外し可能に取り付けられる。例えば、ベース部分48の側壁52は、枠16の各側壁46上に設けたくぼみ/リブとスナップ嵌めで相互に鎖錠するように構成したリブまたは溝/くぼみを備えてもよい。しかし、ノズルアセンブリ18は、当技術分野で公知のように、他の何れかの適切な方式、例えば摩擦または締まり嵌め、及び/又は、舌片及び溝の構成で枠16に取外し可能に取り付けてもよい。別法として、ノズルアセンブリ18は、例えば接着剤または固定具によって枠16と堅固に結合してもよい。また、ノズルアセンブリ18は、枠16と一体に形成しても、またはオーバーモールドしてもよい。すなわち、ノズルアセンブリ及び枠は、剛性を追加するために異なる厚さ及び硬度を備える一体構造であってもよい。
【0040】
好ましくは、ノズルアセンブリ18は、快適性及び患者の顔の形状の多様性への対応を増加させるために、それによってノズルアセンブリ18と枠16の間の相対運動を可能にするように、柔軟なものである。また、ベース部分48は、以下で更に議論するように、枠16と1対のノズル50の間の距離を変更するために膨脹及び収縮することができるように構成される。すなわち、中央壁54は、使用中、それによってノズル50を患者の鼻のほうへ移動させるために、加圧された気体の導入の際、実質的に平坦な形状が実質的に曲線状の形状へ変形、例えば膨脹するように構成した、弾性及び/又は可撓性の材料で好ましくは製作される。ベース部分48のその他の部分、例えば側壁52も同様に変形/膨脹するように構成してもよい。
【0041】
図示した実施形態では、ベース部分48は、実質的にドッグボーン形状を有する。しかし、ベース部分48は、患者の隔壁との接触を防止するため、またはそうでない場合これらの敏感な部分での接触圧力を最小にするために、患者の顔の敏感な部分との接触を回避するための形状、例えば切欠きのあるベース形状を含む、何れかの適切な形状を有してもよい。
【0042】
図1、
図5及び
図6に最もよく示すように、鼻用アセンブリの第2の部分58は、鼻孔(例えば鼻孔開口の縁の周囲の領域)を下側で密封する部分と、使用中患者の鼻の鼻腔内に入る別の部分とを有する形状(例えばテーパ付き、円錐状、中空円錐台状など)になされている。しかし、ノズル50は、例えば鼻プロング、カニューレ、または鼻パフの形態であってもよく、何れかの適切な方式で鼻腔12と密封係合してもよい。例えば、ノズル50は、鼻腔12内で密封する、鼻腔12に接して密封する、鼻腔12の周囲を密封する、またはその組合せであってもよい。ノズル50は、患者の鼻の内部の解剖学的な形状に適合するような輪郭形状にしてもよい。更に、様々な寸法及び/又は形状、例えば小、中、大のノズルが、患者の鼻の範囲に対応するように形成してもよい。
【0043】
図示した実施形態では、ノズル50の第1の部分56は、快適性及び患者の顔の形状の多様性への対応を増加させるために、ノズル50がベース部分48したがって枠16に対して移動可能にするように、第2の部分58に対して小さい断面積を有する。
【0044】
一実施形態では、鼻用アセンブリ10は、ベース部分48または枠16に取外し可能に装着される患者専用のノズルを使用している。好ましい形態では、ノズルは、シリコーンエラストマーなどの実質的に可撓性を有するポリマー材料から製造される。独自のノズルが、最初に各患者の鼻を現場でまたは遠隔操作で走査し、次にインターフェイス、例えばモールドメーカーの製造のためにデータを使用することによって、各患者の鼻に適合させることができる。走査は、非接触または接触の方法を使用して行うことができる。非接触の方法は、例えば、写真によって、またはプローブとの物理的な接触によって、または所望の接触インターフェイスの鼻孔の内部の印象の収集によってである。1対の適切なノズルが作製されたあと、これらを、患者に適合させるために顧客に送られる。事前形成または特別仕様にされた形状の利点は、断面積が、流れの抵抗を減少させるために最大にできることである。また、事前形成された形状の使用は、快適性を改善する。捩じりに対してより大きな抵抗を有する、したがって患者の鼻孔のノズルの捩じりを最小化する半剛直なプラスチックなどの剛性の大きな材料を使用してもよい。また、ベース部分48とのその接続部、例えばベース部分48が柔軟で可撓性を有することにより、薄い壁の断面を可能にし、ノズルの可撓性を可能にする剛直なプラスチックを使用してもよい。
【0045】
図示した実施形態では、ノズル50が、変形可能かつ膨脹可能な材料からベース部分48と一体に成形される。ノズル50及びベース部分48は、シリコーンなどの柔軟で可撓性を有する、皮膚適合性の材料から製造してもよい。ノズル50及びベース部分48は、当技術分野で公知のように、例えば、射出、圧縮及び/又は移送成形してもよい。
【0046】
しかし、ノズル50及びベース部分48は、何れかの適切な材料で形成してもよく、何れかの適切なプロセスで形成してもよい。例えば、ベース部分48及びノズル50は、別個に形成され、例えば接着剤及び/又は機械的な固定具で互いに恒久的に取り付けてもよい。別法として、ベース部分48及びノズル50は、別個に形成され、互いに取外し可能に取り付けてもよい。
【0047】
上述のように、第2のコネクタ部分26は、ヘッドギアアセンブリ20及び取入導管を枠16と取外し可能に接続するように設けられる。
図9及び
図10に示すように、各第2のコネクタ部分26は、例えば、射出成型、圧縮成形またはブロー成形によって形成された一様なポリマー部片(例えばシリコーン)である。各第2のコネクタ部分26は、前部部分60及び後部部分62を有する主本体を備える。前部部分60は、枠16上に設けた第1のコネクタ部分24と相互鎖錠され、後部部分62は、ヘッドギアアセンブリ20及び取入導管と取外し可能に接続される。前部及び後部部分60、62は、
図1に示すように、第2のコネクタ部分26が使用中患者の顔の輪郭形状を追従するように互いに対して角度を付される。
【0048】
特に、前部部分60は、その内部表面上にくぼみ66を有する実質的に円筒形の導管64を備える。くぼみ66は、第1のコネクタ部分24上の複数のアーム38のリブ部分40を受けるように構成される。すなわち、複数のアーム38は、第1のコネクタ部分24が第2のコネクタ部分26の導管64内に挿入するとき、互いに向かって押圧される。いったんアーム38のリブ部分40がくぼみ66に到達すると、アーム38は、第1及び第2のコネクタ部分24、26の間の相互鎖錠係合を与えるためにくぼみ66内へ外向きにばね支持することができる。第2のコネクタ部分26を枠16から分離するためには、患者は、リブ部分40をくぼみ66から解放するのに十分な力で、第2のコネクタ部分26を枠16から軸線方向外向きに引くだけでよい。
【0049】
前部部分60はまた、第2のコネクタ部分26の歯44を備えるクロスバー68を備える。上記で議論したように、歯44は、第1のコネクタ部分24及びしたがって枠16に対する第2のコネクタ部分26の選択的な回転調節を可能にするために、第1のコネクタ部分24によって設けた複数の歯42と係合する。クロスバー68は、歯44を弾力的に偏倚させて第1のコネクタ部分24の歯42と係合させる板ばねとして作用する。
【0050】
図9及び
図10に示すように、第2のコネクタ部分26の後部部分62は、ヘッドギアアセンブリ20のストラップがそれを通り、取外し可能に接続される開口を形成したクロスバー70を備える。しかし、クロスバー70は、ヘッドギアアセンブリ20との接続のための2つ以上の開口を形成するように構成してもよい。例えば、
図11及び
図12に示すように、第2のコネクタ部分26は、ヘッドギアアセンブリ20の1対のストラップがそれを通り、取外し可能に接続される1対の開口を設けたクロスバー71を備える。
【0051】
後部部分62はまた、呼吸可能な気体を枠16及びノズルアセンブリ18に移送する取入導管と接続されるように構成した、細長い導管72を備える。図示した実施形態では、後部部分62の導管72は、取入導管との接続を容易にするために、前部部分60の導管64とは異なる断面形状を有する。しかし、後部及び前部部分62、60の導管72、64はそれぞれ、類似の断面積を有してもよい。
【0052】
図13及び
図14は、鼻用アセンブリ10の第1の対の取入導管74の上及び第2の対の取入導管76の一方の経路設定を概略的に示している。第1の対の導管74の第1の端部が、第2のコネクタ部分26の各導管72と接続される。第1の対の導管74の第2の端部が、第2の対の取入導管76の各第1の端部と接続される。第2の対の取入導管の第2の端部は、加圧された呼吸可能な気体を供給する加圧供給部と接続される。結果として、加圧された気体が、第1及び第2の対の取入導管74、76を通って枠16及びベース部分48内へ通過し、患者による呼吸のためにノズル50を通ることができる。
図1に示すように、枠16は、枠16から外向きに僅かに突出する、CO
2の流出のための一連の開口を備える排気口78を備える。
【0053】
図13に概略的に示すように、第1及び第2の対の取入導管74、76は、患者の頭部を覆って上向きに延在するように経路が設定される。例えば、
図13では、第1の対の取入導管74は、約120〜160mm、好ましくは約140mmの長さを有し、第2の対の取入導管76を、約160〜200mm、好ましくは約180mmの長さを有する。しかし、他の長さ寸法を同様に使用してもよい。図示した実施形態では、第1の対の取入導管74は、水平方向から約30°傾斜しており、第2の対の取入導管76は、水平方向から約90°傾斜している、すなわち第1の対の導管74から約60°傾斜している。しかし、第1及び第2の対の取入導管74、76は、何れかの適切な長さを有してもよく、患者の頭部を覆って上向きに延在する何れかの適切な方式で経路を設定してもよい。
【0054】
別法として、
図14に概略的に示すように、第1及び第2の対の取入導管74、76は、患者の顎の下に下向きに延在するように経路を設定してもよい。例えば、
図14では、第1の対の取入導管74は、約40〜80mm、好ましくは約60mmの長さを有し、第2の対の取入導管76は、約180〜220mm、好ましくは約200mmの長さを有する。図示した実施形態では、第1の対の取入導管は水平方向から約−20°〜40°、好ましくは水平方向から約30°傾斜しており、第2の対の取入導管76は水平方向から約−90°傾斜している、すなわち第1の対の導管74から約−120°傾斜している。しかし、第1及び第2の対の取入導管74、76は、何れかの適切な長さを有してもよく、患者の頭部を覆って上向きに延在するように何れかの適切な方式で経路を設定してもよい。
【0055】
図15及び
図16は、第2の対の取入導管76の第1の端部に対して第1の対の導管74の第2の端部を相互接続するように構成したコネクタの実施形態を示す。
図15に示すコネクタ80は、患者の頭部を覆って上向きに導管74、76の経路を設定するように適切に傾斜している。
図16に示すコネクタ82は、患者の顎の下へ下向きに導管74、76の経路を設定するように適切に傾斜している。
【0056】
図17は、第2の対の取入導管76の第2の端部を加圧供給源と相互接続するように構成したフロージェネレータコネクタ84を示す。特に、フロージェネレータコネクタ84は、第2の対の取入導管76の一方と接続するように構成した第1の導管86と、第2の対の取入導管76のもう一方と接続するように構成した第2の導管88とを備える。フロージェネレータコネクタ84は、加圧供給源と接続される導管と接続するように構成した第3の導管90を備える。第3の導管90は、フロージェネレータコネクタ84と加圧供給源に関連する導管との間の相対運動を可能にするためのスイーベル機構またはフレキシブルジョイントを備えてもよい。
【0057】
図示した実施形態では、取入導管74、76が、単一の空気流通路を形成する。しかし、導管74、76、コネクタ部分24、26及びコネクタ80、82、84は、2つ以上の空気流通路を与えるように構成される。
【0058】
取入導管74、76は、何れかの適切な方式で製造してもよい。例えば、導管74、76は、押出し成型してもよい、または導管は射出成型してもよい。また、取入導管74、76は、シリコーン、または例えばKrayton(登録商標)などの熱可塑性エラストマーなどの、何れかの適切なポリマー材料から構成してもよい。
【0059】
また、取入導管74、76は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる、米国特許第6,044,844号に開示されているものなどの耐圧壊性、反圧壊性または、反捩性のチューブで形成してもよい。
【0060】
取入導管74、76及び各コネクタ部分24、26及び/又はコネクタ80、82、84は、摩擦タイプの嵌合、機械的固定具、接着材、共成型、挿入成型、またはその他の何れかの適切な手段によって保持してもよい。
【0061】
使用中、圧縮された気体が、フロージェネレータコネクタ84のコネクタ90を通って入り、取入導管76を通って、第1の組の取入導管74内へ、及び枠16の両側部枠部材32内に進行する。空気が、枠16を通って、ベース部分48及びノズル50内に、及び患者の鼻腔12内を通過する。患者の鼻からの呼気は、枠16内に形成した排気口78を通って出ることができる。
【0062】
ヘッドギアアセンブリ20が、枠16及びノズルアセンブリ18を患者の顔上の所望の調節位置に維持するために、枠16に取り付けられた第2のコネクタ部分26に取外し可能に取り付けられる。
図18に示すように、ヘッドギアアセンブリ20は、側部部分92を接続する後部部分94を備える2つの側部部分92を備える。各側部部分92は、側部ストラップ96を備える。2つの側部部分92を相互接続する後部部分94は、患者の頭部の頭頂部上を通る上側ストラップ98と、患者の頭部の後部部分の周囲を通る後部ストラップ100と、を備える。しかし、ヘッドギアアセンブリは、枠に恒久的に取り付けてもよい。
【0063】
各側部ストラップ96は、第2のコネクタ部分26と取外し可能に接続される。特に、各側部ストラップ96の端部部分は、ストラップ96が、第2のコネクタ部分26上に設けたクロスバー70の周囲に巻き付けられることを可能にする縮小した幅を有する。側部ストラップ96の各クロスバー70への固定は、Vectro(登録商標)などのフックループ材料の使用によって補助される。このようにして、側部ストラップ96は、適切な嵌合のために第2のコネクタ部分26に対して調節することができる。
【0064】
上側ストラップ98及び後部ストラップ100は、側部ストラップ96上に設けたバックル102によって側部ストラップ96と取外し可能に接続される。バックル102は、接着、縫製及び/又はその他の公知の方式によって側部ストラップ96に取り付けることができる。図示した実施形態では、バックル102は、上側及び後部ストラップ98、100がそれと結合されることを可能にするために単一のクロスバーを備える。しかし、他の何れかの適切なバックル装置が、側部ストラップ96を上側及び後部ストラップ98、100と相互接続するために設けてもよい。
【0065】
ヘッドギアアセンブリ20のストラップ96、98、100は、柔軟な、可撓性の複合材料から製造してもよい。例えば、ストラップ96、98、100は、層の一方は織物材料であり、層の他方はポリマー材料である、2つの材料層を備えてもよい。また、ヘッドギアアセンブリ20は、ある平面及び方向でのヘッドギアアセンブリ20の剛性を付加するためにそれに取り付けられた1つまたは複数の補剛材を備えてもよい。このことは、使用中、患者の頭部の上で鼻用アセンブリ10を安定させることを助ける。
