特開2017-114212(P2017-114212A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東洋ゴム工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特開2017114212-空気入りタイヤ 図000003
  • 特開2017114212-空気入りタイヤ 図000004
  • 特開2017114212-空気入りタイヤ 図000005
  • 特開2017114212-空気入りタイヤ 図000006
  • 特開2017114212-空気入りタイヤ 図000007
  • 特開2017114212-空気入りタイヤ 図000008
  • 特開2017114212-空気入りタイヤ 図000009
  • 特開2017114212-空気入りタイヤ 図000010
  • 特開2017114212-空気入りタイヤ 図000011
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-114212(P2017-114212A)
(43)【公開日】2017年6月29日
(54)【発明の名称】空気入りタイヤ
(51)【国際特許分類】
   B60C 11/03 20060101AFI20170602BHJP
   B60C 11/01 20060101ALI20170602BHJP
【FI】
   B60C11/03 300E
   B60C11/01 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-249791(P2015-249791)
(22)【出願日】2015年12月22日
(71)【出願人】
【識別番号】000003148
【氏名又は名称】東洋ゴム工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100158
【弁理士】
【氏名又は名称】鮫島 睦
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【弁理士】
【氏名又は名称】前堀 義之
(72)【発明者】
【氏名】▲桑▼野 慎吾
(57)【要約】
【課題】空気入りタイヤにおいて、サイド部で効果的にトラクションを得る。
【解決手段】タイヤ1は、トレッドショルダ部2aからタイヤ径方向内側に向けて延びるようにサイド部3に設けられた、第1サイドブロック5と、第2サイドブロック6とを備える。第1サイドブロック5と第2サイドブロック6とは、タイヤ周方向に交互に配置される。第1サイドブロック5はタイヤ径方向最側にサイド面に対して窪んだ凹部5bを備える。第1領域A1では、第2サイドブロック6が第1サイドブロック5よりもタイヤ幅方向外側に突出する。第1領域A1よりもタイヤ径方向内側の第2領域A2では、第1サイドブロック5が第2サイドブロック6よりもタイヤ幅方向外側に突出する。第2領域A2よりもタイヤ径方向内側の第3領域A3では、第2サイドブロック6が第1サイドブロック5よりもタイヤ幅方向外側に突出する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トレッドショルダ部からタイヤ径方向内側に向けて延びるようにサイド部にそれぞれ設けられた、複数の第1サイドブロックと、複数の第2サイドブロックとを備え、
前記第1サイドブロックと前記第2サイドブロックとは、タイヤ周方向に交互に配置され、
前記第1サイドブロックはタイヤ径方向外側にサイド面に対して窪んだ凹部を備え、
前記1サイドブロックの前記凹部を含むタイヤ周方向の第1領域では、前記第2サイドブロックが前記第1サイドブロックよりもタイヤ幅方向外側に突出し、
前記第1領域よりもタイヤ径方向内側には、前記第1サイドブロックが前記第2サイドブロックよりもタイヤ幅方向外側に突出する第2領域が設けられ、
前記第2領域よりもタイヤ径方向内側には、前記第2サイドブロックが前記第1サイドブロックよりもタイヤ幅方向外側に突出する第3領域が設けられている、空気入りタイヤ。
【請求項2】
前記第2サイドブロックは、本体と、前記本体のタイヤ周方向に隣接してタイヤ径方向に延びるように設けられた補助部とを備え、前記本体と補助部との間に補助段差が形成されている、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
