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特開2017-11384ネットワークシステム、コンピュータシステム、画像データの記録方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-11384(P2017-11384A)
(43)【公開日】2017年1月12日
(54)【発明の名称】ネットワークシステム、コンピュータシステム、画像データの記録方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 7/18 20060101AFI20161216BHJP
   H04N 19/436 20140101ALI20161216BHJP
   H04N 21/241 20110101ALI20161216BHJP
   H04N 21/2343 20110101ALI20161216BHJP
   H04N 5/765 20060101ALI20161216BHJP
   H04N 5/92 20060101ALI20161216BHJP
   G06F 9/38 20060101ALI20161216BHJP
【FI】
   H04N7/18 D
   H04N19/436
   H04N21/241
   H04N21/2343
   H04N7/18 A
   H04N7/18 U
   H04N5/91 L
   H04N5/92 H
   G06F9/38 370X
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-122464(P2015-122464)
(22)【出願日】2015年6月17日
(71)【出願人】
【識別番号】501084031
【氏名又は名称】株式会社システム・ケイ
(74)【代理人】
【識別番号】100112520
【弁理士】
【氏名又は名称】林 茂則
(72)【発明者】
【氏名】田中 伸康
(72)【発明者】
【氏名】鳴海 鼓大
【テーマコード(参考)】
5B013
5C053
5C054
5C159
5C164
【Fターム(参考)】
5B013DD05
5C053FA08
5C053FA23
5C053FA27
5C053GA11
5C053KA24
5C053LA01
5C053LA14
5C054CC02
5C054DA09
5C054EA03
5C054EA07
5C054EG01
5C054GA01
5C054GB01
5C054HA18
5C159KK13
5C159MA00
5C159PP04
5C159SS08
5C159SS09
5C159SS14
5C159SS26
5C159UA02
5C164FA07
5C164SA25S
5C164SB02P
5C164SB36P
5C164SB51P
(57)【要約】
【課題】コンピュータの処理能力があまり高くない場合であっても、圧縮処理にかかる時間が短縮可能な技術を提供する。
【解決手段】複数の撮像デバイスとコンピュータシステムとが通信ネットワークを介して接続され、当該コンピュータシステムが、撮像デバイスのそれぞれが出力するストリームデータを受信する受信部と、受信したストリームデータを記録するストリームデータ記録部と、ストリームデータ記録部に記録されたストリームデータをストリームデータ記録部から読み出し、読み出したストリームデータを圧縮するデータ圧縮部と、を有し、データ圧縮部における圧縮処理が、コア数がnのマルチコアユニットを用いて実行され、データ圧縮部における圧縮処理が、(n−2)個のストリームデータを対象に実行されるネットワークシステムを提供する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ネットワークと、複数の撮像デバイスと、コンピュータシステムとを有し、
前記複数の撮像デバイスのそれぞれと前記コンピュータシステムとが前記通信ネットワークを介して接続され、
前記複数の撮像デバイスのそれぞれが、画像データを含むストリームデータを出力し、
前記コンピュータシステムが、
前記ストリームデータを受信する受信部と、
受信した前記ストリームデータを記録するストリームデータ記録部と、
前記ストリームデータ記録部に記録された前記ストリームデータを前記ストリームデータ記録部から読み出し、読み出した前記ストリームデータを圧縮するデータ圧縮部と、を有し、
前記データ圧縮部における圧縮処理が、コア数がnのマルチコアユニットを用いて実行され、
前記データ圧縮部における前記圧縮処理が、(n−2)個のストリームデータを対象に実行される
ネットワークシステム。
【請求項2】
前記通信ネットワークに接続された端末システムをさらに有し、
前記コンピュータシステムが、
