特開2017-114075(P2017-114075A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-114075(P2017-114075A)
(43)【公開日】2017年6月29日
(54)【発明の名称】ゴム組成物の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B29B 7/42 20060101AFI20170602BHJP
   B29B 7/48 20060101ALI20170602BHJP
   B01F 7/10 20060101ALI20170602BHJP
   B01F 7/02 20060101ALI20170602BHJP
【FI】
   B29B7/42
   B29B7/48
   B01F7/10
   B01F7/02 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2015-254577(P2015-254577)
(22)【出願日】2015年12月25日
(71)【出願人】
【識別番号】000003148
【氏名又は名称】東洋ゴム工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】永江 太一
【テーマコード(参考)】
4F201
4G078
【Fターム(参考)】
4F201AA45
4F201AB03
4F201BA01
4F201BK13
4F201BK25
4F201BK26
4F201BK33
4F201BK34
4F201BK38
4F201BK40
4F201BK49
4F201BK75
4G078AA03
4G078AB07
4G078BA01
4G078BA07
4G078BA09
4G078CA01
4G078CA08
4G078DA23
4G078EA10
(57)【要約】
【課題】連続式混練機を用いて被混練物を混練する際、被混練物に均一かつ大きなせん断力を与えることにより、被混練物中の充填剤などの配合剤の分散性を高めたゴム組成物を製造すること。
【解決手段】バレルと、バレルに回転可能に支持されたスクリューとを備えた連続式混練機を用いたゴム組成物の製造方法。スクリューは、複数のセグメントで構成されており、少なくとも一つのニーディングディスクが配置されたニーディングセグメントを備えるものであり、バレルは、ニーディングセグメントとスクリュー軸方向同位置に配置され、一端がバレルの内壁に固定され、他端がニーディングディスク間の空隙に突出するピン部材を備える。混練前に予め、ニーディングディスクとピン部材との隙間間隔と、原料ペレットの粒径とを最適化する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続式混練機を用いたゴム組成物の製造方法であって、
前記連続式混練機は、
上流側に少なくとも原料ペレットを供給するための主ホッパー口を有し、下流側に前記原料ペレットを含む被混練物を排出する排出口を有するバレルと、前記バレルに回転可能に支持されたスクリューとを備え、
前記スクリューは、複数のセグメントで構成されており、少なくとも一つのニーディングディスクが配置されたニーディングセグメントを備えるものであり、
前記バレルは、前記ニーディングセグメントとスクリュー軸方向同位置に配置され、一端が前記バレルの内壁に固定され、他端が前記ニーディングディスク間の空隙に突出するピン部材を備えるものであり、
混練前に予め、前記ニーディングディスクと前記ピン部材との隙間間隔と、前記原料ペレットの粒径とを最適化する予備工程を有することを特徴とするゴム組成物の製造方法。
【請求項2】
前記予備工程において、前記ニーディングディスクと前記ピン部材との隙間間隔をα、前記原料ペレットの粒径をβとしたとき、1.2α≦β≦30αに設定することを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物の製造方法。
【請求項3】
前記バレルが、前記主ホッパー口よりも下流側に副ホッパー口を少なくとも備えるものであり、前記副ホッパー口から加硫系配合剤を供給することにより、前記ゴム組成物のノンプロ練り工程およびファイナル練り工程を連続的に行うことを特徴とする請求項1または2に記載のゴム組成物の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
一般に、ゴム製品の原料となるゴム組成物は、少なくとも以下の2つの工程を経て製造される。
(ノンプロ練り工程)
必要に応じてペレット化されたゴム成分に、充填剤、ステアリン酸、亜鉛華、老化防止剤など、加硫系配合剤以外の配合剤を投入し、混練機を使用して練る工程。ノンプロ練り工程において、これらの配合剤がゴム成分に混ざることにより、加硫後のゴム製品の強度を高める、ゴムの混練加工性を良好なものとする、ゴム分子鎖の切断により生じたラジカルに起因するゴムの劣化を防止する、などの効果が得られる。
(ファイナル練り工程)