【請求項3】
前記第2サイドブロックには、タイヤ径方向に延びる補助エッジが形成されている、請求項1又は請求項2に記載の空気入りタイヤ。
【請求項4】
タイヤ周方向に隣接して配置された2個の前記第2サイドブロックは、タイヤ径方向に対称性を有するように設けられている、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気入りタイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、悪路走破性を考慮した空気入りタイヤが開示されている。この空気入りタイヤは、タイヤ周方向に交互に繰り返される2種類のブロックをサイド部に備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−264962号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されたものを含め、従来の空気入りタイヤでは、サイド部で効果的にトラクションを得ることについて十分に検討されていない。
【0005】
本発明は、空気入りタイヤにおいて、サイド部で効果的にトラクションを得ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、トレッドショルダ部からタイヤ径方向内側に向けて延びるようにサイド部にそれぞれ設けられた、複数の第1サイドブロックと、複数の第2サイドブロックとを備え、前記第1サイドブロックと前記第2サイドブロックとは、タイヤ周方向に交互に配置され、前記第1サイドブロックはタイヤ径方向外側にサイド面に対して窪んだ凹部を備え、前記1サイドブロックの前記凹部を含むタイヤ周方向の第1領域では、前記第2サイドブロックが前記第1サイドブロックよりもタイヤ幅方向外側に突出し、前記第1領域よりもタイヤ径方向内側には、前記第1サイドブロックが前記第2サイドブロックよりもタイヤ幅方向外側に突出する第2領域が設けられ、前記第2領域よりもタイヤ径方向内側には、前記第2サイドブロックが前記第1サイドブロックよりもタイヤ幅方向外側に突出する第3領域が設けられている、空気入りタイヤを提供する。
【0007】
第1領域では、第2サイドブロックが第1サイドブロックよりもタイヤ径方向外側に突出している。第1領域よりもタイヤ径方向内側に設けられた第2領域では、第1サイドブロックが第2サイドブロックよりもタイヤ径方向外側に突出している。第2領域よりもタイヤ径方向内側に設けられた第3領域では、第2サイドブロックが第1サイドブロックよりもタイヤ幅方向外側に突出している。つまり、第1サイドブロックと第2サイドブロックのうち一方が他方よりも突出する領域が3箇所設けられている。また、これらの領域で、第1サイドブロックと第2サイドブロックのうちいずれがよりタイヤ幅方向に突出するかは、タイヤ径方向外側から内側へ向けて交互に入り替わる。言い換えれば、タイヤ周方向に見たときに、第1サイドブロックと第2サイドブロックの一方が他方よりも突出する領域が、タイヤ径方向に3回交互に繰り返される。
【0008】
第1から第3領域では、第1サイドブロックと第2サイドブロックのうちいずれがタイヤ径方向に突出することでエッジが形成されるので、トラクション効果が得られる。また、第1サイドブロックと第2サイドブロックのうちいずれが、よりタイヤ幅方向外側に突出するかは、第1から第3領域で交互に入れ替わるので、これらの領域のうちのいずれかにおけるエッジによって、確実にトラクション効果が得られる。その結果、サイド部で効果的にトラクションを得ることができる。
【0009】
前記第2サイドブロックは、本体と、前記本体のタイヤ周方向に隣接してタイヤ径方向に延びるように設けられた補助部とを備え、前記本体と補助部との間に補助段差が形成されていてもよい。
【0010】
前記第2サイドブロックには、タイヤ径方向に延びる補助エッジが形成されていてもよい。
【0011】
これらの構成により、より効果的にサイド部でトランションを得ることができる。
【0012】
タイヤ周方向に隣接して配置された2個の前記第2サイドブロックは、タイヤ径方向に対称性を有するように設けられていてもよい。
【0013】
この構成により、タイヤの車体に対する装着姿勢が限定されない。
【発明の効果】
【0014】
