(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2017-114354(P2017-114354A)
(43)【公開日】2017年6月29日
(54)【発明の名称】自転車の荷紐
(51)【国際特許分類】
B62J 7/08 20060101AFI20170602BHJP
【FI】
B62J7/08 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2015-252882(P2015-252882)
(22)【出願日】2015年12月25日
(71)【出願人】
【識別番号】591032079
【氏名又は名称】橋口 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100082913
【弁理士】
【氏名又は名称】長野 光宏
(74)【代理人】
【識別番号】100202706
【弁理士】
【氏名又は名称】長野 克彦
(72)【発明者】
【氏名】橋口 敬
(57)【要約】
【課題】荷紐により荷物を荷台に固定する作業及びその固定を解除し荷紐を元の状態に戻す作業が容易であると共に、荷紐におけるフックを備えた先端が荷台から垂れ下がって車輪のスポーク等の自転車の各部に絡み付くおそれがなく、荷紐が非使用時に日光、雨、雪等に直接晒されることがなく、荷紐が非使用時に外部から見えないようにした、自転車の荷紐を提供する。
【解決手段】自転車には荷紐巻付けリールを回転自在に内設した荷紐収納ケース15を備えさせ、該荷紐巻付けリールには荷紐17を繰り出し及び繰り入れ自在に巻き付け、該荷紐におけるフックが取り付けられた先端を常時該荷紐収納ケースより外方に突出させ、該荷紐はばねにより常時該荷紐収納ケース内の荷紐巻付けリールに巻き付けられる方向に引かれていることを特徴とする自転車の荷紐。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自転車には荷紐巻付けリールを回転自在に内設した荷紐収納ケースを備えさせ、該荷紐巻付けリールには荷紐を繰り出し及び繰り入れ自在に巻き付け、該荷紐におけるフックが取り付けられた先端を常時該荷紐収納ケースより外方に突出させ、該荷紐はばねにより常時該荷紐収納ケース内の荷紐巻付けリールに巻き付けられる方向に引かれていることを特徴とする自転車の荷紐。
【請求項2】
前記荷紐収納ケースは自転車における荷台の下方に着脱自在に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の自転車の荷紐。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自転車の荷紐に関するものであり、更に詳しくは、自転車の荷台に備えさせた荷紐に係るものである。
【背景技術】
【0002】
例えば特開平8−282563号公報に示すように、自転車の荷台には、一般に、該荷台上に載置された荷物を固定するために、フックを備えた伸縮自在の荷紐(以下「従来の自転車の荷紐」という。)が取り付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−282563号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかるに、従来の自転車の荷紐においては、荷紐が常時外部に露出しているため、下記の問題が生じている。
(イ)荷紐におけるフックを備えた先端が荷台から垂れ下がって車輪のスポーク等の自転車の各部に絡み付くおそれがある。
(ロ)荷紐が非使用時にも日光、雨、雪等に直接晒されるため、該荷紐が短期間で劣化する。
(ハ)荷紐が非使用時にも外部から見えるため、体裁上好ましくない。
【0005】
本発明は、従来の自転車の荷紐における上述の如き問題を解決し、荷紐により荷物を荷台に固定する作業及びその固定を解除し荷紐を元の状態に戻す作業が容易であると共に、荷紐におけるフックを備えた先端が荷台から垂れ下がって車輪のスポーク等の自転車の各部に絡み付くおそれがなく、荷紐が非使用時に日光、雨、雪等に直接晒されることがなく、荷紐が非使用時に外部から見えないようにした、自転車の荷紐を提供しようとしてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本考案は、下記の自転車の荷紐を提供するものである。
【0007】
(1)自転車には荷紐巻付けリールを回転自在に内設した荷紐収納ケースを備えさせ、該荷紐巻付けリールには荷紐を繰り出し及び繰り入れ自在に巻き付け、該荷紐におけるフックが取り付けられた先端を常時該荷紐収納ケースより外方に突出させ、該荷紐はばねにより常時該荷紐収納ケース内の荷紐巻付けリールに巻き付けられる方向に引かれていることを特徴とする自転車の荷紐(請求項1)。
【0008】
(2)前記荷紐収納ケースは自転車における荷台の下方に着脱自在に取り付けられている(請求項2)。
【発明の効果】
【0009】
[請求項1の発明]