ノンプロ練り工程後に得られたゴム組成物に、硫黄などの加硫剤や加硫促進剤といった加硫系配合剤を投入し、全体を練り混ぜる。ファイナル練り工程後に得られたゴム組成物を所定温度以上に加熱すると、ゴム組成物中の加硫剤はゴム分子と反応し、ゴム分子間に橋架け構造を形成して分子が三次元ネットワーク化し、ゴム弾性が付与される。
【0002】
上記の2つの工程は、一般に連続して行われるものではなく、バッチ式の混練機を用いて断続的に行われることが多い。例えばノンプロ練り工程後に得られたゴム成分は、一旦混練機から排出され、再度、他の混練機内に投入された後、ファイナル練り工程が行われる場合が多い。しかしながら、ノンプロ練り工程後に一旦排出され、室温付近まで冷やされたゴム成分を、ファイナル練り工程において再度、加熱しつつ混練する場合、その生産性は必然的に低下する。また、各工程で得られたゴム成分などを次の工程に移すまでの間、一定の場所に保管する必要があり、この仕掛品によるスペース占有の問題は、生産コストの悪化に繋がる。また、ノンプロ練り工程、ファイナル練り工程において再度、加熱しつつ混練する場合、無駄なエネルギーを費やすことになり、一旦冷えた状態のゴム成分に機械的エネルギーを付与して混練すると、加熱によるゴム粘度の低減が十分でないことから、少なくともゴム成分の一部分に高せん断力が付与される。その結果、ポリマー分子が過度に切断され、最終的に得られる加硫ゴムの引張応力などが低下するなどの問題がある。
【0003】
下記特許文献1では、連続混練装置を用いて、原料ゴムなどを混練する際、ロータ本体の外周に押出方向へ連続的に捻れた長翼とロータ本体軸端より延びる一個以上の短翼とを備え、短翼の長さをロータ本体の長さの1/2よりも短くしてなると共に、混練ロータの上流あるいは下流側の少なくとも一方に、不連続に断面形状が変化するニーディングディスクを配置した混練ロータを組み込んだスクリューを備える連続混練装置を使用する技術を報告している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−201311号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、投入される原料ゴムがペレット化されている場合、混練部で最適なせん断力が付与されず、充填剤などの配合剤の分散性が不十分になることが懸念されることが判明した。
【0006】
本発明は上記実情に鑑みて開発されたものであり、連続式混練機を用いて被混練物を混練する際、被混練物に均一かつ大きなせん断力を与えることにより、被混練物中の充填剤などの配合剤の分散性を高めたゴム組成物を製造することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題は、下記構成により解決可能である。すなわち本発明は、連続式混練機を用いたゴム組成物の製造方法であって、前記連続式混練機は、上流側に少なくとも原料ペレットを供給するための主ホッパー口を有し、下流側に前記原料ペレットを含む被混練物を排出する排出口を有するバレルと、前記バレルに回転可能に支持されたスクリューとを備え、前記スクリューは、複数のセグメントで構成されており、少なくとも一つのニーディングディスクが配置されたニーディングセグメントを備えるものであり、前記バレルは、前記ニーディングセグメントとスクリュー軸方向同位置に配置され、一端が前記バレルの内壁に固定され、他端が前記ニーディングディスク間の空隙に突出するピン部材を備えるものであり、混練前に予め、前記ニーディングディスクと前記ピン部材との隙間間隔と、前記原料ペレットの粒径とを最適化する予備工程を有することを特徴とするゴム組成物の製造方法、に関する。
【0008】
本発明に係る製造方法によれば、ペレット化されたゴム成分などの原料ペレットを主ホッパー口から供給し、さらに主ホッパー口、あるいは任意のホッパー口から充填剤などの配合剤を投入する。これらの成分が下流側に向かってバレル内で押し出され、少なくとも一つのニーディングディスクが配置されたニーディングセグメントに到達すると、原料ペレットおよび配合剤にせん断力が付与され、配合剤がゴム成分中に分散する。
【0009】
ここで、本発明においては、混練前に予め、スクリューを構成するニーディングディスクとバレルに配置されたピン部材との隙間間隔と、原料ペレットの粒径とを最適化する予備工程を有する。これにより、スクリューを構成するニーディングディスクとバレルに配置されたピン部材との隙間で、原料ペレットおよび配合剤に均一かつ大きなせん断力を付与することができる。その結果、ゴム成分中の充填剤などの配合剤の分散性を高めたゴム組成物を製造することができる。
【0010】
前記ゴム組成物の製造方法において、前記予備工程において、前記ニーディングディスクと前記ピン部材との隙間間隔をα、前記原料ペレットの粒径をβとしたとき、1.2α≦β≦30αに設定することが好ましい。予備工程において、ニーディングディスクとピン部材との隙間間隔αと原料ペレットの粒径βとを所定の比率に設定することにより、ゴム成分中の充填剤などの配合剤の分散性をさらに高めたゴム組成物を製造することができる。
【0011】