【0066】
また、ヘッドギアアセンブリ20は、患者の頭部の上で鼻用アセンブリ10支持するために何れかの数のストラップを備えてもよい。例えば、側部ストラップ96のそれぞれは、
図11及び
図12に示す第2のコネクタ部分26´とともに使用される1対のストラップを備えてもよい。別法として、ヘッドギアアセンブリ20は、一体構造として製造してもよい。
【0067】
図1に示すように、ベース部分48は、追加の表面積または占有面積を提供するために枠16から外向きに延在する。圧力下の空気が枠16に入ると、ベース部分48が膨脹して、ノズル50を患者の鼻腔12と密封係合させる。例えば、鼻孔の方向へのベース部分の膨脹が、ノズルを鼻腔12と密封係合させる。
【0068】
また、密封力の一部分が、第1の部分56によって与えられてもよい。これは、患者の鼻孔に接して、ばねのように初期荷重をかけられる。
【0069】
すなわち、ベース部分48は、枠16とノズル50の間の距離を変更するために膨脹及び収縮するように構成される。ベース部分48は、ノズル50が患者の鼻孔12に隣接する第1の位置と、ノズル50が患者の鼻腔12と密封係合する第2の位置との間でノズル50を移動させる。特に、非膨脹状態では、ノズル50は、患者の鼻腔12から離隔されているか、または鼻腔と僅かに接触している。鼻用アセンブリ10が気体によって加圧されたとき、ベース部分48が膨脹し、鼻用アセンブリ10と患者の鼻腔12の間に密封を与えるためにノズル50を患者の鼻腔12と密封係合させる。気体圧力が増加すると、鼻腔の下側に加えられる力が、ベース部分48を通って増加する。
【0070】
ベース部分48は、枠16に追加の表面積または占有面積を与え、このことは更に、ノズル50の密封効率を増加させる追加の力をノズル50上に供給する。すなわち、ベース部分48は、ノズル50を患者の鼻と接触させるように構成及び配置されている。患者の鼻への力または圧力は、(a)枠16及びノズルアセンブリ18内の圧力、(b)ベース部分48の追加の表面積、及び/又は(c)ノズル50または、中央壁54及びベース部分48の第1の部分56を含むベース部分48の材料及び幾何形状による初期荷重に比例する。このようにして、ベース部分48の表面積は、患者の鼻に加えられる力または圧力を変更するために変更してもよい。
【0071】
ベース部分48の側壁52は、ノズル50を通じて患者の顔に力の成分を与えるためにばね構造として作用してもよい。力は、側壁52の厚さを調節することによって調整してもよい。更に、側壁52の厚さは、ベース部分48によって与えられる付加的な表面積とともに変更してもよい。このようにして、空気圧とともにベース部分48によって与えられる力は、患者の鼻腔12に効果的な密封力を与える。
【0072】
ベース部分48は、適切な密封を達成するために必要とされるヘッドギアアセンブリ張力を減少させる。すなわち、患者の鼻に加えられる密封力は、ヘッドギアアセンブリ20による張力によってではなく、ベース部分48、初期荷重及び/又は空気圧によって与えられてもよい。このことは、患者の快適性ならびに密封特性を改善する。
【0073】
したがって、ヘッドギアアセンブリ20を調節するとき、ノズル50を患者の鼻の近くにだけ持っていくか、または極めて軽く接触させることが望ましい。このようにして、ベース部分48は、実質的に圧縮されない。使用中、接触は、密封するのに十分である必要がある。
【0074】
ベース部分48はまた、枠16とノズル50の間の脱着ジョイントを与え、したがって、鼻用アセンブリ10と使用者の顔の間でいくらかの相対運動を許す。結果として、ノズル50は、過度の力なしで患者の鼻の形状の小さな変化に対応することができ、効果的な密封を維持しながらも、使用中患者の鼻に対する鼻用アセンブリ10の小さな運動に対処することができる。
【0075】
更に、第1及び第2のコネクタ部分24、26を備える接続アセンブリ22が、ノズル50の位置が、患者の鼻に対して容易に調節されることを可能にする。特に、患者は、ノズル50の位置を調節するために枠16をヘッドギアアセンブリ20に対して回転させることができる。
【0076】
また、ベース部分48は、上記で議論したような単一のベース形態である必要はなく、代替となる形状を有してもよい。例えば、ベース部分48は、連続して設け2つ以上のベース部分の形態であってもよい。
【0077】
図5及び
図6に示すように、ベース部分48の端部部分は、それに取り付けられたノズル50が互いに傾斜するように、互いに対して傾斜している。鼻翼角とも呼ばれるこの角度は、患者の様々な形状の鼻に対応するように調節することができる。例えば、
図5及び
図6に示す鼻用アセンブリ10は、実質的に平坦な鼻(
図19参照)に対処するために、135〜155°、好ましくは約145°の範囲の鼻翼角を有する。別法として、鼻翼角は、尖ったまたは鋭い鼻(
図20参照)に対処するために、70〜90°、好ましくは約80°の範囲であってもよい。しかし、鼻翼角は、何れかの形状の鼻にも対応するように何れかの適切な寸法を有してもよい。ノズルの運動は、より鋭い鼻に対応するのを助ける。
【0078】
図21に示すように、ノズル50の密封ゾーンは、ノズル50の高さの約半分からある角度で延在する。図示した実施形態では、ノズル50は、約9mmの高さを有する。しかし、ノズル50は、何れかの適切な高さを有してもよく、何れかの適切な密封ゾーンを備えてもよい。
【0079】
ノズル50は、ベース部分48上で互いに対して適切に離隔されている。間隔は、ノズル50のサイズ及びベース部分48上の使用可能な空間に基づいている。
【0080】
ノズル50の寸法は、患者の鼻孔の外周に基づいている。一実施形態では、楕円比がノズルの幾何形状を決定するために使用される(
図22参照)。例えば、0.7の楕円比(標準偏差平均+1)は、ノズル幾何形状を決定するために使用してもよい。
図23に示すように、ノズルのベース長軸は、鼻孔の中心から上縁部までを測定することによって決定される。
図24に示すように、ノズルのベース短軸は、ノズル間で使用可能な最大間隔によって決定される。しかし、他の何れかの適切な方法もノズルの寸法を決定するために使用してもよい。
【0081】
上記で述べた鼻翼角、密封ゾーン、ノズル間の間隔、及びノズルの寸法は、広範囲の患者に対応することができるように決定することができる。また、例えば小、中及び大の様々な寸法の鼻用アセンブリは、様々な寸法の患者に対応するように提供してもよい。しかし、他の何れかの適切な測定及び方法が、最も広い範囲の患者に適合する鼻用アセンブリを与えるために使用してもよい。
【0082】
本発明の一態様は、密封力及び安定力の分離を提供する鼻用アセンブリに関する。すなわち、鼻用アセンブリは、鼻用アセンブリを患者の顔上に維持するために作用する安定力が、鼻用アセンブリと患者の顔の間の密封を維持するために作用する密封力から分離される、または少なくともよりよく区別されるように構成されている。使用中、密封力は、患者の顔のより敏感な領域、例えば鼻に作用し、安定力は、患者の顔のより敏感でない領域、例えば上唇、頬及び患者の頭の後部に作用する。更に、安定力は、密封力よりも高い傾向がある。したがって、鼻用アセンブリは、患者の快適性を改善するために、高い安定力が低い密封力から実質上分離されるように構成される。
【0083】
特に、鼻用アセンブリは使用中患者の顔上に鼻用アセンブリを維持するために、ヘッドギアアセンブリによって加えられる安定力が、患者の頭の後部、患者の頬及び患者の上唇に分散されるように構成される。鼻用アセンブリは、使用中患者の鼻の鼻腔に密封力を加えるように構成したノズルアセンブリを備える。ヘッドギアアセンブリの形状は、密封力と安定力の実質上独立した調節を達成するように構成される。したがって、より高い安定力は、患者の顔のより敏感な領域、例えば鼻にさほど影響を与えない。
【0084】
本発明の別の態様は、患者の顔に力を加えるためのノズルとベース部分の間の協働に関する。特に、ベース部分は、患者の顔に力のある成分を加えるように構成され、ノズルは、患者の顔に力のある成分を加えるように構成される。
【0085】
図1に示すように、例えば、ベース部分は、患者の顔に比較的小さい力の成分を加えるように、実質的に剛直な構造である。すなわち、ベース部分は、気体によって圧縮されたとき、実質上膨脹可能または伸張可能ではない。逆に、ノズルは、患者の顔に比較的大きな力の成分を与えるように柔軟な、可撓性構造を有してもよい。すなわち、ノズル50の第1の部分56は、ノズル50を通して患者の顔に力の成分を与えるために、ばね構造として作用する、すなわちばね負荷されているまたは弾力性である。ばね負荷されることによって、ノズルが、密封の目的で、使用者の鼻密封領域に所定の力を加える。好ましくは、ノズルは、使用者に密封力を与えるために、加圧された気体が導入される前に初期荷重を加える。結果として、ベース部分及びノズルがともに、鼻用アセンブリと患者の鼻腔との間の密封を与えるための力を供給する。
【0086】
別法として、ベース部分は、膨脹されたとき患者の顔に比較的大きな力の成分を加えるような柔軟な可撓性構造である。逆に、ノズルは、患者の顔に比較的小さな力の成分を加えるように、より剛性の高い構造である。結果として、ベース部分及びノズルがともに、鼻用アセンブリと患者の鼻腔の間の密封を与えるための力を供給する。
【0087】
したがって、ノズルアセンブリは、密封のために十分な力の成分を加えるために、ノズルがばね負荷される、または弾力性であるように構成される。したがって、ベース部分は、より小さい密封のための力の成分を加えるために、より剛直な構造にすることができる。別法として、ノズルアセンブリは、ベース部分が、十分な密封のための力の成分を加えるために十分に伸張可能であるように構成することができ、ノズルは、より小さな密封のための力の成分を加えるためにより剛直な構造にすることができる。別法として、ノズルは、例えば、ノズルが特定の使用者のために調整される所では実質的に剛直であってもよい。この代替形態は、前の(剛直なベース部分及びばね負荷された(例えば初期荷重を加えられた)ノズルに関する)実施形態と結合することができる。この場合、ノズルのベースは、様々な量の初期荷重を提供するように構成してもよい、好ましくは使用者のための調整されたノズルの密封部分は、相対的により剛直であってもよい。また、ノズルアセンブリは、ベース部分及びノズルが、実質的に同様の密封のための力の成分を与えるように構成してもよい。
【0088】
[第2例示実施形態]
図25〜
図37は、210として示す鼻用アセンブリの別の実施形態を示す。
図25〜
図37に最もよく示すように、鼻用アセンブリ210は、枠216と、枠216と取外し可能に接続されたノズルアセンブリ218を備える。ヘッドギアアセンブリ220(
図37参照)が、好ましくは、枠216及びノズルアセンブリ218を患者の顔上の所望の調節位置に維持するために枠216に取外し可能に取り付けている。取入導管274(例えば
図36及び37を参照)もまた、患者による呼吸のために枠216及びノズルアセンブリ218内に呼吸可能な気体を移送するために枠216に取外し可能に取り付けている。ヘッドギアアセンブリ220及び取入導管274は、取入導管及びヘッドギア接続アセンブリ222によって枠216に取外し可能に接続される。接続アセンブリ222は、枠216によって与えられる第1のコネクタ部分224(
図28及び
図29参照)と、第1のコネクタ部分224と取外し可能に結合するように構成した第2のコネクタ部分226を備える。第2のコネクタ部分226は、更に議論するように、ヘッドギアアセンブリ220及び取入導管274と取外し可能に接続される。
【0089】
図28及び
図29に示すように、枠216は、ノズルアセンブリ218を収容するための中央開口230が形成された主本体228を備える。枠216はまた、主本体228の各横側面上に設けた側部枠部材232を備える。各側部枠部材232は、それと一体に形成した第1のコネクタ部分224を備える。第1のコネクタ部分224は、その内部表面上にくぼみ266を有する導管264の形態をしている。枠216はまた、CO
2の流出のための一連の開口278が形成される。
【0090】
図25〜
図27及び
図30〜
図31に示すように、ノズルアセンブリ218は、主本体219及び対向する端部部分221を備える(ノズルアセンブリ218の半分しか図中に示していない)。
図27に最もよく示すように、端部部分221は、枠216の側部枠部材232を覆って伸びており、主本体219は枠216の主本体228及び中央開口230に対して被覆関係にある。ノズルアセンブリ218が枠216に取り付けられたとき、枠216は、比較的柔軟で可撓性を有するノズルアセンブリ218に剛性を付加する。
【0091】
ノズルアセンブリ218の主本体219は、ガセット部分248及びそれに取り付けられた1対のノズル250を備える。ノズル250は、上記で説明したノズル50と同様にして形状構成される。ノズルアセンブリの主本体219もまた、CO
2の流出のために枠216上に形成した一連の開口278と位置整合された一連の開口223が形成される。
【0092】
図32〜
図34に示すように、第2のコネクタ部分226は、前部部分260及び後部部分262を有する主本体を備える。前部部分260は、半径方向内向き及び外向きに曲がるように構成した複数の可撓性のアーム238を備える。各アーム238は、その自由端にリブ部分240を備える。使用中、複数のアーム238のリブ部分240が、第1及び第2のコネクタ部分224、226を互いに結合させるために第1のコネクタ部分224のくぼみ266内に係合するように構成される。上記で説明した接続アセンブリ22とは逆に、接続アセンブリ222は、標示セクションを備えない。したがって、第2のコネクタ部分226は、患者の鼻腔に対してノズル250を位置整合するために無限の設定量だけ第1のコネクタ部分224に対して回転することができる。設定は、例えば摩擦を用いて錠止してもよい。
【0093】
第2のコネクタ部分226の後部部分262は、ヘッドギアアセンブリ220のストラップがそれを通過し、取外し可能に接続される開口を形成するクロスバー270を備える。後部部分262はまた、呼吸可能な気体を枠216及びノズルアセンブリ218に移送する取入導管と接続するように構成した1対の導管272を備える。
【0094】
図36に示すように、鼻用アセンブリ210は、1対の取入導管274(取入導管274の一方しか
図36で見えていない)を備える。導管274の第1の端部が、枠216と接続された各第2のコネクタ部分226と接続される。1対の導管274の第2の端部は、加圧された呼吸可能な気体を供給する加圧供給部と接続される。
図36及び
図37に示すように、1対の取入導管274は、患者の頭部を覆って上向きに延在するように経路が設定される。しかしながら、1対の取入導管274は、何れかの適切な方式で経路を設定してもよい、例えば患者の顎の下に下向きに延在するように経路を設定してもよい。
【0095】
結果として、加圧された気体が、第1及び第2の対の取入導管274を通って枠216及びノズルアセンブリ218内を通過し、患者による呼吸のためにノズル250を通ることができる。
【0096】