本発明の空気入りタイヤによれば、サイド部で効果的にトラクションを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第1実施形態に係る空気入りタイヤの模式的な部分斜視図。
図2】本発明の第1実施形態に係る空気入りタイヤのサイド部の部分展開図。
図3図2のタイヤ径方向の部分断面図。
図4図2のIV−IV線での部分断面図。
図5図2のV−V線での部分断面図。
図6図2のVI−VI線での部分断面図。
図7】比較他例に係る空気入りタイヤのタイヤ径方向の部分断面図。
図8】他の比較他例に係る空気入りタイヤのタイヤ径方向の部分断面図。
図9】本発明の第2実施形態に係る空気入りタイヤのタイヤ径方向の部分断面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、添付図面を参照した本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0017】
(第1実施形態)
図1を参照すると、本発明の第1実施形態に係るゴム製の空気入りタイヤ(以下、タイヤという)1は、トレッドパターンが形成されたトレッド部2のタイヤ幅方向の両端部分(トレッドショルダ部2a,2a)からタイヤ径方向内側に向けて内側に延びる一対のサイド部3,3を備える。個々のサイド部3のタイヤ径方向最内側部には、ビード部4が設けられている。
【0018】
図2及び図3を併せて参照すると、トレッドショルダ部2aからタイヤ径方向内側に向けて延びるように、複数の第1サイドブロック5がサイド部3に設けられている。同様に、トレッドショルダ部2aからタイヤ径方向内側に向けて延びるように、複数の第2サイドブロック6がサイド部3に設けられている。第1サイドブロック5と第2サイドブロック6とは、タイヤ径方向に間隔をあけて交互に設けられている。図2において、符号Ceはトレッド部2のタイヤ幅方向の中心線を示す。
【0019】
図2から図4を参照すると、第1サイドブロック5は、タイヤ幅方向に見ると、概ねタイヤ径方向に延びる比較的短い帯状である。第1サイドブロック5は、最もトレッドショルダ部2a側からタイヤ径方向内側に向けて順に配置された、凸部5a、凹部5b、及び凸部5cを備える。図3及び図4において、符号11aはトレッド部2からサイド部3にかけてのタイヤ表面(トレッド面とサイド面の一部)を示し、符号11bはサイド面を示す。凹部5bはサイド面11bに対して窪んでいる。
【0020】
図2に示すように、第1サイドブロック5の凸部5aは、全体がトレッドショルダ部2aとサイド部3の境界Bよりもトレッドショルダ部2a側に配置されている。第1サイドブロック5の凹部5bは、一部がトレッドショルダ部2a側に配置され、残りの一部がサイド部3側に配置されている。言い換えれば、第1サイドブロック5の凹部5bは、境界Bを跨ぐように配置されている。第1サイドブロック5の凸部5cは、全体が境界Bよりもサイド部3側に配置されている。
【0021】
第1サイドブロック5では、凸部5aと凹部5bの境界5dは、概ねタイヤ周方向に延びるように設定されている。また、第1サイドブロック5では、凹部5bと凸部5cの境界5eも、概ねタイヤ周方向に延びるように設定されている。
【0022】
図2図3、及び図5を参照すると、第2サイドブロック6は、タイヤ幅方向に見ると、概ねタイヤ径方向に延びる比較的長い帯状である。図2に示すように、第2サイドブロック6は、本体7と、本体7にタイヤ周方向に隣接するように配置された補助部8とを備える。
【0023】
第2サイドブロック6の本体7は、最もトレッドショルダ部2a側からタイヤ径方向内側に向けて順に配置された凸部7a、凹部7b、凸部7c、凸部7d、及び凸部7eを備える。
【0024】
図2に示すように、本体7の凸部7aは、全体がトレッドショルダ部2aとサイド部3の境界Bよりもトレッドショルダ部2a側に配置されている。本体7の凸部7bは、一部がトレッドショルダ部2a側に配置され、残りの一部がサイド部3側に配置されている。本体7の凸部7cは一部がトレッドショルダ部2a側に配置され、残りの大部分がサイド部3側に配置されている。本体7の凸部7d,7eは、全体が境界Bよりもサイド部3側に配置されている。凸部7dは凸部7cよりもさらにタイヤ幅方向外側に突出している。凸部7eは本体7のタイヤ径方向最内側端に向けて、タイヤ幅方向外側への突出量が漸減している。
【0025】