前記ゴム組成物の製造方法において、前記バレルが、前記主ホッパー口よりも下流側に副ホッパー口を備えるものであり、前記副ホッパー口から加硫系配合剤を供給することにより、前記ゴム組成物のノンプロ練り工程およびファイナル練り工程を連続的に行うことが好ましい。前述のとおり、上記製造方法によれば、ゴム成分中に充填剤などの配合剤を効率良く高いレベルで分散させることができる。これにより、混練の際、必要以上の発熱を抑えることが可能となるため、ノンプロ練り工程およびファイナル練り工程を連続的に行うことができる。その結果、ゴム組成物の生産性が特に向上するとともに、ノンプロ練り工程を経た仕掛品が無くなることから、省スペース化も図れる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に係る製造方法において使用可能な単軸の連続式混練機の一例
図2】前記単軸押出機が備えるスクリューを構成するニーディングセグメントの平断面図の一例
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、連続式混練機を用いたゴム組成物の製造方法に関し、連続混練機として、上流側に少なくとも原料ペレットを供給するための主ホッパー口を有し、下流側に原料ペレットを含む被混練物を排出する排出口を有するバレルと、バレルに回転可能に支持されたスクリューとを備えるものを使用する。
【0014】
連続式混練機は、スクリューを一つ有する単軸押出機であっても良く、2本のスクリューを有する二軸押出機であっても良く、3本以上、例えば12本のスクリューをリング状に配置した押出機であっても良い。以下の実施形態では、単軸押出機を例に挙げて説明する。
【0015】
図1は、本発明に係る製造方法において使用可能な単軸の連続式混練機(以下、単に「単軸押出機」ともいう)の一例を示す。単軸押出機1は、上流側(図面左側)に少なくとも、ゴム成分やポリマー成分の原料ペレット、さらには必要に応じてカーボンブラックやシリカなどの充填剤を供給するための主ホッパー口4を有し、投入された原料ペレットや充填剤などの被混練物を混練しつつ、押出方向Fに向かって被混練物を押し出し、下流側(図面右側)の排出口より被混練物を排出するバレル3を備える。本実施形態では、バレル3は主ホッパー口4よりも下流側にシランカップリング剤やオイルなどを供給可能な液体注入装置6を備え、さらに主ホッパー口4よりも下流側に副ホッパー口5を備える。副ホッパー口5からは、加硫系配合剤を供給することが可能であり、適切なセグメント構成を行うことにより、主ホッパー口4から副ホッパー口5手前までの間でノンプロ練り工程を完了し、副ホッパー口5から排出口までの間でファイナル練り工程を完了することができる。これにより、ゴム組成物の生産性が特に向上するとともに、ノンプロ練り工程を経た仕掛品が無くなることから、省スペース化も図れる。
【0016】
さらに、単軸押出機1は、バレル3に回転可能に支持されたスクリュー2を備える。かかる単軸押出機1のスクリュー2形状やバレル3の長さ(L)・バレル径(D)は、通常のゴム業界で使用される任意の単軸押出機が使用可能であり、さらにはバレル長さと外筒径との比率(L/D)も任意に設定可能である。また、スクリュー2は加熱式スクリューであっても良い。
【0017】
スクリュー2は、複数のセグメントで構成されており、例えば原料ペレットなどの搬送を目的とした螺旋ねじ(フライト)のみからなるフルフライトが配置されたセグメント、さらには少なくとも一つのニーディングディスクが配置されたニーディングセグメントを備える。図2(i)に、単軸押出機1が備えるスクリュー2を構成するニーディングセグメント20の平断面図の一例を示す。ニーディングセグメント20には、少なくとも一つのニーディングディスク21が配置されており、ニーディングセグメント20を通過する間、原料ペレットおよび配合剤などの被混練物は、均一かつ大きなせん断力を受ける。原料となるゴム成分の熱劣化を防止しつつ、配合剤の分散性を高める見地から、スクリュー2全長に対するニーディングセグメント20長さの比率としては、例えば0.5〜60%、好ましくは0.5〜45%が挙げられる。
【0018】
特に本発明では、バレル3は、ニーディングセグメント20とスクリュー軸方向Fで同じ位置に配置され、一端がバレル3の内壁に固定され、他端がニーディングディスク21間の空隙に突出するピン部材31を有するため、スクリュー2を構成するニーディングディスク21とバレル3に配置されたピン部材31との隙間で、原料ペレットおよび配合剤に均一かつ大きなせん断力を付与することができる。
【0019】
本発明においては、ゴム組成物を製造する前に、使用する原料ペレットの平均粒径を算出し、この平均粒径と、ニーディングディスク21とピン部材31との隙間間隔とを最適化する予備工程を設けることにより、原料ペレットおよび配合剤に対し、特に均一かつ大きなせん断力を付与することができる。特に、図2(ii)に示すとおり、ニーディングディスク21とピン部材31との隙間間隔をα、原料ペレットの粒径をβとしたとき、1.2α≦β≦30αに設定となるように最適化した場合、ゴム成分中の充填剤などの配合剤の分散性をさらに高めたゴム組成物を製造することができる。
【0020】