図35は、第2の対の取入導管274の第2の端部を加圧供給源と相互接続するような構造にされたフロージェネレータコネクタ284を示す。特に、フロージェネレータコネクタ284は、1対の取入導管274の一方と接続するように構成した1対の第1の導管286と、1対の取入導管274のもう一方と接続するように構成した1対の第2の導管288と、を備える。フロージェネレータコネクタ284は、加圧された気体、空気または流体の供給源と接続される導管と接続するように構成した第3の導管290を備える。第3のコネクタ290は、フロージェネレータコネクタ284と加圧供給源に付随する導管との間の相対運動を可能にするためのスイーベル機構またはフレキシブルジョイントを備えてもよい。また、第3のコネクタ290は、第3のコネクタ290が頭上構成で患者の頭頂部にあるとき、チューブの張力が最小になるように、ボールソケットジョイントを備えてもよい。
【0097】
図示した実施形態では、取入導管274は、捩じれ及び閉塞を防止するために二重の空気流通路を備える。しかし、導管274、コネクタ部分224、226及びコネクタ284は、1つの空気流通路または2つ以上の空気流通路を与えるように構成してもよい。
【0098】
ヘッドギアアセンブリ220が、枠216及びノズルアセンブリ218を患者の顔上の所望の調節位置に維持するために、枠216に取り付けた第2のコネクタ部分226に取外し可能に取り付けられる。
図37に示すように、ヘッドギアアセンブリ220は、側部部分292を接続する後部部分294を備える2つの側部部分292(側部部分292のうち1つだけを
図37に視覚的に図示した)を備える。各側部部分292は、側部ストラップ296を備える。2つの側部部分292を相互接続する後部部分294は、患者の頭部の頭頂部の上を通る上側ストラップ298と、患者の頭部の後部部分の周囲を通る後部ストラップ299と、を備える。上側及び後部ストラップ298、299は、嵌合するように調節してもよく、単一のストラップまたはループであってもよい。また、ヘッドギアアセンブリは、枠に恒久的に取り付けてもよい。
【0099】
各側部ストラップ296は、側部ストラップ296が、第2のコネクタ部分226上に設けたクロスバー270の周囲に巻き付けることを可能にする縮小した幅を有する。側部ストラップ296の各クロスバー270への固定は、Vectro(登録商標)などのフックループ材料の使用によって補助される。このようにして、側部ストラップ296は、適切な嵌合のために第2のコネクタ部分226に対して調節することができる。
【0100】
開口またはバックルが、上側及び後部ストラップ298、299がそれと結合することを可能にするために側部ストラップ296上に設けられる。しかし、ヘッドギアアセンブリ220は、鼻用アセンブリ210を患者の頭部の上で支持するために何れかの数のストラップを備えてもよい。別法として、ヘッドギアアセンブリ220は、一体構造として製造してもよい。
【0101】
図37に示すように、ヘッドギアアセンブリ220は、フロージェネレータコネクタ284及び取入導管274を患者の頭部の上の定位置に保持するための保持ストラップ291を備える。ヘッドギアアセンブリ220はまた、患者の頭部の上に上向きに延在するとき、ヘッドギアアセンブリ220に隣接して取入導管274を保持するための保持プロング293を備える。
【0102】
上記で説明した鼻用アセンブリ10と同様に、空気圧とともにベース部分248によって与えられる力は、患者の鼻腔12に効果的な密封力を与える。したがって、ガセット部分248は、適切な密封を達成するために必要とされるヘッドギアアセンブリの張力を減少させる。また、ノズル250の位置は、患者の快適性を改善するために使用者の鼻に対して調節してもよい。
【0103】
図25に示すように、例えば、ガセット部分248は、膨脹したとき患者の顔に比較的大きな力の成分を加えるように柔軟な可撓性構造を有する。逆に、ノズルは、患者の顔に比較的小さな力の成分を加えるように、より剛性の高い構造である。すなわち、ノズルの第1の部分は、ノズルを通じて患者の顔に比較的小さな力の成分を与えるためにばね負荷が小さい。結果として、ガセット部分及びノズルがともに、鼻用アセンブリと患者の鼻腔の間の密封を与えるための力を供給する。
【0104】
[第3例示実施形態]
図38〜
図51は、参照符号310で示す鼻用アセンブリの別の実施形態を示す。
図38、39及び43に最もよく示すように、鼻用アセンブリ310は、枠316と、枠316と取外し可能に接続されたノズルアセンブリ318を備える。ヘッドギアアセンブリ320は、好ましくは、枠316及びノズルアセンブリ318を患者の顔上の所望の調節位置に維持するために枠316に取外し可能に取り付けられる。取入導管374もまた、患者による呼吸のために枠316及びノズルアセンブリ318内に呼吸可能な気体を移送するために枠316に取外し可能に取り付けられる。ヘッドギアアセンブリ320及び取入導管374は、取入導管及びヘッドギア接続アセンブリ322によって枠316と取外し可能に接続される。接続アセンブリ322は、枠316によって与えられる第1のコネクタ部分324(
図40及び43参照)と、第1のコネクタ部分324と取外し可能に結合されるように構成した第2のコネクタ部分326と、を備える。第2のコネクタ部分326は、更に議論するように、ヘッドギアアセンブリ320及び取入導管374と取外し可能に接続される。
【0105】
図40に示すように、枠316は、ノズルアセンブリ318を収容するための中央開口330が形成された主本体328を備える。枠316はまた、主本体328の各横側面上に設けた側部枠部材332を備える。各側部枠部材332は、それと一体に形成された第1のコネクタ部分324を備える。第1のコネクタ部分324は、その内部表面上にくぼみ366(
図43参照)を有する導管364の形態をしている。
【0106】
図41に示すように、ノズルアセンブリ318は、主本体319及び対向する端部部分321を備える。
図42、43及び44に最もよく示すように、端部部分321は、枠316の側部枠部材332を覆って伸びており、主本体319は枠316の主本体328及び中央開口330に対して被覆関係にある。ノズルアセンブリ318が枠316に取り付けられたとき、枠316及びノズルアセンブリ318は、患者の鼻に呼吸可能な気体を移送するための導管を形成する。また、枠316は、比較的柔軟なノズルアセンブリ318に剛性または構造の一体性を追加する。
【0107】
図43及び
図44に示すように、ノズルアセンブリ318の主本体319は、ベース部分348及びそれに取り付けられた1対のノズル350を備える。ノズル350は、上記で説明したノズル50と同様にして設計及び構成される。ノズルアセンブリ318の主本体319はまた、CO
2の流出のための1つまたは複数の開口323(例えば、
図39及び
図41参照)を備える。
【0108】
図38B及び
図43に示すように、第2のコネクタ部分326は、前部部分360及び後部部分362を有する主本体を備える。前部部分360は、リブ部分340を備える。使用中、リブ部分340が、第1及び第2のコネクタ部分324、326を互いに結合するために第1のコネクタ部分324のくぼみ366内に係合するように構成される。上記に説明した接続アセンブリ222と同様に、第2のコネクタ部分326は、患者の鼻腔に対してノズル350を位置整合させるために無限の設定量だけ第1のコネクタ部分324に対して回転することができる。設定は、例えば、摩擦を用いて随意に錠止してもよい。
【0109】
図38及び
図38Bに示すように、第2のコネクタ部分326の後部部分362は、ヘッドギアアセンブリ320のストラップがそれを通過し、取外し可能に接続される開口370を備える。
図38Bに示すように後部部分362はまた、呼吸可能な気体を枠316及びノズルアセンブリ318に移送する取入導管と接続されるように構成した1対の導管372を備える。
【0110】
図38、
図39及び
図45に示すように、鼻用アセンブリ310は、1対の取入導管374を備える。導管374の第1の端部が、枠316と接続された各第2のコネクタ部分326と接続される。1対の導管374の第2の端部は、加圧された呼吸可能な気体を供給する加圧供給部と接続される。
図45に示すように、第2のコネクタ部分326は、取入導管374が患者の頭部を覆って上向きにまたは、例えば、患者の顎の下に下向きに延在するように経路を設定するために、第1のコネクタ部分324に対して回転してもよい。
【0111】
結果として、加圧された気体が、第1及び第2の対の取入導管374を通って枠316及びノズルアセンブリ318内へ通過し、患者による呼吸のためにノズル350を通ることができる。
【0112】
図45、
図47及び
図48は、第2の対の取入導管374の第2の端部を加圧供給源と相互接続するように構成したアングルコネクタ384を示す。
図47に示すように、コネクタ384は、各取入導管374と接続するために1対の二重の導管386を備えてもよい。別法として、
図48に示すように、フロージェネレータコネクタ384は、各取入導管374と接続するために1対の単独の導管386を備えてもよい。二重の空気流通路取入導管374の端部は、1対の単独の導管386を有するコネクタ384との接続を容易にするために、
図48に示すように変更してもよい。また、取入導管374の端部は、
図47及び
図48に示すように、取入導管374をコネクタ384と信頼性高く接続するためにコネクタ384上に設けた一連の隆起と相互鎖錠する一連の隆起を備えてもよい。
【0113】
図49に示すように、取入導管374は、捩じれ及び閉塞を防止し、接続を容易にするための、例えば、反圧壊の中央支持壁を備える二重の空気流通路を備える。また、取入導管は、捩じれ及び閉塞を防止するために、より硬質の材料、例えば、より硬質のデュロメータシリコーンから製造してもよい。しかし、導管374、コネクタ部分324、326及びコネクタ384は、1つの空気流通路または2つ以上の空気流通路を与えるように構成してもよい。
図47Bに示すように、取入導管374は、押出し成形してもよい、またはそうでない場合一体に製造してもよい。別法として、
図48Bに示すように、取入導管374は、射出成形、共成形、または挿入成形によって形成され、例えば、コネクタ及び/又は、接着剤などのその他の固定具によって適切な方式で互いに接続した複数の導管を備えてもよい、または全アセンブリが、一体に成形してもよい、それによって構成部品及び複雑性を減じることができる。
【0114】
ヘッドギアアセンブリ320が、枠316及びノズルアセンブリ318を患者の顔上の所望の調節位置に維持するために、枠316に取り付けた第2のコネクタ部分326に取外し可能に取り付けられる。
図38、
図39及び
図45に示すように、ヘッドギアアセンブリ320は、側部部分392を接続する後部部分394を備える2つの側部部分392を備える。各側部部分392は、側部ストラップ396を備える。2つの側部部分392を相互接続する後部部分394は、患者の頭部の頭頂部の上を通る上側ストラップ398と、患者の頭部の後部部分の周囲を通る後部ストラップ399と、を備える。
図45に示すように、後部部分394は、更なる安定性を追加するために第2の後部ストラップ387を備えてもよい。
【0115】
各側部ストラップ396は、側部ストラップ396が、第2のコネクタ部分326上に設けたクロスバー370の周囲に巻き付けられることを可能にする縮小した幅を有する。側部ストラップ396の各クロスバー370への固定は、Velcro(登録商標)などのフックループ材料の使用によって補助される。このようにして、側部ストラップ396は、適切な嵌合のために第2のコネクタ部分326に対して調節することができる。
【0116】
図示した実施形態では、ヘッドギアアセンブリ320は、一体構造として製造される。しかし、ヘッドギアアセンブリ320は、患者の頭部の上で鼻用アセンブリ310を支持するように適切に構成した複数のストラップを備えてもよい。
図45に示すように、ヘッドギアアセンブリ320は、取入導管374を患者の頭部を覆って上向きに保持するために保持ストラップ393を備えてもよい。
【0117】
図50は、患者の鼻14の鼻腔12と係合されつつある鼻用アセンブリ310を示す。
図51は、患者の鼻の鼻腔12と係合された鼻用アセンブリ310を示す。患者の上唇が、鼻用アセンブリ310が患者の顔上の定位置に保持するのを助けるためにノズルアセンブリ318のシリコーンの外部表面と接触する。
【0118】
上記で説明した鼻用アセンブリ10と同様に、空気圧とともにベース部分348によって与えられる力は、患者の鼻腔12に効果的な密封力を与える。したがって、ベース部分348は、適切な密封を達成するために必要とされるヘッドギアアセンブリの張力を減少させる。また、ノズル350の位置が、患者の快適性を改善するために使用者の鼻に対して調節してもよい。
【0119】
図43に示すように、例えば、ベース部分348は、膨脹したとき患者の顔に比較的大きな力の成分を加えるように柔軟な構造体を有する。逆に、ノズルは、患者の顔に比較的小さな力の成分を加えるように、より剛性の高い構造体である。すなわち、ノズルの第1の部分は、ノズルを通じて患者の顔に比較的小さな力の成分を与えるためにばね負荷が小さい。結果として、ベース部分及びノズルがともに、鼻用アセンブリと患者の鼻腔との間の密封を与えるための力を供給する。
【0120】
更に、ベース部分348は、所望の方向に誂えられた力、例えば、密封を補助するために内側に向けられた力を供給するように構成してもよい。ベース部分348は、追加の力を供給する或る領域でより大きな変位を受けてもよい。
【0121】
図46は、鼻用アセンブリ310が患者の頭部に取り付けられたときに生成される力の幾つかを示す、示力図である。例えば、ヘッドギアの張力は、患者の顔に力を与え、患者の鼻及び唇は、鼻用アセンブリ310に力を与える。
【0122】
[第4例示実施形態]
図52〜58は、参照符号410で示す鼻用アセンブリの別の実施形態を示す。
図52及び53に最もよく示すように、鼻用アセンブリ410は、枠416と、枠416と取外し可能に接続されたノズルアセンブリ418と、を備える。ヘッドギアアセンブリ420が、枠416及びノズルアセンブリ418を患者の顔上の所望の調節位置に維持するために枠416に取外し可能に取り付けられる。取入導管474もまた、患者による呼吸のために枠416及びノズルアセンブリ418内に呼吸可能な気体を移送するために枠416に取外し可能に取り付けられる。ヘッドギアアセンブリ420及び取入導管474は、取入導管及びヘッドギア接続アセンブリ422によって枠416と取外し可能に接続される。接続アセンブリ422は、枠416によって与えられる第1のコネクタ部分424(
図55及び
図56参照)と、第1のコネクタ部分424と取外し可能に結合されるように構成した第2のコネクタ部分426を備える。第2のコネクタ部分426は、更に議論するように、ヘッドギアアセンブリ420及び取入導管474と取外し可能にまたは固定されて接続される。
【0123】
図52及び
図54に示すように、枠416は、ノズルアセンブリ418を収容するための中央開口430が形成された主本体428を備える。枠416はまた、主本体428の各横側面上に設けた側部枠部材432を備える。各側部枠部材432は、それと一体に形成された第1のコネクタ部分424を備える。第1のコネクタ部分424は、(
図55及び