第2サイドブロック6の本体7では、凸部7aと凹部7bの境界7fは、概ねタイヤ周方向に延びるように設定されている。本体7では、凸部7bと凸部7cの境界は、タイヤ周方向に延びるように設定された境界7g,7hと、これらの境界7g,7hを連結するようにタイヤ径方向に延びる境界7i(補助エッジ)とにより構成されている。本体7では、凸部7cと凸部7dとの境界7j、並びに凸部7dと凸部7eの境界7kは、タイヤ周方向に延びるように設定されている。
【0026】
図2を参照すると、第2サイドブロック6の補助部8は、タイヤ幅方向に見ると比較的短い帯状である。補助部8は、本体7の凸部7cのタイヤ径方向内側部分から凸部7eのタイヤ径方向外側部分に沿って配置されている。図3及び図6に示すように、補助部8のサイド面11bからのタイヤ幅方向の突出量は、本体7の凸部7c,7d,7eよりも小さく設定されている。そのため、補助部8と本体7の凸部7c〜7eとの間には、タイヤ径方向に延びる補助段差9が形成されている。
【0027】
図2及び図3において、符号A1は、第1サイドブロック5の凹部5bを含むタイヤ径方向の領域(第1領域)を示す。領域A1では、第2サイドブロック6の本体7、具体的には、凸部7aのタイヤ径方向内側部分、凹部7bのタイヤ径方向全体、及び凸部7cのタイヤ径方向外側部分が、第1サイドブロック5よりもタイヤ幅方向外側に突出している。第1領域A1では、第2サイドブロック6の本体7の第1サイドブロック5よりもタイヤ幅方向外側に突出している部分により、タイヤ径方向に延びるエッジが形成されている。
【0028】
図2及び図3において符号A2で示すタイヤ径方向の領域(第2領域)は、領域A1よりもタイヤ径方向内側に位置している。領域A2では、第1サイドブロック5、具体的には、凹部5bのタイヤ径方向内側部分と凸部5cのタイヤ径方向外側部分が、第2サイドブロック6の本体7の凸部7cよりもタイヤ幅方向外側に突出している。第2領域A2では、第1サイドブロック5の第2サイドブロック6の本体7よりもタイヤ幅方向外側に突出している部分により、タイヤ径方向に延びるエッジが形成されている。
【0029】
図2及び図3において符号A3で示すタイヤ径方向の領域(第3領域)は、領域A2よりもさらにタイヤ径方向内側に位置している。領域A3では、第2サイドブロック6の本体7、具体的には、凸部7bのタイヤ径方向内側部分が、第1サイドブロック5凸部5cよりもタイヤ幅方向外側に突出している。第3領域A3では、第2サイドブロック6の本体7の第1サイドブロック5よりもタイヤ幅方向外側に突出している部分により、タイヤ径方向に延びるエッジが形成されている。
【0030】
領域A1〜A3で、第1サイドブロック5と第2サイドブロック6の本体7とのうちいずれが、よりタイヤ幅方向に突出するかは、タイヤ径方向外側から内側へ向けて交互に入り替わっている。言い換えれば、タイヤ周方向に見たときに、第1サイドブロック5と第2サイドブロック6の本体7の一方が他方よりも突出する領域が、タイヤ径方向に3回交互に繰り返される。
【0031】
領域A1〜A3では、第1サイドブロック5と第2サイドブロック6のうちいずれがタイヤ幅方向外側に突出することでエッジが形成されるので、トラクション効果が得られる。また、第1サイドブロック5と第2サイドブロック6のうちいずれが、よりタイヤ幅方向に突出するかは、領域A1〜A3で交互に入れ替わるので、これらの領域A1〜A3のうちのいずれかにおけるエッジによる、確実にトラクション効果が得られる。その結果、サイド部3で効果的にトラクションを得ることができる。
【0032】
領域A1〜3における、第1サイドブロック5と第2サイドブロック6の本体7とのタイヤ幅方向の突出量の差は5mm以上15mm以下が好ましい。特に、5mm以上10mm以下であることが好ましい。この突出量の差が過度に小さいと、十分なトラクションが得られない。一方、この突出量の差が過度に大きいと、第1及び第2サイドブロック5,6の接地面積が過度に小さくなる。
【0033】
領域A1における、第1サイドブロック5と第2サイドブロック6の本体7とのタイヤ幅方向の突出量の差は、トレッドショルダ部2aにおける凹部と凸部の突出量の差の20%以上100%以下が好ましい。特に50%以上100%以下が好ましい。トレッドショルダ部2aにおける突出量の差に対して、領域A1における突出量の差が過度に大きいと、トレッドショルダ部2aの凹部と凸部が効果的にトラクションを発揮し得ない。