本発明において製造するゴム組成物の原料としては、当業者に公知のものを使用可能である。
【0021】
ペレット化したポリマー成分(ゴム成分)としては、例えばジエン系ゴムが挙げられ、ジエン系ゴムとしては、天然ゴム(NR)、ポリイソプレンゴム(IR)、ポリスチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、クロロプレンゴム(CR)、ニトリルゴム(NBR)などが挙げられる。必要に応じて、末端を変性したもの(例えば、末端変性BR、末端変性SBRなど)、あるいは所望の特性を付与すべく改質したもの(例えば、改質NR)も好適に使用可能である。
【0022】
充填剤としては、代表的にはカーボンブラックが挙げられ、例えばSAF、ISAF、HAF、FEF、GPFなど、通常のゴム工業で使用されるカーボンブラックの他、アセチレンブラックやケッチェンブラックなどの導電性カーボンブラックを使用することができる。また、カーボンブラックに加えてシリカなどの無機充填剤を併用可能である。
【0023】
充填剤以外の配合剤としては、シランカップリング剤、老化防止剤、酸化亜鉛、ステアリン酸、ワックス、オイルなどの軟化剤、加工助剤、有機酸金属塩、メチレン受容体とメチレン供与体などが挙げられる。
【0024】
有機酸金属塩としては、ナフテン酸コバルト、ステアリン酸コバルト、ホウ酸コバルト、オレイン酸コバルト、マレイン酸コバルト、ホウ酸三ネオデカン酸コバルトなどが挙げられる。
【0025】
メチレン受容体としては、フェノール類化合物、またはフェノール類化合物をホルムアルデヒドで縮合したフェノール系樹脂が用いられる。かかるフェノール類化合物としては、フェノール、レゾルシンまたはこれらのアルキル誘導体が含まれる。アルキル誘導体には、クレゾール、キシレノールなどのメチル基誘導体、ノニルフェノール、オクチルフェノールなどの長鎖アルキル基による誘導体が含まれる。フェノール類化合物は、アセチル基などのアシル基を置換基に含むものであってもよい。
【0026】
また、フェノール類化合物をホルムアルデヒドで縮合したフェノール系樹脂には、レゾルシン−ホルムアルデヒド樹脂、フェノール樹脂(フェノール−ホルムアルデヒド樹脂)、クレゾール樹脂(クレゾール−ホルムアルデヒド樹脂)など、さらには複数のフェノール類化合物からなるホルムアルデヒド樹脂などが含まれる。これらは、未硬化の樹脂であって、液状または熱流動性を有するものが用いられる。
【0027】
これらの中でも、ゴム成分や他の成分との相溶性、硬化後の樹脂の緻密さ、さらには信頼性の見地から、メチレン受容体としてはレゾルシンまたはレゾルシン誘導体が好ましく、特には、レゾルシン、またはレゾルシン−アルキルフェノール−ホルマリン樹脂が好ましい。
【0028】
上記メチレン供与体としては、ヘキサメチレンテトラミンまたはメラミン樹脂が用いられる。かかるメラミン樹脂としては、例えば、メチロールメラミン、メチロールメラミンの部分エーテル化物、メラミンとホルムアルデヒドとメタノールの縮合物などが用いられ、その中でもヘキサメトキシメチルメラミンが特に好ましい。
【0029】
老化防止剤としては、ゴム用として通常用いられる、芳香族アミン系老化防止剤、アミン−ケトン系老化防止剤、モノフェノール系老化防止剤、ビスフェノール系老化防止剤、ポリフェノール系老化防止剤、ジチオカルバミン酸塩系老化防止剤、チオウレア系老化防止剤などの老化防止剤を単独、または適宜混合して使用しても良い。
【0030】
加硫系配合剤としては、硫黄系加硫剤や加硫促進剤が挙げられる。硫黄系加硫剤としての硫黄は通常のゴム用硫黄であればよく、例えば粉末硫黄、沈降硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄などを用いることができる。加硫促進剤としては、ゴム加硫用として通常用いられる、スルフェンアミド系加硫促進剤、チウラム系加硫促進剤、チアゾール系加硫促進剤、チオウレア系加硫促進剤、グアニジン系加硫促進剤、ジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤などの加硫促進剤を単独、または適宜混合して使用しても良い。
【実施例】
【0031】
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
ニーディングディスクとピン部材との隙間間隔をα、原料ペレットの粒径をβとしたとき、β=α、β=1.2α、β=30α、β=40αに設定した原料ペレットを作製した。得られたペレットと所定の配合処方に基づき、単軸押出機1へ投入し混練し、各混練りゴムを得た。これらの分散、物性を測定したところ、β=1.2α、β=30α、が最も混練に適していた。
【0032】
(ペレットの平均粒径の測定方法)
原料ペレットから30個ランダムにサンプルを採取し、各サンプルについて定方向接線径を測定し、平均粒径とした。
【符号の説明】
【0033】
1 単軸押出機
2 スクリュー
3 バレル
4 主ホッパー
5 副ホッパー
6 液体注入装置
20 ニーディングセグメント
21 ニーディングディスク
31 ピン部材
図1
図2