図56参照)クロスバー466の形態をしている。
図54に最もよく示すように、主本体428は、中央開口430を画定するリム446を備える。
【0124】
図54に示すように、ノズルアセンブリ418は、ガセット部分448及びそれに取り付けられた1対のノズル450を備える。ガセット部分448は、枠416の開口430を包囲するリム446と密封係合するように構成した側壁452を備える。例えば、ガセット部分448の側壁452は、枠416のリム446上に設けた各タブとスナップ嵌合で相互鎖錠するように構成したくぼみを備えてもよい。しかし、ノズルアセンブリ418は、例えば、摩擦嵌めなどの他の何れかの適切な方式で枠416に取外し可能に取り付けてもよい。ノズルアセンブリ418が枠416に取り付けたとき、ノズルアセンブリ418及び枠416はともに、呼吸可能な気体を1対のノズル450を通って患者の鼻へ向けるための導管を形成する。
【0125】
ノズル450は、上記に説明したノズル50と同様にして設計及び構成される。枠416には、排出されたCO
2の流出のための1つまたは複数の開口(図示せず)を形成してもよい。
【0126】
図55に示すように、第2のコネクタ部分426は、前部部分460及び後部部分462を有する主本体を備える。前部部分460は、その遠端部に一体形ラグ463を有する1対のアーム部材461を備える。使用中、アーム部材461が、ラグ463のショルダが、第2のコネクタ部分426を第1のコネクタ部分424と相互鎖錠するように配置されるように、アーム部材461が外向きに曲げ戻る動作位置に到達するまで、第1のコネクタ部分424のクロスバー466によって内側に曲げられる(
図56参照)。
【0127】
第2のコネクタ部分426のアーム部材461は、第1のコネクタ部分424のクロスバー466に対して回転してもよい。
図55に示すように、突起465が、患者の鼻腔に対するノズル450の位置整合の所定の数の設定を与えるように、クロスバー466の内部表面上に設けた一連のくぼみと選択的に係合するアーム部材461上に設けてもよい。
【0128】
図55に示すように、後部部分462は、呼吸可能な気体を枠416及びノズルアセンブリ418に移送する取入導管と接続されるように構成した1対の導管472を備える。第2のコネクタ部分426の後部部分462はまた、それを通ってヘッドギアアセンブリ420のストラップが通過するかまたは取外し可能に接続される、クロスバーまたは開口(図示せず)を備える。
【0129】
図52及び
図53に示すように、鼻用アセンブリ410は、1つの取入導管474を備える。導管474の第1の端部が、枠416と接続された各第2のコネクタ部分426と接続される。1対の導管474の第2の端部は、加圧された呼吸可能な気体を供給する加圧供給部と接続される。
図52に示すように、第2のコネクタ部分426は、取入導管474が患者の頭部を覆って上向きにまたは、例えば、患者の顎の下に下向きに延びるように経路を設定するために、第1のコネクタ部分424に対して回転してもよい。
【0130】
結果として、加圧された気体が、第1及び第2の対の取入導管474を通って枠416及びノズルアセンブリ418内へ通過し、患者による呼吸のためにノズル450を通ることができる。
【0131】
図53は、第2の対の取入導管474の第2の端部を加圧供給源と相互接続するような構造にされたフロージェネレータコネクタ484を示す。
【0132】
図52に示すように、取入導管474は、捩じれを防止し、接続を容易にするための二重の空気流通路を与える。しかし、導管474、コネクタ部分424、426及びコネクタ484は、1つの空気流通路または2つ以上の空気流通路を提供するように構成してもよい。
【0133】
ヘッドギアアセンブリ420が、枠416及びノズルアセンブリ418を患者の顔上の所望の調節位置に維持するために、枠416に取り付けられた第2のコネクタ部分426に取外し可能に取り付けられる。
図52及び
図53に示すように、ヘッドギアアセンブリ420は、側部部分492を接続する後部部分494を備える2つの側部部分492を備える。各側部部分492は、側部ストラップ496を備える。2つの側部部分492を相互接続する後部部分494は、患者の頭部の頭頂部の上を通る上側ストラップ498と、患者の頭部の後部部分の周囲を通る後部ストラップ499と、を備える。しかし、ヘッドギアアセンブリは、枠に恒久的に取り付けてもよい。
【0134】
各側部ストラップ496は、側部ストラップ496が、第2のコネクタ部分426上に設けたクロスバーの周囲に巻き付けられることを可能にする減少された幅を有する。側部ストラップ496の各クロスバーまたは開口への固定は、Velcro(登録商標)などのフックループ材料の使用によって補助される。このようにして、側部ストラップ496は、適切な嵌合のために第2のコネクタ部分426に対して調節することができる。
【0135】
図示した実施形態では、ヘッドギアアセンブリ420は、一体構造体として製造される。しかし、ヘッドギアアセンブリ420は、患者の頭部の上で鼻用アセンブリ410を支持するように適切に構成した複数のストラップを備えてもよい。
図52及び
図53に示すように、ヘッドギアアセンブリ420は、取入導管474を患者の頭部を覆って上向きに保持するために保持ストラップ493を備えてもよい。
【0136】
図57及び
図58は、患者の鼻の鼻腔12と係合した鼻用アセンブリ410を示す。上記で説明した鼻用アセンブリ10と同様に、空気圧とともにベース部分448によって与えられる力は、患者の鼻腔12に効果的な密封力を与える。したがって、ガセット部分448は、適切な密封を達成するために必要とされるヘッドギアアセンブリの張力を減少させる。また、ノズル450の位置は、患者の快適性を改善するために使用者の鼻に対して調節してもよい。
【0137】
図58に示すように、例えば、ガセット部分は、膨脹したとき患者の顔に比較的大きな力の成分を加えるように柔軟な構造体を構成する。逆に、ノズルは、患者の顔に比較的小さな力の成分を加えるように、より剛性の高い構造体である。すなわち、ノズルの第1の部分は、ノズルを通じて患者の顔に比較的小さな力の成分を与えるためにばね負荷が小さい。結果として、ベース部分及びノズルがともに、鼻用アセンブリと患者の鼻腔との間に密封を与えるための力を供給する。
【0138】
[第5例示実施形態]
図59〜
図85は、510で示されている鼻用アセンブリの別の実施形態を示す。鼻用アセンブリ510は、枠516と、枠516と取外し可能に接続されたノズルアセンブリ518と、を備える。
図61に最もよく示すように、枠516は、1対の第1のコネクタ部分524を備える。
図59に戻ると、1対の取入導管574は、患者による呼吸のために枠516及びノズルアセンブリ518内に呼吸可能な気体を移送するように構成される。呼吸可能な気体は、例えば、1対の第2のコネクタ部分526及び1対のアングルコネクタ542を介して、取入導管574から枠516及びノズルアセンブリ518へ移送される。第2のコネクタ部分526は、枠516の各第1のコネクタ部分524(
図61)と取外し可能かつ回転自在に接続される。アングルコネクタ542は、第2のコネクタ部分526と各取入導管574の間に接続されるかまたは配置される。ヘッドギアアセンブリ520が、更に説明するように、枠516及びノズルアセンブリ518を患者の顔上の所望の調節位置に維持するように、(a)1対の第2のコネクタ部分526及び/又は(b)アングルコネクタ542に取外し可能に取り付けられる。
【0139】
図61に示すように、枠516は、主本体528と、主本体528の各横側面上に設けた側部枠部材532を備える。各側部枠部材532は、それと一体に形成された第1のコネクタ部分524を備える。第1のコネクタ部分524は、その内部表面上に環状のくぼみ566を有する導管564の形態である。また、主本体528は、その両側に細長い通路565を備え、各側部枠部材532は、環状の通路567を備える。通路565、567は、更に議論するように、ノズルアセンブリ518の端部を受けるように構成される。
【0140】
図61〜
図65に示すように、ノズルアセンブリ518は、ガセットまたはベース部分548及びそれに取り付けた1対のノズル550を備える。ノズルアセンブリ518は、使用中患者の鼻の鼻腔と密封係合し、鼻用アセンブリ510と患者の鼻腔の間の密封を与えるように構成した1対のノズル550を備える枠516と結合される。ノズル550は、上記で説明したノズル50と同様にして設計及び構成される。また、ノズルアセンブリ518には、排出されたCO
2の流出のための1つまたは複数の開口549が形成される。
【0141】
図65Aは、
図65に示すノズルアセンブリ518の拡大図である。ノズルアセンブリは、好ましくは、アセンブリを通して実質的に同じ断面積を維持する上側輪郭部分519を備える。このため、アセンブリは、顔から突出しないように顔の線を実質的に追従し、それによって低い輪郭形状を保持する。同様に、
図119は、上から見た、顔の輪郭を実質的に追従するノズルまたはクッションアセンブリ604を示す。
【0142】
図65Aのノズルアセンブリ518はまた、顔の輪郭に実質的に適合する下側輪郭部分521を示す。また、ノズルアセンブリ518は、顔に適合させるための分配の際に湾曲または座屈を受けることがある従来技術のマスクと比較してよりよい適合を与えるように軸線Aに関して非対称である。より下側輪郭521はまた、髭を有する患者にも有用である。
【0143】
患者のインターフェイスリテーナ、例えば、ヘッドギアからの力が、ノズル550ならびに下側輪郭部分521を介して顔に伝達される。総面積の増加は、単位面積当たりの力を減少させ、荷重を分散させる。総面積の増加はまた、患者インターフェイスをより良好に固定することを助ける。下側輪郭部分521の形状はカスタマイズ可能である。下側輪郭部分521は、剛直、半剛直、弾力性またはそれらの幾つかの組合せであってよい。顔の上顎領域は、不快感なしでより大きな圧力に耐えることができる。
【0144】
図65Bは、面積の増加による力の分散を概略的に示す。特に、鼻のすぐ下の領域は、柔らかい組織及びカートリッジだけである。
【0145】
唯一の接触領域が鼻のすぐ下側(すなわち、上顎を含まない)場合、最小の力でノズルを定位置に保持することは、方向F1の合力を必要とする。このことは、鼻を変形させ、不快感を生じさせる。このようなストラップが締め付けられた場合、頭の前部から滑り落ちる。しかし、荷重のいくらかが、上顎によって取り込まれる(すなわち、力のいくらかが鼻の下にあり、いくらかが上顎上にある)とき、合力の方向は、F2に変更することができ、荷重が分散される。上顎は動かないため、不快感を生じさせることなくF2を高くすることができる。このような構成は、締め付け過ぎにより耐えることができる。後頭部に嵌める可能性もある。
【0146】
図示した実施形態では、ノズルアセンブリ518が、枠516の主本体528及び各側部枠部材532の周囲に巻き付いて、クリップ530によって枠516に固定される。別の実施形態では、クッションが靴下のように枠を覆って引っ張られる。環状の通路567が、各側部枠部材532内に形成され、ノズルアセンブリ518の側部部分536が溝567内に巻き付く。特に、
図61に示すように、ノズルアセンブリ518は、長手方向の開口を有する実質的に開端の管形状を有する。この形状は、ノズルアセンブリ518に1つの対向する離隔された端部部分534及び側部部分536を与える。ノズルアセンブリ518が枠516と結合されるとき、
図64及び68に最もよく示すように、側部部分536が各環状の通路567内に係合し、端部部分534が、主本体528の両側で各細長い通路565内に係合する。
【0147】
図62〜
図64及び
図66に最もよく示すように、端部部分534は、枠516とクリップ530の間に固定される。すなわち、端部部分534は、対向する通路565の各フランジとクリップ530のフランジの間に固定される。ノズルアセンブリ518が枠516に取り付けられたとき、ノズルアセンブリ518及び枠516はともに、呼吸可能な気体を1対のノズル550を通って患者の鼻へ向けられるための導管を形成する。
【0148】
クリップ530は、何れかの適切な方式で枠516及びノズルアセンブリ518と係合してもよい。例えば、
図62及び
図70に示すように、クリップ530は、枠516内に摺動してもよい。別法として、クリップ530は、スナップ嵌めによって枠516と係合してもよい。
【0149】
図59に示すように、枠516が、使用中患者の上唇から離れて傾斜するようにノズルアセンブリ518に固定される。このことが、クリップが患者の顔を刺激しないように、クリップ530を患者から離して配置する。また、ノズルアセンブリ518は、使用中、患者の鼻中隔に対応するような輪郭形状にしてもよい。
【0150】
上記で説明した枠516とノズルアセンブリ518の結合は、ノズルアセンブリ518の清浄化を容易にするために、ノズルアセンブリ518が枠516から容易に取外し可能であることを可能にする。また、ノズルアセンブリ518の形状は、ノズルアセンブリ518の内部部分が、清浄化のためにアクセス可能であることを許容する。ノズルアセンブリの形状はまた、製造を容易にする。
【0151】
しかし、ノズルアセンブリ518は、他の何れかの適切な方式で枠516に取外し可能に取り付けてもよい。例えば、
図67、
図69及び
図71は、ノズルアセンブリを枠に取り付ける別の方法を示す。図示のように、枠616は、ノズルアセンブリ618が、主本体の周囲に巻き付くように、主本体内に通路のない構成にされ、クリップ630が、ノズルアセンブリ618の端部部分を保持するために枠616の側部枠部材の間に固定される。
【0152】
図72に示すように、第2のコネクタ部分526は、前部部分560及び後部部分562を有する主本体を備える。溝561が、前部部分560に隣接して設けられる。前部部分560は、環状のリブ部分540を備える(
図73)。第2のコネクタ部分526の前部部分560が、締まり嵌めを与えるために各第1のコネクタ部分524を覆って伸びている。また、リブ部分540は、
図73に示すように、第1及び第2のコネクタ部分524、526を互いに結合するために第1のコネクタ部分524のくぼみ566内に係合するように構成される。第2のコネクタ部分526は、患者の鼻腔に対してノズル550を位置整合させるために無限の設定量だけ第1のコネクタ部分524に対して回転することができる。設定は、例えば、摩擦を用いてオプションで錠止してもよい。すなわち、回転自在な結合が、枠516が、使用中患者の鼻に対するノズル550の位置を調節するように第2のコネクタ部分526に対して回転されることを可能にする。
【0153】
第2のコネクタ部分526は、約50〜60のショアA硬さの硬度を有するシリコーンで形成してもよい。この硬度は、組立て、旋回運動及び枠516との密封を容易にする。しかし、第2のコネクタ部分526は、他の何れかの適切な材料で形成してもよく、何れかの適切な硬度を有してもよい。
【0154】
各第2のコネクタ部分526はまた、様々な顔の幅に対してアングルコネクタ542と枠516の間の相対運動を可能にする形状を有して形成してもよい。図示した実施形態では、形状は、第2のアングルコネクタ542で波形538である。この形状は、脱着を防止するために第2のコネクタ部分526と枠516との間の接続を絶縁する。この形状はまた、チューブの抵抗力を減衰させるように、第2のコネクタ部分526が柔軟であることを可能にする。更に、第2のコネクタ部分526は、空気流を妨害することなく柔軟である。しかし、形状は、柔軟性を与える他の何れかの適切な構成を有してもよい。