前記データ圧縮部で圧縮された圧縮データを記録する圧縮データ記録部と、
前記圧縮データ記録部に記録された前記圧縮データを、前記端末システムに送信する圧縮データ送信部と、をさらに有する
請求項1に記載のネットワークシステム。
【請求項3】
通信ネットワークに接続され、前記通信ネットワークを介して複数の撮像デバイスから画像データを含むストリームデータを受信するコンピュータシステムであって、
前記ストリームデータを受信する受信部と、
受信した前記ストリームデータを記録するストリームデータ記録部と、
前記ストリームデータ記録部に記録された前記ストリームデータを前記ストリームデータ記録部から読み出し、読み出した前記ストリームデータを圧縮するデータ圧縮部と、を有し、
前記データ圧縮部における圧縮処理が、コア数がnのマルチコアユニットを用いて実行され、
前記データ圧縮部における前記圧縮処理が、(n−2)個のストリームデータを対象に実行される
コンピュータシステム。
【請求項4】
前記データ圧縮部で圧縮された圧縮データを記録する圧縮データ記録部と、
前記圧縮データ記録部に記録された前記圧縮データを、前記通信ネットワークに接続された端末システムに送信する圧縮データ送信部と、をさらに有する
請求項3に記載のコンピュータシステム。
【請求項5】
通信ネットワークに接続され、前記通信ネットワークを介して複数の撮像デバイスから画像データを含むストリームデータを受信するコンピュータシステムを用いた画像データの記録方法であって、
前記ストリームデータを受信するステップと、
受信した前記ストリームデータをストリームデータ記録部に記録するステップと、
前記ストリームデータ記録部に記録された前記ストリームデータを前記ストリームデータ記録部から読み出し、読み出した前記ストリームデータを圧縮するステップと、を有し、
前記データ圧縮部における圧縮処理が、コア数がnのマルチコアユニットを用いて実行され、
前記データ圧縮部における前記圧縮処理が、(n−2)個のストリームデータを対象に実行される
画像データの記録方法。
【請求項6】
前記圧縮データを圧縮データ記録部に記録するステップと、
前記圧縮データ記録部に記録された前記圧縮データを、前記通信ネットワークに接続された端末システムに送信するステップと、をさらに有する
請求項5に記載の画像データの記録方法。
【請求項7】
通信ネットワークに接続され、前記通信ネットワークを介して複数の撮像デバイスから画像データを含むストリームデータを受信するコンピュータシステムに、
前記ストリームデータを受信する機能と、
受信した前記ストリームデータをストリームデータ記録部に記録する機能と、
前記ストリームデータ記録部に記録された前記ストリームデータを前記ストリームデータ記録部から読み出し、読み出した前記ストリームデータを圧縮する機能と、を実現させるためのプログラムであって、
前記データ圧縮部における圧縮処理が、コア数がnのマルチコアユニットを用いて実行され、
前記データ圧縮部における前記圧縮処理が、(n−2)個のストリームデータを対象に実行される
プログラム。
【請求項8】
前記圧縮データを圧縮データ記録部に記録する機能と、
前記圧縮データ記録部に記録された前記圧縮データを、前記通信ネットワークに接続された端末システムに送信する機能と、をさらに実現させるための
請求項7に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークシステム、コンピュータシステム、画像データの記録方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば、特許文献1は、監視映像の記録に欠落のないネットワーク映像監視システムの提供を目的とした映像監視システムを開示する。当該映像監視システムは、ネットワークカメラが、撮像部と、撮像部で撮影した映像情報を圧縮した圧縮映像データを記憶するバックアップメモリと、圧縮映像データをリアルタイム配信するとともに、映像記録装置からの再送の要求に応じてバックアップメモリに記憶した圧縮映像データを送信するネットワーク映像出力部と、を備える構成とし、記映像記録装置が、ネットワークカメラからの圧縮映像データを受信するネットワーク映像入力部と、圧縮映像データを記憶する記憶部と、記憶部に圧縮映像データが記録されているか否かを順次判定し、所定時刻の圧縮映像データが記録されていない場合に、ネットワークカメラに該時刻の圧縮映像データの再送の要求をおこなう映像再生要求部と、を備える。当該構成とすることで、映像記録装置の映像情報を補間し記録抜けが防止できるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015−95705