【0034】
互いに隣接する第1サイドブロック5と第2サイドブロック6との間のタイヤ周方向の間隔は、境界Bから第2サイドサイドブロック6のタイヤ径方向内側先端までの距離L(図2参照)の20%以上50%以下、特に特に25%以上35%以下が好ましい。第1サイドブロック5と第2サイドブロック6との間のタイヤ周方向の間隔が過度に大きい場合や過度に小さい場合には、第1及び第2サイドブロック5,6を含むサイド部3の岩盤路に対する追従性が低下する。
【0035】
図7及び図8は、比較例のタイヤ1’,1’’を示す。これらのタイヤ1’,1’’では、領域A1では、第2サイドブロック6が、第1サイドブロック5よりもタイヤ幅方向外側に突出している。しかし、これらのタイヤ1’,1’’では、本実施形態の領域A2,A3に相当する構成は備えてない。つまり、これらのタイヤ1’,1’’では、第1サイドブロック5と第2サイドブロック6の一方が他方よりも突出する領域が、複数回繰り返されるのではなく、そのような領域が1個のみ設けられている。この構成では、領域A1におけるエッジが機能しなければ、サイド部3におけるトラクションが得られない。これに対し、本実施形態では、第1サイドブロック5と第2サイドブロック6の一方が他方よりも突出する3個の領域A1〜A3がタイヤ径方向に交互に設けられている。そのため、これらの領域A1〜A3のうち、1個の領域のエッジが機能しない場合でも、他の2個の領域のエッジが桐生する可能性が高いので、より確実にサイド部3におけるトラクションを得ることができる。
【0036】
第2サイドブロック6が本体7と補助部8を備え、補助部8と本体7の凸部7c〜7eとの間には、タイヤ径方向に延びる補助段差9が形成されている。この補助段差部9によっても、サイド部3でトラクションを得ることができる。
【0037】
第2サイドブロック6の本体7では、凸部7bと凸部7cの間に、タイヤ径方向に延びる境界7i(補助エッジ)がある。この補助エッジによっても、サイド部3でトラクションを得ることができる。
【0038】
第1サイドブロック5は、いずれの境界5d,5eもタイヤ周方向延びており、比較的単純な形状を有する。これに対し、第2サイドブロック6は、本体7と補助部8とを備える点で、本体7の凸部7bと凸部7cの境界は、タイヤ周方向にのみ延びるのではなくタイヤ径方向に延びる境界7iを含む点で、比較的複雑な形状を有する。比較的単純な形状の第1サイドブロック5と比較的複雑な形状の第2サイドブロック6とのタイヤ周方向の繰り返し配置は、看者の注意を引く高い意匠性を有する。
【0039】
図2を参照すると、同図において符号6A,6Bで示すように、タイヤ周方向に隣接して配置された2個の第2サイドブロック6は、タイヤ径方向に対称性を有するように設けられている。具体的には、これらの第2サイドブロック6A,6Bは、本体7の凸部7aを除く、残りの部分、つまり凹部7b、凸部7c〜7e、及び補助部8が、タイヤ径方向に対して対称となるように配置されている。かかる対称性を有する第2サイドブロック6の配置により、タイヤ1の車体に対する装着姿勢を変更しても、サイド部3における効果的なトラクションが得られる。
【0040】
(第2実施形態)
図9に示す本発明の第2実施形態では、領域A3よりもさらにタイヤ径方向内側の領域A4において、第1サイドブロック5が第2サイドブロック6よりもタイヤ幅方向に突出している。本実施形態のように、第1サイドブロックと第2サイドブロックのうちいずれがタイヤ径方向に突出する領域をタイヤ径方向に4箇所以上設けても良い。かかる領域の個数を増やすことで、より確実にサイド部3における効果的なトラクションが得られる。
【符号の説明】
【0041】
1 空気入りタイヤ
2 トレッド部
2a トレッドショルダ部
3 サイド部
4 ビード部
5 第1サイドブロック
5a 凸部
5b 凹部
5c 凸部
5d,5e 境界
6 第2サイドブロック
6A,6B サイドブロック
7 本体
7a 凸部
7b 凹部
7c 凸部
7d 凸部
7e 凸部
7f〜7k 境界
8 補助部
9 補助段差
11a タイヤ表面
11b サイド面
A1,A2,A3,A4 領域
B 境界
Ce 中心線
L 距離
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9