【0155】
図示した実施形態では、第2のコネクタ部分526のそれぞれは、各取入導管574と接続するアングルコネクタ542(
図74〜
図76参照)を備えるか、またはそれと結合される。第2のコネクタ部分526及びアングルコネクタ542は、一体の単一ユニットに形成してもよい。各第2のコネクタ部分526の後部部分562は、アングルコネクタ542との係合のための逃げ溝544(
図73)の形態をしたインター錠止を備える。アングルコネクタ542は、接続の前の分解図である
図73で決定したように、アングルコネクタ542を第2のコネクタ部分526に固定するために逃げ溝544と係合するショルダ部分546を備える導管545を備える。
【0156】
アングルコネクタ542は、各取入導管574と係合するように構成した細長いコネクタ552を備える。図示した実施形態では、細長いコネクタ552は、接続を容易にするためのテーパ付き形状を有する。また、コネクタ552は、それに取入導管574を固定するためにその間で取入導管574を楔合するように構成される。
図76に示すように、導管545及びアングルコネクタ542の細長いコネクタ552は、互いに約80°傾斜している。しかし、導管545と細長いコネクタ552の間の角度は、他の何れかの適切な寸法を有してもよい。
【0157】
図76Aは、
図60と同様のマスクアセンブリの別の実施形態を示す。
図76Bは、
図76Aのマスクアセンブリの分解図である。
図76A及び
図76Bのヨーク580´は、
図76A及び
図76Bのヨーク580´が、ヘッドギアアセンブリストラップとともに使用するためにより流線型にされ、形付けられ、及び/又は最適化されている点で、
図60に示すヨーク580とは幾分異なる。また、
図76Aの第2のコネクタ部分526´及びエルボーコネクタ542´は、それらの間の位置合わせを容易にする(またはずれを防止する)ように構成される。特に、
図76Cに最もよく示すように、第2のコネクタ部分526´は、エルボーコネクタ542´のキーウェイまたはくぼみ542a内で受けるように構成したタブ526aを備える。エルボーコネクタ542´はまた、タブ526Aの先端部分を受ける隆起542bを備える。
【0158】
図59に戻ると、1対の導管574の第1の端部が、各アングルコネクタ542と接続される。1対の導管574の第2の端部は、スイーベル590と結合されるかまたはスイーベル590を備えるフロージェネレータコネクタ584と接続され、フロージェネレータコネクタ584は更に、加圧された呼吸可能な気体を供給する加圧供給源と連通している。図示のように、アングルコネクタ542は患者の顎の下に下向きに入口導管574の対を廻らせる。
【0159】
結果として、加圧された気体が、患者による呼吸のために、1対の導管574、アングルコネクタ542、第2のコネクタ部分526、枠516及びノズルアセンブリ518、及びノズル550を通過することができる。
【0160】
図77及び
図78は、加圧供給源と連絡するスイーベル590と第2の対の取入導管574の第2の端部を相互接続するように構成したフロージェネレータコネクタ584を示す。フロージェネレータコネクタ584は、取入導管574の一方と係合するように構成
した第1の細長い導管586と、取入導管574のもう一方と係合するように構成した第2の細長い導管588と、を備える。図示した実施形態では、第1及び第2の細長い導管586、588は、接続を容易にするためにテーパ付き形状を有する、例えば、上部が或る角度に形成される。また、第1及び第2の細長い導管586、588は、例えば、摩擦によって、それに各取入導管574を固定するためにその間で各取入導管574を楔合するように構成される。また、フロージェネレータコネクタ584は、実質的にY字形状を有し、第1の細長い導管586が第2の細長い導管588に対して傾斜している。フロージェネレータコネクタ584のY字形状は、取入導管574との不正確な組立てを防止し、空気経路を融合することを助ける。
図59に示すように、加圧供給源との相対運動を可能にするために、スイーベル590がフロージェネレータコネクタ584に取り付けてもよい。
【0161】
図79に示すように、各取入導管574は、複数の通路を備える。図示した実施形態では、各取入導管574は、捩じれ及び閉塞を防止するかまたは少なくとも減少させ、接続を容易にするために二重の空気流通路を与えるチューブを備えて製造される。しかし、導管574、アングルコネクタ542及びコネクタ584は、1つの空気流通路または2つ以上の空気流通路を与えるように構成してもよい。取入導管574は、約50のショアA硬さの硬度を有するシリコーンで形成してもよい。しかし、取入導管574は、他の何れかの適切な材料で形成してもよく、何れかの適切な硬度を有してもよい。
【0162】
取入導管574は、低いインピーダンスを与えるように構成される。一実施形態では、取入導管574は、所定の流速に対して、約3cmH
20未満のインピーダンスを与える。また、取入導管574は、低いプロファイルを有する。
図79に示すように、各取入導管574は、約20mmの幅及び約9.5mmの高さを有する。しかし、取入導管574は、他の何れかの適切な形状、寸法及び構成を有してもよい。例えば、取入導管574は、実質的にD字形状の断面を有してもよい。20mmの幅寸法は、インピーダンスを変更するために調節することができる。例えば、高さ及び圧力を一定に維持しながら幅が減少する場合、断面積が減少するため、インピーダンスは増加する。逆に、高さ及び圧力を一定に維持しながら幅が増加する場合、インピーダンスを低下させることができる。結果として、インピーダンスを、高さを増加させることなく低下させることができ、それによって、取入導管574の低いプロファイルを維持し、したがって、これらは、患者に対して邪魔にならない及び/又は患者の顔または皮膚内に不快に入り込まない。空気移送経路の他の構成要素、例えば、アングルコネクタ542は、インピーダンスを減少させる観点で鋼製される。それに対して、曲線形状の断面を有する取入導管またはアングルコネクタのインピーダンスは、導管の直径を増加させることによって同様に低下させることができるが、導管が、更に患者の顔の外側の位置を仮定するため、及び/又は導管が患者の顔を押圧するため、患者に対する相応の不快感とともにプロファイルは増加し、快適性及び追従性を減少させる。
【0163】
ヘッドギアアセンブリ520が、枠516上で第2のコネクタ部分526を保持するために、第2のコネクタ部分526及びアングルコネクタ542に取外し可能に取り付けられる。また、ヘッドギアアセンブリ520は、それによって、ノズルと患者の気道の間の密封を危うくすることがある、チューブの引張力がノズルアセンブリに加えられる機会を回避するまたは減少させるために、ヘッドギアアセンブリ520または枠516にチューブの引張力を伝達するように構成される。
【0164】
図59及び
図60に示すように、ヘッドギアアセンブリ520は、側部部分592を接続する後部部分594を備える2つの側部部分592を備える。側部部分592は、側部ストラップと、各側部ストラップに取り付けられたヘッドギアヨーク580を備える。ヘッドギアヨーク580は、ヘッドギアアセンブリ520に剛性を追加するための補剛材として作用する。
図59及び
図60は、僅かに異なるヨーク形状を示す。
図59では、ヨークは、剛性または硬直性をそれに追加するために、柔軟なストラップ598、599の少なくとも一部分を覆う部材として示している。
図60では、ヨーク580は、ヘッドギアストラップ598及び/又は599に設けた、例えば、縫い付けられたプラスチックなどの半剛性の層である。
図60のヨーク580は、
図80〜
図82にも示される。後部部分594は、患者の頭部の頭頂部の上を通る上側ストラップ598と、患者の頭部の後部部分の周囲を通る後部ストラップ599と、を備える。上側ストラップ598は、枠516を患者の鼻の中へ引っ張るため、密封力を調節するように構成される。後部ストラップ599は、枠516を患者の上唇上の患者の顔へ引き戻すため、鼻用アセンブリ510の安定性を調節するように構成される。
【0165】
上側ストラップ598は、ヘッドギアバックル570によって互いに結合される。ヘッドギアバックル570は、ヘッドギアアセンブリ520の対称な調節を可能にするように構成される。特に、
図83に示すように、ヘッドギアバックル570は、第1の錠止部分571及び第2の錠止部分572を備える。第1の錠止部分571は、ヘッドギアヨーク580の一方から延在する上側ストラップ598の一方と取外し可能かつ調節可能に結合するように構成され、第2の錠止部分572は、ヘッドギアヨーク580のもう一方から延在する上側ストラップ598のもう一方と取外し可能かつ調節可能に結合するように構成される。上側ストラップ598のそれぞれは、
図59に最もよく示すように、バックル570の付随する錠止部分571、572のクロスバーの周囲に巻き付けてもよい。タブ576が、患者がヘッドギアアセンブリ張力を調節するのを容易にするために各錠止部分571、572上に設けられる。また、ヘッドギアバックル570は、バックル570の患者の頭部との接触を防止する曲線状の表面578を備える。後部ストラップ599は、バックルによって(上側ストラップ598のように)または他の何れかの適切な方式で互いに結合してもよい。
【0166】
ヘッドギアアセンブリ520のヘッドギアヨーク580は、第2のコネクタ部分526を枠516上に保持するように、各第2のコネクタ部分526と係合する保持部材581を備える。図示した実施形態では、保持部材581は、リング状であり、各第2のコネクタ部分526を包囲する。
図73に示すように、リング状の保持部材581は、第2のコネクタ部分526を枠516上に固定保持するように、各第2のコネクタ部分526内の環状の溝561内に係合する環状の突起を有する。
【0167】
また、1対の保持部材581が、ヘッドギアの力を枠516に伝達するように、第2のコネクタ部分526内に設けた各溝561(
図72)と係合する。このことは、ヘッドギアアセンブリ520によって枠516に加えられる力のより正確な位置整合を可能にする。更に、ヘッドギアバックル570は、ヘッドギアアセンブリ520の対称な調節、したがって枠516に加えられるヘッドギアの力の調節を可能にするために、患者の頭部の中央に配置される。
【0168】
第2のコネクタ部分526のアングルコネクタ542は、ヘッドギアアセンブリ520と解放可能に相互錠止可能である。特に、アングルコネクタ542は、ヘッドギアアセンブリ520のヘッドギアヨーク580上に設けた第2の錠止部材556(
図80参照)と相互錠止可能である第1の錠止部材554(
図74B参照)を備える。図示した実施形態では、第1の錠止部材554は、
図81及び82に示すように、第2の錠止部材556によって与えられるクロスバーと相互錠止するフック形状の部材である。錠止部材は、低いプロファイルを保持するようにテーパ付けられ及び構成される。
【0169】
図84及び
図85は、着用者の鼻腔と係合した鼻用アセンブリ510を示す。
図84に示すように、鼻用アセンブリ510は、鼻用アセンブリ510が患者の頬骨と接触するのを回避するように、アングルコネクタが、水平面の下に約10°傾斜するように構成される。また、
図84は、ノズルアセンブリの分岐した端部を保持するクリップ530が、患者との不慮の接触を防止するために、患者の唇から遠ざかるように上向き及び外向きに傾斜することを示す。角度は、10〜90度の範囲であり、好ましくは20〜60度、または約30度である。
図85に示すように、第2のコネクタ接続部分526は、枠516から約55°傾斜している。波形538(
図73参照)は、様々な幅の顔を有する患者に対応するように、(内向き及び外向きに)曲がるように設けてもよい。しかし、上記に記した角度は例示に過ぎず、鼻用アセンブリ510は、患者の顔に適した何れかの角度を与えるように構成してもよい。
【0170】
上記で説明した鼻用アセンブリと同様に、ガセットまたはベース部分548の膨脹は、ヘッドギアアセンブリの張力とともに、患者の鼻腔に対する効果的な密封力を与える。また、ノズル550の弾力性は、追加の密封力を与える。
【0171】
[第6例示実施形態]
図86〜
図88は、患者の鼻14の鼻腔12に呼吸可能な気体を移送するように構成した鼻用アセンブリ10の別の実施形態を示す(
図97A及び
図97B参照)。鼻用アセンブリ10は、柔軟な導管16と、ガセット部分18と、1対のノズル20、22と、ヘッドギアコネクタ25と、を備える。柔軟な導管16は、圧縮された呼吸可能な気体の供給源を受けるように構成した部分と患者側部24を有する。ガセット部分18は、柔軟な導管16の患者側部24に取り付けた第1の側部26(
図89を参照)と、第2の側部28と、を備える。1対のノズル20、22は、それぞれ、ガセット部分18の第2の側部28に取り付けた第1の部分30と、使用中患者の鼻14の鼻腔12と密封係合し、鼻用アセンブリ10と患者の鼻腔12の間に密封を与えるように構成した第2の部分32と、を備える(
図90参照)。ヘッドギアコネクタ25が、柔軟な導管16を患者の頭部上に配置されたヘッドギアアセンブリに取り付ける。ガセット部分18は、以下で更に議論するように、導管16と1対のノズル20、22の間の距離を変更するために膨脹及び収縮することができるように構成される。
【0172】
別法として、ガセット部分は、ある場合でも、膨脹または収縮を顕著には可能にしないより剛直な構造のために、除去することができる。その代わりに、他の主に図示した実施形態に関連して上記で説明したように、ノズルは、或る程度の初期張力で(マスクが使用される、例えば、加圧される前に)患者の鼻と係合するように構成してもよい。この初期張力は、軸線方向または長手方向にノズルを加圧することによって達成することができる。
【0173】
図示した実施形態では、柔軟な導管16は、中央導管34と、各取入コネクタ40、42によって中央導管34と接続された1対の取入導管36、38と、取入導管36、38を相互接続するY字形状の取入コネクタ44と、を備える。Y字形状の取入コネクタ44は、加圧供給部と接続される導管に接続されるように構成される。加圧供給部は、患者による呼吸のために取入導管36、38及び中央導管34を通って、ガセット部分18内に、及びノズル20、22内に加圧された呼吸可能な気体を供給する。
【0174】
図89に示すように、中央導管34は、互いに結合される上側部分46及び下側部分48を備える。上側及び下側部分46、48のそれぞれは、上側及び下側部分46、48がそれぞれの縁部で互いに結合したとき、導管を形成するように円弧状の横方向断面を備える。図示した実施形態は、上側及び下側部分46、48は、例えば、糊などの接着剤によって互いに堅固に結合される。しかし、上側及び下側部分46、48は、固定具などの他の何れかの適切な手段によって互いに堅固に結合してもよい。別法として、上側及び下側部分46、48は、互いに取外し可能に結合してもよい、または単一の部片で形成してもよい。
【0175】
図86、
図88、
図90及び
図92〜