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のとおり、ネットワークカメラからの映像データを圧縮し記録することで、後に任意に圧縮映像データを再生することができ、監視用途のみならず、たとえば講義を録画しオンデマンドで再生するビデオ学習システム等、後日任意に画像を再生する用途に広く適用することができる。これら画像を記録し再生するシステムでは、多くの画像データを記録できることが好ましく、そのためには、ハードディスクドライブ等外部記憶装置の容量を大きくするとともに、個々の画像データの容量を小さくするデータ圧縮が必要になる。
【0005】
ネットワークカメラからの映像データをリアルタイムで配信するには、ネットワークカメラから出力されるストリームデータを圧縮するためのタイムラグは許容されないので、リアルタイムに圧縮処理が進行するようコンピュータの処理能力を高める必要がある。この場合、ハードウェアの価格が高価になる問題がある。一方、ネットワークカメラからの映像データをオンデマンドで配信する場合には、リアルタイム処理で要求される程の処理能力は要求されない。このため、コンピュータの性能を下げることが可能になり、ハードウェア価格を低く抑えることが可能になる。
【0006】
しかしながら、オンデマンド配信の場合であっても、録画終了後のできるだけ早いタイミングに配信可能にできることが好ましく、その観点から圧縮処理にかかる時間は短い方が好ましい。本発明の目的は、コンピュータの処理能力があまり高くない場合であっても、圧縮処理にかかる時間が短縮可能な技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様においては、通信ネットワークと、複数の撮像デバイスと、コンピュータシステムとを有し、前記複数の撮像デバイスのそれぞれと前記コンピュータシステムとが前記通信ネットワークを介して接続され、前記複数の撮像デバイスのそれぞれが、画像データを含むストリームデータを出力し、前記コンピュータシステムが、前記ストリームデータを受信する受信部と、受信した前記ストリームデータを記録するストリームデータ記録部と、前記ストリームデータ記録部に記録された前記ストリームデータを前記ストリームデータ記録部から読み出し、読み出した前記ストリームデータを圧縮するデータ圧縮部と、を有し、前記データ圧縮部における圧縮処理が、コア数がnのマルチコアユニットを用いて実行され、前記データ圧縮部における前記圧縮処理が、(n−2)個のストリームデータを対象に実行されるネットワークシステムを提供する。前記通信ネットワークに接続された端末システムをさらに有し、前記コンピュータシステムが、前記データ圧縮部で圧縮された圧縮データを記録する圧縮データ記録部と、前記圧縮データ記録部に記録された前記圧縮データを、前記端末システムに送信する圧縮データ送信部と、をさらに有してもよい。
【0008】
本発明の第2の態様においては、通信ネットワークに接続され、前記通信ネットワークを介して複数の撮像デバイスから画像データを含むストリームデータを受信するコンピュータシステムであって、前記ストリームデータを受信する受信部と、受信した前記ストリームデータを記録するストリームデータ記録部と、前記ストリームデータ記録部に記録された前記ストリームデータを前記ストリームデータ記録部から読み出し、読み出した前記ストリームデータを圧縮するデータ圧縮部と、を有し、前記データ圧縮部における圧縮処理が、コア数がnのマルチコアユニットを用いて実行され、前記データ圧縮部における前記圧縮処理が、(n−2)個のストリームデータを対象に実行されるコンピュータシステムを提供する。前記データ圧縮部で圧縮された圧縮データを記録する圧縮データ記録部と、前記圧縮データ記録部に記録された前記圧縮データを、前記通信ネットワークに接続された端末システムに送信する圧縮データ送信部と、をさらに有してもよい。
【0009】
本発明の第3の態様においては、通信ネットワークに接続され、前記通信ネットワークを介して複数の撮像デバイスから画像データを含むストリームデータを受信するコンピュータシステムを用いた画像データの記録方法であって、前記ストリームデータを受信するステップと、受信した前記ストリームデータをストリームデータ記録部に記録するステップと、前記ストリームデータ記録部に記録された前記ストリームデータを前記ストリームデータ記録部から読み出し、読み出した前記ストリームデータを圧縮するステップと、を有し、前記データ圧縮部における圧縮処理が、コア数がnのマルチコアユニットを用いて実行され、前記データ圧縮部における前記圧縮処理が、(n−2)個のストリームデータを対象に実行される画像データの記録方法を提供する。前記圧縮データを圧縮データ記録部に記録するステップと、前記圧縮データ記録部に記録された前記圧縮データを、前記通信ネットワークに接続された端末システムに送信するステップと、をさらに有してもよい。