自転車の荷台に載置した荷物を固定する際には、荷紐収納ケースより外方に突出している荷紐の先端をばねの力に抗して該荷紐収納ケースの外方に引き出し、該荷紐を荷台上の荷物に巻き掛け、該荷紐の先端のフックを荷台等の突起等に係止する。この状態においては、荷紐はばねの力により荷紐収納ケース内に戻る方向に引かれているため、荷台上の荷物は確実に固定される。また、荷物の固定を解除する際には、荷紐の先端のフックを荷台等の突起等から外し、該荷紐をばねの力により荷紐収納ケース内に戻す。このように、荷紐により荷物を荷台に固定する作業及びその固定を解除し荷紐を荷紐収納ケース内に戻すは極めて容易である。
【0010】
荷紐はばねにより常時該荷紐収納ケース内の荷紐巻付けリールに巻き付けられる方向に引かれているため、非使用時には、荷紐は、フックが取り付けられた先端を除き、ほぼ全部が荷紐収納ケース内に収納されている。したがって、(a)荷紐が非使用時に垂れ下がって車輪のスポーク等の自転車の各部に絡み付くおそれがなく、(b)荷紐が非使用時に日光、雨、雪等に直接晒されることがないため、該荷紐が短期間で劣化するおそれがなく、(c)荷紐が非使用時に外部から見えないため、体裁上もこのましい、等の効果が発揮される。
【0011】
[請求項2の発明]
荷紐収納ケースは自転車における荷台の下方に取り付けられているため、該荷紐収納ケースに対する荷紐の出し入れが容易であり、該荷紐収納ケースが外部から目立たないため、体裁上も好ましい。
また、荷紐収納ケースは荷台の下方に着脱自在に取り付けられるものであるため、既存の自転車に対する後付が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本発明による自転車の荷紐を自転車に備えさせた一例を示す平面図である。
【
図3】
図3は、荷紐収納ケースの一例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
符号1に示すものは自転車、符号3に示すものは自転車1の荷台、符号5、7に示すものは荷台支持脚、符号9に示すものは車輪、符号11に示すものはサドルである。
【0014】
自転車1には荷紐巻付けリール13を内設した荷紐収納ケース15を備えさせる。荷紐巻付けリール13には荷紐17を繰り出し及び繰り入れ自在に巻き付ける。荷紐巻付けリール13は、荷紐収納ケース15内に突設した支軸19を回転中心として回転自在である。
【0015】
荷紐17におけるフック21が取り付けられた先端17aを常時荷紐収納ケース15より外方に突出させる。すなわち、荷紐収納ケース15における一部に透孔23を形成し、該透孔23を通って荷紐17が荷紐収納ケース15から出入り自在とする。
【0016】
図示の事例においては、荷紐収納ケース15は、上端25を開口した円筒状のケース本体15aと該上端25に着脱自在に嵌着した蓋部15bとよりなる。この事例においては、蓋部15bを取り外したときには、荷紐収納ケース15の内部に手が届く。
【0017】
荷紐17はばね27により常時荷紐収納ケース15内の荷紐巻付けリール13に巻き付けられる方向に引かれている。
図3に示す事例においては、ばね27としてゼンマイばねを用いている。すなわち、一例として、ばね27の基端27aを支軸19に設けた切欠部19aに固定し、該ばね27を渦巻状に巻き、該ばね27の先端27bを荷紐巻付けリール13に形成した透孔29を通して荷紐巻付けリール13の外方に出し、該先端27bを荷紐17の基端17bに固定する。この事例においては、荷紐収納ケース15より外方に突出している荷紐17の先端17aをばね27の力に抗して該荷紐収納ケース15の外方に引いたときには、該ばね27は変形し、荷紐17を荷紐収納ケース15内に戻す方向に常時力を及ぼす。したがって、荷紐17を荷紐収納ケース15の外方に引く力を解除したときには、荷紐17はばね27の力により荷紐収納ケース15内に入り、荷紐巻付けリール13に巻き付けられる。
【0018】
荷紐収納ケース15は、自転車1における荷台3の下方に着脱自在に取り付けられる。
【0019】
荷紐収納ケース15は、荷台3の下部に水平方向に取り付けてもよいが、
図2における鎖線15’、15’’に示すように、荷台3の下方に上下方向に取り付けても良い。鎖線15’に示すに荷紐収納ケース15は荷台支持脚5に取り付けられている。鎖線15’’ に示すに荷紐収納ケース15は別の荷台支持脚7に取り付けられている。
【0020】
図1、
図3、
図4における符号31は、荷紐収納ケース15を荷台3に取り付ける取付手段の一例を示す。取付手段31は、板状部33と複数の挿通孔35、35・・・とを備えている。板状部33上には荷紐収納ケース15を取り付ける。各挿通孔35には荷台3の構成部材3a、3bを挿通する。
【符号の説明】
【0021】
1 自転車
3 荷台
3a 構成部材
3b 構成部材
5 荷台支持脚
7 荷台支持脚
9 車輪
11 サドル
13 荷紐巻付けリール
15 荷紐収納ケース
15a ケース本体
15b 蓋部
17 荷紐
17a 先端
17b 基端
19 支軸
19a 切欠部
21 フック
23 透孔
25 上端
27 ばね
27a 基端
27b 先端
29 透孔
31 取付手段
33 板状部
35 挿通孔