図95に示すように、上側及び下側部分46、48は、上から見たとき実質的にC字形状を有する。特に、上側及び下側部分46、48のそれぞれは、細長い中央セクション50と曲線状の端部セクション52、54と、を備える。しかし、上側及び下側部分46、48は、
図89に示すように、細長い形状などの何れかの他の適切な形状を有してもよい。
【0176】
曲線状の端部セクション52、54はそれぞれ、例えば、
図94に示すように、溝56を備える。上側及び下側部分46、48が互いに結合されたとき、更に議論するように、溝56が各取入コネクタ40、42を保持する。上側及び下側部分46、48の少なくとも一方は、それを通る空気の流れを防止することができる中央導管34が変形するのを防止する反圧壊リブ58を備える。
図89では、溝56がその両端に形成される。
【0177】
図89に示すように、中央導管34の上側部分46には、開口60が形成される。膨脹及び収縮可能なピローの形態であるガセット部分18は、その間に空間を画定する第1の側部である側壁26及び第2の側部である側壁28を備える。第1の側壁26は、上側部分46に取り付けられる。第1の側壁26は、上側部分46の開口60と連通する取入開口を備える。第2の側壁28は、1対の排出開口を有する。ガセット部分18と中央導管34の上側部分46の間の接続は、快適性及び患者の顔の形状の多様性への対応を増加させるために、ガセット部分18と中央導管34の間の相対運動を可能にする柔軟な接続により行われる。
【0178】
図示した実施形態では、ガセット部分18は、実質的に矩形の形状を有する。しかし、ガセット部分18は、実質的に円形または曲線形状の断面、または、例えば、患者の鼻中隔との接触を防止するような切欠きの付いたガセット形状などの、患者の顔の敏感な領域を避けるための形状を含む、他の何れかの適切な形状であってもよい。
【0179】
1対のノズル20、22はそれぞれ、ガセット部分18の各排出開口と連通するガセット部分18の第2の側壁28に取り付けられた第1の部分30を有する。各ノズル20、22の第2の部分32は、使用中、患者14の鼻腔12と密封係合し、鼻用アセンブリ10と患者の鼻腔12の間に密封を与えるように構成される。図示した実施形態では、ノズル20、22は、第2の部分32が、鼻孔の下側を密封する部分と、使用中患者の鼻腔内に入る別の部分と、を備える輪郭形状にされた(例えばテーパ付き、円錐状、中空円錐台状など)鼻ピローの形態をしている。しかし、ノズル20、22は、例えば、鼻プロング、カニューレ、または鼻パフの形態であってもよく、何れかの適切な方式で鼻腔12と密封係合してもよい。例えば、ノズル20、22は、鼻腔12内で密封する、鼻腔12に接して密封する、鼻腔12の周囲を密封する、またはその組合せであってもよい。ノズル20、22は、ノズル20、22がガセット部分18及び中央導管34に対して運動することを可能にする波形をした柔軟部分を備えてもよい。ノズル20、22は、患者の鼻14の内部の輪郭形状に適合するような輪郭形状にしてもよい。
【0180】
一実施形態では、鼻用アセンブリは、取外し可能に装着される患者専用のノズルを使用している。好ましい形態では、ノズルは、シリコーンエラストマーなどの実質的に柔軟なポリマー材料から製造される。独自のノズルが、最初に各患者の鼻を現場でまたは遠隔操作で走査し、次にインターフェイス、例えば、モールドメーカーの製造のためにデータを使用することによって、各患者の鼻に適合することができる。走査は、非接触または接触の方法を使用して行うことができる。非接触の方法は、例えば、写真によって、またはプローブとの物理的な接触によって、または所望の接触インターフェイスの鼻孔の内部の印象の収集によってである。1対の適切なノズルが製作された後で、これらが、患者に適合されるように顧客に送られる。事前形成または特別仕様にされた形状の利点は、断面積が、流れの抵抗を減少させるために最大にされることである。
【0181】
また、事前形成された形状の使用は、快適性を改善し、捩じりに対してより大きな抵抗を有する、したがって患者の鼻孔のノズルの捩じりを最小化する半剛直プラスチックなどの剛性の大きな材料を使用してもよい。また、ガセット部分とのその接続部、例えば、ガセット部分が柔軟であることにより、薄い壁の断面を可能にし、ノズルの柔軟性を可能にする剛直なプラスチックを使用してもよい。
【0182】
図示した実施形態では、中央導管34の上側部分46が、変形可能かつ膨脹可能な材料から、ガセット部分18及びノズルまたは鼻ピロー20、22と一体に成形される。中央導管34、鼻ピロー20、22及びガセット部分18は、シリコーンなどの柔軟な皮膚適合性の材料から製造してもよい。中央導管34、鼻ピロー20、22及びガセット部分18は、当技術分野で公知のように、例えば、射出、圧縮及び/又は移送成形で形成してもよい。
【0183】
しかし、中央導管34、鼻ピロー20、22及びガセット部分18は、何れかの適切な材料で形成してもよく、何れかの適切なプロセスで形成してもよい。例えば、中央導管34、ガセット部分18及び鼻ピロー20、22は、別個に形成され、例えば、接着剤及び/又は機械的な固定具で互いに恒久的に取り付けてもよい。別法として、中央導管34、ガセット部分18及び鼻ピロー20、22は、別個に形成され、互いに取外し可能に取り付けてもよい。
【0184】
中央導管34の下側部分48は、排気口62と、ヘッドギアコネクタ25を中央導管34に対して保持するように構成した1対のテーパ付きまたは髭付きの突起64を備える。排気口62は、上側部分46内の開口60と位置整合される。排気口62は、中央導管34から外向きに僅かに突出しており、CO
2の流出のための一連の開口66が形成される。
【0185】
図89に示すように、ヘッドギアコネクタ25は、それを通って下側部分48の各突起64を受けるように構成した1対の開口68と、それを通って排気口62を受けるように構成した中央開口70と、を備える細長いストラップの形態をしている。特に、開口68は、ヘッドギアコネクタ25を中央導管34に対して保持及び配置するためにテーパ付きまたは髭付きの突起64を押圧する。
【0186】
また、ヘッドギアコネクタ25は、ヘッドギアアセンブリ(図示せず)との接続のためにその自由端に接続構造体72を備える。ヘッドギアアセンブリは、鼻用アセンブリ10を患者の顔上の所望の位置に維持するために、接続構造体72と取外し可能に接続される。例えば、ヘッドギアアセンブリは、各接続構造体72と取外し可能に接続されたストラップを備えてもよい。
【0187】
図91に示すように、コネクタ構造体72は曲線形状の縁部を有してもよい。また、開口68、70は、何れかの適切な形状(例えば楕円形、円形、矩形など)を有してもよい。例えば、
図91は、実質的に楕円形状の開口68、70を示しており、
図89は、実質的に円形状の開口68及び実質的に矩形形状を有する開口70を示す。
【0188】
ヘッドギアコネクタ25は、例えば、使用中患者の顔の周りで、少なくとも1つの曲げ平面内で変形することができる変形可能かつ弾力性を有する材料で製造される。例えば、ヘッドギアコネクタ25は、ポリプロピレンまたは他の適切なポリマーで製造してもよい。また、ヘッドギアコネクタ25は、天然または人工の繊維材料、または積層構造などの材料の組合せで製造してもよい。ヘッドギアコネクタ25は、鼻用アセンブリ10が患者の頭部に装着されたとき、患者の顔の輪郭に適合することができるように変形可能である。また、ヘッドギアコネクタ25は、ヘッドギアアセンブリによって加えられる張力を支持し、張力が柔軟な中央導管16を引っ張り、実質的に変形することを防止する。
【0189】
しかし、ヘッドギアコネクタ25は、ヘッドギアアセンブリとの接続のための何れかの適切な構造を有してもよい。例えば、ヘッドギアコネクタ25は、中央導管34上に設けた突起64であり、ヘッドギアアセンブリが突起64に、直接、取り付けてもよい。別法として、ヘッドギアコネクタは、ヘッドギアアセンブリ上に設けた各ロッキングクリップと接続するように構成したロッキングクリップ受けアセンブリの形態であってもよい。ロッキングクリップ受けアセンブリ及びロッキングクリップの詳細は、その全内容を参考文献として本明細書に援用する、Moore等の米国特許仮出願第60/377,254号明細書、第60/397,195号明細書、第60/402,509号明細書で与えられる。
【0190】
中央導管34は、取入コネクタ40、42によって1対の取入導管36、38と接続される。
図97に示すように、各取入コネクタ40、42は、1対の第2の導管部分76に分岐する第1の導管部分74を備える。第1の導管部分74は、その両端セクション52、54上の中央導管34の傍に設けた各溝56内で受けられる半径方向に膨脹するフランジ78を備える。このようにして、第1の取入コネクタ40が、中央導管34の対向する端部セクション52に対して保持され、第2の取入コネクタ42は中央導管34の対向する端部セクション54に対して保持される。
【0191】
取入導管36、38はそれぞれ、各取入コネクタ40、42と接続した第1の端部と、Y字形状の取入コネクタ44と接続した第2の端部と、を有してもよい。
図96に示すように、取入導管36、38のそれぞれは、第1及び第2の通路80、82を備える。取入コネクタ40、42の1対の第2の導管部分76が、取入コネクタ40、42を取入導管36、38の各第1の端部と結合するために、取入導管36、38の第1の端部の第1及び第2の通路80、82を通って挿入される。取入コネクタ40、42及び取入導管36、38は、摩擦嵌合、機械的固定具、接着材、共成型、挿入成型、またはその他の何れかの適切な手段によって保持してもよい。
【0192】
図96Aに示すように、Y字形状のコネクタ44は、取入導管36の一方の第2の端部と接続した第1のコネクタ84と、取入導管38のもう一方の第2の端部と接続した第1のコネクタ86と、鼻用アセンブリ10に加圧された気体を移送するための加圧供給部と接続した第3のコネクタ88と、を備える。第1及び第2のコネクタ84、86のそれぞれは、Y字形状のコネクタ44を各取入導管36、38と結合するために取入導管36、38の第1及び第2の通路80、82を通って挿入される1対の導管部分90を備える。第3のコネクタ88は、Y字形状のコネクタ44と加圧供給部と接続された移送導管の間の相対運動を可能にするためのスイーベル機構を備えてもよい。Y字形状のコネクタ44及び取入導管36、38は、摩擦嵌合、機械的固定具、接着材、溶接、挿入成型、またはその他の何れかの適切な手段によって保持してもよい。
【0193】
図98に示すように、中央導管34及び取入導管36、38は、その全内容を参考文献として本明細書に援用する、米国特許第6,044,844号明細初に開示されているものなどの耐圧壊性、反圧壊性または、反捩性のチューブで形成してもよい。
【0194】
加圧された気体が、Y字形状のコネクタ44のコネクタ88を通って入り、第1及び第2の取入導管36、38を通って、中央導管34の両端セクション内に進行する。空気が、中央導管32を通って、ガセット部分18及び鼻ピロー20、22内へ、及び患者の鼻腔12内に通過する。患者の鼻からの呼気は、中央導管34内に設けた排気口62を通って出ることができる。
【0195】
図86及び
図89に最もよく示すように、ガセット部分18は、追加の表面積または占有面積を与えるために中央導管34から外向きに延在する。圧力下の空気が中央導管34に入ると、中央導管34とガセット部分18の両方が膨脹して、鼻ピロー20、22を患者の鼻腔12と密封係合させる。しかし、中央導管34は、ガセット部分18とともに膨脹可能ではない。すなわち、ガセット部分18は、中央導管34と鼻ピロー20、22の間の距離を変更するために膨脹及び収縮することができるように構成される。ガセット部分18は、鼻ピロー20、22が患者の鼻孔12に隣接する第1の位置(
図97A参照)と、鼻ピロー20、22が患者の鼻腔12と密封係合される第2の位置(
図97B参照)との間で鼻ピロー20、22を移動させる。特に、気体によって加圧されないとき、ガセット部分18は、膨脹せず、実質的に平坦な構成をしている。しかしながら、ガセット部分18は膨脹していないときに実質的に平坦な構成を有することがない。非膨脹状態では、鼻ピロー20、22は、患者の鼻腔12から離隔される、または鼻腔と僅かに接触している。鼻腔10が気体によって加圧されたとき、ガセット部分18が膨脹し、鼻用アセンブリ10と患者の鼻腔12の間に密封を与えるために鼻ピロー20、22を患者の鼻腔12と密封係合させる。気体圧力が増加されると、鼻腔12の下側に加えられる力が、ガセット部分18を通って増加する。
【0196】
ガセット部分18は、中央導管34に追加の表面積または占有面積を与え、このことは更に、鼻ピロー20、22の密封効率を増加させる更なる力を鼻ピロー20、22上に供給する。すなわち、ガセット部分18は、鼻ピロー20、22を患者の鼻と接触させるように構成及び配置される。患者の鼻への力または圧力は、中央導管34内の圧力及びガセット部分18の追加の表面積に比例する。このようにして、ガセット部分18の表面積は、患者の鼻に加えられる力または圧力を変更するために変更してもよい。
【0197】
ガセット部分18は、適切な密封を達成するために必要とされるヘッドギアアセンブリ張力を減少させる。すなわち、患者の鼻に加えられる密封力は、ヘッドギアアセンブリによる張力によってではなく、ガセット部分18によって与えてもよい。このことは、患者の快適性並びに密封特性を改善する。
【0198】
したがって、ヘッドギアアセンブリを調節するとき、鼻ピロー20、22を患者の鼻の近くにのみ持っていく、または極めて軽く接触させることが望ましい。このようにして、ガセット部分18は、実質的に圧縮されない。
【0199】
ガセット部分18は、その側壁26、28の間に接続壁を備えてもよい。接続壁は、鼻ピロー20、22を通じて患者の顔に力の成分を与えるためにばね構成として作用する。力は、接続壁の厚さを調節することによって調整してもよい。また、接続壁の厚さは、ガセット部分18によって与えられる表面積とともに変更してもよい。
【0200】
ガセット部分18はまた、中央導管34と鼻ピロー20、22の間の脱着ジョイントを形成し、したがって、鼻用アセンブリ10と使用者の顔の間でいくらかの相対運動を可能にする。結果として、鼻ピロー20、22は、過度の力なしで患者の鼻の形状の小さな変化に対応することができ、効果的な密封を維持しながら、使用中患者の鼻に対する鼻用アセンブリ10の小さな運動に対処することができる。
【0201】
また、ガセット部分18は、上記で議論した単一のガセット形態である必要はなく、代替となる形状を有することができる。例えば、ガセット部分18は、連続して設けた2つ以上のガセット部分の形態であってもよい。
【0202】
図98〜
図106は、参照符号210で示す鼻用アセンブリの別の実施形態を示す。
図98〜
図100に最もよく示すように、鼻用アセンブリ210は、中央導管234と、(例えば、接着剤によって)中央導管234と接続された1対の取入導管236、238と、取入導管236、238を相互接続する取入コネクタ244と、を備える。取入コネクタ244は、加圧供給部と接続した導管と接続されるように構成される。取入コネクタ244は、導管の捩じれを減少させることによって安定性を最大にするために軸線方向に旋回可能であってもよい。
【0203】