【0010】
本発明の第3の態様においては、通信ネットワークに接続され、前記通信ネットワークを介して複数の撮像デバイスから画像データを含むストリームデータを受信するコンピュータシステムに、前記ストリームデータを受信する機能と、受信した前記ストリームデータをストリームデータ記録部に記録する機能と、前記ストリームデータ記録部に記録された前記ストリームデータを前記ストリームデータ記録部から読み出し、読み出した前記ストリームデータを圧縮する機能と、を実現させるためのプログラムであって、前記データ圧縮部における圧縮処理が、コア数がnのマルチコアユニットを用いて実行され、前記データ圧縮部における前記圧縮処理が、(n−2)個のストリームデータを対象に実行されるプログラムを提供する。前記圧縮データを圧縮データ記録部に記録する機能と、前記圧縮データ記録部に記録された前記圧縮データを、前記通信ネットワークに接続された端末システムに送信する機能と、をさらに実現させるためのものであってもよい。
【0011】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】ネットワークシステム100を示す概念図である。
図2】コンピュータシステム106のハードウェア構成の一例を示したブロック図である。
図3】コンピュータシステム106の機能構成の一例を示したブロック図である。
図4】ネットワークシステム100における録画処理と圧縮処理の一例を示したフロー図である。
図5】実施例における録画処理および圧縮処理のタイミングを示した図である。
図6】実施例における圧縮処理のタイミング示した図である。
図7】比較例における圧縮処理のタイミング示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0014】
図1は、本発明の一実施の形態であるネットワークシステム100を示す概念図である。ネットワークシステム100は、通信ネットワーク102、撮像デバイス104、コンピュータシステム106および端末システム108を有する。通信ネットワーク102は、たとえばインターネットであり、撮像デバイス104は、たとえばネットワークカメラである。コンピュータシステム106は、たとえばサーバシステムであり、端末システム108は、たとえばデスクトップコンピュータ、ノートパソコン等通常のコンピュータシステムの他、スマートフォン、タブレット等の携帯端末が例示できる。
【0015】
撮像デバイス104は、画像データを含むストリームデータを出力する。通信ネットワーク102には複数の撮像デバイス104が接続され、複数の撮像デバイス104のそれぞれは、通信ネットワーク102を介してコンピュータシステム106にストリームデータを送信する。コンピュータシステム106は、撮像デバイス104から受信したストリームデータを圧縮処理して圧縮データを生成し、通信ネットワーク102を介して送信された圧縮データは端末システム108で再生され、画像表示される。
【0016】
図2は、コンピュータシステム106のハードウェア構成の一例を示したブロック図である。コンピュータシステム106は、マルチコアユニットであるCPU110を有する。CPU110は、複数のCPUコア112を備え、CPUコア112毎の二次キャッシュ114、GPU116、共有キャッシュ118およびコントローラ120を有する。
【0017】
CPUコア112および二次キャッシュ114、GPU116および共有キャッシュ118は内部バス122を介してコントローラ120に接続される。コンピュータシステム106は、また、DRAM124、高速バス126、バスコントローラ128を介した外部バス130およびディスプレイ132を有する。
【0018】
DRAM124、高速バス126、バスコントローラ128およびディスプレイ132は、コントローラ120により制御される。高速バス126には、たとえば、グラフィックカード134およびPCIエクスプレスデバイス136が接続され、外部バス130には、たとえば、HDD/SSDコントローラ138を介したHDD/SSD140、I/Oコントローラ142を介したキーボード・マウス等の入力デバイス144、USBインターフェイス146、LANインターフェイス148を介したLANカード150等が接続される。
【0019】
図3は、コンピュータシステム106の機能構成の一例を示したブロック図である。コンピュータシステム106は、ストリームデータ受信部160、ストリームデータ記録部162、データ圧縮部164、圧縮データ記録部166、圧縮データ送信部168、スケジュールデータ入力部170および制御部172を有する。
【0020】
ストリームデータ受信部160は、撮像デバイス104が出力したストリームデータを受信する。ストリームデータ受信部160が受信したストリームデータは、ストリームデータ記録部162に一旦記録され、ストリームデータ記録部162に記録されたストリームデータは、データ圧縮部164で圧縮処理されて圧縮データに変換される。変換された圧縮データは圧縮データ記録部166に記録される。そして、圧縮データ記録部166に記録された圧縮データは、端末システム108からの要求に応じ、圧縮データ送信部168を通じて送信される。圧縮データが圧縮データ記録部166に記録されるまでの一連の処理は、スケジュールデータ入力部170から入力されたスケジュールデータに従って進行され、制御部172は上記各部を制御する。
【0021】
ストリームデータ受信部160および圧縮データ送信部168の機能は、主にLANインターフェイス148およびLANカード150のような通信機能を担うハードウェア構成によって実現される。ストリームデータ記録部162および圧縮データ記録部166の機能は、主にHDD/SSDコントローラ138およびHDD/SSD140のようなデータ記録機能を担うハードウェア構成によって実現される。データ圧縮部164および制御部172の機能は、主にCPU110のような演算機能を担うハードウェア構成によって実現される。
【0022】
データ圧縮部164におけるストリームデータの圧縮処理は、マルチコアユニットであるCPU110を用いて実行され、CPUコア112の数(コア数)がnである場合、圧縮処理は、(n−2)個のストリームデータを対象に実行される。すなわち、ストリームデータの圧縮処理にかかる並列処理数を、コア数nから2減じた(n−2)に制限する。圧縮処理の並列処理数をコア数から2減じた数に制限することで、圧縮処理の演算を効率良く進め、複数の撮像デバイス104から受信したストリームデータの全てを圧縮処理して全ての圧縮データを生成し終わるまでの時間を短縮することができる。これにより、コストパフォーマンスに優れた画像データの録画配信システムを構築することができる。
【0023】
図4は、ネットワークシステム100における録画処理と圧縮処理の一例を示したフロー図である。録画処理の開始において、まず、スケジュールデータを入力する(ステップ180)。スケジュールデータにおいては、複数のカメラ(撮像デバイス104)についての録画の開始時間および終了時間を指定する。
【0024】
複数のカメラ(カメラ1〜p)のそれぞれにおいて、スケジュールに従い録画が開始される(ステップ182)。各カメラからのストリームデータは、順次コンピュータシステム106によって受信され、記録される(ステップ184)。録画の終了時間に至り、スケジュールに従って録画は終了する(ステップ188)。なお、録画の終了後、各カメラからのストリームデータ186は、コンピュータシステム106のHDD/SSD140に保持される。各カメラにおける録画処理が終了すると、当該カメラからのストリームデータを圧縮する圧縮処理に移行する(ステップ190)。
【0025】
圧縮処理では、圧縮処理の準備が整っている処理可能なストリームデータがあるかを判断し(ステップ192)、ある場合には、現に行っている圧縮処理の並列実行数が、コア数−2に満たないかを判断する(ステップ194)。圧縮処理の並列実行数がコア数−2に満たない場合には並列処理の一つとして圧縮処理の実行を開始し、そうでない場合(並列実行数がコア数−2に等しい場合)には、現に並列処理している何れかの処理が終了まで待機する。たとえばコア数が6である場合、並列処理数が6−2=4に満たない場合には圧縮処理を実行し、並列処理数が4である場合には実行を待機する。
【0026】
並列処理の一つとしての各圧縮処理(処理1〜q)では、ストリームデータ186をHDD/SSD140から読み出し(ステップ196)、読み出したストリームデータ186を圧縮する演算処理を実行する(ステップ198)。圧縮処理として、たとえばH.264規格に則った圧縮処理を例示することができる。圧縮処理によって生成された圧縮データ202をHDD/SSD140に記録し(ステップ200)、処理を終了する(ステップ204)。HDD/SSD140に記録された圧縮データ202は、端末システム108からの要求に応じ、通信ネットワーク102を介して配信することができる。
【0027】
(実施例)
図5は、実施例における録画処理および圧縮処理のタイミングを示した図であり、図6は、判別しやすいように圧縮処理のタイミングだけを抜き出して示した図である。本実施例において、撮像デバイス104(カメラ)は12台とし、コンピュータシステム106におけるCPU110のコア数は6とした。12台のカメラで同時に第1の録画を開始し、開始から3.5時間後に当該録画処理を終了した(録画処理1)。その後すぐに第2の録画を開始し1時間後に当該録画処理を終了した(録画処理2)。なお、図中、圧縮処理1は、カメラ01〜04の録画処理1によって得られた4つのストリームデータについての圧縮処理であり、圧縮処理2は、カメラ05〜08の録画処理1によって得られた4つのストリームデータについての圧縮処理である。同様に、圧縮処理3〜6は、それぞれ、カメラ09〜12の録画処理1によって、カメラ01〜04の録画処理2によって、カメラ05〜08の録画処理2によって、カメラ09〜12の録画処理2によって、各々得られた4つのストリームデータについての圧縮処理である。