ガセット部分218は、その間に空間を画定する第1及び第2の側壁226、228を備える。第1の側壁226は、中央導管234の開口60と連通する取入開口を備える。第2の側壁228は、1対の排出開口を有する。図示した実施形態では、ガセット部分218は、実質的にボウタイ状の形状を有する。しかし、ガセット部分218は、他の何れかの適切な形状を有してもよい。
【0204】
鼻ピロー形態の1対のノズル220、222が設けられる。各鼻ピロー220、222は、ガセット部分218の各排出開口と連通するガセット部分218の第2の側壁228に取り付けた第1の部分230を有する。各鼻ピロー220、222のそれぞれの第2の部分232は、使用中、患者の鼻14の鼻腔12と密封係合し、鼻アセンブリ210と患者の鼻腔12の間に密封を与えるように構成される。
【0205】
図示した実施形態では、中央導管234、取入導管236、238、ガセット部分218及び鼻ピロー220、222は、シリコーンなどの柔軟な材料から製造され、接着剤によって互いに付着される。しかし、中央導管234、取入導管236、238、ガセット部分218及び鼻ピロー220、222は、一体に成形してもよい、または適切なプロセスで他の何れかの適切な材料で形成してもよい。
【0206】
中央導管234は、CO
2流出のためにそこから僅かに外向きに突出した排気口262(
図100及び
図101)を備える。また、ヘッドギアコネクタ225は、1対のクリップ272の形態をしており、ヘッドギアアセンブリ206の接続のために導管234、236、238に(例えば、接着剤によって)取り付けられる。ヘッドギアアセンブリ206は、例えば、フックループファスナによって各クリップ272と取外し可能に接続されたストラップ207を備える。
図101及び
図102に示すように、ストラップ207は、患者の耳の上を通り、患者の後頭部を覆うために患者の頭の上側部分に配置された頭布208と係合する。しかし、ヘッドギアアセンブリ206は、患者の頭部上に鼻用アセンブリ210を維持するための何れかの適切な構成を有してもよい。
【0207】
図103〜
図106は、患者の鼻14の鼻腔12の外縁部と係合した鼻用アセンブリ210を示す。上記で説明した鼻用アセンブリ10と同様に、圧力下の空気が中央導管234に入ると、中央導管234とガセット部分218の両方が膨脹して、鼻ピロー220、222を患者の鼻腔12と密封係合される。しかし、中央導管234は、ガセット部分218とともに膨脹可能ではない。すなわち、ガセット部分218は、鼻ピロー220、222が患者の鼻孔12に隣接する第1の位置と、鼻ピロー220、222が患者の鼻腔12と密封係合する第2の位置と、の間で鼻ピロー220、222を移動させる。
【0208】
鼻用アセンブリ10、210の実施形態では、取入導管36、38、236、238は、患者の頭部から遠ざかるように鼻ピロー20、22、220、222から下向きに延在する。しかし、
図107に示すように、参照符号310で示す鼻用アセンブリは、患者の頭部の上に鼻ピロー320、322から取入導管336が上向きに延在する頭上タイプのアセンブリである。
【0209】
図107−1は、
図107に示すものと同様であるが、調節可能な前頭支持部411を備える実施形態を示す。前頭支持部411は、チューブ支持部415に取り付けて設けた第1の部分413を備える。第1の部分413とチューブ支持部415の間の接続は、できる限り最良の適合を達成するために、前頭支持部411の第2の部分417の患者の前頭部に対する調節を可能にする。第2の部分417は、米国特許第6,119,693号明細書または米国特許出願第10/655,595号明細書(その全内容は参考文献として本明細書に援用する)に記載されているような、1つまたは前頭部クッションまたはパッド421を支持するための橋部419と、ヘッドギアストラップ425との解放可能なコネクタのためのヘッドギアコネクタ部分423と、を備える。ヘッドギアコネクタ部分は、その全内容を参考文献として本明細書に援用する米国特許第6,374,826号明細書、またはその全内容を参考文献として本明細書に援用する米国特許仮出願第60/467,570号明細書に示すような形態をとる。橋部419は、患者の頭部を覆って案内されるとき、空気移送チューブの上側部分を収容し、案内及び/又は保持するように構成した中央部分427を備えてもよい。調節は、曲げ、曲げ及び/又は第1の部分413の支持部415に対する枢動を介して達成してもよい。例えば、支持部415は、第1の部分413上の開口内に導入される枢動ピン429を備えてもよい。支持部415及び第1の部分413は、幾つかの(例えば、3〜5、好ましくは4)所定の位置で前頭支持部411を錠止することを可能にするために、複数の錠止部材431(例えば、突起及びくぼみ)を備える。
【0210】
図107−2は、その全内容を参考文献として本明細書に援用する米国特許第6,532,961号明細書に開示されているように動作する、調節可能な前頭支持部の別の実施形態を示す。
【0211】
図107A〜
図107Cは、本発明の更に別の代替実施形態を示す。
図107Aは、マスクアセンブリ650の透視図であり、
図107Bは、
図107Aに示すマスクアセンブリの側面図である。マスクアセンブリ650は、ヘッドギアアセンブリ652及び鼻クッションアセンブリ654を備える。ヘッドギアアセンブリは、頭頂ストラップ654及び後頭ストラップ656を備える。
【0212】
柔軟なチューブ658は、スイーベルコネクタを備える第1の端部660を備える。チューブ658は、適切な加圧気体源を備える。チューブは、クッションアセンブリ654に取り付けて設けた第2の端部662を備える。チューブ658は、支持枠664によって支持される。支持枠は、クッションアセンブリ654のクッション668を支持する下側部分666を備える。支持枠はまた、中央部分670及び上側部分672を備える。上側部分672は、隙間によって分離された柔軟なアームである。アームは、アームの間でのチューブの挿入及び取外しを可能にするように弾性変形してもよい。支持枠664は、使用中患者の前頭部に載るように構成した横方向支持アーム674を備えてもよい。各横方向支持アーム674は、それぞれ、頭頂ストラップ654及び後頭ストラップ656との接続点を与える第1及び第2のコネクタスロット676及び678を備える。
【0213】
図107Bは、マスクアセンブリの側面図である。
図107Cは、
図107A及び
図107Bに示すアセンブリ650の一部分の拡大側面図である。支持枠664の下側部分666は、ここに示すようなクッション668を支持するように構成される。クッション668は、プレナムチャンバ682と単一部片で形成された、1対のノズル680(図示せず)を備える。
【0214】
図107D及び
図107Eは、本発明の更に別の実施形態を示す。マスクアセンブリ690及びそのそれぞれが頭頂ストラップ694と後頭ストラップ696の間の分岐から延在し、使用者の顔に沿って耳の前方に延在する頭頂ストラップ694、後頭ストラップ696、懸垂アームストラップ698を備える、ヘッドギアアセンブリ692を備える。後頂ストラップ696の上部部分は、
図107Aに示す柔軟なアームなどの適切なコネクタ700を備える。別法として、コネクタ700は、チューブ702を固定するのを助けるVELCRO(登録商標)ループの形態をとる。チューブ702は、空気移送チューブを介して適切な加圧気体源と更に接続されたスイーベルコネクタを備える第1の端部704を備える。チューブ702は、前頭部の上部を覆って経路が設定され、患者の鼻及び橋部と実質的に並べられるが、離隔されている。支持枠708は、チューブ702を所望の位置に維持するのを助ける上側部分710を備える。上側部分710は、
図107Aの上側部分672のように、柔軟なアームを備えてもよい。
【0215】
支持部708は、
図107Eの側面図に最もよく示される1対の横方向アーム714を備えてもよい。各横方向アーム714は、懸垂アームストラップ698の端部を受けるように構成したコネクタスロット715を備える。
【0216】
図107Fは、第1のクロスバーストラップ724及び第2のクロスバーストラップ726を備える、文字「X」の形状に実質的に対応する形状を有するヘッドギアアセンブリ722を備えるマスクアセンブリ720の代替実施形態を示す。第1及び第2のクロスバーストラップ724及び726は、分岐または交差点728で出会う。第2のクロスバーストラップ726の前端部は、VELCRO(登録商標)ループの形態をとるコネクタ要素730を備える。コネクタ要素730は、比較的大きい孔のチューブ732と接続するための第1の端部と、比較的小さい孔のチューブ734に対応するための第1の端部を備える遷移チューブ部片と、を支持及び/又は保持するように構成される。支持枠736が、
図107Fに示す位置にチューブ734及びクッション738を支持するように設けられる。
【0217】
図107Gは、本発明の更に別の実施形態によるマスクアセンブリ750を示す。マスクアセンブリ750は、後部ストラップ754及び前頭部ストラップ756を備えるヘッドギアアセンブリ752を備える。懸垂アームストラップ758は、後部ストラップ754と前頭部ストラップ756の間の分岐から延在する。1つまたは複数のストラップは、補強及びストラップの互いに対する位置を維持するのを助けるヨーク部材759を備える。
図107Gに示すように、マスクアセンブリ750は、加圧空気源のために更に設けた、空気移送チューブ764と接続することができる、スイーベルコネクタを備える第1の端部762を備えるチューブ760を備える。
【0218】
図107Hに示すように、各ストラップ758は、枠768内に適切なくぼみへのコネクタ部分766の挿入及び取外しをするために、互いに向けて弾性的に曲げられる1つまたは複数のアーム767を有する第1のコネクタ部分766を備える。枠768は、チューブ760を受けるか及び/又はそれと接続するコネクタ部分770を備える。
図107Hに示すように、ノズル772の1つの部分しか見えていない。
【0219】
図107Iは、本発明の別の実施形態を示す。マスクアセンブリ780は、後部ストラップ784及び前部ストラップ786を備えるヘッドギアアセンブリ782を備える。チューブ788が、使用者の頭部の両側で後部ストラップ784を追従するか及び/又はそれと接続される、1つまたは複数の柔軟なチューブ792と更に接続された分岐コネクタ790に接続される。ヘッドギアアセンブリ782は、使用者の耳の前に頬に沿って配置された懸垂アームストラップ783を備えてもよい。各チューブ792は、懸垂アームストラップ783に適切に取り付けてもよい。各チューブ792は、クッションアセンブリ794と適切に接続してもよい。
【0220】
図107Jは、本発明の更に別の実施形態を示す。マスクアセンブリ800は、その一部分のみを図示するヘッドギアアセンブリを備えてもよい。ヘッドギアアセンブリは、クッションアセンブリ812と接続されたかまたはそれに取り付けて設けた、横方向支持アーム804を支持する懸垂アームストラップ802を備えてもよい。各懸垂アームストラップ802はまた、空気移送チューブ808と接続された第1の端部とクッションアセンブリ812と接続されたチューブ810と接続された第2の端部とを有するU字形状の結合部材の形態をとるインターチェンジ806を支持してもよい。
【0221】
図107K及び
図107Lは、本発明の更に別の実施形態を示す。
図107Kに示すように、クッションアセンブリは、枠820と、プレナムまたはベローズチャンバ824と、プレナムチャンバ824に装着された1対のノズル826と、を備える。クッションアセンブリは、
図107Kに示すように、1つまたは複数の支持アーム822によって支持してもよい。別法として、クッションアセンブリは、例えば、
図107Aに示すような支持枠によって支持することができる。
図107Kに示すように、ノズル826は、患者の鼻孔に係合するため、比較的低いプロファイルを有する。しかし、
図107Iに示すように、ノズル826は、その弾性のため、
図107Kに示す低いプロファイル位置から
図107Lに示す高いプロファイル位置まで延在する。
【0222】
図107M〜
図107Qは、本発明による様々なノズル832、834、836、840及び844を示す。
図107Oに示すように、ノズルは、中央部分839が鼻孔によって受けられながら、鼻孔の縁部に載るように構成した隆起838を備えてもよい。
図107Pに示すように、ノズル840は、鼻の中央へ擦傷を与える機会を回避または減少させるのに有利である切込み842を備える。
図107Qに示すように、ノズル844は、鼻孔壁から遠ざかるように空気を偏向させるための突起846を備えてもよい。
図107Rは、ノズル上での突起846の位置を透視図で示す。
【0223】
[第7例示実施形態]
図108〜
図113は、本発明の更に別の好ましい実施形態を示す。
図108に示すように、マスクアセンブリ600は、そのそれぞれが、それぞれ
図60及び
図61に示すヘッドギア及びクッションアセンブリ604と実質的に同様である、ヘッドギア602及びクッションアセンブリ604を備える。ヘッドギア602は、患者の頭頂部を捕捉するように構成される。ストラップ張力の調節は、頭頂部のルーズタブを両方向に引くことによって達成することができる。滑車方向は、患者に加えられるノズルアセンブリの力と整合されない。このため、患者は、ストラップの調節力からより隔離される。ヨークは、側部に安定性を与える。ヨークは、ヘッドギアの基本形状の少なくとも一部を保持し、ヘッドギアの装着を容易にする。ヘッドギアの全ての調節は、頭の後部または上部で行うことができるため、ヘッドギアは、顔の前部の方への調節可能性を備える必要はない。
【0224】
図108に示した実施形態では、クッションアセンブリ604の一方の端部がプラグ622を備え、他方の端部がスイーベルエルボー612を備える。スイーベルエルボー612及びプラグ622の位置は、好ましくは、例えば、患者の典型的な寝位置に応じて、交換可能である。空気移送チューブ606が、スイーベルエルボー612と接合される。空気移送チューブ606は、スイーベルコネクタ607を備え、これもスイーベルコネクタ607を備える端部609を備える。端部609は、加圧気体源を備える。
【0225】
図108に示すように、エルボー612は、クッションアセンブリ604から120´の周りで傾斜している。このことは、チューブの曲げ点をできる限り顔の近くに維持して圧力降下を最小にするために、ラインの僅かに外側にチューブを保持することを助ける。しかし、エルボーは、例えば
図109及び
図110に示すように、通常、90°の曲げを有する。
【0226】
図109は、
図108に示すマスクアセンブリ600の概略透視図であるが、ヘッドギアア602のヨーク608のみをストラップなしで示す。第5例示実施形態によると、ヨーク608は、ヨークリング610を備えてもよい。
図109に示すように、クッションアセンブリは、患者に最もよく適合する位置まで、ヘッドギアに対して調節可能に回転してもよい。
図109では、ヘッドギアのヨーク608のリング610が、位置合わせ指標611aを備え、クッションが、指標611aと選択的に位置整合することができる複数の位置合わせマーカー611bを備える。
【0227】
図110は、クッションアセンブリ604の一部分の断面図である。特にクッションアセンブリ604は、クッション617を支持する枠616を備える。枠616は、枠616の両端部及び/又はクッション617に取り付けて設けた第1のコネクタ部分618を備える。各第1のコネクタ部分618は、密封リング614を備えるかまたはそれに対して設けられる。密封リングとプラグの両方が、第1のコネクタ部分618に接続されるかまたは、そうでない場合、それに対して設けた第2のコネクタ部分の例である。
図110に示すように、マスクアセンブリの左手側がプラグ622を備え、マスクアセンブリの右手側がスイーベルエルボー612を備える、すなわち、反対の構成の図を
図108及び
図109に示す。
【0228】
図110は、クッション617のそれぞれの騒音を低減させるように構成した複数の排気口619を備えることを示す。2つの考えられる開口形状の断面を、
図110−1及び
図110−2に示す。
図110−2では、端部617aが、通気口の孔を通る主な空気経路の外で何れかの潜在的な騒音を生じさせる流れ(すなわち、成形継目)を変位させる。言い換えれば、成形継目が、騒音を生じさせる可能性がある位置から、騒音を生じさせにくい位置に移動する。
【0229】
図110Aは、密封リング614、第1のコネクタ部分618及びプラグ622の相互作用を示す部分断面図である。特に、シールリング614は、それぞれ、第1及び第2の突起624、626を備える。第1の突起624は、密封及び/又は錠止の目的で、第1のコネクタ部分618内に形成した溝618aと相互作用する。第2の突起626は、密封及び/又は錠止の目的で、プラグ622内に形成した溝628と相互作用する。
図110Aに示すように、各密封リング614は、ヨーク608のリング610の1つをそれぞれ受けるための溝630を備える。
図110Aでは、ヨーク608は示していない。
【0230】
図110Bは、
図110の右手側のマスクアセンブリ600の拡大部分断面図である。スイーベルエルボー612の第1の端部612aが、第1のコネクタ部分618内に挿入され、その中で受けられる。第1の端部612aは、アセンブリからのスイーベルエルボー612の不慮の離脱を防止する大きな頭部部分を備えてもよい。前端部612aは、大きな頭部部分が、弾力的な曲げによって挿入の際その直径を減少させることを可能にする少なくとも1つのスロット613を備えてもよい。好ましくは、複数のこのようなスロット、例えば、4つのスロットがある。密封リング614は、上記で説明したように、第1及び第2の突起624、626を備えてもよい。この場合、第2の突起626が、摩擦によって、スイーベルエルボー612の外周と相互作用し、密封を与える。更に、スイーベルエルボー612は、第2の突起626を受けるための溝またはその他の構造を備えてもよい。
【0231】
図110Bは、スイーベルエルボー612及び密封リング614がスイーベルトストップ631を備えることを概略的に示す。例えば、スイーベルトストップ631は、ヨーク608の部品として形成してもよい。
【0232】
別法としてまたはそれに加えて、
図111に示すように、スイーベルエルボー612は、突起634を備えるリング633を備えてもよい。密封リング614が、スイーベルトストップ632を備えるように変更してもよい。したがって、突起634は、突起634がスイーベルトストップ632に当接するまで、スイーベルエルボー612に沿って回転させてもよい。したがって、空気移送チューブ606の運動が、所定の範囲、例えば約220°〜300°、好ましくは250°〜270°の運動に制限され、このようにして、空気移送チューブと患者の間の望ましくない接触を最小化または回避する。
【0233】
図112は、枠、第1の接続部分618、ヨーク608、密封リング614及びプラグ622の組立ての部分断面図である。
図112は、
図108に示すように、クッションアセンブリ604の右手側に挿入されるプラグ622を示す。
【0234】
図113は、プラグ及び密封リングが、単一の一体部片で形成される本発明の代替実施形態を示す。
図113に示すように、密封リング636は、ヨーク608の輪郭に実質的に追従するフランジ部分638を備える。このことは、密封リング614及びヨーク608が互いに近接して配置される
図110の断面図に最もよく示される。
【0235】
第7例示実施形態は、空気移送チューブ606及び/又はスイーベルエルボー612のクッションアセンブリ604からの改良された分離を可能にする。また、この実施形態は、クッションアセンブリ604の上または下または左手または右手側からである、チューブの経路の設定の選択を可能にする。同様に、この実施形態は、目立たず、かなり軽量である。これはまた、前の実施形態よりも少ない部品を備え、製造、組立て及び清浄が容易である。
【0236】
スイーベルエルボー612は、速脱機構(図示せず)を備えてもよい。スイーベルエルボー612は、
図110Bに示すように、マスクの枠616に嵌合及びスナップ嵌合することができる。この構造は、所定の範囲の間での枠616の周りの自由な旋回を可能にし、それによって、チューブが、頭及び枕に対して不快な位置にならないことを確実にする。
【0237】
密封リング614は、エルボースイーベル612の幾何形状と協働するように構成される。また、密封リング614は、ヨーク608のリング610と接続してもよい。密封リング614は、例えば、共成形を介して、リング610と恒久的に接続してもよい。例えば、
図110Bのスイーベルストップ631はリング610の一部として形成することができる。枠616の両側の第1のコネクタ部分618は、密封リング614に対して回転し、それにより、クッションアセンブリ604をそれに応じて配置してもよい。密封リング614は、好ましくは最小の摩擦でスイーベルエルボー612を密封する。各密封リング614は、患者、特に手先が器用でない患者が操作するのに十分大きい。
【0238】
プラグ622は、密封リング614内に圧力嵌めしてもよい。プラグ622は、枠内に圧力嵌めされるように構成してもよい。プラグ622は、例えば、ポリプロピレンなどの、硬質ポリマーから製造される。くぼみ(図示せず)は、プラグ622を取り外すために形成してもよい。プラグは、空気移送チューブの反対側で枠とクッションアセンブリを密封するように機能する。プラグ622は、手先が器用でない患者でさえも、患者が操作するのに十分大きい。
【0239】
チューブ606は、スイーベルエルボー612の端部に恒久的に取り付けてもよい。しかし、押圧摩擦接続も適切である。チューブの長さは、例えば、200mmmから400mmの間、好ましくは250mmから350mmの間、または患者の顔の遮らない他の任意の長さである。
【0240】
図110B及び
図111に示すように、ヨーク608及びリング614が、それぞれ、第1のコネクタ部分618に対するスイーベルエルボー612の角度または回転運動を制限するための構成を備えてもよい。また、ヘッドギアアセンブリ及び/又はヨークが、チューブの位置を制御するためのチューブ保持機能を備えてもよい。例えば、簡単なVELCRO(登録商標)は、空気移送チューブの運動を制限するためにヘッドギアのある部分に沿って設けてもよい。
【0241】
図108A及び
図108Bに示す別の実施例では、チューブリテーナ900が、ヘッドギアのストラップの一方に接続または取り付けられる第1の部分902を備える。例えば、第1の部分902は、
図108に示すヘッドギアストラップの一部分904に取り付けたループの形態をしている。取付けはヘッドギアストラップ904がヘッドギアバックル906を通ってねじ付けされる前に、第1の部分902を通ってヘッドギアストラップ904をねじ付けすることによって達成される。リテーナ900は、第1の部分902に設けるかまたは取り付ける第2の部分908を備える。第2の部分908は、
図108Aに示す形状を保持する弾力性のプラスチックで製作され、隙間910が第2の部分908の2つの端部912の間に画定される。隙間910は、チューブ606を高信頼性で保持するように、空気移送チューブ606の直径よりも小さい寸法にされる。別法として、第2の部分908は、VELCRO(登録商標)ループであり、端部912が対合するフック及びループを備えてもよい。
図108A及び
図108Bに示すように、第2の部分は、それによってチューブ606の軸線方向の摺動を防止するために、空気移送チューブ606のリブ916(
図108)を受けるために1つまたは複数のスロット914を備えてもよい。この構成では、チューブ606は、患者の頭部の上の位置に高信頼性で保持することができる。
【0242】
図108Cは、類似の符号が類似の部品に関連するチューブリテーナの平面図を示す。
図108Cでは、チューブリテーナの例示的な寸法を示している。これらの寸法は例示的なものに過ぎず、寸法は、ここに示した値の±20%まで変更すことができることに留意されたい。
【0243】
上記で説明した及び以下で説明する鼻用アセンブリ10、210、310、410、510、600は、幾つかの利点を有する。例えば、鼻用アセンブリ10、210、310、410、510は、それらの小さな全体寸法及び重量のため、目立たない。鼻用アセンブリ10、210、310、410、510、600は、患者の鼻に加えられる最小の力、及び橋部との接触が除去されるため、高レベルの快適性を提供する。鼻用アセンブリ10、210、310、410、510、600は、使用するのが容易であり、最小の部品及び調節を備える、例えば、取入導管は、患者の頭を覆って上向きにまたは患者の顎部の下に下向きに延在するように容易に調節することができる。加圧供給部は、ヘッドギアの設定を変更することなく、コネクタに容易に取付け及び取外しすることができる。また、鼻用アセンブリ10、210、310、410、510、600は、広い範囲の患者に対応するために、より大きなノズルの運動範囲を可能にする。すなわち、ノズルは、ヘッドギアアセンブリに対して枠を回転させることによって患者の顔に対して回転させることができる。また、ストラップ張力は、顔との接触面積が小さいため高くならない。ヘッドギアは、安定性を与える、例えば、ヨークが、顔上でのマスクアセンブリの位置を維持する。ヘッドギアの調節は、ストラップを締め付けるために必要とされる力が患者の顔に加えられないように構成される。例えば、ストラップは互いに相殺するように頭の上で反対方向に引っ張ることができる。性能と快適性の間の釣合いを見出すことは比較的容易である。また、マスクの重量、騒音レベル、及び/又は部品数が減少する。
【0244】
添付図面及び本発明の好ましい実施形態の様々な態様の説明を含む付属書類が、2003年12月16日に提出された米国特許仮出願第60/529、696号に含まれ、その全内容が参考文献として本明細書に援用される。図面または付属書類は寸法を含んでいるが、これらの寸法は例示的なものに過ぎず、本開示の範囲から逸脱することなく変更することができる。
【0245】
図114は、本発明の別の実施形態の分解図を示す。この実施形態では、クッションアセンブリ604は、
図108〜
図109に示すものと同様であり、スイーベルエルボー612は、
図108、
図110B及び
図111に関連して説明したものである。ヨーク608は、溝と隣接する、または溝の一部として形成された対応する幅広部分630aと係合するように構成した幅広部分608aを備える。また、ヨーク608は、密封リング614の耳部638を受けるように構成される。さらなる実施形態では、ヨーク及び密封リングが一体に形成される。また、ヨーク及びヘッドギアが、縫製を使用する代わりに一体に形成することができる。
図115に見られるように、ヨーク608及び密封リング614は、ショルダ621を介して、互いに対してスナップ嵌合することができる。この構成によって、ヨーク及びリングは、互いに対して回転することが防止される。
図115は、また、患者とのよい適合を可能にする、ヨーク曲げ点Pの一般的な位置を示す。
【0246】
図116〜
図126は、
図114及び
図115に示す実施形態のさらなる図を示す。この構成の別の態様は、ヨーク608のリング610が、ヨーク608の主本体609に対して角度方向に偏倚していることである。
図116と
図110を比較すると、例えば、
図116での主本体609は捩じられている。例えば、
図116での前側面609aは、
図116内に後側面609bと比較して横方向外側に配置されている。この構成は、ヨークが、患者の顔の輪郭をより厳密に追従するように、ヨーク608の底部部分が患者の顔のほうへ偏倚するのを助ける。
【0247】
図127〜
図130は、本発明のさらなる実施形態を示す。この実施形態は、
図114〜
図126に示し、説明したものと同様である。しかし、2つの主な相違点がある。第1に、エルボー612が、密封リング614内で360°自由に回転する。
図128の部分分解図に示すように、密封リング614は、
図114に示すものと比較して、ストップ632を備えず、エルボー612は突起634を備えない。
【0248】
第2に、
図129に示すように、密封リング614は、選択的に取外し及び挿入可能なキャップ614aを備える。言い換えれば、
図119のプラグ622が、1つではなく2つの部品で製作される。キャップ614aは、クッション上に配置された排気口の代わりにまたはそれを補足する、排気口を備えてもよい。
図130は、キャップ614aの部分分解図を示す。ノズルアセンブリの両側の密封リング614が同一であるため、キャップ614a及びエルボー612は、患者が、左または右側に経路を設定したエルボー612を有することを選択する場合、取外し、交換することができる。このことは、マスクアセンブリを患者に使用しながら行うことができる。また、エルボー612は、患者の可動性を可能にするために取り外すことができる。
【0249】
図131〜
図133は、別の実施形態によるエルボー612を示す。
図114に示すエルボー612と比較して、
図131〜
図133のエルボー612には、1つの、好ましくは1対の鍵状の開口613が形成される。エルボーは、ポリプロピレン、例えば「Borealis」またはポリエステルで作製してもよい。開口の形状は、エルボーが定位置にあるとき、及び取り外されたとき、改良された保持及び力の除去を可能にする。
【0250】
また、ノズルアセンブリ及び/又はそれに付随するクッションは、鼻マスク及び/又は鼻クッションと交換してもよい。例えば、
図134及び135参照。
図134は、枠が、対向する開口または第1のコネクタ部分(例えば、管状の延長部)を備える構成であり、そのそれぞれが、上記で説明したように密封リングを備える。密封リング500は、枠の一方の開口または第1のコネクタ部分を閉鎖するための別個のまたは一体のプラグを備えるように構成される、一方、別の密封リングが、他方の枠の開口/第1のコネクタ部分と係合し、スイーベルエルボーを受けるように構成される。もちろん、エルボー及びプラグの位置は、患者の好みに応じて、交換してもよい。
図135では、エルボーが、ReMedのVISTAマスクのような、マスク枠の前部に設けられる。一方、開口/第1のコネクタ部分は、プラグ付きの密封リングを備える。もちろん、各実施形態では、枠、エルボー、及び/又は密封リングは、呼吸チャンバから呼気を排出するための適切な排気口を備えてもよい。
【0251】
かくして、本発明の態様が完全且つ効果的に達成されたことを理解し得る。前述の特定の実施形態は、本発明の構造的及び機能的な原理を例示するために提供され、限定を意図したものではない。逆に、本発明は、詳細な説明の精神及び範囲内にあるすべての変形、変更及び置換を包含するように意図している。