【0028】
録画処理1が終了した段階で、圧縮処理可能なストリームデータは12個存在することになるが、本実施例におけるCPU110のコア数は6であることから、並列処理できる数は6−2=4に限られる。このため、まず、カメラ01〜04の録画処理1によって得られた4つのストリームデータについて圧縮処理(圧縮処理1)が実行され、圧縮処理1は概ね処理開始から72分後に終了した。この段階で並列実行数は0であることから、4つのストリームデータについて圧縮処理が可能となる。このため、カメラ05〜08の録画処理1によって得られた4つのストリームデータについて圧縮処理(圧縮処理2)が実行され、圧縮処理2は概ね処理開始から67分後に終了した。以降同様に、並列実行数が4を超えないように圧縮処理3〜6が実行され、全ての圧縮処理は圧縮処理1の開始から264分後に終了した。
【0029】
図7は、比較例における圧縮処理のタイミングを示した図である。比較例は、実施例と同じコンピュータシステム106を用い、実施例同様の録画処理の後、圧縮処理における並列実行数をコア数と同じ6とした。図中、圧縮処理7は、カメラ01〜06の録画処理1によって得られた4つのストリームデータについての圧縮処理であり、圧縮処理8は、カメラ07〜12の録画処理1によって得られた4つのストリームデータについての圧縮処理である。圧縮処理7は、処理開始から123分〜137分で終了し、圧縮処理8は、同様に122分〜135分の範囲で終了している。並列実行される各処理において終了時刻が一致していないことから、録画処理2によって得られたストリームデータについては、並列実行されている各圧縮処理が完了するごとに、次の圧縮処理が順次開始され、最後の圧縮処理の完了は、圧縮処理7の開始から327分後である。
【0030】
実施例と比較例を対比すると、実施例の圧縮処理は、比較例の圧縮処理より63分早く処理が完了しており、圧縮処理において約20%、録画および圧縮処理の全体において約12%の時間短縮が達成できているといえる。
【0031】
以上説明のとおり、本発明によれば、圧縮処理にかかる時間を短縮でき、コストパフォーマンスに優れた画像データの録画配信システムを構築することが可能になる。
【0032】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0033】
また、実施形態において説明したネットワークシステム100、ネットワークシステム100における処理方法の発明は、ネットワークシステム100におけるコンピュータシステム106の発明、またはコンピュータシステム106で実行可能なプログラムとして把握することも可能である。
【0034】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラムおよび方法における動作、手順、ステップおよび段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書および図面中の動作フローに関して便宜上「まず」、「次に」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0035】
100…ネットワークシステム、102…通信ネットワーク、104…撮像デバイス、106…コンピュータシステム、108…端末システム、110…CPU、112…CPUコア、114…二次キャッシュ、118…共有キャッシュ、120…コントローラ、122…内部バス、124…DRAM、126…高速バス、128…バスコントローラ、130…外部バス、132…ディスプレイ、134…グラフィックカード、136…PCIエクスプレスデバイス、138…HDD/SSDコントローラ、140…HDD/SSD、142…I/Oコントローラ、144…入力デバイス、146…USBインターフェイス、148…LANインターフェイス、150…LANカード、160…ストリームデータ受信部、162…ストリームデータ記録部、164…データ圧縮部、166…圧縮データ記録部、168…圧縮データ送信部、170…スケジュールデータ入力部、172…制御部、186…ストリームデータ、202…圧縮データ、n…コア数。
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図1